(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048443
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】制流体装置
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20240402BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20240402BHJP
F16K 43/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
F16K37/00 A
F16L55/00 C
F16K43/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154342
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】笠原 太郎
(72)【発明者】
【氏名】軍司 渉
【テーマコード(参考)】
3H065
3H066
【Fターム(参考)】
3H065AA03
3H065BA06
3H065BB01
3H065BC01
3H065BC13
3H065CA07
3H066AA03
3H066BA38
(57)【要約】
【課題】安定した密封状態を確保したうえで密封確認できる制流体装置を提供する。
【解決手段】流路構成部材1に密封状に接続される筐体11と、筐体11内にシール部材44,45を介して流路構成部材1を横切る方向に不断流状態で設置される制流体12と、を備える制流体装置10であって、シール部材45は、制流体12の設置方向に沿って延設された溝40aに嵌合されており、筐体11とシール部材45との対向面の少なくとも一方には、筐体11の外部に連通する細溝24,34a,34b,34c,34dが形成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路構成部材に密封状に接続される筐体と、前記筐体内にシール部材を介して前記流路構成部材を横切る方向に不断流状態で設置される制流体と、を備える制流体装置であって、
前記シール部材は、前記制流体の設置方向に沿って延設された溝に嵌合されており、
前記筐体と前記シール部材との対向面の少なくとも一方には、前記筐体の外部に連通する細溝が形成されていることを特徴とする制流体装置。
【請求項2】
前記細溝は、前記シール部材の延設方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の制流体装置。
【請求項3】
前記細溝は、前記筐体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制流体装置。
【請求項4】
前記細溝は、前記シール部材の弾性変形代よりも深いことを特徴とする請求項3に記載の制流体装置。
【請求項5】
前記細溝は、前記制流体側に向かって拡径されていることを特徴とする請求項3に記載の制流体装置。
【請求項6】
前記細溝は、前記筐体を厚み方向に貫通する連通路に連通していることを特徴とする請求項1に記載の制流体装置。
【請求項7】
前記細溝は、前記連通路側に向かって拡径されていることを特徴とする請求項6に記載の制流体装置。
【請求項8】
前記連通路は、前記筐体内の流体を排出するためのドレン孔であることを特徴とする請求項6に記載の制流体装置。
【請求項9】
前記細溝は、前記シール部材に設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の制流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを制御する制流体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水やガス等が流れる既設の管路を構成する流体管は、経年劣化による流体管の更新や流路の変更、または新たな分岐路が接続される場合がある。このような施工において、流体の流れを制御するために設置される制流体装置が知られている。
【0003】
このような制流体装置は、流体管等の流路構成部材に接続される筐体と、筐体内に設けられたシート面にシール部材を介して配置される制流体と、から主に構成されている。制流体装置を流体管に設置するにあたっては、まず筐体を流体管に外嵌させて密封状に固定する。次いで、筐体に取り付けた穿孔装置を用いて筐体内の流体管を切除し、挿入装置を用いて制流体を筐体内に挿入する。そして、筐体と制流体との間をシール部材にて密封した状態で制流体を筐体に固定設置する。
【0004】
このように筐体内に制流体を設置することにより、例えば流路の開閉等の制御が可能となる。その一方で、制流体によって流路を閉塞状態とした場合であっても、筐体と制流体との間に介在されたシール部材の設置個所が適切でない等の不具合がある場合に漏洩が生じる虞がある。そこで、筐体と制流体との間の密封状態を確認可能な制流体装置も知られている。
【0005】
例えば、特許文献1に示される制流体装置は、筐体内に断面視U字状のシート面が形成されており、またシール部材は、シート面に沿って延びて且つ管軸方向に離間した一対の延在部を有している。そのため、筐体内に制流体を挿入して各延在部を圧着させることにより、これら一対の延在部と、シート面と、制流体によって画成される空間が形成される。
【0006】
また、筐体には、上述した画成された空間に連通する連通路が貫通形成されている。これにより、筐体とその内部に設置された制流体との間に隙間が生じ、上述の空間内に流体が浸入した場合には、連通路を開放することで流体が筐体外に排出されるため、漏洩の有無を確認することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-173133号(第5頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような特許文献1の制流体装置においては、管軸方向に離間して設けられている一対の延在部の間の空間の密封状態を確認することで、視認確認が困難な筐体内部における密封状態を簡便に確認することができる。しかしながら、一対の延在部が互いに独立しており個々に弾性変形し得るため、上流側と下流側との圧力差、制流体設置時に生じる剪断応力等により、延在部の一方側が他方側に対して相対移動する虞がある。これにより、密封状態を判定する以前に密封状態が損なわれてしまうことがあるため、安定した密封状態を確保したうえでの密封確認が困難であった。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、安定した密封状態を確保したうえで密封確認できる制流体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の制流体装置は、
流路構成部材に密封状に接続される筐体と、前記筐体内にシール部材を介して前記流路構成部材を横切る方向に不断流状態で設置される制流体と、を備える制流体装置であって、
前記シール部材は、前記制流体の設置方向に沿って延設された溝に嵌合されており、
前記筐体と前記シール部材との対向面の少なくとも一方には、前記筐体の外部に連通する細溝が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、溝に嵌合された一本のシール部材を利用して安定した密封状態を確保することができ、そのうえで筐体とシール部材との間の密封確認を行うことができる。
【0011】
前記細溝は、前記シール部材の延設方向に延びていることを特徴としている。
この特徴によれば、筐体とシール部材との間の密封確認を精度よく行うことができる。
【0012】
前記細溝は、前記筐体に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、構造が安定した細溝を簡便に構成することができる。
【0013】
前記細溝は、前記シール部材の弾性変形代よりも深いことを特徴としている。
この特徴によれば、シール部材の一部が細溝内に入り込んでも、当該部分が閉塞されることを防止することができる。
【0014】
前記細溝は、前記制流体側に向かって拡径されていることを特徴としている。
この特徴によれば、シール部材との当接領域が確保された面取り形状となるため、シール部材に損傷が及びにくくすることができる。
【0015】
前記細溝は、前記筐体を厚み方向に貫通する連通路に連通していることを特徴としている。
この特徴によれば、簡便に漏洩を確認することができる。
【0016】
前記細溝は、前記連通路側に向かって拡径されていることを特徴としている。
この特徴によれば、シール部材の一部が細溝内に入り込んでも、拡径されている領域全体が閉塞されることを防止することができる。
【0017】
前記連通路は、前記筐体内の流体を排出するためのドレン孔であることを特徴としている。
この特徴によれば、流体管切断によって生じる切り粉を排出するためのドレンを利用することができるため、連通路の構成を簡素にすることができる。
【0018】
前記細溝は、前記シール部材に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、細溝を簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施例1における制流体装置の筐体を流体管に密封状に接続し、作業弁、切断装置を設置した状態を示す正面図である。
【
図2】実施例1における制流体装置の制流体を筐体内に設置する状態を示す側面図である。
【
図3】実施例1における制流体装置を一部破断して示す正面図である。
【
図4】実施例1における筐体の内周面を示す正面断面図である。
【
図8】
図5におけるD領域を拡大して示す図である。
【
図9】
図6におけるE領域を拡大して示す図である。
【
図10】シート面に圧着されたシール部材を示す図である。
【
図12】細溝のさらに別の態様を示す断面図である。
【
図14】細溝のさらに別の形状を示す断面図である。
【
図15】下部筐体における溝の別の構成を示す上面図である。
【
図16】下部筐体における溝の別の構成を示す側断面図である。
【
図17】実施例2における制流体装置の筐体を流体管に密封状に接続し、作業弁、切断装置を設置した状態を示す正面図である。
【
図18】実施例2における制流体装置の制流体を筐体内に設置する状態を示す側面図である。
【
図19】実施例2における制流体装置を一部破断して示す正面図である。
【
図20】実施例2における筐体の内周面を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る制流体装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0021】
実施例1に係る制流体装置について、
図1から
図16を参照して説明する。本実施例においては、例えば、既設の管路を構成する流路構成部材としての流体管1を本発明に係る制流体装置10の筐体11によって密封状に外嵌し、筐体11内における流体管1の所定箇所を切断装置5(
図1参照)によって切断し、その切断箇所に制流体としてのソフトシール弁12(
図2参照)を不断流状態で設置した後、筐体11とソフトシール弁12との間の密封状態を確認するまでの一連の流れを説明する。
【0022】
図1に示されるように、例えば地中に埋設された流体管1の所定箇所の周囲を掘削し、流体管1の外面を清掃した後、この流体管1の後述する切断部分を密封するためのシール部材15(
図6参照),16,16(
図3,
図5参照)を介し、上方に開口して内部に連通する首部21を有する上下2分割構造の筐体11を外嵌して囲繞する。なお、流体管内の流体は、本実施例では上水であるが、これに限らず例えば、工業用水、農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
【0023】
また、本発明に係る流体管は、ダクタイル鋳鉄管であって、断面視略円筒状に形成されている。なお、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール製、ポリエチレン製若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらになお、流体管の内周面はエポキシ樹脂層、モルタル、めっき等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。
【0024】
筐体11について詳しくは、
図1~
図4に示されるように、筐体11は、上部筐体20と、下部筐体30から主に構成されている。
【0025】
図3~
図5に示されるように、上部筐体20は、上方に向かって延び、略円筒状に形成されている首部21と、首部21に略直交して側方に延び、流体管1の軸方向から見て半円弧状の曲板状に形成されている半割腕部22,23を備える正面視倒立T字状に形成されている。
【0026】
図4,
図5に示されるように、上部筐体20の内側には、首部21の軸心(すなわち図面縦方向)と同心円状に形成されている環状のシート面21aと、シート面21aに略直交して上下方向に延びる直線状の2つのシート面21b,21bが形成されている。これらのシート面21a、21b,21bは、上部筐体20の壁部において、その内面よりも内方に膨出した段状部分に形成されている。
【0027】
図5に示されるように、シート面21aは、首部21の軸方向に幅を有している環状のシート面である。
【0028】
図4,
図5に示されるように、2つのシート面21b,21bは、上部筐体20において半割腕部22,23の軸方向中央かつ流体管1に略直行する首部21の直径方向に配置形成されており、同軸方向に幅を有している。なお、一方の半割腕部と他方の半割腕部とで軸方向寸法が異なる場合には、流体管1に略直行する首部21の直径方向に配置形成されていればよく、一方の半割腕部と他方の半割腕部の軸方向中央に形成されていなくてもよい。
【0029】
また、
図7に示されるように、2つのシート面21b,21bは、上部筐体20における割面側に向かって、互いに近づくように傾斜して略倒立ハ字状に対向配置されている。さらに、シート面21bは、その幅方向中央に向かって凹むように湾曲する曲面状に形成されている。
【0030】
図4,
図5に示されるように、また、各シート面21bの幅方向の略中心位置には、その延設方向に沿って延びる直線状の細溝24が凹設形成されている。細溝24は、シート面21bの幅方向中央より外方、すなわちシート面21bが位置する上部筐体20の壁部の厚み方向に凹設されて内方に開放されている断面矩形状(
図5参照)に形成されている。また、各細溝24は、シート面21a側の端部が閉塞されており、反対側の端部が延設方向に向かって開放されている。
【0031】
図7に示されるように、上部筐体20には、細溝24の延設方向に略直交して延びる連通路25が形成されている。連通路25は、上部筐体20の壁部に貫通形成されており、連通路25の出口側の端部、すなわち上部筐体20の外方に開放されている端部の流下断面積は、細溝24における流下断面積よりも広く設けられている。
【0032】
さらに、連通路25は、上部筐体20の内側に位置する先細り形状の先端が細溝24に連通している。これにより、流下断面積が狭い細溝24から連通路25内に流体を導入させやすくなっている。
【0033】
また、連通路25は、プラグ26(
図7参照)を装着することで閉塞可能となっている。
【0034】
図5に示されるように、上部筐体20の外側には、半割腕部22に沿って直線状に延び、首部21に沿うように湾曲して延びて半割腕部23に沿って直線状に延びる一対のフランジ27,27が形成されている。
【0035】
また、上部筐体20においてフランジ27よりも内側には、隣接するフランジ27に沿って延びるシート面28が形成されている。また、シート面28は、シート面21bに略直交する延設部28aを有している。
【0036】
図3,
図4,
図6に示されるように、下部筐体30は、鉢状に形成されている胴部31と、胴部31に略直交して側方に延び、流体管1の軸方向から見て半円弧状に湾曲形成されている曲板状の半割腕部32,33を備える正面視T字状に形成されている。
【0037】
胴部31には、軸方向に貫通するドレン孔35が形成されている。ドレン孔35は、プラグ36(
図3参照)を装着することで閉塞可能となっている。
【0038】
また、
図4,
図6に示されるように、下部筐体30の内側には、ドレン孔35を囲む環状のシート面31aと、シート面31aに略直交して延びる直線状の2つのシート面31b,31bと、シート面31bの端部に連続してその延設方向に対して略120度程屈曲されて延びる直線状の2つのシート面31c,31cが形成されている。これらのシート面31a~31cは略面一に連続している。また、シート面31c,31cは、下部筐体30の壁部において、その内面よりも内方に膨出した段状部分に形成されている。なお、
図4,
図6では、シート面31a,31b,31bは胴部31の他の内面と面一状に形成されているため、二点鎖線で図示している。
【0039】
図6に示されるように、シート面31aは、ドレン孔35の径方向に幅を有し、ドレン孔35の軸心側から径方向に離間するほど浅くなる鉢状に形成されている。
【0040】
図4,
図6に示されるように、2つのシート面31b,31bは、下部筐体30において半割腕部32,33の軸方向中央かつ流体管1に略直行する胴部31の直径方向に配置形成されており、同軸方向に幅を有している。なお、一方の半割腕部と他方の半割腕部とで軸方向寸法が異なる場合には、流体管1に略直行する胴部31の直径方向に配置形成されていればよく、一方の半割腕部と他方の半割腕部の軸方向中央に形成されていなくてもよい。
【0041】
また、2つのシート面31b,31bは、下部筐体30における割面側に向かって、互いに離れるように傾斜して略倒立ハ字状に対向配置されている。さらに、シート面31bは、その幅方向中央に向かって凹むように湾曲する曲面状に形成されている。
【0042】
2つのシート面31c,31cは、半割腕部32,33の軸方向中央かつ流体管1に略直行する胴部31の直径方向に配置形成されており、同軸方向に幅を有している。なお、一方の半割腕部と他方の半割腕部とで軸方向寸法が異なる場合には、流体管1に略直行する胴部31の直径方向に配置形成されていればよく、一方の半割腕部と他方の半割腕部の軸方向中央に形成されていなくてもよい。
【0043】
また、2つのシート面31c,31cは、下部筐体30における割面側に向かって、互いに離れるように傾斜して略倒立ハ字状に対向配置されている。さらに、シート面31cは、その幅方向中央に向かって凹むように湾曲する曲面状に形成されている。
【0044】
図4,
図6に示されるように、下部筐体30には、細溝34a,34b,34c,34dが凹設形成されている。
【0045】
図6に示されるように、細溝34aは、シート面31aの延設方向に沿って延びる環状であり、シート面31aにおける幅方向中央から外方、すなわちシート面31aが位置する下部筐体30の壁部の厚み方向に凹設されて内方に開放されている断面矩形状に形成されている(
図4参照)。
【0046】
図4,
図6に示されるように、細溝34bは、シート面31bの延設方向に沿って延びる直線状であり、シート面31bにおける幅方向中央から下部筐体30の壁部の厚み方向に凹設されている。なお、直接の図示はないが、
図4の細溝34aの断面形状、
図6の細溝34cの断面形状と略同一に形成されている。また、細溝34bは、細溝34aに連通している。
【0047】
細溝34cは、シート面31cの延設方向に沿って延びる直線状であり(
図4参照)、シート面31cにおける幅方向中央から下部筐体30の壁部の厚み方向に凹設されて内方に開放されている断面矩形状に形成されている(
図6参照)。また、細溝34cは、細溝34bに連通しており、反対側の端部が延設方向に向かって開放されている。
【0048】
図6に示されるように、細溝34dは、半割腕部32,33の軸方向に沿って延びる直線状であり、シート面31aから下部筐体30の壁部の厚み方向に凹設されている。なお、直接の図示はないが、
図4の細溝34aの断面形状、
図6の細溝34cの断面形状と略同一に形成されている。また、細溝34dは、細溝34aとドレン孔35に連通している。
【0049】
下部筐体30の外側には、半割腕部32に沿って直線状に延び、胴部31に沿うように湾曲して延びて半割腕部33に沿って直線状に延びる一対のフランジ37,37が形成されている。
【0050】
また、下部筐体30においてフランジ37よりも内側には、隣接するフランジ37に沿って延びるシール溝38が形成されている。また、シール溝38は、シート面31cに略直交する延設部38aを有している。
【0051】
各シール溝38には、シール部材15の板状部15Aが配置される。板状部15Aは、シール溝38に内嵌可能に形成されており、延設部38aに内嵌される延設部15aを有している。また、延設部15aは、シート面21b,31cと略面一に配置される。
【0052】
上述したように、筐体11を流体管1に外嵌するにあたって詳しくは、まず
図6に示されるように、下部筐体30のシール溝38,38内にシール部材15の板状部15A,15Aを嵌合させ、下部筐体30の半割腕部32,33の内側にシール部材15の曲状部15B,15Bを嵌合させ、
図5に示されるように、上部筐体20の半割腕部22,23の内側に半割状のシール部材16を一つずつ嵌合させる。
【0053】
そして、
図1に示されるように、流体管1に外装した上部筐体20と下部筐体30のフランジ27,37同士をボルトナットで締結する。これにより、上部筐体20のシート面28,28が板状部15A,15Aに圧接されて上部筐体20および下部筐体30それぞれの割面の間が密封される。また、曲状部15B,15Bとシール部材16,16が流体管1の外周面に圧着されて、流体管1と筐体11の間が密封される(
図3参照)。
【0054】
これに伴って、上部筐体20のシート面28,28それぞれの延設部28a,28aと、下部筐体30のシール溝38,38それぞれの延設部38a,38aの間も、シール部材15,15の延設部15a,15aによって密封される。そのため、上部筐体20の細溝24,24それぞれの割面側の端部と、下部筐体30の細溝34c,34cそれぞれの割面側の端部は共に閉塞される。すなわち、上部筐体20の細溝24と、その下方に位置する下部筐体30の細溝34cとは、非連通となっている。
【0055】
また、筐体11において、シート面21bは、シール部材15の延設部15aを挟んで、シート面31cと略面一に連続しており、他の各シート面31a,31bと共に流体管1の軸方向から見てU字状の一つのシート面21b~31cを構成している。
【0056】
そして、筐体11における半割腕部22,32から成る円筒状の腕部と、半割腕部23,33から成る円筒状の腕部に、それぞれ移動防止金具14,14を装着する。
図3を参照して、移動防止金具14は、半割状に分割可能に形成されており、その内径側には爪部材が設けられている。これら移動防止金具14を腕部に外嵌させてボルトナットで締結することにより、爪部材を流体管1に押しつけることができる。これにより、流体管1を切断しても流体管1が腕部から抜出すことを防止することができる。
【0057】
次いで、
図1に示されるように、首部21のフランジと作業弁4の弁箱、同弁箱と切断装置5を図示しないボルトナットでそれぞれ連結する。なお、ガスケットを介設してそれぞれを密封することは言うまでもない。
【0058】
続けて、作業弁4を開放状態とし、切断装置5のカッタで流体管1の一部を不断流状態で切断する。このとき、ドレン孔35を開放しておくことにより、カッタにより流体管1を切断する際に発生する切り粉を流体と共に外部へ排出することができる。
【0059】
その後、ドレン孔35をプラグ36(
図3参照)で閉塞し、カッタを流体管1の切片と共に引き上げ、作業弁4を閉塞状態とする。これにより、流体の漏水を防止して不断流状態を保ったまま切断装置5を作業弁4より取外すことができる。
【0060】
次いで、筐体11内に制流体としてのソフトシール弁12を設置する。
図2に示されるように、まず作業弁4の弁箱のフランジと挿入装置6の筐体を連結する。続けて、作業弁4を開放状態とし、挿入装置6を操作して開放状態にあるソフトシール弁12を筐体11内に配置する。なお、弁箱のフランジと挿入装置6の筐体との間にガスケットを介設して密封することは言うまでもない。
【0061】
ソフトシール弁12について詳しくは、
図2,
図3に示されるように、ソフトシール弁12は、ほぼ中央部に開口を有するU字状の仕切壁40と、仕切壁40の上端部に回動可能に取付けられる開閉軸41と、開閉軸41の回転に応じて仕切壁40の開口を開閉可能に設けられた弁体42と、仕切壁40の上端部に密封状に接続される略水平方向に延びる略円形の蓋部43を備える。
【0062】
蓋部43の外周面には、内径側に凹設され、外径側に開放されている溝43aが形成されており、溝43aには、断面丸状のシール部材44が接着剤で固着されている。
【0063】
仕切壁40の外面、すなわち筐体11のシート面21b~31cに対向配置される外面は、これらシート面21b~31cに沿うように、流体管1の軸方向から見てU字状に形成されている。
【0064】
仕切壁40の外面における流体管1の軸方向中央には、仕切壁40の内方に向かって凹設され、同外方に向かって開放されている溝40aが形成されている。また、溝40aは、細溝24~34cに沿って延び、かつ一繋がりに連通している。溝40aには、断面丸状のシール部材45が接着剤で固着されている。
【0065】
シール部材45において、シート面21b,21b,31b,31b,31c,31cに配置される部分は、
図4,
図6にて二点鎖線で示すように、細溝24,24,34b,34b,34c,34cに沿って延びる紐状であり、シート面31aに対向配置される部分は、
図6にて二点鎖線で示すように、細溝34aに沿って延びる環状である。また、
図3,
図4に示されるように、シール部材45は、その長手方向端部がそれぞれシール部材44に連続するように接続されている。
【0066】
ソフトシール弁12を筐体11内に配置するにあたって詳しくは、各連通路25とドレン孔35にプラグ26,26(
図7参照),36(
図3参照)を装着し、シール部材45の幅方向中心、すなわちシール部材45における流体管1の軸方向中心を、各細溝24の幅方向中心に位置を合わせた状態で、ソフトシール弁12を筐体11内に挿入していく。
【0067】
このとき、各シート面21b~31cは、曲面状であるため、幅方向中心に形成されている細溝34~34cにシール部材45を案内することができる。
【0068】
また、各細溝24はソフトシール弁12の挿入方向、すなわち設置方向に延びているため、
図10に示されるように、シール部材45の一部が細溝24内に入り込むことで、ソフトシール弁12の挿入をより正確に案内することができる。これは、細溝24の延設方向と略同一方向に延びる各細溝34c,34b,34aについても同様である。そのため、筐体11に対するソフトシール弁12の相対位置や相対角度を正確な位置や角度で配置することが容易である。
【0069】
また、ソフトシール弁12の仕切壁40における溝40aは、ソフトシール弁12の設置方向に延びている。そのため、ソフトシール弁12を筐体11内に挿入するにあたって、シール部材45は流体管1の軸方向に湾曲するような弾性変形が生じにくくなっている。これにより、シール部材45が溝40aから離脱しにくくなっているばかりでなく、シール部材45を各細溝24~34aに対して位置合わせしやすくなっている。また、シール部材45は、溝40aに固着されているため、安定して溝40aを密封することができる。
【0070】
より詳しくは、
図8,
図9に示されるように、細溝24,34c,34bそれぞれの幅Wは、弾性変形前の自然状態にあるシール部材45の直径Dよりも短く形成されており、本実施例では略10分の1に形成されている(10×W≒D)。
【0071】
これにより、
図10に示されるように、シール部材45を細溝24に沿って配置することで、細溝24を跨いだ状態でシート面21bに確実に密封可能な領域を圧着させることができる。これは、他の各シート面31a~31cに対しても同様であり、細溝24と幅寸法が略同一である他の各細溝34a~34cを跨いだ状態で、確実に密封可能な領域を圧着させることができる。
【0072】
また、溝43aに固着されているシール部材44についても、溝43aから離脱しにくくなっているばかりでなく、安定して溝43aを密封することができる。
【0073】
そして、
図3に示されるように、蓋部43に設けられた径方向にスライド可能な係止片43bを筐体11の首部21に形成されている溝内に挿入して、ソフトシール弁12を筐体11に仮固定する。これにより、シール部材44がシート面21aに圧着され、シール部材45がシート面21b~31cに圧着された状態が保持される。
【0074】
その後、環状の蓋13を首部21にボルトナットで固定する。これにより、蓋13の凸部がソフトシール弁12の係止片43bに圧接され、ソフトシール弁12の抜け出しを防止することができる。以上のようにして、流体管1に制流体装置10を配置することができる。
【0075】
なお、各連通路25とドレン孔35にプラグ26,26,36を装着した状態でソフトシール弁12を筐体11内に設置する構成として説明したが、これに限られず、各連通路25とドレン孔35を開放した状態または開度を絞った状態で、ソフトシール弁12を筐体11内に配置してもよい。このような構成であれば、各細溝24~34d内に切り粉が残留していたとしても、シール部材45の圧着に伴って円滑に排出することができる。また、シール部材45の進出に応じて各連通路25やドレン孔35から流体を排出させることができるため、より効率よく密封状態を成すことができる。
【0076】
図8,
図9に示されるように、細溝24,34cそれぞれの深さ寸法Lは、筐体11内にソフトシール弁12が配置されるにあたってシール部材45がシート面21b,31cに圧接されて弾性変形される変形代Cよりも深く形成されている(L>C)。
【0077】
これにより、
図10に示されるように、シール部材45の一部が細溝24,34c内に膨出しても、流体を流通させることが可能な流下断面積を確保することができる。これは、細溝24,34cそれぞれの深さ寸法Lと略同一の深さ寸法に形成されている各細溝34a,34b,34dについても同様である。
【0078】
そのため、もし仮に筐体11内におけるソフトシール弁12の設置に不具合が生じ、シール部材45とシート面21bとの間に隙間が生じている場合には、同隙間から細溝24内に流体が浸入する。そして、プラグ26(
図7参照)を外して連通路25を開放することにより、細溝24内に浸入した流体を筐体11の外方に排出させることができる。
【0079】
これにより、連通路25からの流体の排出が続くようであればシール部材45とシート面21bとの間に隙間が生じており、すなわちソフトシール弁12の設置に不具合が生じていることを把握することができる。
【0080】
また、連通路25からの流体の排出がない場合、または排出が僅かで終了した場合には、シール部材45と筐体11のシート面21bとの間が密封されていること把握することができる。これは、反対側のシート面21bとシール部材45との密封状態を確認するにあたっても同様である。
【0081】
なお、排出が僅かで終了した場合については、細溝24内に貯留されていた流体が排出される、流体の排出により細溝24内の流体圧が低下することに応じてシール部材45が細溝24内に膨出して密封度合いが高められる等が考えられる。
【0082】
また、シール部材45と筐体11の各シート面31a,31b,31cとの密封状態を確認するにあたっては、プラグ36(
図3参照)を外してドレン孔35を開放する。これにより、各細溝34c,34bのいずれかを通じて細溝34aに流入した流体、または細溝34aに直接浸入した流体が細溝34dを通じてドレン孔35より排出される。
【0083】
これにより、ドレン孔35からの流体の排出が続くようであればシール部材45とシート面31a~31cのいずれかとの間に隙間が生じていることを把握することができる。また、ドレン孔35からの流体の排出がない場合、または排出が終了した場合には、シール部材45とシート面31a~31cとの間が密封されていることを把握することができる。
【0084】
なお、排出が僅かで終了した場合については、細溝34a~34d内のいずれかに貯留されていた流体が排出される、流体の排出により細溝34a~34d内の流体圧が低下することに応じてシール部材45が細溝34a~34d内に膨出して密封度合いが高められる等が考えられる。
【0085】
以上のように、本実施例の制流体装置10は、ソフトシール弁12の溝40aに嵌合された一本のシール部材45を利用して筐体11とソフトシール弁12との安定した密封状態を確保することができる。そのうえで、筐体11とシール部材45との間の密封確認を行うことができる。
【0086】
また、各細溝24~34cは、対応するシート面21b~31cに沿って形成されていて、ソフトシール弁12の設置方向に延びていることから、設置方向に延びるシール部材45を安定して対応するシート面に圧着させることができるため、筐体11とシール部材45との間の密封確認を精度よく行うことができる。
【0087】
さらに、各細溝24~34cは、対応するシート面21b~31cに沿って形成されており、連通路25やドレン孔35までの距離を短くしやすいことから、蛇行するような構成と比較して、流路抵抗を抑えやすく、各細溝24~34c内の流体を円滑に排出させやすくなっている。
【0088】
また、各細溝24~34cは、剛性の高い筐体11に形成されているため、構造が安定した細溝を簡便に構成することができる。
【0089】
また、細溝24は、筐体11を厚み方向に貫通している連通路25に連通していることから、筐体11より蓋13を取り外す等の操作を行うことなく、簡便に漏洩を確認することができる。
【0090】
これは、細溝34a~34dおよびドレン孔35についても同様である一方で、連通路としての機能をドレン孔35に兼用させることができるため、別途連通路を設ける構成と比較して、連通路の構成を簡素にすることができる。
【0091】
また、シール部材45は、各細溝24~34cに向かって曲面テーパ状に突出しているため、細溝内にシール部材45の一部を進出させて、細溝の縁、すなわち各細溝24~34cの深さ方向に延びる端面と、同端面に略直交するシート面21b~31cが成す角にシール部材45を圧着させやすくなっている。これにより、より好適に密封性能を高めることができる。
【0092】
なお、シール部材45は、細溝に向かって突出するテーパ状であればよく、三角状、台形状等、その断面形状は適宜変更されてもよい。その一方で、テーパ状でなくてもよい。
【0093】
また、本実施例において、シール部材45は、細溝34dに沿って配置されていないが、細溝34dおよびドレン孔35と連通可能であればこれに沿って配置されていてもよく、シート面31aに圧着される部分が円板状であってもよく、その構成は適宜変更されてもよい。
【0094】
また、上部筐体20と下部筐体30はボルトナットで締結される構成として説明したが、これに限られず、溶接により密封状に連結される構成であってもよい。このような構成であれば、上部筐体20の細溝24と、下部筐体30の細溝34cが直接連通する構成であってもよい。このような構成であれば、これら各シート面21b~31cとシール部材45との間におけるいずれの場所で隙間が生じていたとしても、一つの連通路のみで筐体とシール部材との間の密封確認を行うことができる。
【0095】
また、直接の図示は省略するが、上述したシール部材15,15の延設部15a,15aに、細溝24,34cと連通される細溝を形成してもよい。このような構成であっても、一つの連通路のみで筐体とシール部材との間の密封確認を行うことができる。
【0096】
また、直接の図示は省略するが、上部筐体20の細溝24は、シート面21aを縦断してシート面21aよりも外側に連通していてもよい。このような構成であれば、細溝24に浸入した流体は細溝24を通じてシート面21aよりも外側に排出されるため、密封確認を行うことができる。すなわち、連通路が設けられていなくてもよい。
【0097】
次に、細溝の別形態について、上部筐体および下部筐体の一方の構成を例示して説明する。なお、上述した構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0098】
図11に示されるように、シール部材145は、その長尺方向に連続して延びる一繋がりの細溝145aを有する断面視凹字状に形成されている。これにより、剛性の高い筐体に細溝を形成する構成と比較して、細溝145aを簡単に形成することができる。
【0099】
また、上部筐体120のシート面121bは、面一な曲面状に形成されていてもよい。このような構成であっても、細溝145aに連通する連通路を設けることで、筐体とシール部材145との間の密封確認を行うことができる。また、このような構成であれば、一つの連通路のみで筐体とシール部材145との間の密封確認を行うことができる。
【0100】
また、細溝145aは、密封状態を確保可能であればシール部材44を縦断していてもよい。このような構成であれば、細溝145aを通じて浸入した流体がシート面21aよりも外側に排出されるため、連通路を省略することができる。
【0101】
また、シール部材145は、
図12に示されるように、溝40aよりも外側に位置する端部が、細溝24を跨いでシート面21bに圧着されていてもよい。このような構成であれば、広い流下断面積を確保することができる。
【0102】
また、
図13に示されるように、上部筐体220に形成されている細溝224は、シート面221bに向かって拡径されている構成であってもよい。このような構成であれば、シール部材を広い範囲で圧着させつつ、細溝224の縁の角度を大きくしてシール部材の損傷や摩耗を抑止することができる。
【0103】
また、ソフトシール弁12を挿入する際に、シート面221bと連続する細溝224の縁の角度が大きくなっていることで、シール部材45が細溝224の幅方向中心に向かって案内されるため、シール部材45を適切な位置により簡便に配置することができる。
【0104】
また、
図14に示されるように、上部筐体320に形成されている細溝324は、シート面321bから離間する方向、すなわち連通路に向かって拡径されている構成であってもよい。このような構成であれば、シール部材の一部が細溝324内に入り込んでも、拡径されている領域全体が閉塞されることを防止することができる。
【0105】
また、
図15,
図16に示されるように、下部筐体430には、細溝34c,34c,34b,34bと、細溝34cに連通し、プラグ436で閉塞可能な連通路435が形成されていてもよい。すなわち、胴部431における環状のシート面431aには細溝が形成されていなくてもよい。
【0106】
このような構成であっても、連通路435を通じて密封確認を行うことができる。なお、連通路は、細溝34b,34bに連通していてもよく、その配置や位置は適宜変更されてもよい。これは上部筐体についても同様である。
また、上部筐体520には、フランジ527Aに沿って延びるシート面528Aと、フランジ527Bに沿って延びるシート面528Bと、フランジ527Cに沿って延びるシート面528Cが形成されている。
また、下部筐体530には、フランジ537Aに沿って延びるシール溝538Aと、フランジ537Bに沿って延びるシール溝538Bと、フランジ537Cに沿って延びるシール溝538Cが形成されている。
また、各シール溝538A,538B,538Cは、対応するシート面531cと略直交する延設部538Aa,538Ba,538Caを有している。延設部538Aaにはシール部材515Aの延設部515Aaが内嵌され、延設部538Baにはシール部材515Bの延設部515Baが内嵌され、延設部538Caにはシール部材515Cの延設部515Caが内嵌される。
筐体511を流体管1に外嵌するにあたっては、下部筐体530のシール溝538A,538B,538C内にシール部材515A,515B,515Cを嵌合させ、流体管1に外装させた上部筐体520および下部筐体530のフランジ527,537同士をボルトナットで締結する。なお、上部筐体520および下部筐体530はボルトナットで締結される構成として説明したが、これに限られず、溶接により密封状に連結される構成であってもよい。
仕切壁540の外面、すなわち筐体511のシート面521b~531cに対向配置される外面には、細溝524~534cに沿って延び、かつ一繋がりに連通している溝540aが形成されている。溝540aには、断面丸状のシール部材545が接着剤で固着されている。
このように、制流体が切換弁512であっても、溝540aに嵌合された一本のシール部材545を利用して安定した密封状態を確保することができ、そのうえで筐体511とシール部材545との間の密封確認を行うことができる。すなわち、制流体は、ゲート弁、止水プラグ、止水板等であってもよく、シール部材がシート面に圧着される構成であれば適宜変更されてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、流路構成部材として流体管や分岐管を例示として説明したが、これに限られず、流路を構成するものであれば弁、継手、漏水止めに用いられるカバー等であってもよく、適宜変更されてもよい。
また、前記実施例では、制流体が有するシール部材は一本のシール部材であるとして説明したが、これについて詳しくは、複数のシール部材が連接されて一本のシール部材を構成していてもよく、装着状態において一本のシール部材として構成されていればよい。
また、前記実施例では、制流体が有するシール部材が嵌合される溝は、長手方向に連続している構成として説明したが、これに限られず、複数の溝が制流体の設置方向に沿って設けられていてもよい。
また、前記実施例では、細溝は、シート面の延設方向に連続している構成として説明したが、これに限られず、シート面の延設方向に複数の細溝が形成されていてもよい。
また、前記実施例では、切断装置は、カッタを有するホールソーであるとして説明したが、これに限られず、バイト、ワイヤソー、エンドミル等であってもよく、適宜変更されてもよい。また、流路を構成する流体管は、切断されることに限定されるものではなく、少なくとも一部が穿孔された箇所を通じて流体が流通可能となればよい。