(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048456
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240402BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154373
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 和茂
(72)【発明者】
【氏名】野見山 真成
(72)【発明者】
【氏名】小阪 康洋
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】商取引対象の単価洗い替え業務を簡素化して業務オペレータの業務を支援する。
【解決手段】取得部が、少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する。判断部は、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された商取引情報のうち、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する。洗い替え処理部は、取得された指定期間に対応する各商取引情報を、金額改定前の金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の金額情報、及び、判断部の判断結果となる、金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する。出力制御部は、洗い替え処理された商取引情報を出力制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する取得部と、
前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された前記商取引情報のうち、前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する判断部と、
取得された指定期間に対応する各前記商取引情報を、金額改定前の前記金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の前記金額情報、及び、前記判断部の判断結果となる、前記金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する洗い替え処理部と、
洗い替え処理された前記商取引情報を出力制御する出力制御部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶されている前記商取引情報は、前記日付情報、前記取引先情報、及び、前記金額情報と共に、取引先内の納入先を示す納入先情報を含み、
前記洗い替え対象記憶部に記憶されている前記対象取引先情報は、前記取引先内の納入先を示す納入先情報を含み、
前記判断部は、取得された前記商取引情報のうち、前記洗い替え対象記憶部に記憶されている納入先情報で示される前記取引先内の納入先を含む前記商取引情報を、前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報として判断すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記判断部は、改定前の前記金額情報及び改定後の前記金額情報が同じ金額となる前記商取引情報を、前記金額情報の洗い替えの対象外の商取引情報として判断すること、
を特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記金額記憶部に記憶されている金額情報を、改定後の金額情報に更新する単価更新処理部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の業務支援装置。
【請求項5】
取得部が、少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する取得ステップと、
判断部が、前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された前記商取引情報のうち、前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する判断ステップと、
洗い替え処理部が、取得された指定期間に対応する各前記商取引情報を、金額改定前の前記金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の前記金額情報、及び、前記判断ステップの判断結果となる、前記金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する洗い替え処理ステップと、
出力制御部が、洗い替え処理された前記商取引情報を出力制御する出力制御ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項6】
コンピュータを、
少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する取得部と、
前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された前記商取引情報のうち、前記金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する判断部と、
取得された指定期間に対応する各前記商取引情報を、金額改定前の前記金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の前記金額情報、及び、前記判断部の判断結果となる、前記金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する洗い替え処理部と、
洗い替え処理された前記商取引情報を出力制御する出力制御部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、先物商品又は単価の確定が遅れる業界である例えば化学業界等では、売上単価又は仕入単価の後追い算出し一括洗替を行うことで、単価改定の運用を取ることが多い。
【0003】
特許文献1(特開2002-063440号公報)には、段落0061及び段落0062に、現在から例えば16週間先までの生産計画に基づき、各生産日において生産に必要な部品の所要量(必要日、必要数量)を、受注者に提示するフォーキャスト情報を、随時、最新情報に更新(データの洗い替え)する技術、及び、業務の効率化のため、フォーキャスト情報を、週1回算出して更新する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、商品又はサービス等の商取引対象の単価が改定される場合、処理作業又はマスタ設定の人的ミスによる請求漏れ又は支払漏れを防止するために、業務オペレータは、単価改定対象となる伝票、及び、単価改定対象とならない伝票をチェックして選別する必要がある。このため、請求業務及び支払業務が煩雑な業務となる問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、商取引対象の単価改定に伴う単価洗い替え業務を簡素化して、業務オペレータの業務を支援可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する取得部と、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された商取引情報のうち、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する判断部と、取得された指定期間に対応する各商取引情報を、金額改定前の金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の金額情報、及び、判断部の判断結果となる、金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する洗い替え処理部と、洗い替え処理された商取引情報を出力制御する出力制御部と、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、取得部が、少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する取得ステップと、判断部が、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された商取引情報のうち、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する判断ステップと、洗い替え処理部が、取得された指定期間に対応する各商取引情報を、金額改定前の金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の金額情報、及び、判断ステップの判断結果となる、金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する洗い替え処理ステップと、出力制御部が、洗い替え処理された商取引情報を出力制御する出力制御ステップと、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部から、指定期間に対応する商取引情報を取得する取得部と、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部を参照し、取得された商取引情報のうち、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報を判断する判断部と、取得された指定期間に対応する各商取引情報を、金額改定前の金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の金額情報、及び、判断部の判断結果となる、金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む商取引情報に洗い替え処理する洗い替え処理部と、洗い替え処理された商取引情報を出力制御する出力制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、商取引対象の単価改定に伴う単価洗い替え業務を簡素化でき、業務オペレータの業務を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、売上単価の改定に伴う一括洗い替え処理を行うための取得画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、洗い替え前後における単価マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、ルートマスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、指定された期間に基づいて伝票データから抽出された単価改定実施データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、ルートマスタに基づいて洗い替えの対象外が選別された単価改定実施データ(伝票データ)の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、洗い替えの対象外となる事業所が選別された単価改定実施データ(伝票データ)の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、洗い替え処理結果となる単価改定実施データ(伝票データ)の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、洗い替え処理結果として取得画面に一覧表示される照会情報(伝票データ)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0013】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の業務支援装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図1に示す業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0014】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網に接続される。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、業務オペレータによる商取引対象(商品又は役務)の単価の一括洗い替え処理等の業務支援を可能とする業務支援プログラムが記憶されている。
【0016】
また、記憶部2には、単価マスタ11及びルートマスタ12の記憶領域がそれぞれ設けられている。また、記憶部2には、各取引先に対する売上金額を示す伝票データ、指定された期間の伝票データである単価改定実施結果データ、及び、単価の一括洗い替え処理を行った結果となる照会情報が記憶される。照会情報は、表示部の一例である出力装置7に供給され、業務オペレータ等に照会される。
【0017】
図3は、単価マスタ11の一例を示す図である。このうち、
図3(a)は、伝票計上当時における各商品の単価が記憶された単価マスタ11を示しており、
図3(b)は、改定された商品の単価が反映された単価マスタ11を示している。
【0018】
この
図3(a)及び
図3(b)に示すように、単価マスタ11は、開始日、商品コード、及び商品単価を含んで構成されている。
図3(a)及び
図3(b)に示す「S0101」の商品は、商品単価が「1000円」から「1500円」に改定された例である。
【0019】
図4は、ルートマスタ12の一例を示す図である。ルートマスタ12は、洗い替え対象記憶部の一例であり、請求先名、得意先名、納入先名、仕入先名、取引区分、及び、洗替対象情報を含んで構成される。請求先名及び得意先名は、いわば「取引先名」であり、例えば「A社」、「B社」等の、商取引を行った会社名等である。納入先名は、「〇〇工場」、「△△工場」等のように、商品を納入した工場等の納入先の名前である。
【0020】
取引区分は、この場合「売上」となる。洗替対象情報は、商品単価が改定された際に、商品単価の洗い替えの対象となるか否かを示す情報である。洗替対象情報が「対象」である場合は、商品単価が改定された際に、その取引先が商品単価の洗い替えの対象となる取引先であることを示す。これに対して、洗替対象情報が「対象外」である場合は、商品単価が改定された場合でも、その取引先が商品単価の洗い替えの対象とはならない取引先であることを示す。
【0021】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、
図1に示すように、単価更新処理部21、表示制御部22、取得部23、判断部24、及び、洗い替え処理部25として機能する。
【0022】
取得部23は、少なくとも日付情報、取引先情報、及び、改定前の金額情報を含む商取引情報が、商取引が行われた商取引対象毎に記憶された記憶部2から、指定期間に対応する商取引情報(伝票データ)を取得する。
【0023】
判断部24は、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む対象取引先情報が記憶された洗い替え対象記憶部(ルートマスタ12)を参照し、取得された商取引情報のうち、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む伝票データを判断する。
【0024】
洗い替え処理部は、取得された指定期間に対応する各伝票データを、金額改定前の金額情報、金額記憶部に記憶されている改定後の金額情報、及び、判断部24の判断結果となる、金額情報の洗い替えの対象となるか否かを示す洗い替え対象情報を含む伝票データに洗い替え処理する。
【0025】
表示制御部22は、出力制御部の一例であり、洗い替え処理された伝票データを、表示部の一例である出力装置7を介して一覧表示する。なお、この実施の形態の説明では、洗い替え処理された伝票データを表示制御することとして説明を進めるが、洗い替え処理された伝票データを外部メモリ及び記憶部2の他、所定のネットワークを介して外部のサーバ装置等に出力制御してもよい。
【0026】
次に、記憶部2に記憶されている伝票データは、日付情報、取引先情報、及び、金額情報と共に、取引先内の納入先を示す納入先情報を含み、洗い替え対象記憶部(ルートマスタ12)に記憶されている対象取引先情報は、取引先内の納入先を示す納入先情報を含む。判断部24は、取得された伝票データのうち、洗い替え対象記憶部(ルートマスタ12)に記憶されている納入先情報で示される取引先内の納入先を含む商取引情報を、金額情報の洗い替えの対象となる取引先を含む商取引情報として判断する。
【0027】
また、判断部24は、改定前の金額情報及び改定後の金額情報が同じ金額となる伝票データを、金額情報の洗い替えの対象外の商取引情報として判断する。
【0028】
単価更新処理部21は、金額記憶部(単価マスタ11)に記憶されている金額情報を、改定後の金額情報に更新する。
【0029】
(一括洗い替え処理動作)
このような業務支援装置1は、例えば商品(又は役務でもよい)の単価が改定されると、洗い替えの対象となる取引先を判別し、一括して単価の洗い替え処理を行う。このような一括洗い替え処理は、制御部3が記憶部2に記憶されている業務支援プログラムに基づいて、以下の処理手順で実行される。
【0030】
ステップS1:単価改定処理を実行する。
ステップS2:対象期間の指定に該当する期間の対象伝票種類の総伝票明細を取得し、内部テーブル(記憶部2)に記憶する。
ステップS3:対象期間の伝票に対して、ルートマスタ12の設定値に従い、対象外伝票の判断を行う(対象外となった伝票も結果確認画面で確認可能とする)。
ステップS4:単価改定処理の期間以外の「詳細抽出条件」により、対象外伝票の判断を行う(対象外となった伝票も結果確認画面で確認可能とする)。仕入単価改定の場合、「詳細抽出条件」は、例えば会計年月、差額計上日、対象期間、仕入先となる。また、売上単価改定の場合、「詳細抽出条件」は、例えば会計年月、差額計上日、対象期間、事業所、部門、請求先、得意先、納入先、二次納入先となる。
ステップS5:単価改定処理を実施する。単価マスタ11の値と当時計上伝票の単価差異が無ければ、洗替対象外となる(対象外となった伝票も結果確認画面で確認可能とする)。単価マスタ値と当時計上伝票の単価差異がある場合は洗替対象となる。
ステップS6:処理に対して、結果確認画面でステップS2~ステップS5の伝票を一覧で表示して確認可能とする。この際、単価改定処理の実行条件を合わせて記憶部2に記憶し、伝票情報と合わせて表示を行う。
【0031】
具体的には、単価更新処理部21は、上述のステップS1において、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、単価が改定されている商品の商品単価を、改定後の商品単価に更新する。
図3(a)及び
図3(b)の例は、3月1日付けで「S0101」の商品コードの商品が、商品単価「1000円」から商品単価「1500円」に改定された例である。
【0032】
次に、業務オペレータは、商品単価の一括洗い替え処理を行う際に、入力装置6を介して
図2に例示する取得画面を表示操作する。業務オペレータは、この取得画面に対して、商品単価の一括洗い替え処理を行う期間(洗替実施日)を入力する。取得部23は、上述のステップS2において、
図5に例示する伝票データ(総伝票明細)から、取得画面を介して指定された期間内の商取引に相当する伝票データである、
図6に例示する単価改定実施結果データを抽出して、記憶部2に記憶する。
【0033】
次に、判断部24は、上述のステップS3において
図4に示したルートマスタ12を参照し、一括洗い替え処理の対象となっている伝票データ、及び、一括洗い替え処理の対象外となっている伝票データを認識する。
図4の例では、判断部24は、A社の○○工場を納入先とする商取引の伝票データ、及び、A社の△△工場を納入先とする商取引の伝票データを、それぞれ一括洗い替え処理の対象として認識する。
【0034】
また、
図4の例では、判断部24は、A社の□□工場を納入先とする商取引の伝票データ、及び、B社の□□工場を納入先とする商取引の伝票データは、一括洗い替え処理の対象外として認識する。このため、判断部24は、
図7に示すように、抽出された伝票データのうち、A社の□□工場を納入先とする商取引の伝票データ、及び、B社の□□工場を納入先とする商取引の伝票データを、それぞれ一括洗い替え処理の対象外として認識する。
【0035】
次に、判断部24は、例えば「詳細抽出条件」が「A社の東京事業所」である場合、上述のステップS4において、「A社の東京事業所」以外の事業所の伝票データを、それぞれ一括洗い替え処理の対象外として認識する。このため、
図8の例では、「A社の大阪事業所」の商取引の伝票データ、及び、「B社の大阪事業所」の商取引の伝票データを、それぞれ一括洗い替え処理の対象外として認識する。
【0036】
次に、上述のステップS5において、洗い替え処理部25が、
図9に示すように各伝票データに改定の前の洗替前単価と共に、改定後の洗替単価を入力すると共に、洗い替えの対象であるか否かを示す洗い替え対象情報(対象又は対象外)を各伝票データに入力する一括洗い替え処理を行う。この際、洗い替え処理部25は、洗替前単価と洗替単価が同じ金額の伝票データには、洗い替えの「対象外」の洗い替え対象情報を入力する。
【0037】
この実施の形態の場合、「S0101」の商品コードの商品の商品単価が「1000円」から「1500円」に改定され、「S0201」の商品コードの商品の商品単価は「2000円」のままの据え置き金額であり、また、「S0402」の商品コードの商品の商品単価も「3000円」のままの据え置き金額の例である。このため、「S0101」の商品コードの商品の伝票データに対してのみ、洗替単価に「1500円」を入力する処理が施され、「S0201」の商品コードの商品の伝票データには、洗替単価として洗替前単価と同じ「2000円」が入力され、「S0402」の商品コードの商品の伝票データには、洗替単価として洗替前単価と同じ「3000円」が入力される。
【0038】
また、ルートマスタ12により、洗替対象外と判断された伝票データには、「対象外」の洗い替え対象情報が入力され、「A社の東京事業所」以外の事業所の伝票データにも、「対象外」の洗い替え対象情報が入力される。また、
図9の2列目の伝票データのように、洗替単価と洗替前単価が同じ金額である場合、「対象外」の洗い替え対象情報が入力される。そして、これら以外の「S0101」の商品コードの商品の伝票データに対して、洗替対象であることを示す「対象」の洗い替え対象情報が入力される。
【0039】
次に、上述のステップS6において、表示制御部22が、一括洗替処理を行った、
図9に示す伝票データに基づいて、
図10に例示する洗替処理後の伝票データを、出力装置7を介して、
図2に示した取得画面に一覧表示する。これにより、業務オペレータによる洗替処理の業務を自動化して省略できる。このため、業務オペレータの業務を大幅に支援することができる。
【0040】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、単価改定の対象となる伝票データの中で、単価改定対象となった伝票データと、単価改定対象外となった伝票データ及び処理実行条件をリスト化して取得可能とすることができる。このため、例えば請求書の発行又は支払準備を行う際に、限られた時間の中で、単価洗替の対象又は対象外を即座に把握することができる。また、洗替期間で対象外となった伝票データも把握できるため、業務オペレータは、原因の把握が可能となる。
【0041】
また、伝票データと処理実行時の条件を合わせて表現することで、オペレーションによる単価改定対象の漏れ、及び、マスタ設定ミスによる意図しない単価改定処理の実行の有無を運用判断可能とすることができる。
【0042】
また、正確な単価及び金額の早期把握、誤請求予防、及び、請求業務早期化のシステムアシストを実現することができる。
【0043】
さらに、ベンダーへの問合せ調査等の依存を不要とすることができ、業務オペレータの利用の自立化を図ることができる。
【0044】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0047】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0048】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0049】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0050】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0051】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0052】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0053】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0054】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0055】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0056】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0057】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、本発明は、どのような業種にも適用でき、特に、商取引対象の単価改定による商取引対象単価の洗い替え処理に用いて好適である。
【符号の説明】
【0059】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 単価マスタ
12 ルートマスタ
21 単価更新処理部
22 表示制御部
23 取得部
24 判断部
25 洗い替え処理部