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  • 特開-RFタグ 図1
  • 特開-RFタグ 図2
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  • 特開-RFタグ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048473
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】RFタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240402BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240402BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G06K19/077 144
G06K19/07 230
G09F3/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154402
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(72)【発明者】
【氏名】栃原 崇志
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 一広
(72)【発明者】
【氏名】山内 望由季
(57)【要約】
【課題】可撓性を有しながらも印字適性のあるRFタグを提供すること。
【解決手段】印字過程における圧力や加熱による変形を抑制するために、印字領域20を備える軟質樹脂シート3aとインレイ10とを接着層4によって接着する。実際に印字する場合、軟質樹脂シート3aの特に印字領域20が圧力や加熱を受けても、その裏側の接着層4及びインレイ10が支持するために変形や収縮が抑制される。従って、印字領域20の形体が安定し、精度よく印字することができる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレイと、
前記インレイを被覆するシート状且つ可撓性の被覆材と、を備え、
前記インレイは、少なくとも一の面が前記被覆材に接着されるものであり、
前記被覆材は、前記インレイが接着された部位を裏面とする露出面の部位を印字用領域とするものであることを特徴とするRFタグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFタグに関し、特には柱状体等に巻き付けて利用することを企図した可撓性を有するRFタグに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触による物体識別の手段としてRFIDが普及しており、この場合に物体に識別情報を保持させるために用いられる媒体がRFタグと呼ばれる。RFタグは、無線通信によりその内部に保持する識別情報を外部へと送信するためのインレイを、台紙や樹脂などの保護基材に取り付けて構成される。なお、インレイが保持する識別情報は人間が直接読み取ることができないため、必要のある場合は、保護基材の表面に識別情報に相当する文字等を印字可能に構成することがある。
【0003】
なお、柱状(棒状)の物体等の曲面にRFタグを取り付けようとする場合には、糊等によって曲面に貼付すると剥がれ落ちる虞がある。そのため、RFタグを物体に巻き付けるために、ポリウレタンなどの可撓性を有する軟質材料を帯状の保護基材として形成し、その保護基材でインレイを被覆してRFタグとすることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-283992号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した通り、RFタグは用途に応じて様々な構成があるが、可撓性を有する軟質材料を保護基材としたRFタグに識別情報等を表示しようとする場合、従来の構成では、印字過程において保護基材が、押圧による変形や、加熱による収縮を生じて精度良く文字や図形を印字することが難しいとの問題点があった。
【0006】
本願に係る発明(以下「本願発明」と称す)は、上述した問題点等の解決する為になされたものであり、可撓性を有するRFタグにおいて印字適性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した問題点等を解決するために本願発明のRFタグは、インレイと、前記インレイを被覆するシート状且つ可撓性の被覆材と、を備え、前記インレイは、少なくとも一の面が前記被覆材に接着されるものであり、前記被覆材は、前記インレイが接着された部位を裏面とする露出面の部位を印字用領域とするものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明のRFタグによれば、被覆材とインレイとが接着された部位に対する露出面の部位が印字用領域とされる。これは換言すれば、印字用領域に該当する部位は、その裏側でインレイが接着により支持していることを意味する。従って、本願発明のRFタグによれば、可撓性を有する被覆材によって構成されるRFタグにおいても、インレイによって印字用領域を支持することによって印字過程における変形を抑制して精度良く印字することができるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、軟質RFタグ1の模式図である。(b)は、軟質RFタグ1に内封されるインレイ10の模式図である。
図2】軟質RFタグ1を柱状部材30に巻き付けた態様である。
図3】軟質RFタグ1の積層構造を示す断面図である。
図4】軟質RFタグ1の別の形態の積層構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態として、軟質RFタグ1を図面に沿って説明する。詳しくは後述するが、軟質RFタグ1は、柱状部材30に巻き付けて使用することを企図して、容易に変形する軟質樹脂シート材3a,3bでインレイ10を内封することで構成される(図3参照)。軟質樹脂シート材3a,3bは、ポリウレタンを帯状に形成してなる材料であり、その外力によって変形する可撓性により、軟質RFタグ1全体として柱状部材30に巻き付けることを可能としている。図1(a)においては、軟質RFタグ1を一の面から見た態様を表しているため、軟質樹脂シート材3aを表し、軟質樹脂シート材3bは省略している。
【0011】
図1(a)に示すように、軟質RFタグ1は、留めて巻き付けるための穴2を両端に備え、それらの略中央に印字領域20(図中「1234/ABCD」との文字が表示された領域)を備える。なお、印字領域20は単に印字をするための区画として軟質樹脂シート3aの表面領域の一部を定義したものであり、他の領域とは異なる特段の加工をしたものではない。
【0012】
軟質RFタグ1は、図1(a)において破線で示す部分に図1(b)に示すインレイ10を内封している。インレイ10は、樹脂により形成したフィルム11の上にICチップ12とアンテナ13とを配置したものである。インレイ10については一般的なRFタグに用いられるものであるため、その詳しい説明は省略する。
【0013】
図2には、本実施形態の軟質RFタグ1の使用態様を示す。図2(a)に示すように、本実施形態の軟質RFタグ1は、柱状部材30に巻き付けて使用することを企図している。軟質樹脂シート3a及び3bの可撓性を活かして柱状部材30の曲面に沿って巻き付けられる。図2(a)中の矢印Bの方向から柱状部材30及び軟質RFタグ1を見た態様を図2(b)に示すところ、軟質RFタグ1の両端に設けた穴2(図1参照)どうしを重ね合わせて、それらを挿通する留め具9によって軟質タグ1を柱状部材30に固定可能である。
【0014】
このとき、印字領域20が露出することによって、インレイ10によって電磁的に識別情報を取得する他、人間が視覚によっても情報を認識することが可能となる。
【0015】
図3には、軟質RFタグ1の積層構造を示す。図3は、図1(a)において矢印Aで示す位置における軟質RFタグ1の断面図である。なお、図3においては、軟質RFタグ1の端部(穴2の存在する部分)の記載を省略している。
【0016】
軟質RFタグ1は、図3に示すように、軟質樹脂シート3aと軟質樹脂シート3bとで、インレイ10を内封する。軟質樹脂シート3aと軟質樹脂シート3bとが直接接する箇所は、熱による圧着によって接合される。
【0017】
軟質RFタグ1に内封されるインレイ10は、接着層4によって軟質樹脂シート3aと接着され、軟質樹脂シート3aにおける印字領域20は、図中、太い実践で示した部分が相当する。図3によく表されるように、軟質樹脂シート3aにおいて印字領域20の裏側に相当する部分は、接着層4となっている。
【0018】
したがって、印字領域20に対してプリンター等によって文字や図形を印字しようとした際、接着層4及びインレイ10の剛性によって印字領域20の変形や収縮が抑制されるので、印字領域20の形体が安定し、高い精度で印字することが可能となる。
【0019】
以上、実施例に沿って本願発明を説明したが、本願発明の実施形態としては上述した態様に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲において構成等を適宜変更することは当然に可能である。
【0020】
例えば、図4図3と同様に軟質RFタグ1の断面を示すものであるが、図4に示す通り、軟質RFタグ1の内部においてインレイ10の表裏を反転させたとしても、本願発明としての効果を得られることは言うまでもない。この場合、ICチップ12がインレイ10の印字領域20側と反対側の面に存在することとなるため、印字領域20に印字をする際の衝撃等によるICチップ12の破損を防止することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 軟質RFタグ(RFタグ)
3a,3b 軟質樹脂シート(被覆材)
4 接着層
10 インレイ
20 印字領域

図1
図2
図3
図4