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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048475
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】あて先表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20240402BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154404
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小沢 真菜
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 一広
(72)【発明者】
【氏名】山内 望由季
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英斗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】個人情報を適切に保護し得る配送を実現すること
【解決手段】あて先が秘匿された宅配物の外観において提示された所在情報に基づいて、インターネットを経由してリクエストを受け付けた場合に、該宅配物のあて先をレスポンスとして送信するあて先表示システムにおいて、前記宅配物の配達を請け負う者の操作に基づいて生成されたものであることを証明されない場合に、前記レスポンスの送信を制限する制限手段を備えることを特徴とするあて先表示システム。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あて先が秘匿された宅配物の外観において提示された所在情報に基づいて、インターネットを経由してリクエストを受け付けた場合に、該宅配物のあて先をレスポンスとして送信するあて先表示システムにおいて、
前記リクエストが、前記宅配物の配達を請け負う者の操作に基づいて生成されたものであることを証明する認証手段と、
該認証手段によって前記宅配物の配達を請け負う者の操作に基づいて生成されたものであることを証明されない場合に、前記レスポンスの送信を制限する制限手段と、
前記宅配物の配達が完了した場合に、前記制限手段による制限を解除する解除手段と、
を備えることを特徴とするあて先表示システム。
【請求項2】
前記解除手段は、前記認証手段により、前記宅配物の配達を請け負う者による操作であることが証明されることを条件として、前記制限手段による制限を解除するものであることを特徴とする請求項1記載のあて先表示システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配物のあて先を表示する情報処理システムに関し、特には、宅配物の外観(伝票等)においてあて先を秘匿した場合のあて先を確認するための情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷主の荷物を受取人に送り届ける宅配サービスにおいては、荷物に貼付された伝票にあて先(あて所およびあて名等の受取人を示す情報を言う。以下同じ)を表示することが一般的であったが、プライバシーへの配慮から伝票にはあて先を表示せず、所定の手順であて先を確認できるようにした例がある。例えば、特許文献1には、荷物に貼られた伝票から伝票番号を端末で読み取り、その伝票番号を当該端末からサーバに送信することで、サーバから配達先住所データを得られることが記載されており、伝票自体に配達先住所の表示が無くても端末に配達先住所を表示させることが可能である。
【0003】
多くの場合、配達先住所データを取得したいのは荷物の配達を担う配達員であるが、受取人においても同一あて所に複数の人物が居住している場合など、荷物を開梱する前にあて名を確認したい事情もある。こうした事情を踏まえれば、伝票に表示された伝票番号等に基づいて配達先に関する情報を、インターネット等の公開されたネットワークを通じて取得できるように構成することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-91402号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、伝票に表示された伝票番号は露出した状態にあり、配達および受取人のいずれでもない第三者に読み取られる可能性がある。公開されたネットワークを通じて、伝票番号に基づいて配達先に関する情報を入手できるとすると、不当に伝票番号を読み取った第三者によって受取人のプライバシーが毀損される恐れがある。このような問題を解決するために、本願にかかる発明(以下「本願発明」と称す)は、荷物の配達途中における受取人のプライバシーの保護を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る発明(以下「本願発明」という)のあて先表示システムは、あて先が秘匿された宅配物の外観において提示された所在情報に基づいて、インターネットを経由してリクエストを受け付けた場合に、該宅配物のあて先をレスポンスとして送信するものであって、前記リクエストが、前記宅配物の配達を請け負う者の操作に基づいて生成されたものであることを証明する認証手段と、該認証手段によって前記宅配物の配達を請け負う者の操作に基づいて生成されたものであることを証明されない場合に、前記レスポンスの送信を制限する制限手段と、前記宅配物の配達が完了した場合に、前記制限手段による制限を解除する解除手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本願発明としては、前記解除手段は、前記認証手段により、前記宅配物の配達を請け負う者による操作であることが証明されることを条件として、前記制限手段による制限を解除するものとすることが提案される。
【発明の効果】
【0008】
本願発明のあて先表示システムによれば、宅配物の配達途中にあっては、宅配物のあて先を含むレスポンスの送信が、リクエストが配達を請け負う者の操作に基づくものであると認証手段によって証明されない限り、制限手段によって制限され、宅配物の受取人のプライバシーが保護される。配達が完了した場合には、制限手段による制限が解除手段によって解除され、任意の者が宅配物の外観に提示された所在情報に基づいてインターネットを経由してあて先を含むレスポンスを受信することが可能となる。配達が完了した場合、少なくともあて先に示される住居等に宅配物が存する状態にあり、第三者が宅配物の外観を視認することは困難であり、この状態において第三者に受取人に関する情報が漏洩する可能性は低い。他方、あて先に示される住居等に複数の者が居住する場合等、宅配物がいずれの者に宛てられたものかを知りたい場合には、制限が解除されたレスポンスによって容易にあて先を知り得る。したがって、本願発明によれば、宅配物の配達途中における受取人の情報を適切に保護しつつも、配達後に受取人が容易にあて先を知ることができ、宅配物の取り扱いに関して至便であるとの効果がある。
【0009】
また、配達を請け負う者による操作であることが認証手段によって証明されることを条件として、解除手段による制限の解除が行われる。これは換言すれば、配達を請け負う者以外の操作によっては制限を解除することができないことを意味し、これによってより確実に宅配物の受取人のプライバシーを保護できるとの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】荷物20の配達過程を説明するための模式図である。
図2】荷物20に貼付される送り状80の模式図である。
図3】あて先表示システム1の電気的構成を説明する模式図である。
図4】(a)は、送り状データベース31の構成を説明する図である。(b)は、QRコード(登録商標)89にエンコードされるURL71を説明する図である。
図5】照会プログラム600の処理を表すフローチャートである。
図6】更新プログラム700の処理を表すフローチャートである。
図7】(a)は、スマートフォン40或いは50の画面に表示されるあて先画面200の画面図である。(b)は、スマートフォン40の画面に表示されるあて先画面200aの画面図である。
図8】スマートフォン50の画面に表示される配達中画面400の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態として、あて先表示システム1(図3参照)を説明する。本実施例のあて先表示システム1は、図1に示す配達サービスを想定した情報処理システムである。この配達サービスは、荷物20を配達員22によって、家21へと配達することを事業としており、詳しくは後述するが、配達員は荷物20に貼付された送り状80の表示と、スマートフォン40によって、当該荷物20の配達先(あて所およびあて名)を確認可能に構成される。また、家21に居住する受取人23、即ち、前述した「あて名」に該当し得る者も、自己の所持するスマートフォン50と送り状80の表示によって、配達先を確認可能に構成される。
【0012】
図2に、送り状80の態様を示す。送り状80は、前述した通り、配達される荷物20に貼付されるものである。送り状80は、発送元、品名、受付日等の配達に必要な情報が記載されるが、あて先81については、本来記載されるべきあて所およびあて名が「*」の記号で秘匿される。この秘匿は、配達の過程で荷物20の受取人に関する情報が、第三者に知られないようにとの配慮によるものであり、送り状80を目視しただけでは受取人23の情報を認知できないように構成されている。
【0013】
送り状80には1枚ごとに固有の伝票番号82が記載され、送り状80およびそれが貼付された荷物20を伝票番号82によって識別可能に構成される。また、送り状80には、あて所およびあて名を確認する手段としてQRコード(登録商標)89が表示される。QRコード(登録商標)89は、後述するURL71がエンコードされた二次元コードであり、スマートフォン40或いはスマートフォン50で撮影することでURL71を取得しできるようにするものである。
【0014】
次に図3を参照して、あて先表示システム1の電気的構成を説明する。本実施例のあて先表示システム1は、インターネット70に接続するサーバ30に構築される。サーバ30は一般的なウェブサーバの機能を備えており、インターネット70を介してスマートフォン40又はスマートフォン50からのリクエストを受信し、そのリクエストに応じたレスポンスをリクエストの送信元であるスマートフォン40或いはスマートフォン50に送信可能に構成される。
【0015】
サーバ30には、ウェブサーバとしての機能の外、あて先表示システム1としての役割を実現するために、送り状データベース31と、照会プログラム600と、更新プログラム700と、公開鍵39とを備える。
【0016】
送り状データベース31は、送り状80に関する情報を保持するテーブル形式のデータベースであり、送り状80が発行される際に情報が登録される。ここで図4(a)を参照して送り状データベース31を説明する。図4(a)に示すように、送り状データベース31においては、1つのレコード(行)が、伝票番号82によって識別される1つの送り状80の情報を保持するように構成され、複数のレコードを保持することにより複数の送り状80の情報を管理できるように構成される。
【0017】
送り状データベース31の1つのレコードは、伝票番号と、あて所と、あて名と、ステータスと、を含む。送り状データベース31の伝票番号は、送り状80の伝票番号82に対応するものであり、送り状データベース31の主キーを構成する。送り状データベース31のあて所およびあて名は、送り状80の貼付される荷物20の配達先の情報であり、あて所は家21の所在地を示すテキストであり、あて名は受取人23の氏名を示すテキストである。送り状データベース31のステータスは、荷物20の配達状況を示すフラグであり、レコードが登録された時点では「未着」に初期化される。ステータスの変化について、詳しくは後述する。
【0018】
図3の電気的構成の説明に戻る。サーバ30の、照会プログラム600と、更新プログラム700とは、サーバ30がウェブサーバとしてリクエストに対するレスポンスを生成する際に、サーバ30のCPUによって実行されるプログラムである。照会プログラム600及び更新プログラム700の処理内容について詳しくは後述する。
【0019】
公開鍵39は、RSA暗号方式に基づく公開鍵データであり、後述する秘密鍵43を保持するスマートフォン40を認証するために用いられる。
【0020】
スマートフォン40は、図1に示す通り荷物20を配達する配達員22が所持するモバイル端末であり、インターネット70に接続可能に構成されている。スマートフォン40は、一般的なブラウザ41およびカメラ42を備える。ブラウザ41は、URLに基づいてインターネット70からHTML形式等のデータを取得し、そのデータに基づいて画面上に情報を表示するアプリケーションプログラムである。カメラ42は、ブラウザ41の機能等からの制御によって外部の映像を撮影するための装置であり、QRコード(登録商標)89を撮影するために利用される。
【0021】
スマートフォン40は、前述した公開鍵39に対応する秘密鍵43を保持する。秘密鍵43は、スマートフォン40が配達員22に事業者から貸与される際などに予めインストールされたものであり、秘密鍵43自体は、第三者に知られないよう秘匿管理される。RSA暗号方式において、秘密鍵43によって暗号化された情報は、対応する公開鍵39によってのみ復号可能であり、本実施例においては、この秘密鍵43と公開鍵39のRSA暗号方式としての性質を利用して、秘密鍵43の正当性、ひいてはスマートフォン40が配達員22の保持する者であることを認証するものである。
【0022】
スマートフォン50は、受取人23が保持するモバイル端末でインターネット70に接続可能に構成されるとともに、スマートフォン40のブラウザ41およびカメラ42に相当するブラウザ51およびカメラ52を備える。
【0023】
次に、図4(b)を参照して、QRコード(登録商標)89にエンコードされるURL71を説明する。URL71は、インターネット70において情報の所在等を示す情報である。URL71は、「?」の符号によって区切られたロケーション部71aと、パラメータ部71bとからなる。ロケーション部71aは、インターネット70に接続するサーバ30およびサーバ30が保持する情報の所在を示すものであり、スマートフォン40或いはスマートフォン50は、ブラウザ41或いはブラウザ51でURL71へのリクエストが指示された場合、当該リクエストをロケーション部71aに基づいてサーバ30へと送信する。
【0024】
パラメータ部71bは、サーバ30がリクエストを処理する場合に用いる可変のパラメータを示す部分であり、リクエストを受け付けたサーバ30は、レスポンスを生成する場合にパラメータ部71bに含まれる情報を参酌可能に構成される。
【0025】
次に、図5のフローチャートを参照して、照会プログラム600の処理を説明する。照会プログラム600は、スマートフォン40或いはスマートフォン50においてカメラ42或いはカメラ52によりQRコード(登録商標)89が撮影され、当該QRコード(登録商標)89からデコードされたURL71に基づいてブラウザ41或いはブラウザ51がリクエストをサーバ30に送信した場合に、当該リクエストを受信したサーバ30のCPUが実行するプログラムである。なお、以下の処理の説明において主語を省略した場合、又はプログラムを主語とした場合、その処理はサーバ30のCPUが実行するものと解釈される。
【0026】
照会プログラム600においては、まず、URL71よりパラメータ部71bに含まれる「no=」に続くテキストを伝票番号82として抽出する(S610)。次に、抽出された伝票番号82を用いて送り状データベース31を照会し、伝票番号82が一致するレコードを取得する(S620)。
【0027】
次に、取得したレコードの「ステータス」について、値が「完了」であるか否かを判定する(S630)。前述した通り、ステータスは、初期状態(レコードが登録された直後)は「未着」であり、後述する更新プログラム700において荷物20の配達が完了したと判定され場合に「完了」に更新されるものである。
【0028】
S630の判定で、ステータスが「完了」と判定された場合(S630:Yes)、即ち、荷物20の配達が完了したと判断される場合、S610の処理で取得した伝票番号82およびS620の処理で送り状データベース31から取得したあて所とあて名との情報を含むように構成された図7(a)に示すあて先画面200のデータをレスポンスとしてスマートフォン40或いはスマートフォン50に送信して処理を終了する。当該レスポンスを受信したスマートフォン40或いはスマートフォン50は、ブラウザ41或いはブラウザ51の機能によりその画面にあて先画面200が表示される。
【0029】
図7(a)に示す通り、あて先画面200は、伝票番号201、あて所202、あて名203の表示領域を備え、それぞれ、S610の処理で取得された伝票番号82、S620で取得されたあて所、S620の処理で取得されたあて名が対応付けられて表示される。例えば、受取人23にあっては、送り状80で秘匿されたあて名をスマートフォン50に表示されたあて先画面200によって確認することができ、家21に居住するいずれの受取人23が受け取るべき荷物20であるかを、荷物20を開梱する前に確認することができる。
【0030】
S630(図5)の判定においてステータスが「完了」でない、即ち、ステータスが「未着」であると判定された場合(S630:No)、照会プラグラム600の実行契機となったリクエストの送信元について秘密鍵43を有するものか否かを確認する。より詳しくは、サーバ30から所定の情報をリクエストの送信元に送信し、その所定の情報を秘密鍵43によって暗号化したものを返送させ、返送された情報を公開鍵39によって復号できる否かを試行する(S650)。なお、この試行は、リクエストに対する処理の開始時、即ち、照会プログラム600の開始に先駆けて実行するものであってもよい。
【0031】
試行の結果、リクエストの送信元が秘密鍵43を有する場合(S660:Yes)、即ち、配達員22が保持するスマートフォン40からのリクエストであると判断される場合、図7(b)に示すあて先表示画面200aのデータを、S640の処理と同様に、レスポンスとして送信する(S670)。
【0032】
ここで、S670の処理に基づいてスマートフォン40に表示されるあて先表示画面200aを詳述する。図7(b)に示すとおり、あて先表示画面200aは、S640の処理に基づいて表示されるあて先表示画面200に対して、操作部として配達完了ボタン204を備える点が異なる。配達完了ボタン204は、荷物20の配達が完了したことをサーバ30に伝達するためのリクエストを送信するための操作可能なインターフェイス要素であり、配達員22によってタップ操作(クリック操作)された場合に、S610の処理で取得された伝票番号82を含む所定のリクエストがサーバ30に送信される。当該リクエストを受信した場合にサーバ30において実行される処理は、後述する。
【0033】
図5のS650の判定において、リクエストの送信元が秘密鍵43を有さないと判定された場合(S660:No)、配達員22の保持するスマートフォン40以外からのアクセスであるものとして荷物20のあて先を表示し得るレスポンスを送信せず、荷物20の配達中であることを示す配達中画面400(図8)のデータをレスポンスとして送信する(S680)。
【0034】
以上説明した照会プログラム600により、荷物20に関するステータスが「完了」の場合は、送り状80上のQRコード(登録商標)89からURL71を取得して荷物20の配達先(あて所、あて名)を確認できる一方、それ以外の場合には、配達員22のみが荷物20の配達先を確認できる。
【0035】
次に図6に示す更新プログラム700を説明する。更新プログラム700は、スマートフォン40に表示されたあて先表示画面200a(図7(b))の配達完了ボタン204がタップ操作された場合に、当該画面を表示するスマートフォン40から送信されるリクエストに基づいて、サーバ30で実行されるプログラムである。
【0036】
更新プログラム700において、まず、リクエストの送信元が秘密鍵43を備えるかを試行し(S710)、秘密鍵43を備えない場合には(S720:No)、所定のエラー表示データをレスポンスとして送信して処理を完了する(S780)。S710の処理及びS720の判定は、照会プログラム600(図5)のS650の処理およびS660の判定と同様であり、送り状データベース31を更新し得るリクエストが配達員22の所持するスマートフォン40から正当に送信されたものであることを認証するものである。
【0037】
S720の判定で秘密鍵43を有すると判定された場合(S720:Yes)、リクエストから伝票番号82を取得し(S730)、その送り状データベース31に対して伝票番号82が一致するレコードを照会する(S740)。
【0038】
次に、伝票番号82が一致する送り状データベース31のレコードのステータスが「未着」であるか否かを判定する(S750)。当該レコードのステータスが「未着」でなければ(S750:No)、更新の必要が無いものとして、所定のエラー表示データをレスポンスとして送信して処理を完了する(S780)。
【0039】
他方、照会した送り状データベース31のレコードのステータスが「未着」である場合(S750:Yes)、当該レコードのステータスを「完了」に更新して(S760)、更新が完了した旨のメッセージを含むレスポンスを送信して処理を完了する(S770)。
【0040】
以上説明した更新プログラム700により、伝票番号82で識別される荷物20の配達の状況が、送り状データベース31のステータスによって認識可能となる。先に説明したように、照会プログラム600は、配達員22が所持するスマートフォン40を除き、ステータスが「完了」でない限り、荷物20の配達先を表示しないよう制限している。すなわち、荷物20が少なくとも配達先である家21に到着して配達員22が配達完了ボタン204を操作するまでは、配達員22以外の者が当該荷物20の配達先を知ることはできない。よって、荷物20の配達過程において送り状80から受取人23のプライバシーが毀損されることを抑止できる。
【0041】
一方で、荷物20が家21に到着して配達員22によって配達完了ボタン204が操作された後は、あて先表示画面200を通じて荷物20の配達先、特に「あて名」を確認することができるため、家21に居住する者のうち誰に宛てた荷物20であるのかをスマートフォン50を用いて容易に確認することができる。
【0042】
したがって、本実施例のあて先表示システム1によれば、荷物20の配達過程においては受取人23のプライバシーを確保しつつ、家21に到着した際には具体的に受け取るべき者を特定でき、荷物20を最終的な受取人23までプライバシーを害さずに配達できるとの効果を奏する。
【0043】
以上、実施例に沿って本願発明を説明したが、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜構成を変更できることは言うまでもない。例えば、秘密鍵43を利用して配達員22を認証することを前述したが、配達員22を認証するための方法は、パスワードや顔認証など、他の技術を用いてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 あて先表示システム
80 送り状
81 あて先
82 伝票番号
20 荷物(宅配物)
22 配達員(宅配物の配達を請け負う者)
40,50 スマートフォン
23 受取人
30 サーバ
31 送り状データベース
600 照会プログラム
700 更新プログラム(解除手段)
39 公開鍵
41,51 ブラウザ
42,52 カメラ
43 秘密鍵(認証手段の一部)
70 インターネット
200,200a あて先表示画面
S650 (認証手段の一部)
S660 (制限手段)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8