(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048480
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】車両制御装置、及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240402BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20240402BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154410
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】堀田 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 英弘
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BB40
3D241CE04
3D241DC42Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】自車両が待避行動を実行した後から走行を再開する走行手順を適切に設定できる機能を備えた車両制御装置を提供する。
【解決手段】自車両2と自車両周辺の対向車両600とが通過不能な領域が存在する道路において、自車両2と対向車両600とが通過可能な領域である通過可能領域601を決定する領域候補決定部12と、自車両2の行動ステップ602、605の順序を示す行動計画を決定する行動計画決定部13と、通過可能領域における自車両2の走行軌道を生成する軌道生成部14と、通過可能領域601内における対向車両600の位置と、軌道生成部14が生成した自車両の走行軌道とに基づいて、行動計画を更新可能な行動計画更新部15と、行動計画に従って自車両2の走行制御を行う走行制御部16を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両と前記自車両周辺の移動体とが通過不能な領域が存在する道路において、前記自車両と前記移動体とが通過可能な領域である通過可能領域を決定する領域候補決定部と、
自車両の行動ステップの順序を示す行動計画を決定する行動計画決定部と、
前記通過可能領域における前記自車両の走行軌道を生成する軌道生成部と、
前記通過可能領域内における前記移動体の位置と、前記軌道生成部が生成した前記自車両の走行軌道と、に基づいて、前記行動計画を更新可能な行動計画更新部と、
前記行動計画に従って前記自車両の走行制御を行う走行制御部とを備える
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された車両制御装置において、
前記行動計画更新部は、前記通過可能領域内に前記移動体が存在し、かつ、前記自車両が前記通過可能領域を退出する走行軌道を生成可能な場合、当該走行軌道を用いて前記行動計画を更新する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載された車両制御装置において、
前記行動計画更新部は、前記軌道生成部が生成した走行軌道を前記自車両が走行して前記通過可能領域を退出する行動ステップを現在実行中の行動ステップの次に実施する行動ステップとするように前記行動計画を更新する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載された車両制御装置において、
前記行動計画更新部は、前記領域候補決定部により複数の前記通過可能領域が決定された場合、複数の前記通過可能領域のうち前記自車両と前記移動体とが通行する通過可能領域を用いて、前記行動計画の更新可否を決定する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載された車両制御装置において、
前記移動体又は前記自車両の周辺物体の少なくとも一方の挙動を推定する挙動推定部をさらに備え、
前記行動計画更新部は、前記挙動推定部の推定結果に応じて前記行動計画の更新可否を決定する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項6】
自車両と対向車両が互いに逆方向に共に進行できない幅の狭い道路を、前記自車両が走行する場合における走行行動を設定する車両制御装置において、
前記車両制御装置は少なくとも、
前記幅の狭い道路に存在する、前記自車両と前記対向車両とがすれ違って通過可能な領域である通過可能領域を決定する領域候補決定部と、
前記自車両の前記走行行動を設定すると共に、前記走行行動の実行順番が設定された複数の行動ステップからなる行動計画を決定する行動計画決定部と、
前記自車両から前記通過可能領域まで、及び前記通過可能領域から先の前記自車両の走行軌道を生成する走行軌道生成部と、
前記行動ステップの実行によって、前記対向車両が前記通過可能領域に存在しているという第1条件と、前記通過可能領域から先の前記自車両の前記走行軌道を生成できるという第2条件が成立した場合に、前記通過可能領域までの前記行動ステップを前記通過可能領域から先の前記行動ステップに更新する行動計画更新部と、
前記更新された前記行動ステップにしたがって、前記自車両の前記走行行動を実施する走行制御部とを備えている
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項7】
自車両と対向車両が互いに逆方向に共に進行できない幅の狭い道路を、前記自車両が走行する場合における走行行動を設定する車両制御装置の車両制御方法において、
前記車両制御装置は、
前記幅の狭い道路に存在する、前記自車両と前記対向車両とがすれ違って通過可能な領域である通過可能領域を決定する工程と、
前記自車両の前記走行行動を設定すると共に、前記走行行動の実行順番が設定された複数の行動ステップからなる行動計画を決定する工程と、
前記自車両から前記通過可能領域まで、及び前記通過可能領域から先の前記自車両の走行軌道を生成する工程と、
前記行動ステップの実行によって、前記対向車両が前記通過可能領域に存在しているという第1条件と、前記通過可能領域から先の前記自車両の前記走行軌道を生成できるという第2条件が成立した場合に、前記通過可能領域までの前記行動ステップを前記通過可能領域から先の前記行動ステップに更新する工程と、
前記更新された前記行動ステップにしたがって、前記自車両の前記走行行動を実施する工程とを実行する
ことを特徴とする車両制御装置の車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両制御装置、及び車両制御方法に係り、特に自動運転に好適な車両制御装置、及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の快適で安全な運転支援や自動運転を実現するため、狭い道路環境での協調走行を実現する技術が望まれている。特に、狭路で対向車両と出会った場合、待避できるスペース等を利用しながら対向車両と協調的にすれ違い走行を実施する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特開2018-151177号公報(特許文献1)には、車両の周囲の地図データを生成し、車両の移動に合わせて地図データを更新するマップ生成部と、地図データに基づいて、車両が待避可能なスペースである待避スペースを検出し、検出された待避スペースに関する情報であって、対向車とすれ違うために車両を待避させる待避経路の設定に用いられる情報である待避スペース情報を生成する待避スペース検出部とを備える車両制御装置が示されている。
【0004】
また、特開2019-53646号公報(特許文献2)には、自車両の周辺に存在する他車両および自車両の周辺の待避スペースを含む道路環境を認識する認識部と、認識部により認識された他車両の中で、自車両と一車線の道路ですれ違う特定他車両が存在するか否かを判定するすれ違い車両判定部と、すれ違い車両判定部により存在すると判定された特定他車両について、道路環境に基づいて、自車両または特定他車両の待避スペースへの移動が必要か否かを判定する待避要否判定部とを備える車両制御装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-151177号公報
【特許文献2】特開2019- 53646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されている車両制御装置では、道路環境である狭路で対向車両とすれ違いできるための広い待避スペースを探し、そのスペースを利用して対向車両と交代で走行行動を取ることによってすれ違いを実施している。また、特許文献2に記載されている車両制御装置では、対向車両の走行速度と自車両との相対位置に基づいて自車両か対向車両のいずれが待機すべきかの走行行動を判断している。
【0007】
しかしながら、特許文献1、及び特許文献2にある車両制御装置においては、走行行動計画を決定して、自車両が待避行動を実行した後から走行を再開する走行手順を更新する具体的なやり方については述べられていない。このため、自車両が待避行動を実行した後から走行を再開する走行手順を更新する適切なやり方が求められている。
【0008】
本発明の目的は、自車両が待避行動を実行した後から走行を再開する走行手順を適切に設定できる機能を備えた車両制御装置、及び車両制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
自車両と自車両周辺の移動体とが通過不能な領域が存在する道路において、自車両と移動体とが通過可能な領域である通過可能領域を決定する領域候補決定部と、
自車両の行動ステップの順序を示す行動計画を決定する行動計画決定部と、
通過可能領域における自車両の走行軌道を生成する軌道生成部と、
通過可能領域内における移動体の位置と、軌道生成部が生成した自車両の走行軌道と、に基づいて、行動計画を更新可能な行動計画更新部と、
行動計画に従って自車両の走行制御を行う走行制御部とを備える
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、
自車両と対向車両が互いに逆方向に共に進行できない幅の狭い道路を、自車両が走行する場合における走行行動を設定する車両制御装置において、
車両制御装置は少なくとも、
幅の狭い道路に存在する、自車両と対向車両とがすれ違って通過可能な領域である通過可能領域を決定する領域候補決定部と、
自車両の走行行動を設定すると共に、走行行動の実行順番が設定された複数の行動ステップからなる行動計画を決定する行動計画決定部と、
自車両から通過可能領域まで、及び通過可能領域から先の自車両の走行軌道を生成する走行軌道生成部と、
行動ステップの実行によって、対向車両が通過可能領域に存在しているという第1条件と、通過可能領域から先の自車両の走行軌道を生成できるという第2条件が成立した場合に、通過可能領域までの行動ステップを通過可能領域から先の行動ステップに更新する行動計画更新部と、
更新された行動ステップにしたがって、自車両の走行行動を実施する走行制御部とを備えている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自車両が待避行動を実行した後から走行を再開する走行手順を適切に設定できる機能を備えた車両制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明が適用される車両システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態における車両制御装置の制御機能の関係を説明する説明図である。
【
図3a】行動計画データ群の協調行動計画の一例を説明する説明図である。
【
図3b】行動計画データ群の自車両行動計画の一例を説明する説明図である。
【
図4a】領域候補データ群の一例(1ヶ所)を説明する説明図である。
【
図4b】領域候補データ群の一例(2ヶ所)を説明する説明図である。
【
図5】
図2に示す行動計画更新部の処理内容を説明するフローチャート図である。
【
図6a】第一動作例(一般的な場面)における行動計画更新部の行動計画更新処理の前半を説明する説明図である。
【
図6b】第一動作例(一般的な場面)における行動計画更新部の行動計画更新処理の後半を説明する説明図である。
【
図7】第二動作例(想定外な場面)における行動計画更新部の行動計画更新処理を説明する説明図である。
【
図8a】行動計画が更新されない第1の場面における行動計画更新部の行動計画更新処理を説明する説明図である。
【
図8b】行動計画が更新されない第1の場面における行動計画更新部の行動計画更新処理を説明する説明図である。
【
図9a】複数の通過可能領域候補が存在する第1の場面における行動計画更新部の行動計画更新処理を説明する説明図である。
【
図9b】複数の通過可能領域候補が存在する第2の場面における行動計画更新部の行動計画更新処理の後半を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
【0014】
[全体のシステム構成の説明]
図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置3を含む車両システム1の構成を示す機能ブロック図である。
【0015】
車両システム1は、車両2に搭載されるものであり、この車両システム1は、車両2の周辺における走行道路や周辺車両等の障害物の状況を確認したうえで、適切な運転支援や走行制御を行う機能を備えている。
【0016】
図1に示すように、車両システム1は、車両制御装置3、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6,アクチュエータ群7、HMI装置群8、外界通信装置9を含んで構成される。車両制御装置3、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6、アクチュエータ群7、HMI装置群8、及び外界通信装置9は、車載ネットワークNにより互いに接続されている。
【0017】
尚、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6,アクチュエータ群7、HMI装置群8、外界通信装置9の具体的な説明は後述する。また、以下では、車両2を他の車両と区別するために「自車両」と表記することもある。
【0018】
車両制御装置3は、車両2に搭載されるECU(Electronic Control Unit)であり、この車両制御装置3は、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6、外界通信装置9等から提供される各種入力情報に基づいて、車両2の運転支援または自動運転のための走行制御情報を生成し、アクチュエータ群7やHMI装置群8に出力する。車両制御装置3は、処理部10と、記憶部30と、通信部40と、を有する。
【0019】
処理部10は、例えば、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。ただし、CPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んで構成されてもよいし、いずれか1つにより構成されても良い。
【0020】
処理部10は、制御機能として、情報取得部11、領域候補決定部12、行動計画決定部13、軌道決定部14、行動計画更新部15、走行制御部16、及び情報出力部17を有している。処理部10は、記憶部30に格納されている所定の制御プログラムを実行することで、これらの機能を実現することができる。
【0021】
情報取得部11は、車両制御装置3に接続された他装置から車載ネットワークNを介して各種情報を取得し、記憶部30に格納する。
【0022】
例えば、車両センサ群5等が検出した車両2の動きや状態等の挙動に関連する情報を取得し、車両情報データ群31として記憶部30に格納する。また、地図情報管理装置6や外部通信装置9等から車両2が走行する道路環境に関連する情報を取得し、道路環境データ群32として記憶部30に格納する。また、外界センサ群4が検出した車両2周辺の障害物や外界センサ群4の検出領域に関する情報を取得し、センサ認識データ群33として記憶部30に格納する。
【0023】
領域候補決定部12は、情報取得部11により取得されたセンサ認識データ群33に基づいて、すれ違い通過不能な領域が存在する道路において、自車両と移動体(例えば、他車両であり、以下では特に対向車両と表記する)が、逆方向に共に進行して通過可能な領域である通過可能領域(待避スペースに該当する)を決定する。尚、移動体は他車両に限定されるものではなく、種々の移動体が存在する。例えば、自転車、荷車等が該当する。
【0024】
通過可能領域とは、例えば、少なくとも自車両と対向車両がすれ違って通過できるための幅を持つ道路領域である。尚、通過不能道路において複数の通過可能領域が存在することがあり得るため、領域候補決定部12は複数の通過可能領域を特定することができる。
【0025】
更に、地図情報管理装置6により管理されている周辺環境の高精度地図情報に、通過可能領域のような待避情報が含まれている場合は、通過可能領域の情報は高精度地図情報を参照して取得しても良い。
【0026】
更に、例えば、対向車両が存在しない狭路においても、通過可能領域の探索を行って、将来に対向車両を検出することを想定して予め記憶しておいても良い。そして、将来にすれ違い対象の対向車両が現れた場合、事前に記憶しておいた通過可能領域の情報を参照して、通過可能領域の候補として特定しても良い。このようにすれば、演算時間を短縮することができる。領域候補決定部12が決定した通過可能領域の情報は、領域候補データ群34として記憶部30に格納される。
【0027】
行動計画決定部13は、情報取得部11により取得された車両情報データ群31と、道路環境データ群32と、センサ認識データ群33と、領域候補決定部12で決定した領域候補データ群35の夫々に基づいて、自車両周辺の協調行動対象となる対向車両を決定し、対向車両と協調的な走行行動を実行するための走行行動計画を決定する。
【0028】
例えば、狭路で対向車両と互いに向き合う、すれ違い走行が必要な場合、対向車両を協調走行行動の対象車両として決定し、自車両の位置、対向車両の位置、及び領域候補データ群35に含まれる通過可能領域の位置の夫々の位置関係に基づいて協調走行行動を計画する。また、自車両、対向車両、及び通過可能領域の位置関係の幾つかのパターンが予め決定されているデータベース等を参照して走行行動計画を決定しても良い。このように、「走行行動計画」は、自車両と対向車両の走行を考慮して、自車両をどのように走行させるかという走行行動を表すものである。
【0029】
ここで、走行行動計画は、複数の連続した「行動ステップ」の組み合わせから構成されている。この行動ステップは、自車両の所定の場所までの走行行動、或いは所定の事象が生じる場所までの走行行動を表すものである。このため、この行動ステップを順番に更新して実行していくことで、全体の走行行動計画を実行することができる。
【0030】
尚、行動ステップを指定することによって、これに紐付けられた制御プログラムが実行されて、予め演算された走行軌道に沿って自車両が走行するように、走行制御が行われるものである。
【0031】
また、走行行動計画は、好ましくは、自車両の計画された走行行動と、対向車両の予測される走行行動で構成されている。これについては
図3で説明する。そして、自車両と対向車両の夫々が、行動ステップ毎に互いの計画された走行行動を実行することによって、狭路におけるすれ違いのような走行困難な状況が発生する事象を解消できるようになる。尚、本実施形態では、自車両における走行行動計画に関するものであるので、以下の説明は自車両を中心に行うものとする。
【0032】
ここで、特に自車両が走行行動計画の行動ステップを順番に実行して、行動ステップを更新していくことが必要である。この行動ステップの更新条件として、実行中の行動ステップを達成することを示す、行動ステップ終了条件を設定することができる。例えば、行動ステップを達成するために、自車両が辿り着く必要がある特定の場所や特定の領域等を設定することができる。本実施形態では、この終了条件を判断して行動ステップの更新を行うようにしている。この他にも、対向車両の走行行動計画の各行動ステップの終了条件を予測して設定しても良い。
【0033】
また、領域候補データ群35に複数の通過可能領域が格納ざれている場合、自車両の位置、対向車両の位置、及び複数の通過可能領域の位置に基づいて、対象となる1つの通過可能領域を決定して走行行動計画を立案することもできる。行動計画決定部13が計画した走行行動計画は、行動計画データ群35として記憶部30に記憶される。
【0034】
軌道決定部14は、情報取得部11により取得された車両情報データ群31と、センサ認識データ群33と、領域候補決定部12が決定した領域候補データ群34と、行動計画決定部13が決定した行動計画データ群35に基づいて、自車両の走行行動計画を実現するための走行軌道を生成する。
【0035】
走行軌道は、例えば、センサ認識データ群33に含まれる移動体情報やOGM等で表現される周辺の障害物情報等に基づいて、障害物に衝突しないように計画された走行軌道である。例えば、自車両の走行行動計画に含まれる各行動ステップの終了条件を達成する目的地等までの軌道を生成しても良い。したがって、各行動ステップでの走行軌道を繋げることで、自車両を走行軌道に沿って走行させて自動運転を実行することが可能となる。
【0036】
ここで、軌道決定部14は、自車両の走行行動計画の各行動ステップに対して、常に走行軌道を生成する。例えば、
図3に示しているように、自車両の走行行動計画が2つの行動ステップで構成されている場合、自車両の現在位置から1つ目の行動ステップ終了条件を満たすまでの走行軌道と、自車両の現在位置から2つ目の行動ステップ終了条件を満たすまでの走行軌道を生成する。
【0037】
これは、実行中の行動ステップが途中で更新される場合は、更新後の行動ステップに該当する走行軌道を選択して、走行軌道に追従させるためである。軌道決定部14が生成した軌道情報は、軌道データ群36として記憶部30に記憶される。
【0038】
行動計画更新部15は、情報取得部11により取得されたセンサ認識情報データ群33と、領域候補決定部12が決定した領域候補データ群34と、行動計画決定部13が決定した行動計画データ群35と、軌道決定部14が生成した軌道データ群36に基づいて、自車両の走行行動計画における現在の実行中の行動ステップを、別の次の行動ステップに更新するべきか否かを判断し、更新すると判断された場合は次の行動ステップに更新を行うものである。
【0039】
更新するべきか否かの判断は、本実施形態においては、対向車両の位置と通過可能領域の位置の夫々の位置関係情報と、自車両の次の行動ステップの走行軌道情報の成立に基づいて行っている。具体的には、
(1)通過可能領域内に対向車両が存在し、かつ、
(2)自車両が、現在の実行中の行動ステップ以外の他の行動ステップに該当する走行軌道が正しく(対向車両や他の障害物等と衝突せずに)生成されている
という条件が成立している場合に、生成可能な走行軌道に該当する行動ステップを実施するように走行行動計画を更新すると判断する。
【0040】
尚、この更新判断は、上述したように対向車両で計画された行動ステップに依存しないため、今後の説明では自車両の行動計画を対象とする。但し、対向車両の走行意図を高精度で予測ができる場合、例えば、車-車間通信によって対向車両の行動ステップが取得される場合は、その予測情報を用いて走行行動計画を更新すべきか否かの判断に使用することもできる。
【0041】
更に、走行行動計画の更新は、現在の実行されている自車両の走行行動計画以外に、対向車両と自車両と通過可能領域の夫々の位置関係に基づいて、自車両の走行行動計画を変えず、行動ステップの対象通過可能領域のみを変更することも可能である。
【0042】
そして、行動計画を更新すると判断した場合、現在の実行中の自車両の行動ステップを、新しい行動ステップに更新する。行動計画更新部15が更新した行動計画情報を、記憶部30に既に存在する行動計画データ群35として上書き記憶する。
【0043】
走行制御計画部16は、行動計画決定部13で計画され行動計画更新部15で更新された行動計画データ群35と、軌道決定部14が生成した軌道データ群36に基づいて、走行軌道に追従するように自車両の走行を制御するためのアクチュエータ群7の制御指令値を決定する。走行制御計画部16が決定した計画軌道やアクチュエータ群7の制御指令値の情報は、走行制御データ群37として記憶部30に記憶される。
【0044】
情報出力部17は、車両制御装置3に接続された他の装置に対して、車載ネットワークNを介して各種情報を出力する。例えば、走行制御データ群37に含まれる制御指令値をアクチュエータ群7に出力し、自車両の走行を制御する。
【0045】
また、例えば、センサ認識データ群33や行動計画データ群35、軌道データ群36に含まれる計画軌道等をHMI装置群8に出力し、自車両の乗員に提示する。これにより、自動運転中の自車両において、車両システム1が周辺の走行環境をどのように解釈し(センサ認識データ群33の表示)、どのような走行を計画しているか(行動計画データ群35や軌道データ群36の行動計画と軌道の表示)を乗員に提示することができる。
【0046】
記憶部30は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの記憶装置や、RAM(Random Access Memory)などのメモリを含んで構成される。記憶部30には、処理部10が処理するプログラムや、その処理に必要なデータ群等が格納される。また、処理部10がプログラムを実行する際の主記憶として、一時的にプログラムの演算に必要なデータを格納する用途にも利用される。
【0047】
本実施形態では、車両制御装置3の機能を実現するための情報として、車両情報データ群31、道路環境データ群32、センサ認識データ群33、領域候補データ群34、行動計画データ群35、軌道データ群36、走行制御データ群37等が記憶部30に格納される。
【0048】
車両情報データ群31とは、車両センサ群5等により検出された自車両の挙動に関するデータの集合である。自車両の挙動に関するデータとは、自車両の動きや状態等を表す情報であり、例えば、自車両の位置、走行速度、操舵角、アクセルの操作量、ブレーキの操作量、走行経路等の情報が含まれる。
【0049】
道路環境データ群32とは、自車両周辺の道路環境に関するデータの集合である。道路環境に関するデータとは、自車両が走行している道路を含む自車両周辺の道路に関する情報である。
【0050】
これには例えば、自車両周辺の道路を構成する車線の形状や属性(進行方向、制限速度、走行規制等)に関する情報や、信号情報、各道路や車線の交通状態(平均速度等)に関する交通情報、過去事例などに基づく統計的知識情報等が含まれる。道路・車線の形状や属性のような静的情報は、例えば、地図情報管理装置6等から取得される地図情報に含まれる。
【0051】
一方、信号情報や交通情報、統計的知識情報のような準動的もしくは動的な情報は、外界通信装置9を介して取得される。統計的知識情報とは、例えば、事故事例が多い地理的場所や時間帯、その事故類型に関する情報等を含む。
【0052】
センサ認識データ群33とは、外界センサ群4による検出情報または検出状態に関するデータの集合である。検出情報とは、例えば、外界センサ群4がそのセンシング情報に基づき特定した車両2周辺の障害物や路面標示、標識、信号等の環境要素に関する情報や、外界センサ群4による自車両周辺のセンシング情報そのもの(LiDARやRADARの点群情報、カメラ画像、ステレオカメラの視差画像等)である。検出状態とは、当該センサが検出した領域やその確度を示す情報であり、例えば、OGMのような格子状マップ等が含まれる。
【0053】
領域候補データ群34とは、領域候補決定部12が決定した、通過不能な道路において、自車両と移動体が通過可能な領域候補の集合である。領域候補は、例えば、自車両、もしくは対向車両、もしくは双方の車両が待避できるスペースも含んでも良い。領域候補は、例えば、外界センサ群4で検出された周辺環境の特徴に基づいて決めても良いし、また、高精度地図情報に含まれる場合は、これから直接取得しても良い。
【0054】
相対情報である周辺環境の特徴と、地理座標である地図情報の整合性を保つため、例えば、自車両に対する相対座標系で記憶しても良いし、地理座標のような絶対座標系で記憶しても良い。
【0055】
尚、例えば、通過可能領域候補を予め記憶し、経験値マップのように過去の走行経験情報を引き継いで通過可能領域を決める場合は、地理座標系で記憶することが望ましい。領域の特徴は、少なくとも領域の識別子、位置情報、奥行き幅、横幅、傾きの情報が含まれる。領域の特徴は、例えば、高さの上限、該当車線識別子等のような情報を更に含んでも良い。
【0056】
行動計画データ群35とは、行動計画決定部13が決定した、自車両の走行行動計画を含む行動計画情報である。行動計画情報とは、例えば、自車両と対向車両が現在のすれ違いといった走行困難な状況の発生を解消するために、実行すべき行動ステップとその順次である。
【0057】
自車両の走行行動計画とは、走行行動計画に含まれる、自車両のみに該当する行動ステップのことを示している。行動ステップとは、上述したように走行行動計画、自車両の行動計画等に含まれる、順番で実行する自車両の走行行動を示すものである。行動計画データに関するデータの具体的な内容は、
図3において説明する。
【0058】
軌道データ群36とは、軌道決定部14が決定した、自車両の走行を制御するための走行軌道情報に関するデータの集合である。軌道データ群は、自車両の走行行動計画の行動ステップの夫々に対して走行軌道が生成され、複数の軌道情報が含まれている。
【0059】
走行制御データ群37とは、軌道決定部14が決定し、自車両の走行行動計画で現在実行中の行動ステップに対する、走行軌道に追従するためのデータ群であり、自車両のアクチュエータ群7に出力する制御指令値等が含まれる。走行制御データ群37におけるこれらの情報は、走行制御部16によって生成、格納される。
【0060】
通信部40は、車載ネットワークNを介して接続された他の装置との通信機能を有する。情報取得部11が他の装置から車載ネットワークNを介して各種情報を取得する際や、情報出力部17が車載ネットワークNを介して他の装置へ各種情報を出力する際には、この通信部40の通信機能が利用される。
【0061】
通信部40は、例えば、IEEE802.3やCAN(Controller Area Network)等の通信規格に準拠したネットワークカード等を含んで構成される。通信部40は、車両システム1において車両制御装置3と他の装置との間で、各種プロトコルに基づきデータの送受信を行う。
【0062】
尚、本実施形態では、通信部40と処理部10とを分けて記載しているが、処理部10の中で通信部40の処理の一部が実行されてもよい。例えば、通信処理におけるハードウェアデバイス相当が通信部40に存在し、それ以外のデバイスドライバ群や通信プロトコル処理等は、処理部10の中に存在するように構成してもよい。
【0063】
外界センサ群4は、自車両周辺の状態を検出する装置の集合体である。外界センサ群4は、例えば、カメラ装置、ミリ波レーダ、LiDAR、ソナー等が該当する。外界センサ群4は、自車両から所定範囲の顕在障害物、路面標示、標識、信号等の環境要素を検出し、これらの検出結果は、車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力される。
【0064】
「顕在障害物」とは、例えば、自車両以外の車両である他車両や、歩行者、道路への落下物、路端等である。「路面標示」とは、例えば、白線や横断歩道、停止線等である。また、外界センサ群4は、自身のセンシング範囲やその状態に基づき、検出状態に関する情報も車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力する。
【0065】
車両センサ群5は、自車両の各種状態を検出する装置の集合体である。各車両センサは、例えば、車両2の位置情報、走行速度、操舵角、アクセルの操作量、ブレーキの操作量等を検出し、車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力する。
【0066】
地図情報管理装置6は、自車両周辺のデジタル地図情報を管理及び提供する装置である。地図情報管理装置6は、例えば、ナビゲーション装置等により構成される。地図情報管理装置6は、例えば、自車両の周辺を含む所定地域のデジタル道路地図データを備えており、車両センサ群5から出力される自車両の位置情報等に基づき、地図上での自車両の現在位置、すなわち自車両が走行中の道路や車線を特定するように構成されている。また、特定した自車両の現在位置やその周辺の地図データを、車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力する。
【0067】
アクチュエータ群7は、自車両の動きを決定する操舵、ブレーキ、アクセル等の制御要素を制御する装置群である。アクチュエータ群7は、運転者によるハンドル、ブレーキペダル、アクセルペダル等の操作情報や、車両制御装置3から出力される制御指令値に基づいて、操舵、ブレーキ、アクセル等の制御要素の動きを制御することで、自車両の挙動を制御して自動運転を実行する。
【0068】
HMI装置群8は、運転者や乗員からの車両システム1に対する情報入力や、運転者や乗員に対する車両システム1からの情報通知を行うための装置群である。HMI装置群8には、ディスプレイ、スピーカー、バイブレータ、スイッチ等が含まれる。
【0069】
外部通信装置9は、車両システム1の外部と無線通信を行う通信モジュールである。外部通信装置9は、例えば、車両システム1にサービスを提供・配信するセンタシステム(不図示)やインターネットと通信可能なように構成されている。
【0070】
[車両システムの動作の説明]
次に、本実施形態の車両システム1の動作を
図2~
図9を用いて説明する。
【0071】
車両制御装置3は、外界センサ群4等から取得した情報に基づいて、自車両の走行行動計画と、行動ステップの更新判断を行うための通過可能領域と走行軌道を決定し、更新判断の結果から必要に応じて自車両の現在の行動ステップを更新する。
【0072】
そして、現在の実行中の行動ステップを実行する走行軌道を用いて、自車両の走行制御を行うための制御指令値を生成してアクチュエータ群7に出力する。アクチュエータ群7は、車両制御装置3が出力する制御指令値に従い、自車両の各アクチュエータを制御する。これにより、自車両の走行制御が実現される。
【0073】
また、車両制御装置3は、自車両の走行制御にあたり、運転者や乗員に通知すべき情報としてHMI情報を生成し、HMI装置群8に出力する。これにより、自動走行中の車両システム1の状態を運転者や乗員に提示することができる。
【0074】
図2は、車両制御装置3が実現する機能の相関関係を示す図である。車両制御装置3は、例えば、
図1に示した情報取得部11、領域候補決定部12、行動計画決定部13、軌道決定部14、行動計画更新部15、走行制御部16、および情報出力部17による夫々の処理が、
図2に示す順番で実行されるように構成されている。一連の処理は、例えば100ms毎に、時間割込みによって定期的に実行される。
【0075】
情報取得部11は、車載ネットワークNを介して他の装置から必要な情報を取得し、記憶部30に格納する。具体的には、車両センサ群5からは車両情報データ群31の情報を取得し、地図情報管理装置6、及び外部通信装置9からは道路環境データ群32の情報を取得し、外界センサ群4からはセンサ認識データ群33の情報を取得し、これらの情報を記憶部30に格納して、更に後段の領域候補決定部12に受け渡すことになる。
【0076】
領域候補決定部12は、センサ認識データ群33や道路環境データ群32の情報に基づいて、自車両周辺の狭路における通過可能領域の候補を特定して記憶部30に格納し、更に通過可能領域の情報を行動計画決定部15に受け渡すことになる。
【0077】
行動計画決定部13は、車両情報データ群31と、道路環境データ群32と、センサ認識データ群33と、領域候補データ群35の夫々の情報に基づいて、現在のすれ違い等の走行困難な状況を解消するための走行行動計画を生成する処理を行い、記憶部30に格納し、更に領域候補データ群34と共に軌道決定部14に受け渡すことになる。
【0078】
軌道決定部14は、車両情報データ群31と、センサ認識データ群33と、領域候補データ群34と、行動計画データ群35との夫々の情報に基づいて、自車両の走行行動計画を構成する複数の行動ステップに対する軌道を生成する処理を行って記憶部30に格納し、更に領域候補データ群34と、行動計画データ群35と共に行動計画更新部15に受け渡すことになる。
【0079】
行動計画更新部15は、センサ認識情報データ群33と、領域候補データ群34と、行動計画データ群35と、軌道データ群36との夫々の情報に基づいて、自車両の行動計画を更新するべきか否かの判断処理を行い、記憶部30に既に格納されている行動計画データ群35を更新する。
【0080】
この更新は、現在の実行中の行動ステップと、次に実行される行動ステップの更新であり、この更新は現在の実行中の行動ステップを中止し、代わりに次の行動ステップを実行するという処理である。また、この時に自車両の行動計画に含まれる、現在の実行中の行動ステップに対する軌道データを走行制御部に受け渡すことになる。
【0081】
走行制御部16は、車両情報データ群31と、道路環境データ群32と、センサ認識データ群33と、軌道データ群36との夫々の情報に基づいて、自車両の走行軌道に追従するための制御指令値等を生成する。そして、生成した自車両の走行軌道や制御指令値から走行制御データ群37を生成する処理を行って記憶部30に格納し、更に走行制御データ群37を情報出力部17に受け渡すことになる。
【0082】
情報出力部17は、走行制御データ群37に基づいて、制御指令値をアクチュエータ群7に出力する。また、センサ認識データ群33と、領域候補データ群34と、行動計画データ群35と、軌道データ群36と、走行制御データ群37との夫々の情報に基づき、自車両周辺の走行環境や実行中の走行行動計画、走行軌道等の情報を、自車両の乗員に提示するための提示情報をHMI装置群8に出力する。
【0083】
[行動計画データ群の説明]
次に、行動計画データ群34の一例を説明する。
図3aは、自車両と対向車両に関する情報が含まれる、走行行動計画と呼ぶ行動計画データ群34の一例を示している。尚、この走行行動計画は、対向車両の走行行動計画も含めているので、自車両と対向車両の協調走行行動計画となっている。また、
図3bは、
図3aに示す協調行動計画の一部である自車両に関する走行行動計画の一例を示している。
【0084】
尚、
図3aに示す全体の走行行動計画では、自車両と対向車両の走行行動が含まれるが、本実施形態の処理(特に行動計画更新部15の更新処理)は、対向車両に対する走行行動計画に依存しないため、以下では
図3bに示す自車両の走行行動計画(自車両行動計画)を利用する場合について説明する。
【0085】
図3aの行動計画データ群34は、各行が一つの行動ステップを示している。行動ステップとは、上述したように、自車両、もしくは対向車両が実行する走行行動であり、これらの行動ステップの組み合わせから全体の走行行動計画が構成されている。そして、全ての行動ステップを順番で実施することにより、すれ違い等の走行困難な状況が生じるのを解消できるようになる。
【0086】
これらの行動ステップとその実行順番は、例えば、自車両の位置、対向車両の位置、及び通過可能領域の位置関係を利用するアルゴリズムに基づいて決定しても良いし、幾つかのパターンが予め決定されているデータベースを参照して決定しても良い。
【0087】
走行行動計画は、例えば
図3aで示されている通り、
(1)車両と対向車両が協調的に実施するべき走行行動の全体の行動順次301(1~4で表示)、
(2)夫々の行動ステップに該当している車両ID302(400(対向車両)、2(自車両)で表示)、
(3)夫々の車両IDに該当する走行行動の順次303(1、2で表示)、
(4)夫々の行動ステップの実行が完了されていると判断するための判断条件304(車両の具体的走行状態で表示)、
(5)複数の通過可能領域候補が存在する場合、今回の走行行動に使われる対象通過可能領域の識別子305(Aで表示)、
(6)夫々の行動ステップに対して、現在の実行中の行動ステップを示すためのフラグ306(YES、NOで表示/自車両に対する行動ステップのみ該当し、YESの場合は紐付けられた制御プログラムを実行し、NOの場合は紐付けられた制御プログラムの実行を停止する)
等を含んで構成されている。
【0088】
図3aで示されている協調された走行行動計画が、判断条件304の成立によって行動計画更新部15により更新される場合、例えば、対象通過可能領域305の値(領域を示すデータ)や現在の実行中の行動ステップ306等に含まれるフラグを、別の対象通過可能領域を指す値や、現在の実行中の行動ステップを指すフラグを次の行動ステップを指すフラグに更新する。
【0089】
図3bに示されている自車両行動計画は、
図3aに示す協調された走行協調行動計画に含まれる、車両ID302が自車両に該当する行動ステップのみを抽出した走行行動計画である。自車両行動計画は、例えば、全体行動順次301と、車両ID302を省いた行動計画データ群34を表現したものであり、本発明の実施例の説明で使用される表現である。
【0090】
[通過可能領域の説明]
図4a、
図4bは、領域候補データ群34に含まれる通過可能領域の一例を示している。
図4aでは、狭路の中で一つの通過可能領域が存在する例を示し、
図4bでは、複数の通過可能領域が存在する例を示している。したがって、
図4bのように複数の通過可能領域がある場合は、適切な領域の方が選択されることになる。
【0091】
図4aは、自車両2が狭路401を走行し、対向車両400が狭路403を走行し、互いの車が向き合って遭遇した状況を示している。自車両2と対向車両400の間に、両方の車両が通過できる幅を持つ道路領域402が存在する。その領域内に自車両2が待避できる場所を含む通過可能領域候補404を設定する。この通過可能領域候補404を利用して、自車両2と対向車両400とが、狭路ですれ違い走行を実行して夫々の車両の走行を行うことができる。
【0092】
図4bは、
図4aと同じように、自車両2が狭路405を走行し、対向車両400が狭路409を走行し、互いの車が向き合って遭遇した状況を示している。但し、
図4bでは、自車両2と対向車両400の間に、両方の車両が通過できる幅を持つ通過可能領域候補406と通過可能領域候補408の2つが存在し、狭路領域407によって分かれている。
【0093】
したがって、この場合は通過可能領域候補404Aと通過可能領域候補404Bを設定する。そして、通過可能領域候補404A、もしくは通過可能領域候補404Bのいずれかを利用して、自車両2と対向車両400とが、狭路ですれ違い走行を実行して夫々の車両の走行を行うことができる。
【0094】
尚、
図4a、
図4bに示す例では、通過可能領域が自車両2と対向車両400の間にあるが、自車両2の背後や、対向車両400の背後に設定されても良い。この場合は、どちらかの車両が、背後の通過可能領域に後退することで、狭路ですれ違い走行を実行して夫々の車両の走行を行うことができる。
【0095】
[行動計画更新処理の制御フローの説明]
次に、
図5に基づき、車両制御装置3の行動計画更新部15が実行する行動ステップの更新処理を説明する。尚、この場合は、
図3bに示す2つの行動ステップの更新を例にしており、行動順次が「1」の場合を第一行動ステップとし、行動順次が「2」の場合を第二行動ステップとしている。
【0096】
≪ステップS501≫
ステップS501においては、行動計画更新部15の更新処理に必要なデータを収集する。更新処理に必要なデータは、情報取得部11により取得されたセンサ認識情報データ群33と、領域候補決定部12が決定した領域候補データ群34と、行動計画決定部13が決定した行動計画データ群35と軌道決定部14が生成した軌道データ群36とである。データの収集が完了するとステップS502に移行する。
【0097】
≪ステップS502≫
ステップS502においては、行動計画データ群35に含まれる、自車両の行動計画の第一行動ステップの実行を開始する。行動計画の第一ステップは、例えば、自車両が「通過可能領域の中で停車する」のような終了条件が設定されていれば、自車両がこの条件を達成するために行動を始め、例えば、通過可能領域の中にある待避できるスペースに向けて走行し始める。第一行動ステップの実行を開始するとステップS503に移行する。
【0098】
≪ステップS503≫
ステップS503においては、行動計画データ群35に含まれる、対象の通過可能領域の中に対向車両が存在しているか否かを、カメラ等の画像を利用して確認する。ここで、対向車両が該当の通過可能領域の中に存在するとは、対向車両と自車両とが共に通過できるほどの幅を持つ場所の中に存在し、対向車両と自車両とがすれ違って通過するための第一条件が満たされているということを意味する。
【0099】
対向車両が走行行動計画の対象となっている通過可能領域の中に存在していない場合は、再びステップS503に戻って自車両が現在の第一行動ステップを実行しつつ、上記の条件を監視し続ける。一方、対向車両が走行行動計画の対象となっている通過可能領域の中に存在している場合、ステップS504に移行する。
【0100】
≪ステップS504≫
ステップS504において、軌道データ群36に含まれる走行軌道点列の内、自車両が現在の実行中の第一行動ステップの次に実行する、第二行動ステップに対する走行軌道の生成状態を確認する。
【0101】
第二行動ステップに対する走行軌道の生成状態の確認とは、自車両が第一行動ステップを実行中であれば、第二行動ステップに対する走行軌道を確認するもので、軌道データ群36によって生成される走行軌道が、周辺障害物等に衝突せず生成されている否かを確認する。障害物とは、例えば、壁や縁石等の静止障害物や、歩行者、自転車、車両等の移動体のことを示している。
【0102】
ステップS504では、例えば、「通過可能領域を通過」のような終了条件が設定されていれば、ステップS503における、対向車両が通過可能領域の中に存在する条件が満たされたうえで、自車両が通過可能領域を通過するための走行が可能か否かを確認する。これは走行軌道が生成できるか否かで判断することができる。
【0103】
そして、障害物等に衝突し、次の第二行動ステップの終了条件を満たすことが不可能な場合、再びステップS503に戻っての条件確認処理に移動する。一方、障害物に衝突せず、次の第二行動ステップの終了条件を満たすことが可能な場合、ステップS505に移行する。
【0104】
≪ステップS505≫
最後のステップS505においては、自車両の現在の実行中の第一行動ステップから次の第二行動ステップを実行するように行動計画を更新する。行動計画を更新するとは、
図3bで示す行動計画データ群35に含まれる情報を更新して、記憶部30に上書き記憶することである。尚、
図5で示されている制御フローの場合、更新する情報は
図3bの現在の実行中の行動ステップ306のフラグ情報である。
【0105】
図3bにおいて、ステップS502で第一行動ステップが実行されている状態では、第一行動ステップのフラグ情報は「YES」であり、第二行動ステップのフラグ情報は「NO」である。一方、ステップS505では、第一行動ステップのフラグ情報は「NO」に更新され、第二行動ステップのフラグ情報は「YES」に更新される。したがって、第一行動ステップに代えて第二行動ステップが実行されることになる。
【0106】
また、例えば、
図4bにあるように領域候補データ群34に複数の通過可能領域が含まれる場合は、自車両と対向車両と通過可能領域の位置関係の変化に基づいて、
図3bで示している対象通過可能領域305の情報も、ステップS505で更新しても良い。
【0107】
[第1動作例:一般的な状況における行動計画の更新の説明]
次に
図6を用いて、
図5で説明された行動計画更新部15の更新処理の具体的な動作を説明する。
図6で示す例では、自車両の走行行動計画が、
図3bにある2つの行動ステップで構成され、
図6aは、第一行動ステップ602を実行する例を示し、
図6bは、第二行動ステップ605に更新して実行する例を示している。つまり、自車両と対向車両のすれ違いの走行行動を示している。
【0108】
図6aでは、自車両2が対向車両600と狭路で遭遇している。
図5のステップS501では、狭路ですれ違いを実施するため必要な情報を収集する。またステップS502では、通過可能領域601を目標にして、自車両2が通過可能領域601の領域内に待避する第一行動ステップ602の実行を開始する。尚、第二行動ステップ605では、フラグ情報は「NO」になっており、この第二行動ステップ605に対応する制御は実行されていない。
【0109】
そのため、第一行動ステップ602が、現在の実行中の行動ステップとして有効(YESのフラグ情報)になっている。そして、自車両2が通過可能領域601の領域内に待避し、自車両2が対向車両600に十分なスペースを残すように、走行軌道603を生成する。
【0110】
走行軌道603は、例えば、対向車両600の具体的な走行行動や走行意図等を予測したうえで、対向車両600の通過経路等を妨げないように生成しても良い。また、地図情報に含まれるのであれば、通過可能領域の中に存在する待避領域情報等を利用して、待避領域内に停車するように生成しても良い。
【0111】
図6bは、自車両2が第一行動ステップ602を実行して目標である通過可能領域601に到達し、この通可能領域601で待避して対向車両600が通過するすれ違い走行の状況を示している。
【0112】
自車両2が第一行動ステップ602を実施している間に、
図5のステップS503の判断条件で、対向車両600が通過可能領域601の領域内に存在するか否かの判断を実行し、かつ、ステップS504の判断条件で、自車両2が次の第二行動ステップ605を満たすための走行軌道604を生成可能か否かの判断を実行する。この2つの判断条件を監視し続けながら自車両2は走行行動を行う。
【0113】
そして、走行行動の結果、
図6bでは既に上述の2つの判断条件が満たされているため、
図5のステップS505に移行し、第二行動ステップ605を有効にして行動計画を更新する。
図6bでは、第一行動ステップ602のフラグ情報が「YES」⇒「NO」に更新され、第二行動ステップ605のフラグ情報が「NO」⇒「YES」に更新される(つまり、「YES」のフラグ情報が矢印606のように、行動ステップ602から行動ステップ605へ遷移される)。そして、第二行動ステップ605のフラグ情報が有効(YES)になった途端に、自車両2が第二行動ステップ605を満たす走行軌道604を追従するように走行し始める。
【0114】
尚、対向車両600の走行意図予測情報を加えることにより、第二行動ステップ605への更新タイミングを変えても良い。例えば、
図6aに示されている状況で、対向車両600が、狭路の道路端にある駐車スペース等に後退して入る走行意図を予測できた場合、
図6bで示されているタイミングではなく、対向車両600が駐車スペース等に入った後に更新するように行動計画を更新しても良い。尚、この場合、走行意図予測情報としては、ウインカー等の点滅情報を用いることができる。また、走行意図予測情報は対向車両と通信(車-車間通信)を行なうことで取得することもできる。
【0115】
このように、車両制御装置3は、対向車両(自転車や荷車等も含む場合がある)の挙動(走行意図予測情報)を推定する挙動推定部(走行意図予測情報推定部)を備えることもでき、行動計画更新部15は、挙動推定部の推定結果に応じて行動計画の更新可否を決定することができる。
【0116】
そして、自車両2が第二行動ステップ605の終了条件(通過可能領域を通過したという判断)を満たし次第、対向車両600とのすれ違い走行が完了となる。
【0117】
[第2動作例:想定外の状況における行動計画の更新の説明]
次に
図7を用いて、
図5で説明された行動計画更新部15の更新処理の他の具体的な動作を説明する。
図7は、
図6bで説明した更新処理を行う上で、別の想定外の状況が発生した場合の例である。
【0118】
図7は、自車両2が通過可能領域701の領域内で待避した後に、対向車両700が通過可能領域701を通過しようとしているときに、自車両2の後ろに歩行者702が狭路を横断する状況を示している。
【0119】
対向車両700の前を歩行者702が横断することにより、対向車両700は通過可能領域701を走行することができず、歩行者702が狭路を横断することを待って走行行動に移行する。これに対して、自車両2の走行行動計画の更新処理が、対向車両700の走行行動に依存していないので、
図5のステップS503とステップS504の判断条件により更新可否が判断されるため、自車両2の行動ステップの更新を行うことができる。これによって、自車両2は円滑な走行を継続することができる。
【0120】
図7では、対向車両700が通過可能領域701の領域内に存在しているため、
図5のステップS503の判断条件が満たされている。更に、
図7では、自車両2が次の第二行動ステップ706の走行軌道703を生成可能なため、ステップS504の判断条件も満たされている。これらの2つの判断条件が満たされているため、ステップS505の更新処理では、矢印704のように、第一行動ステップ705から第二行動ステップ706へ実行中の行動ステップが更新される。尚、例えば、対向車両700の走行意図予測情報を車-車間通信等によって取得することで、行動ステップの更新タイミングを遅らせることも可能である。
【0121】
図7では、歩行者702の出現により、対向車両700が通過可能領域を通過できない状況を説明したが、別の要因やその要因の意図予測などによって行動ステップを更新しても良い。例えば、歩行者702の代わり、自車両2の後に後続車両がいきなり出現し、対向車両700が通過できないと判断した場合、後続車両の走行意図や位置関係等も考慮して、自車両2の行動ステップの更新や更新のタイミングを判断しても良い。
【0122】
具体的には、自車両2と対向車両700を縦列停車できるように、自車両2の行動ステップを更新すればよい。この場合は通過可能領域の形状から自車両2の退避スペースを決定すれば良い。
【0123】
[行動計画更新の条件を満たしていない場合の説明]
次に
図8を用いて、
図5で説明された行動計画更新部15の更新処理の他の具体的な動作を説明する。
図8は、
図5のステップS503とステップS504の判断条件を満たしていない状況が発生した場合の例である。
【0124】
図8aは、自車両2の走行行動計画に含まれる第一行動ステップを実行中で、自車両2が通過可能領域801の領域内に待避している状況である。
図8aでは、対向車両800が狭路を走行しているが、通過可能領域801の領域内に到達できず、通過可能領域801の領域内に存在していない。そのため、
図5のステップS503の条件が満たされず、行動計画が更新されない。
【0125】
尚、ステップS504の処理が実行されないが、仮に実行されたとすると、自車両2の通過可能領域801を通過するための走行軌道が生成可能になっているため、ステップS504の条件が満たされている。しかしながら、行動計画を更新するために、ステップS503とステップS504の2つの判断条件が必ず満たされなければならないため、行動ステップの更新が発生しないものとなる。
【0126】
図8bは、
図8aの続きであり、対向車両800が通過可能領域801を移動中の状況である。この状況では、対向車両800が通過可能領域801の中に存在しているため、ステップS503の判断条件が満たされている。しかしながら、自車両2が通過可能領域801を通過するための走行軌道803が、対向車両800と干渉しているため正しく生成されず、ステップS504の判断条件が満たされていない。その結果、2つの条件が同時に満たされていないため、行動計画の更新が発生しないものとなる。
【0127】
[通過可能領域候補が複数存在するときの行動計画の更新の説明]
次に
図9を用いて、
図5で説明された行動計画更新部15の更新処理の他の具体的な動作を説明する。
図9は、自車両2の周辺に複数の通過可能領域が存在し、対象となる通過可能領域が走行中に更新される場合の例である。
【0128】
図9aにおいては、例えば、自車両2と対向車両900と通過可能領域902Aと通過可能領域902Bとの位置関係に基づいて、行動計画決定部13は自車両2が通過可能領域902Bの中で待避するような行動計画が決定されたとする。
【0129】
そして、
図5のステップS502で第一行動ステップによって、通過可能領域902Bの領域に走行するための走行軌道901が生成され、自車両2が走行軌道901を追従し走行を開始する。ところが、この状態で
図9bに示す状況に陥る場合が生じる。
【0130】
つまり、2つの通過可能領域902Aと通過可能領域902Bの出口に、自車両2と対応車両900が到達する場合である。この状態ではすれ違いができなくなる恐れがある。
【0131】
したがって、
図9bでは、例えば、自車両2が走行軌道901に追従して走行中、対向車両900と通過可能領域902Bの位置関係から、対向車両900が通過可能領域902Bを通過したと判断する。その場合、自車両2の行動計画の対象通過可能領域(
図3b参照)を「902B」から「902A」へ更新すればよい。
【0132】
これによって、自車両2の現在の実行中の第一行動ステップの対象通過可能領域が変わるため、行動ステップの「通過可能領域の中で停車」(
図3b参照)という終了条件を満たすための走行軌道903が生成される。この場合、例えば
図9bのように、走行軌道903に追従するとして後退で走行しても良い。
【0133】
また、上述したように行動ステップの終了条件を満たすために、例えば、対向車両の予測情報等を使って、対向車両の走行を妨げないように自車両の停車位置と姿勢を決定し、その位置姿勢(例えば、斜め停車)を実現するための走行軌道を生成しても良い。
【0134】
尚、以上で説明した実施形態は一例であり、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明では様々な応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。例えば、上記実施形態では、通過可能領域が自車両と対向車両が通過できるほどの幅を持つ道路領域であるため、場合によっては交差点や従属道路、歩道の一部を利用して、通過可能領域の決定に使っても良い。
【0135】
例えば、上記実施形態では、自車両の行動ステップの終了条件は地理的座標系で示される点であっても良いし、自車両の相対座標で表現される領域等であっても良い。
【0136】
例えば、上記実施形態では、通常走行中に常に通過可能領域を探索し記憶しておき、将来対向車両と向き合って遭遇したときに予め記憶された通過可能領域を利用して行動計画更新有無や軌道生成を実施しても良い。
【0137】
例えば、上記実施形態では、外界通信装置9を利用し無線通信手段等を用いて対向車両と通信を行い、対向車両の走行意図の理解や、自車両の待避意図等の通知を行っても良い。
【0138】
例えば、上記実施形態では、通過可能領域への走行、または、通過可能領域から退出等の時に、対象対向車両や周辺の対向車両にウインカーのような視覚的な手段や、音声等のような聴覚的な手段を利用し自車両の走行意志を通達しても良い。
【0139】
例えば、上記実施形態では、前記のような走行意志や通達事項等を乗車されているユーザにも伝えるため、HMI装置群8を介して描画や文字等を出力し伝えても良い。
【0140】
尚、本発明は上記したいくつかの実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。各実施形態の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0141】
1…車両システム、2…車両、3…車両制御装置、4…外界センサ群、5…車両センサ群、6…地図情報管理装置、7…アクチュエータ群、8…HMI装置群、9…外界通信装置、10…処理部、11…情報取得部、12…領域候補決定部、13…行動計画決定部、14…軌道決定部、15…行動計画更新部、16…走行制御部、17…情報出力部、30…記憶部、31…車両情報データ群、32…道路環境データ群、33…センサ認識データ群、34…領域候補データ群、35…行動計画データ群、36…軌道データ群、37…走行制御データ群、40…通信部、N…車載ネットワーク。