(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048486
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】位置表示灯および位置表示システム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20240402BHJP
A62C 13/78 20060101ALI20240402BHJP
G08B 5/36 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G08B17/00 G
A62C13/78 A
G08B5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154419
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】永田 稔
【テーマコード(参考)】
5C083
5G405
【Fターム(参考)】
5C083AA02
5C083CC30
5C083DD01
5C083GG07
5C083JJ24
5G405AA10
5G405CA21
5G405FA03
(57)【要約】
【課題】火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることのできる位置表示灯および位置表示システムを得る。
【解決手段】位置表示灯は、火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機から出力された表示指令を受信することで、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う表示部を備えたものであり、位置表示システムは、火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機と、火災受信機から出力された表示指令を受信することで、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う位置表示灯とを備えた位置表示システムであって、火災受信機は、感知結果に基づいて特定した出火階および直上階に設置されている位置表示灯に対して表示指令を出力するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機から出力された表示指令を受信することで、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う表示部を備えた位置表示灯。
【請求項2】
前記表示部は、前記消火器が設置される消火器スタンド、あるいは前記消火器が収納される消火器格納箱に設けられている
請求項1に記載の位置表示灯。
【請求項3】
火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機と、
前記火災受信機から出力された表示指令を受信することで、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う位置表示灯と
を備えた位置表示システムであって、
前記火災受信機は、前記感知結果に基づいて特定した出火階および直上階に設置されている前記位置表示灯に対して前記表示指令を出力する
位置表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う位置表示灯および位置表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
消火器の設置が義務づけられている建物については、消火器の設置条件が消防関連法令により細かく規定されている。具体的な設置条件としては、以下のような項目が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
<消火器に関する具体的な設置条件>
・通行または避難に支障がなく、必要時にすぐに持ち出せる場所に設置すること。
・消火器は各防火対象物・部分から歩行距離20m以下(大型消火器は30m以下)になるよう設置し、各階ごとに設置すること。
・床面からの高さ1.5m以下に設置し、「消火器」の標識を見やすい位置に付けること。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】一般社団法人日本消火器工業会 ホームページ、消火器の設置義務(URL:https://www.jfema.or.jp/about/duty)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
上述したような消火器の設置条件によれば、設置場所、設置高さ、設置間隔などが具体的に規定されている。しかしながら、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることまでは義務付けられていない。
【0006】
実際に火災が発生した状況においては、パニック状態も想定され、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示できれば、消火作業を迅速に行うことの一助となる。しかしながら、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることは行われていないのが実情である。
【0007】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることのできる位置表示灯および位置表示システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る位置表示灯は、火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機から出力された表示指令を受信することで、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う表示部を備えたものである。
【0009】
また、本開示に係る位置表示システムは、火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機と、火災受信機から出力された表示指令を受信することで、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行う位置表示灯とを備えた位置表示システムであって、火災受信機は、感知結果に基づいて特定した出火階および直上階に設置されている位置表示灯に対して表示指令を出力するものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることのできる位置表示灯および位置表示システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る位置表示システムを含む防災システムの全体構成図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係る位置表示システムを含む防災システムの機能ブロック図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係る位置表示システムを含む防災システム全体のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の位置表示灯および位置表示システムの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本開示に係る位置表示灯および位置表示システムは、火災感知器による感知結果に基づいて火災受信機から出力される表示指令により、消火器の設置位置を識別可能とする表示を行うことを技術的特徴とするものである。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る位置表示システムを含む防災システムの全体構成図である。また、
図2は、本開示の実施の形態1に係る位置表示システムを含む防災システムの機能ブロック図である。
【0014】
本実施の形態1に係る防災システムは、位置表示灯10、消火器20、火災感知器30、火災受信機40、非常放送盤50、およびスピーカー60を備えて構成されている。ここで、本実施の形態1に係る位置表示システムは、位置表示灯10および火災受信機40を備えて構成される。
【0015】
位置表示灯10は、火災受信機40から出力された表示指令を受信することで、消火器20の設置位置を識別可能とする表示を行う表示部11を備えている。位置表示灯10は、1つの消火器20に対して1つ設けられており、識別表示を行うことで、消火器の設置場所を視認可能とする役目を果たす。
【0016】
位置表示灯10は、消火器20が設置される消火器スタンド、あるいは消火器20が収納される消火器格納箱に配置することができる。また、位置表示灯10は、消火器20の近傍の壁、天井等に配置することも可能である。すなわち、設置条件を満たすように配置されている1以上の消火器20のそれぞれの設置場所に応じて、消火器20の設置場所を識別するための適切な場所に位置表示灯10を配置することができる。
【0017】
なお、位置表示灯10は、LEDなどを用いた赤色表示灯による点灯、点滅表示に限定されず、回転灯、ディスプレイを用いた表示、スポット光を用いたハイライト表示など、種々のタイプの表示方法を採用することが可能である。
【0018】
火災感知器30は、火災により発生する煙、熱、炎等に基づいて火災検出を行うセンサであり、火災を検出した場合には感知結果として出力し、火災受信機40に対して火災が発生したことを知らせる。
【0019】
火災受信機40は、防災システム全体を統括制御するコントローラであり、火災感知器30による感知結果に基づいて火災警報処理を実施することで火災発生場所を特定し、火災警報を行う。また、火災受信機40は、火災発生場所を特定した火災情報を非常放送盤50に送信する。
【0020】
さらに、本実施の形態1に係る火災受信機40は、特定した火災発生場所に応じた位置表示灯10に対して、表示指令を送信する。例えば、火災受信機40は、火災発生場所として特定された出火階および直上階に設置されている各位置表示灯10に対して表示指令を送信することができる。
【0021】
非常放送盤50は、火災受信機40から火災情報を受信した場合には、火災情報に応じた位置に配置されているスピーカー60に対して発報指令を出力し、火災が発生したことに伴う警報メッセージあるいは警報音をスピーカー60から出力させる。
【0022】
図3は、本開示の実施の形態1に係る位置表示システムを含む防災システム全体のフロー図である。
図1、
図2で示した防災システムによる一連処理の流れを、
図3のフロー図に基づいて説明する。
【0023】
まず初めに、ステップS301において、火災監視に適した位置に配置された複数の火災感知器30のそれぞれにより、火災が発生したか否かがモニタされる。そして、火災が発生したことを感知した火災感知器30は、火災発生を感知したことを示す感知結果を出力する。
【0024】
次に、ステップS302において、火災受信機40は、火災感知器30から火災を感知したことを知らせる感知結果を受信した場合には、火災警報処理を実施する。具体的には、火災受信機40は、火災を感知したことを知らせる感知結果の送信元である火災感知器30を特定することで火災発生場所を特定する。
【0025】
さらに、火災受信機40は、火災発生場所を特定した火災情報を生成し、生成した火災情報を非常放送盤50に送信する。また、火災受信機40は、特定した火災発生場所に応じた位置表示灯10に対して、表示指令を送信する。
【0026】
表示指令を受信した位置表示灯10は、ステップS303において、消火器20の設置位置を識別可能とする表示を、表示部11を用いて行うための識別表示処理を実行する。
【0027】
また、火災情報を受信した非常放送盤50は、ステップS304において、火災情報に応じた位置に配置されているスピーカー60に対して発報指令を出力するための非常放送処理を実行する。
【0028】
発報指令を受信したスピーカー60は、警報メッセージあるいは警報音を出力し、火災が感知されたことを報知し、避難誘導を行う。
【0029】
以上のように、本実施の形態1によれば、火災感知器による感知結果に基づいて火災警報を行う火災受信機から出力された表示指令に基づいて、消火活動に有効な場所に配置された消火器の位置を識別表示させることができる。この結果、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることで、消火器を用いた消火作業の迅速化を図ることができる。
【0030】
特に、実際に火災が発生した状況においてはパニック状態も想定され、また、公共施設などでは消火器の設置場所を認識していない来訪者等が多く存在し、消火器の設置場所を迅速に把握できない種々の状況が考えられる。
【0031】
このような種々の状況においても、本開示による位置表示灯および位置表示システムを用いることで、火災の感知結果と連動して消火器の設置場所を識別表示させることができ、迅速な消火活動を促進することができる。
【符号の説明】
【0032】
10 位置表示灯、11 表示部、20 消火器、30 火災感知器、40 火災受信機、50 非常放送盤、60 スピーカー。