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  • 特開-ガス器具ユニット 図1
  • 特開-ガス器具ユニット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048504
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】ガス器具ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/00 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
F24C3/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154451
(22)【出願日】2022-09-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月1日に自社ウェブサイトにおいて、次のアドレスに掲載。https://www.paloma.co.jp/vc-files/news/2022/2206-004_gulia_MC.pdf
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有村 淳一
(57)【要約】
【課題】ビルトインコンロとビルトインオーブンとを備えたガス器具ユニットにおいて、美観の向上と使い勝手の向上を両立する。
【解決手段】ガス器具ユニット1は、前面側にグリル扉52が設けられたグリル庫50を有するビルトインコンロ4と、前面側に開閉扉20が設けられたビルトインオーブン3と、を備える。ビルトインオーブン3の上方にビルトインコンロ4が配置される。グリル扉52には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第1の取っ手54が設けられる。開閉扉20には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第2の取っ手24が設けられる。第1の取っ手54と第2の取っ手24の左右方向の長さ及び位置が同一であり、第1の取っ手54及び第2の取っ手24のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の水平方向の位置と重なっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側にグリル扉が設けられたグリル庫を有するビルトインコンロと、前面側に開閉扉が設けられたビルトインオーブンと、を備え、前記ビルトインオーブンの上方に前記ビルトインコンロが配置されるガス器具ユニットであって、
前記グリル扉には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第1の取っ手が設けられ、
前記開閉扉には、前記左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第2の取っ手が設けられ、
前記第1の取っ手と前記第2の取っ手の前記左右方向の長さ及び前記左右方向の位置が同一であり、
前記第1の取っ手及び前記第2の取っ手のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の前記水平方向の位置と重なっている
ガス器具ユニット。
【請求項2】
前記グリル扉は、前面ガラスを備えた窓部を有し、
前記開閉扉は、ガラス窓を有し、
前記前面ガラスと前記ガラス窓の前記左右方向の幅及び前記左右方向の位置が互いに同一である
請求項1に記載のガス器具ユニット。
【請求項3】
前記第1の取っ手、前記第2の取っ手、前記前面ガラス、及び前記ガラス窓の前記左右方向の幅及び前記左右方向の位置が互いに同一である
請求項2に記載のガス器具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス器具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガスオーブンの上にガスコンロが設置されたガス器具が開示されている。特許文献1に開示されるガス器具は、ガスコンロにはグリル扉が設けられ、ガスオーブンにも扉が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭59-38645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるガス器具では、上段のガスコンロに設けられたグリル扉の取っ手は、左右方向中央部付近において前側に張り出すようにやや小さめに設けられ、ガスオーブンに設けられた取っ手は、右寄りの領域において前側に張り出すように大きめに設けられている。このような構造のものでは、グリル扉とオーブン扉との統一感が無く、取っ手の配置がアンバランスであるため、使い勝手の面で不利である。
【0005】
本開示に係る技術の一つの目的は、ビルトインコンロとビルトインオーブンとを備えたガス器具ユニットにおいて、美観の向上と使い勝手の向上を両立することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つであるガス器具ユニットは、
前面側にグリル扉が設けられたグリル庫を有するビルトインコンロと、前面側に開閉扉が設けられたビルトインオーブンと、を備え、前記ビルトインオーブンの上方に前記ビルトインコンロが配置されるガス器具ユニットであって、
前記グリル扉には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第1の取っ手が設けられ、
前記開閉扉には、前記左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第2の取っ手が設けられ、
前記第1の取っ手と前記第2の取っ手の前記左右方向の長さ及び前記左右方向の位置が同一であり、
前記第1の取っ手及び前記第2の取っ手のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の前記水平方向の位置と重なっている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る技術は、ビルトインコンロとビルトインオーブンとを備えたガス器具ユニットにおいて、美観の向上と使い勝手の向上を両立し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るガス器具ユニットの正面図である。
図2図2は、図1のガス器具ユニットの側面図である。
図3図3は、図1のガス器具ユニットの平面図である。
図4図4は、図1のガス器具ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される特徴は、矛盾しない組み合わせでどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕前面側にグリル扉が設けられたグリル庫を有するビルトインコンロと、前面側に開閉扉が設けられたビルトインオーブンと、を備え、前記ビルトインオーブンの上方に前記ビルトインコンロが配置されるガス器具ユニットであって、
前記グリル扉には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第1の取っ手が設けられ、
前記開閉扉には、前記左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第2の取っ手が設けられ、
前記第1の取っ手と前記第2の取っ手の前記左右方向の長さ及び前記左右方向の位置が同一であり、
前記第1の取っ手及び前記第2の取っ手のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の前記水平方向の位置と重なっている
ガス器具ユニット。
【0011】
上記〔1〕のガス器具ユニットは、ビルトインコンロのグリル扉に設けられた第1の取っ手とビルトインオーブンに設けられた第2の取っ手の左右方向の長さ及び位置が同一であるため、両取っ手のレイアウトによって統一感が生まれ、美観を向上し得る。しかも、このガス器具ユニットは、2つの取っ手が左右方向の同じ範囲に位置しているため、2つの取っ手を順番に操作する場合に左右に大きく手を移動させずに済み、使い勝手が良い。更に、第1の取っ手及び第2の取っ手のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の水平方向の位置と重なっている。つまり、水平方向において他方の取っ手が突出する範囲内で一方の取っ手が突出するため、一方の取っ手の突出が、他方の取っ手の突出の邪魔になりにくく、それぞれの取っ手が別々の位置にアンバランスに突出する構成と比較して操作性が高い。ゆえに、このガス器具ユニットは、美観の向上と使い勝手の向上を両立し得る。
【0012】
〔2〕前記グリル扉は、前面ガラスを備えた窓部を有し、
前記開閉扉は、ガラス窓を有し、
前記前面ガラスと前記ガラス窓の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一である
〔1〕に記載のガス器具ユニット。
【0013】
上記〔2〕のガス器具ユニットは、前面ガラスとガラス窓の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一であるため、両ガラス部分において位置的な統一感が生じる。しかも、前面ガラスとガラス窓の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一であれば、一方の窓と他方の窓を順番に視認する場合に大きく体を動かす必要がないため、使い勝手が良い。
【0014】
〔3〕前記第1の取っ手、前記第2の取っ手、前記前面ガラス、及び前記ガラス窓の前記左右方向の幅及び前記左右方向の位置が互いに同一である
〔2〕に記載のガス器具ユニット。
【0015】
上記〔3〕のガス器具ユニットは、第1の取っ手、第2の取っ手、前面ガラス、及びガラス窓の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一であるため、全体的な統一感が一層強調される。しかも、いずれの取っ手を操作する場合も、いずれの窓を視認する場合も、左右に大きく体を動かす必要が無く、上下の対応だけで足りるため、使い勝手が極めて良い。
【0016】
<第1実施形態>
図1に示されるガス器具ユニット1はシステムキッチンに組み込まれるガス器具である。ガス器具ユニット1は、前面側にグリル扉52が設けられたグリル庫50を有するビルトインコンロ4と、前面側に開閉扉20が設けられたビルトインオーブン3と、を備える。そして、ビルトインオーブン3の上方にビルトインコンロ4が配置される。ビルトインオーブン3は、ガスオーブンである。ビルトインコンロ4はガスコンロである。
【0017】
図1には、システムキッチンを構成するキッチンカウンタ100にガス器具ユニット1が組み込まれる例が示される。キッチンカウンタ100は、前面部101(図2)と載置部102とを有し、ガス器具ユニット1を載置する載置台として構成される。載置部102は、開口部が形成された板部材である。載置部102の開口部は上下に貫通した貫通孔として構成される。載置部102に形成された開口部に筐体42が通される構成でビルトインコンロ4が設置され、ビルトインコンロ4の天板44の周縁部は載置部102の上面に支持される構成で載置される。図1図2のように、キッチンカウンタ100の前面部101には、開口部104が設けられており、ビルトインコンロ4やビルトインオーブン3が開口部104を介して前側に露出している。
【0018】
ビルトインオーブン3は内部に燃焼室を備えるオーブン本体部10と、オーブン本体部10に対して開閉可能に取り付けられる開閉扉20とを備える。ビルトインオーブン3は、ガス器具ユニット1の下端部から上下方向中央位置よりもやや上の位置まで及んでおり、オーブン本体部10はガス器具ユニット1の上下方向中間部付近に設けられる。ビルトインオーブン3の前面はキッチンカウンタ100から露出しており、例えば、開閉扉20などがキッチンカウンタ100から露出している。
【0019】
オーブン本体部10の前側の端部にはオーブン本体部10内に設けられた燃焼室に通じる開口部が設けられており、この開口部を開閉するように開閉扉20が設けられている。ビルトインオーブン3では、開閉扉20が開放位置にあるときにオーブン本体部10の前側端部に形成された開口部が前側に露出し、この開口部を介して燃焼対象物が燃焼室に出し入れされる。オーブン本体部10の燃焼室内には、ガスバーナの一種であるオーブン用バーナ、火花放電によりオーブン用バーナに着火する点火プラグ、オーブン用バーナにガスを供給するガス供給路、ファン、などが設けられている。
【0020】
開閉扉20は、ある程度の厚さを有する板状に構成されており、正面視矩形状の形態をなしている。開閉扉20にはガラス窓30が設けられている。開閉扉20において、ガラス窓30の領域は、当該ガラス窓30を介して燃焼室の内部を視認し得る領域である。ガラス窓30の領域は透明領域又は光透過領域として構成され、光を透過し得る領域である。開閉扉20において、ガラス窓30の周囲の領域は、光を遮断する領域である。
【0021】
開閉扉20の上端部寄りの位置には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第2の取っ手24が設けられている。第2の取っ手24は、開閉扉20におけるガラス窓30の周囲の領域から前側に突出した形態をなしている。
【0022】
開閉扉20は、例えば、当該開閉扉20の上下方向中央位置よりも下端側(具体的には下端部付近)に定められた回動軸を中心として回動可能とされており、自身の上端側が前側に傾倒するように前側に倒れた開放状態と、上下方向に沿って立ち上がるように起立した起立状態(オーブン本体部10を閉塞する閉塞状態)とに変位する。例えば、開閉扉20が図1図2のような起立状態にあるときに使用者が第2の取っ手24を引きつつ開閉扉20を前側に倒すように回動させることにより開閉扉20が傾倒して開放状態に変位する。開放状態では、オーブン本体部10の開口部が露出する。一方、開閉扉20が開放状態にあるときに使用者が第2の取っ手24を持ちつつ開閉扉20を起立させるように回動させることにより開閉扉20が起立状態(閉塞状態)に変位する。
【0023】
ビルトインコンロ4は、筐体42と天板44を備える。筐体42は上端部が開口し、開口部分に天板44が設置される。図1図2の例では、天板44の周縁部が載置部102に載置される。天板44において、右手前には右コンロ71、左手前には左コンロ72、中央奥側には奥コンロ73が設けられる。
【0024】
図3のように、天板44において後端側には、筐体42内に設置されたグリル庫50の排気口78が設けられる。ビルトインコンロ4の前面の略中央には、グリル扉52が設けられる。グリル扉52の右側の領域には、2つの操作つまみ81、82が横方向に並んで設けられる。グリル扉52の左側の領域には、操作つまみ81、82と同じ高さ位置に、同一形状の2つの操作つまみ83、84が横方向に並んで設けられる。操作つまみ81~84の夫々は、右コンロ71、グリル庫内のグリルバーナ(図示略)、奥コンロ73、左コンロ72の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。
【0025】
グリル扉52の右側の領域において2つの操作つまみ81、82の周囲にはビルトインコンロ4の前面部の一部をなすパネル88が設けられる。グリル扉52の左側の領域において2つの操作つまみ83、84の周囲にはビルトインコンロ4の前面部の一部をなすパネル89が設けられる。右側の操作つまみ81,82の下方(パネル88の下方)にはパネル86が設けられる。左側の操作つまみ83,14の下方(パネル89の下方)にはパネル87が設けられる。パネル86を指で押し込むと、周知のプッシュオン・プッシュオフ機構(図示略)によって、パネル86の背面に固定された第1操作部(図示略)が下部を基点に前方に回動して引き出される。パネル87を指で押し込むと、上記同機構によって、パネル87の背面に固定された第2操作部(図示略)が下部を基点に前方に回動して引き出される。これらパネル86,87を筐体42側に再度押し込むことによって、第1,第2操作部が筐体42内に収納される。
【0026】
グリル扉52は、前後方向に厚みを有する板状で且つ正面視横長の略長方形状に形成される。グリル扉52の下側には樹脂製の基部68が設けられる。その上側にはガラス板として構成される前面ガラス56が設けられる。グリル扉52の前面部は、矩形状の基部68と矩形状の前面ガラス56とが上下に並んだ構成となっている。そして、基部68と前面ガラス56を後方から支えるようにして、金属製の裏板部材(図示省略)が固定され、基部68、前面ガラス56、裏板部材が一体的に構成された板状のグリル扉52が構成される。
【0027】
図1図2のように、グリル扉52において上下方向中央位置よりも下側には、左右方向に沿って延びるとともに前方に張り出す第1の取っ手54が設けられている。第1の取っ手54は、板状に形成された基部68と一体的に構成され、基部68の前面から前側に突出した形態をなしている。図1図2の例では、第1の取っ手54は、斜め上向きに突出する。グリル扉52の左右幅の大きさは、開閉扉20の左右幅よりも小さい。グリル扉52の左端は、開閉扉20の左端よりも右側に位置し、グリル扉52の右端は、開閉扉20の右端よりも左側に位置する。グリル扉52の上下幅は、開閉扉20の上下幅よりも小さい。
【0028】
グリル扉52は、前面ガラス56を備えた窓部60を有する。具体的には、前面ガラス56が設けられた領域の一部が窓部60を構成し、この窓部60は、前側からグリル庫50内を視認することを可能とする透明領域又は光透過性領域として構成される。前面ガラス56が設けられた領域において、窓部60の周囲には、環状の視認抑制部62が設けられている。視認抑制部62は、前側からグリル庫50内の視認を困難又は不能とする領域である。具体的には、前面ガラス56の裏面において例えばシルクスクリーン印刷などによって着色領域が環状に設けられている。図1等の例では、窓部60は、前面ガラス56のうちのシルクスクリーン印刷が施されていない部分である。なお、窓部60は少なくとも光を透過できればよく、例えば内部を視認可能な程度にシルクスクリーン印刷が薄く施されてもよい。図1の例では、視認抑制部62には、例えば黒色の着色が所定形状(例えばメッシュ状)で施されており、前面ガラス56を透過して内部を見ることができない領域とされている。
【0029】
このように構成されたグリル扉52は、図示が省略された受皿と一体的に設けられている。上記受皿は、グリル扉52から後方側に延びる構成をなし、グリル扉52が閉塞位置に配置された状態で、上記受皿がグリル庫内に収容された状態となる。グリル扉52と受皿とが一体的に構成されたユニットは、グリル庫50内に設けられるレールユニット(図示略)によって前後方向に移動可能とされている。従って、グリル扉52も前後方向に移動可能(スライド可能)とされている。そして、このユニットが退避位置にあるときにはグリル扉52がグリル庫50の前側の開口部を閉塞し、このユニットが退避位置よりも前側に移動することに伴い、グリル扉52が上記開口部を開放する位置に移動する。グリル扉52の前面の上下方向略中間部には、第1の取っ手54が設けられる。使用者は、第1の取っ手54を把持しながらグリル扉52を手前側に引き出すと、上記レールユニットによる伸長動作により、グリル扉52と共に焼き網と受皿(図示略)をグリル庫50内から同時に取り出すことができ、このときには上記開口部が開放する。一方、第1の取っ手54を把持しながらグリル扉52を閉塞位置(開口部を閉じる位置)に戻すと、開口部を閉じながら焼き網及び受皿をグリル庫50内に戻すことができる。
【0030】
図1のように、ガス器具ユニット1において、第1の取っ手54と第2の取っ手24の左右方向の長さ及び左右方向の位置が同一である。更に、前面ガラス56とガラス窓30の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一である。より具体的には、第1の取っ手54、第2の取っ手24、前面ガラス、及びガラス窓30の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一である。図1の例では、第1の取っ手54及び前面ガラス56の左右方向の領域が符号W1で示される。図1の例では、第1の取っ手54及び前面ガラス56がグリル扉52の左右方向全領域にわたっているため、グリル扉52の左右方向の領域も符号W1で示される。また、第2の取っ手24及びガラス窓30の左右方向の領域が符号W2で示される。
【0031】
そして、図3のように、第1の取っ手54及び第2の取っ手24のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の水平方向の位置と重なっている。具体的には、第1の取っ手54の全領域において水平方向の位置が第2の取っ手24の水平方向の位置と重なっている。図3の例では、上下方向に直交する仮想平面に対して第1の取っ手54及び第2の取っ手24を投影した場合に、第1の取っ手54を上記仮想平面に投影した投影図形の外縁は、第2の取っ手24を上記仮想平面に投影した投影図形の外縁の内側(外縁上の位置を含む内側)に位置する。具体的には、左右方向において第1の取っ手54の左端位置が第2の取っ手24の左端位置と略一致しており、第1の取っ手54の右端位置が第2の取っ手24の右端位置と略一致している。そして、前後方向において、第1の取っ手54の前端全体が第2の取っ手24の前端よりも後方に位置している。第1の取っ手54は、グリル扉52の上下方向中央位置よりも下側に配置され、第2の取っ手24は、開閉扉20の上下方向中央位置よりも上側に配置され、第1の取っ手54と第2の取っ手24とが上下方向において互いに寄った構成となっている。
【0032】
3.効果の例
ガス器具ユニット1は、ビルトインコンロ4のグリル扉52に設けられた第1の取っ手54とビルトインオーブン3に設けられた第2の取っ手24の左右方向の長さ及び位置が同一であるため、両取っ手のレイアウトによって統一感が生まれ、美観を向上し得る。しかも、このガス器具ユニット1は、2つの取っ手が左右方向の同じ範囲に位置しているため、2つの取っ手を順番に操作する場合に左右に大きく手を移動させずに済み、使い勝手が良い。更に、第1の取っ手54及び第2の取っ手24のうちの一方の全領域において水平方向の位置が他方の水平方向の位置と重なっている。つまり、水平方向において他方の取っ手が突出する範囲内で一方の取っ手が突出するため、一方の取っ手の突出が、他方の取っ手の突出の邪魔になりにくく、それぞれの取っ手が別々の位置にアンバランスに突出する構成と比較して操作性が高い。ゆえに、このガス器具ユニット1は、美観の向上と使い勝手の向上を両立し得る。
【0033】
ガス器具ユニット1は、前面ガラス56とガラス窓30の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一であるため、両ガラス部分において位置的な統一感が生じる。しかも、前面ガラス56とガラス窓30の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一であれば、一方の窓と他方の窓を順番に視認する場合に大きく体を動かす必要がないため、使い勝手が良い。
【0034】
ガス器具ユニット1は、第1の取っ手54、第2の取っ手24、前面ガラス56、及びガラス窓30の左右方向の幅及び左右方向の位置が互いに同一である。具体的には、第1の取っ手54、第2の取っ手24、前面ガラス56、及びガラス窓30の左側端部の左右方向の位置が左右方向において同一であり、第1の取っ手54、第2の取っ手24、前面ガラス56、及びガラス窓30の右側端部の左右方向の位置が左右方向において同一であるため、全体的な統一感が一層強調される。しかも、いずれの取っ手を操作する場合も、いずれの窓を視認する場合も、左右に大きく体を動かす必要が無く、上下の対応だけで足りるため、使い勝手が極めて良い。
【0035】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。さらに、上述された実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0036】
上述の実施形態では、第1の取っ手の全領域において水平方向の位置が及び第2の取っ手の水平方向の位置と重なっているが、第2の取っ手の全領域において水平方向の位置が及び第1の取っ手の水平方向の位置と重なっていてもよい。
【0037】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0038】
1 :ガス器具ユニット
3 :ビルトインオーブン
4 :ビルトインコンロ
20:開閉扉
24:取っ手(第2の取っ手)
30:ガラス窓
50:グリル庫
52:グリル扉
54:取っ手(第1の取っ手)
56:前面ガラス
60:窓部
図1
図2
図3
図4