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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048509
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】自重利用固定材を備えた包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20240402BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65D5/50 B
B65D5/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154456
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】坪田 晶博
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA04
3E060BA08
3E060BC02
3E060CC03
3E060CC18
3E060CC19
3E060CC43
3E060DA11
3E060DA23
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】商品である物品を簡単な作業で衝撃から保護されるように梱包でき、材料を無駄なく使用して製造できる包装箱を提供する。
【解決手段】底壁1から側壁2,3,4,5が起立し、側壁4から延出された固定用フラップ6を折り曲げて形成した固定材Fにより商品Gを保持する包装箱において、固定用フラップ6は、先枠部11と基枠部12間の両側部分が側枠部13とされ、側枠部13に挟まれた部分には、先枠部11に当枠部14及び底敷部15が順次連なり、当枠部14及び底敷部15の両側と底敷部15の先端は、固定用フラップ6の他の部分から切り離されるものとする。固定用フラップ6を側壁4から内側へ折り曲げ、底敷部15に商品Gを載置して落とし込むと、商品Gの自重により当枠部14が下方へ折れ曲がると共に、底敷部15が下降して底壁1に重なり、商品Gが所定の位置に保持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁(1)から周壁をなす側壁(2,3,4,5)が起立し、前記周壁の上端から稜部山折線(10)を介して固定用フラップ(6)が延出され、前記固定用フラップ(6)を折り曲げて形成した固定材(F)により物品を保持する包装箱において、
前記固定用フラップ(6)は、先端寄り及び基部寄りの部分がそれぞれ先枠部(11)及び基枠部(12)とされ、前記先枠部(11)と前記基枠部(12)間の両側部分が側枠部(13)とされ、
前記固定用フラップ(6)の側枠部(13)に挟まれた部分には、前記先枠部(11)に山折線(a)を介して当枠部(14)及び底敷部(15)が順次連なり、前記当枠部(14)と前記底敷部(15)の境界に谷折線(b)が入れられ、前記当枠部(14)及び前記底敷部(15)の両側と前記底敷部(15)の先端は、前記固定用フラップ(6)の他の部分から切り離されるものとされ、
前記固定用フラップ(6)を内側へ折り曲げ、前記底敷部(15)に物品を載置して落とし込むと、物品の自重により前記当枠部(14)が下方へ折れ曲がると共に、前記底敷部(15)が下降して前記底壁(1)に重なり、前記固定用フラップ(6)が固定材(F)となって、物品が所定の位置に保持されることを特徴とする自重利用固定材を備えた包装箱。
【請求項2】
前記固定用フラップ(6)の側枠部(13)に挟まれた部分には、前記基枠部(12)に山折線(c)を介して当爪部(16)が連設され、
物品の落とし込みに伴い、前記当爪部(16)が前記当枠部(14)と共に下方へ折れ曲がり、前記当枠部(14)及び前記当爪部(16)に物品が当接することを特徴とする請求項1に記載の自重利用固定材を備えた包装箱。
【請求項3】
前記固定用フラップ(6)の両側の側枠部(13)には、中間部で幅方向に延びる谷折線(f)が入れられ、前記側枠部(13)が前記谷折線(f)を軸として谷折りされることを特徴とする請求項1又は2に記載の自重利用固定材を備えた包装箱。
【請求項4】
前記固定用フラップ(6)を内側へ折り曲げたとき、その根元が連なる側壁(4)の反対側の側壁(2)と前記底壁(1)の稜部内面に、前記先枠部(11)の先端が当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の自重利用固定材を備えた包装箱。
【請求項5】
前記固定用フラップ(6)の先枠部(11)の先端には、谷折線(g)を介して仕切となる折立部(17)が連設され、
前記固定用フラップ(6)を内側へ折り曲げ、前記折立部(17)を上方へ折り曲げると、前記側枠部(13)に挟まれた部分のほか、前記固定用フラップ(6)の根元が連なる側壁(3)の反対側の側壁(5)と前記折立部(17)との間にも物品が収容可能となることを特徴とする請求項1又は2に記載の自重利用固定材を備えた包装箱。
【請求項6】
前記当枠部(14)が複数に分割されて、隣り合う前記当枠部(14)の間に前記先枠部(11)から山折線(a)を介して仕切片(18)が連設され、これに対応して、前記当爪部(16)もまた複数に分割され、
物品の落とし込みに伴い、前記仕切片(18)を下方へ折り曲げると、対向する前記当枠部(14)と前記当爪部(16)との間に、複数個の物品が収納可能となり、
物品の収納個数が最大の個数より少ない場合には、前記先枠部(11)から突出した前記仕切片(18)と前記基枠部(12)から突出した前記当爪部(16)により、空いた収納空間への物品の移動が阻止されることを特徴とする請求項2に記載の自重利用固定材を備えた包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を緩衝保持する固定材を一体に備えた包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した通信販売が広く普及しており、その商品を安全に輸送できる包装箱が求められている。特に、瓶入りの薬品のように小さくても比較的重い商品の包装箱にあっては、箱の内部における商品の固定性に加え、万一落下した際の緩衝性の高さも重要となる。また、このような商品の発送に伴う梱包は、手作業で行われることから、作業性の良さも重要である。
【0003】
商品の発送に使用する包装箱として、特許文献1及び2には、底壁から各一対の側壁が起立し、側壁の下端及び上端から固定用フラップが延出され、これらの固定用フラップを巻き込むように折り曲げて形成した固定材により物品を保持するものが記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、対向する側壁の上端から延出された固定用フラップに嵌合穴を穿設し、これらの固定用フラップを巻き込むように折り曲げて形成した固定材の嵌合穴に物品を嵌め込んで、物品を保持するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再公表WO2017-109967号
【特許文献2】特開2015-174686号公報
【特許文献3】特開2012-25440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の包装箱では、天面側及び底面側の各一対の固定用フラップを巻き込むように折り曲げて固定材を形成する必要があることから、商品梱包時の作業性がよくないという問題がある。
【0007】
また、特許文献3に記載の包装箱では、底面側の固定用フラップを折り曲げる必要はないが、天面側の一対の固定用フラップを巻き込むように折り曲げる作業は必要とされるほか、箱の製造時に嵌合穴を穿設するため、材料の無駄が生じるという問題もある。
【0008】
そこで、この発明は、商品である物品を簡単な作業で衝撃から保護されるように梱包でき、材料を無駄なく使用して製造できる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明は、底壁から周壁をなす側壁が起立し、前記周壁の上端から稜部山折線を介して固定用フラップが延出され、前記固定用フラップを折り曲げて形成した固定材により物品を保持する包装箱において、
前記固定用フラップは、先端寄り及び基部寄りの部分がそれぞれ先枠部及び基枠部とされ、前記先枠部と前記基枠部間の両側部分が側枠部とされ、
前記固定用フラップの側枠部に挟まれた部分には、前記先枠部に山折線を介して当枠部及び底敷部が順次連なり、前記当枠部と前記底敷部の境界に谷折線が入れられ、前記当枠部及び前記底敷部の両側と前記底敷部の先端は、前記固定用フラップの他の部分から切り離されるものとされ、
前記固定用フラップを内側へ折り曲げ、前記底敷部に物品を載置して落とし込むと、物品の自重により前記当枠部が下方へ折れ曲がると共に、前記底敷部が下降して前記底壁に重なり、前記固定用フラップが固定材となって、物品が所定の位置に保持されるものとしたのである。
【0010】
また、前記固定用フラップの側枠部に挟まれた部分には、前記基枠部に山折線を介して当爪部が連設され、
物品の落とし込みに伴い、前記当爪部が前記当枠部と共に下方へ折れ曲がり、前記当枠部及び前記当爪部に物品が当接するものとしたのである。
【0011】
また、前記固定用フラップの両側の側枠部には、中間部で幅方向に延びる谷折線が入れられ、前記側枠部が前記谷折線を軸として谷折りされるものとしたのである。
【0012】
また、前記固定用フラップを内側へ折り曲げたとき、その根元が連なる側壁の反対側の側壁と前記底壁の稜部内面に、前記先枠部の先端が当接するものとしたのである。
【0013】
或いは、前記固定用フラップの先枠部の先端には、谷折線を介して仕切となる折立部が連設され、
前記固定用フラップを内側へ折り曲げ、前記折立部を上方へ折り曲げると、前記側枠部に挟まれた部分のほか、前記固定用フラップの根元が連なる側壁の反対側の側壁と前記折立部との間にも物品が収容可能となるものとしたのである。
【0014】
また、前記当枠部が複数に分割されて、隣り合う前記当枠部の間に前記先枠部から山折線を介して仕切片が連設され、これに対応して、前記当爪部もまた複数に分割され、
物品の落とし込みに伴い、前記仕切片を下方へ折り曲げると、対向する前記当枠部と前記当爪部との間に、複数個の物品が収納可能となり、
物品の収納個数が最大の個数より少ない場合には、前記先枠部から突出した前記仕切片と前記基枠部から突出した前記当爪部により、空いた収納空間への物品の移動が阻止されるものとしたのである。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る包装箱では、側壁の上端から延出された固定用フラップを内側へ折り曲げ、底敷部に物品を載置して落とし込むだけで、物品の自重により当枠部及び底敷部が折れ曲がり、固定用フラップが固定材となって、物品が所定の位置に保持されるので、簡単な作業で物品を衝撃から保護されるように梱包できる。
【0016】
また、固定用フラップを抜き落とすことなく、両側の側枠部に挟まれた部分に当枠部及び底敷部を形成しており、固定用フラップを短いものとすることもできるので、材料を無駄なく使用して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の第1実施形態に係る自重利用固定材を備えた包装箱の物品を収納した開蓋状態を示す斜視図
図2】同上の閉蓋状態を示す縦断側面図
図3】同上のブランクを示す図(表面図)
図4】同上の変形例を示す縦断側面図
図5】この発明の第2実施形態に係る自重利用固定材を備えた包装箱の物品を収納した開蓋状態を示す斜視図
図6】同上の閉蓋状態を示す縦断側面図
図7】同上のブランクを示す図(表面図)
図8】この発明の第3実施形態に係る自重利用固定材を備えた包装箱の3個の物品を収納した開蓋状態を示す斜視図
図9】同上の1個の物品を収納した開蓋状態を示す斜視図
図10】同上のブランクを示す図(表面図)
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
(概要)
図1乃至図3に示す第1実施形態の包装箱は、段ボール製であり、底壁1から周壁をなす側壁2,3,4,5が起立し、前面となる側壁4の上端に稜部山折線10を介して固定用フラップ6が連設され、固定用フラップ6を折り曲げて形成した固定材Fにより、瓶入りの薬品を箱で包装した商品Gを保持するものである。
【0019】
(ブランク)
図3に示すブランクにおいて、段ボールの中しんの段頂が延びる段目方向は、縦方向へ向けられており、この方向の強度が強くなっている。また、山折線は、段ボールを裏面からの押罫等として、表面が凸となる山折りができるようにしたものであり、谷折線は、段ボールを表面からの押罫や裏面からの押罫と切目とが交互に断続するリード罫等として、段ボールを表面が凹となる谷折りができるようにしたものである。
【0020】
このブランクでは、側壁2,3,4,5が横方向に山折線を介して順次連設され、側壁2の端部には、継代片2aが山折線を介して連設されている。
【0021】
側壁2,4の下端には、それぞれ山折線を介して底板1aが連設され、側壁3,5の下端には、それぞれ山折線を介して底板1bが連設されている。底板1a,1bは、いわゆるワンタッチ底を形成するものであり、底板1aの片側部分には、斜め方向の谷折線1cを軸とする三角状の貼付部1dが設けられている。
【0022】
対向する側面となる側壁3,5の上端には、蓋受用フラップ7が山折線を介して連設され、後面となる側壁2の上端には、蓋板8が山折線を介して連設されている。蓋板8の先端中央部には、封緘用の差込片8aが山折線を介して連設され、側壁4と固定用フラップ6の境界部分には、封緘用の差込穴9が穿設されている。
【0023】
固定用フラップ6は、先端寄りの先枠部11と基部寄りの基枠部12との間の両側部分が側枠部13とされ、先枠部11と側枠部13の境界には山折線aが入れられている。固定用フラップ6の側枠部13に挟まれた部分には、先枠部11に山折線aを介して当枠部14及び底敷部15が順次連設され、当枠部14と底敷部15の境界に谷折線bが入れられている。また、基枠部12には、山折線cを介して当爪部16が連設されている。
【0024】
当枠部14及び底敷部15と両側の側枠部13との間には、切目線dが入れられ、底敷部15と当爪部16の間には、切目線eが入れられている。なお、切目線d,eには、商品の包装前の状態で、底敷部15と当爪部16とが側枠部13から分離して捲くれないように、繋部が設けられている。
【0025】
また、両側の側枠部13には、先枠部11と基枠部12の中間部に、外側縁から切目線dにかけて幅方向に延びる谷折線fが入れられている。
【0026】
(ブランクからの製造工程)
上記ブランクから包装箱を製造する際には、側壁2,3の境界の山折線と、側壁4,5の境界の山折線に沿って折り重ね、継代片2aを側壁5の端部の内面に貼り付け、底板1aの貼付部1dを谷折線1cに沿って折り返し、底板1bに貼り付けることにより、偏平な折畳状態としておく。このような折畳状態としておくと、商品の梱包作業までの輸送や保管に際し、嵩張ることがない。
【0027】
(商品の梱包過程)
そして、図1及び図2に示すように、商品Gを梱包する際には、底壁1が平面となり、側壁2,3,4,5を四角筒状となるように立体化し、固定用フラップ6を側壁4から稜部山折線10を軸として内側へ折り曲げ、箱の内部へ押し込む。このとき、先枠部11を山折線aを軸として山折りし、両側の側枠部13を谷折線fを軸として谷折りする。
【0028】
これにより、切目線d,eの繋部が破断し、側枠部13は、山折線cから谷折線fまでの部分が斜め下方へ向かい、谷折線fから山折線aまでの部分が斜め上方へ向かう。先枠部11は、山折線aから先端へかけて斜め下方へ向かい、先枠部11の先端が側壁2と底壁1の稜部内面に当接する。
【0029】
この状態で、底敷部15に商品Gを載置して落とし込むと、商品Gの自重により当枠部14及び当爪部16が下方へ折れ曲がると共に、底敷部15が下降して底壁1に重なり、商品Gが両側の側枠部13の間で当枠部14及び当爪部16に当接し、固定用フラップ6が商品Gを所定の位置に保持する固定材Fとして機能する。
【0030】
その後、一対の蓋受用フラップ7を側壁3,5から内側へ折り曲げ、蓋板8を側壁2から蓋受用フラップ7に重ねるように折り曲げて、差込片8aを差込穴9に差し込むと、商品Gの梱包が完了する。
【0031】
(効果)
このような包装箱では、側壁4の上端から延出された固定用フラップ6を内側へ折り曲げ、底敷部15に商品Gを載置して落とし込むだけで、商品Gの自重により当枠部14及び当爪部16が下方へ折れ曲がり、底敷部15が下降して底壁1に重なり、固定用フラップ6が固定材Fとなって、商品Gが所定の位置に保持されるので、簡単な作業で商品Gを衝撃から保護されるように梱包できる。
【0032】
また、梱包状態において、商品Gが当枠部14だけでなく、当爪部16に広い面積で接触するので、商品Gの固定性及び緩衝性が向上する。
【0033】
また、両側の側枠部13が谷折線fを軸として谷折りされているので、商品Gが側枠部13の長い内側縁で側方への移動が抑制され、開梱後には、側枠部13に煩わされることなく、商品Gの両側面を把持して、商品Gを取り出すことができる。
【0034】
さらに、固定用フラップ6は、側壁2と底壁1の稜部内面に先枠部11の先端が当接しているので、固定材Fの形状が安定し、商品Gを確実に保持できる。
【0035】
また、固定用フラップ6を抜き落とすことなく、両側の側枠部13に挟まれた部分に、当枠部14及び底敷部15、並びに当爪部16を形成しているので、材料を無駄なく使用して製造することができる。
【0036】
(変形例)
ところで、上記実施形態では、側枠部13を谷折線fを軸として谷折りするものとしているが、図4に示すように、谷折線fを省略し、側枠部13が谷折りされずに、基枠部12から先枠部11までの全長にわたって斜め下方へ向かうようにすると、固定用フラップ6が根元から先端まで突っ張った状態となって、商品Gの固定性及び緩衝性がさらに向上し、また、固定用フラップ6を短くすることができる。
【0037】
<第2実施形態>
図5乃至図7に示す第2実施形態の包装箱については、主として上記第1実施形態との相違点を中心とする説明に留める。
【0038】
この包装箱では、図7のブランクに示すように、固定材Fとなる固定用フラップ6が一方の側面となる側壁3の上端に稜部山折線10を介して連設され、固定用フラップ6の先枠部11の先端には、谷折線gを介して折立部17が連設されている。また、側壁4の上端には、蓋受用フラップ7が山折線を介して連設され、側壁4と蓋受用フラップ7の境界部分に封緘用の差込穴9が穿設されている。
【0039】
そして、商品Gを梱包する際、図5及び図6に示すように、固定用フラップ6を内側へ折り曲げ、折立部17を上方へ折り曲げると、固定用フラップ6の側枠部13に挟まれた部分のほか、側壁3の反対側の側壁5と折立部17との間にも商品Gを収容することが可能となり、2個の商品Gを衝撃から保護されるように梱包できる。
【0040】
<第3実施形態>
図8乃至図10に示す第3実施形態の包装箱についても、主として上記第1実施形態との相違点を中心とする説明に留める。
【0041】
この包装箱では、図10のブランクに示すように、側壁2,4の横方向の寸法が第1実施形態のものよりも大きくなっており、固定用フラップ6の当枠部14が3分割されて、両側の当枠部14の幅は中央の当枠部14の半分程度の幅とされ、隣り合う当枠部14の間に先枠部11から山折線aを介して仕切片18が連設されている。これに対応して、当爪部16も3分割され、それぞれ当爪部16の幅は均等とされている。
【0042】
そして、商品Gを梱包する際、図8に示すように、商品Gの落とし込みに伴い、当爪部16と共に仕切片18を下方へ折り曲げると、それぞれ対向する当枠部14と当爪部16との間に、最大3個の商品Gが収納可能となる。
【0043】
また、図9に示すように、商品Gの収納個数が最大の個数より少ない場合には、先枠部11から突出した仕切片18と、基枠部12から突出した当爪部16により、空いた収納空間への商品Gの移動が阻止される。図9では、中央の収納空間に商品Gを1個のみ収容する場合を示している。
【0044】
<その他>
上記各実施形態では、差し込み式の蓋板8を備えたいわゆるB式ワンタッチ底の段ボール箱について例示したが、固定用フラップ6から形成される固定材Fの構成は、いわゆるA式の溝切り形段ボール箱等、他の形式の段ボール箱にも適用できる。また、材料が板紙等、他のシート材から成る包装箱に適用することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1 底壁
1a,1b 底板
1c 谷折線
1d 貼付部
2,3,4,5 側壁
2a 継代片
6 固定用フラップ
7 蓋受用フラップ
8 蓋板
8a 差込片
9 差込穴
10 稜部山折線
11 先枠部
12 基枠部
13 側枠部
14 当枠部
15 底敷部
16 当爪部
17 折立部
18 仕切片
a,c 山折線
b,f,g 谷折線
d,e 切目線
F 固定材
G 商品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10