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特開2024-48513人材育成支援システム、人材育成支援方法、人材育成支援装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048513
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】人材育成支援システム、人材育成支援方法、人材育成支援装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240402BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154465
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】宮下 佳子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 厚史
(72)【発明者】
【氏名】横溝 麻美
(72)【発明者】
【氏名】小山 誠司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】本発明は、育成対象となる人材の個性に応じた人材育成支援が行われるようにする。
【解決手段】記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部と、被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部と、現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部とを備えて人材育成支援システムを構成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部と、
被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部と、
現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部と
を備える人材育成支援システム。
【請求項2】
前記育成支援処理部は、
前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に応じて、被育成者の育成状況に関する1以上の育成状況情報が配置される育成状況画面において配置する育成状況情報の内訳を変更する
請求項1に記載の人材育成支援システム。
【請求項3】
前記育成支援処理部は、
前記育成状況画面において、被育成者に対応して設定された目標に対して理想とする目標達成までのスケジュールを、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に応じて変更するようにして提示する
請求項2に記載の人材育成支援システム。
【請求項4】
前記育成支援処理部は、
対応関係にある現場担当指導者と被育成者とがそれぞれ現場担当指導者端末と被育成者端末との通信を介してメッセージの相互送受信によるコミュニケーションを図ることが可能なコミュニケーション機能を提供し、
前記コミュニケーション機能を提供するもとで、前記志向性判定部により判定された対応の被育成者の志向性に基づく内容の定型の返答候補を、前記現場担当指導者端末にて提示させる
請求項1から3のいずれか一項に記載の人材育成支援システム。
【請求項5】
前記育成支援処理部は、
前記定型の返答候補の提示を、1の現場担当指導者の現場担当指導者端末と1の被育成者の被育成者端末との間で行われるコミュニケーション機能を提供するもとで行う
請求項4に記載の人材育成支援システム。
【請求項6】
記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理ステップと、
被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定ステップと、
現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定ステップにより判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理ステップと
を含む人材育成支援方法。
【請求項7】
記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部と、
被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部と、
現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部と
を備える人材育成支援装置。
【請求項8】
コンピュータを、
記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部、
被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部、
現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材育成支援システム、人材育成支援方法、人材育成支援装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人材育成のための研修が終了した後のフォローアップのため、研修支援装置が、質問を受講者の受講者端末装置に送信し、受講者端末装置から送信されてきた回答を受信し、質問に対する回答を他の受講者端末装置と共有し、当該回答に対する反応を受信し、受講者の利用状況に基づいて、オンライン研修の活性度を解析するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-32299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人材育成にあたっては、育成対象となる人材の個性に応じた支援が行われるようにすることが好ましい。
【0005】
本発明は、育成対象となる人材の個性に応じた人材育成支援が行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部と、被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部と、現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部とを備える人材育成支援システムである。
【0007】
本発明の一態様は、記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理ステップと、被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定ステップと、現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定ステップにより判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理ステップとを含む人材育成支援方法である。
【0008】
本発明の一態様は、記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部と、被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部と、現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部とを備える人材育成支援装置である。
【0009】
本発明の一態様は、コンピュータを、記憶部に記憶され、人材育成が行われる一定範囲の業務現場環境における所定のユーザのそれぞれを、現場担当指導者と、前記現場担当指導者から指導を受ける被育成者として設定し、前記現場担当指導者と前記被育成者との対応関係を示すユーザ情報を管理するユーザ情報管理部、被育成者が使用する被育成者端末から送信された所定の設問に対する回答に基づいて、対応の被育成者の学習動機の志向性を判定する志向性判定部、現場担当指導者が使用する指導者端末と被育成者が使用する被育成者端末との少なくともいずれか一方にて、前記志向性判定部により判定された被育成者の志向性に基づく情報の提示が行われるようにする育成支援処理部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、育成対象となる人材の個性に応じた人材育成支援が行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るOJTの概要を示す図である。
図2】本実施形態に係る人材育成支援システムの全体的な構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る人材育成支援サーバの機能構成例を示す図である。
図4】学習動機の2要因モデルに基づく志向性を示す図である。
図5】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る返信テンプレートの一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る人材育成支援ウェブサイトへのログインと、メンバの初回ログインに対応して行われる学習動機の志向性判定とに対応する処理手順例を示すシーケンス図である。
図8】本実施形態に係る個人目標の登録、個別チャット、及びメンバによるコーチの評価に応じた処理手順例を示すシーケンス図である。
図9】本実施形態に係る返信テンプレートを用いたメッセージの作成と、メンバによるコーチの評価とに対応する処理手順例を示すシーケンス図である。
図10】本実施形態に係るダッシュボードの一態様例を示す図である。
図11】本実施形態に係る振り返り設問の実施に対応する処理手順例と、個人達成状況ボードの表示に関連して人材育成支援サーバとユーザ端末とが実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態の人材育成支援システムについて説明する。本実施形態の人材育成支援システムは、例えば企業の業務現場環境において実施されるOJTによる人材育成を支援する。
なお、業務現場環境は、テレワークなどで社屋以外の場所で勤務している環境も含まれる。
なお、本実施形態の人材育成支援システムは、例えばOJT実施の前段階で実施される研修などのように、OJT以外の人材育成を行う環境でも適用可能である。しかしながら、社員の成長にあたって効果的な要素は、仕事経験が70%、他社との関わりが20%、研修が10%であるとのロミンガーの法則に則り、以降においては、OJTにおける人材育成を支援する場合を例に挙げて説明を行う。
【0013】
図1は、本実施形態の人材育成支援システムを利用して実施されるOJTの概要を示している。本実施形態の人材育成支援システムにおいて実施されるOJTでは、或る1のOJT対応のプログラムPRが策定される。
策定されたPRは、グループGPごとに実施される。同図においては3つのグループが示されているが、設定されるグループGPの数は特に限定されない。グループGPは、例えば企業における営業所ごと、あるいは1以上の営業所を含む一定範囲の地域ごとに対応して区分されるようなものであってよく、企業が任意に設定可能とされる。
【0014】
1のグループGPにおいては、それぞれ1名以上のHR(Human Resources)、コーチ(現場担当指導者の一例)、メンバ(被育成者の一例)としてのユーザが含まれる。
HRは、例えばグループGPに含まれる企業内組織における人事部の社員等であり、OJTにおける管理監督者あるいは講師等として位置付けられるユーザである。なお、HRは、人事部の社員には特に限定されるものではなく、例えば、業務現場環境にてプログラムPRを企画する企画者等であってもよい。
コーチは、メンバを指導するユーザである。このようなコーチとしてのユーザは、グループGPに含まれる企業内組織から選出された者であってもよいし、企業内組織には所属しない外部人材であってもよい。
メンバは、グループGPに含まれる企業内組織においてコーチから指導を受けるユーザである。
【0015】
グループGPにおいて、コーチには、所定の1以上のメンバが指導対象として割り当てられる。この場合において、1のメンバは、1の特定のコーチが指導を担当するようにされてもよいし、2以上の特定のコーチが指導を担当するようにされてもよい。
【0016】
1のグループGPにおいて、HR、コーチ、及びメンバの各ユーザは、ネットワーク通信機能を有する端末を利用して人材育成に関連する業務を行う。
【0017】
図2は、1のグループGPに対応する人材育成支援システムの全体的な構成例を示している。同図に示されるように、1のグループGPは、それぞれ、当該グループGPに属するHR、コーチ、及びメンバごとに対応するHR端末100-HR、コーチ端末100-CH、メンバ端末100-MBを有する。
HR端末100-HRは、HRとしてのユーザが使用するユーザ端末である。コーチ端末100-CHは、コーチとしてのユーザが使用するユーザ端末である。メンバ端末は、メンバとしてのユーザが使用する端末である。
以降の説明において、HR端末100-HR、コーチ端末100-CH、メンバ端末100-MBについて特に区別しない場合には、ユーザ端末100とも記載する場合がある。
ユーザ端末100は、パーソナルコンピュータであってよい。また、ユーザ端末100としてタブレット端末やスマートフォンが使用可能とされてもよい。
ユーザ端末100は、ネットワーク経由で人材育成支援サーバ200(人材育成支援装置の一例)と接続される。
【0018】
図3は、人材育成支援サーバ200の機能構成例を示している。同図の機能は、例えば人材育成支援サーバ200としてのハードウェアが備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
人材育成支援サーバ200は、通信部201、制御部202、及び記憶部203を備える。
【0019】
通信部201は、ネットワーク経由でユーザ端末100と通信を行う。
【0020】
制御部202は、人材育成支援サーバ200における各種の制御を実行する。制御部202は、ユーザ情報管理部221、志向性判定部222及び育成支援処理部223を備える。
【0021】
ユーザ情報管理部221は、ユーザ情報記憶部231が記憶するユーザ情報を管理する。
【0022】
志向性判定部222は、メンバの学習動機の志向性を判定する。本実施形態において、学習動機の志向性には、学習動機の2要因モデルに基づく志向性が適用される。
図4は、学習動機の2要因モデルに基づく志向性を示している。同図に示されるように、学習動機の2要因モデルは、学習動機を「学習内容の重要性」と「学習の功利性(賞罰の直接性)」との2軸を設定する。
「学習内容の重要性」は、学習内容が学習者にとってどのような意味を有するのか、すなわち、学習することを重視するか軽視するかということである。
「学習の功利性」は、直接的な報酬の期待の程度であり、学習することによって生じる実利的な側面をどの程度意識するかということである。
そのうえで、「学習内容の重要性」の大小(重視/軽視)に応じて2段階を設定し、「学習の功利性」の大小(重視/軽視)に応じて3段階を設定することにより、6(2×3)パターンの学習動機の志向性を定義している。
【0023】
6パターンの学習動機の志向性は、「充実志向」、「訓練志向」、「実用志向」、「関係志向」、「自尊志向」、及び「報酬志向」となる。
「充実志向」は、学習自体に興味があり楽しいと感じていることを動機に学習するという志向である。
「訓練志向」は、知力を鍛えることを動機として学習する志向である。
「実用志向」は、将来の仕事や日常生活に活かそうとすることを動機として学習する志向である。
「関係志向」は、周囲の他者につられ友人や知人の学習に同調あるいは巻き込まれることを動機として学習する志向である。
「自尊志向」は、自尊感情またはプライドや競争心が得られるあるいは維持されることを動機として学習する志向である。
「報酬志向」は、現実的な利害や報酬を得る手段であることを動機として学習する志向である。
【0024】
同図の上段の「充実志向」、「訓練志向」、及び「実用志向」は、学習目的と学習内容の関連性が高い動機付けとされ、「内容関与的動機」と呼ばれる。下段の「関係志向」、「自尊志向」、及び「報酬志向」は、学習目的と学習内容の関連性が低い動機付けとされ、「内容分離的動機」と呼ばれる。
また、「充実志向」は、内的動機付けの典型とされ、「報酬志向」は外的動機付けの典型とされる。これらで「充実志向」と「報酬志向」の2つの志向が対角線上に配置される。
【0025】
説明を図3に戻す。志向性判定部222は、学習動機の志向性を判定するために作成された所定の設問(志向性判定設問)に対するメンバの回答に基づいて、当該メンバの学習動機の志向性を判定する。
【0026】
育成支援処理部223は、本実施形態の人材育成支援に関する各種処理を実行する。育成支援処理部223が所定の育成支援処理を適宜実行することで、ユーザ端末100にて人材育成支援のための各種機能が実現される。
【0027】
記憶部203は、人材育成支援サーバ200が対応する各種の情報を記憶する。記憶部203は、ユーザ情報記憶部231、第1設問記憶部232、第2設問記憶部233、個別チャット履歴情報記憶部234、グループチャット履歴情報記憶部235、及び返信テンプレート記憶部236を備える。
【0028】
ユーザ情報記憶部231は、ユーザごとに対応するユーザ情報を記憶する。
図5は、ユーザ情報記憶部231が1のユーザに対応して記憶するユーザ情報の一例を示している。
同図のユーザ情報は、ユーザID、ユーザ基本情報、所属グループ、ログイン情報、ユーザ区分情報、及びオプション情報の領域を含む。
【0029】
ユーザIDは、プログラムPR(図1)のもとでの対応のユーザを一意に示すユーザIDを格納する。ユーザIDには、例えば社員番号等が使用されてもよい。
【0030】
ユーザ基本情報の領域は、対応のユーザ基本情報を格納する。ユーザ基本情報は、対応のユーザについての基本的な情報として、例えば氏名、所属部署、役職等の情報が含まれてよい。
【0031】
ログイン情報は、対応のユーザがユーザ端末100により人材育成支援サーバ200が提供する人材育成支援ウェブサイトにログインするためのログイン情報を格納する。ログイン情報は、例えばログインID及びパスワード等を含む。
【0032】
ユーザ区分情報の領域は、対応のユーザのユーザ区分として、HR、コーチ、メンバのいずれであるのかを示すユーザ区分情報を格納する。
【0033】
オプション情報の領域は、オプション情報を格納する。オプション情報の領域は、ユーザ区分情報がコーチであることを示す場合にはコーチ対応オプション情報を格納し、ユーザ区分情報がメンバであることを示す場合には、メンバ対応オプション情報を格納する。
【0034】
コーチ対応オプション情報は、コーチとしての対応のユーザに関する情報として、担当メンバリストを含む。
担当メンバリストは、対応のユーザがコーチとして担当するメンバのリストである。担当メンバリストは、対応のユーザがコーチとして担当するメンバごとのユーザIDを示す形式であってよい。
メンバ対応オプション情報は、メンバとしての対応のユーザに関する情報として、志向性情報、個人目標情報、達成状況情報、回答履歴情報、及び評価情報を含む。
志向性情報は、対応のメンバとしてのユーザについて判定された学習動機の志向性を示す情報である。
個人目標情報は、対応のメンバとしてのユーザが登録した個人目標を示す情報である。
達成状況情報は、対応のメンバとしてのユーザのこれまでの達成状況(育成状況の一例)を示す情報である。
回答履歴情報は、対応のメンバとしてのユーザが人材育成支援ウェブサイトにて提示された設問に対して回答した内容の履歴を示す情報である。
【0035】
評価情報は、コーチとしてメンバから評価された結果を示す情報である。本実施形態の人材育成支援システムでは、メンバとコーチとがそれぞれのユーザ端末100を操作して1on1によりメッセージを相互に送受信するチャット(個別チャット)の機能(コミュニケーション機能の一例)が提供される。本実施形態の個別チャットでは、テキストによるメッセージのやりとりを行うことができる。
このような個別チャットの機能が提供されることで、メンバは、他のメンバに知られることなく、コーチとコミュニケーションを図ることが可能となるので、メンバの心理的な安全性が担保される。
そのうえで、本実施形態では、個別チャットでメンバとコーチとがメッセージのやりとりをしているときに、メンバがコーチのコメントを評価する操作を行うことができる。評価の操作としては、例えば5段階の評価レベルのうちからいずれかの段階の評価レベルを選択する操作であってよい。評価情報は、このようにメンバからのフィードバックにより評価された結果を示す。
【0036】
説明を図3に戻す。
第1設問記憶部232は、メンバの学習動機の志向性の判定のために作成された志向性判定設問(第1設問)を記憶する。
第2設問記憶部233は、振り返り設問(第2設問)を記憶する。本実施形態の人材育成支援システムでは、HR(あるいはコーチでもよい)がOJTの実施中においてメンバにこれまでの実践を振り返ってもらうための振り返り設問を作成し、メンバ端末100-MBの人材育成支援ウェブサイトにて提示し、メンバに回答してもらうようにすることが可能とされている。第2設問記憶部233は、このように作成された振り返り設問を記憶する。なお、振り返り設問は、グループGPで共通なものとして作成されてもよいし、グループGP単位で個別に作成されてもよい。また、振り返り設問は、例えば複数が作成されて、定期的に、順次、人材育成支援ウェブサイトにて提示されるようにしてよい。この場合において、振り返り設問が繰り返される回数や、1回の振り返り設問が提示されてから次の振り返り設問が提示されるまでの期間等は、作成者により任意に設定されてよい。
【0037】
個別チャット履歴情報記憶部234は、メンバとコーチとの組み合わせごとに対応する個別チャット履歴情報を記憶する。1の個別チャット履歴情報は、対応のメンバとコーチとの組み合わせでの個別チャットにおいて、メンバとコーチとの間でやりとりされたメッセージの履歴を含む。メッセージの履歴には、例えば「いいね」などのリアクションや、チャットのタイムラインに投稿されたスタンプ等も含まれてよい。
【0038】
グループチャット履歴情報記憶部235は、グループGPごとのグループチャット履歴情報を記憶する。
本実施形態の人材育成支援システムは、グループGP単位のチャット機能であるグループチャットを提供する。1のグループGPに対応するグループチャットにおいては、対応のグループGPに属するHR、コーチ、及びメンバとしてのユーザが参加してテキストメッセージのやりとりによるチャットを行うことができる。グループチャット履歴情報は、このように行われるグループチャットによりユーザ間でやりとりされたメッセージの履歴を含む。グループチャットにおけるメッセージの履歴についても、例えば「いいね」などのリアクションや、チャットのタイムラインに投稿されたスタンプ等が含まれてよい。
【0039】
返信テンプレート記憶部236は、返信テンプレートを記憶する。本実施形態の人材育成支援システムは、個別チャットにおいて、メンバからのメッセージに応答してコーチがメッセージを返信するにあたり、メンバからのメッセージの内容とメンバの学習動機の志向性とに応じて、適切とされる返信用のメッセージのテンプレート(返信テンプレート)候補を提示可能とされている。返信テンプレート記憶部236は、メンバからのメッセージ内容の類型とメンバの学習動機の志向性との組み合わせに応じた返信テンプレートを記憶する。
【0040】
図6は、返信テンプレート記憶部236が記憶する返信テンプレートの一例を示している。返信テンプレート記憶部236は、例えば同図のように、メンバメッセージ類型と学習動機の志向性との組み合わせごとに対応して返信テンプレートを格納するテーブルの構造により返信テンプレートを記憶する。
返信テンプレートのテーブルは、メンバメッセージ類型として、第1類型~第N類型のN個が定められている。
返信テンプレートのテーブルは、第1類型~第N類型のそれぞれに対して6パターンの学習動機の志向性を対応付け、さらに学習動機の志向性ごとに対応させて返信テンプレートとしてのテンプレートリストを格納する。このように、返信テンプレートのテーブルは、メンバメッセージ類型と学習動機の志向性との組み合わせごとに返信テンプレートとしてのテンプレートリストが格納される。
1のテンプレートリストは、対応のメンバメッセージ類型と学習動機の志向性との組み合わせに応じた1以上の返信テンプレートとしてのメッセージを格納する。
【0041】
図7のシーケンス図を参照して、本実施形態の人材育成支援システムにおいてユーザ端末100と人材育成支援サーバ200とが、人材育成支援ウェブサイトへのログインと、メンバ端末100-MBが初回ログインした場合に行われる学習動機の志向性判定とに対応して実行する処理手順例について説明する。なお、同図のステップの一部はユーザが行う操作等のようにユーザが行う行為も含まれる。
【0042】
ステップS100:HR、コーチ、またはメンバとしてのユーザは、自身の人材育成支援ウェブサイトにログインするにあたり、例えば自身のユーザ端末100のウェブブラウザ(人材育成支援アプリケーションでもよい)を、人材育成支援ウェブサイトのログイン画面にアクセスさせる。ユーザは、アクセスしたログイン画面にログインIDとパスワードを入力する操作を行う。ユーザ端末100は、当該ログインIDとパスワードを入力する操作を受け付ける。
【0043】
ステップS102:ユーザ端末100は、ステップS100により入力されたログインIDとパスワードを含むログイン情報を人材育成支援サーバ200に送信する。
【0044】
ステップS104:人材育成支援サーバ200において、育成支援処理部223は、ステップS102により送信されたログイン情報を利用してユーザ認証処理を実行する。
【0045】
ステップS106:育成支援処理部223は、ステップS104によるユーザ認証処理の結果(認証結果)を、ユーザ端末100に送信する。
【0046】
ステップS108:ユーザは、ユーザ端末100に送信された認証結果を確認する。
具体的に、認証成立を示す認証結果が送信された場合には、ユーザ端末100は人材育成支援ウェブサイトにログインする。この場合、ユーザ端末100の表示部には、人材育成支援ウェブサイトが表示される。ユーザは、人材育成支援ウェブサイトが表示されたことにより、ログインが認証されたことを確認できる。
一方、認証不成立を示す認証結果が送信された場合には、ユーザ端末100の表示部には、ログイン失敗を示すエラー報知画面が表示される。ユーザは、エラー報知画面が表示されたことにより、ログインに失敗したことを確認できる。
【0047】
次に、同じ図7を参照して、学習動機の志向性判定に対応してメンバ端末100-MBと人材育成支援サーバ200とが実行する処理手順例について説明する。
ステップS150:メンバ端末100-MBにより初回ログインが行われた場合、人材育成支援サーバ200は、人材育成支援ウェブサイトのウェブページとして、志向性判定設問を提示した設問画面をメンバ端末100-MBにて表示させる。設問画面は、育成支援処理部223が第1設問記憶部232に記憶されている志向性判定設問を用いて生成する。
この場合、メンバは、メンバ端末100-MBに表示された設問画面にて提示される設問に対する回答を入力する操作を行うようにされる。メンバ端末100-MBは、回答を入力する操作を受け付ける。
【0048】
ステップS152:メンバ端末100-MBは、入力された回答を人材育成支援サーバ200に送信する。
【0049】
ステップS154:人材育成支援サーバ200の育成支援処理部223は、メンバ端末100-MBから送信された回答に基づいて、学習動機の志向性を判定する。具体的に、第1設問記憶部232には、志向性判定問題に加えて、志向性判定設問ごとの回答の内容パターンと学習動機の志向性のパターンとの対応表を記憶させておく。育成支援処理部223は、送信された回答の内容パターンと、第1設問記憶部232に記憶されている対応表とを照合することで、学習動機の志向性を判定してよい。
【0050】
あるいは、育成支援処理部223は、機械学習により構築された学習済モデルにより、送信された回答の内容パターンから学習動機の志向性を判定してもよい。この場合の学習済モデルは、多様な回答の内容パターンごとに解答となる学習動機の志向性を対応付けた教師データを入力して学習させることにより構築されてよい。あるいは、育成支援処理部223は、機械学習として、回答の内容パターンに基づいて学習動機の志向性のパターンにクラスタリング(分類)を行うようにしてもよい。あるいは、育成支援処理部223は、強化学習により、回答の内容パターンから学習動機の志向性を判定するようにしてもよい。
【0051】
ステップS156:育成支援処理部223は、ステップS154により判定された学習動機の志向性を、ユーザ情報記憶部231が記憶する対象のメンバのユーザ情報における志向性情報(図5)として格納する。
【0052】
ステップS158:育成支援処理部223は、ステップS154による学習動機の志向性についての判定結果を、メンバ端末100-MBに送信する。
【0053】
ステップS160:メンバ端末100-MBは、送信された学習動機の志向性についての判定結果を表示する。メンバは、メンバ端末100-MBにて表示された判定結果により、自分について判定された学習動機の志向性を確認できる。
【0054】
図8のシーケンス図を参照して、メンバによる個人目標の登録、コーチとメンバとの間で行われる個別チャット、及びメンバによるコーチの評価に応じてメンバ端末100-MB、コーチ端末100-CH、及び人材育成支援サーバ200とが実行する処理手順例について説明する。
【0055】
まず、メンバによる個人目標の登録に対応する処理手順例について説明する。
ステップS200:メンバは、本実施形態のOJTのもとでの指導を受けるにあたり、例えば今後の業務での自己の個人目標を人材育成支援システムに登録することを行う。このため、メンバは、自分のメンバ端末100-MBの表示部にて、人材育成支援ウェブサイトにおけるダッシュボードを表示させる。ダッシュボードは、図示は省略するが、例えば、メンバに関連して提示する1以上の情報をボードとして配置した画面領域である。この場合には、メンバは、個人目標登録の操作が可能なボード(個人目標登録ボード)が配置されたダッシュボードがメンバ端末100-MBにて表示されるように操作を行う。メンバは、個人目標登録ボードに対する操作により個人目標を入力する。
【0056】
ステップS202:メンバ端末100-MBは、ステップS200により入力された個人目標を示す情報を人材育成支援サーバ200に送信する。
【0057】
ステップS204:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、送信された個人目標の情報を、ユーザ情報記憶部231が記憶する対応のメンバのユーザ情報における個人目標情報(図5)として格納する。これにより、対応のメンバの個人目標が人材育成支援サーバ200に登録されたことになる。
【0058】
ステップS206:育成支援処理部223は、対応のメンバのメンバ端末100-MBに、個人目標の登録完了通知を送信する。
【0059】
ステップS208:メンバ端末100-MBは、登録完了通知の受信に応じて、個人目標の登録が完了した旨の表示を行う。このような表示を見ることで、メンバは登録完了を確認することができる。
【0060】
次に、メンバによる個人目標の登録に対応する処理手順例について説明する。
ステップS220:ステップS204による登録が完了したことに応じて、人材育成支援サーバ200の育成支援処理部223は、個人目標登録を行ったメンバに対応するコーチのコーチ端末100-CHに対しても登録完了通知を送信する。当該登録完了通知には個人目標の登録を完了したメンバを示す情報(ユーザIDであってよい)が含まれる。
コーチ端末100-CHは、登録完了通知の受信に応じて、表示部にて表示されるダッシュボードにて配置されるコーチボードにて、個人目標の登録を完了したメンバを報知する情報を表示させる。コーチは、このような個人目標登録完了を報知する表示を見ることで、個人目標の登録を完了したメンバを確認できる。
【0061】
ステップS222:コーチは、上記のように個人目標の登録が完了したメンバのいることを確認すると、当該メンバが登録した個人目標の内容を確認するため、コーチ端末100-CHにて表示されるコーチボードに対して、当該メンバの個人目標を表示させるための操作(個人目標表示操作)を行う。
【0062】
ステップS224:個人目標表示操作が行われたことに応じて、コーチ端末100-CHは、個人目標要求を人材育成支援サーバ200に対して送信する。個人目標要求には、対象のメンバ(今回、個人目標の登録を完了したメンバ)のユーザIDが含まれる。
【0063】
ステップS226:人材育成支援サーバ200の育成支援処理部223は、受信した個人目標要求に含まれるのと同じユーザIDを格納するユーザ情報から個人目標情報を取得する。
【0064】
ステップS228:育成支援処理部223は、ステップS226により生成した個人目標情報をコーチ端末100-CHに送信する。この際、育成支援処理部223は、対象のメンバの氏名、部署等のメンバに関する情報を個人目標情報に含めて送信してよい。
【0065】
ステップS230:コーチ端末100-CHは、送信された個人目標情報をコーチボードにて表示させる。コーチは、表示された個人目標情報が示す個人目標の内容を確認する。
【0066】
次に、コーチとメンバとの間での個別チャットによるメッセージのやりとりに対応する処理手順例について説明する。
ステップS240:コーチは、ステップS230にて個人目標を確認すると、登録された個人目標に関する評価、アドバイス等の指導のため、対象のメンバと個別チャットによりメッセージを伝えることになる。
このため、コーチは、コーチボードにて対象のメンバとの個別チャットが可能な個別チャット画面を表示させる。本実施形態の個別チャットはテキストによるメッセージのやりとりによって行われる。コーチは、個別チャット画面に対して、対象のメンバ宛てのメッセージを作成する操作を行う。
【0067】
ステップS242:コーチは、作成した対象のメンバ宛のメッセージの送信を指示する操作を行う。
【0068】
ステップS244:ステップS242によりメッセージの送信を指示する操作が行われたことに応じて、コーチ端末100-CHは、作成されたメンバ宛のメッセージを人材育成支援サーバ200に送信する。
【0069】
ステップS246:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、送信されたメンバ宛のメッセージを受信する。育成支援処理部223は、受信したメッセージを、個別チャット履歴情報記憶部234が記憶する個別チャット履歴情報のうち、対応コーチとメンバとの組み合わせに対応する個別チャット履歴情報に登録する。
【0070】
ステップS248:育成支援処理部223は、ステップS246にて受信、登録したメッセージが反映されるようにしてコーチ端末100-CHのコーチボードにて表示される個別チャット画面を更新する。
【0071】
ステップS250:コーチ端末100-CHは、ステップS248により更新された個別チャット画面を表示させる。コーチは、更新された個別チャット画面を見ることで、自分が送信を指示したメッセージが正常にメンバ宛てに送信されたことを確認できる。
【0072】
ステップS252:メンバ端末100-MBにて表示されているコーチボードにおいても、コーチ端末100-CHにおける個別チャット画面と同期するようにして、ステップS248により更新された個別チャット画面が表示される。
メンバは、更新された個別チャット画面を見ることで、コーチからの新規のメッセージを確認できる。
【0073】
ステップS254:メンバは、メンバ端末100-MBにて表示されている個別チャット画面にて新規に表示されたメッセージに応答して、コーチにメッセージを返すこととした。そこで、メンバは、個別チャット画面に対してコーチ宛のメッセージを作成する操作を行う。
【0074】
ステップS256:メンバは、作成したメッセージの送信を指示する操作を行う。
【0075】
ステップS258:ステップS256にてメッセージの送信を指示する操作が行われたことに応じて、メンバ端末100-MBは、作成されたコーチ宛のメッセージを人材育成支援サーバ200に送信する。
【0076】
ステップS260:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、送信されたコーチ宛のメッセージを受信する。育成支援処理部223は、受信したメッセージを、個別チャット履歴情報記憶部234が記憶する個別チャット履歴情報のうち、対応コーチとメンバとの組み合わせに対応する個別チャット履歴情報に登録する。
【0077】
ステップS262:育成支援処理部223は、コーチ端末100-CHとメンバ端末100-MBとのそれぞれにて表示されたコーチボードにおける個別チャット画面について、ステップS260にて受信、登録したメッセージが反映されるように更新する。
【0078】
ステップS264:メンバ端末100-MBは、ステップS262により更新された個別チャット画面を表示させる。メンバは、更新された個別チャット画面を見ることで、自分が送信を指示したメッセージが正常にコーチ宛てに送信されたことを確認できる。
また、コーチ端末100-CHにおいても、ステップS262により更新された個別チャット画面が表示されるので、コーチは、更新された個別チャット画面を見て、メンバからのメッセージが新たに着信していることを確認できる。
【0079】
個別チャットにおいては、図8のステップS240~S250に対応するコーチからメンバへのメッセージの送信と、同じ図8のステップS252~S264に対応するメンバからコーチへのメッセージの送信とは、それぞれ、コーチ、メンバの操作に応じて適宜実行されるものとなる。
【0080】
このようにコーチとメンバとで個別チャットによりメッセージのやりとりをしているとき、コーチ端末100-CHにて表示される個別チャット画面においては、メンバから送信されたメッセージに応答してコーチがメッセージを作成する際に、返信テンプレートリストが表示される。
【0081】
表示される返信テンプレートリストは、最後にメンバから送信されたメッセージの内容が該当するメンバメッセージ類型と、メンバの学習動機の志向性に応じて選択されたテンプレートリスト(図6)に基づくものとなる。つまり、個別チャット画面において表示される返信テンプレートリストは、最後にメンバから送信されたメッセージの内容に対するコーチからの返信メッセージとして、メンバの学習動機の志向性に適合して育成に効果的とされる文言、文章の候補のリストを提示する。
コーチは、返信の際、必要に応じて、提示された返信テンプレートリストのうちから、今回の返信メッセージに用いることが適切な返信テンプレートを選択し、選択した返信テンプレートとしての文章の文字列を必要に応じて編集して返信メッセージを作成し、メンバ宛に送信することができる。
【0082】
このように、個別チャット画面においてコーチが返信テンプレートリストを利用して返信メッセージを作成できるようにすることで、コーチは、メンバの学習動機の志向性に応じて適切な内容の返信メッセージを容易に作成することができる。また、このように、提示される返信テンプレートを利用して返信メッセージを作成することで、コーチごとの返信メッセージの内容を一定範囲で均質化することも可能となる。これにより、コーチの相違による育成効果のばらつき、すなわち育成の属人化を抑制し、メンバ全体の育成効果の向上を図ることができる。
【0083】
また、コーチとメンバとで個別チャットによりメッセージのやりとりをしているとき、メンバは、コーチからのメッセージを評価する操作を行うことができる。具体的に、例えば、メンバが、所定段階の評価レベルのうちから、今回のコーチのメッセージに対応する評価レベルを指定する操作を行うことで評価を入力可能とされる。メンバは、このような評価をメッセージ単位で行うことができる。また、メンバは、コーチからのメッセージの全てを評価する必要は無く、評価したいと思ったメッセージを対象として評価の操作を行うようにしてよい。
なお、評価の入力は、例えば文字入力操作によって文章として入力可能なようにされてもよい。以降の説明では、5段階の評価レベルのうちから評価レベルを指定することにより評価を行う場合を例に挙げる。
【0084】
このようにして行われたコーチのメッセージに対する評価の内容は、ユーザ情報記憶部231が記憶するコーチのユーザ情報における評価情報(図5)として蓄積される。このようにして得られた評価情報を、例えばコーチやHRが参照することで、コーチについても、より良い指導が行えるように育成することができる。また、評価情報を参考にコーチを育成することで、コーチの均質化も図ることが可能となる。つまり、評価情報の利用によっても、育成の属人化の抑制を図ることができる。
【0085】
図9のシーケンス図を参照して、個別チャットにおける返信テンプレートを用いたコーチによるメッセージの作成と、メンバによるコーチの評価とに対応して、ユーザ端末100(コーチ端末100-CH、メンバ端末100-MB)と人材育成支援サーバ200とが実行する処理手順例について説明する。
【0086】
まず、返信テンプレートを用いたコーチによるメッセージの作成に対応する処理手順例について説明する。
ステップS300:人材育成支援サーバ200における育成支援処理部223は、例えば図8のステップS256の処理によってメンバ端末100-MBから送信されたコーチ宛のメッセージを受信する。
【0087】
ステップS302:育成支援処理部223は、ステップS300にて受信したメッセージに対応する返信テンプレートを決定する。具体的に、育成支援処理部223は、受信したメッセージについて、第1類型~第N類型のメンバメッセージ類型に該当するのかを判定する。このような判定は、例えばメッセージの内容を第1類型~第N類型のいれかに分類(クラスタリング)するように構築された学習済モデルが用いられてよい。育成支援処理部223は、受信したメッセージの送信者であるメンバの学習動機の志向性を、ユーザ情報記憶部231が記憶する当該メンバのユーザ情報から取得する。
育成支援処理部223は、返信テンプレート記憶部236に記憶されるテンプレートリストのうちから、判定したメンバメッセージ類型と取得した学習動機の志向性との組み合わせに対応付けられているテンプレートリストを取得する。
【0088】
なお、返信テンプレート記憶部236が記憶する返信テンプレートは、より簡易に、6つの学習動機の志向性ごとに、予め用意した複数の定型文によるテンプレートリストを格納するものであってよい。この場合には、1の学習動機の志向性に対応するテンプレートリストには、第1類型~第N類型のそれぞれに対応する1以上の定型文が含まれてよい。
この場合、ステップS302にて、育成支援処理部223は、ステップS300にて受信したメッセージの送信元のメンバの学習動機の志向性に対応付けられたテンプレートリストを返信テンプレート記憶部236から取得してよい。
【0089】
なお、育成支援処理部223は、学習済モデルを利用してテンプレートリストを取得するようにされてよい。この場合の学習済モデルは、学習器について、メッセージ内容と学習動機の志向性との組み合わせの入力に対して適切な1以上の返信メッセージを生成するように学習させることによって構築されてよい。このように育成支援処理部223が学習済モデルを利用してテンプレートリストを取得するように構成される場合、返信テンプレート記憶部236は省略されてよい。
【0090】
ステップS304:育成支援処理部223は、ステップS300にて受信したコーチ宛のメッセージが反映されるようにコーチボードにおける個別チャット画面を更新する。また、育成支援処理部223は、ステップS302にて返信テンプレート記憶部236から取得したテンプレートリストに基づく返信テンプレートリストをコーチ端末100-CHに送信する。
【0091】
ステップS306:コーチ端末100-CHにて表示されるコーチボードにおいては、ステップS304によりコーチ宛のメッセージが表示されるようにして個別チャット画面が更新されるとともに、同じくステップS304により送信された返信テンプレートリストが表示されている。返信テンプレートリストは、例えば個別チャット画面上でポップアップとして配置されてよい。
この場合、コーチは、返信テンプレートリストから適当な返信テンプレートを利用してメンバ宛ての返信メッセージを作成することとした。コーチは、表示されている返信テンプレートリストにおける返信テンプレートのうちから、メッセージの作成に用いる返信テンプレートを選択する操作を行う。なお、コーチは、返信テンプレートを使用せずに、単に自分で文字を入力して返信メッセージを作成してもよい。すなわち、コーチが返信メッセージを作成するにあたり、返信メッセージを利用するか否かは任意であってよい。
【0092】
ステップS308:コーチは、ステップS304により選択した返信テンプレートを元としてメンバ宛のメッセージを作成する操作を行う。
【0093】
ステップS310:コーチは、ステップS308により作成したメンバ宛のメッセージの送信を指示する操作を行う。
【0094】
ステップS312:ステップS310によりメッセージの送信を指示する操作が行われたことに応じて、コーチ端末100-CHは、作成されたメンバ宛のメッセージを人材育成支援サーバ200に送信する。
【0095】
ステップS314:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、送信されたメンバ宛のメッセージを受信する。育成支援処理部223は、受信したメッセージを、個別チャット履歴情報記憶部234が記憶する個別チャット履歴情報のうち、対応コーチとメンバとの組み合わせに対応する個別チャット履歴情報に登録する。
【0096】
ステップS316:育成支援処理部223は、ステップS312にて受信、登録したメッセージが反映されるようにしてコーチ端末100-CHのコーチボードにて表示される個別チャット画面を更新する。
【0097】
ステップS318:コーチ端末100-CHは、ステップS316により更新された個別チャット画面を表示させる。コーチは、更新された個別チャット画面を見ることで、自分が送信を指示したメッセージが正常にメンバ宛てに送信されたことを確認できる。
【0098】
次に、メンバによるコーチの評価に対応する処理手順例について説明する。
ステップS350:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、コーチ端末100-CHから送信されたメンバ宛のメッセージを受信し、受信したメッセージを、対応コーチとメンバとの組み合わせに対応する個別チャット履歴情報に登録する。
【0099】
ステップS352:育成支援処理部223は、ステップS350にて受信、登録したメッセージが反映されるようにしてメンバ端末100-MBのコーチボードにて表示される個別チャット画面を更新する。
【0100】
ステップS354:メンバ端末100-MBは、ステップS352により更新された個別チャット画面を表示させる。メンバは、更新された個別チャット画面を見ることで、コーチからのメッセージが新規に受信されていることを確認できる。
【0101】
ステップS356:ここで、メンバは、今回受信されたコーチのメッセージについて評価することとした。この場合、メンバは、メンバ端末100-MBにて表示されるコーチボード内の個別チャット画面に対する操作により、評価入力画面を表示させる。評価入力画面は、個別チャット画面上でポップアップとして配置されてよい。
【0102】
ステップS358:メンバ端末100-MBは、メンバが行った評価の送信操作に応じて、入力された評価の内容を示す評価情報を人材育成支援サーバ200に送信する。
【0103】
ステップS360:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、ステップS358により送信された評価情報を受信する。育成支援処理部223は、受信した評価情報を、ユーザ情報記憶部231が記憶するユーザ情報のうち、対応のコーチのユーザ情報の評価情報の領域に記憶させる。これにより、コーチに対応付けて評価情報が登録される。
【0104】
ステップS362:育成支援処理部223は、評価情報の送信元のメンバ端末100-MBに対して、評価情報の登録が完了した旨の登録完了通知を送信する。
【0105】
ステップS364:メンバ端末100-MBは、ステップS362により送信された登録完了通知の受信に応じて、メンバに向けて評価情報の登録が完了したことを報知する表示を行う。メンバは、表示された報知を見ることで、自分が送信した評価情報が正常に登録完了したことを確認できる。
【0106】
本実施形態の人材育成システムでは、OJTの実施中において、適宜のタイミングで、これまでの学習の成果を振り返ってもらうことを主たる目的として、メンバに対して設問(振り返り設問)を行うようにされる。振り返り設問は、予めHRやコーチが作成して第2設問記憶部233に記憶させておき、予め定めたスケジュールに従ったタイミングや所定のトリガの発生に応じて人材育成支援サーバ200からメンバ端末100-MBに送信される。
メンバが振り返り設問に対して行った回答は、対応のコーチが参照することができる。コーチは、振り返り設問に対する回答を参考にしてその後の指導方針等を検討することができる。
【0107】
また、本実施形態の個人育成システムでは、OJTの実施中において、メンバ単位での個人目標に対する達成状況に関する情報を統合した個人達成状況ボードをダッシュボードにて提示(表示)させることができる。個人達成状況情報には、振り返り設問に対する回答の進捗や、回答の内容が反映されてよい。
個人達成状況ボードの表示は、対応のメンバのメンバ端末100-MBと、当該メンバを指導するコーチのコーチ端末100-CHと、各HRのHR端末100-HRにて可能とされる。
【0108】
図10は、個人達成状況ボードを含むダッシュボードの一態様例を示している。同図のダッシュボードにおいては、個人達成状況ボードエリアAR1と個別チャット画面エリアAR2とが含まれる。個人達成状況ボードエリアAR1においては、対象のメンバに対応する個人達成状況が表示される。個別チャット画面エリアAR2においては、対象のメンバとコーチとの個別チャットのタイムラインが表示される。
また、同図のダッシュボードは、メンバ端末100-MBにて表示されるものを例に挙げた。
【0109】
同図の個人達成状況ボードエリアAR1においては、目標達成状況グラフエリアAR11が配置されている。目標達成状況グラフエリアAR11においては、対象のメンバの個人目標に対する目標達成状況を示す目標達成状況グラフが表示される。同図の目標達成状況フラグは、縦軸が点数で横軸が設問の回数となっている。目標達成状況フラグによっては、設問ごとの成績、登録された個人目標(自己目標)、個人目標への達成予測、理想とされる達成の進捗等が示される。個人目標への達成予測と理想とされる達成の進捗は、個人目標に対する成績の差分等に基づいて育成支援処理部223が導出してよい。
また、個人達成状況ボードエリアAR1においては、スライドスイッチSW1が配置されている。スライドスイッチSW1をオンにすると、例えば個人目標への達成予測、理想とされる達成の進捗等について、達成時期を前倒ししたパターンの表示に切り替わる。
そのうえで、育成支援処理部223は、例えば個人目標への達成予測や理想とされる達成の進捗については、対象のメンバについて判定された学習動機の志向性に応じて変化させるようにしている。これにより、個人目標への達成予測や理想とされる達成の進捗については、対象のメンバの学習動機の志向性に応じて適切なものが提示される。この結果、対象のメンバの学習意欲の向上を図ることができる。
【0110】
図11のシーケンス図を参照して、振り返り設問の実施に対応して人材育成支援サーバ200とメンバのメンバ端末100-MBとが実行する処理手順例と、個人達成状況ボードの表示に関連して人材育成支援サーバ200とユーザ端末100とが実行する処理手順例とについて説明する。
【0111】
まず、振り返り設問の実施に対応する処理手順例について説明する。
ステップS400:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、予め定められた所定のタイミングに至る、あるいは所定のトリガが発生したことに応じて、第2設問記憶部233から対象の振り返り設問を取得する。
育成支援処理部223は、取得した振り返り設問を、グループボードにて表示される情報としてメンバ端末100-MBに送信する。グループボードは、対応のグループGPに属するメンバ及びコーチとHRとがテキストによるチャットで相互にコミュニケーションするグループチャットに対応するボードである。
当該ステップS400において、育成支援処理部223は、振り返り設問がグループGPに共通のものであれば、育成支援処理部223は、全てのグループGPの配下における各メンバのメンバ端末100-MBに振り返り設問を送信する。一方、振り返り設問がグループGP単位で個別のものである場合には、育成支援処理部223は、対象のグループGPにおける各メンバのメンバ端末100-MBに振り返り設問を送信する。
【0112】
ステップS402:ステップS400により送信された振り返り設問を受信したメンバ端末100-MBは、グループボードにて振り返り設問を表示させる。これにより、メンバに対して振り返り設問が出題されたことになる。メンバは、表示された振り返り設問に対する回答を入力する操作を行う。
ステップS404:メンバ端末100-MBは、例えばメンバによる回答送信を指示する操作に応じて、グループボードに入力された回答を人材育成支援サーバ200に送信する。
【0113】
ステップS406:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、ステップS404により送信された回答を受信する。育成支援処理部223は、受信した回答を、ユーザ情報記憶部231が記憶するユーザ情報のうち、対応のメンバのユーザ情報における回答履歴情報(図5)に格納する。
【0114】
ステップS408:振り返り設問が実施される場合、メンバは、出題された振り返り設問に回答するまでは、設問が出題されて以降のグループチャットのタイムラインを閲覧できない。つまり、人材育成支援サーバ200の育成支援処理部223は、ステップS400にて振り返り設問を送信した後において、送信先のメンバ端末100-MBにおいて表示されているグループチャット画面において設問以降のタイムラインが表示されないように制御する。
そして、ステップS406にて振り返り設問が受信された場合、育成支援処理部223は、以降においてメンバ端末100-MBにてグループチャットのタイムラインが表示されるようにする。
このように、振り返り設問に回答することを条件にグループチャットのタイムラインが閲覧可能なようにすることで、メンバの振り返り設問に対する回答を促すことができる。
【0115】
ステップS410:グループチャットにおいては、メンバのそれぞれの振り返り設問に対する回答がタイムラインの1つとして公開される。そこで、育成支援処理部223は、ステップS406にて受信した回答がグループチャット画面にて表示されるように、グループチャットのタイムライン(TL)を更新する。
【0116】
ステップS412:グループチャットに参加しているユーザ(メンバ、コーチ、HR)は、タイムラインが更新されたグループチャット画面を見ることで、メンバの回答を確認できる。そのうえで、ユーザは、メンバの回答などについてコメントするメッセージなどを送信するようにして、メッセージをやりとりすることができる。これにより、ユーザ間で議論等を行って学習や育成を高めていくことができる。
【0117】
次に、個人達成状況情報の提示に対応する処理手順例について説明する。
ステップS420:ユーザは、個人達成状況を確認したい場合には、ユーザ端末100にて表示されるダッシュボードに対して、個人達成状況ボードの表示を指示する操作(画面表示指示操作)を行う。
ユーザがメンバである場合には、画面表示指示操作によって自己の個人達成状況を示す個人達成状況ボードの表示を指示することになる。メンバは、他のメンバの個人達成状況ボードを自己のメンバ端末100-MBに表示させることはできない。ユーザがコーチまたはHRである場合には、対象のメンバの指定を含む画面表示指示操作を行うようにされる。
【0118】
ステップS422:画面表示指示操作が行われたことに応じて、ユーザ端末100は、個人達成状況ボード要求を人材育成支援サーバ200に送信する。
【0119】
ステップS424:人材育成支援サーバ200において育成支援処理部223は、ステップS422により送信された個人達成状況ボード要求を受信すると、対応のメンバのユーザ情報を参照することで、学習動機の志向性を認識する。
【0120】
ステップS426:育成支援処理部223は、個人達成状況ボードを生成する。この際、育成支援処理部223は、ステップS424により認識した学習動機の志向性に応じて、生成する個人達成状況の内容を適宜変更する。例えば、育成支援処理部223は、認識した学習動機の志向性に応じた種別の情報を統合した個人達成状況ボードを生成する。つまり、対応のメンバの学習動機の志向性に応じて、個人達成状況ボードを構成する情報の組み合わせが異なる。
【0121】
ステップS428:育成支援処理部223は、ステップS426により生成した個人達成状況ボードを、個人達成状況ボード要求の送信元のユーザ端末100に送信する。
【0122】
ステップS430:ユーザ端末100は、ステップS428により送信された個人達成状況ボードをダッシュボードにて配置させるようにして表示する。このように個人達成状況ボードが表示されることで、ユーザがメンバである場合には自身の個人達成状況を確認することができ、ユーザがHRまたはコーチである場合には、画面表示指示操作において指定したメンバの個人達成状況を確認することができる。
【0123】
上記の説明から理解されるように、個人達成状況ボードを構成する情報の内訳は、全メンバに対して一律ではなく、メンバの学習動機の志向性に応じて異なるようにされる。つまり、メンバにとっては、個人達成状況を確認するにあたり、自分の学習動機の志向性に応じて適切な情報が提供されることになる。これにより、メンバの学習意欲を減退させないようにすることができる。
【0124】
なお、人材育成支援サーバ200は、複数のサーバに分散されたうえで、相互に通信を行うことで機能を実現するようにされてよい。
【0125】
なお、上述のユーザ端末100(HR端末100-HR、コーチ端末100-CH、メンバ端末100-MB)、人材育成支援サーバ200等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のユーザ端末100(HR端末100-HR、コーチ端末100-CH、メンバ端末100-MB)、人材育成支援サーバ200の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク、SDD(Solid State Drive)等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0126】
100 ユーザ端末、100-CH コーチ端末、100-HR HR端末、100-MB メンバ端末、200 人材育成支援サーバ、201 通信部、202 制御部、203 記憶部、221 ユーザ情報管理部、222 志向性判定部、223 育成支援処理部、231 ユーザ情報記憶部、232 第1設問記憶部、233 第2設問記憶部、234 個別チャット履歴情報記憶部、235 グループチャット履歴情報記憶部、236 返信テンプレート記憶部
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