(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048537
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】照明用バトン
(51)【国際特許分類】
F21V 21/34 20060101AFI20240402BHJP
F21V 21/15 20060101ALI20240402BHJP
F21V 21/16 20060101ALI20240402BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240402BHJP
F21W 131/406 20060101ALN20240402BHJP
【FI】
F21V21/34 500
F21V21/15
F21V21/16 310
F21S2/00 621
F21S2/00 622
F21V21/34 300
F21W131:406
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154499
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大城 裕二
(72)【発明者】
【氏名】越野 征史
(72)【発明者】
【氏名】大野 貴之
(57)【要約】
【課題】照明器具の設置位置の自由度を向上した照明用バトンを提供する。
【解決手段】照明用バトン10は、バトン本体部15と、レール36と、第一接続部37aと、第二接続部37bと、を備える。バトン本体部15は、照明器具を支持する。レール36は、バトン本体部15に配設される。第一接続部37aは、レール36に対し移動可能に取り付けられ、照明器具に電力を供給する。第二接続部37bは、レール36に対し移動可能に取り付けられ、照明器具に信号を供給する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具を支持するバトン本体部と;
前記バトン本体部に配設されるレールと;
前記レールに対し移動可能に取り付けられ、前記照明器具に電力を供給する第一接続部と;
前記レールに対し移動可能に取り付けられ、前記照明器具に信号を供給する第二接続部と;
を備えることを特徴とする照明用バトン。
【請求項2】
前記バトン本体部は、長尺に形成され、
前記レールは、前記バトン本体部の長手方向に沿って配設される
ことを特徴とする請求項1記載の照明用バトン。
【請求項3】
前記レールは、前記第一接続部が取り付けられる第一レールと、前記第二接続部が取り付けられる第二レールと、を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明用バトン。
【請求項4】
前記第一接続部および前記第二接続部は、共通の前記レールに取り付けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明用バトン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明用バトンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオや舞台等において、照明器具を吊り下げ支持して一体に昇降可能とした照明用バトンがある。照明用バトンには、吊り下げ支持される照明器具に給電するためのコンセント、あるいは照明器具と接続される通信コネクタ、等の接続部が配設される。そのため、照明器具の設置範囲が接続部の位置によって制限され、設置位置の自由度が低いという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、照明器具の設置位置の自由度を向上した照明用バトンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の照明用バトンは、バトン本体部と、レールと、第一接続部と、第二接続部と、を備える。バトン本体部は、照明器具を支持する。レールは、バトン本体部に配設される。第一接続部は、レールに対し移動可能に取り付けられ、照明器具に電力を供給する。第二接続部は、レールに対し移動可能に取り付けられ、照明器具に信号を供給する。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の照明用バトンによれば、照明器具の設置位置の自由度を向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態を示す照明用バトンの一部を示す斜視図である。
【
図2】同上照明用バトンのバトン本体部の内部構造の一部を示す斜視図である。
【
図3】同上照明用バトンの接続部とレールとを示す斜視図である。
【
図5】同上照明用バトンを照明側とは反対側から示す斜視図である。
【
図6】同上照明用バトンを照明側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
図5および
図6に照明用バトン10を示す。照明用バトン10は、スタジオや舞台等の天井側に設置され、少なくとも1つの照明器具11を吊り下げ支持している。そして、照明用バトン10は、スタジオや舞台等の天井構造物に設置された昇降装置からの複数本のワイヤ12で吊下げ支持されるとともに、遠隔操作装置等により操作される昇降装置の動作による複数本のワイヤ12の巻き取りおよび巻き戻しに応じて昇降される。本実施形態では、照明用バトン10は3つの照明器具11を吊り下げ支持するものを例に挙げて説明する。
【0010】
照明用バトン10は、バトン本体部15を備える。バトン本体部15は、長尺に形成されている。バトン本体部15の長手方向の両端部近傍に、ワイヤ12が引っ掛けられる被吊り下げ部16がそれぞれ形成されている。これら被吊り下げ部16を上部としてバトン本体部15が横長状に吊り下げ保持される。また、バトン本体部15には、ケーブル受け籠17が形成されている。本実施形態では、ケーブル受け籠17は、バトン本体部15の長手方向において、被吊り下げ部16,16間に位置する。
【0011】
バトン本体部15は、概略として、照明器具11を吊り下げる長尺の吊り下げ部20と、吊り下げ部20を保持する長尺の保持部21と、を有する。吊り下げ部20は、支持部材22により保持部21の下方に離れた位置に支持され、保持部21と略平行となっている。吊り下げ部20は、例えば直線パイプ状のバーである。支持部材22は、例えばバトン本体部15の短手方向に厚みを有する板状に形成されている。
【0012】
図4ないし
図6に示すように、保持部21は、内部が中空な箱状に形成され、配線等を内部に収容可能となっている。本実施形態では、保持部21は、上面部24と、下面部25と、これら上面部24と下面部25との間に連なる側面部26,27と、を有する、断面四角形状となっている。保持部21の長手方向の両端部は、キャップ部28によりそれぞれ閉塞されている。
【0013】
上面部24と下面部25とは、それぞれ長尺平面状に形成され、互いに上下に対向して位置する。
図1に示すように、上面部24と下面部25とが連結部材30により連結されて、上面部24と下面部25とが一体的なフレーム構造をなしている。連結部材30は、上面部24の下部と下面部25の上部とに亘り上下方向に延びて位置する。連結部材30は、保持部21の内部に位置する。本実施形態では、連結部材30は、上面部24および下面部25の長手方向の複数箇所に設定されている。図示される例では、連結部材30は、バトン本来部15の長手方向または保持部21の長手方向である上面部24および下面部25の長手方向の中央部に対して、一端側と他端側とのそれぞれに配置されている。連結部材30は、例えばバトン本体部15または保持部21の短手方向に厚みを有する板状に形成されている。そして、上面部24の上部に被吊り下げ部16およびケーブル受け籠17が形成されている。下面部25の下方に、支持部材22により支持された吊り下げ部20が位置する。なお、支持部材22は、下面部25の下部に取り付けられていてもよいし、上面部24の下部に取り付けられて、下面部25に形成された開口31(
図2)を通して下面部25から下方に導出されていてもよい。
【0014】
図4ないし
図6に示す側面部26,27は、一方が照明器具11による照明側であり、他方がその反対側にある。側面部26,27は、保持部21の短手方向に互いに対向している。側面部26,27は、上面部24および下面部25に対して着脱可能となっている。同様に、キャップ部28は、上面部24および下面部25に対して着脱可能となっている。なお、以下、着脱可能とは、工具等を用いて非破壊に着脱できることを言うものとする。例えば、側面部26,27およびキャップ部28は、上部が上面部24に対し、下部が下面部25に対して、それぞれねじ等の固定部材により着脱可能に固定されることで、保持部21の内部に閉塞された空間部を区画する。そのため、例えば
図2に示すように、上面部24および下面部25には、固定部材が固定される穴部33,34が両側に形成されている。
【0015】
そして、
図1および
図2に示すように、バトン本体部15には、保持部21の内部の空間部に、レール36が配設され、レール36に、照明器具11(
図5)と電気的に接続される接続部37が着脱可能に取り付けられている。
【0016】
レール36は、レール状の長尺部材である。レール36は、長手方向に沿って接続部37をスライド可能に保持するとともに、長手方向の任意位置に接続部37を配置し、電気的に接続して使用可能とするものである。
【0017】
レール36は、ライティングレール等とも呼ばれる配線ダクトでもよいし、DINレール等でもよい。本実施形態において、レール36は、接続部37の種類に応じて複数種類設定されている。図示される例では、レール36には、第一レール36aと、第二レール36bと、が設定され、第一レール36aが接続部37の第一接続部37a用、第二レール36bが接続部37の第二接続部37b用となっている。つまり、本実施形態では、1つの照明器具11(
図5)当たり複数の接続部37が設定され、それら接続部37毎にレール36が設定されている。
【0018】
図1ないし
図3に示す第一レール36aは、本実施形態において、照明器具11(
図5)に対し、第一接続部37aを介して電力を供給する給電用の配線ダクトである。第一レール36aは、レール本体部40と、レール本体部40内の長手方向に交差する短手方向である幅方向の両側に配設される一対の絶縁体41と、これら絶縁体41に取り付けられた一対の導体42と、レール本体部40内に配設された接地極43と、を有する。
【0019】
レール本体部40は、例えばアルミニウム等の金属製で、略四角形の中空状で長尺に設けられている。また、レール本体部40の一面には、開口部45が長手方向に沿って設けられ、その開口部45の両側が支持縁部46となっている。また、レール本体部40の一面側の一側には、接地側の極性を示す極性用突起部47がレール本体部40の外方に向けて突設されている。極性用突起部47により、第一レール36aに取り付けられる第一接続部37aの向きが決定される。
【0020】
絶縁体41は、例えば合成樹脂製で長尺に設けられている。絶縁体41は、それぞれ導体42を支持し、レール本体部40内で開口部45の両側に長手方向に沿って配置されている。
【0021】
導体42は、例えば金属板にて長尺に設けられている。導体42は、絶縁体41によりレール本体部40内で開口部45を挟む両側に互いに対向して配置されている。導体42には、外部電源からの交流電力または直流電力等の所定の外部電力が通電される。
【0022】
接地極43は、例えば金属板にて長尺に設けられている。接地極43は、レール本体部40の開口部45に対向する位置に、レール本体部40の長手方向に沿って配置されている。
【0023】
そして、第一レール36aは、バトン本体部15または保持部21の長手方向に沿って配設されている。本実施形態において、第一レール36aは、レール本体部40が連結部材30および/または支持部材22に支持されており、
図4に示すように、開口部45を側面部27側に向けた状態で配置されている。すなわち、第一レール36aは、幅方向を上下にして配置され、連結部材30および/または支持部材22が、レール36を支持するレール支持部材として用いられている。したがって、バトン本体部15または保持部21のフレーム構造をなす部材の一部がレール支持部材を兼ねている。第一レール36aは、上面部24の下方に位置し、下面部25に対して上方に離れている。第一レール36aは、保持部21内において上側寄りに位置する。
図1に示す例では、第一レール36aは、バトン本体部15または保持部21の長手方向に複数、例えば一対配設されている。すなわち、本実施形態では、一方の第一レール36aに2つの第一接続部37aが取り付けられ、他方の第一レール36aに1つの第一接続部37aが取り付けられる。本実施形態において、一方の第一レール36aと他方の第一レール36aとでは、極性用突起部47の配置が開口部45に対して上下逆となっている。
【0024】
第一レール36aに取り付けられる第一接続部37aは、例えば電源用コンセント(電源用アウトレット)である。
図3および
図4に示すように、第一接続部37aは、接続部本体部50と、接続部本体部50に配置された一対の接続端子51およびアース端子52と、を有する。
【0025】
接続部本体部50は、例えば樹脂製であり、複数、例えば一対の本体部片に分割され、これら本体部片が接続端子51およびアース端子52を介在して組み合わせられて、ねじ等の固定手段により一体的に固定されている。接続部本体部50の一端部、つまりプラグが接続される側は、カバー55により覆われている。
図2に示すように、カバー55には、接続開口部56が形成されている。本実施形態では、接続開口部56には、一対の接続端子51(
図3)と電気的に接続するための一対の接続端子用開口部56aと、アース端子52(
図3)と電気的に接続するためのアース端子用開口部56bと、が設定されている。接続端子用開口部56aおよびアース端子用開口部56bは、それぞれ円弧状に形成され、これらに端子を挿入したプラグを周方向に回動させることで各端子が接続端子51およびアース端子52(
図3)と電気的に接続された状態で保持されるように構成されている。
【0026】
また、
図3および
図4に示すように、接続部本体部50には、第一レール36aに取り付けられる取付部60が形成されている。取付部60は、接続部本体部50からカバー55とは反対側に突出し、開口部45から第一レール36a内に挿入されている。取付部60は、一対の支持縁部46により支持される一対の被支持部61と、レール本体部40の接地極43に対向する対向部62と、を備える。
【0027】
被支持部61は、爪状に突出して形成され、支持縁部46と絶縁体41との間に挟み込まれて、第一接続部37aが第一レール36aの長手方向にスライド可能にガイドされるように構成されている。
【0028】
対向部62は、開口部45から絶縁体41を超えて接地極43に対向する位置まで第一レール36a内に挿入されている。対向部62の先端部に突出するアース端子52が接地極43と接触して電気的に接続されるとともに、対向部62の両側に突出する接続端子51が導体42と接触して電気的に接続される。そして、これらアース端子52と接地極43との電気的接続、および、接続端子51が導体42との電気的接続が、第一接続部37aを第一レール36aに沿ってスライドさせた各部においても維持されるようになっている。
【0029】
一方、
図1、
図2および
図4に示す第二レール36bは、第一レール36aとは別体で形成されている。第二レール36bは、本実施形態において、照明器具11(
図5)に対し、第二接続部37bを介して信号を供給する通信用のDINレールである。図示される例では、第二レール36bは、外部電力が通電されない形態であるが、第一レール36aと同様に外部電力が通電される形態でもよい。第二レール36bは、例えばアルミニウム等の金属製で、断面略コ字状の長尺に設けられている。第二レール36bは、長尺の底部64の両側から立ち上がる両側壁部65の先端部に、外側へと突出する支持縁部66が形成されている。
【0030】
そして、第二レール36bは、バトン本体部15または保持部21の長手方向に沿って配設されている。本実施形態において、第二レール36bは、保持部21の下面部25に支持され、例えばねじ等の固定部材により下面部25上に固定されている。すなわち、第二レール36bは、幅方向をバトン本体部15または保持部21の短手方向に沿わせて配置され、下面部25がレール36を支持するレール支持部材として用いられている。したがって、第一レール36aと第二レール36bとは、幅方向が互いに直交または略直交する状態でバトン本体部15に配置され、バトン本体部15または保持部21の上下のスペースを有効利用するようになっている。
図2に示すように、第二レール36bの底部64には、固定部材が挿入される穴部68が形成されている。第二レール36bは、第一レール36aより下方に位置し、第一レール36aに対して離れている。また、
図1に示すように、第二レール36bは、支持部材22と連結部材30との間、および、支持部材22と支持部材22との間、にそれぞれ配設されている。本実施形態では、第二レール36bは、バトン本体部15または保持部21の長手方向に複数、例えば3つ配設されている。すなわち、本実施形態では、1つの第二レール36bにつき1つの第二接続部37bが取り付けられる。したがって、第二レール36bは照明器具11(
図5)毎に設定されている。
【0031】
第二レール36bに取り付けられる第二接続部37bは、例えば通信コネクタである。本実施形態において、第二接続部37bは、照明器具11(
図5)の制御用の所定の通信規格、例えばDMX512-A等の信号の通信コネクタ(メス型レセプタクル)である。
図2および
図4に示すように、第二接続部37bは、接続部本体部70と、第二レール36bに保持される台座部71と、を有する。
【0032】
接続部本体部70は、例えば円柱状に形成されている。接続部本体部70の一端部、つまりケーブルが接続される側には、ケーブルのプラグが挿入される挿入溝部73と、複数の接続開口部74と、が形成されている。挿入溝部73は、円環状の溝部である。接続開口部74は、挿入溝部73の内方に位置する。接続開口部74の内部には、端子が配置され、挿入されたケーブルのプラグの端子(ピン)と電気的に接続される。また、接続部本体部70には、ケーブルのプラグを接続状態で保持するラッチロック機構が設けられている。ラッチロック機構によるプラグの保持は、ボタン75の操作により解除可能である。
【0033】
また、本実施形態では、接続部本体部70の一端部側は、パネルマウントされている。つまり、接続部本体部70の一端部側は、平板状のパネル77と一体的に形成されている。パネル77は、例えば四角形状に形成され、接続部本体部70からフランジ状に突出している。パネル77には、ねじ等の固定体が挿入される穴部78が形成されている。穴部78に挿入された固定体を介して、接続部本体部70が保持体79に取り付けられている。
【0034】
保持体79は、接続部本体部70を台座部71に固定するものである。保持体79は、例えば金属製等であり、本実施形態ではL字状に屈曲された板金である。つまり、保持体79は、接続部本体部70の一端部がパネル77を介して取り付けられる第一面部81と、第一面部81に対して直交または略直交する方向に延びて台座部71に取り付けられる第二面部82と、を一体に有する。第一面部81は、鉛直方向に立ち上がり、保持部21の側面部27と対向する。第二面部82は、第一面部81の下端部からバトン本体部15または保持部21の内方へと水平方向に延びている。
【0035】
保持体79には、基板84が実装されている。基板84は、通信用の信号を処理する回路基板である。例えば、基板84は、第一面部81および第二面部82に対して垂直または略垂直に配置される。基板84には、接続部本体部70が実装され、接続部本体部70内の端子と回路とが電気的に接続される。基板84は、照明器具11(
図5)の動作や調光を制御する遠隔操作装置等に対して、有線または無線により信号を送受信可能となっている。本実施形態では、接続部本体部70、保持体79および基板84が一体的なユニット状をなしている。
【0036】
また、台座部71は、接続部本体部70を第二レール36bに沿って移動可能に保持するものである。台座部71は、板状に形成され、一主面である上面に保持体79の第二面部82が重ねられて、一体的に取り付けられている。
【0037】
台座部71の他主面である下面には、第二レール36bの一対の支持縁部66が挿入される一対の溝部86が形成されており、これら溝部86,86間が、第二レール36bの側壁部65,65間に位置して底部64と対向する挿入部87となっている。各溝部86内の一側には、支持縁部66の背面側に引っ掛けられる爪部89が突設されている。
【0038】
そして、接続部37は、
図5に示すように、保持部21の側面部27に開口された露出開口部91からバトン本体部15または保持部21の外部に露出している。すなわち、側面部27には、接続部37の位置に応じて露出開口部91が形成されている。本実施形態では、露出開口部91には、第一接続部37aを露出させる第一露出開口部91aと、第二接続部37bを露出させる第二露出開口部91bと、が設定されている。
【0039】
また、本実施形態において、照明器具11には、第一接続部37aに接続されるプラグを有する電源ケーブルを導出する導出部94と、第二接続部37bに接続されるプラグを有する通信ケーブルを接続可能な接続部95と、が並んで設けられている。なお、照明器具11には、複数の照明器具11同士をデイジーチェーン接続するための接続部96がさらに並んで設けられていてもよい。これら導出部94、接続部95、および、接続部96は、側面部27と同側となるようにバトン本体部15に吊り下げられることが好ましい。
【0040】
次に、上記一実施形態の作用を説明する。
【0041】
使用者は、バトン本体部15において、保持部21の側面部27を取り外した状態で、照明器具11を設置したい位置に応じて、接続部37をレール36に対してスライドさせて移動させる。第一接続部37aは、第一レール36aの支持縁部46に対して被支持部61が支持されて、接続端子51と導体42との電気的接続およびアース端子52と接地極43との電気的接続をそれぞれ維持しつつ第一レール36aに沿って移動する。また、第二接続部37bは、第二レール36bの支持縁部66に対して爪部89が支持されて第二レール36bに沿って移動する。
【0042】
これら接続部37の位置が決定すると、接続部37の位置に応じて露出開口部91を形成した側面部27を取り付ける。
【0043】
そして、バトン本体部15の吊り下げ部20に吊り下げる照明器具11は、導出部94から導出した電源ケーブルを第一接続部37aに接続するとともに、必要に応じて通信ケーブルを用い、接続部95を第二接続部37bに接続する。
【0044】
照明用バトン10は、ワイヤ12を被吊り下げ部16に引っ掛けて天井構造物に吊り下げる。照明用バトン10に吊り下げられた照明器具11は、第一レール36a、第一接続部37a、および、電源ケーブルを介して外部電源から外部電力を受け、第二接続部37b、および、通信ケーブルを介して受信した遠隔操作装置等からの信号に応じて調光および/または動作が制御される。
【0045】
以上説明した一実施形態によれば、照明器具11を支持するバトン本体部15にレール36を配置し、ケーブルを介して照明器具11と電気的に接続される給電用の第一接続部37aをレール36に対し電気的に接続して移動可能に取り付けるとともに、照明器具11への信号供給用の第二接続部37bをレール36に対し移動可能に取り付けることで、第一接続部37aおよび第二接続部37bの位置をそれぞれレール36に沿って任意設定できる。したがって、第一接続部37aおよび第二接続部37bに接続される照明器具11の位置が、第一接続部37aおよび第二接続部37bの位置による制限を受けにくくなるので、ケーブルの長さを過剰に長くすることなく、照明用バトン10における照明器具11の設置位置の自由度を向上できる。
【0046】
長尺のバトン本体部15の長手方向に沿ってレール36を配設することで、バトン本体部15の長さを有効に利用して第一接続部37aおよび第二接続部37bの位置をレール36に沿って変更できるので、照明用バトン10における照明器具11の設置位置の自由度をより向上できる。
【0047】
レール36に、第一接続部37a用の第一レール36aと、第二接続部37b用の第二レール36と、を設定することで、第一接続部37aおよび第二接続部37bの大きさに応じてバトン本体部15内のスペースを有効利用できる。例えば、本実施形態では、第一接続部37aよりも第二接続部37bが大きくスペースを取るため、第一接続部37aを第一レール36aに取り付け、第二接続部37bを第二レール36bに取り付けることで、第一接続部37aと第二接続部37bとを互いに干渉させることなく、バトン本体部15内でレール36に沿って位置を個別に任意設定できる。
【0048】
なお、上記一実施形態において、レール36は、幅方向を上下にしてバトン本体部15または保持部21に上下に複数配設されていてもよい。つまり、第二レール36bを、第一レール36aの下方の位置において連結部材30および/または支持部材22に支持するように構成してもよい。この場合には、第二接続部37bの挿入溝部73および接続開口部74が保持部21の側面部27に対向する向きとなるように保持体79の形状等を変えることで、容易に対応できる。
【0049】
また、第一接続部37aと第二接続部37bとは、共通のレール36に沿って移動可能に取り付けられてもよい。この場合、第一接続部37aと第二接続部37bとは、レール36に対して着脱可能であるとともに、互いに絶縁状態を保つようにすることが好ましい。このように、複数の接続部37を共通のレール36に取り付けることで、バトン本体部15内の配線をより少なくすることが可能になり、照明用バトン10をより小型化できる。
【0050】
さらに、各実施形態において、接続部37は照明器具11毎に2つに限らず、1つでもよいし3つ以上でもよい。
【0051】
また、例えば保持部21の上面部24等、バトン本体部15または保持部21のフレーム構造を構成する任意の部材をレール支持部材として用いてもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10 照明用バトン
11 照明器具
15 バトン本体部
36 レール
36a 第一レール
36b 第二レール
37a 第一接続部
37b 第二接続部