(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048548
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】照明装置及び照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240402BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240402BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240402BHJP
B60Q 3/47 20170101ALI20240402BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20240402BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B45/10
H05B45/20
B60Q3/47
B60Q3/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154513
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和夫
【テーマコード(参考)】
3K040
3K273
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040BA00
3K040CA05
3K040DA05
3K040DC00
3K040EA04
3K040EA05
3K040GB08
3K040GC01
3K040GC14
3K040GC15
3K273AA02
3K273BA07
3K273BA38
3K273CA02
3K273CA12
3K273EA05
3K273EA24
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA04
3K273FA10
3K273FA14
3K273FA27
3K273FA38
3K273FA41
3K273GA08
3K273GA10
3K273GA14
3K273GA16
(57)【要約】
【課題】車両の改造等を最低限とするとともに複数の照明を同時に調光することができる照明装置及び照明システムを提供する。
【解決手段】照明装置1は、車両に設置され、調光が可能な発光素子40と、車両の移動に伴う加速度を検出する加速度センサ32と、加速度センサ32で検出された加速度に基づいて発光素子40の調光を行うCPU38と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置され、少なくとも調光又は調色が可能な発光部と、
前記車両の加減速に伴う加速度を検出する加速度検出部と、
前記加速度検出部で検出された前記加速度に基づいて前記発光部の少なくとも調光又は調色を含む発光制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記加速度が減速を示し、その後前記加速度が一定時間以上ゼロの状態を継続した場合は前記発光制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記加速度が減速を示し、その後前記加速度が一定時間以上ゼロの状態を継続して、その後前記加速度が加速を示した場合は前記発光制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記加速度が急減速を示した場合は前記発光制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
時刻情報を発生する時刻発生部を備え、
前記制御部は、前記時刻発生部で発生した前記時刻情報と、前記加速度検出部で検出された前記加速度と、に基づいて前記発光部の前記発光制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1から5のうちいずれか一項に記載の照明装置を複数有することを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び、それを備える照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両等の車両の室内灯を調光する場合、車両間に調光線等の配線が必要なことが一般的である。
【0003】
例えば特許文献1には、鉄道車両の車内の天井部に配設されたLED照明装置に電力を供給する第1電源装置が搭載されることが記載されている。そして、第1電源装置には、LED照明装置の他に、鉄道車両の車内の照度を監視する照度センサと、鉄道車両に備えられるLED照明装置の輝度を制御する調光指令などを扱う編成制御装置が接続されていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両に室内灯を増設する場合、調光線等を配設するために車両の改造等が必要となる。また、車両を新造する場合であっても、調光線等の配線を配設するスペースを確保する必要がある。室内灯が1つであれば改造等は小規模で済むが、鉄道車両等の車両の場合は室内灯が複数設けられる。そのため、同時に複数の室内灯を調光する場合が生じるため、各室内灯と制御装置等を接続するために改造等が大規模になる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、車両の改造等を最低限とするとともに複数の照明を同時に調光することができる照明装置及び照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、車両に設置され、少なくとも調光又は調色が可能な発光部と、前記車両の加減速に伴う加速度を検出する加速度検出部と、前記加速度検出部で検出された前記加速度に基づいて前記発光部の少なくとも調光又は調色を含む発光制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする照明装置ある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の移動に伴う加速度を検出する加速度検出部で検出された前記加速度に基づいて発光部の発光制御を行うので、車両の移動をトリガとして調光等をすることが可能となる。そのため、調光線等が不要で、車両の改造等を最低限とするとともに複数の照明を同時に調光等することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる照明装置の概略回路図である。
【
図2】
図1に示された照明装置における調光制御の動作のフローチャートである。
【
図3】
図2の変形例にかかる調光制御の動作のフローチャートである。
【
図4】
図2の変形例にかかる調光制御の動作のフローチャートである。
【
図5】
図2の変形例にかかる調光制御の動作のフローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態にかかる照明装置の概略回路図である。
【
図7】本発明の一実施形態にかかる照明システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、
図1~
図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる照明装置の概略回路図である。
【0011】
図1に示した照明装置1は、例えば鉄道車両等の車両の室内灯として利用することができる。照明装置1は、AC/DCコンバータ20と、定電流回路30と、発光素子40と、を備えている。
【0012】
AC/DCコンバータ20は、交流電源10から入力される交流電圧を直流電圧に変換する周知の回路である。
【0013】
定電流回路30は、電源IC31と、加速度センサ32と、リアルタイムクロック(RTC)33と、ダイオード34、35と、抵抗36と、電気二重層コンデンサ37と、CPU38と、駆動回路39と、を備えている。
【0014】
電源IC31は、AC/DCコンバータ20で変換された直流電圧を加速度センサ32、RTC33及びCPU38等に供給する電圧に変換する回路である。本実施形態では、集積回路(IC)となっているが、個別部品で回路を構成してもよい。
【0015】
加速度センサ32は、照明装置1にかかる加速度を検出するセンサである。本実施形態では、後述するように照明装置1が設置されている車両の加減速を検出するために用いる。加速度センサ32は、静電容量方式やピエゾ抵抗方式等の周知の方式のセンサを用いることができる。即ち、加速度センサ32は、車両の加減速に伴う加速度を検出する加速度検出部として機能する。
【0016】
RTC33は、リアルタイムクロックであって、水晶振動子とその発振回路等からなるクロック源から時刻や年月日などの時刻情報を生成して出力する周知の回路である。即ち、RTC33は、時刻情報を発生する時刻発生部として機能する。
【0017】
ダイオード34は、アノードが電源IC31の出力に接続され、カソードがRTC33の入力、ダイオード35のカソード及び抵抗36の一端に接続されている。ダイオード35は、アノードが電気二重層コンデンサ37の一端及び抵抗36の他端に接続され、カソードがRTC33の入力、ダイオード34のカソード及び抵抗36の一端に接続されている。抵抗36は、一端がダイオード34のカソード、ダイオード35のカソード及びRTC33の入力に接続され、他端がダイオード35のアノード及び電気二重層コンデンサ37の一端に接続されている。
【0018】
電気二重層コンデンサ37は、一端が抵抗36の他端及びダイオード35のアノードに接続され、他端が接地線に接続されている。電気二重層コンデンサ37は、RTC33のバックアップ用電源として機能する。
【0019】
CPU38は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有するマイクロコンピュータで構成されている。CPU38は、メモリに格納されたプログラムに沿って動作する。本実施形態では、加速度センサ32やRTC33に基づいて発光素子40の調光や調色等の発光制御をする。即ち、CPU38は、制御部として機能する。
【0020】
駆動回路39は、ダイオード39aと、コイル39bと、コンデンサ39cと、FET39dと、抵抗39eと、を備えている。駆動回路39は、発光素子40を構成するLED(発光ダイオード)を定電流で駆動する周知の定電流回路である。
【0021】
ダイオード39aは、アノードがコイル39bの一端及びFET39dのドレインに接続され、カソードがAC/DCコンバータ20の出力、電源IC31の入力及びコンデンサ39cの一端に接続されている。コイル39bは、一端がダイオード39aのアノード及びFET39dのドレインに接続され、他端がコンデンサ39cの他端に接続されている。コンデンサ39cは、一端がAC/DCコンバータ20の出力、電源IC31の入力及びダイオード39aのカソードに接続され、他端がコイル39bの他端に接続されている。
【0022】
FET39dは、
図1ではn型MOSFET(電界効果トランジスタ)で構成されている。FET39dは、CPU38によりスイッチング制御される。FET39dは、ゲートがCPU38の制御端子に接続され、ドレインがダイオード39aのアノード及びコイル39bの一端に接続され、ソースが抵抗39eの一端及びCPU38に接続されている。抵抗39eは、一端がFET39dのソース及びCPU38に接続され、他端が接地線に接続されている。
【0023】
発光素子40は、本実施形態では、LEDで構成されている。
図1では、LED41、42、43、44の4つが直列接続されているが、4つに限らないことはいうまでもない。また、これらの直列接続されたLEDはコンデンサ39cと並列接続されている。なお、直列接続されたLED素子群が複数列並列に接続されるような回路構成でもよい。即ち、発光素子40は、車両に設置され、少なくとも調光が可能な発光部として機能する。
【0024】
次に、上述した構成の照明装置1において、発光素子40の調光制御の動作について
図2のフローチャートを参照して説明する。まず、CPU38は、照明装置1が設置されている車両が減速しているか判定する(ステップS11)。ステップS11では、加速度センサ32が検出した加速度に基づいて減速を検出する。減速していない場合は(ステップS11;NO)、CPU38はステップS11の判定を繰り返す。
【0025】
一方、ステップS11で減速していると判定された場合は(ステップS11;YES)、CPU38は、加速度センサ32が検出した加速度が1分以上0(ゼロ)を継続したか判定する(ステップS12)。ステップS12は、例えば駅などへの停車を検出するものである。加速度0の場合は、等速度で運動している可能性もあるが、鉄道車両等の車両は加減速の頻度が高いため、本実施形態では加速度0が1分程度継続するのは停車時であると見做している。なお、
図2では一定時間として1分とするが、使用する路線や運行形態(特急、各駅停車等)によって適宜変更してもよい。
【0026】
あるいは、加速度センサ32を3軸の加速度センサとし、レールの継ぎ目等を通過したことによる上下方向の振動も検出して、加速度0かつ、レールの継ぎ目等の振動が1分間検出されない場合に停車と判定するような制御としてもよい。このようにすることにより、より精度良く停車を検出することができる。
【0027】
ステップS12の判定の結果、1分以上加速度0でない場合は(ステップS12;NO)、CPU38はステップS12の判定を繰り返す。
【0028】
一方、ステップS12で1分以上加速度0であると判定された場合は、CPU38は、照明装置1が設置されている車両が加速しているか判定する(ステップS13)。ステップS13では、加速度センサ32が検出した加速度に基づいて加速を検出する。加速していない場合は(ステップS13;NO)、CPU38はステップS13の判定を繰り返す。ステップS13は、停車後の発車を検出するものである。
【0029】
一方、ステップS13で加速していると判定された場合は(ステップS13;YES)、CPU38は、発光素子40を調光する(ステップS14)。つまり、CPU38は、駆動回路39を制御して定電流の電流量を変化させることでLED41等の光量を増加又は減少させる。つまり、発光素子40の輝度を0%~100%の間のいずれかの値に変化させる。
【0030】
即ち、CPU38(制御部)は、加速度が減速を示し、その後加速度が一定時間以上ゼロの状態を継続して、その後加速度が加速を示した場合は発光制御を行っている。この
図2のフローチャートは、鉄道車両等の車両が発車するタイミングで調光するものである。このようにすることで乗客に発車を知らせることができる。
【0031】
なお、ステップS14で調光された輝度は、所定時間経過後に通常の輝度に戻すようにしてもよい。つまり、発車を通知後通常状態に戻してもよい。
【0032】
次の調光制御の動作について
図3のフローチャートを参照して説明する。まず、CPU38は、照明装置1が設置されている車両が減速しているか判定する(ステップS21)。減速していない場合は(ステップS21;NO)、CPU38はステップS21の判定を繰り返す。
【0033】
一方、ステップS21で減速していると判定された場合は(ステップS21;YES)、CPU38は、加速度センサ32が検出した加速度が1分以上0(ゼロ)か判定する(ステップS22)。1分以上加速度0でない場合は(ステップS22;NO)、CPU38はステップS22の判定を繰り返す。このステップS21とS22はステップS11、S12と同様に停車を検出するものである。
【0034】
そして、1分以上加速度0である場合は(ステップS22;YES)、CPU38は、発光素子40を調光する(ステップS23)。ステップS23もステップS14と同様である。即ち、CPU38(制御部)は、加速度が減速を示し、その後加速度が一定時間以上ゼロの状態を継続した場合は発光制御を行っている。
【0035】
図3のフローチャートは、鉄道車両等の車両が停車するタイミングで調光するものである。このようにすることで乗客に駅等への停車を知らせることができる。また、
図3においてもステップS23で調光された輝度は、所定時間経過後に通常の輝度に戻すようにしてもよい。つまり、停車を通知後通常状態に戻してもよい。
【0036】
次の調光制御の動作について
図4のフローチャートを参照して説明する。まず、CPU38は、照明装置1が設置されている車両が急減速しているか判定する(ステップS31)。急減速していない場合は(ステップS31;NO)、CPU38はステップS31の判定を繰り返す。急減速とは、ステップS11等の減速よりも大きな加速度で減速するものである。急減速の具体的な値は、例えば鉄道車両の非常ブレーキによる減速時の加速度等に基づいて設定すればよい。
【0037】
一方、ステップS31で急減速していると判定された場合は(ステップS31;YES)、CPU38は、発光素子40を調光する(ステップS32)。即ち、CPU38(制御部)は、加速度が急減速を示した場合は発光制御を行っている。
【0038】
図4のフローチャートは、鉄道車両等の車両が急減速するタイミングで調光するものである。このようにすることで乗客に危険を知らせることができる。この場合においても、ステップS32で調光された輝度は、加速度0等により停車を検出した後、或いは停車後所定時間経過したらに通常の輝度に戻すようにしてもよい。つまり、乗客への通知後通常状態に戻してもよい。
【0039】
次の調光制御の動作について
図5のフローチャートを参照して説明する。まず、CPU38は、RTC33から年月日の情報を取得する(ステップS41)。次に、CPU38は、ステップS41で取得した年月日に基づいて季節を選択する。季節の選択は、例えば3月~5月は春、6月~8月は夏、9月~11月は秋、12月~2月は冬といったようにCPU38が有するメモリ内に予めテーブルのように設定し、そのテーブルに基づいて選択すればよい。
【0040】
次に、CPU38は、照明装置1が設置されている車両が減速しているか判定する(ステップS43)。減速していない場合は(ステップS43;NO)、CPU38はステップS43の判定を繰り返す。
【0041】
一方、ステップS43で減速していると判定された場合は(ステップS43;YES)、CPU38は、加速度センサ32が検出した加速度が1分以上0(ゼロ)か判定する(ステップS44)。1分以上加速度0でない場合は(ステップS44;NO)、CPU38はステップS44の判定を繰り返す。
【0042】
一方、ステップS44で1分以上加速度0であると判定された場合は、CPU38は、照明装置1が設置されている車両が加速しているか判定する(ステップS45)。加速していない場合は(ステップS45;NO)、CPU38はステップS45の判定を繰り返す。
【0043】
ステップS43~S45は、
図2のステップS11~S13と同様である。つまり、停車した車両が発車するタイミングを検出している。
【0044】
そして、ステップS45で加速していると判定された場合は(ステップS45;YES)、CPU38は、ステップS42で選択された季節に応じて発光素子40を調光する(ステップS46)。即ち、CPU38(制御部)は、RTC33(時刻発生部)で発生した時刻情報と、加速度センサ(加速度検出部)で検出された加速度と、に基づいて発光素子40(発光部)の発光制御を行っている。
【0045】
この
図5のフローチャートは、RTC33に応じて季節によって調光するものである。なお、
図3のフローチャートにステップS41、S42を追加してもよい。また、季節に限らずステップS42で時刻に基づく時間帯(朝昼夜など)を選択して時間帯に応じて調光してもよい。
【0046】
本実施形態によれば、照明装置1は、車両に設置され、調光が可能な発光素子40と、車両の移動に伴う加速度を検出する加速度センサ32と、加速度センサ32で検出された加速度に基づいて発光素子40の調光を行うCPU38と、を備えている。
【0047】
照明装置1が上記のように構成されることにより、加速度センサ32で車両の加減速を検出して発光素子40の調光制御を行うので、車両の移動や停止をトリガとして調光をすることが可能となる。つまり、加速度センサ32を各照明装置1の同期をさせる手段として利用している。そのため、各照明装置1を調光するための調光線等が不要で、車両の改造等を最低限とするとともに複数の照明を同時に調光することができる。
【0048】
また、CPU38は、加速度センサ32が検出した加速度が減速を示し、その後加速度が一定時間以上ゼロの状態を継続した場合に調光制御を行っている。このようにすることにより、車両の停車を検出し、停車時に調光制御をすることが可能となる。
【0049】
また、CPU38は、加速度センサ32が検出した加速度が減速を示し、その後加速度が一定時間以上ゼロの状態を継続して、その後加速度が加速を示した場合に調光制御を行っている。このようにすることにより、車両の発車を検出し、発車時に調光制御をすることが可能となる。
【0050】
また、CPU38は、加速度センサ32が検出した加速度が急減速を示した場合は調光制御を行っている。このようにすることにより、車両が急減速した場合に照明により乗客に知らせることができる。
【0051】
また、RTC33を備え、CPU38は、RTC33で発生した年月日の情報と、加速度センサ32が検出した加速度と、に基づいて発光素子40の調光制御を行っている。このようにすることにより、季節に応じて調光することが可能となる。また、加速度センサ32による発車の検出で、各照明装置1のRTC33に誤差があったとしても、複数の照明装置1を精度良く同期させることが可能となる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる照明装置を
図6を参照して説明する。なお、前述した第1実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態は、調光だけでなく調色も可能としたものである。
図6に本発明の第2実施形態にかかる照明装置の概略回路図を示す。
【0054】
図6に示した照明装置1Aでは、発光素子40が、発光素子40A、40B、40Cと変更されている。そして、発光素子40A、40B、40Cに変更になったことに伴い、駆動回路39も、駆動回路39A、39B、39Cと変更されている。
【0055】
発光素子40A、40B、40Cは、それぞれ例えば、赤色、緑色、青色に発光するLEDであり、これらの発光色が混合することで様々な色に調色可能となっている。
【0056】
駆動回路39Aは、発光素子40Aを駆動する。駆動回路39Bは、発光素子40Bを駆動する。駆動回路39Cは、発光素子40Cを駆動する。したがって、CPU38は、各駆動回路の電流量を制御することで調光や調色を行う。
【0057】
図6に示した回路における動作は
図2~
図5に示したフローチャートのいずれも実行可能である。例えば
図2や
図3のフローチャートにおいてステップS14やS23では調光及び調色あるいは調色とすることで、発車時や停車時には所定の照明色とすることができ、調色のみよりもより乗客に分かり易く通知することができる。
【0058】
また、
図4のフローチャートの場合であれば、例えば急減速を知らせるために赤色に発光させることで乗客により確実に知らせることが可能となる。また、調光調色だけでなく点滅を組み合わせてもよい。本実施形態では発光制御として点滅も含むものである。
【0059】
また、
図5のフローチャートの場合であれば、季節によって照明色を切り替えることができる。例えば、季節が夏と判定された場合は、車両が駅に到着し発車のタイミングで全照明装置1を白色から空色にするといったことが可能となる。あるいは、発車を検出する度に、紫色、青色、空色、緑色、黄色、橙色、赤色などと複数色に亘って変化させてもよい。
【0060】
また、時刻(時間帯)によって照明色を切り替えることもできる。
図5のフローチャートでは、調光のみの場合よりもより効果的な演出をすることができる。しかも、停車や発車といったトリガにより複数の照明装置1を一斉に切り替えることができる。
【0061】
本実施形態によれば、照明装置1Aは調光に加えて調色も可能となっているので、より多彩な形態で通知等の発光制御が可能となる。
【0062】
最後に上述した2つの実施形態のかかる照明装置1が設置された車両の例を
図7に示す。
図7に示した例を鉄道車両の例である。
図7は、鉄道車両100の客室内における座席やドア、および天井に設置された照明装置1の配置を概略的に示す模式図である。なお、
図7において、符号Dはドア、符号Sは座席を示す。
図7はロングシートが設置された所謂通勤車であるが、クロスシートが設置された特急車であってもよい。
【0063】
図7に示すように、照明装置1は、鉄道車両100の客室内の天井側に配置されるものであり、複数が天井に設けられている。
図7に示すように、各照明装置1は、長手方向に延びる形状であり、天井で車両の前後方向と平行に直線状に延び、天井の一端から他端にかけて配置されている。これにより、複数の照明装置1を有する照明システム50は、客室内にて車両の前後方向の全体に亘り照射する状態に配置されることになる。
【0064】
図7においては、複数の照明装置1はスタンドアローンであり、電源線以外は車両側との接続は不要である。この場合であっても、第1、第2実施形態で説明したように各照明装置1は同期して調光や調色が可能となる。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の照明装置及び照明システムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1、1A 照明装置
30 定電流回路
32 加速度センサ(加速度検出部)
33 RTC(時刻発生部)
38 CPU(制御部)
40、40A、40B、40C、40D 発光素子(発光部)
50 照明システム
100 鉄道車両(車両)