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  • 特開-印象材練和装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048551
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】印象材練和装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 9/00 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A61C9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154517
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】515279946
【氏名又は名称】株式会社ジーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典輝
(72)【発明者】
【氏名】柏原 和久
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電動ではなく手動でペーストを抽出するとともに、印象材練和をより柔軟に行うことができる印象材練和装置を提供する。
【解決手段】歯科用の印象材を形成する少なくとも2種類のペースト状材料を練和して排出する印象材練和装置10であって、ペースト状材料を内包する袋状の容器であるパッケージ1を保持する複数の保持部21と、保持部に隣接して設けられた操作部31と、保持部を挟んで操作部の反対側に配置された抽出部11と、を有し、保持部にはパッケージを押圧する押圧部材24が設けられ、操作部には手動により操作する操作部材32が具備されており、操作部材の操作により押圧部材が移動して抽出部に前記ペースト状材料が供給され、操作部材の1回の操作による押圧部材の移動の大きさが複数の保持部ごとに異なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用の印象材を形成する少なくとも2種類のペースト状材料を練和して排出する印象材練和装置であって、
前記ペースト状材料を内包する袋状の容器であるパッケージを保持する複数の保持部と、
前記保持部に隣接して設けられた操作部と、
前記保持部を挟んで前記操作部の反対側に配置された抽出部と、を有し、
前記保持部には前記パッケージを押圧する押圧部材が設けられ、前記操作部には手動により操作する操作部材が具備されており、
前記操作部材の操作により前記押圧部材が移動して前記抽出部に前記ペースト状材料が供給され、
前記操作部材の1回の操作による前記押圧部材の移動の大きさが複数の前記保持部ごとに異なる、
印象材練和装置。
【請求項2】
前記保持部には前記押圧部材に連結されたラチェット機構が備えられ、前記ラチェット機構のラチェット刃のピッチが複数の前記保持部ごとに異なる、請求項1に記載の印象材練和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歯科分野で用いられる印象材を形成するためにペースト状材料を練和する練和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科の分野において用いられる印象材には、2種類のペースト状材料(以下、単に「ペースト」と記載することがある。)を自動練和装置で適量ずつ混合して印象材を形成することがある。これによれば印象材の作製が容易で精度もよく、作業効率を向上させることができる。このような2種類のペーストには、いくつかの公知の組み合わせがあるが、例えばアルギン酸を主成分とする基材ペーストと石膏を主成分とする硬化材ペーストとの組み合わせを挙げることができる。これら2種類のペーストは可撓性を有する材料により形成された容器であるそれぞれのパッケージに入れられている。
【0003】
特許文献1には、2種類のパッケージを設置可能とし、それぞれのパッケージから電動で自動的にペーストを抽出し、練和して提供する印象材自動練和装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-27634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、電動ではなく手動でペーストを抽出するとともに、印象材練和をより柔軟に行うことができる印象材練和装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術のような印象材自動練和装置では電動でそれぞれのパッケージからペーストを抽出して練和する。発明者は印象材練和装置を電動でなく手動とし、電気を必要とすることなくペーストを抽出することを考えた。ここで、2つのパッケージからのペーストの抽出は必ずしも同量であるとは限らず、また、場合によって抽出量を変更したいこともある。従来技術のような印象材自動練和装置では電動であることから抽出量を変更することが容易であるが、手動である場合にペーストの抽出量をパッケージごとに変えることが難しかった。これに対して発明者はペーストの抽出量をパッケージごとに変更できる手段を備える印象材練和装置を具体化して本発明を完成させた。
【0007】
本願は、歯科用の印象材を形成する少なくとも2種類のペースト状材料を練和して排出する印象材練和装置であって、ペースト状材料を内包する袋状の容器であるパッケージを保持する複数の保持部と、保持部に隣接して設けられた操作部と、保持部を挟んで操作部の反対側に配置された抽出部と、を有し、保持部にはパッケージを押圧する押圧部材が設けられ、操作部には手動により操作する操作部材が具備されており、操作部材の操作により押圧部材が移動して抽出部にペースト状材料が供給され、操作部材の1回の操作による押圧部材の移動の大きさが複数の保持部ごとに異なる、印象材練和装置である。
【0008】
保持部には押圧部材に連結されたラチェット機構が備えられ、ラチェット機構のラチェット刃のピッチが複数の保持部ごとに異なるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、手動により複数のパッケージのそれぞれからペーストを抽出して複数のペーストを練和して印象材を得ることができる。また、複数のパッケージから抽出される量を異ならしめることができ、配合割合の自由度を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1はパッケージ1の外観斜視図である。
図2図2はパッケージ1が装着された印象材練和装置10の外観斜視図である。
図3図3はパッケージ1と印象材練和装置10との分解斜視図である。
図4図4は印象材練和装置10の側面図である。
図5図5は印象材練和装置10の一部を示した外観斜視図である。
図6図6(a)は印象材練和装置10の一部を示した外観斜視図、図6(b)は図6(a)とは反対側における印象材練和装置10の一部を示した外観斜視図である。
図7図7はパッケージ1が装着された印象材練和装置50の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.パッケージ
印象材練和装置に装着され、ペーストを内包するパッケージの一例について説明する。図1にはペーストが内包されて膨らんだ状態にあるパッケージ1の外観斜視図を示した。図1からわかるように、パッケージ1は可撓性のある部材で形成された袋状の容器であり、その中にペーストが内包されている。
【0012】
パッケージ1はその一端側に円筒状の開口部2を有しており、この開口部2によりパッケージ1の内外を連通させ、ペーストを排出する。
この開口部2には、その円筒状である外周部に2つの環状部2a、2bが、開口部2の円筒の軸方向に所定の間隔で配置されている。これにより印象材練和装置10の開口保持部材22に係合し、パッケージ1の開口部2を印象材練和装置10に固定することができる。
【0013】
一方、パッケージ1のうち開口部2とは反対側には、袋を構成する材料同士の貼り合わせにより袋状とする際に耳部が形成されており、ここに2つの凹部3が設けられている(図1では一方のみしか見えず他方は反対側に具備されている。)。
【0014】
また、パッケージ1の側面部に注目すると、パッケージ1は、側部のうち広い面を有する2つの側面部4(図1では一方のみしか見えず他方は反対側に配置されている。)を有している。パッケージ1に内包されたペーストの抽出はパッケージ1に対して外側から力を付与して変形させることにより行う。具体的には後述するようにローラで絞ることやブロックで潰すこと等を挙げることができる。
なお、図1にも表したように、開口部2側の端部と凹部3側の端部とを結ぶ方向を「パッケージ長さ方向」、2つの側面部4同士を結ぶ方向を「パッケージ厚さ方向」、並びにパッケージ長さ方向及びパッケージ厚さ方向に対して直交する方向を「パッケージ幅方向」と記載することがある。
【0015】
ここで、1つのパッケージ1に内包されたペーストは、他のパッケージ1に内包された他のペーストと練和されることにより歯科で用いられる印象材を形成する。具体的な材料は印象材を形成することができれば特に限定されることはなく、公知のものを用いればよい。これには例えば一方のペーストをアルギン酸を主成分とする基材ペーストとし、他方のペーストを石膏を主成分とする硬化材ペーストとする組み合わせを挙げることができる。
【0016】
2.印象材練和装置の形態
2.1.第1形態
このようなパッケージ1を装着可能な第1形態にかかる印象材練和装置10について説明する。図2はパッケージ1が装着された印象材練和装置10の斜視図であり、図3は、パッケージ1を分離して表した印象材練和装置10の斜視図である。図4は印象材練和装置10の側面図である。
これら図からわかるように、印象材練和装置10は、下側(地面側)から抽出部11、保持部21、及び操作部31を有している。
【0017】
2.1.1.抽出部
抽出部11は、保持部21に保持されたパッケージ1内に含まれるペーストを2つのパッケージ1のそれぞれから取得し、これらを練和して排出する部位である。
抽出部11には、保持部21から抽出した2種類のペーストのそれぞれが流れる2つの配管12を有しており、2つの配管が練和機13に連結されている。そして練和機13からは抽出管14が延び、その先端開口部が抽出口14aとなる。
【0018】
従って、保持部21から抽出されたペーストが2つの配管12のそれぞれを流れて練和機13に流れ込み、練和機13で2つのペーストが練和される。本開示の印象材練和装置10は電動ではないため練和機13も電動による練和機ではなく、ペーストが練和機13を流れることで練和するように構成されている。このような練和機は公知のものを適用することができる。
そして練和機13で練和されたペーストが抽出管14を流れて抽出口14aから排出される。
【0019】
2.1.2.保持部
保持部21は、パッケージ1が保持されるとともに、パッケージ1からペーストを抽出する機構が具備されている。上記のように印象材練和装置10では2つのパッケージ1のそれぞれからペーストを抽出して練和する装置であることから、印象材練和装置10には仕切り板21aを挟んで一方側と他方側のそれぞれに保持部21が配置されており、一方側の保持部21に1つのパッケージ1、他方側の保持部21にもう1つのパッケージ1が配置できる。
そしてそれぞれの保持部21には開口保持部材22、凹部保持部材23、押圧部材24、ガイド部材25、ガイド棒26、ラチェット刃27、及び、ラチェット爪28を有している。以下、それぞれについて説明する。わかりやすさのため図5には一方の保持部21の一部を拡大した斜視図で、凹部保持部材23を除外した図を示した。また、図6にはさらに押圧部材24を除外した図を示した。図6(a)は一方側の保持部21、図6(b)は他方側の保持部21を表している。
【0020】
[開口保持部材]
開口保持部材22は、パッケージ1の開口2が固定される部材である。本形態では上記したパッケージ2の開口2に設けられた2つの環状部2a、2bの間に開口保持部材22の先端22a(図4参照)が挟まれるようスライドして固定する。このようにパッケージ1の開口2を開口保持部材22に固定することにより、パッケージ1に収納されたペーストを開口2から抽出部11へと移動させることができる。
【0021】
[凹部保持部材]
凹部保持部材23は、パッケージ1のうち開口2が配置された側とは反対側の2つの凹部3が設けられた端部を保持する部材である。本形態では凹部保持部材23は、図4によく現れているように、所定の間隔を有してパッケージ幅方向に対向するように配置された2つの片23aを備えている。この片23aをパッケージ1の凹部3に挿入するように配置して、当該凹部3が設けられた側からパッケージ1を保持する。
これにより上記開口保持部材22及び凹部保持部材23によりパッケージ1を保持部21に保持することができる。その際、本形態では開口保持部材22を下、凹部保持部材23をそれより上に配置することで、図2に表れているようにパッケージ1が開口2を下に向けて保持部21に保持されることとなりにペーストの抽出がより円滑に行われる。
【0022】
[押圧部材]
押圧部材24は、パッケージ1を押圧する部材である。押圧部材24が保持部21に配置されたパッケージ1を押圧することにより、パッケージ1に収納されたペーストが開口2から抽出される。押圧部材24は保持部21を上下(パッケージ長さ方向)に移動することができるように構成されている。パッケージ1にペーストが多いときには押圧部材24は上(凹部保持部材23に近い側)に配置され、ペーストの消費に伴ってパッケージ1を押圧しつつ下(開口保持部材22に近い側)に移動する。
【0023】
本形態で押圧部材24は2つの円筒(ローラ)24aを具備してなり(図5参照)、2つのローラ24aの間にパッケージ1を挟むことでパッケージを押圧する。すなわち、一方のローラ24aがパッケージ1の一方の側面4を押圧し、他方のローラ24aがパッケージ1の他方の側面4を押圧することで、絞るようにパッケージ1からペーストを抽出する。
【0024】
[ガイド部材]
ガイド部材25は押圧部材24が取り付けられ、押圧部材24のパッケージ長さ方向への移動(下降、上昇)のガイドをする部材である。本形態でガイド部材25はローラ24aの軸線方向両側(パッケージ幅方向)のそれぞれに配置され、ローラ24aが軸線を中心に回転可能に軸着している。
また、本形態でガイド部材25は、図6からわかるように、ラチェット爪28に連結する連動棒25aを有している。これによりラチェット爪28の移動にガイド部材25が連動し、さらにこれにローラ24aが連動する。
【0025】
[ガイド棒]
ガイド棒26はガイド部材25をガイドして押圧部材24及びガイド部材25が適切に移動(下降、上昇)するように設けられた棒状部材である。本形態でガイド棒26は、押圧部材24が移動する方向(パッケージ長さ方向)に平行に延びるように配置され、ガイド部材25に設けられた穴に通されることによりガイド部材25がガイド棒26の長手方向に沿って移動しガイドされる。
【0026】
[ラチェット刃]
ラチェット刃27はラチェット爪28と組み合わされてラチェット機構を構成する。ラチェット機構の考え方は公知の通りであるが、本形態では下方への移動が許容され上方への移動が規制される。従って本形態のラチェット刃27は直線状であり、仕切り板21aの表面に上下方向に延びるように配置されている。
なお、本形態では2つの直線状のラチェット刃27が平行して並べられている。2つのラチェット刃27が並べて配置されていることで、一方のラチェット刃によるラチェットで可動(下への移動)し、他方のラチェット刃によるラチェットによって上に戻る力を規制するように構成することもできる。
【0027】
本形態では2つの保持部21同士を比べてラチェット刃27のピッチが異なるように構成されている。具体的には図6(a)に示した一方の保持部21におけるラチェット刃27のピッチよりも図6(b)に示した他方の保持部21におけるラチェット刃27のピッチの方が小さくされている。これにより、2つの保持部21で移動の程度を変更することができ、2つの保持部21に配置されたパッケージ1ごとにペーストの抽出量を調整することが可能となる。さらに、ラチェット刃27を取り換えることができるように構成すれば、調整の自由度を高めることが可能となり、利用可能なペーストの組合せを多くして柔軟に対応することもできる。
【0028】
[ラチェット爪]
ラチェット爪28は上記したようにラチェット刃27と組み合わされてラチェット機構を構成する。ラチェット爪28は連動棒25aを介してガイド部材25に連結しており、ラチェット爪28の移動及び保持に追随してガイド部材25及び押圧部材24が移動及び保持される。
【0029】
2.1.3.操作部
操作部31は、手動で押圧部材24を下方に移動させ、必要量のペーストをパッケージ1から抽出する部位である。そのため、本形態で操作部31は保持部21うち抽出部11が配置された側とは反対側(上方)に配置されている。
本形態で操作部31は、ハンドル32、ハンドルガイド33、押圧棒34を有して構成されている。以下、各構成について説明する。
【0030】
[ハンドル・ハンドルガイド]
ハンドル32は操作者が操作する操作部材として機能する部位であり、本形態でハンドル32は棒状の部材である。ハンドル32はその一端32aが保持部21の上部に回転可能に取り付けられ、他端側が自由端とされている。
ハンドル32にはその長手方向の途中に穴32bが設けられている。この穴32bに1つの押圧棒34の一端が取り付けられている。穴32bは長手方向に並ぶように複数設けられていてもよい。
【0031】
また、ハンドル32は、ハンドル32の回転方向に延びるスリット33aを具備するハンドルガイド33の当該スリット33aの内側を通すように配置されている。これによりハンドル32がガイドされ操作容易性が高められている。
【0032】
[押圧棒]
押圧棒34は、ハンドル32を回転させた力をラチェット爪28に伝え、ラチェット爪28を押し下げるように押圧する部材である。押圧棒34はその一端(下端)が保持部21の内側でラチェット爪28を押すことができるように配置され、他端(上端)はハンドル32からの力を受けることができるように配置されている。
【0033】
本形態では図6(a)、図6(b)からわかるように、一方の保持部21(ラチェット刃27において刃のピッチが大きい側の保持部、図6(a))から延びる押圧棒34はその上端が突起34aによりハンドル32の1つの穴32bに係合している。これに対して他方の保持部21(ラチェット刃27において刃のピッチが小さい側の保持部、図6(b))から延びる押圧棒34はその上端がハンドル32と離隔して(間隔を有して)配置されており、ハンドル32が下がる過程の途中でハンドル32に接触する。
このように押圧棒34がハンドル32に接触する位置を変えることで、ハンドル32の操作に対する押圧棒34の移動量を変えることができ、その結果、ラチェット爪28の移動量、すなわち押圧部材24の移動量を調整することができ、ペーストの抽出量を調整することが可能となる。
このような調整は、押圧棒34が係合するハンドル32に設けられた穴32bの位置や、押圧棒34の先端とハンドル32との間隔を変えることにより行うことができる。
また、本形態のように2つの押圧棒34でハンドル32との接触位置を変えることで、1つのハンドルであっても複数のパッケージのそれぞれが異なる量のペーストを抽出することができる。
【0034】
2.2.第2形態
図7には、第2形態にかかる印象材練和装置50にパッケージ1が装着された斜視図を表した。上記した第1形態にかかる印象材練和装置10ではパッケージ1からペーストを押し出すための押圧部材24が2つのロール24aからなりこれにパッケージを挟むことでペーストを押し出す(絞り出す)構成であった。
これに対して第2形態にかかる印象材練和装置50では押圧部材としてブロック52が配置された保持部51が設けられている。本形態ではブロック52が上からパッケージ1を押圧することでペーストを押し出す構成である。ブロック52を押し下げてパッケージ1を押すための構造は第1形態においてローラ24aが押し下げられるものと同様に考えることができる。ただし、本形態ではパッケージ1の凹部3を保持しないため凹部保持部材23は具備されていない。
なお、効率よいパッケージ1の押圧のために、保持部にパッケージ1を囲むように壁が設けられてもよい。
【0035】
3.作用、効果等
印象材練和装置10、50では、図4にAで示したようにハンドル32を下げるように操作することで、2つの押圧棒34のそれぞれが下方に移動して2つの保持部21、51において押圧部材24、52を押圧し、これによりそれぞれのパッケージ1が押しつぶされて必要量のペーストがパッケージ1から抽出される。2つのパッケージ1から抽出されたペーストは抽出部11で練和機13により練和されて抽出口14aから出射される。
【0036】
このとき、上記したように1回の操作において、保持部21ごとに押圧棒34による押圧部材24、52の押圧量が個別に調整可能とされるとともに、ラチェット機構のラチェット刃27の刃のピッチも異なることから、2つの保持部21でペーストの抽出量を異なるものとして適切な分量を抽出できる。従って、ペーストの組合せや周囲環境による配合割合の調整も高い自由度で行うことができる。
また、これらは電動によるものでなく手動により可能であるため、省エネルギー化や設置場所の制約緩和が可能となる。
【符号の説明】
【0037】
1…パッケージ、10…印象材練和装置、11…抽出部、21…保持部、22…開口保持部材、23…凹部保持部材、24…押圧部材、24a…ローラ、25…ガイド部材、26…ガイド棒、27…ラチェット刃、28…ラチェット爪、31…操作部、32…ハンドル、34…押圧棒、50…印象材練和装置、51…保持部、52…押圧部材(ブロック)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7