(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048558
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】イベント情報提供システム、管理装置、及びイベント情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240402BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154526
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100157967
【弁理士】
【氏名又は名称】管田 洋明
(72)【発明者】
【氏名】三浦 成彦
(72)【発明者】
【氏名】山内 敏也
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC07
2F129CC18
2F129CC33
2F129CC34
2F129DD24
2F129DD58
2F129DD65
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE55
2F129EE57
2F129EE67
2F129EE87
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF41
2F129FF65
2F129FF69
2F129FF75
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB20
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC14
5H181MC17
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】発生したイベントが目的地までの経路上での車両の移動に与える影響の度合いを、その車両の乗員に提供可能にする。
【解決手段】管理装置は、第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得し、イベント発生エリアを判定し、経路の少なくとも一部がイベント発生エリアに含まれる場合に、イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定し、第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行い、第2の車両に搭載された車載装置から映像データを取得し、映像データを解析し、その解析の結果に基づいて、第1の車両が経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定し、リスクランクに関する情報と映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を第1の車両に搭載された車載装置に提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置を含むイベント情報提供システムであって、
前記管理装置は、
第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得する経路情報取得部と、
イベント発生エリアを判定するイベント発生エリア判定部と、
前記経路の少なくとも一部が前記イベント発生エリアに含まれる場合に、前記イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定する特定部と、
前記第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行う映像データ要求部と、
前記第2の車両に搭載された車載装置から前記映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に基づいて、前記第1の車両が前記経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定するリスクランク判定部と、
前記リスクランクに関する情報と前記映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を前記第1の車両に搭載された車載装置に提供するイベント情報提供部と、
を備え、
前記第2の車両に搭載された車載装置は、
前記第2の車両の周囲の少なくとも一部を撮像して前記映像データを生成する撮像部と、
前記管理装置から前記映像データの要求を取得する要求取得部と、
前記要求取得部により前記要求が取得された場合に、前記撮像部により生成された前記映像データを前記管理装置に提供する映像データ提供部と、
を備え、
前記第1の車両に搭載された車載装置は、
表示部と、
前記管理装置から前記イベント情報を取得するイベント情報取得部と、
前記第1の車両の現在位置と前記経路とが示された地図と共に、前記イベント情報に基づいて、前記リスクランクと前記映像データが表す映像と前記イベント発生位置とを、前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える
ことを特徴とするイベント情報提供システム。
【請求項2】
前記第1の車両に搭載された車載装置は、
前記リスクランクが所定ランク以上である場合に、前記イベント発生位置を回避する代替経路を探索する代替経路探索部、
を更に備え、
前記表示制御部は、前記リスクランクが所定ランク以上である場合に、前記代替経路を提案可能である旨の通知を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1記載のイベント情報提供システム。
【請求項3】
前記リスクランクが所定ランク未満である場合、
前記管理装置では、前記イベント情報提供部が前記イベント情報を提供した後に、前記特定部による特定、前記映像データ要求部による要求、前記映像データ取得部による取得、及び前記イベント情報提供部による前記第1の車両に搭載された車載装置への前記映像データの提供を繰り返し行い、
前記第1の車両に搭載された車載装置では、前記表示制御部が、前記地図と共に前記リスクランクと前記映像と前記イベント発生位置とを前記表示部に表示させた後に、前記映像に続けて、前記管理装置から繰り返し提供される前記映像データが表す映像を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1記載のイベント情報提供システム。
【請求項4】
第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得する経路情報取得部と、
イベント発生エリアを判定するイベント発生エリア判定部と、
前記経路の少なくとも一部が前記イベント発生エリアに含まれる場合に、前記イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定する特定部と、
前記第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行う映像データ要求部と、
前記第2の車両に搭載された車載装置から前記映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に基づいて、前記第1の車両が前記経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定するリスクランク判定部と、
前記リスクランクに関する情報と前記映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を前記第1の車両に搭載された車載装置に提供するイベント情報提供部と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項5】
第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得し、
イベント発生エリアを判定し、
前記経路の少なくとも一部が前記イベント発生エリアに含まれる場合に、前記イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定し、
前記第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行い、
前記第2の車両に搭載された車載装置から前記映像データを取得し、
前記映像データを解析し、
前記解析の結果に基づいて、前記第1の車両が前記経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定し、
前記リスクランクに関する情報と前記映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を前記第1の車両に搭載された車載装置に提供する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするイベント情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然災害、事故、渋滞等のイベントの状況を撮像した映像を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された撮像機器により撮像された映像を、他の車両に提供可能にしたシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、交通情報を解析することで渋滞発生が予想されるエリアを決定し、当該エリアを走行する車両に道路状況を撮影するよう指示し、当該車両で撮影された画像を取得し、当該画像に基づく道路状況確認用情報を第三者車両からアクセス可能なネットワークへ提供するようにしたシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーナビゲーションシステムを利用して車両が目的地までの経路を移動する場合、その経路上で車両の移動に影響を与えるイベントが発生することがある。例えば、集中豪雨による冠水や土砂崩れ等の自然災害、事故、渋滞等のイベントが考えられる。従来では、そのような場合に、発生したイベントが車両の移動に与える影響の度合いを、その車両の乗員に提供する技術は存在しなかった。
【0006】
1つの側面において、本発明は、発生したイベントが目的地までの経路上での車両の移動に与える影響の度合いを、その車両の乗員に提供可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの態様のイベント情報提供システムは、管理装置を含む。管理装置は、経路情報取得部と、イベント発生エリア判定部と、特定部と、映像データ要求部と、映像データ取得部と、解析部と、リスクランク判定部と、イベント情報提供部とを備える。経路情報取得部は、第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得する。イベント発生エリア判定部は、イベント発生エリアを判定する。特定部は、経路の少なくとも一部がイベント発生エリアに含まれる場合に、イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定する。映像データ要求部は、第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行う。映像データ取得部は、第2の車両に搭載された車載装置から映像データを取得する。解析部は、映像データを解析する。リスクランク判定部は、解析部による解析結果に基づいて、第1の車両が経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定する。イベント情報提供部は、リスクランクに関する情報と映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を第1の車両に搭載された車載装置に提供する。第2の車両に搭載された車載装置は、撮像部と、要求取得部と、映像データ提供部とを備える。撮像部は、第2の車両の周囲の少なくとも一部を撮像して映像データを生成する。要求取得部は、管理装置から映像データの要求を取得する。映像データ提供部は、要求取得部により要求が取得された場合に、撮像部により生成された映像データを管理装置に提供する。第1の車両に搭載された車載装置は、表示部と、イベント情報取得部と、表示制御部とを備える。イベント情報取得部は、管理装置からイベント情報を取得する。表示制御部は、第1の車両の現在位置と経路とが示された地図と共に、イベント情報に基づいて、リスクランクと映像データが表す映像とイベント発生位置とを、表示部に表示させる。
【0008】
本開示の1つの態様の管理装置は、経路情報取得部と、イベント発生エリア判定部と、特定部と、映像データ要求部と、映像データ取得部と、解析部と、リスクランク判定部と、イベント情報提供部とを備える。経路情報取得部は、第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得する。イベント発生エリア判定部は、イベント発生エリアを判定する。特定部は、経路の少なくとも一部がイベント発生エリアに含まれる場合に、イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定する。映像データ要求部は、第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行う。映像データ取得部は、第2の車両に搭載された車載装置から映像データを取得する。解析部は、映像データを解析する。リスクランク判定部は、解析部による解析結果に基づいて、第1の車両が経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定する。イベント情報提供部は、リスクランクに関する情報と映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を第1の車両に搭載された車載装置に提供する。
【0009】
本開示の1つの態様のイベント情報提供方法は、第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得し、イベント発生エリアを判定し、経路の少なくとも一部がイベント発生エリアに含まれる場合に、イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定し、第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行い、第2の車両に搭載された車載装置から映像データを取得し、映像データを解析し、解析の結果に基づいて、第1の車両が経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定し、リスクランクに関する情報と映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を第1の車両に搭載された車載装置に提供する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0010】
発生したイベントが目的地までの経路上での車両の移動に与える影響の度合いを、その車両の乗員に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】イベント情報提供システムの構成を例示する図である。
【
図4】コンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【
図5】管理装置において実行される処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、イベント情報提供システム1の構成を例示する図である。
【0014】
図1に例示したイベント情報提供システム1は、管理装置10と、複数の車両20の各々に搭載された車載装置30とを含む。管理装置10と各車載装置30は、通信ネットワーク40に接続され、管理装置10と各車載装置30は、通信ネットワーク40を介して通信可能である。また、通信ネットワーク40には、イベント発生情報提供サーバ50や地図サーバ60も接続され、例えば、管理装置10とイベント発生情報提供サーバ50や、各車載装置30と地図サーバ60も、通信ネットワーク40を介して通信可能である。
図1には、その他、車載装置30を搭載しない車両70も示している。
【0015】
以下において、第1の車両20は、複数の車両20の何れかであるとし、第2の車両20は、複数の車両20の何れかであって第1の車両20とは異なる車両20であるとする。
【0016】
管理装置10は、第1の車両20(例えば20a)の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を、第1の車両20に搭載された車載装置30から取得する。また、管理装置10は、集中豪雨による冠水や土砂崩れ等の自然災害、事故、渋滞等のイベントが発生しているイベント発生エリアを判定する。この判定は、例えば、イベント発生情報提供サーバ50から提供されるイベント発生情報に基づいて行われる。また、管理装置10は、経路情報が示す経路の少なくとも一部がイベント発生エリアに含まれる場合に、そのイベント発生エリアに存在する第2の車両20(例えば20b)を特定し、その第2の車両20に搭載された車載装置30に映像データの要求を行い、その車載装置30から映像データを取得する。そして、管理装置10は、取得した映像データを解析し、その解析結果に基づいて、経路情報が示す経路を第1の車両20が移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定し、当該リスクランクに関する情報と映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を、第1の車両20に搭載された車載装置30に提供する。管理装置10は、例えば、サーバ等のコンピュータである。
【0017】
各車載装置30は、地図サーバ60から取得した地図データと、当該車載装置30の現在位置とに基づいて、当該車載装置30が搭載された車両20の目的地までの経路を探索し、目的地までの経路案内(ナビゲーション)を行う。このときの目的地は、例えば、車両20の乗員により入力される。また、各車載装置30は、探索した経路に関する情報を含む経路情報を管理装置10に送信する。
【0018】
また、各車載装置30は、当該車載装置30が搭載された車両20の周囲の少なくとも一部(例えば車両20の前方)を撮像して映像データを生成する。そして、各車載装置30は、管理装置10から映像データの要求を取得すると、生成した映像データを管理装置10に提供する。例えば、車両20bに搭載された車載装置30は、管理装置10から映像データの要求を取得すると、前方の状況31を撮像した映像データを管理装置10に提供する。
【0019】
また、各車載装置30は、管理装置10からイベント情報を取得すると、当該車載装置30が搭載された車両20の現在位置と目的地までの経路とが示された地図と共に、イベント情報に基づいて、リスクランクと映像データが表す映像とイベント発生位置とを表示する。例えば、車両20aに搭載された車載装置30は、管理装置10からイベント情報を取得すると、車両20aの現在位置と目的地までの経路とが示された地図(不図示)と共に、イベント情報に基づいて、イベント発生位置(不図示)と、映像データが表す映像32と、リスクランクとしての「リスクA」を含む関連メッセージ33等を表示する。
【0020】
イベント発生情報提供サーバ50は、集中豪雨による冠水や土砂崩れ等の自然災害、事故、渋滞等、発生しているイベントに関する情報を含むイベント発生情報を管理装置10等に提供する。イベント発生情報は、例えば、発生しているイベントの内容やイベント発生位置に関する情報を含む。なお、冠水等の自然災害や渋滞等のようにイベントが広範な範囲で発生している場合には、例えば、その範囲の中心位置がイベント発生位置とされる。このようなイベント発生情報の提供は、例えば、イベントが発生したタイミング又は定期的に行われる。イベント発生情報提供サーバ50は、自然災害発生情報提供サーバ、事故発生情報提供サーバ、渋滞発生情報提供サーバ等の複数のサーバによって実現されてもよい。
【0021】
地図サーバ60は、地図データを各車載装置30等に提供する。この提供は、例えば、地図データが更新される度に行われる。
【0022】
このようなイベント情報提供システム1では、車両20の目的地までの経路上で発生したイベントが、その車両20の移動に与える影響の度合いを、その車両の乗員に提供することが可能である。以下、イベント情報提供システム1について、より詳細に説明する。
【0023】
図2は、管理装置10の機能構成を例示する図である。
【0024】
図2に例示した管理装置10は、制御部101と、記憶部102と、通信部103とを含む。
【0025】
制御部101は、管理装置10の各部を制御する。
【0026】
また、制御部101は、経路情報取得部111と、イベント発生エリア判定部112と、特定部113と、映像データ要求部114と、映像データ取得部115と、解析部116と、リスクランク判定部117と、イベント情報提供部118とを含む。
【0027】
経路情報取得部111は、第1の車両20の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を、通信部103を介して、その第1の車両20に搭載された車載装置30から取得する。
【0028】
イベント発生エリア判定部112は、集中豪雨による冠水や土砂崩れ等の自然災害、事故、渋滞等のイベントが発生しているイベント発生エリアを判定する。この判定は、例えば、イベント発生情報提供サーバ50から提供されるイベント発生情報に基づいて行われる。この場合、判定されるイベント発生エリアは、例えば、イベント発生情報が示すイベント発生位置を中心とする半径が所定距離の範囲のエリアとされる。
【0029】
特定部113は、経路情報取得部111により取得された経路情報が示す経路の少なくとも一部が、イベント発生エリア判定部112により判定されたイベント発生エリアに含まれる場合に、そのイベント発生エリアに存在する第2の車両20を特定する。このときに特定される第2の車両20は、例えば、イベント発生エリアに存在する車両20のうち、イベント発生情報が示すイベント発生位置に最も近い車両20、又は、経路情報が示す経路上を移動する車両20であってイベント発生情報が示すイベント発生位置に最も近い車両20とされる。このような第2の車両20の特定は、例えば、記憶部102に記憶されている車両位置情報に基づいて行われる。車両位置情報は、各車両20の現在位置情報(各車載装置30の現在位置情報でもある)を含む。各車両20の現在位置情報は、当該車両20に搭載された車載装置30の識別子と現在位置に関する情報とを含む。なお、車両位置情報において、各車両20の現在位置情報は、例えば、当該車両20に搭載された車載装置30から管理装置10に定期的に送信される現在位置情報に基づいて、その都度更新される。このような車両位置情報の更新は、制御部101が行うようにしてもよい。なお、各車両20に搭載された車載装置30から管理装置10に定期的に送信される現在位置情報は、プローブ情報、又は、プローブ情報の一部ということもできる。
【0030】
映像データ要求部114は、特定部113により特定された第2の車両20に搭載された車載装置30に対し、通信部103を介して、映像データの要求を行う。
【0031】
映像データ取得部115は、特定部113により特定された第2の車両20に搭載された車載装置30から、通信部103を介して、映像データを取得する。
【0032】
解析部116は、映像データ取得部115により取得された映像データを解析する。例えば、解析部116は、AI(Artificial Intelligence)等の技術を用いて映像データを解析し、映像データが表す映像に表されているイベントの程度を判定する。なお、映像に表されているイベントの内容(冠水や土砂崩れ等の自然災害、事故、渋滞等)は、映像データを解析することで判定されてもよいし、イベント発生情報提供サーバ50から提供されたイベント発生情報に基づいて判定されてもよい。イベントの程度は、例えば、冠水や土砂崩れ等の自然災害の程度、事故の程度、渋滞の程度等である。この場合、自然災害の程度は、映像に表されている自然災害の危険度が高いものほど高くなるとし、事故の程度は、映像に表されている事故の規模が大きいものほど高くなるとし、渋滞の程度は、映像に表されている渋滞中の車両の移動速度が遅いものほど高くなって移動速度がゼロのもので最も高くなるとしてもよい。
【0033】
リスクランク判定部117は、解析部116による解析結果に基づいて、経路情報取得部111により取得された経路情報が示す経路を第1の車両20が移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定する。このときに判定されるリスクランクは、例えば、その経路での第1の車両20の移動困難性が高くなるほど高くなるとしてもよい。この場合、移動困難性は、解析部116による解析結果として判定されたイベントの程度が高いものほど高くなるとしてもよい。判定されるリスクランクの種類は、少なくとも2種類以上であり、例えば、リスクA、リスクBといった2種類である。この場合、リスクAは、リスクBよりもリスクランクが高い。
【0034】
イベント情報提供部118は、リスクランク判定部117により判定されたリスクランクに関する情報と、映像データ取得部115により取得された映像データと、イベント発生情報提供サーバ50から提供されたイベント発生情報が示すイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を、通信部103を介して、第1の車両20に搭載された車載装置30に提供する。
【0035】
記憶部102は、車両位置情報、経路情報取得部111により取得された経路情報、イベント発生情報提供サーバ50から提供されたイベント発生情報、映像データ取得部115により取得された映像データ、リスクランク判定部117により判定されたリスクランクに関する情報等を記憶する。
【0036】
通信部103は、通信ネットワーク40を介して、外部の装置(車載装置30、イベント発生情報提供サーバ50等)と通信を行う。
【0037】
図3は、車載装置30の機能構成を例示する図である。
【0038】
図3に例示した車載装置30は、制御部301と、撮像部302と、現在位置検出部303と、表示部304と、記憶部305と、通信部306とを含む。
【0039】
制御部301は、車載装置30の各部を制御する。
【0040】
また、制御部301は、定期的に、車載装置30の識別子と、現在位置検出部303により検出された現在位置(車載装置30の現在位置)に関する情報とを含む現在位置情報を、通信部306を介して、管理装置10に送信する。
【0041】
また、制御部301は、地図サーバ60から通信部306を介して取得した地図データと、現在位置検出部303により検出された現在位置(車載装置30の現在位置)とに基づいて、当該車載装置30が搭載された車両20の目的地までの経路を探索し、目的地までの経路案内を行う。このときの目的地は、例えば、車両20の乗員により入力される。また、制御部301は、探索した経路に関する情報を含む経路情報を、通信部306を介して、管理装置10に送信する。このときの経路情報には、車載装置30の識別子が含まれてもよい。
【0042】
また、制御部301は、要求取得部311と、映像データ提供部312と、イベント情報取得部313と、表示制御部314と、代替経路探索部315とを含む。
【0043】
要求取得部311は、通信部306を介して、管理装置10から映像データの要求を取得する。
【0044】
映像データ提供部312は、要求取得部311により映像データの要求が取得された場合に、撮像部302により生成された映像データを、通信部306を介して、管理装置10に提供する。このときに提供される映像データは、例えば、直近に撮像部302により生成された映像データである。
【0045】
イベント情報取得部313は、通信部306を介して、管理装置10からイベント情報を取得する。
【0046】
表示制御部314は、当該車載装置30が搭載された車両20の現在位置(現在位置検出部303により検出された現在位置)と目的地までの経路とが示された地図と共に、イベント情報取得部313により取得されたイベント情報に基づいて、リスクランクと映像データが表す映像とイベント発生位置とを、表示部304に表示させる。このときは、関連するメッセージ等を更に表示部304に表示させるようにしてもよい。
【0047】
また、表示制御部314は、イベント情報が示すリスクランクが所定ランク以上(例えば、リスクA以上)である場合に、代替経路探索部315により探索された代替経路を提案可能である旨の通知を表示部304に表示させる。この場合、当該車載装置30が搭載された車両20の乗員は、当該車載装置30に対する入力により、提案された代替経路の閲覧、選択が可能であり、また、選択した代替経路に沿って目的地までの経路案内を行わせることも可能である。
【0048】
代替経路探索部315は、イベント情報取得部313により取得されたイベント情報が示すリスクランクが所定ランク以上(例えば、リスクA以上)である場合に、そのイベント情報が示すイベント発生位置を回避する代替経路を探索する。
【0049】
撮像部302は、当該車載装置30が搭載された車両20の周囲の少なくとも一部(例えば車両20の前方)を撮像して映像データを生成する。例えば、撮像部302は、所定時間間隔毎の映像データを生成する。
【0050】
現在位置検出部303は、現在位置(当該車載装置30の現在位置)を検出する。
【0051】
表示部304は、表示制御部314による上述の表示等、各種の表示を行う。
【0052】
記憶部305は、地図サーバ60から取得された地図データ、撮像部302により生成された映像データ、現在位置検出部303により検出された現在位置に関する情報、イベント情報取得部313により取得されたイベント情報、探索された経路や代替経路探索部315により探索された代替経路に関する情報等を記憶する。
【0053】
通信部306は、通信ネットワーク40を介して、外部の装置(管理装置10、地図サーバ60等)と通信を行う。
【0054】
なお、管理装置10や車載装置30は、
図4に例示するハードウェア構成を有するコンピュータ80により実現されてもよい。
【0055】
図4は、コンピュータ80のハードウェア構成を例示する図である。
【0056】
図4に例示したコンピュータ80は、プロセッサ801、メモリ802、記憶装置803、読取装置804、通信インタフェース806、及び入出力インタフェース807を含み、それらは、データバス808を介して相互にデータの送受信が可能に接続されている。
【0057】
プロセッサ801は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ801は、メモリ802を利用して、プログラム(例えば、後述する処理の手順を記述したプログラム)を実行することで、管理装置10の制御部101や、車載装置30の制御部301として機能する。
【0058】
なお、プロセッサ801には、カメラ811、GPS機器812が接続されていてもよい。カメラ811は、例えばCCDやCMOS等のイメージセンサを含む。GPS機器812は、現在位置を検出するセンサを含む。コンピュータ80により車載装置30を実現する場合には、カメラ811、GPS機器812が、撮像部302、現在位置検出部303の機能を提供してもよい。なお、GPSは、Global Positioing Systemの略称である。CCDは、Charge Coupled Deviceの略称である。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。
【0059】
メモリ802は、例えば半導体メモリであり、RAM領域及びROM領域を含む。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。ROMは、Read Only Memoryの略称である。
【0060】
記憶装置803は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、または外部記憶装置である。コンピュータ80により管理装置10を実現する場合には、記憶装置803が記憶部102の機能を提供してもよい。コンピュータ80により車載装置30を実現する場合には、記憶装置803が記憶部305の機能を提供してもよい。
【0061】
読取装置804は、プロセッサ801の指示に従って着脱可能記憶媒体805にアクセスする。着脱可能記憶媒体805は、例えば、半導体デバイス(USBメモリ等)、磁気的作用により情報が入出力される媒体(磁気ディスク等)、光学的作用により情報が入出力される媒体(CD-ROM、DVD等)などにより実現される。なお、USBは、Universal Serial Busの略称である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
【0062】
通信インタフェース806は、プロセッサ801の指示に従って、各種の通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク40)を介して通信する。コンピュータ80により管理装置10を実現する場合には、通信インタフェース806が通信部103の機能を提供してもよい。コンピュータ80により車載装置30を実現する場合には、通信インタフェース806が通信部306の機能を提供してもよい。
【0063】
入出力インタフェース807は、入力デバイス813、出力デバイス814とのインタフェースを提供する。入力デバイス813は、キーボード、マウス装置、ボタンスイッチ、タッチパネル等である。出力デバイス814は、表示装置、オーディオ出力装置等である。コンピュータ80により車載装置30を実現する場合には、出力デバイス814が表示部304の機能を提供し、入力デバイス813が乗員による入力等に使用されてもよい。
【0064】
コンピュータ80のプロセッサ801により実行されるプログラムは、例えば、下記の形態で提供される。
(1)記憶装置803に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体805により提供される。
(3)プログラムサーバから通信ネットワークを介して提供される。
【0065】
なお、コンピュータ80のハードウェア構成は、例示であり、実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、構成の一部が、削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。また、例えば、上述の機能構成の一部または全部の機能が、FPGA、SoC、ASIC、PLDなどによるハードウェアとして実装されてもよい。なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。SoCは、System-on-a-chipの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。PLDは、Programmable Logic Deviceの略称である。
【0066】
次に、イベント情報提供システム1において実行される処理について、管理装置10で実行される処理を中心に説明する。
【0067】
図5は、管理装置10において実行される処理を例示するフローチャートである。
図6は、映像データが表す映像32を例示する図である。
【0068】
図5に例示した処理では、S101において、管理装置10の制御部101(経路情報取得部111)は、第1の車両20の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を、その第1の車両20に搭載された車載装置30から取得する。
【0069】
次に、S102において、制御部101(イベント発生エリア判定部112)は、集中豪雨による冠水や土砂崩れ等の自然災害、事故、渋滞等のイベントが発生しているイベント発生エリアを判定する。この判定は、例えば、イベント発生情報提供サーバ50から提供されるイベント発生情報に基づいて行われる。
【0070】
次に、S103において、制御部101(特定部113)は、S101で取得された経路情報が示す経路の少なくとも一部が、S102で判定されたイベント発生エリアに含まれる場合に、そのイベント発生エリアに存在する第2の車両20を特定する。このときに特定される第2の車両20は、例えば、イベント発生エリアに存在する車両20のうち、イベント発生情報が示すイベント発生位置に最も近い車両20、又は、経路情報が示す経路上を移動する車両20であってイベント発生情報が示すイベント発生位置に最も近い車両20とされる。
【0071】
次に、S104において、制御部101(映像データ要求部114)は、S103で特定された第2の車両20に搭載された車載装置30に映像データの要求を行う。
【0072】
S104の処理によって映像データの要求が行われた第2の車両20に搭載された車載装置30は、その要求を取得すると、撮像部302が生成した映像データ(例えば、直近に撮像部302が生成した映像データ)を管理装置10に提供する。
【0073】
S104の後、S105において、制御部101(映像データ取得部115)は、S103で特定された第2の車両20に搭載された車載装置30から映像データを取得する。
【0074】
次に、S106において、制御部101(解析部116)は、S105で取得された映像データを解析する。例えば、その映像データを解析して、映像データが表す映像(例えば、
図6に例示する映像32)に表されているイベントの程度を判定する。例えば、
図6に例示した映像32では、道路中央付近に横転車両34が認識され、イベントの程度として、事故の程度が高いと判定される。
【0075】
次に、S107において、制御部101(リスクランク判定部117)は、S106での解析結果に基づいて、S101で取得された経路情報が示す経路を第1の車両20が移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定する。例えば、S106で解析された映像データが表す映像が、
図6に例示した映像32であった場合には、事故の程度が高いと判定されていることから、高いリスクランク(例えば、リスクA)が判定される。
【0076】
次に、S108において、制御部101(イベント情報提供部118)は、S107で判定されたリスクランクに関する情報と、S105で取得された映像データと、イベント発生情報提供サーバ50から提供されたイベント発生情報が示すイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を、第1の車両20に搭載された車載装置30に提供する。
【0077】
S108が終了すると、
図5に例示した処理が終了する。
【0078】
S108の処理によってイベント情報が提供された第1の車両20に搭載された車載装置30は、そのイベント情報を取得すると、当該車両20(当該車載装置30)の現在位置と目的地までの経路とが示された地図と共に、イベント情報に基づいて、リスクランクと映像データが表す映像とイベント発生位置とを、表示部304に表示する。
【0079】
このときの表示部304の表示画面例を、
図7を用いて説明する。
【0080】
【0081】
図7に表示画面例として示した表示画面90には、第1の車両20の現在位置を示す現在位置アイコン901と目的地までの経路902とが示された地
図903と共に、イベント発生位置を示すイベント発生位置アイコン904と、映像データが表す映像32と、リスクランクとしての「リスクA」を含む関連メッセージ33とが表示されている。
【0082】
また、この例では、リスクランクがリスクA以上である場合に、代替経路探索部315がイベント発生位置を回避する代替経路を探索すると共に、表示制御部314が代替経路を提案可能である旨の通知を表示させようにしており、関連メッセージ33には、その通知として、「代替ルートを提案します。」というメッセージも含まれている。このときは、例えば、乗員が車載装置30に対する入力を行うことで、代替経路の閲覧、選択が可能であり、また、選択した代替経路に沿って目的地までの経路案内を行わせることも可能である。
【0083】
また、関連メッセージ33には、更に、イベント発生内容としての「横転事故発生。」というメッセージや、それに伴う渋滞の解消に要する予想時間としての「渋滞解消まで3時間かかることを予想しています。」というメッセージも含まれている。これらのメッセージは、例えば、管理装置10から提供されたイベント情報に含まれる付加情報に基づいて制御部301が生成し、それを表示制御部314が表示させるようにしてもよい。付加情報は、例えば、管理装置10の制御部101が、イベント発生情報提供サーバ50から提供されたイベント発生情報に基づいて生成し、それをイベント情報提供部118がイベント情報に含ませるようにしてもよい。なお、渋滞の解消に要する予想時間は、過去の事故事例データに基づいて算出されるものであってもよい。また、その算出を、管理装置10の制御部101が行ってもよいし、イベント発生情報提供サーバ50が行ってもよい。その算出をイベント発生情報提供サーバ50が行う場合は、その算出結果を含むイベント発生情報を管理装置10に提供するようにしてもよい。
【0084】
なお、
図7に表示画面例として示した表示画面90は、経路案内中の表示画面上に、イベント発生位置アイコン904、映像32、関連メッセージ33等が重畳表示されたものでもある。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、第1の車両20に搭載された車載装置30の表示部304に、
図7に示した表示画面例のように、第1の車両20の現在位置と目的地までの経路とが示された地図と共に、リスクランクと映像データが表す映像(例えばイベント発生位置の映像)とイベント発生位置とを表示させることができる。従って、表示されたリスクランク等によって、発生したイベントが目的地までの経路上での第1の車両20の移動に与える影響の度合いを、その第1の車両20の乗員に提供することができる。
【0086】
また、リスクランクが高い場合には、代替経路の提案等が行われるので、乗員は、提案された代替経路を閲覧、選択して、経路案内を行わせることで、イベント発生位置を回避した代替経路に沿って経路案内を行わせることができる。
【0087】
なお、本実施の形態において、リスクランクが高くない場合には、次のような処理が行われてもよい。例えば、管理装置10において、リスクランク判定部117により判定されたリスクランクが所定ランク未満(例えば、リスクA未満)である場合(例えば、リスクBである場合)は、上述のようにイベント情報提供部118がイベント情報を提供した後に、特定部113による特定、映像データ要求部114による要求、映像データ取得部115による取得、及びイベント情報提供部118による第1の車両20に搭載された車載装置30への映像データの提供を繰り返し行うようにしてもよい。そして、第1の車両20に搭載された車載装置30においては、イベント情報取得部313により取得されたイベント情報が示すリスクランクが所定ランク未満(例えば、リスクA未満)である場合(例えば、リスクBである場合)に、表示制御部314が、上述のように第1の車両20の現在位置と目的地までの経路とが示された地図と共にリスクランクと映像データが表す映像とイベント発生位置とを表示部304に表示させた後に、その映像に続けて、管理装置10から繰り返し提供される映像データが表す映像を表示部304に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、リスクランクが高くない場合には、当初の経路に沿った経路案内が継続され、表示部304には最新の映像(例えば、イベント発生位置の映像)が継続して表示されるようになる。
【0088】
本実施の形態では、車載装置30が車両20の目的地までの経路を探索したが、この探索を、通信ネットワーク40に接続された他の装置(例えば管理装置10や地図サーバ60や図示しない他のサーバ)が行うようにしてもよい(但し、代替経路の探索を除く)。この場合は、車載装置30が、当該車載装置30の識別子と車両20の目的地と車両20の現在位置等に関する情報を他の装置に送信し、他の装置が、車両20の目的地と車両20の現在位置に関する情報と地図データとに基づいて目的地までの経路を探索し、探索した経路に関する情報を車載装置30に送信するようにしてもよい。また、他の装置が管理装置10以外の装置である場合は、他の装置が管理装置10に経路情報を送信するようにしてもよい。このときの経路情報には、探索された経路に関する情報の他、管理装置10が車載装置30を特定可能なように、車載装置30から送信された当該車載装置30の識別子も含まれるようにしてもよい。
【0089】
本実施の形態では、管理装置10のイベント発生エリア判定部112が、イベント発生情報提供サーバ50から提供されるイベント発生情報に基づいてイベント発生エリアを判定したが、それに代えて又はそれに加えて、イベント発生エリア判定部112が、各車両20の車載装置30から管理装置10に定期的に送信されるプローブ情報に基づいてイベント発生エリアを判定するようにしてもよい。この場合は、各車両20の車載装置30がプローブ情報を定期的に管理装置10に送信し、そのプローブ情報に基づいてイベント発生エリア判定部112がイベント発生エリアを判定すればよい。プローブ情報は、例えば、車載装置30の識別子、車両20(車載装置30)の現在位置、速度等の情報を含む。例えば、イベント発生エリア判定部112は、各車両20の車載装置30から定期的に送信されるプローブ情報に基づいて各車両20の現在位置及び速度をモニターすることで渋滞発生エリアを判定するようにしてもよい。また、この場合は、イベント発生エリア判定部112が、更に、渋滞発生位置(イベント発生位置)を判定するようにしてもよい。
【0090】
リスクランク判定部117は、映像データの解析結果と、各車両20の車載装置30から管理装置10に定期的に送信されるプローブ情報に基づいて、リスクランクを判定してもよい。例えば、映像データを解析した結果、単位時間当たりの映像の動き変化が少なく、プローブ情報の速度も低速の場合に、リスクランク判定部117は、大渋滞が発生しているものとして、リスクランクをA判定としてもよい。
【0091】
なお、以上までに説明した実施の形態には、下記のプログラムや当該プログラムを記録した記録媒体の実施の形態も含まれている。
【0092】
第1の車両の目的地までの経路に関する情報を含む経路情報を取得し、
イベント発生エリアを判定し、
前記経路の少なくとも一部が前記イベント発生エリアに含まれる場合に、前記イベント発生エリアに存在する第2の車両を特定し、
前記第2の車両に搭載された車載装置に映像データの要求を行い、
前記第2の車両に搭載された車載装置から前記映像データを取得し、
前記映像データを解析し、
前記解析の結果に基づいて、前記第1の車両が前記経路を移動し続けるリスクのランクであるリスクランクを判定し、
前記リスクランクに関する情報と前記映像データとイベント発生位置に関する情報とを含むイベント情報を前記第1の車両に搭載された車載装置に提供する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0093】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 イベント情報提供システム
10 管理装置
20 車両
30 車載装置
31 状況
32 映像
33 関連メッセージ
34 横転車両
40 通信ネットワーク
50 イベント発生情報提供サーバ
60 地図サーバ
70 車両
80 コンピュータ
90 表示画面
101 制御部
102 記憶部
103 通信部
111 経路情報取得部
112 イベント発生エリア判定部
113 特定部
114 映像データ要求部
115 映像データ取得部
116 解析部
117 リスクランク判定部
118 イベント情報提供部
301 制御部
302 撮像部
303 現在位置検出部
304 表示部
305 記憶部
306 通信部
311 要求取得部
312 映像データ提供部
313 イベント情報取得部
314 表示制御部
315 代替経路探索部
801 プロセッサ
802 メモリ
803 記憶装置
804 読取装置
805 着脱可能記憶媒体
806 通信インタフェース
807 入出力インタフェース
808 データバス
811 カメラ
812 GPS機器
813 入力デバイス
814 出力デバイス
901 現在位置アイコン
902 経路
903 地図
904 イベント発生位置アイコン