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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048579
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】エレベータのモータ取付構造
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
B66B13/30 E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154576
(22)【出願日】2022-09-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 寛
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307BA01
3F307BA02
3F307CB00
3F307CB01
(57)【要約】
【課題】モータの交換作業が容易に行えるエレベータのモータ取付構造を提供する。
【解決手段】かご出入口の上方に配置される縦向きのフレーム2の上端部に備える水平部2Bに、かごドア開閉操作用のモータ3を支持するブラケット15を取り付けたエレベータのモータ取付構造であって、水平部2Bには、ブラケット15を固定するためのボルト19が貫通した状態で設けられ、ブラケット15には、ボルト19の軸部19Aへの挿入を許容する切欠き20,21が備えられ、切欠き20,21は、かご出入口側端から奥行方向奥側に延びる第1切欠部20A,21Aと、第1切欠部20A,21Aの奥行方向奥側端から略直交する方向に延びる第2切欠部20B,21Bと、が備えられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご出入口の上方に配置されるフレームの水平部に、かごドア開閉操作用のモータを支持するブラケットを備えたエレベータのモータ取付構造であって、
前記水平部には、前記ブラケットを固定するためのボルトが貫通した状態で設けられ、前記ブラケットには、前記ボルトの軸部への挿入を許容する切欠きが備えられ、該切欠きは、かご出入口側端から奥行方向奥側に延びる第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向に延びる第2切欠部と、が備えられていることを特徴とするエレベータのモータ取付構造。
【請求項2】
前記ボルト及び前記切欠きは、少なくとも2以上備えられ、前記2以上の切欠きのうちの少なくとも一つの切欠きは、前記第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向の一方側に延びる第2切欠部と、が備えられ、前記2以上の切欠きのうちの他の少なくとも一つの切欠きは、前記第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向で前記一方側とは反対側の他方側に延びる第2切欠部と、を備え、前記水平部は、前記少なくとも一つの切欠きの前記第1切欠部の奥行方向奥側端に位置している前記ボルトが前記一方側に延びる第2切欠部の一方端側へ移動することを許容し、かつ、前記他の少なくとも一つの切欠きの前記第1切欠部の奥行方向奥側端に位置している前記ボルトが前記他方側に延びる第2切欠部の他方端側へ移動することを許容する複数の溝を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのモータ取付構造。
【請求項3】
前記ブラケットを前記水平部との間で挟持すべく前記ボルトの軸部が貫通する挟持部材が備えられ、前記挟持部材は、前記かご出入口から離間する側に、前記モータと当接して該モータの前記かご出入口側への移動を阻止するための当接部が備えられるとともに、前記水平部の複数の溝に対応して前記ボルトの移動を許容する複数の第2の溝が備えられていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータのモータ取付構造。
【請求項4】
前記挟持部材の前記かご出入口から離間する側が折り曲げられて前記当接部が構成され、前記当接部の折り曲げられた角部が、R又は面取り部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータのモータ取付構造。
【請求項5】
前記モータの奥行方向奥側を覆うカバー部材が、前記ブラケットに取り付けられ、前記カバー部材は、前記モータの横側方へ突出するケーブルを上方から覆うべく、奥行き方向奥側から前記当接部の手前まで延びる覆い部が備えられ、前記ブラケットは、間口方向における前記ケーブル側の一方側に上方へ延びて前記モータの横側方を覆う横側部が備えられ、前記横側部には、前記ケーブルを外部へ導くための貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のエレベータのモータ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かごドアの開閉操作用のモータを取り付けるためのエレベータのモータ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記エレベータでは、一般的に、かご出入口の上方に配置される縦向きのフレームの上端に備えているモータを駆動源として、かごドアを開閉する。また、乗り場ドアは、かごドアと係合され、かごドアの開閉に連動して開閉される。
【0003】
前記縦向きのフレームは、それの上端部がかごの奥行方向奥側へ90度折り曲げられて、前記モータを取り付けるための水平部を備えている。そして、モータが取り付けられたブラケットに形成されている孔を前記水平部に形成されている貫通孔に一致させた状態で、ボルトをブラケットの孔から水平部の貫通孔に挿通させる。次に、挿通させて下方へ突出したボルトの先端にナットを螺合して締め付けることで、モータが取り付けられたブラケットを水平部に固定してモータの取り付けが終了する(例えば、特許文献1の図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-94573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記モータは、故障や経年劣化等により交換する必要がある。そのモータの交換時に、モータを取り外すためには、モータが取り付けられたブラケットを固定しているボルトを緩めて取り外さなければならない。そのボルトを取り外す際に、一方の手でボルトを緩めて取り外しながら、もう一方の手でモータを支持しておかなければ、モータが下方に落下してしまうことがある。そのため、モータを一方の手で支持しながらボルトをもう一方の手で慎重に取り外さなければならず、モータの取り外し作業がやり難いという不都合があった。また、モータを取り外してから新しいモータを取り付ける場合においても、モータを一方の手で支持しながらモータが取り付けられたブラケットの孔をフレームの水平部に形成されている貫通孔に一致させた状態を維持しながら、もう一方の手でボルトをブラケットの孔から貫通孔に挿通しなければならず、作業がやり難いという不都合があった。因みに、かご出入口の幅よりも幅方向外側にモータが設置されている場合には、かご上からの交換作業になるため、更に交換作業がやり難いものであり、改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、モータの交換作業が容易に行えるエレベータのモータ取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエレベータのモータ取付構造は、かご出入口の上方に配置されるフレームの水平部に、かごドア開閉操作用のモータを支持するブラケットを備えたエレベータのモータ取付構造であって、前記水平部には、前記ブラケットを固定するためのボルトが貫通した状態で設けられ、前記ブラケットには、前記ボルトの軸部への挿入を許容する切欠きが備えられ、該切欠きは、かご出入口側端から奥行方向奥側に延びる第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向に延びる第2切欠部と、が備えられていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、モータの交換を行う場合には、モータを取り外すために、締め付けているボルトを緩める。このとき、ボルトを緩めても、奥行方向にブラケットが移動することを第2切欠部で抑制することで、ブラケットがボルトから外れることを抑制できる。そして、第2切欠部に位置しているボルトの軸部が第1切欠部に移動するように、ブラケットを動かす。こののち、第1切欠部の奥行方向奥側に移動したボルトの軸部が第1切欠部の奥行方向手前側へ移動するように、ブラケットを奥行方向奥側へ動かしてブラケットをボルトの軸部から外すことで、モータを取り外すことができる。次に、交換用の新たなモータを取り付ける場合には、モータを支持するブラケットの奥行方向奥側に延びる第1切欠部にボルトの軸部が挿入されるようにブラケットを動かす。次に、ボルトの軸部が第1切欠部の奥行方向奥側端から第2切欠部に移動するようにブラケットを動かすことによって、ブラケットから手を放しても奥行方向奥側へブラケットが移動してボルトの軸部から外れてしまうことを第2切欠部で抑制することができる。この状態では、モータを支持するブラケットを手で支持する必要がなく、ボルトを締め付け操作するだけで、ブラケットをフレームの水平部に固定して新たなモータの取り付けが終了する。よって、モータの交換作業を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明のエレベータのモータ取付構造は、前記ボルト及び前記切欠きは、少なくとも2以上備えられ、前記2以上の切欠きのうちの少なくとも一つの切欠きは、前記第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向の一方側に延びる第2切欠部と、が備えられ、前記2以上の切欠きのうちの他の少なくとも一つの切欠きは、前記第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向で前記一方側とは反対側の他方側に延びる第2切欠部と、を備え、前記水平部は、前記少なくとも一つの切欠きの前記第1切欠部の奥行方向奥側端に位置している前記ボルトが前記一方側に延びる第2切欠部の一方端側へ移動することを許容し、かつ、前記他の少なくとも一つの切欠きの前記第1切欠部の奥行方向奥側端に位置している前記ボルトが前記他方側に延びる第2切欠部の他方端側へ移動することを許容する複数の溝を備えていてもよい。
【0010】
上記のように、第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向の一方側に延びる第2切欠部を備えた切欠きと、第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向の一方側とは反対側の他方側の他方側に延びる第2切欠部を備えた切欠きと、を備えている場合に、モータ交換を行うべく、モータを取り外す場合には、複数のボルトを緩める。ボルトを緩めても、奥行方向にブラケットが移動することを第2切欠部で抑制することで、ブラケットがボルトから外れることを抑制できる。こののち、一つの切欠きの第2切欠部の一方端に位置しているボルトを一つの切欠きの第1切欠部の奥行方向奥側端まで移動させるとともに、他の一つの切欠きの第2切欠部の他方端に位置しているボルトを同切欠きの第1切欠部の奥行方向奥側端まで移動させる。こののち、2以上の第1切欠部それぞれの奥行方向奥側に移動したボルトの軸部が第1切欠部の奥行方向手前側へ移動するように、ブラケットを奥行方向奥側へ動かしてブラケットの2以上の切欠きを2以上のボルトの軸部から外すことで、モータを取り外すことができる。次に、新たなモータの取り付けを行う場合には、2以上の第1切欠部に対応するボルトの軸部が挿入されるようにブラケットを動かす。次に、一つの切欠きの第1切欠部の奥行方向奥側端に位置しているボルトを同切欠きの第2切欠部の一方端へ移動させ、他の一つの切欠きの第1切欠部の奥行方向奥側端に位置しているボルトを同切欠きの第2切欠部の他方端へ移動させる。この状態では、モータを支持するブラケットを手で支持する必要がなく、複数のボルトを締め付け操作するだけで、ブラケットをフレームの水平部に固定してモータの取り付けが終了する。よって、モータの交換作業を容易に行うことができる。
【0011】
また、本発明のエレベータのモータ取付構造は、前記ブラケットを前記水平部との間で挟持すべく前記ボルトの軸部が貫通する挟持部材が備えられ、前記挟持部材は、前記かご出入口から離間する側に、前記モータと当接して該モータの前記かご出入口側への移動を阻止するための当接部が備えられるとともに、前記水平部の複数の溝に対応して前記ボルトの移動を許容する複数の第2の溝が備えられていてもよい。
【0012】
上記のように、ブラケットを水平部との間で挟持する挟持部材に当接部を備えることによって、ボルトを緩めてブラケットを取り外す際に、モータがかご出入口側へ移動してかごが昇降する昇降路側へ転落することを、当接部との当接により阻止することができる。また、挟持部材は、水平部の複数の溝に対応してボルトの移動を許容する複数の第2の溝を備えているので、ボルトの移動をスムーズに行うことができる。
【0013】
また、本発明のエレベータのモータ取付構造は、前記挟持部材の前記かご出入口から離間する側が折り曲げられて前記当接部が構成され、前記当接部の折り曲げられた角部が、R又は面取り部に形成されていてもよい。
【0014】
上記のように、当接部の折り曲げられた角部が、R又は面取り部に形成されていれば、挟持部材と水平部との間にブラケットを差し込む際に、R又は面取り部にブラケットを押し当てることで挟持部材を水平部との隙間を広げるように上方へ移動させやすく、ブラケットの差し込み作業が容易になる。
【0015】
また、本発明のエレベータのモータ取付構造は、前記モータの奥行方向奥側を覆うカバー部材が、前記ブラケットに取り付けられ、前記カバー部材は、前記モータの横側方へ突出するケーブルを上方から覆うべく、奥行き方向奥側から前記当接部の手前まで延びる覆い部が備えられ、前記ブラケットは、間口方向における前記ケーブル側の一方側に上方へ延びて前記モータの横側方を覆う横側部が備えられ、前記横側部には、前記ケーブルを外部へ導くための貫通孔が形成されていてもよい。
【0016】
上記のように、モータの奥行方向奥側を覆うカバー部材をブラケットに取り付けることによって、モータのケーシングの剛性アップを図ることで外部からの衝撃に対してモータを保護することができる。また、カバー部材の覆い部及びブラケットの横側部でケーブルの根本の接続部分を上方及び横側方から覆うことでケーブルの損傷を防止しながらも、ブラケットの横側部に形成された貫通孔を通して外部へ取り出したケーブルを所望位置まで配線することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、ブラケットに、ボルトの軸部への挿入を許容する切欠きを備えることによって、モータの交換作業が容易に行えるエレベータのモータ取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のエレベータのモータ取付構造を備えたかごドア駆動装置を乗り場側から見た概略正面図である。
図2】エレベータのモータ取付構造を横から見た側面図である。
図3】エレベータのモータ取付構造を正面から見た正面図である。
図4】エレベータのモータ取付構造を上から見た平面図である。
図5】モータが取り付けられるブラケットを示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。
図6】挟持部材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図7】モータを覆うカバー部材を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
図8】角根丸頭ボルトを斜め上方から見た斜視図である。
図9】モータが取り付けられたブラケットを水平部と挟持部材との間に挿入する直前の状態を示す側面図である。
図10】モータが取り付けられたブラケットを水平部と挟持部材との間に挿入している状態を示す側面図である。
図11】ブラケットの切欠きの第2切欠部に位置しているボルトを左右方向に移動させている状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るエレベータのモータ取付構造の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
エレベータのモータ取付構造を備えたかごドア駆動装置を図1に示している。図1は、乗り場側から見た図である。図1において、かご出入口1の間口方向(図の左右方向)に沿って延びる縦向きで板状のフレーム(サポートフレームとも言う)2は、かご出入口1の上方でかご側に固定されている。フレーム2は、かご出入口1の上方のかごの壁部に対向する垂直部2Aと、この垂直部2Aの上端部から90度折り曲げられて乗場側(かごKの奥行方向手前側)へ水平に延びる水平部2B(図2参照)と、を有している。以下において、かごKの間口方向を左右方向とし、かごKの奥行方向手前側を前側とし、かごKの奥行方向奥側を後側として説明する。
【0021】
フレーム2の水平部2Bにおけるかご出入口1の左右方向一端部、つまりかご出入口1の幅よりも幅方向外側に、後述するブラケット15及び挟持部材22(図2参照)を介してモータ3が固定されている。モータ3は、図1に示すように、かごKの上端K1よりも上方に位置している。したがって、モータ3の交換作業をかごK上から行うことになる。
【0022】
また、モータ3の駆動軸3Aには、一体回転する駆動プーリ3Rが取り付けられている。また、フレーム2におけるかご出入口1の左右方向他端部(左端部)には、モータ3の駆動軸3Aと同一高さ位置に回転軸を有する従動プーリ4が位置するように板部材Hを介して設けられている。駆動プーリ3R及び従動プーリ4には、ベルト(ロープ、あるいはチェーン等でもよい)からなる無端状体5が巻回されている。
【0023】
フレーム2の表面側下部には、かご出入口1の左右方向に沿って延びるドアレール6が取り付けられている。ドアレール6には、第1のかごドア7及び第2のかごドア8がドアハンガー9,10を介して吊り下げられている。ドアハンガー9,10のそれぞれには、ドアレール6に沿って転動する左右一対のローラ11,11及び12,12が設けられている。第1のかごドア7及び第2のかごドア8のそれぞれは、縦長の略長方形状に構成されている。
【0024】
また、第1のかごドア7及び第2のかごドア8を吊り下げるドアハンガー9,10のうちの一方(左側)のドアハンガー9は、第1連結部材13を介して無端状体5の下側部分に連結され、他方(右側)のドアハンガー10は、第2連結部材14を介して無端状体5の上側部分に連結されている。
【0025】
モータ3を一方向に駆動回転させて無端状体5が一方に回動することにより、閉じ位置の第1のかごドア7及び第2のかごドア8を互いに離間させて開放位置へ移動させることができる。また、モータ3を他方向に駆動回転させて無端状体5が他方に回動することにより、開放位置の第1のかごドア7及び第2のかごドア8を互いに接近させて閉じ位置へ移動させることができる。
【0026】
モータ3は、ブラケット15に載置された状態で、複数(図5では4個)のボルト16,17(図4参照)により固定されている。複数のボルト16,17は、かごの前後方向の前側に左右方向に第1間隔を置いて配置される一対のボルト16,16と、かごの前後方向の後側に左右方向に第1間隔よりも広い第2間隔を置いて配置される一対のボルト17,17と、を備える。モータ3の底部には、モータ3の底部を覆う底カバー18(図2参照)を備えている。
【0027】
ブラケット15は、金属製から構成され、図5(a),(b),(c)に示すように、左右方向に長い長方形状で板状の底板部15Aと、底板部15Aにおける左右方向の両端部が90度折り曲げられて上方に延びる左右一対の板状の横側部15B,15Bと、を備えている。横側部15B,15Bのそれぞれは、前後方向手前側部分では上下方向の高さが低い第1部分と、第1部分の前後方向後側端から第1部分の高さよりも高い第2部分と、を備えている。
【0028】
底板部15Aには、後述のケーブルCを下方へ通すための左右一対の円形の貫通孔15a,15aを備えるとともに、4個のボルト16,16、17,17を通すための4個の貫通孔15b,15b、15c,15c及び後述するカバー部材23(図7参照)をブラケット15にボルト固定するための左右一対のネジ孔15d,15dが形成されている。横側部15B,15Bのそれぞれは、モータ3の下部側の横側方を覆うように構成され、後述のケーブルCを外部へ導くための貫通孔15eが形成されている。この実施形態では、左側の横側部15Bの貫通孔15eから後述のケーブルCをブラケット15の外部に導いて所望位置まで移動することができる。尚、図示していないが、貫通孔15eには、金属の配管を接続するための接続具が取り付けられ、その配管の中にケーブルCを通すことになる。
【0029】
また、底板部15Aにおける前後方向前端部分に、フレーム2の水平部2BにかごKの左右方向に沿って間隔を置いて上下方向に立ち上げられた2個のボルトである角根丸頭ボルト19,19の軸部19A,19A(図3参照)への挿入を許容する左右一対(2個)の切欠き20,21を備えている。角根丸頭ボルト19,19のそれぞれは、図8に示すように、下端に略半球状の頭部19Bと、頭部19Bの上端から上方に延びる軸部19Aと、を備えている。軸部19Aは、頭部19Bの上端から上方に延びる略四角柱形状の回り止め部19aと、回り止め部19aの上端から上方に延びる略円柱状のネジ部19bと、を備えている。角根丸頭ボルト19,19の軸部19A,19Aのそれぞれの上端(先端)には、ナットN(図2図3参照)が螺合され、ナットNを一方に回転させることにより角根丸頭ボルト19を締め付けることができ、また、ナットNを前記一方とは反対側となる他方に回転させることにより角根丸頭ボルト19の締め付けを緩めることができる。
【0030】
図5(a)に示すように、左右一対の切欠き20,21のうちの左側の切欠き20は、かご出入口側端から前後方向に延びる直線状で同一幅の第1切欠部20Aと、第1切欠部20Aの前後方向後側端から直交する方向の左右方向一方側(左側)に延びる直線状で同一幅の第2切欠部20Bと、を有する。右側の切欠き21は、かご出入口側端から前後方向に延びる直線状で同一幅の第1切欠部21Aと、第1切欠部21Aの前後方向奥側端から直交する方向の左右方向他方側(図5(a)では右側)に延びる直線状で同一幅の第2切欠部21Bと、を有する。つまり、左右一対の切欠き20,21は、第2切欠部20B,21Bの延びる方向が、左右方向において互いに離間する方向(反対方向)である。左右一対の切欠き20,21には、角根丸頭ボルト19,19の回り止め部19a,19a(図8参照)が入り込み、角根丸頭ボルト19,19の切欠き20,21内での移動は許容されるが、角根丸頭ボルト19,19の回転は阻止される。
【0031】
第1切欠部20A,21Aは、角根丸頭ボルト19,19の回り止め部19a,19aへの挿入を許容することができるように、角根丸頭ボルト19,19の回り止め部19a,19aの外径寸法よりも少し大きな左右幅を有している。第2切欠部20B,21Bの前後方向の前後幅寸法は、第1切欠部20A,21Aの左右幅と同一であり、角根丸頭ボルト19,19の回り止め部19a,19aの外径寸法よりも少し大きな寸法に構成されている。
【0032】
また、ブラケット15を水平部2Bとの間で挟持すべく角根丸頭ボルト19の軸部19Aが貫通可能な挟持部材22を更に備えている。
【0033】
挟持部材22は、金属製で板状部材から構成され、図6(a),(b),(c)に示すように、ブラケット15(図2参照)の前後方向前側部分の上面に当接する左右方向に長い長方形状の水平部22Aと、水平部22Aのかご出入口1から離間する側に、モータ3の前後方向前端と当接してモータ3のかご出入口1側への移動を阻止すべく、水平部22Aと同一の左右方向の寸法を有する当接部22Bと、を備えている。水平部22Aの左右両端部のそれぞれには、角根丸頭ボルト19の回り止め部19aが入り込んで角根丸頭ボルト19の左右方向への移動のみを許容するための左右方向に長い長方形状の長孔22Cが形成されている。
【0034】
当接部22Bは、挟持部材22のかご出入口1から離間する側が上方へ90度折り曲げられて構成され、当接部22Bの折り曲げられた角部22K(図6(c)参照)が、円弧形状のR(又は前後方向後側に向けて上傾斜する傾斜平面に形成された面取り部であってもよい)に形成されている。また、当接部22Bの左右方向両端の上端角部22T,22Tが、斜めにカットされた面取り部に形成されている。
【0035】
モータ3は、図3図4に示すように、角筒状に構成された下側部31と、下側部31の上端に接続され、図3の正面視において円弧状に形成された上側部32と、を備えたケーシング33内に収容されている。ケーシング33の左右方向左側から左側へケーブルCが突出している。このケーブルCは、モータ3の回転数を検出するエンコーダからの電源線及び信号線の他、モータ3の駆動及び停止を行う信号線やモータ3の電源線等が束になって被覆されたものである。また、下側部31の底部及び左右側部が前記底カバー18(図2参照)で覆われている。モータ3は、それの前後方向後側を覆うためのカバー部材23がブラケット15にボルト止めされている。
【0036】
カバー部材23は、金属製の板状部材から構成され、図2図4及び図7(a),(b),(c)に示すように、左右方向に長い長方形状で板状の第1板部23a及び第1板部23aの左右方向中央部から上方に延びてモータ3の前後方向後側を覆う第2板部23bを有する正面視凸型の本体部23Aと、第1板部23aの下端部から90度折り曲げられてブラケット15の前後方向後端部の下面に当接する取付部23Bと、第1板部23aの左右方向両端部の上端部から90度折り曲げられて前後方向前側に延びる左右一対の第1水平部23C,23Cと、第2板部23bの上端部から90度折り曲げられて前後方向前側に延びる第2水平部23Dと、を備えている。
【0037】
第1水平部23Cは、モータ3の横側方へ突出するケーブルCの上方を覆う覆い部として構成され、それの前端が挟持部材22の当接部22Bの後端の手前まで延びている(図4参照)。取付部23Bの左右方向両端部のそれぞれには、図2に示すボルト24の軸部24Aへの挿入を許容する切欠き23Kが形成されている。各切欠き23Kは、取付部23Bの前端から後方へ延び、後端が円弧状に形成されたUの字状の切欠きに構成されている。したがって、ボルト24の軸部24Aにカバー部材23の切欠き23Kが挿入できる程度に、ボルト24をブラケット15のネジ孔15d,15d(図5(a)参照)にねじ込んでおき、その状態でカバー部材23の左右一対の切欠き23K,23Kにボルト24,24の軸部24A,24Aが入り込むようにカバー部材23を前方へ移動させる。移動後にボルト24,24を締め付けることによって、カバー部材23をブラケット15に固定することができる。
【0038】
モータは、故障や経年劣化等により交換する必要が発生することがある。図1及び図2では、かご出入口1の幅よりも幅方向外側にモータ3が設置されている場合を示し、かごK上からの交換作業になるため、更にモータ3の交換作業がやり難いものである。モータ3の交換を行う場合には、まず、図2において、フレーム2の水平部2Bに設置されているモータ3を取り外すために、ナットN,Nをそれぞれ回転させることにより締め付けている角根丸頭ボルト19,19を緩める。このとき、角根丸頭ボルト19,19を緩めても、前後方向にブラケット15が移動することを第2切欠部20B,21Bで抑制することで、ブラケット15が角根丸頭ボルト19,19から外れることを抑制できる。こののち、左側の第2切欠部20Bの左端に位置している角根丸頭ボルト19(図11の左側の2点鎖線参照)を右端へ移動させる(図11の左側の実線参照)。続いて、右側の第2切欠部21Bの右端に位置している角根丸頭ボルト19(図11の右側の2点鎖線参照)を左端へ移動させる(図11の右側の実線参照)。こののち、左右一対の第1切欠部20A,21Aそれぞれの前後方向後側端に移動した角根丸頭ボルト19,19の軸部19A,19Aが第1切欠部20A,21Aの前後方向前端側へ移動するように、ブラケットを前後方向後側へ動かしてブラケット15を角根丸頭ボルト19,19の軸部19A,19Aから外すことで、モータ3をブラケット15毎取り外すことができる。
【0039】
次に、新たなモータの取り付けを行う場合には、2個の第1切欠部20A,21Aに対応する角根丸頭ボルト19,19の軸部19A,19Aが挿入されるようにブラケット15を前方へ動かす(図9にブラケット15を前方へ動かす直前の状態を示している)。尚、図9の符号Wは、ワッシャーである。次に、左側の切欠き20の第1切欠部20Aの前後方向後側端に位置している左側の角根丸頭ボルト19(図11の左側の実線参照)を第2切欠部20Bの左側端の2点鎖線で示す位置へ移動させるとともに、右側の切欠き21の第1切欠部21Aの前後方向後側端に位置している右側の角根丸頭ボルト19(図11の右側の実線参照)を第2切欠部21Bの右側端の2点鎖線で示す位置へ移動させる。角根丸頭ボルト19,19を移動させた状態では、モータ3を支持するブラケット15を手で支持する必要がなく、ナットN,Nを回転させて角根丸頭ボルト19,19を締め付けるだけで、モータ3が取り付けられているブラケット15をフレーム2の水平部2Bに固定してモータ3の取り付けが終了する。よって、モータの交換作業を容易に行うことができる。
【0040】
また、ブラケット15を水平部2Bと挟持部材22との間に挟持した状態では、モータ3がかご出入口1側へ移動してかごKが昇降する昇降路へ転落することを、当接部22Bとの当接により阻止することができる。
【0041】
また、当接部22Bの折り曲げられた角部22Kが、R(又は面取り部でもよい)に形成されているので、挟持部材22と水平部2Bとの間にブラケット15を差し込む際に、図10に示すように、R(又は面取り部)に形成された角部22Kにブラケット15を押し当てることで挟持部材22を水平部2Bとの隙間を広げるように上方へ移動させやすく、ブラケット15の差し込み作業を容易に行える。また、挟持部材22は、水平部2Bの複数(この実施形態では、2個)の角型で左右方向に長い溝2K,2K(図2に一方のみを示し、紙面を貫通する方向に長い溝)に対応して角根丸頭ボルト19,19の移動を許容する複数の第2の溝である長孔22C,22C(図6(a)、図4参照)を備えているので、角根丸頭ボルト19,19の移動をスムーズに行うことができる。
【0042】
更にまた、モータ3の前後方向後側を覆うカバー部材23をブラケット15に取り付けることによって、モータ3のケーシング33の剛性アップを図ることで外部からの衝撃に対してモータ3を保護することができる。また、図3に示すように、カバー部材23の覆い部である左側の第1水平部23C及びブラケット15の左側の横側部15BでケーブルCの根本の接続部分を上方及び横側方から覆うことでケーブルCの損傷を防止しながらも、ブラケット15の横側部15Bに形成された貫通孔15eを通して外部へ取り出したケーブルCを所望位置まで配線することができる。
【0043】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
【0044】
前記実施形態では、かごドア7,8が異なる方向に移動して出入り口を開閉する両開き式のドアであったが、同一方向に移動して出入り口を開閉する片開き式のドアであってもよい。また、かごドアの枚数は、自由に変更できる。
【0045】
また、前記実施形態では、フレーム2の上端部を折り曲げることで水平部2Bを構成したが、別体形成された水平板材をフレームの上端に溶接又はボルト止めすることにより水平部を構成してもよい。また、水平部2Bは、乗り場側(前後方向前側)に突出させたが、乗り場側から離間する側(前後方向後側)に突出させてもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、ブラケット15に、2個の切欠き20,21を備えたが、1個又は3個以上の任意の個数の切欠きを備えてもよい。また、複数の切欠き20,21のうちの一方の切欠き20を、第1切欠部20Aと、第1切欠部20Aの前後方向後端から左側に延びる第2切欠部20Bと、から構成し、他方の切欠き21を、第1切欠部21Aと、第1切欠部21Aの前後方向後端から右側に延びる第2切欠部21Bと、から構成したが、一方の切欠き20を、第1切欠部20Aと、第1切欠部20Aの前後方向後端から右側に延びる第2切欠部と、から構成し、他方の切欠き21を、第1切欠部21Aと、第1切欠部21Aの前後方向後端から左側に延びる第2切欠部と、から構成してもよい。また、一方の切欠き20を、第1切欠部20Aと、第1切欠部20Aの前後方向後端から左側(又は右側)に延びる第2切欠部と、から構成し、他方の切欠き21を、第1切欠部21Aと、第1切欠部21Aの前後方向後端から左側(又は右側)に延びる第2切欠部と、から構成してもよい。つまり、左右方向同一側に延びる第2切欠部を備える同一構成の複数の切欠きを設けて実施してもよい。同一構成の複数の切欠きを設けたブラケットを用いてモータの交換を行う場合には、まず、モータを取り外すために、締め付けているボルトを緩める。このとき、ボルトを緩めても、奥行方向にブラケットが移動することを第2切欠部で抑制することで、ブラケットがボルトから外れることを抑制できる。そして、第2切欠部に位置しているボルトの軸部が第1切欠部に移動するように、ブラケットを動かす。こののち、第1切欠部の奥行方向奥側(前後方向後側)に移動したボルトの軸部が第1切欠部の奥行方向手前側(前後方向前側)へ移動するように、ブラケットを奥行方向奥側(前後方向後側)へ動かしてブラケットをボルトの軸部から外すことで、モータを取り外すことができる。次に、交換用の新たなモータを取り付ける場合には、モータを支持するブラケットの奥行方向奥側(前後方向後側)に延びる第1切欠部にボルトの軸部が挿入されるようにブラケットを動かす。次に、ボルトの軸部が第1切欠部の奥行方向奥側端(前後方向後側端)から第2切欠部に移動するようにブラケットを動かすことによって、ブラケットから手を放しても奥行方向奥側(前後方向後側)へブラケットが移動してボルトの軸部から外れてしまうことを第2切欠部で抑制することができる。この状態では、モータを支持するブラケットを手で支持する必要がなく、ボルトを締め付け操作するだけで、ブラケットをフレームの水平部に固定して新たなモータの取り付けが完了する。
【0047】
また、前記実施形態では、挟持部材22のかご出入口から離間する側(前後方向後側)が折り曲げられて当接部22Bを構成したが、別体形成された当接部を挟持部材22に溶接又はボルトにより固定してもよい。また、挟持部材22を省略して実施してもよい。
【0048】
また、前記実施形態では、第1切欠部の前後方向後側端から直交する方向の左右方向に延びる第2切欠部を設けたが、第1切欠部の前後方向後側端から略直交する方向に延びる第2切欠部を設けて実施してもよい。
【0049】
また、前記実施形態では、角根丸頭ボルト19を用いたが、頭部と軸部とからなる汎用のボルトを用いてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…かご出入口、2…フレーム、2A…垂直部、2B…水平部、2K…溝、3…モータ、3A…駆動軸、3R…駆動プーリ、4…従動プーリ、5…無端状体、6…ドアレール、7…第1のかごドア、8…第2のかごドア、9,10…ドアハンガー、11,12…ローラ、13…第1連結部材、14…第2連結部材、15…ブラケット、15A…底板部、15B…横側部、15a,15b,15c…貫通孔、15d…ネジ孔、15e…貫通孔、16,17…ボルト、18…底カバー、19…角根丸頭ボルト、19A…軸部、19B…頭部、19a…回り止め部、19b…ネジ部、20,21…切欠き、22…挟持部材、22A…水平部、22B…当接部、22C…長孔、22K…角部、22T…上端角部、23…カバー部材、23A…本体部、23B…取付部、23C…第1水平部、23D…第2水平部、23K…切欠き、23a…第1板部、23b…第2板部、24…ボルト、24A…軸部、31…下側部、32…上側部、33…ケーシング、C…ケーブル、H…板部材、K1…上端、N…ナット、R…駆動プーリ、W…ワッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご出入口の上方に配置されるフレームの水平部に、かごドア開閉操作用のモータを支持するブラケットを備えたエレベータのモータ取付構造であって、
前記水平部には、前記ブラケットを固定するためのボルトが貫通した状態で設けられ、前記ブラケットには、前記ボルトの軸部への挿入を許容する切欠きが備えられ、
前記ボルト及び前記切欠きは、少なくとも2以上備えられ、前記2以上の切欠きのうちの少なくとも一つの切欠きは、かご出入口側端から奥行方向奥側に延びる第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向の一方側に延びる第2切欠部と、が備えられ、前記2以上の切欠きのうちの他の少なくとも一つの切欠きは、かご出入口側端から奥行方向奥側に延びる第1切欠部と、該第1切欠部の奥行方向奥側端から略直交する方向で前記一方側とは反対側の他方側に延びる第2切欠部と、を備え、前記水平部は、前記少なくとも一つの切欠きの前記第1切欠部の奥行方向奥側端に位置している前記ボルトが前記一方側に延びる第2切欠部の一方端側へ移動することを許容し、かつ、前記他の少なくとも一つの切欠きの前記第1切欠部の奥行方向奥側端に位置している前記ボルトが前記他方側に延びる第2切欠部の他方端側へ移動することを許容する複数の溝を備えていることを特徴とするエレベータのモータ取付構造。
【請求項2】
前記ブラケットを前記水平部との間で挟持すべく前記ボルトの軸部が貫通する挟持部材が備えられ、前記挟持部材は、前記かご出入口から離間する側に、前記モータと当接して該モータの前記かご出入口側への移動を阻止するための当接部が備えられるとともに、前記水平部の複数の溝に対応して前記ボルトの移動を許容する複数の第2の溝が備えられていることを特徴とする請求項に記載のエレベータのモータ取付構造。
【請求項3】
前記挟持部材の前記かご出入口から離間する側が折り曲げられて前記当接部が構成され、前記当接部の折り曲げられた角部が、R又は面取り部に形成されていることを特徴とする請求項に記載のエレベータのモータ取付構造。
【請求項4】
前記モータの奥行方向奥側を覆うカバー部材が、前記ブラケットに取り付けられ、前記カバー部材は、前記モータの横側方へ突出するケーブルを上方から覆うべく、奥行き方向奥側から前記当接部の手前まで延びる覆い部が備えられ、前記ブラケットは、間口方向における前記ケーブル側の一方側に上方へ延びて前記モータの横側方を覆う横側部が備えられ、前記横側部には、前記ケーブルを外部へ導くための貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のエレベータのモータ取付構造。