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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048584
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240402BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20240402BHJP
   A47K 10/18 20060101ALI20240402BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D25/52 D
A47K10/18
B65D51/24 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154582
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】李 海月
【テーマコード(参考)】
3E014
3E062
3E084
【Fターム(参考)】
3E014LB08
3E062AA08
3E062AB10
3E062AB13
3E062AC02
3E062LA02
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC04
3E084DC05
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084JA20
3E084LB02
3E084LC02
(57)【要約】
【課題】片手で掴み易い衛生用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】衛生用薄葉紙収納容器100の上蓋22は、本上蓋部220と取手部221を備えており、その取手部221の内縁側には、ユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分が設けられている。また、本上蓋部220は、衛生用薄葉紙収納容器100の取出部3を被覆したり露出したり切り替えることができる。このような衛生用薄葉紙収納容器100であれば、上蓋22の取手部221の環状部分に指を挿し入れるようにして、ユーザーの手Hで取手部221を掴むことができる。そして、ユーザーの指を挿し入れ可能な取手部221を備えている衛生用薄葉紙収納容器100であれば、ユーザーは片手で取手部221を掴んで持ち運ぶことができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口部を有し、ロール状の衛生用薄葉紙を前記開口部から内部に収納する容器本体と、
前記開口部を覆うように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出部を有する蓋体本体と、
前記取出部を被覆した状態と前記取出部を露出した状態とに切り替え可能に前記蓋体本体に設けられている上蓋と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記上蓋の少なくとも一部に、当該衛生用薄葉紙収納容器を持ち運ぶ際にユーザーが掴む取手部が設けられていることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記取手部は、前記ユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記取手部は、前記上蓋からその上蓋における前記取出部を被覆する領域が刳り抜かれた外側の枠状部として設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記取手部は、前記上蓋における前記取出部を被覆する領域以外の箇所に形成された貫通穴の周囲の縁部として設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記取手部を構成する前記枠状部の内縁側には切欠部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、あるいは人体などを拭くための衛生用薄葉紙を詰め替え可能に収納する衛生用薄葉紙収納容器が知られている。
例えば、開口部を有する容器本体の内部にロール状の衛生用薄葉紙を収容し、その容器本体の開口部を覆うように取り付けられる蓋体には衛生用薄葉紙を引き出すための取出孔を有する取出部が配設されており、取出孔から引き出される衛生用薄葉紙に抵抗を掛け、衛生用薄葉紙に設けられているミシン目にて切り離す構成の衛生用薄葉紙収納容器が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような衛生用薄葉紙収納容器においては衛生用薄葉紙を詰め替える頻度を減らすなどのため、内容量を多くするように太めに巻かれたロール状の衛生用薄葉紙を収容可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-112130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、内容量を多くするために太く大型化した衛生用薄葉紙収納容器の場合、手の小さな女性や子供では片手で掴み難く、持ち運び難いという問題があった。
一方、片手でも掴み易くするように衛生用薄葉紙収納容器を細くスリムにすると内容量が少なくなってしまい、本末転倒になってしまう。
そこで、本発明者らが鋭意検討し、衛生用薄葉紙収納容器の内容量やサイズを変えることなく、衛生用薄葉紙収納容器を片手で掴み易くする技術を開発するに至った。
【0005】
本発明の目的は、片手で掴み易い衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
上面に開口部を有し、ロール状の衛生用薄葉紙を前記開口部から内部に収納する容器本体と、
前記開口部を覆うように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出部を有する蓋体本体と、
前記取出部を被覆した状態と前記取出部を露出した状態とに切り替え可能に前記蓋体本体に設けられている上蓋と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記上蓋の少なくとも一部に、当該衛生用薄葉紙収納容器を持ち運ぶ際にユーザーが掴む取手部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取手部は、前記ユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分を有していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取手部は、前記上蓋からその上蓋における前記取出部を被覆する領域が刳り抜かれた外側の枠状部として設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取手部は、前記上蓋における前記取出部を被覆する領域以外の箇所に形成された貫通穴の周囲の縁部として設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取手部を構成する前記枠状部の内縁側には切欠部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、片手で掴み易い衛生用薄葉紙収納容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図2】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図3図2のIII-III線における断面図である。
図4】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図5図4のV-V線における断面図である。
図6】衛生用薄葉紙収納容器の取出孔に衛生用薄葉紙を挿通させた状態を示す断面図である。
図7】衛生用薄葉紙収納容器の取出部を示す斜視図である。
図8】衛生用薄葉紙収納容器を使用する態様を示す説明図(a)(b)である。
図9】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す説明図(a)(b)である。
図10】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る衛生用薄葉紙収納容器の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、以下においては、図1に示すように、前後方向、左右方向及び上下方向並びにX軸、Y軸及びZ軸を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器100において、蓋体2が取り付けられている側を上、その反対側を下、衛生用薄葉紙収納容器100の平面視における手前側を前、その反対側を後、容器の前面を正面視した状態における右手側を右、容器の前面を正面視した状態における左手側を左とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
【0014】
<実施形態の構成>
(全体構成)
衛生用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1図6に示すように、水や薬液などの液体が含浸されたロール状の衛生用薄葉紙Pを内部に収納する容器本体1と、容器本体1に着脱自在に取り付けられる蓋体2と、蓋体2に着脱自在に取り付けられる取出部3等を備えて構成されている。
蓋体2が、容器本体1に対して着脱可能になっているため、容器本体1から蓋体2を取り外した状態で、容器本体1の内部に衛生用薄葉紙Pを収納したり、内部から衛生用薄葉紙Pを抜き取ったりすることができる。
【0015】
(衛生用薄葉紙)
衛生用薄葉紙Pは、例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等の不織布製のロールペーパーである。
この衛生用薄葉紙Pは、例えば、図6に示すように、上下方向に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体1に収納されている。換言すれば、容器本体1は、衛生用薄葉紙Pの軸心を容器本体1の底面を成す底部1bと略直交させる向きで、その衛星用薄葉紙Pを収納するようになっている。
この容器本体1に収納された衛生用薄葉紙Pは、ロールの中心側から引き出されて取出部3を通じて取り出されるようになっている。
また、衛生用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目P1が施されており、そのミシン目P1に沿って切り離した衛生用薄葉紙Pを、ユーザーが使用するようになっている。
【0016】
(容器本体)
容器本体1は、有底円筒形状に形成された容器であり、下面には底部1b、上面には開口部1aが設けられている。この開口部1aから容器本体1の内部に衛生用薄葉紙Pを収納するようになっている。
また、容器本体1の開口部1a近傍の外周面には、図3図5に示すように、周方向に沿って雄ネジ部11が設けられている。
容器本体1は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
容器本体1は、平面視において直径50mm~200mmの円形となり、Z軸方向(高さ)45mm~200mm、各面の厚み0.5mm~10mmの円筒形状に形成されている。
【0017】
(蓋体)
蓋体2は、図1図6に示すように、蓋体本体21と上蓋22とから構成されている。
上蓋22は、蓋体本体21に取り付けられている取出部3を被覆した状態と、その取出部3を露出した状態とに切り替え可能に蓋体本体21に設けられている。
この蓋体本体21と上蓋22は一体成型されている。
なお、後述するが、この蓋体2の上蓋22の少なくとも一部に、衛生用薄葉紙収納容器100を持ち運ぶ際にユーザーが掴む取手部221が設けられている。
【0018】
(蓋体本体)
蓋体本体21は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されており、下面が開放された円筒形状をなし、天面部21aと、側面部21bと、天面部21aの平面視内周側に下方に向けて凹状に形成された凹部21cと、取出部3が取り付けられる孔部21dと、孔部21dを囲むように円筒形状に立設された壁部21eと、を備えている。
蓋体本体21は、平面視において直径50mm~200mmの円形となり、Z軸方向(高さ)15mm~50mm、各面の厚み0.5mm~10mmの円筒形状に形成されている。
【0019】
また、側面部21bの下端部の内周面には、容器本体1の雄ネジ部11と螺合する雌ネジ部211が設けられている。これによって、図3図5に示すように容器本体1と蓋体2は、雄ネジ部11と雌ネジ部211を介した着脱自在な連結構造をとり、容器本体1から蓋体2を取り外すことが可能となっている。
【0020】
(蓋体の凹部)
凹部21cは、閉塞時の上蓋22と平面視における形状が略一致し、上蓋22を嵌めることができるように形成されている。また、凹部21cは、前端部が平面視において上蓋22よりも大きく、上蓋22が嵌め込まれた状態でも若干の隙間が残るように形成されている。これによって、当該隙間を利用して上蓋22に指を掛けることが可能となる。
【0021】
(孔部)
孔部21dは、蓋体本体21(天面部21a)の平面視略中央に平面視円形に形成された、衛生用薄葉紙収納容器100の内部に通じる孔であり、平面視において、取出部3より僅かに小さく形成され、後述のように孔部21dには取出部3が固定される。
【0022】
(壁部)
壁部21eは、孔部21dを囲み、円筒形状を呈して形成されている。壁部21eは、その外径が上蓋22の円筒形状の突起部22a(後述)の内径と同一か、ごく僅かに小さくなるように形成されている。
【0023】
(上蓋)
上蓋22は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成され、基端部が蓋体本体21と連結されている。
この上蓋22が蓋体本体21と連結されている基端部が上蓋22の回動軸22bとして機能するようになっている。
そして、上蓋22は、蓋体本体21に取り付けられている取出部3を被覆する閉蓋と、その取出部3を露出する開蓋を切り替えるように回動するようになっている。
また、上蓋22は、閉塞時の平面視における形状が凹部21cと略一致し、閉塞時に凹部21cに嵌めることができるように形成されている。
この上蓋22には、閉塞時における下面から突出した円筒状の突起部22aが設けられている。
【0024】
(取手部・本上蓋部)
また、本実施形態の上蓋22は、図1図6に示すように、本上蓋部220と取手部221とから構成されている。
具体的には、上蓋22は、上蓋22の内側の領域であって、取出部3を被覆する領域に相当する本上蓋部220と、本上蓋部220の外縁に沿い、略U字形状を呈している取手部221と、を有している。
換言すると、上蓋22の取手部221は、上蓋22から本上蓋部220が刳り抜かれた外側の枠状部として設けられている。
この取手部221は、その内縁側にユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分を有している。
本実施形態では、略U字形状を呈する取手部221を図示して説明したが、取手部221の形状は任意である。
取手部221は、上蓋22の形や、上蓋22から本上蓋部220を刳り抜く形に応じた形状を呈するものであり、その内縁側にユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分を有していればよい。
【0025】
この上蓋22の本上蓋部220と取手部221は回動軸22bを軸心にして、それぞれ回動可能に配されている。
具体的には、図1に示すように、上蓋22の本上蓋部220と取手部221を、蓋体本体21の凹部21cに合わせるように閉じることで、上蓋22を閉蓋することができる。
また、図2図3に示すように、上蓋22の取手部221のみを引き起こすことで、本上蓋部220で取出部3を被覆しつつ、取手部221を掴み易い姿勢に切り替えることができる。なお、本上蓋部220の下面に突起部22aが設けられている。
また、図4図6に示すように、上蓋22の本上蓋部220と取手部221をともに引き起こすことで、上蓋22を開蓋することができ、露出させた取出部3を通じて衛生用薄葉紙Pを引き出すことが可能になる。なお、本上蓋部220を開蓋した状態で、取手部221のみを凹部21c側に倒すように閉じてもよい。
【0026】
(突起部)
突起部22aは、上蓋22(本上蓋部220)の下面側に設けられており、上蓋22(本上蓋部220)が取出部3を被覆した状態で壁部21eに嵌合するようになっている。
この突起部22aは、本上蓋部220の閉塞時において下方に向けて延出する円筒形状に形成されている。また、円筒形状を呈している突起部22aは、その内径が壁部21eの外径と同一か、ごく僅かに大きくなるように形成されている。
【0027】
そして、本上蓋部220の閉塞時において、円筒状の突起部22aが円筒状の壁部21eに嵌合した状態で、突起部22aと壁部21eとが密着するようになっている。
この突起部22aと壁部21eの密着によって、突起部22aと壁部21eとで囲まれた空間、ひいては当該空間と孔部21dを介して繋がる衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性を保つことができる。
なお、本実施形態では、蓋体本体21の壁部21eと上蓋22(本上蓋部220)の突起部22aとを嵌合させることによって、衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性を保つよう構成しているが、衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性を保つことができれば、上記と異なる構成とすることも可能である。
また、収納する衛生用薄葉紙が薬液等を染み込ませたものでなく、乾燥を防ぐ必要がない場合には、このような気密構造を有していなくてもよい。
【0028】
(取出部)
取出部3は、例えば、図7に示すように、平面視において円形となる略円柱状に形成された弾性変形可能な部材であり、例えば、射出成型により形成することができる。
この取出部3は、容器本体1の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための部材である。
具体的には、取出部3は、平面視中央部に形成された内部底面を有する凹部31と、側面に形成された括れ部32と、凹部31の略中央に形成された取出孔33と、を備えている。
この取出部3は、平面視において、蓋体本体21の直径の10分の1以上、3分の1以下の孔部21dより僅かに大きい円形を有している。
【0029】
(取出部の凹部)
凹部31は、取出部3の上面において、周縁部を残して、上面視円形状に下方に向けて凹状となるように形成されている。この凹部31の深さ(Z軸方向の深さ)は、2mm~10mmとなるように形成されている。
また、凹部31は、その内部底面が平面となるように形成されている。
【0030】
(括れ部)
括れ部32は、取出部3の側面の上下方向略中央部を周方向に沿って周回するようにして、平面視において取出部3の直径の20分の1以上、10分の1以下の深さとなるように径方向に凹んだ溝状に形成される。また、この括れ部32のZ軸方向の寸法は、0.5mm~3.0mmとなるように形成されている。
上記のように取出部3は、平面視において孔部21dより僅かに大きく形成されているため、この括れ部32に孔部21dの縁を嵌め込むことによって、取出部3を蓋体本体21に固定することが可能となる。
【0031】
(取出孔)
取出孔33は、容器本体1の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための孔である。
取出孔33は、下面側から挿通された衛生用薄葉紙Pを、その先端側の端部が取出部3の上面(凹部31の内部底面)から突出した状態として保持する。
衛生用薄葉紙Pの先端が取出部3の上面から突出した状態であるとき、その突出量としては、10mm~30mm、好ましくは13mm~20mmである。この突出量であれば、一般的なユーザーの手指で摘みやすく、取出し作業を容易に行うことができる。
【0032】
取出孔33は、典型的には平面視にて略円形の小孔33aと、小孔33aを中心に放射状に形成された複数のスリット33bとを有している。なお、ここでいう「略円形」とは、真円を含むのは勿論のこと、楕円や歪んだ円形なども含むものとする。
本実施形態では、例えば、図7に示すように、小孔33aの周囲に4本のスリット33bが設けられている。各スリット33bは小孔33aの周囲に90°間隔で設けられている。
小孔33aの直径は、1.0mm~5.0mm、好ましくは2.0mm~4.0mmに形成されている。小孔33aの直径が大きすぎると次のシートが保持されず落ち込んでしまい、小さすぎると取出しの際に力を多く必要とする。
【0033】
この取出孔33によって、取出孔33から引き出される衛生用薄葉紙Pに摩擦抵抗が掛けられるようになっており、使用する衛生用薄葉紙Pをミシン目P1に沿って切り離すとともに、後続の衛生用薄葉紙Pの端部が取出孔33から適量突出した状態で保持されるようになっている。
このように、小孔33aと複数のスリット33bとからなる取出孔33であれば、取出孔33における衛生用薄葉紙Pの保持の確実性と、その取出孔33に保持されている衛生用薄葉紙Pを引き出す容易性を両立させることができる。
なお、図7では、4本のスリット33bを形成した場合を図示して説明したが、取出孔33の形状としてはこれに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば任意の数のスリット33bを形成してもよい。つまり、真円や楕円の小孔33aと、任意の数のスリット33bを組み合わせた取出孔33であってよい。
【0034】
<実施形態の作用>
上述した衛生用薄葉紙収納容器100の上蓋22は、本上蓋部220と取手部221を備えており、その取手部221の内縁側には、ユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分が設けられている。
また、本上蓋部220は、衛生用薄葉紙収納容器100の取出部3を被覆したり露出したり切り替えることができる。
このような衛生用薄葉紙収納容器100であれば、例えば、図8(a)に示すように、上蓋22の取手部221のみを回動させて引き起こし、その取手部221の環状部分に指を挿し入れるようにして、ユーザーの手Hで取手部221を掴むことができる。
ユーザーの指を挿し入れ可能な取手部221を備えている衛生用薄葉紙収納容器100であれば、ユーザーは片手で取手部221を掴んで持ち運ぶことができる。
例えば、容器本体1が太くて掴み難いサイズであっても、このような取手部221を備えた衛生用薄葉紙収納容器100であれば、手の小さな女性や子供でも取手部221を掴んで容易に持ち運ぶことができる。
そして、所望する場所に衛生用薄葉紙収納容器100を持ち運んだ後、図4図6に示すように、上蓋22の本上蓋部220も回動させて引き起こし、取出部3を露出させるようにすれば、取出部3の取出孔33に保持されている衛生用薄葉紙Pを摘まんで引き出すことができ、容器から取り出した衛生用薄葉紙Pを使用することができる。
このように、ユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分を有する取手部221を備えた衛生用薄葉紙収納容器100は、片手で掴み易く、容易に持ち運ぶことができる。
【0035】
また、このような取手部221を備えた衛生用薄葉紙収納容器100であれば、例えば、図8(b)に示すように、取手部221をフックFなどの部材に引っ掛けて、衛生用薄葉紙収納容器100をフックFなどに吊るすように設置することができる。
【0036】
<実施形態の効果>
本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器は、上面に開口部1aを有し、ロール状の衛生用薄葉紙Pをその開口部1aから内部に収納する容器本体1と、開口部1aを覆うように容器本体1に着脱自在に取り付けられ、容器本体1の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための取出部3を有する蓋体本体21と、取出部3を被覆した状態と取出部3を露出した状態とに切り替え可能に蓋体本体21に設けられている上蓋22と、を備えた衛生用薄葉紙収納容器100であって、上蓋22の少なくとも一部に、当該衛生用薄葉紙収納容器100を持ち運ぶ際にユーザーが掴む取手部221が設けられている。
【0037】
本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器100はこのような構成を有しており、上蓋22の一部に取手部221が設けられているので、容器本体1が太くて掴み難いサイズであってもユーザーは取手部221を容易に掴むことができ、その衛生用薄葉紙収納容器100を持ち運ぶことができる。
【0038】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図9(a)(b)に示すように、上蓋22の取手部221は、上蓋22における取出部3を被覆する領域以外の箇所に形成された貫通穴221aの周囲の縁部として設けられたものでもよい。
このような取手部221も、ユーザーの指を挿し入れ可能な環状部分を有しているので、その環状部分に指を挿し入れるようにして、取手部221を掴むことができる。
ここでは、楕円形状を呈する貫通穴221aを形成してなる取手部221を図示して説明したが、貫通穴221aの形状は任意であり、ユーザーの指を挿し入れ可能であれば、円形状を呈する貫通穴221aや矩形状を呈する貫通穴221aなどであってもよい。
この変形例ように、上蓋22に貫通穴221aを形成してなる取手部221を備えた衛生用薄葉紙収納容器100の場合、その取手部221を掴んで衛生用薄葉紙収納容器100を持ち運んだ後(衛生用薄葉紙収納容器100を持ち運んで衛生用薄葉紙Pを使用した後)、速やかに上蓋22を閉蓋することが好ましい。
なお、この衛生用薄葉紙収納容器100では上蓋22が本上蓋部220を兼ねている。
【0039】
また、図10に示すように、枠状部である取手部221の内縁側に切欠部221bを設けるようにしてもよい。
取手部221の内縁側に切欠部221bを設けて、取手部221と本上蓋部220との間に間隙を形成することで、その間隙を使用して本上蓋部220に指を掛けることが可能になるので、本上蓋部220のみを回動させて引き起こし、取出部3を露出させることが可能になる。
なお、取手部221の内縁側に切欠部221bを設けるのではなく、本上蓋部220の外縁側に切欠部を設けるようにしてもよい。こうすることでも本上蓋部220のみを回動させて引き起こし、取出部3を露出させることが可能になる。
つまり、取手部221を構成する枠状部の内縁側と、上蓋22の内側の領域であって取出部3を被覆する領域に相当する本上蓋部220の外縁側の少なくとも一方に、切欠部を設けるようにすればよい。
【0040】
以上のように、本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器100は、上蓋22の一部を成す取手部221を備えているので片手で掴み易くなっており、衛生用薄葉紙収納容器100を容易に持ち運ぶことができる。
【0041】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 容器本体
1a 開口部
1b 底部
11 雄ネジ部
2 蓋体
21 蓋体本体
21a 天面部
21b 側面部
21c 凹部
21d 孔部
21e 壁部
211 雌ネジ部
22 上蓋
22a 突起部
22b 回動軸
220 本上蓋部
221 取手部(枠状部、縁部)
221a 貫通穴
221b 切欠部
3 取出部
31 凹部
32 括れ部
33 取出孔
33a 小孔
33b スリット
100 衛生用薄葉紙収納容器
P 衛生用薄葉紙
P1 ミシン目
H ユーザーの手
F フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10