(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048591
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】昇降収納装置
(51)【国際特許分類】
A47B 51/00 20060101AFI20240402BHJP
A47B 77/04 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
A47B51/00 501C
A47B51/00 501G
A47B77/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154591
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】390013321
【氏名又は名称】株式会社ダイドー
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217881
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 由美
(72)【発明者】
【氏名】山本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】山田 和義
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 翔平
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260EA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、棚部材に載置した収納物が側方からも見易くした昇降収納装置を提供する。
【解決手段】棚部材1の左右一対の側壁面板部11,11を有すると共にこの側壁面板部11は、前方へ開口状として、切欠窓部20が形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納物(60)を載置する棚部材(1)が平行リンク機構(2)を介して上方の棚部材収納状態と下方の棚部材降下完了状態(Z)との間で昇降するように構成した昇降棚装置に於て、
上記棚部材(1)は、水平状の収納物受け面部(12)と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部(11)(11)とを、具備し、
上記側壁面板部(11)は、上辺板片部(15)と、下辺板片部(16)と上下連結板片部(17)とから成ると共に、
上記上下連結板片部(17)は、上記上辺板片部(15)と上記下辺板片部(16)を上下に連結し、側面視において上記側壁面板部(11)には前方へ開口状の切欠窓部(20)が形成されている
ことを特徴とする昇降収納装置。
【請求項2】
棚部材(1)を平行に保ちつつ昇降案内する上記リンク機構(2)の先端部を、上辺板片部(15)に枢結した請求項1記載の昇降収納装置。
【請求項3】
上記リンク機構(2)の先端側の一リンク部材(22)に、上記リンク機構(2)の一時停止のためのロックレバー(25)を枢着すると共に、該ロックレバー(25)の下半部(25Z)を、上記切欠窓部(20)の上辺端縁(20A)から垂下状の手動摘み(H)としたことを特徴とする請求項2記載の昇降収納装置。
【請求項4】
収納物を載置する棚部材(1)が上下方向のリニアガイド手段(30)を介して上方の棚収納状態と下方の棚降下完了状態との間で垂直に昇降するように構成した昇降棚装置に於て、
上記棚部材(1)は、水平面状の収納物受け面部(12)と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部(11)(11)とを、具備し、
上記側壁面板部(11)は、上辺板片部(15)と下辺板片部(16)と上下連結板片部(17)とから成ると共に、
上記上下連結板片部(17)は、上記上辺板片部(15)と上記下辺板片部(16)を上下に連結し、側面視において上記側壁面板部(11)には前方へ開口状の切欠窓部(20)が形成されている
ことを特徴とする昇降収納装置。
【請求項5】
上記上辺板片部(15)の後端と、上記下辺板片部(16)の後端とを、上下連結する上下連結板片部(17)の前後幅寸法(W17)を、上記下辺板片部(16)の上下幅寸法(W16)よりも大きく設定すると共に、該上下連結板片部(17)に沿って、上記リニアガイド手段(30)を構成するスライドレール(30A)を、固着した請求項4記載の昇降収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図16~
図18に示したように、収納物を載置するための棚部材51と、棚部材51を収容するための筐体52と、を備え、筐体52の側壁部53に平行リンク機構55の基端側55Aを枢着すると共に、棚部材51に平行リンク機構55の先端側55Bを枢着して、上方の棚収納状態と、
図16と
図17に示した棚降下完了状態との間で、昇降するよう構成した昇降収納装置は公知である(さらに、特許文献1,2参照)。
また、特許文献3にて公知の昇降収納装置では、収納物を載置する棚部材が、左右一対の上下方向リニアガイドレールを介して、上方の棚収納状態と、下方の棚降下完了状態との間を、垂直に昇降する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-222886号公報
【特許文献2】特開2019-195585号公報
【特許文献3】特開2015-000209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の昇降収納装置にあっては、
図16~
図18に示す如く、棚部材51の水平面状の収納物受け面部54Aの左右側辺から起立状に側壁面板部51C,51Cが配設されていた。
この側壁面板部51C,51Cの存在によって、以下のような問題(欠点)がある。
即ち、 (i) 棚部材51の側方乃至側方斜め方向から受け面部51Aに置かれた食器等の物品60を目で見ることができないので使用者にとって不便である点、 (ii) 棚部材51の右側(又は左側)の奥方隅部に載置されている物品60が、その手前の大き目の物品60に隠れて、見付け出すことが困難である点、(iii) 多数の物品60が受け面部51Aに置かれている状態下で棚部材51の右側(又は左側)の奥方隅部に載置されている物品60を手で取出すことが至難である点。 (iv)
図16に示した正面中央位置に人が立って、物品60の出し入れ作業を行う際や棚部材51を降下させる際に、左右下方が見えづらく、下方に子供の頭部があれば危険な状況となる点。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点 (i)(ii)(iii)(iv)を解決して、棚部材上の(取出したい)食器等の物品を見付け易く、また、取出すことも容易かつ迅速に可能となり、さらに、棚部材を降下させる際に、左右下方に子供等が不意に来ていたとして、それを直ちに気付くことができて、棚部材が子供の頭に衝突するような事故も予防できる(安全性の高い)昇降収納装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、収納物を載置する棚部材が平行リンク機構を介して上方の棚部材収納状態と下方の棚部材降下完了状態との間で昇降するように構成した昇降棚装置に於て;上記棚部材は、水平状の収納物受け面部と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部とを、具備し;上記側壁面板部は、上辺板片部と、下辺板片部と上下連結板片部とから成ると共に;上記上下連結板片部は、上記上辺板片部と上記下辺板片部を上下に連結し、側面視において上記側壁面板部には前方へ開口状の切欠窓部が形成されている。
【0007】
また、棚部材を平行に保ちつつ昇降案内する上記リンク機構の先端部を、上辺板片部に枢結した。
また、上記リンク機構の先端側の一リンク部材に、上記リンク機構の一時停止のためのロックレバーを枢着すると共に、該ロックレバーの下半部を、上記切欠窓部の上辺端縁から垂下状の手動摘みとした。
【0008】
また、収納物を載置する棚部材が上下方向のリニアガイド手段を介して上方の棚収納状態と下方の棚降下完了状態との間で垂直に昇降するように構成した昇降棚装置に於て;上記棚部材は、水平面状の収納物受け面部と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部とを、具備し;上記側壁面板部は、上辺板片部と下辺板片部と上下連結板片部とから成ると共に;上記上下連結板片部は、上記上辺板片部と上記下辺板片部を上下に連結し、側面視において上記側壁面板部には前方へ開口状の切欠窓部が形成されている。
【0009】
また、上記上辺板片部の後端と、上記下辺板片部の後端とを、上下連結する上下連結板片部の前後幅寸法を、上記下辺板片部の上下幅寸法よりも大きく設定すると共に、該上下連結板片部に沿って、上記リニアガイド手段を構成するスライドレールを、固着した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、左右の側壁面板部の各々には、前方開口状に切欠窓部が形成されているので、棚部材の側方乃至側方斜め方向から、収納物受け面部に載置された(食器等の)収納物品を容易に目視確認できる。これによって、直ちに目的の収納物を取出すことが可能となる。
特に、奥方隅部に高さの低い物品が置かれていて手前に高さの大なる物品が置かれている場合、正面からは高さの低い物品が隠れて見えないが、側方外側からは、切欠窓部を介して、人の目で容易に見付けることができ、しかも、この切欠窓部から、手を入れて、高さの低い物品を容易かつ迅速に取出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の一形態を示す棚部材降下完了状態の斜視図である。
【
図4】
図1とは相違した方向から見た斜視図である。
【
図7】側壁面板部の第1実施例を示す図であって、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【
図8】側壁面板部の第2実施例を示す図であって、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【
図9】側壁面板部の第3実施例を示す図であって、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態を示す棚部材降下完了状態の斜視図である。
【
図13】
図1の実施の一形態における使用状態説明のための正面図である。
【
図14】
図1の実施の一形態における使用状態説明のための斜視図である。
【
図16】従来例を示し、使用状態説明のための棚部材降下完了状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る昇降収納装置は、
図1~
図6に示すように、収納物を載置するための棚部材1と、棚部材1を収容するための棚収容室40を有する前方開口状の筐体6と、棚部材1の側壁面板部11に先端部が枢着されると共に基端部が所定固定部41に枢着された平行リンク機構2とを、備えている。
【0013】
棚部材1が、収納位置(棚収容室40内)に収納された上方の棚部材収納状態と、所定収納位置(棚収容室40内)から前方下方の所定降下完了位置に引き出された棚部材降下完了状態Z(
図1~
図5参照)とに、昇降自在に構成されている。
この棚部材1は、水平状の収納物受け面部12と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部11,11とを、具備している。
【0014】
そして、
図1~
図7に示すように、側壁面板部11は、上辺板片部15と下辺板片部16と上下連結板片部17とから成る。
しかも、上下連結板片部17は、上辺板片部15と下辺板片部16の両後端寄りが、上下に連結されて、側面視においては、(
図1~
図7に示す如く、)前方開口状の切欠窓部20が形成されている。
また、棚部材1を平行に保ちつつ昇降案内する平行リンク機構2の先端部を、上辺板片部15に、枢結する。図例では、平行リンク機構2の先端部を、短軸(ピン)4,4によって、上辺板片部15に、枢結している(
図3参照)。
【0015】
ところで、
図7に於て、側壁面板部11を銅版等の金属板にて作製した場合を例示し、上辺板片部15の前後長さ寸法L
15が、下辺板片部16の前後長さ寸法L
16よりも、短く(小さく)設定されている。
また、上下傾斜状として補強用の取付帯板片8を、上辺板片部15に対して、ビスやリベット等の固着具9,9にて固着している。しかも、平行リンク機構2の先端の短軸4,4は、予め、この取付帯板片8の両端に枢着しておいて、その後に、固着具9,9によって、上辺板片部15に帯板片8を固着することができる。
側壁面板部11を、このような固着によって、十分に補強できて、剛性及び強度を向上できる。
【0016】
次に、
図1,
図2,
図4に示すように、右側の平行リンク機構2の先端側の上下のリンク部材21,22の内の下方のリンク部材22には、ロックレバー25が枢着されている。
つまり、棚部材降下完了状態Zにおいて、リンク機構2を一時的にロックして停止(制止)させるためのロックレバー25が、一リンク部材22に枢着されている。
図3の一軸心L
25廻りにロックレバー25を揺動させて、取付帯板片8の係止ピン26に対して、ロックレバー25の係止凹部25Aが係止離脱自在である。
そして、ロックレバー25の下半部25Zは、切欠窓部20を形成している上辺端縁20Aから垂下状として、この下半部25Zは、ロックレバー25を切換えるための手動摘みHとする。
つまり、
図4~
図6からも明らかなように、左右の側壁面板部11,11の間に使用者(図示省略)が立った状態で、手動摘みHを手で摘みつつ、容易かつ確実に、リンク機構2に対して、ロック状態と非ロック状態のいずれかに切換える操作を行うことが可能である。
【0017】
図8は、(
図7の金属製に代わる)他の実施例を示し、合成樹脂にて作製した側壁面板部11である。全体の輪郭形状は
図7と同様であるが、
図2,
図3に例示した取付帯板片8を下方から当てることが可能な傾斜状受け用突片部27が一体に形成されている。
【0018】
次に、
図10~
図12は、本発明の他の実施形態を示し、しかも、棚部材1の降下完了状態を示す。
図10~
図12に示す他の実施形態にあっては、収納物(図示省略)を載置するための水平面状の棚部材1が、上下方向のリニアガイド手段30を介して、上方の棚収納状態と、下方の棚降下完了状態(
図10~
図12参照)との間で、垂直に昇降するよう構成されている。なお、リンク機構2Aは特許文献3等で公知であるので、説明を省略する。
【0019】
棚部材1は、水平面状の収納物受け面部12と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部11,11とを、備えている。
側壁面板部11は、
図9(及び
図10~
図12)に示したように、上辺板片部15と下辺板片部16と、上下連結板片部17とから成る。
そして、上下連結板片部17は、上辺板片部15の後端寄りと、下辺板片部16の後端寄りを、(上下に)連結している。従って、側面視において、(
図9と
図10に示す如く、)側壁面板部11には、前方へ開口状の切欠窓部20が形成されている。
【0020】
ところで、
図9及び
図10~
図12に示すように、上辺板片部15と下辺板片部16の前後長さ寸法L
15,L
16は、略同一に設定する。つまり、既説の
図7又は
図8では、L
15<L
16であったのに比べて、上辺板片部15の前後長さ寸法L
15を十分長く設定し、
図10のように天井板31を固着している。
そして、
図9に示すように、上辺板片部15の上下幅寸法W
15を、下辺板片部16の上下幅寸法W
16よりも小さく設定する。例えば、0.40≦W
15≦0.65とする。
【0021】
さらに、
図9に示すように、上辺板片部15の後端と、下辺板片部16の後端とを、上下連結する上下連結板片部17の前後幅寸法W
17を、下辺板片部16の上下幅寸法W
16よりも大きく設定すると共に、上下連結板片部17に沿って、リニアガイド手段30を構成するスライドレール30Aを、固着している。
また、スライドレール30Aが固着される上下連結板片部17の後端縁17Aに沿って、上下方向の複数本の補強リブ19を立設して、(合成樹脂製の)上下連結板片部17を補強している。
【0022】
【0023】
(i) 棚部材1の収納物受け面部12の上に置かれた食器等の物品60を、(正面からは勿論であるが)左右一側方から、及び、側方斜め方向からでも、
図14と
図15のように切欠窓部20を通して人の目で容易に見ることができる。従って、台所の作業を迅速に能率良く(スムーズに)行い得る。(従来は、
図16~
図18の側壁面板部51Cが邪魔となっていた。)
(ii)
図13,
図14,
図15に例示した如く、棚部材1の受け面部12の左右側端に載置された物品の内で、手前(前方)に大きい物品60Lが存在していて、奥方の小さな物品60Sが置かれている(隠れている)場合であっても、切欠窓部20を通して、使用者は目で容易に見付けることが可能であり、また、取出しも容易である。このようにして、スムーズに能率良く台所の作業を行うことができる。(従来は、
図16~
図18のように、側壁面板部51Cが邪魔をしていた。)
(iii) 受け面部12の上に多数の物品60がぎっしりと載置されていた場合、特に、従来では、左右の側端部の物品60を手で取出すことが困難(
図16~
図18参照)であったが、本発明では切欠窓部20から手を差込んで、容易かつ迅速に、取出すことができる。
(iv) 棚部材1を、その正面に立っている使用者が、手で降下させてゆく際に、左右側方の切欠窓部20を通して、左右側方下方を見通せるので、小さな子供が偶然に近づいてきた場合に子供の頭部に棚部材1の下端が衝突してしまう危険を、予防できる。(従来は、
図16~
図18のように側壁面板部51Cの存在により、左右側方下方の視界が遮断されていた。)
【0024】
本発明は、以上詳述したように、収納物60を載置する棚部材1が平行リンク機構2を介して上方の棚部材収納状態と下方の棚部材降下完了状態Zとの間で昇降するように構成した昇降棚装置に於て;上記棚部材1は、水平状の収納物受け面部12と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部11,11とを、具備し;上記側壁面板部11は、上辺板片部15と、下辺板片部16と上下連結板片部17とから成ると共に;上記上下連結板片部17は、上記上辺板片部15と上記下辺板片部16を上下に連結し、側面視において上記側壁面板部11には前方へ開口状の切欠窓部20が形成されているので、棚部材1の側方から、又は、側方斜め方向から、収納物受け面部12と、その上に載置された収納物60を容易に目視確認できる。これによって、所望の収納物60を捜したり、手で取出すことが、容易かつ迅速にできて、至便である。
【0025】
また、棚部材1を平行に保ちつつ昇降案内する上記リンク機構2の先端部を、上辺板片部15に枢結したので、棚部材1は常に安定姿勢を維持することができる。即ち、収納物受け面部12の上に比較的に重い物品60が載置された状態下で、上下連結板片部17を介して吊下げ状に荷重力が作用して、常に安定姿勢を保つことができる。
棚部材1の左右の切欠窓部20,20まで、上方からリンク機構2の先端部が侵入しないので、切欠窓部20から人の手や腕を出し入れしても、接触せず、安全性を確保できる。
【0026】
また、上記リンク機構2の先端側の一リンク部材22に、上記リンク機構2の一時停止のためのロックレバー25を枢着すると共に、該ロックレバー25の下半部25Zを、上記切欠窓部20の上辺端縁20Aから垂下状の手動摘みHとした構成であるので、作業者は棚部材1の前方正面に立ったままで手を伸ばせば、簡単に手動摘みHを、切換え作動させることができる。
【0027】
また、上記上辺板片部15の前後長さ寸法L
15が、上記下辺板片部16の前後長さ寸法L
16よりも、短く設定されているので、
図1と
図4と
図14に於て明らかなように、使用者が棚部材1の斜め上方から、収納物受け面部12と、それに載置された物品60を、確実かつ容易に、見ることができる。しかも、物品60の出し入れも容易となる。
【0028】
また、収納物を載置する棚部材1が上下方向のリニアガイド手段30を介して上方の棚収納状態と下方の棚降下完了状態との間で垂直に昇降するように構成した昇降棚装置に於て;上記棚部材1は、水平面状の収納物受け面部12と、左右一対の鉛直面状の側壁面板部11,11とを、具備し;上記側壁面板部11は、上辺板片部15と下辺板片部16と上下連結板片部17とから成ると共に;上記上下連結板片部17は、上記上辺板片部15と上記下辺板片部16を上下に連結し、側面視において上記側壁面板部11には前方へ開口状の切欠窓部20が形成されている構成であるので、棚部材1の側方から、又は、側方斜め方向から、収納物受け面部12と、その上に載置された収納物60を容易に目視確認できる。これによって、所望の収納物60を捜したり、手で取出すことが容易かつ迅速にでき、至便である。
【0029】
また、上記上辺板片部15と上記下辺板片部16の前後長さ寸法L15,L16を、略同一に設定すると共に;上記上辺板片部15の上下幅寸法W15を、上記下辺板片部16の上下幅寸法W16よりも小さく設定したので、上辺板片部15,15に天井板31を取付けることも可能である。また、下辺板片部16には、収納物60の重量が作用するので十分な曲げ強度と剛性が必要であるが、この下辺板片部16の上下幅寸法W16が大きいので、十分に強度上耐えることができる。他方、上辺板片部15には軽量の天井板31が取付けられるだけであって、上下幅寸法W15が小さいことは、合理的であるといえる。
【0030】
また、上記上辺板片部15の後端と、上記下辺板片部16の後端とを、上下連結する上下連結板片部17の前後幅寸法W17を、上記下辺板片部16の上下幅寸法W16よりも大きく設定すると共に、該上下連結板片部17に沿って、上記リニアガイド手段30を構成するスライドレール30Aを、固着した構成であるので、大きな剛性と強度を必要とする上下連結板片部17の前後幅寸法W17を大きくすることは、強度面から合理的であり、リニアガイド手段30もスムーズに作動できる。
【符号の説明】
【0031】
1 棚部材
2 平行リンク機構
11 側壁面板部
12 収納物受け面部
15 上辺板片部
16 下辺板片部
17 上下連結板片部
20 切欠窓部
20A 上辺端縁
22 リンク部材
25 ロックレバー
25Z 下半部
30 リニアガイド手段
30A スライドレール
60 物品(収納物)
H 手動摘み
L15 前後長さ寸法
L16 前後長さ寸法
W15 上下幅寸法
W16 上下幅寸法
W17 前後幅寸法
Z 棚部材降下完了状態