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特開2024-48612販売システム、販売方法、及び販売プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048612
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】販売システム、販売方法、及び販売プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240402BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240402BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154624
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】522383056
【氏名又は名称】株式会社アイデアビルド
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】菅江 翼
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB24
(57)【要約】
【課題】 本発明は、販売システム、販売方法、及び販売プログラムに関する。
【解決手段】 販売システム1は、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、を備える。
取得部は、商品に関する商品情報と、購入希望者が商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、記憶部へ格納する。
表示処理部は、商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を購入希望者からの要求に応じて送信する。
審査受付部は、購入希望者からの購入希望に基づいて、審査情報に対応する回答情報を受け付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を販売する販売システムであって、
前記販売システムは、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、を備え、
前記取得部は、前記商品に関する商品情報と、購入希望者が前記商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、前記記憶部へ格納し、
前記表示処理部は、前記商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた前記審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を前記購入希望者からの要求に応じて送信し、
前記審査受付部は、前記購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付ける、
販売システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記販売者によって前記商品ごとに定められた前記審査情報を表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
請求項1に記載の販売システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記購入希望者の購入者端末から、前記購入希望者に関する購入希望者情報を取得し、
前記表示処理部は、前記購入希望者情報を表示処理し、その表示処理の結果を前記販売者の販売者端末へ送信し、
前記審査受付部は、前記販売者端末から、前記購入希望者情報と、前記審査情報と、に基づいた審査結果を受け付け、
前記表示処理部は、前記審査結果に基づいた審査結果情報を表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
請求項2に記載の販売システム。
【請求項4】
前記商品は、前記販売者により制作される制作品であり、
前記商品情報は、前記制作品の制作過程に関する動画情報を含む、
請求項3に記載の販売システム。
【請求項5】
前記審査受付部は、審査中の前記商品に対する購入希望を第2の購入希望者から受け付け、
前記表示処理部は、前記商品の前記審査が終了した後に、購入可能通知又は売り切れ通知を表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
請求項1から請求項4の何れかに記載の販売システム。
【請求項6】
商品を販売する販売システムが実行する販売方法であって、
前記販売システムは、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、を備え、
前記取得部が、前記商品に関する商品情報と、購入希望者が前記商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、前記記憶部へ格納するステップと、
前記表示処理部が、前記商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた前記審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を前記購入希望者からの要求に応じて送信するステップと、
前記審査受付部は、前記購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付けるステップと、を含む、
販売方法。
【請求項7】
商品を販売する販売プログラムであって、
コンピュータを、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、として機能させ、
前記取得部は、前記商品に関する商品情報と、購入希望者が前記商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、前記記憶部へ格納し、
前記表示処理部は、前記商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた前記審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を前記購入希望者からの要求に応じて送信し、
前記審査受付部は、前記購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付ける、
販売プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売システム、販売方法、及び販売プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆるハンドメイド商品や数量限定のオリジナル商品などの売買が行われている。そして昨今では、この売買される商品の販売数量や信頼性等を確認するために様々な工夫が行われている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数のパーツからなる観賞用工業製品において、製品の外観と購入者の位置情報(販売の際に入手した購入者の位置情報)とを結びつけ、それをホームページの地図上に公開することで、製品が一点物(または数量限定品)であることを確認できる販売システムが開示されている。
【0004】
また特許文献2には、信頼性のある制作品のみを展示することを目的として、製作品データ記憶手段と、検索処理手段と、製作品表示手段と、を備える推薦製作品展示システムが開示されている。
【0005】
本推薦制作品展示システムによれば、ユーザからデジタル化されたデータとして送信された制作品を、予め決定された所定の推薦要件により審査等をしておくことで、所定の推薦要件を満足する制作品のみをコンピュータシステム上で展示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-51633号公報
【特許文献2】特開2002-251570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ハンドメイド商品は強度等の商品特性が一般的な量産品とは異なるため、これらの商品を販売する際には購入者の十分な理解が必要である。しかしながら、特許文献1の技術を利用することで限定商品等であることを確認できる一方、ハンドメイド商品の商品特性を購入者が把握することは困難である。
【0008】
同様に、特許文献2では事前審査を行っているとはいえ、あくまでも展示をするための審査であり、それぞれ商品特性の異なる商品の販売においては購入者が制作者の制作意図や商品特性等を十分に把握することは困難である。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、一般的な量産品とは商品特性が異なるハンドメイド商品等の販売において、販売者と購入者の双方が満足する状態で良好に商品を販売できる新規な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、商品を販売する販売システムであって、
前記販売システムは、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、を備え、
前記取得部は、前記商品に関する商品情報と、購入希望者が前記商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、前記記憶部へ格納し、
前記表示処理部は、前記商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた前記審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を前記購入希望者からの要求に応じて送信し、
前記審査受付部は、前記購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付ける。
【0011】
また、本発明は、商品を販売する販売システムが実行する販売方法であって、
前記販売システムは、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、を備え、
前記取得部が、前記商品に関する商品情報と、購入希望者が前記商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、前記記憶部へ格納するステップと、
前記表示処理部が、前記商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた前記審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を前記購入希望者からの要求に応じて送信するステップと、
前記審査受付部は、前記購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付けるステップと、を含む。
【0012】
また、本発明は、商品を販売する販売プログラムであって、
コンピュータを、取得部と、表示処理部と、審査受付部と、記憶部と、として機能させ、
前記取得部は、前記商品に関する商品情報と、購入希望者が前記商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、前記記憶部へ格納し、
前記表示処理部は、前記商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた前記審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を前記購入希望者からの要求に応じて送信し、
前記審査受付部は、前記購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付ける。
【0013】
このような構成にすることで、販売者と購入者の双方が満足した状態で商品を販売することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記販売者によって前記商品ごとに定められた前記審査情報を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0015】
このような構成にすることで、購入者がより確実に商品ごとの商品特性等を理解することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記取得部は、前記購入希望者の購入者端末から、前記購入希望者に関する購入希望者情報を取得し、
前記表示処理部は、前記購入希望者情報を表示処理し、その表示処理の結果を前記販売者の販売者端末へ送信し、
前記審査受付部は、前記販売者端末から、前記購入希望者情報と、前記審査情報と、に基づいた審査結果を受け付け、
前記表示処理部は、前記審査結果に基づいた審査結果情報を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0017】
このような構成にすることで、商品を販売する際に適切な審査を行うことができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記商品は、前記販売者により制作される制作品であり、
前記商品情報は、前記制作品の制作過程に関する動画情報を含む。
【0019】
このような構成にすることで、購入者が制作過程も含めた商品特性等を理解することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記審査受付部は、審査中の前記商品に対する購入希望を第2の購入希望者から受け付け、
前記表示処理部は、前記商品の前記審査が終了した後に、購入可能通知又は売り切れ通知を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0021】
このような構成にすることで、審査結果に応じて第2の購入希望者へ商品を販売することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、販売者毎あるいは商品毎に定められた審査情報を利用して所定の処理を実行することで、販売システムに係る新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成のブロック図を示す。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び端末のハードウェア構成の一例の概略図を示す。
図3】本発明の一実施形態に係る販売システムの処理手順のフローチャートを示す。
図4】本発明の一実施形態に係る販売システムの審査開始から購入手続きまでの流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る販売システムの記憶部に格納されるデータ(各情報)の一例を示す。
図6】本発明の一実施形態に係る販売システムにおける表示処理結果の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0025】
例えば、本実施形態では販売システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0026】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0027】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0028】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、販売システム1は、情報処理装置10及びデータベースDBを備える。販売システム1は、ネットワークNWを介して複数の販売者端末2(図1では符号2(a)~2(b))、及び複数の購入者端末3(図1では符号3(a)~3(b))と通信可能に構成されている。なお、本実施形態では、販売者端末2及び購入者端末3を総称してユーザ端末と呼ぶこともある。
【0029】
情報処理装置10は、サーバとして動作し、販売者端末2は販売者が商品を販売(または出品)するために利用する端末であり、購入者端末3は購入者が商品を購入(及び閲覧)するために利用する端末である。
【0030】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0031】
なお、情報処理装置10として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、販売システム1を構成することも可能である。
【0032】
販売者端末2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。販売者端末2は、ウェブブラウザアプリケーションを記憶している。本実施形態では、後述する販売システム1の機能を販売者端末2において実施するために、情報処理装置10において販売プログラムを起動させ、このウェブブラウザアプリケーションを介して各情報の閲覧や商品を販売するための入力等を行う。
【0033】
購入者端末3として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。購入者端末3は、ウェブブラウザアプリケーションを記憶している。本実施形態では、後述する販売システム1の機能を購入者端末3において実施するために、情報処理装置10において販売プログラムを起動させ、このウェブブラウザアプリケーションを介して各情報の閲覧や商品を購入するための入力等を行う。
【0034】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、ハードウェア構成として、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
【0035】
制御部11は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る販売プログラム、OS、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
【0036】
記憶部12は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、本発明に係る販売プログラム及び、制御部11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部11が、記憶部12に記憶されている販売プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0037】
通信部13は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0038】
図2(b)は端末90(図1における販売者端末2及び購入者端末3)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末90は、ハードウェア構成として、制御部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0039】
端末90の制御部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末90の動作処理全体を制御する。端末90の記憶部92は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、上述のウェブブラウザアプリケーション並びに、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0040】
端末90の通信部93は、ネットワークとの通信を制御する。端末90の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を制御部91に入力する。端末90の出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0041】
<機能構成>
図2(a)に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、取得部101、表示処理部102、審査受付部103、を備える。これらは、ソフトウェア(記憶部12に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部11等)によって具体的に実現されたものである。
【0042】
取得部101は、商品に関する商品情報を受け付ける。本実施形態における取得部101は、商品情報と、購入希望者が商品を購入するための審査に関する審査情報と、を取得し、記憶部12へ格納する。また、取得部101は、購入希望者の購入者端末3から、購入希望者に関する購入希望者情報を取得する。
【0043】
表示処理部102は、商品情報に基づく販売情報などを表示処理する。本実施形態における表示処理部102は、商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を購入希望者からの要求に応じて送信する。表示処理部102は、表示処理の結果を購入希望者(購入者)が利用する購入者端末3からの要求に応じて購入者端末3へ送信する。
【0044】
審査受付部103は、審査情報に対応する回答情報を受け付ける。本実施形態における審査受付部103は、購入希望者からの購入希望に基づいて、前記審査情報に対応する回答情報を受け付ける。また、審査受付部103は、販売者端末から、前記購入希望者情報と、前記審査情報と、に基づいた審査結果を受け付ける。
【0045】
<データベースDB>
図1のデータベースDBは、商品に関する商品情報、商品を販売する販売者によって定められた審査情報、商品の購入希望者に関する購入希望者情報、決済に関する決済情報、などを格納する。これらの一部又は全部は、記憶部12等に格納されてもよいし、これらの一部が別のデータベース等に格納されてもよい。
【0046】
以下、図3~6を参照して、販売システム1の説明及び各機能構成要素による処理内容について説明する。
【0047】
<販売システムの概要>
本実施形態に係る販売システム1は、販売(出品)される商品に関する商品情報と、商品の制作者でもある販売者(出品者)が定めた審査情報(及び審査情報に対応する回答情報)と、商品の購入希望者に関する購入希望者情報と、に基づいた審査を経たうえで商品を販売できるプラットフォームである。つまり、本販売システム1では、例えばハンドメイド商品などの販売において、販売者と購入者の双方が十分に満足した状態で当該ハンドメイド商品などの取り引きを行うことができる。
【0048】
<ユーザ登録>
図3は、一実施形態に係る販売システムの処理手順を示すフローチャートである。S201において、本販売システム1のユーザはユーザ情報の登録を行う。ここでいうユーザとは、商品の販売者(または出品者)、商品の購入希望者(単に購入者とも呼ぶ)、商品を購入する意思はないが閲覧のみを行う閲覧者などである。
【0049】
ユーザ情報は図5(a)に示すように、ユーザの氏名、メールアドレス、住所、電話番号、性別、生年月日、などの情報を含んでユーザIDで管理される。ユーザ情報には図5(a)に加えて、ユーザが個人か法人であるか等の種別に関する情報、会員登録(定期契約)に関する情報、登録日、運転免許証などの本人確認書類に関する情報、本人確認完了日、などの情報を含めることができる。
【0050】
また、上記に加えて、ユーザの年収(または年商)、職業(または職種)、趣味、出身地、最終学歴、性格タイプ、保有設備(及び保有デバイス、保有ツール)、保有資格、などのマーケティングに関する情報をユーザIDと対応付けてマーケティングIDで管理することもできる。例えば、本販売システムへのアクセス回数やアクセス時間などのアクセスに関する情報をユーザ情報に含めることで、ユーザ自身(または管理者)によるアクセス分析に活用することもできる。
【0051】
本販売システム1では、ユーザに応じて閲覧制限を設けることもできる。例えば会員制の販売システムを構築した場合、有料会員のユーザは全ての表示を閲覧でき、一般会員のユーザは制限的に閲覧できる等の閲覧制限を設けることができる。
【0052】
<各種情報の取得>
S202において、情報処理装置10の取得部101は、商品に関する商品情報、販売者によって定められた審査に関する審査情報、などを取得し、記憶部12へ格納する。本実施形態では、取得部101は販売者端末2から商品情報及び審査情報を受け付ける。
【0053】
商品情報は図5(b)に示すように、商品名、アートや工作などの商品ジャンル、商品の詳細情報、組立が必要か否かなどの追加作業に関する情報、商品の価格、受注可能数、審査有無に関する情報、審査の内容に関する審査情報、などの情報を含んで商品IDで管理される。商品情報には図5(b)に加えて、商品の寸法情報(例えば最大寸法)、商品の素材に関する情報、商品の製法に関する情報、商品の設計図に関する情報、必要な設備やツールに関する情報、などの情報を含めることができる。
【0054】
例えば商品が「壁付けホルダー」であった場合、商品ジャンルについては、室内用収納などの大分類、小物などの中分類、アタッチメントなどの小分類、のように表現することもできる。また、当該商品の設計図に関する情報を商品IDやユーザIDと対応させて設計図IDで管理することもできる。
【0055】
本実施形態における商品は、販売者により制作されるハンドメイド商品などの制作品である。商品情報は、この制作品の制作過程に関する動画情報を含んでいても良い。動画情報により、販売者(制作者)の制作スキル等を周知することができ、さらに購入希望者は制作過程も含めた商品特性を理解することができる。なお、この動画情報は、動画データであっても良いし、あるいは動画データにアクセスするためのURLに関する情報などであっても良い。
【0056】
審査情報は、販売者が購入希望者の審査をする際に確認したい内容を任意に設定することができる。例えば審査情報には、購入希望者の趣味や当該商品の商品特性の理解度などを確認する項目を含めて審査IDで管理することができる。これに加えて審査情報には、審査状況に関する情報、出品者の情報(出品者のユーザID)、購入希望者の情報(購入希望者のユーザID)、支払方法に関する情報、支払金額、オーソリ結果(照会結果)、購入希望数量、購入目的、審査結果、などの情報を含めることもできる。
【0057】
本実施形態では、この審査情報に対する回答を回答情報として受け付ける。なお、本明細書では、審査情報と、この審査情報に対応する回答情報をあわせて審査情報と表現することもある。
【0058】
審査情報は、販売者が任意に設定することができる。例えば1人の販売者に対して1つの審査情報としても良いし、あるいは、1人の販売者に対して複数の審査情報を設定することもできる。1人の販売者に複数の審査情報が設定される場合、商品の種類や購入希望者に応じて審査情報を設定することができる。例えば商品特性が類似している複数の商品に対し、同じ審査情報を利用することもできる。
【0059】
また、審査情報は商品ごとに設定することもできる。さらに本実施形態では、1つの商品に対して複数の審査情報を設定することもできる。この場合、購入希望者、季節、販売される地域等の所定条件ごとに審査情報を選択することができる。
【0060】
審査情報には複数の項目が含まれている。例えば上記のように商品特性の理解度を問う質問が複数あり、それぞれの質問に対して回答を選択するようにしても良いし、あるいは購入希望者が購入者端末3を介して回答を入力しても良い。
【0061】
その他、例えば商品特性などに関する質問が複数あり、これらに対して〇×で回答できるようにし、〇の数に応じて販売を承諾するような審査情報とすることもできる。つまり、審査情報として所定の購入ルールを提示し、この購入ルールに承諾をすることで購入希望者が商品を購入できるようにしても良い。
【0062】
取得部101は商品情報及び審査情報を必ずしも同時に受け付ける必要はなく、販売者端末2から商品情報を受け付け、その後に審査情報を取得するようにしても良い。あるいは取得部101は、審査情報を受け付け(または予め販売者ごとの審査情報を記憶部12へ格納し)、その後に商品情報を取得するようにしても良い。
【0063】
また、例えば取得部101は、販売者端末2から商品情報を取得し、後述する審査受付部103が購入者端末3から購入希望者の購入意思に関する購入希望を受け付けた後に審査情報を取得することもできる。
【0064】
<販売情報の表示処理>
S203において、情報処理装置10の表示処理部102は、商品情報に基づいた販売情報を表示処理し、その表示処理結果を送信する。本実施形態における表示処理部102は、商品情報に基づく販売情報と、販売者ごとに定められた審査情報と、を表示処理し、その表示処理の結果を購入希望者からの要求に応じて購入者端末3へ送信する。購入希望者は、購入者端末3を介して表示処理部102による表示処理結果を販売情報として閲覧することできる。
【0065】
販売情報は、上記の商品情報に加えて、ピンセットの取り扱いやはんだ付け作業などの必要スキルの有無、中分類や小分類などのより詳細な商品ジャンル、などの購入希望者が商品を購入する際に有益な情報(または必要な情報)を含んで構成される。
【0066】
例えば購入希望者に予め必要スキルを知らせることで、販売者は商品購入時のトラブルを回避し、購入希望者の興味を向上させることができる。また、詳細な商品ジャンルに関する情報があることで、購入希望者が希望する商品をスムーズに検索することができる。
【0067】
この他にも販売情報には、細部への接着が必要である事、回路基板の取り扱い経験が必要である事など、購入希望者に対して事前に確認が必要なスキル(商品を完成させるために必要なスキル)を含めることができる。
【0068】
<商品購入に関する情報>
S204において、情報処理装置10の審査受付部103は、審査情報に対応した回答情報を受け付ける。本実施形態では、審査受付部103は、購入希望者からの購入希望に基づいて、審査情報に対応する回答情報を購入者端末3から受け付ける。審査受付部103が、購入者端末3から購入希望を受け取った後、表示処理部102は審査情報を表示処理し、その表示処理の結果を購入者端末3へ送信する。購入希望は、購入希望者の購入意思や購入数量などである。本実施形態では、購入希望に基づいた購入情報が記憶部12へ格納される。
【0069】
購入情報は図5(b)に示すように、商品ID、購入希望者を示すユーザID、商品の購入数量、購入者(購入希望者)に関する詳細情報、審査有無に関する情報、審査中や審査終了などの審査状況、郵送や直接受け渡しなどの取引形態、支払方法、などの情報を含んで購入IDで管理される。
【0070】
審査情報は、上述のように商品の販売者が定めることができる。すなわち、記憶部12は、販売者ごとに登録した審査情報を格納する。さらに本実施形態では、販売者によって商品ごとに異なる審査情報を定めることができる。
【0071】
このように審査情報は販売者ごとに定められることに加えて、同じ販売者であっても異なる商品に対して別の審査情報を商品ごとに定めることができるので、購入希望者にはより適切な商品特性を知らせることができる。その結果、販売者と購入者(購入希望者)の双方が満足した状態で商品の取り引きが可能となる。
【0072】
例えば、図5(c)に示した購入情報に加えて、購入に関する手続き処理について図5(d)に示す決済情報を利用することもできる。図5(d)に示すように決済情報は、購入ID、ユーザID、決済方法に関する情報、決済の詳細情報、決済日時、などの情報を含んで決済IDで管理することができる。この決済情報を利用することで、重要な処理である決済についての誤りを防止することができる。
【0073】
そしてS205において、表示処理部102は審査結果に関する審査結果情報を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。この審査結果情報は、商品情報と、購入希望者の購入希望に関する購入希望者情報と、審査情報と、回答情報と、に基づいて販売者が購入希望者を審査した結果であり、購入可決や購入否決に関する情報、及びその理由に関する情報などである。例えば、否決理由には、購入希望の商品についての理解が不足しているため、あるいは商品の受け渡しが困難であるため、などの理由を含めることができる。
【0074】
ここで、実際には審査受付部103が購入者端末3から購入希望を受け付けてから販売者による審査が終了するまでにはある程度の時間を要する。本販売システム1では、販売者が審査情報及び回答情報等に基づいて審査をし、審査が終了してから販売手続を行うことになる。すなわち、審査中の期間を経た後に購入希望者は商品を購入することができる。以下、審査開始から購入手続きまでの流れについて説明する。
【0075】
<審査開始から購入手続きまでの流れ>
図4は、一実施形態に係る販売システムの審査開始から購入手続きまでの流れを示すフローチャートである。S301において、審査中の期間に販売者は審査情報と回答情報と購入希望者情報に基づいて、購入希望者に当該商品を販売するか否かの審査をする。
【0076】
この審査中の期間は、審査に要する時間と購入希望者の都合等も考慮して、10日間~15日間程度であるが好ましく、より好ましくは3日間~7日間程度であることが好適である。
【0077】
なお、この審査期間中に販売者は必要に応じて購入希望者とメッセージ機能を用いてメッセージ情報の交換を行うことができる。メッセージ機能を利用することで、よりスムーズな審査や購入手続き等を行うことができる。
【0078】
本実施形態では、審査中においてこの審査中の商品を他の購入希望者が購入することはできない一方、審査受付部103は他の購入希望者から購入希望を受け付けることができる。具体的にはS302において、審査受付部103は第2の購入希望者(購入端末3)から審査中商品に対する第2の購入希望を受け付ける。例えば、第2の購入希望者は購入者端末3を介して「欲しいね!」などの第2の購入希望を送ることができる。
【0079】
なお、販売者には第2の購入希望者が購入を希望している事を開示しない構成にすることもできる。販売システム1をこのような構成にすることで、販売者は公平な審査を行うことができる。
【0080】
また、商品の審査中においては、第2の購入希望者から購入希望を受け付けない構成にすることもできる。この場合、審査終了までの期間を通知したり、または審査が否決された後に、当該商品の購入が可能となった事を知らせるアラーム等を第2の購入希望者へ送信(または表示処理)することができる。
【0081】
S303において、表示処理部102は第2の購入希望者(購入端末3)へ審査結果待ち通知を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。第2の購入希望者は、審査中商品の審査結果を待った後、その審査結果に応じて商品の購入が可能となる。
【0082】
同様に、表示処理部102は第3の購入希望者や第4の購入希望者などの複数の購入希望者に審査結果待ち通知を表示処理することもできる。この場合、購入希望順に販売者による審査が行われる。例えば、商品に対して複数の購入希望者が存在する場合、販売者は複数の購入希望者を同時に(並行して)審査し、その中から購入希望者を決定することもできる。
【0083】
また、例えば閲覧者や購入希望者は、気になる商品(審査前の商品)に対して「欲しいね!」などを登録できるようにしても良い。この場合、表示処理部102は商品の審査に応じて「欲しいね!」の登録者に対して審査待ち移行通知を表示処理し、その表示処理の結果を送信することができる。
【0084】
S304において、表示処理部102は審査結果情報を表示処理し、その表示処理の結果を最初の購入希望者(審査中の購入希望者)に送信する。この審査結果情報には、商品購入の可決、あるいは否決の結果と共に、それらの理由が示されている。
【0085】
S305において、審査結果情報によって購入希望者が販売者から購入の承諾が得られなかった(否決された)場合は、第2の購入希望者に当該商品が購入可能な状態に変更されたことを通知(変更通知の表示処理結果を送信)する。
【0086】
本実施形態では、審査受付部103は審査中の商品に対する購入希望を第2の購入希望者(購入者端末3)から受け付け、表示処理部102は、商品の審査が終了した後に、購入可能通知又は売り切れ通知を表示処理し、その表示処理結果を送信する。
【0087】
そしてS306において、図3と同様の流れで審査受付部103が第2の購入希望者から審査情報に対応した回答情報を受け付ける。つまり、本販売システム1では、販売者による可決が得られるまで、S202~S205までの処理(及び、S301~S306までの処理)が繰り返される。
【0088】
S307において、S304で販売者から購入の承諾が得られた(可決された)場合、及び、その後に第2の購入希望者が販売者から購入の承諾を得られた場合に、本販売システム1では購入手続きに関する処理が行われる。
【0089】
具体的に表示処理部102は購入手続き情報を表示処理し、その結果を購入端末3へ送信し、購入希望者は購入者端末3を介して購入手続きに必要な情報を入力し、取得部101は購入手続きに必要な情報を取得する。
【0090】
例えば、取得部101は購入者端末3から、商品の受け渡し方法、受け渡しが対面である場合には受け渡し場所、支払い方法、などの情報を取得する。本実施形態では、このような一連の処理を経ることで、販売者と購入者の双方が十分に満足した状態で商品の取り引きを行うことができる。
【0091】
<表示例>
図6は、一実施形態に係る販売システムにおける表示処理結果の一例である。同図に示すように、購入者端末3に表示処理された販売情報画面W10には、商品名、商品分類(商品ジャンル)、商品の価格、複数の商品画像などが表示される。本実施形態における販売情報画面W10では、購入希望者が商品を検索することができる。販売情報画面W10は、商品「ABCD」を検索した結果である。
【0092】
また、販売情報画面W10には、対象となる商品が審査前であるか審査中であるかが一見して把握できるように表示されている。このように商品名などの商品情報と共に審査に関する情報をあわせて表示することで、購入希望者は現時点における商品の審査状況等を簡単に把握することができる。
【0093】
図6の販売情報画面W10では、左下に位置するカート投入ボタンを押すことで商品を購入すること(購入希望を審査受付部103が受け付け)ができる。図示を省略するが、カート投入ボタンを押すことで、購入点数などを選択することができる。また、カート投入ボタンを押した後、例えば「購入画面に進む」、「買い物を続ける」などの項目を選択することもできる。
【0094】
本実施形態では、販売情報画面W10の右下に位置する審査承諾ボタンを押した後でなければカート投入ボタンを押すことが出来ない。審査承諾ボタンを押すと、販売者による審査がある旨、所定期間内に審査が行われる旨、審査に際し購入希望者の個人情報の一部を販売者に公開する旨、審査は販売者の判断で行われる旨(本販売システム1の管理者等は一切関与しない旨)、などがチェックボックスで表示される。このチェックボックスが全てチェックされることで購入希望者は当該商品の購入に必要な情報を入力できると共に、上述したカート投入ボタンを押すことができる。
【0095】
さらに、上記のとおり閲覧者や購入希望者は、気になる商品に対して「欲しいね!」ボタンを押すことで、購入希望に関する情報を登録することができる。このように本実施形態に係る販売情報画面W10では、審査に必要な様々な情報が同一画面に表示処理されている。その結果、購入者端末3を利用する購入希望者の利便性を向上させることができる。
【0096】
例えば、販売情報画面W10には、商品の詳細寸法、ピンセットの取り扱いやはんだ付け作業などの必要スキルの有無、中分類や小分類などのより詳細な商品ジャンル、販売者のスキル(制作者のスキル)、商品の設計図、追加作業レスオプション(追加作業を必要としない状態で販売)、単体販売可否、などの様々な情報を販売者が任意に定めることができる。
【0097】
以上のように本発明に係る販売システム1によれば、販売される商品に関する商品情報と、商品の制作者でもある販売者が定めた審査情報と、審査情報に対応する回答情報と、商品の購入希望者に関する購入希望者情報と、に基づいて販売者による購入希望者の審査を経て商品を販売することができる。その結果、ハンドメイド商品などの販売において、販売者と購入者の双方が十分に満足した状態で当該ハンドメイド商品などの取り引きを行うことができる。
【0098】
また、本実施形態ではハンドメイド商品や数量限定のオリジナル商品などを対象として説明したが、特徴的な商品特性を有する量産品を対象として本販売システム1を利用する場合も本発明と同様の効果を得ることができる。
【0099】
さらに本実施形態では各種通知を表示処理部が送信していたが、例えば本販売システム1に送信部を設け、この送信部が各種通知等(購入可能通知や売り切れ通知等)をメールや他の通信手段などで送信することもできる。
【符号の説明】
【0100】
1 販売システム
2 販売者端末
3 購入者端末
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
90 端末(販売者端末2、購入者端末3)
91 制御部
92 記憶部
93 通信部
94 入力部
95 出力部
101 取得部
102 表示処理部
103 審査受付部
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6