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特開2024-48624感圧センサー、把持装置およびロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048624
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】感圧センサー、把持装置およびロボット
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/18 20060101AFI20240402BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20240402BHJP
   G01L 1/20 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G01L5/18
B25J19/02
G01L1/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154643
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】米村 貴幸
【テーマコード(参考)】
2F051
3C707
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051AB07
2F051BA05
3C707BS15
3C707DS01
3C707ES03
3C707EU04
3C707HS27
3C707KS03
3C707KS31
3C707KS34
3C707KT01
3C707KT05
3C707KW04
3C707KX08
3C707LV10
3C707MT04
3C707MT08
(57)【要約】
【課題】対象物の硬さを容易に測定できる感圧センサー、対象物の硬さを踏まえて把持部の動作を制御可能な把持装置、および、前記把持装置を備えるロボットを実現すること。
【解決手段】載置面を有する基材と、前記載置面に載置され、凸曲面を含む円蓋形状をなす弾性体と、前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の頂部に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号を出力する第1感圧素子と、前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の周縁部に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号を出力する第2感圧素子と、前記第1検出信号および前記第2検出信号に演算を行う演算部と、を備え、前記演算部は、前記弾性体に対象物を第1荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第2検出信号との比R1-1/2に基づいて、前記対象物の硬さを測定することを特徴とする感圧センサー。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面を有する基材と、
前記載置面に載置され、凸曲面を含む円蓋形状をなす弾性体と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の頂部に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号を出力する第1感圧素子と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の周縁部に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号を出力する第2感圧素子と、
前記第1検出信号および前記第2検出信号に演算を行う演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記弾性体に対象物を第1荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第2検出信号との比R1-1/2に基づいて、前記対象物の硬さを測定することを特徴とする感圧センサー。
【請求項2】
前記演算部は、前記比R1-1/2、および、前記弾性体に前記対象物を前記第1荷重より大きい第2荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第2検出信号との比R2-1/2、に基づいて、前記対象物の硬さを測定する請求項1に記載の感圧センサー。
【請求項3】
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の周縁部のうち前記第2感圧素子とは異なる位置に配置され、感圧によって第3検出信号を出力する第3感圧素子を備え、
前記演算部は、前記比R1-1/2、および、前記弾性体に前記対象物を前記第1荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第3検出信号との比R1-1/3、に基づいて、前記対象物の硬さを測定する請求項1または2に記載の感圧センサー。
【請求項4】
第1方向に延在する第1電極と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられている感圧導電体と、
を備え、
前記第1感圧素子、前記第2感圧素子および前記第3感圧素子は、それぞれ、前記第1電極と前記第2電極との交差部、および、前記交差部に対応する前記感圧導電体で構成される感圧部を有する請求項3に記載の感圧センサー。
【請求項5】
対象物を把持する把持部と、
前記把持部に設置されている感圧センサーと、
前記把持部を駆動する駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する第1制御部と、
を備え、
前記感圧センサーは、
載置面を有する基材と、
前記載置面に載置され、凸曲面を含む円蓋形状をなす弾性体と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の頂部に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号を出力する第1感圧素子と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の周縁部に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号を出力する第2感圧素子と、
前記弾性体に前記対象物を第1荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第2検出信号との比R1-1/2を算出する演算部と、
を備え、
前記第1制御部は、
前記駆動部の動作を開始した後、前記比R1-1/2がしきい値未満であるとき、前記駆動部の動作を継続させ、
前記比R1-1/2がしきい値以上であるとき、前記駆動部の動作を停止させる機能を有することを特徴とする把持装置。
【請求項6】
請求項5に記載の把持装置と、
前記把持部が取り付けられているロボットアームと、
前記ロボットアームの動作を制御する第2制御部と、
を備えることを特徴とするロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧センサー、把持装置およびロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロボットハンドで対象物を把持する場合、対象物からロボットハンドが受ける荷重を検出することが望まれている。これにより、例えば、ロボットハンドが対象物を押さえる力や、対象物がロボットハンドからずれ落ちようとする力を測定することができる。その結果、対象物を的確に把持することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、感圧導電体層、上部電極および下部電極を有する荷重検出部と、荷重検出部に接して配置されている接触体と、を備える荷重センサーが開示されている。この荷重センサーでは、上部電極および下部電極の少なくとも一方が、中心電極と、中心電極の周囲に配される2以上の分割電極と、を備えている。そして、荷重センサーに荷重が作用すると、各電極から出力される電圧が変化する。
【0004】
特許文献1に記載の荷重センサーでは、複数の電極で出力電圧が変化するとき、これらの出力電圧の変化を演算することによって、対象物を把持するときの把持荷重を検知することができる。把持荷重を検知することにより、把持力を制御して的確な操作につなげることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-158431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の荷重センサーでは、対象物の物性、具体的には対象物の硬さを検知することは困難である。このため、特許文献1に記載の荷重センサーを備えたロボットハンドでは、対象物の硬さを考慮した把持力の制御ができない。その結果、例えば対象物が柔らかい場合、対象物が変形することによってロボットハンドから対象物が脱落してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、対象物に接触させるだけで対象物の硬さを精度よく測定可能な感圧センサーを実現することが課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の適用例に係る感圧センサーは、
載置面を有する基材と、
前記載置面に載置され、凸曲面を含む円蓋形状をなす弾性体と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の頂部に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号を出力する第1感圧素子と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の周縁部に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号を出力する第2感圧素子と、
前記第1検出信号および前記第2検出信号に演算を行う演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記弾性体に対象物を第1荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第2検出信号との比R1-1/2に基づいて、前記対象物の硬さを測定する。
【0009】
本発明の適用例に係る把持装置は、
対象物を把持する把持部と、
前記把持部に設置されている感圧センサーと、
前記把持部を駆動する駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する第1制御部と、
を備え、
前記感圧センサーは、
載置面を有する基材と、
前記載置面に載置され、凸曲面を含む円蓋形状をなす弾性体と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の頂部に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号を出力する第1感圧素子と、
前記載置面と前記弾性体との間で、かつ、前記凸曲面の周縁部に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号を出力する第2感圧素子と、
前記弾性体に前記対象物を第1荷重で押し付けたときの前記第1検出信号と前記第2検出信号との比R1-1/2を算出する演算部と、
を備え、
前記第1制御部は、
前記駆動部の動作を開始した後、前記比R1-1/2がしきい値未満であるとき、前記駆動部の動作を継続させ、
前記比R1-1/2がしきい値以上であるとき、前記駆動部の動作を停止させる機能を有する。
【0010】
本発明の適用例に係るロボットは、
本発明の適用例に係る把持装置と、
前記把持部が取り付けられているロボットアームと、
前記ロボットアームの動作を制御する第2制御部と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る感圧センサーを示す分解斜視図である。
図2図1の断面図である。
図3図2のB部拡大図である。
図4図1に示す感圧センサーが対象物の硬さを測定する原理を説明する模式図である。
図5図1に示す感圧センサーが対象物の硬さを測定する原理を説明する模式図である。
図6A】弾性体に鉄塊を荷重2.3Nで押し付けたとき、第1感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
図6B】弾性体に鉄塊を荷重13.7Nで押し付けたとき、第1感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
図7A】弾性体にスポンジを荷重2.3Nで押し付けたとき、第1感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
図7B】弾性体にスポンジを荷重13.7Nで押し付けたとき、第1感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
図8】弾性体に鉄塊およびスポンジを押し付けた場合の、比log(S1)/log(S2)と、弾性体に加えられた荷重と、の関係を示すグラフである。
図9A】弾性体にプラスチックキューブを荷重2.3Nで押し付けたとき、第1感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
図9B】弾性体にプラスチックキューブを荷重13.7Nで押し付けたとき、第1感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子が有する感圧導電体の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
図10】弾性体にプラスチックキューブを押し付けた場合の、比log(S1)/log(S2)と、弾性体に加えられた荷重と、の関係を示すグラフである。
図11】センサー出力回路の構成例を示す回路図である。
図12】第1変形例に係る感圧センサーを示す分解斜視図である。
図13】第2変形例に係る感圧センサーを示す分解斜視図である。
図14】実施形態に係るロボットを示す概略構成図である。
図15図14のロボットを示すブロック図である。
図16図15の第1制御部および第2制御部のハードウェア構成例を示す図である。
図17】ロボットの制御方法を説明するためのシーケンス図である。
図18】把持装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の感圧センサー、把持装置およびロボットを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
1.感圧センサー
まず、実施形態に係る感圧センサーについて説明する。
【0014】
図1は、実施形態に係る感圧センサー100を示す分解斜視図である。図2は、図1の断面図である。図3は、図2のB部拡大図である。
【0015】
感圧センサー100は、図1に示すように、載置面111を有する基材110と、載置面111に載置され、凸曲面121を含む円蓋形状をなす弾性体120と、第1感圧素子131および第2感圧素子132と、演算部150と、を有する。弾性体120は、弾性を有し、対象物と接触すると、対象物から受ける接触力によって変形し、第1感圧素子131および第2感圧素子132に接触力を伝搬させる。
【0016】
第1感圧素子131および第2感圧素子132は、載置面111と弾性体120との間に設けられている。弾性体120の変形によって、第1感圧素子131および第2感圧素子132が押圧されると、第1感圧素子131から第1検出信号S1が出力され、第2感圧素子132から第2検出信号S2が出力される。
【0017】
演算部150は、弾性体120に対象物を第1荷重で押し付けたときの第1検出信号S1と第2検出信号S2との比R1-1/2に基づいて、対象物の硬さを測定する。なお、以下の説明では、比R1-1/2を「硬さ指標」という場合がある。
【0018】
以下、第1感圧素子131の構造について説明する。なお、第2感圧素子132の構造は、第1感圧素子131と同様であるため、説明を省略する。
【0019】
第1感圧素子131は、図3に示すように、感圧導電体142と、一対の電極144、144と、一対の絶縁シート146、146と、を有する。第1感圧素子131は、押圧力の変化を受けることにより、電極144、144間の電気抵抗値が変化する素子である。感圧導電体142の構成材料としては、例えば、導電性エラストマー、導電性ゴム等が挙げられる。なお、第1感圧素子131は、押圧力の変化により、感圧導電体142自体の電気抵抗値が変化する素子であってもよいし、感圧導電体142と電極144との間の接触抵抗値が変化する素子であってもよい。
【0020】
電極144の構成材料としては、例えば、Al、Cu、Ni、Ag、Au等の単体または合金等が挙げられる。一対の電極144、144には、配線147が接続されている。この配線147は、一対の電極144、144と演算部150とを接続している。
【0021】
基材110としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂基板、セラミック基板等が挙げられる。
【0022】
弾性体120は、弾性を有し、第1感圧素子131および第2感圧素子132の双方を覆うように載置面111に配置されている。弾性とは、力が加えられたときには、力に応じて変形し、力が除かれると元の形状に戻ろうとする性質のことをいう。したがって、弾性体120に力が加わると、弾性体120が変形し、力が伝搬する。
【0023】
また、弾性体120は、図2に示すように、凸曲面121を有している。凸曲面121は、載置面111から遠ざかる方向に突出する球面状または非球面状の曲面である。なお、凸曲面121の形状は、特に限定されない。
【0024】
図2に示す凸曲面121は、最も突出している部位である頂部122と、頂部122の周囲にあって突出量が頂部122よりも小さい周縁部123と、を有する。つまり、凸曲面121では、頂部122から周縁部123に向かって突出量が小さくなっている。
【0025】
なお、本明細書では、凸曲面121を有する物体の形状を「円蓋形状」という。円蓋形状をなす弾性部材は、上記のように接触力を効率よく伝搬できる特性を持っているため、感圧センサー100に用いる弾性体120として有用である。
【0026】
弾性体120の構成材料としては、例えば、ゴム、エラストマー、発泡樹脂等が挙げられる。このうち、ゴムとしては、例えば、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。
【0027】
弾性体120と対象物とが接近すると、頂部122が優先的に接触する。この場合、第2感圧素子132に比べて、第1感圧素子131に優先的に圧力が加わり、第1検出信号S1が出力される。
【0028】
図4および図5は、図1に示す感圧センサー100が対象物の硬さを測定する原理を説明する模式図である。
【0029】
図4では、鉄塊のような硬い対象物Whに、感圧センサー100の弾性体120を押し付けたとき、対象物Whから弾性体120に加わる接触力を示している。また、図5では、スポンジのような柔らかい対象物Wsに、感圧センサー100の弾性体120を押し付けたとき、対象物Wsから弾性体120に加わる接触力を示している。
【0030】
図4に示す例では、対象物Whが弾性体120よりも硬いため、弾性体120が対象物Whにめり込む量が小さい。このため、頂部122に接触力F1が生じる。その結果、第1感圧素子131から第1検出信号S1が出力される一方、第2感圧素子132からは第2検出信号S2がほとんど出力されない。
【0031】
図5に示す例では、対象物Wsが弾性体120よりも柔らかいため、弾性体120が対象物Wsにめり込む量が大きくなる。このため、頂部122に接触力F1が生じるだけでなく、周縁部123に接触力F2が生じる。その結果、第1感圧素子131から第1検出信号S1が出力され、第2感圧素子132から第2検出信号S2が出力される。
【0032】
したがって、第1検出信号S1と第2検出信号S2とを比較することにより、対象物Wh、Wsの硬さを評価することができる。つまり、弾性体120の頂部122に対応する位置に設けられた第1感圧素子131から出力される第1検出信号S1と、弾性体120の周縁部123に対応する位置に設けられた第2感圧素子132から出力される第2検出信号S2と、に基づいて、対象物Wh、Wsの硬さを評価することができる。
【0033】
なお、対象物Wh、Wsの硬さは、弾性体120がめり込む量に反映されるため、対象物Wh、Wsの耐変形性に相当するといえる。このような対象物Wh、Wsの硬さを測定することができれば、例えば、対象物Wh、Wsの硬さに応じて、ロボットによる把持力を調整することができる。例えば、把持する対象物Wsが柔らかい場合、対象物Ws自体の変形量が大きくなるため、把持力が弱い場合には把持している対象物Wsが脱落する場合がある。これに対し、硬さに応じて把持力を追加することができれば、対象物Wsの脱落を抑制することができる。
【0034】
図6Aは、弾性体120に鉄塊を荷重2.3Nで押し付けたとき、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。また、図6Bは、弾性体120に鉄塊を荷重13.7Nで押し付けたとき、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
【0035】
図6Aおよび図6Bでは、荷重の大きさによらず、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1と、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2と、の相違が比較的大きくなっている。つまり、弾性体120の頂部122に加わる接触力F1が、周縁部123に加わる接触力F2よりも大きくなっている。
【0036】
図7Aは、弾性体120にスポンジを荷重2.3Nで押し付けたとき、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。図7Bは、弾性体120にスポンジを荷重13.7Nで押し付けたとき、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。
【0037】
図7Aおよび図7Bでは、荷重の大きさによらず、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1と、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2と、の相違が図6Aおよび図6Bよりも小さくなっている。つまり、弾性体120の頂部122に加わる接触力F1と、周縁部123に加わる接触力F2と、の相違が大きくない。
【0038】
したがって、図6A図6B図7Aおよび図7Bに示す電気抵抗値R1、R2間の相違を、第1検出信号S1と第2検出信号S2との相違として取り出すことにより、鉄塊やスポンジの硬さを相対的に評価することができる。
【0039】
第1検出信号S1と第2検出信号S2との相違は、両者の比を算出することによって定量化できる。差ではなく、比を計算することで、計算結果が各信号の強度に左右されにくくなる。
【0040】
比を計算するときには、各信号の強度比を算出してもよいが、第2検出信号S2の強度の常用対数log(S2)に対する第1検出信号S1の強度の常用対数log(S1)の比log(S1)/log(S2)を求めるのが好ましい。電気抵抗値R1、R2は接触力F1、F2の常用対数に応じて変化するため、接触力F1、F2と比log(S1)/log(S2)との間には、一定の相関関係が成り立つ。このため、このような比を用いることで、対象物Wh、Wsの硬さを評価しやすくなる。
【0041】
図8は、弾性体120に鉄塊およびスポンジを押し付けた場合の、比log(S1)/log(S2)と、弾性体120に加えられた荷重と、の関係を示すグラフである。
【0042】
図8に示すように、弾性体120に鉄塊を押し付けた場合と、弾性体120にスポンジを押し付けた場合とで、比log(S1)/log(S2)に差が認められる。したがって、比log(S1)/log(S2)の値に基づくことにより、対象物の硬さを定量的に評価することができる。また、例えば、前述した第1荷重を2.3Nとした場合、第1荷重が印加されたときの比log(S1)/log(S2)の値が、前述した「比R1-1/2」となる。そうすると、比R1-1/2と、対象物の硬さと、の間には、一定の相関関係がある。この相関関係を表す検量線やテーブルをあらかじめ作成しておくことにより、対象物の硬さを測定することができる。なお、第1荷重は、2.3Nに限定されない。
【0043】
また、図8に示すように、比log(S1)/log(S2)の値は、加わる荷重が変化しても、ほぼ一定である。これは、加わる荷重が変化しても鉄塊やスポンジの構造は変化しないことを裏付けていると考えられる。換言すれば、加わる荷重に応じて比log(S1)/log(S2)の値が変化する場合、対象物の構造が変化することを裏付けていると考えられる。したがって、比log(S1)/log(S2)の値の変化に基づくことにより、荷重の変化に伴って対象物の構造が変化するか否かを評価することもできる。
【0044】
図9Aおよび図9Bには、荷重の変化に伴って対象物の構造が変化する場合の例を示している。図9Aは、弾性体120にプラスチックキューブを荷重2.3Nで押し付けたとき、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。図9Bは、弾性体120にプラスチックキューブを荷重13.7Nで押し付けたとき、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1、および、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2、の時間変化を示すグラフである。プラスチックキューブは、内部が空洞になっているプラスチック製の立方体である。
【0045】
荷重が2.3Nであるときには、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1と、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2と、の相違のパターンが、図6Aの例に近くなっている。したがって、荷重が2.3Nであるとき、プラスチックキューブの硬さは、鉄塊に近いと評価できる。
【0046】
一方、荷重が13.7Nであるときには、第1感圧素子131が有する感圧導電体142の電気抵抗値R1と、第2感圧素子132が有する感圧導電体142の電気抵抗値R2と、の相違のパターンが、図7Bの例に近くなっている。したがって、荷重が13.7Nであるとき、プラスチックキューブの硬さは、スポンジに近いと評価できる。
【0047】
図10は、弾性体120にプラスチックキューブを押し付けた場合の、比log(S1)/log(S2)と、弾性体120に加えられた荷重と、の関係を示すグラフである。つまり、図10は、プラスチックキューブを弾性体120に押し付ける荷重を徐々に大きくしたときの、比log(S1)/log(S2)の変化を示すグラフである。
【0048】
図10に示すように、比log(S1)/log(S2)の値は、加わる荷重が大きくなると、増加している。これは、加わる荷重が大きくなると、プラスチックキューブの構造が変化することを裏付けていると考えられる。具体的には、プラスチックキューブには、構造の変化を伴う耐荷重のしきい値が存在しており、加えられる荷重がしきい値を超えない範囲では、鉄塊に近い挙動を示し、荷重がしきい値以上になると、スポンジに近い挙動を示すと考えられる。このように、比log(S1)/log(S2)の値に基づくことで、荷重の変化に伴って対象物の構造が変化するか否かを評価することができる。
【0049】
弾性体120に対象物を荷重2.3N(第1荷重)で押し付けたときの比log(S1)/log(S2)を「比R1-1/2」とし、弾性体120に対象物を荷重13.7N(第2荷重)で押し付けたときの比log(S1)/log(S2)を「比R2-1/2」とする。
【0050】
演算部150は、比R1-1/2と比R2-1/2の双方に基づいて、対象物の硬さを測定するよう構成されていてもよい。
【0051】
これにより、例えばプラスチックキューブのように、荷重の増加に伴って構造が変化する対象物についても、硬さを測定することができる。その結果、測定した硬さに基づいて把持力を最適化することにより、このような対象物をロボットで的確に把持することができる。
【0052】
感圧センサー100は、図11に示すセンサー出力回路160を有していてもよい。図11は、センサー出力回路160の構成例を示す回路図である。
【0053】
センサー出力回路160は、固定抵抗RLと、例えば第1感圧素子131に相当する感圧素子抵抗VR_Cと、を有している。固定抵抗RLは、電気抵抗値が一定の抵抗素子である。感圧素子抵抗VR_Cは、第1感圧素子131に加わる力に応じて電気抵抗値が変化する抵抗素子である。固定抵抗RLおよび感圧素子抵抗VR_Cは、センサー用電源電圧VinとグランドGNDとの間に、この順で直列に接続されている。そして、固定抵抗RLと感圧素子抵抗VR_Cとの間からセンサー出力信号Voutが出力されるように構成されている。
【0054】
このようなセンサー出力回路160では、下記式に基づいてセンサー出力信号Voutが求められる。
Vout=VR_C/(RL+VR_C)×Vin
【0055】
得られるセンサー出力信号Voutの強度は、例えば第1感圧素子131の電気抵抗値に対応している。
【0056】
なお、センサー出力回路160は、必要に応じて、図11に示す回路構成に対して任意の要素が追加または置換されたものであってもよい。
【0057】
演算部150は、センサー出力信号Voutをアナログ/デジタル変換した後、得られた信号(第1検出信号S1および第2検出信号S2)に基づいて、対象物の硬さを算出する。なお、対象物の硬さは、任意の単位の絶対値であっても、基準値に対する相対値であってもよい。
【0058】
なお、感圧センサー100は、演算部150による演算結果を出力する図示しない出力部、演算部150にデータを入力する図示しない入力部等を備えていてもよい。出力部としては、例えば、液晶表示装置等が挙げられる。また、入力部としては、例えば、キーボード、タッチパネル等が挙げられる。
【0059】
2.変形例に係る感圧センサー
次に、変形例に係る感圧センサーについて説明する。
図12は、第1変形例に係る感圧センサー100を示す分解斜視図である。
【0060】
以下、第1変形例について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図12において、前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0061】
第1変形例に係る感圧センサー100は、第3感圧素子133をさらに備えること以外、前記実施形態に係る感圧センサー100と同様である。
【0062】
図12に示す第3感圧素子133は、載置面111と弾性体120との間に設けられている。第3感圧素子133は、第1感圧素子131の第2感圧素子132とは反対側に配置されている。弾性体120の変形によって、第3感圧素子133が押圧されると、第3感圧素子133から第3検出信号S3が出力される。
【0063】
また、第1変形例では、第3検出信号S3の強度の常用対数log(S3)に対する第1検出信号S1の強度の常用対数log(S1)の比log(S1)/log(S3)を算出する。そして、弾性体120に対象物を第1荷重で押し付けられたときの比log(S1)/log(S3)を「比R1-1/3」とする。
【0064】
演算部150は、比R1-1/2と比R1-1/3の双方に基づいて、対象物の硬さを測定するよう構成されていてもよい。これにより、部分的に硬さが異なるといった、対象物の硬さ分布を評価することができる。
【0065】
図13は、第2変形例に係る感圧センサー100を示す分解斜視図である。なお、図13では、載置面111内の一方向を「第1方向D1」とし、それに直交する方向を「第2方向D2」とする。第1方向D1および第2方向D2は、それぞれ図13において矢印で示されており、矢印の先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」という。
【0066】
以下、第2変形例について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図13において、前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0067】
第2変形例に係る感圧センサー100は、感圧素子の構造および数が異なること以外、前記実施形態に係る感圧センサー100と同様である。
【0068】
図13に示す基材110の載置面111には、第1方向D1に延在し、第1方向D1と交差する第2方向D2に並ぶ、3本の第1電極171が配置されている。また、載置面111には、第2方向D2に延在し、第1方向D1に並ぶ、3本の第2電極172が配置されている。3本の第1電極171および3本の第2電極172は、交差している。また、第1電極171と第2電極172との間には、図示しない感圧導電体が介在している。これにより、第1電極171と第2電極172との交差部173、および、交差部173に対応する感圧導電体により、9個の感圧部174が構成されている。このような構成であれば、第1電極171と第2電極172の組み合わせを変えることにより、少ない配線数でも、多数の感圧部174から検出信号を取得することができる。このため、構造の複雑化を避けつつ、多数の感圧部174を備えた感圧センサー100を実現することができる。
【0069】
このような多数の感圧部174がアレイ状に配置されていることにより、図13に示す感圧センサー100では、荷重の分布を精度よく捉えることができる。これにより、対象物の硬さ分布をより精度よく測定することができる。
【0070】
ここで、9個の感圧部174のうち、中央の第1電極171と中央の第2電極172との交差部173に位置する感圧部174は、弾性体120の頂部122に対応する位置にあるため、前述した「第1感圧素子131」に相当する。また、中央の第1電極171と、第1方向D1のマイナス側に位置する第2電極172と、の交差部173に位置する感圧部174は、弾性体120の周縁部123に対応する位置にあるため、前述した「第2感圧素子132」に相当する。さらに、第2方向D2のプラス側に位置する第1電極171と、第1方向D1のマイナス側に位置する第2電極172と、の交差部173に位置する感圧部174は、周縁部123に対応する位置にあって、かつ、第2感圧素子132とは異なる位置に配置されているため、「第3感圧素子133」に相当する。
【0071】
また、第1感圧素子131と第2感圧素子132との距離をL12とし、第1感圧素子131と第3感圧素子133との距離をL13とすると、L12<L13が成り立っている。
【0072】
第2変形例においても、弾性体120に対象物を第1荷重で押し付けられたときの比log(S1)/log(S2)を「比R1-1/2」とする。また、弾性体120に対象物を第1荷重で押し付けられたときの比log(S1)/log(S3)を「比R1-1/3」とする。
【0073】
第2変形例でも、演算部150は、比R1-1/2と比R1-1/3の双方に基づいて、対象物の硬さ分布を測定するよう構成されていてもよい。また、第2変形例では、L12<L13であることから、比R1-1/2と比R1-1/3の双方に基づくことにより、荷重の分布をより精度よく捉えることができる。その結果、対象物の硬さ分布をより精度よく評価することができる。つまり、硬さ分布が一様である場合と、そうでない場合とで、比R1-1/2と比R1-1/3との間の関係が変化する。この特性を利用して、第2変形例では、対象物の硬さ分布をより緻密に取得することができる。
以上のような変形例においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0074】
3.ロボット
次に、実施形態に係る把持装置およびロボットについて説明する。
【0075】
図14は、実施形態に係るロボット1を示す概略構成図である。図15は、図14のロボット1を示すブロック図である。
【0076】
図14に示すロボット1は、把持装置2と、ロボットアーム3と、カメラ4(撮像部)と、第2制御部5と、を備える。
【0077】
把持装置2は、ハンド部20と、第1制御部28と、を備える。このうち、ハンド部20は、把持部22と、駆動部24と、感圧センサー100の一部と、対向部27と、を備える。なお、ここでは、図1に示す感圧センサー100が設けられているものとする。
【0078】
把持部22は、開閉可能な一対の指部221、222を備え、指部221、222の対象物Wに対する距離を狭めることにより、対象物Wを把持する機能を有する。駆動部24は、把持部22を駆動し、把持動作を行わせる。指部221には、感圧センサー100が取り付けられている。感圧センサー100は、対象物Wから受ける接触力を検出し、第1検出信号S1および第2検出信号S2を出力する。対向部27は、感圧センサー100と対向する位置に設けられ、感圧センサー100との間で対象物Wを挟持する。
【0079】
第1制御部28は、第1検出信号S1および第2検出信号S2に基づいて、駆動部24の動作を制御する。具体的には、第1制御部28は、把持部22と対象物Wとが接触するまで、把持部22と対象物Wとの距離を狭めることにより、把持部22に対象物Wを把持させるように駆動部24の動作を制御する。なお、本明細書において「把持部22と対象物Wとの距離」とは、感圧センサー100の弾性体120と、対象物Wの重心と、の距離のことをいう。
【0080】
このような構成を有する把持装置2では、感圧センサー100が対象物Wから受ける接触力に基づいて、第1制御部28が駆動部24の動作を制御するように構成されている。このため、カメラ4で撮像された画像から対象物Wの形状を取得することなく、対象物Wの把持動作が可能になる。これにより、把持装置2の構成の簡素化および低コスト化を図ることができる。また、感圧センサー100は、対象物Wの硬さを測定する機能を有している。このため、第1制御部28は、対象物Wの硬さを踏まえて把持部22の動作を制御することができる。これにより、把持動作に伴う対象物Wの損傷を抑制しつつ、把持動作を行うことができる。その結果、作業成功率および作業効率が高い把持装置2を実現することができる。
【0081】
3.1.各部の構成
ロボット1の各部の構成について詳述する。
【0082】
3.1.1.把持装置
図14に示す把持部22は、前述したように、2つの指部221、222を備える。指部221、222は、図14に示す移動方向Aにおいて互いに接近または離間するように、駆動部24によって駆動される。これにより、把持部22は、対象物Wを挟んで把持したり、把持を解除したりすることができる。
【0083】
駆動部24は、2つの指部221、222を互いに接近または離間するように駆動する。駆動部24は、例えば、図示しないラック・アンド・ピニオン機構と、図示しない1つのモーターと、を有する。このような駆動機構を備えることにより、指部221、222を並進させることができる。なお、駆動部24が備える駆動機構は、これに限定されない。例えば、2つのモーターで指部221、222を独立して並進させるようになっていてもよい。また、把持部22は、指部221と指部222とがなす角度が変化するように開閉してもよい。
【0084】
第1制御部28は、図15に示すように、機能部として、把持力設定部284と、硬さ算出部286(演算部150)と、駆動信号出力部288と、を有する。
【0085】
硬さ算出部286は、前述した演算部150であり、少なくとも比R1-1/2に基づいて、対象物Wの硬さを測定する。
【0086】
把持力設定部284は、駆動部24を動作させるとき、把持部22による把持力を設定する。把持力は、例えば、駆動部24に内蔵されているモーターのトルクによって調整可能である。把持力は、あらかじめ所定の値に設定されていてもよいが、硬さ算出部286によって算出された対象物Wの硬さに応じて、更新されるようになっていてもよい。これにより、対象物Wの硬さに適した把持力で対象物Wを把持することができる。その結果、対象物Wに損傷が及ぶのをより確実に抑制することができる。
【0087】
駆動信号出力部288は、把持力設定部284が設定した把持力に基づいて、駆動部24に駆動信号を出力する。駆動信号出力部288は、例えばスイッチング制御により、駆動部24に電力(駆動信号)を出力する。スイッチング制御の方式としては、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御、VFM(Variable Frequency Modulation)制御等が挙げられる。このうち、PWM制御が好ましく用いられる。PWM制御は、制御が比較的容易で、かつ、入力電圧から出力電圧への変換効率が高いため利用しやすい。
【0088】
図16は、図15の第1制御部28のハードウェア構成例を示す図である。
第1制御部28の各機能部が発揮する機能は、例えば、図16に示す、CPU701、ROM702、RAM703、外部インターフェース704、および、内部バス705を備えるハードウェアによって実現される。CPU701、ROM702、RAM703および外部インターフェース704は、内部バス705を介して相互に通信可能になっている。
【0089】
CPU701は、Central Processing Unitである。なお、CPU701は、DSP(Digital Signal Processor)であってもよい。また、図16に示すハードウェアの全部または一部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されていてもよい。
【0090】
ROM702は、Read-Only Memoryであり、任意の不揮発性記憶素子で構成される。RAM703は、Random Access Memoryであり、任意の揮発性記憶素子で構成される。
【0091】
外部インターフェース704としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、RS-232C等のデジタル入出力ポート、アナログ入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等が挙げられる。
【0092】
対向部27は、弾性体120と同様の部材である。対象物Wは、感圧センサー100と対向部27との間に挟まれることで、把持力を受け、把持される。なお、対向部27は、感圧センサー100と同様の部材であってもよい。つまり、対向部27も第1感圧素子131および第2感圧素子132を有していてもよい。
【0093】
3.1.2.ロボットアーム
図14に示すロボットアーム3は、水平多関節ロボット用のアームである。ロボットアーム3には、ハンド部20が取り付けられている。これにより、ロボットアーム3は、ハンド部20の位置や姿勢を変更することができる。水平多関節ロボットは、アームの回動面が水平であるため、回動速度を高めやすい。このため、水平多関節ロボットを用いることにより、ハンド部20の位置や姿勢を速やかに変更することができ、把持装置2による作業効率を高めることができる。なお、ロボットアーム3の形態は、これに限定されず、垂直多関節ロボット用のアームであってもよい。
【0094】
3.1.3.カメラ
カメラ4は、対象物Wを撮像し、撮像した画像を第2制御部5に送信する。第2制御部5は、後述するように、取得した画像に基づいて、ロボットアーム3の動作を制御する。これにより、対象物Wの位置に合わせて把持部22を移動させることができる。
【0095】
なお、カメラ4は、対象物Wの外形を撮像可能であれば、カラーカメラであっても、モノクロカメラであってもよい。また、対象物Wの位置を検出可能であれば、カメラ4以外のセンサー等で代替されてもよい。
【0096】
3.1.4.第2制御部
第2制御部5は、機能部として、ロボットアーム制御部52と、把持部位置取得部54と、対象物位置算出部56と、把持部軌道算出部58と、を有する。
【0097】
ロボットアーム制御部52は、ロボットアーム3の動作を制御する。これにより、ハンド部20を目的とする位置、姿勢に移動させることができる。
【0098】
把持部位置取得部54は、ロボットアーム3の動作状況に基づいて、把持部22の位置を取得する。
【0099】
対象物位置算出部56は、カメラ4で撮像した画像を取得する。そして、取得した画像から対象物Wの位置を算出する。なお、対象物Wの位置は、画像上において対象物Wが占有する範囲という概念であってもよいが、対象物Wの画像上における重心の位置という概念であってもよい。後者の場合、算出に要する演算量や時間を減らすことができるので、第2制御部5に必要なリソースを軽減することができる。また、画像には高画質が求められないので、安価で小型かつ軽量のカメラ4を用いることができる点でも有効である。なお、本実施形態では、そもそも、把持動作において、対象物Wの位置や形状を厳格に算出する必要がないので、その点においても、第2制御部5に必要なリソースやカメラ4の簡素化、低コスト化が容易である。
【0100】
把持部軌道算出部58は、対象物位置算出部56が算出した対象物Wの位置、および、把持部位置取得部54が取得した把持部22の位置、に基づいて、把持部22を移動させる軌道を算出する。前述したロボットアーム制御部52は、この軌道に沿って把持部22を移動させる。
【0101】
図16は、図15の第2制御部5のハードウェア構成例を示す図である。
第2制御部5の各機能部が発揮する機能は、例えば、図16に示す、CPU701、ROM702、RAM703、外部インターフェース704、および、内部バス705を備えるハードウェアによって実現される。CPU701、ROM702、RAM703および外部インターフェース704は、内部バス705を介して相互に通信可能になっている。
【0102】
以上、ロボット1の各部の構成について説明したが、本実施形態は、主に、第1制御部28がハンド部20の動作を制御する。つまり、第1制御部28では、センサー出力信号のアナログ/デジタル変換、接触力に基づく駆動部24へのフィードバック処理、把持部22の開閉処理が制御される。そうすると、第1制御部28では、第2制御部5との外部通信を必要最小限に抑えることができるので、処理タイミングのずれを抑制することができ、また、演算量の軽減を図ることができる。その結果、第1制御部28における処理速度の高速化および高信頼化を図ることができる。
【0103】
一方、第2制御部5は、ロボットアーム3およびカメラ4、ならびに第1制御部28の各動作を制御する。つまり、第2制御部5からは、第1制御部28が行う処理が切り離されている。このため、第2制御部5においても必要なリソースの軽減を図ることができる。
【0104】
なお、本実施形態では、第1制御部28および第2制御部5が、互いに別のハードウェアで実現されているが、これらは1つのハードウェアで実現されていてもよい。つまり、第1制御部28および第2制御部5は、1つの制御部に統合されていてもよい。
【0105】
3.2.ロボットの制御方法
次に、ロボット1の制御方法について説明する。
図17は、ロボット1の制御方法を説明するためのシーケンス図である。
【0106】
図17に示すシーケンス図では、横軸にロボット1の構成要素が並んでいる。また、縦軸は、時間を表している。
【0107】
まず、第2制御部5は、カメラ4に向けて画像取得の指令を出力する。これにより、カメラ4は、対象物Wの撮影を行い、撮影結果を第2制御部5に出力する。そして、第2制御部5が対象物Wの画像を取得する。
【0108】
次に、第2制御部5は、対象物Wの位置および把持部22の位置に基づいて、ロボットアーム3に向けて目標位置(アーム目標位置)の指令を出力する。これにより、ロボットアーム3は、把持部22を目標とする位置、つまり現在の対象物Wの位置に移動させる。その結果、把持部22による対象物Wの把持動作を開始する準備が整う。
【0109】
次に、第2制御部5は、第1制御部28に向けて駆動部24の制御を開始する指令を出力する。これにより、第1制御部28は、感圧センサー100による接触力の検出を開始し、接触力の検出結果を取得する。また、それと並行して、第1制御部28は、駆動部24による把持部22の駆動を開始させる。ここでは、接触力から算出される対象物Wの硬さ指標(比R1-1/2)が目標値になるまで、駆動を継続する動作の例を図示している。つまり、硬さ指標が目標値になるまで接触力の検出と把持部22の駆動とを繰り返す。そして、硬さ指標が目標値に達したら、繰り返しを終了する。その後、第1制御部28は、接触力の取得を終了する。また、第2制御部5は、第1制御部28による駆動部24の制御を終了させる。以上により、把持動作が完了する。
【0110】
3.3.把持装置の制御方法
次に、図17に示すロボット1の制御方法のうち、把持装置2の制御方法について詳述する。
図18は、把持装置2の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0111】
実施形態に係る把持装置の制御方法は、図18に示す工程S102から工程S112を有する。以下、各工程について説明する。
【0112】
工程S102では、第1制御部28の駆動信号出力部288が、把持部22の駆動を開始させる。これにより、把持動作が開始される。具体的には、まず、対象物Wの大きさよりも十分に広いと推定される幅まで、指部221、222の間隔を広げておく。なお、必要に応じて、カメラ4が撮像した画像に基づいて、指部221、222の初期の間隔を設定するようにしてもよい。次に、駆動部24により、把持部22と対象物Wとの距離を狭めていく。
【0113】
工程S104では、硬さ算出部286が第1検出信号S1を取得する。感圧センサー100が有する弾性体120は、凸曲面121を有しており、その頂部122に対象物Wが押し付けられると、第1検出信号S1が出力される。
【0114】
工程S106では、硬さ算出部286が第2検出信号S2を取得する。第2検出信号S2は、好ましくは第1検出信号S1を取得したのと同じタイミングで取得される。
【0115】
工程S108では、第1検出信号S1がしきい値以上が否かを判断する。
第1検出信号S1がしきい値以上である場合、つまり、工程S108における判断の結果がYesである場合、弾性体120が対象物Wにほとんどめり込んでいないと考えられる。このため、対象物Wから受ける接触力が弾性体120の頂部122に集中し、第1検出信号S1の強度が大きくなっている状態であると考えられる。そして、その第1検出信号S1がしきい値以上になっていれば、対象物Wに対して十分な把持力を加えられていると判断できる。このため、対象物Wの把持を完了する。
【0116】
一方、第1検出信号S1がしきい値未満である場合、つまり、工程S108における判断の結果がNoである場合、把持力が不足している状態、または、弾性体120が対象物Wにめり込むと考えられる。このため、弾性体120が対象物Wから受ける接触力が分散している状態であると考えられる。この場合、対象物Wの硬さを踏まえた制御が好ましいため、工程S110に移行する。なお、第1検出信号S1のしきい値には、過去の実績や実験、シミュレーション等を通じて設定された値を採用できる。
【0117】
工程S110では、硬さ指標である比R1-1/2を算出する。硬さ指標は、弾性体120に対象物Wを第1荷重で押し付けられたときの比log(S1)/log(S2)である。なお、第1荷重は、特に限定されないが、図6Aおよび図6B図7Aおよび図7Bのようなグラフをあらかじめ取得したとき、電気抵抗値R1と電気抵抗値R2との相違が十分に大きくなる荷重であるのが好ましい。例えば、図6Aおよび図6B図7Aおよび図7Bの例では、荷重約2.0N以上において、この相違が十分に大きくなっているとみなすことができるので、例えば第1荷重を2.3Nとすることができる。
【0118】
工程S112では、硬さ指標(比R1-1/2)がしきい値以上か否かを判断する。
硬さ指標がしきい値以上である場合、つまり、工程S112における判断の結果がYesである場合、対象物Wが硬いと判断できる。そして、第1荷重を加えた状態で対象物Wを安定して把持することが可能であると判断できる。このため、対象物Wの把持を完了する。
【0119】
一方、硬さ指標がしきい値未満である場合、つまり、工程S112における判断の結果がNoである場合、対象物Wが柔らかすぎると判断できる。そして、第1荷重を加えた状態では、対象物Wを安定して把持することができないと判断できる。このため、工程S102に戻る。そして、工程S102では、再び把持動作を行う。つまり、把持部22と対象物Wとの距離を狭めるように、駆動部24の動作を制御する。これにより、把持力を第1荷重よりも大きくすることができる。
【0120】
以上のようにすれば、対象物Wが柔らかすぎると判断した場合、硬さ指標がしきい値以上になるまで、把持力を大きくする動作が繰り返される。これにより、対象物Wが柔らかい場合でも、それに応じた把持力で対象物Wを把持することができ、安定した把持動作を実現することができる。その結果、ロボット1の作業成功率および作業効率を高めることができる。なお、硬さ指標のしきい値には、過去の実績や実験、シミュレーション等を通じて設定された値を採用できる。
【0121】
4.前記実施形態および前記変形例が奏する効果
以上のように、前記実施形態および前記変形例に係る感圧センサー100は、基材110と、弾性体120と、第1感圧素子131と、第2感圧素子132と、演算部150と、を備える。基材110は、載置面111を有する。弾性体120は、載置面111に載置され、凸曲面121を含む円蓋形状をなしている。第1感圧素子131は、載置面111と弾性体120との間で、かつ、凸曲面121の頂部122に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号S1を出力する。第2感圧素子132は、載置面111と弾性体120との間で、かつ、凸曲面121の周縁部123に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号S2を出力する。演算部150は、第1検出信号S1および第2検出信号S2の演算を行う。また、演算部150は、弾性体120に対象物Wを第1荷重で押し付けたときの第1検出信号S1と第2検出信号S2との比R1-1/2に基づいて、対象物Wの硬さを測定する。
【0122】
このような感圧センサー100によれば、弾性体120に対象物Wを押し付けるだけで、対象物Wの硬さを容易に測定することができる。
【0123】
また、演算部150は、前述した比R1-1/2、および、比R2-1/2、に基づいて、対象物Wの硬さを測定するように構成されていてもよい。比R2-1/2は、弾性体120に対象物Wを第1荷重より大きい第2荷重で押し付けたときの、第1検出信号S1と第2検出信号S2との比である。
【0124】
このような構成によれば、例えばプラスチックキューブのように、荷重の増加に伴って構造が変化する対象物Wについても、硬さを測定可能な感圧センサー100を実現することができる。つまり、荷重に対する耐変形性の変化を捉える感圧センサー100を実現することができる。
【0125】
また、前記変形例に係る感圧センサー100は、感圧によって第3検出信号S3を出力する第3感圧素子133を備える。第3感圧素子133は、載置面111と弾性体120との間で、かつ、凸曲面121の周縁部123のうち第2感圧素子132とは異なる位置に配置されている。
【0126】
演算部150は、前述した比R1-1/2、および、比R1-1/3、に基づいて、対象物Wの硬さを測定するように構成されていてもよい。比R1-1/3は、弾性体120に対象物Wを第1荷重で押し付けたときの、第1検出信号S1と第3検出信号S3との比である。
【0127】
このような構成によれば、演算部150において、比R1-1/2および比R1-1/3を比較することにより、対象物Wの硬さ分布を評価することができる。また、第1感圧素子131と第2感圧素子132との距離をL12とし、第1感圧素子131と第3感圧素子133との距離をL13とし、L12<L13が成り立っているとしたとき、対象物Wの硬さ分布をより精度よく評価することができる。
【0128】
また、前記変形例に係る感圧センサー100は、第1方向D1に延在する第1電極171と、第1方向D1と交差する第2方向D2に延在する第2電極172と、第1電極171と第2電極172との間に設けられている感圧導電体と、を備える。前記変形例では、第1感圧素子131、第2感圧素子132および第3感圧素子133が、それぞれ、感圧部174を有する。感圧部174は、第1電極171と第2電極172との交差部173、および、交差部173に対応する感圧導電体で構成されている。
【0129】
このような構成によれば、第1電極171と第2電極172の組み合わせを変えることにより、少ない配線数でも、多数の感圧部174から検出信号を取得することができる。このため、構造の複雑化を避けつつ、多数の感圧部174を備えた感圧センサー100を実現することができる。
【0130】
また、前記実施形態および前記変形例に係る把持装置2は、把持部22と、感圧センサー100と、駆動部24と、第1制御部28と、を備える。把持部22は、対象物Wを把持する。感圧センサー100は、把持部22に設置されている。駆動部24は、把持部22を駆動する。第1制御部28は、駆動部24の動作を制御する。
【0131】
感圧センサー100は、基材110と、弾性体120と、第1感圧素子131と、第2感圧素子132と、演算部150と、を備える。基材110は、載置面111を有する。弾性体120は、載置面111に載置され、凸曲面121を含む円蓋形状をなしている。第1感圧素子131は、載置面111と弾性体120との間で、かつ、凸曲面121の頂部122に対応する位置に配置され、感圧によって第1検出信号S1を出力する。第2感圧素子132は、載置面111と弾性体120との間で、かつ、凸曲面121の周縁部123に対応する位置に配置され、感圧によって第2検出信号S2を出力する。演算部150は、弾性体120に対象物Wを第1荷重で押し付けたときの第1検出信号S1と第2検出信号S2との比R1-1/2を算出する。
【0132】
そして、第1制御部28は、駆動部24の動作を開始した後、比R1-1/2がしきい値未満であるとき、駆動部24の動作を継続させ、比R1-1/2がしきい値以上であるとき、駆動部24の動作を停止させる機能を有する。
【0133】
このような把持装置2によれば、対象物Wの硬さを踏まえて把持部22の動作を制御することができる。例えば、対象物Wが柔らかすぎると判断した場合、硬さ指標(比R1-1/2)がしきい値以上になるまで、把持力を大きくする動作が繰り返される。これにより、対象物Wの硬さによらず、安定した把持動作を実現することができる。
【0134】
前記実施形態または前記変形例に係るロボット1は、前述した把持装置2と、ロボットアーム3と、第2制御部5と、を備える。ロボットアーム3には、把持部22が取り付けられている。第2制御部5は、ロボットアーム3の動作を制御する。
【0135】
このようなロボット1によれば、把持動作に伴う対象物Wの損傷や脱落を抑制することができるので、ロボット1の作業成功率および作業効率を高めることができる。また、画像処理による対象物Wの形状認識に頼ることなく、把持動作を行うことができるので、ロボット1の構成の簡素化および低コスト化を容易に図ることができる。
【0136】
以上、本発明に係る感圧センサー、把持装置およびロボットを図示の実施形態および変形例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0137】
例えば、本発明に係る感圧センサー、把持装置およびロボットは、前記実施形態および前記変形例の各部が同様の機能を有する任意の構成物に置換されたものであってもよく、前記実施形態および前記変形例に任意の構成物が付加されたものであってもよい。例えば、前述した感圧導電体は、圧電効果を示す圧電体であってもよい。つまり、感圧素子は、圧電素子であってもよい。また、本発明は、前記実施形態および前記変形例のうち、2つ以上を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0138】
1…ロボット、2…把持装置、3…ロボットアーム、4…カメラ、5…第2制御部、20…ハンド部、22…把持部、24…駆動部、27…対向部、28…第1制御部、52…ロボットアーム制御部、54…把持部位置取得部、56…対象物位置算出部、58…把持部軌道算出部、100…感圧センサー、110…基材、111…載置面、120…弾性体、121…凸曲面、122…頂部、123…周縁部、131…第1感圧素子、132…第2感圧素子、133…第3感圧素子、142…感圧導電体、144…電極、146…絶縁シート、147…配線、150…演算部、160…センサー出力回路、171…第1電極、172…第2電極、173…交差部、174…感圧部、221…指部、222…指部、284…把持力設定部、286…硬さ算出部、288…駆動信号出力部、701…CPU、702…ROM、703…RAM、704…外部インターフェース、705…内部バス、A…移動方向、D1…第1方向、D2…第2方向、F1…接触力、F2…接触力、GND…グランド、L12…距離、L13…距離、R1…電気抵抗値、R2…電気抵抗値、RL…固定抵抗、S102…工程、S104…工程、S106…工程、S108…工程、S110…工程、S112…工程、VR_C…感圧素子抵抗、Vin…センサー用電源電圧、Vout…センサー出力信号、W…対象物、Wh…対象物、Ws…対象物
図1
図2
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