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特開2024-48655確定商品量管理装置、確定商品量管理方法および確定商品量管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048655
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】確定商品量管理装置、確定商品量管理方法および確定商品量管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20240402BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154684
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】小阪 康洋
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる確定商品量管理装置、確定商品量管理方法および確定商品量管理プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)受注番号と受注行番号と商品コードと確定商品量とを有する数量報告明細データから、受注番号と受注行番号と商品コードと資産数量と売上単価とを有する受注明細データ中の受注番号、受注行番号および商品コードと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納し、(2)前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記確定商品量に前記売上単価を乗じて売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記資産数量量に前記売上単価を乗じて売上金額を算出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる、制御部および記憶部を備える確定商品量管理装置であって、
前記記憶部には、
受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量と、売上単価と、を有する受注明細データを含む受注データと、
受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量と、を有する数量報告明細データを含む数量報告データと、
が格納されており、
前記制御部は、
前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得手段と、
前記確定商品量取得手段で前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得手段で前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出手段と、
を備えること、
を特徴とする確定商品量管理装置。
【請求項2】
前記受注明細データは、原価単価を更に有し、
前記制御部は、
前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記原価単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の原価金額を算出する原価金額算出手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の確定商品量管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記算出した前記受注明細データ毎の売上金額から前記算出した前記受注明細データ毎の原価金額を差し引くことにより、前記受注明細データ毎の粗利金額を算出する粗利金額算出手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項2に記載の確定商品量管理装置。
【請求項4】
前記記憶部には、商品識別データと、商品が経時的に量が減っていくものであるか否かを識別するためのフラグである減量有無判断フラグと、を含む商品マスタが更に格納されており、
前記受注明細データは、前記納入先からの報告により商品量が既に確定したか否かを識別するためのフラグである確定有無判断フラグを更に有し、
前記制御部は、
(i)前記受注明細データ中の前記商品識別データと紐付く前記商品マスタ中の前記減量有無判断フラグが、商品が経時的に量が減っていくものではないことを示すフラグであると判定した場合に、または、(ii)前記受注明細データ中の前記商品識別データと紐付く前記商品マスタ中の前記減量有無判断フラグが、商品が経時的に量が減っていくものであることを示すフラグであり、かつ、前記受注明細データ中の前記確定有無判断フラグが、商品量が既に確定したことを示すフラグであると判定した場合に、判定対象とした前記受注明細データについての前記売上金額に基づいて売上データを生成する売上データ生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の確定商品量管理装置。
【請求項5】
経時的に量が減っていく商品が、揮発性の商品であること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の確定商品量管理装置。
【請求項6】
揮発性の商品が、石油製品であること、
を特徴とする請求項5に記載の確定商品量管理装置。
【請求項7】
経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される確定商品量管理方法であって、
前記記憶部には、
受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量と、売上単価と、を有する受注明細データを含む受注データと、
受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量と、を有する数量報告明細データを含む数量報告データと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得ステップと、
前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする確定商品量管理方法。
【請求項8】
経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための確定商品量管理プログラムであって、
前記記憶部には、
受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量と、売上単価と、を有する受注明細データを含む受注データと、
受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量と、を有する数量報告明細データを含む数量報告データと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得ステップと、
前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする確定商品量管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、確定商品量管理装置、確定商品量管理方法および確定商品量管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、将来的に取引額が確定する商品の取引を支援することができる取引支援システムが開示されており、また、将来的に取引額が確定する商品とは、例えば、農産物、水産物、酪農製品などの食材や、石油、鉱石などの原料、化学品などの材料や製品を含み、検収時に判明する成分や品質などによって価格が定められるものを示すことが開示されている(特許文献1の0030段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-091656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、揮発等が原因で経時的に量が減っていく商品(例えば、石油製品)を出荷する業界おいては、納入先への出荷時点での商品量に基づいて売上金額を算出するのではなく、納入先での検収後に納入先から報告される確定した商品量に基づいて売上金額を算出する。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術も含め、従来においては、確定した商品量に基づいて自動で売上金額の算出を行うことはできなかったため、担当者が納入先からの報告を受けて、手動で確定した商品量を入力し、手動で売上金額の算出をしていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる確定商品量管理装置、確定商品量管理方法および確定商品量管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る確定商品量管理装置においては、経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる、制御部および記憶部を備える確定商品量管理装置であって、前記記憶部には、受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量と、売上単価と、を有する受注明細データを含む受注データと、受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量と、を有する数量報告明細データを含む数量報告データと、が格納されており、前記制御部は、前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得手段と、前記確定商品量取得手段で前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得手段で前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る確定商品量管理装置においては、前記受注明細データは、原価単価を更に有し、前記制御部は、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記原価単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の原価金額を算出する原価金額算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る確定商品量管理装置においては、前記制御部は、前記算出した前記受注明細データ毎の売上金額から前記算出した前記受注明細データ毎の原価金額を差し引くことにより、前記受注明細データ毎の粗利金額を算出する粗利金額算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る確定商品量管理装置においては、前記記憶部には、商品識別データと、商品が経時的に量が減っていくものであるか否かを識別するためのフラグである減量有無判断フラグと、を含む商品マスタが更に格納されており、前記受注明細データは、前記納入先からの報告により商品量が既に確定したか否かを識別するためのフラグである確定有無判断フラグを更に有し、前記制御部は、(i)前記受注明細データ中の前記商品識別データと紐付く前記商品マスタ中の前記減量有無判断フラグが、商品が経時的に量が減っていくものではないことを示すフラグであると判定した場合に、または、(ii)前記受注明細データ中の前記商品識別データと紐付く前記商品マスタ中の前記減量有無判断フラグが、商品が経時的に量が減っていくものであることを示すフラグであり、かつ、前記受注明細データ中の前記確定有無判断フラグが、商品量が既に確定したことを示すフラグであると判定した場合に、判定対象とした前記受注明細データについての前記売上金額に基づいて売上データを生成する売上データ生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る確定商品量管理装置においては、経時的に量が減っていく商品が、揮発性の商品であること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る確定商品量管理装置においては、揮発性の商品が、石油製品であること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る確定商品量管理方法においては、経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される確定商品量管理方法であって、前記記憶部には、受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量と、売上単価と、を有する受注明細データを含む受注データと、受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量と、を有する数量報告明細データを含む数量報告データと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得ステップと、前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る確定商品量管理プログラムにおいては、経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための確定商品量管理プログラムであって、前記記憶部には、受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量と、売上単価と、を有する受注明細データを含む受注データと、受注番号と、受注行番号と、商品識別データと、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量と、を有する数量報告明細データを含む数量報告データと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得ステップと、前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得ステップで前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、確定商品量管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、売上計上の対象とするか否かの判断に関するフローの一例を示す図である。
図3図3は、処理フローの一例を示す図である。
図4図4は、受注データおよび商品マスタ中の項目の一例を示す図である。
図5図5は、数量報告前の受注データの一例を示す図である。
図6図6は、数量報告データ、数量報告後の受注データおよび商品マスタの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る確定商品量管理装置、確定商品量管理方法および確定商品量管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
揮発性の商品(石油およびガソリン等)を出荷する業界においては、出荷時点の商品量がそのまま取引量になるのではなく、納品したタイミングで納入先が行う測量により取引量が確定する。
【0019】
しかしながら、従来においては、確定した商品量に基づいて自動で売上金額の算出を行うことはできなかったため、担当者が納入先からの報告を受けて、手動で確定した商品量を入力し、手動で売上金額の算出をしていた。
【0020】
そこで、本実施形態においては、例えば、納入先への出荷時点での商品量ではなく、納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を自動で算出できるようにした。これにより、例えば、人為的ミスをなくし、作業負荷も軽減することができる。
【0021】
また、揮発性の商品について売上計上を行う場合、納入先での検収が済んで確定した商品量の報告があった商品のみを対象として売上計上を行う必要がある。すなわち、当該報告がまだされていない商品を対象として売上計上を行ってはいけない。
【0022】
しかしながら、従来においては、揮発性の商品について納入先での検収が済んで確定した商品量の報告があったか否かについても担当者が判断していたため、売上の誤計上および売上の誤請求が発生していた。
【0023】
そこで、本実施形態においては、例えば、納入先での検収が済んで確定した商品量の報告があった商品のみを対象として自動で売上計上をできるようにした。これにより、例えば、売上の誤計上および売上の誤請求を防ぐことができる。
【0024】
以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る確定商品量管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、確定商品量管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
確定商品量管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、確定商品量管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
確定商品量管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。確定商品量管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、確定商品量管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、確定商品量管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0031】
記憶部106は、例えば、商品マスタ106aと、数量報告データ106bと、受注データ106cと、を備えている。
【0032】
ここで、本実施形態に係る確定商品量管理装置100によれば、経時的に量が減っていく商品を出荷する場合において、納入先への出荷時点での商品量ではなく、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づいて売上金額を算出することができる。
【0033】
経時的に量が減っていく商品は、例えば、揮発性の商品である。揮発性の商品は、例えば、石油製品(石油自体、灯油、軽油、重油およびガソリン等)である。
【0034】
商品マスタ106aは、商品が経時的に量が減っていくものであるか否かを商品毎に設定するためのマスタである。商品マスタ106aは、図4および図6に示すように、例えば、商品識別データ(商品コード、商品名および商品カナ名)と、商品の規格と、商品が経時的に量が減っていくものであるか否かを識別するためのフラグである減量有無判断フラグ(数量確定必要フラグ)と、等を含む。
【0035】
前記減量有無判断フラグ(数量確定必要フラグ)としては、図6に示すように、商品が経時的に量が減っていくものであることを示すフラグ(TRUE)および商品が経時的に量が減っていくものではないことを示すフラグ(FALSE)の2種類が存在する。
【0036】
数量報告データ106bは、前記納入先から報告された確定した商品量を管理するためのデータである。数量報告データ106bは、数量報告明細データを含む。
【0037】
前記数量報告明細データは、図6に示すように、例えば、受注番号と、受注行番号と、前記商品識別データ(商品)と、前記納入先への納品後に前記納入先から報告された確定した商品量である確定商品量(数量)と、等を有する。
【0038】
受注データ106cは、得意先からの受注情報を管理するためのデータである。受注データ106cは、受注明細データを含む。
【0039】
前記受注明細データは、図4図5および図6に示すように、例えば、前記受注番号と、前記受注行番号と、事業所識別データ(事業所)と、受注日と、得意先識別データ(得意先)と、納入先識別データ(納入先)と、前記商品識別データ(商品)と、前記確定商品量(単価数量)と、前記納入先への出荷時点での商品量である出荷商品量(資産数量)と、前記納入先からの報告により商品量が既に確定したか否かを識別するためのフラグである確定有無判断フラグ(数量確定フラグ)と、売上単価と、売上金額と、原価単価と、原価金額と、粗利金額と、等を有する。
【0040】
前記確定有無判断フラグ(数量確定フラグ)としては、図5および図6に示すように、商品量が既に確定したことを示すフラグ(TRUE)および商品量がまだ確定していないことを示すフラグ(FALSE)の2種類が存在する。
【0041】
ここで、図5に示す受注データ106cは、前記納入先からの前記確定商品量の報告前(すなわち、受注入力した段階での)の受注データである。このため、図5に示す受注データ106cにおいては、前記確定商品量(単価数量)には、前記出荷商品量(資産数量)と同じ値が初期セットされている。また、前記売上金額および前記粗利金額は、当該初期セットされた確定商品量(単価数量)に基づいて算出された値となっている。そして、前記確定有無判断フラグ(数量確定フラグ)は、すべて「FALSE」となっている。
【0042】
これに対して、図6に示す受注データ106cは、前記納入先からの前記確定商品量の報告後の受注データである。このため、図6に示す受注データ106cにおいては、数量報告が既にされた前記受注明細データ中の前記確定商品量(単価数量)には、数量報告データ106bから後述する確定商品量取得部102aが取得した値がセットされている。また、数量報告が既にされた前記受注明細データ中の前記売上金額は、当該取得した確定商品量(単価数量)に基づいて、後述する売上金額算出部102bが算出した値となっている。そして、数量報告が既にされた前記受注明細データ中の前記粗利金額は、当該算出した売上金額に基づいて、後述する粗利金額算出部102dが算出した値となっている。更に、前記確定有無判断フラグ(数量確定フラグ)は、数量報告が既にされた前記受注明細データについては、「TRUE」となっている。
【0043】
ここで、図6に示す受注データ106c中の前記確定商品量(単価数量)および前記前記出荷商品量(資産数量)について詳細に説明する。
【0044】
前記確定商品量(単価数量)は、前記売上金額の算出に使用する数量である。前記売上金額は、「前記確定商品量(単価数量)×前記売上単価」という式により算出される。つまり、前記売上金額の算出のためには、数量報告データ106b中の前記確定商品量(数量)を受注データ106cに反映させる必要がある。
【0045】
前記出荷商品量(資産数量)は、前記原価金額の算出に使用する数量である。前記原価金額は、「前記出荷商品量(資産数量)×前記原価単価」という式により算出される。つまり、前記原価金額の算出は、受注入力の段階で入力された前記出荷商品量(資産数量)を用いて行うことができるため、数量報告データ106b中の前記確定商品量(数量)を受注データ106cに反映させる必要がない。
【0046】
制御部102は、確定商品量管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0047】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記数量報告明細データから、前記受注明細データ中の前記受注番号、前記受注行番号および前記商品識別データと紐付く確定商品量を取得し、前記受注明細データに格納する確定商品量取得手段としての確定商品量取得部102aと、(2)前記確定商品量取得手段で前記確定商品量を取得できた前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記確定商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出し、一方で、前記確定商品量取得手段で前記確定商品量を取得できなかった前記受注明細データについては、前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記売上単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の売上金額を算出する売上金額算出手段としての売上金額算出部102bと、(3)前記受注明細データ中の前記出荷商品量に前記受注明細データ中の前記原価単価を乗じることにより、前記受注明細データ毎の原価金額を算出する原価金額算出手段としての原価金額算出部102cと、(4)前記算出した前記受注明細データ毎の売上金額から前記算出した前記受注明細データ毎の原価金額を差し引くことにより、前記受注明細データ毎の粗利金額を算出する粗利金額算出手段としての粗利金額算出部102dと、(5)(i)前記受注明細データ中の前記商品識別データと紐付く前記商品マスタ中の前記減量有無判断フラグが、商品が経時的に量が減っていくものではないことを示すフラグであると判定した場合に、または、(ii)前記受注明細データ中の前記商品識別データと紐付く前記商品マスタ中の前記減量有無判断フラグが、商品が経時的に量が減っていくものであることを示すフラグであり、かつ、前記受注明細データ中の前記確定有無判断フラグが、商品量が既に確定したことを示すフラグであると判定した場合に、判定対象とした前記受注明細データについての前記売上金額に基づいて売上データを生成する売上データ生成手段としての売上データ生成部102eと、を備えている。なお、各部が実行する処理の内容については、以下の[4.処理の具体例]において詳細に説明する。
【0048】
[3.処理の概要]
本項目では、本実施形態に係る処理の概要について説明する。本実施形態においては、図3に示すように、受注入力後に、商品マスタ106aを参照して、売上一括計上処理を行う。
【0049】
売上一括計上処理の概要は、以下の(1)~(5)に示すとおりである。
(1)商品マスタ106aに数量確定必要フラグを設けることにより、そもそも、売上計上の際に数量確定が必要な商品であるか否かを商品毎に自動で判別できるようにした。
(2)数量確定が不要な商品(すなわち、数量確定必要フラグが「FALSE」となっている商品)については、次の(3)で述べる受注データ106c中の数量確定フラグに関わらず、売上計上の対象とするようにした。
(3)受注データ106cに数量確定フラグを設けた。
(4)数量確定が必要な商品(すなわち、数量確定必要フラグが「TRUE」となっている商品)については、納入先からの報告により数量が既に確定している場合(すなわち、数量確定フラグが「TRUE」となっている場合)にのみ、売上計上の対象とするようにした。
(5)なお、同一の受注番号を有する受注明細内で、1明細であっても、数量確定必要フラグが「TRUE」かつ数量確定フラグが「FALSE」の明細が存在する場合には、当該受注番号を有する受注明細については、売上計上の対象外とするようにした。
【0050】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。本具体例においては、石油またはガソリンを出荷する会社の担当者が、本実施形態に係る確定商品量管理装置100を使用する場面を想定している。
【0051】
まず、取引先からの受注を受けると、担当者は、5つの商品(S001~S005)について、図5に示す受注データ106cを登録する。図5に示す受注データ106cは、この段階では、取引先からの確定数量報告前の受注データであるため、単価数量として資産数量と同じ値がセットされており、また、数量確定フラグはすべて「FALSE」となっている。
【0052】
続けて、出荷処理により、納入先に在庫が納品される。納品後、納入先から、納品完了の旨および納品数量の結果が報告される。納品数量の結果は、図6に示す数量報告データ106bに保持される。図6の数量報告データ106bの例では、S001、S003およびS004の商品については、検収が完了して数量報告がなされている一方で、S002およびS005の商品については、検収が未完了のため数量報告がまだされていない。なお、数量報告データ106bは、納入先からの報告に基づいて担当者が生成したものであってもよいし、納入先側で生成して担当者が受け取ったものであってもよい。
【0053】
以下、制御部102で実行される処理を具体的に説明する。
【0054】
[4-1.確定商品量取得処理]
確定商品量取得部102aは、数量報告明細データから、受注明細データ中の受注番号、受注行番号および商品識別データと紐付く確定商品量(数量)を取得し、受注明細データに格納する。
【0055】
具体的には、図5に示す受注データ106cにおいて、受注番号J001の受注明細データに注目すると、当該受注明細データ中の受注番号J001、受注行番号1および商品コードS001と紐付く図6の数量報告データ106b中の確定商品量(数量)は、95である。このため、確定商品量取得部102aは、受注番号J001の受注明細データ中の単価数量を95に更新する。
【0056】
同様に、確定商品量取得部102aは、受注番号J003かつ受注行番号2の受注明細データ中の単価数量を380に更新し、また、受注番号J004かつ受注行番号1の受注明細データ中の単価数量を490に更新する。
【0057】
ここで、確定商品量(数量)を取得できた3つの受注明細データについては、数量確定フラグの値が、「FALSE」から「TRUE」へと自動更新される。
【0058】
これに対して、図5に示す受注データ106cにおいて、受注番号J002の受注明細データに注目すると、当該受注明細データ中の受注番号J002、受注行番号1および商品コードS002は、図6の数量報告データ106bには存在しない。このため、受注番号J002の受注明細データ中の単価数量は、200のまま更新されない。
【0059】
同様に、受注番号J003かつ受注行番号1の受注明細データ中の単価数量も300のまま更新されず、また、受注番号J004かつ受注行番号2の受注明細データ中の単価数量も600のまま更新されない。
【0060】
このようにして、確定商品量取得処理が終了した段階での単価数量および数量確定フラグの状態を図6の受注データ106cに示す。なお、図5の受注データ106c中の値から更新された値については、ハッチングにより示している。
【0061】
[4-2.売上金額算出処理]
売上金額算出部102bは、確定商品量取得部102aで確定商品量(数量)を取得できた受注明細データについては、受注明細データ中の確定商品量(単価数量)に受注明細データ中の売上単価を乗じることにより、受注明細データ毎の売上金額を算出する。
【0062】
具体的には、売上金額算出部102bは、受注番号J001の受注明細データについては、単価数量95×売上単価100円=売上金額9,500円を算出し、受注番号J003かつ受注行番号2の受注明細データについては、単価数量380×売上単価100円=売上金額38,000円を算出し、受注番号J004かつ受注行番号1の受注明細データについては、単価数量490×売上単価100円=売上金額49,000円を算出する。
【0063】
これに対して、売上金額算出部102bは、確定商品量取得部102aで確定商品量を取得できなかった受注明細データについては、受注明細データ中の資産数量に受注明細データ中の売上単価を乗じることにより、受注明細データ毎の売上金額を算出する。
【0064】
ここで、確定商品量取得部102aで確定商品量を取得できなかった受注明細データについては、単価数量として資産数量と同じ値がセットされた状態で更新されていない。このため、次段落で説明する「単価数量」に売上単価を乗じるという処理は、「資産数量」に売上単価を乗じるという処理と実質的には同義である。
【0065】
具体的には、売上金額算出部102bは、受注番号J002の受注明細データについては、単価数量200×売上単価100円=売上金額20,000円を算出し、受注番号J003かつ受注行番号1の受注明細データについては、単価数量300×売上単価100円=売上金額30,000円を算出し、受注番号J004かつ受注行番号2の受注明細データについては、単価数量600×売上単価100円=売上金額60,000円を算出する。
【0066】
このようにして、売上金額算出処理が終了した段階での売上金額の状態を図6の受注データ106cに示す。なお、図5の受注データ106c中の値から更新された値については、ハッチングにより示している。
【0067】
[4-3.原価金額算出処理]
原価金額算出部102cは、受注明細データ中の出荷商品量(資産数量)に受注明細データ中の原価単価を乗じることにより、受注明細データ毎の原価金額を算出する。
【0068】
具体的には、原価金額算出部102cは、受注番号J001の受注明細データについては、資産数量100×原価単価80円=原価金額8,000円を算出し、受注番号J002の受注明細データについては、資産数量200×原価単価80円=原価金額16,000円を算出し、受注番号J003かつ受注行番号1の受注明細データについては、資産数量300×原価単価80円=原価金額24,000円を算出し、受注番号J003かつ受注行番号2の受注明細データについては、資産数量400×原価単価80円=原価金額32,000円を算出し、受注番号J004かつ受注行番号1の受注明細データについては、資産数量500×原価単価80円=原価金額40,000円を算出し、受注番号J004かつ受注行番号2の受注明細データについては、資産数量600×原価単価80円=原価金額48,000円を算出する。
【0069】
このようにして、原価金額算出処理が終了した段階での原価金額の状態を図6の受注データ106cに示す。
【0070】
[4-4.粗利金額算出処理]
粗利金額算出部102dは、[4-2]で算出した受注明細データ毎の売上金額から、[4-3]で算出した受注明細データ毎の原価金額を差し引くことにより、受注明細データ毎の粗利金額を算出する。
【0071】
具体的には、粗利金額算出部102dは、受注番号J001の受注明細データについては、売上金額9,500円-原価金額8,000円=粗利金額1,500円を算出し、受注番号J002の受注明細データについては、売上金額20,000円-原価金額16,000円=粗利金額4,000円を算出し、受注番号J003かつ受注行番号1の受注明細データについては、売上金額30,000円-原価金額24,000円=粗利金額6,000円を算出し、受注番号J003かつ受注行番号2の受注明細データについては、売上金額38,000円-原価金額32,000円=粗利金額6,000円を算出し、受注番号J004かつ受注行番号1の受注明細データについては、売上金額49,000円-原価金額40,000円=粗利金額9,000円を算出し、受注番号J004かつ受注行番号2の受注明細データについては、売上金額60,000円-原価金額48,000円=粗利金額12,000円を算出する。
【0072】
このようにして、粗利金額算出処理が終了した段階での粗利金額の状態を図6の受注データ106cに示す。なお、図5の受注データ106c中の値から更新された値については、ハッチングにより示している。
【0073】
[4-5.売上データ生成処理]
売上データ生成部102eは、以下の(i)または(ii)の場合に、判定対象とした受注明細データ中の売上金額に基づいて売上データを生成する。
(i)受注明細データ中の商品識別データと紐付く商品マスタ106a中の数量確定必要フラグが「FALSE」である(図2のステップS1において「FALSE」である)と判定した場合
(ii)受注明細データ中の商品識別データと紐付く商品マスタ106a中の数量確定必要フラグが「TRUE」であり(図2のステップS1において「TRUE」であり)、かつ、受注明細データ中の数量確定フラグが「TRUE」である(図2のステップS2において「TRUE」である)と判定した場合
【0074】
以下、受注番号別に項目を分けて具体的に説明をする。
【0075】
(1)受注番号J001の受注明細データ
図6における受注番号J001の受注明細データ中の商品S001と紐付く図6の商品マスタ106a中の数量確定必要フラグは、「TRUE」である。また、当該受注明細データ中の数量確定フラグは、「TRUE」である。つまり、受注番号J001の受注明細データは、(ii)のパターンに該当するため、売上計上の対象となる。
【0076】
(2)受注番号J002の受注明細データ
図6における受注番号J002の受注明細データ中の商品S002と紐付く図6の商品マスタ106a中の数量確定必要フラグは、「TRUE」である。しかしながら、当該受注明細データ中の数量確定フラグは、「FALSE」である。つまり、受注番号J002の受注明細データは、(i)と(ii)のどちらのパターンにも該当しないため、売上計上の対象とならない。
【0077】
(3)受注番号J003の受注明細データ
図6における受注番号J003の2つの受注明細データ中の商品S003と紐付く図6の商品マスタ106a中の数量確定必要フラグは、「FALSE」である(=商品S003は、そもそも、経時的に量が減っていく商品ではない)。つまり、受注番号J003の受注明細データは、(i)のパターンに該当するため、売上計上の対象となる。
【0078】
(4)受注番号J004の受注明細データ
図6における受注番号J004かつ受注行番号1の受注明細データについては、上記(1)と同様の理由により、売上計上の対象となる。しかしながら、図6における受注番号J004かつ受注行番号2の受注明細データについては、上記(2)と同様の理由により、売上計上の対象とならない。このように、同一の受注番号を有する受注明細データ内に、1明細であっても売上計上の対象とならない受注明細データが存在する場合には、当該同一の受注番号を有するすべての受注明細データ(本例では、受注番号J004の2つの受注明細データ)を、売上計上の対象外とする。
【0079】
以上、(1)~(4)で説明したように、3つの受注明細データ(受注番号J001の受注明細データおよび受注番号J003の2つの受注明細データ)が、売上計上の対象となることが判明した。このため、売上データ生成部102eは、当該3つの受注明細データ中の売上金額に基づいて売上データ(図示せず)を生成する。
【0080】
[5.本実施形態のまとめ]
以上、[4-1]および[4-2]で説明したように、本実施形態に係る確定商品量管理装置100によれば、前記納入先への納品後の確定した商品量に基づく売上金額の算出を自動で行うことができる。これにより、例えば、人為的ミスをなくし、担当者の作業負荷も軽減することができる。
【0081】
また、[4-3]および[4-4]で説明したように、本実施形態に係る確定商品量管理装置100によれば、粗利金額の算出も自動で行うことができる。これにより、例えば、人為的ミスをなくし、担当者の作業負荷も軽減することができる。
【0082】
そして、[4-5]で説明したように、本実施形態に係る確定商品量管理装置100によれば、どの受注明細について検収が済んで確定した商品量の報告があったかの判断を自動で行うことができる。言い換えると、どの受注明細を売上計上の対象としてよいかの判断を自動で行うことができる。これにより、例えば、売上の誤計上および売上の誤請求の発生を防ぐことができる。
【0083】
[6.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0086】
[7.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0087】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0088】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
また、確定商品量管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0090】
例えば、確定商品量管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて確定商品量管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0091】
また、このコンピュータプログラムは、確定商品量管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0092】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0093】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0094】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0095】
また、確定商品量管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、確定商品量管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0096】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、例えば、経時的に量が減っていく商品を扱う業界において有用であり、特に、揮発性の商品(石油およびガソリン等)を扱う業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0098】
100 確定商品量管理装置
102 制御部
102a 確定商品量取得部
102b 売上金額算出部
102c 原価金額算出部
102d 粗利金額算出部
102e 売上データ生成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b 数量報告データ
106c 受注データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6