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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048694
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20240402BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20240402BHJP
【FI】
A01G7/00 603
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154757
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】戸田 貴弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】植物から発生するガスを精度良く測定できる技術を提供する。
【解決手段】モニタリングシステムは、植物を栽培する第1農耕地に配置され、ガス成分を検出する第1ガスセンサと、植物を栽培しない第2農耕地に配置され、第1ガスセンサと同一のガス検出機能を有する第2ガスセンサと、第1ガスセンサの第1検出結果、及び第2ガスセンサの第2検出結果に基づいて、植物から発生するガスに係る情報を出力するコントローラと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培する第1農耕地に配置され、ガス成分を検出する第1ガスセンサと、
前記植物を栽培しない第2農耕地に配置され、前記第1ガスセンサと同一のガス検出機能を有する第2ガスセンサと、
前記第1ガスセンサの第1検出結果、及び前記第2ガスセンサの第2検出結果に基づいて、前記植物から発生するガスに係る情報を出力するコントローラと、
を備える、モニタリングシステム。
【請求項2】
前記第1ガスセンサは、前記第1農耕地の地表面よりも上側に設けられ、
前記第2ガスセンサは、前記第2農耕地の地表面よりも上側に設けられる、請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
前記第1農耕地において、前記第1農耕地の前記地表面よりも下側に配置され、ガス成分を検出する第3ガスセンサと、
前記第2農耕地において、前記第2農耕地の前記地表面よりも下側に配置され、前記第3ガスと同一のガス検出機能を有する第4ガスセンサと、を更に備え、
前記コントローラは、前記第3ガスセンサの第3検出結果、及び前記第4ガスセンサの第4検出結果に更に基づいて前記植物から発生するガスに係る前記情報を出力する、請求項2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
前記第1ガスセンサは、前記第1農耕地の地表面よりも下側に設けられ、
前記第2ガスセンサは、前記第2農耕地の地表面よりも下側に設けられる、請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1検出結果と前記第2検出結果との間において共通のガス成分が含まれる場合、前記共通のガス成分を前記第1検出結果から除外した情報を、前記植物から発生するガスに係る前記情報として出力する、請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項6】
前記第1農耕地に配置され、前記第1農耕地の土壌の水分及び電気伝導度の少なくとも一方を検出する第1環境センサと、
前記第2農耕地に配置され、前記第1環境センサと同一の検出機能を有する第2環境センサと、を更に備え、
前記コントローラは、前記第1環境センサの検出結果、及び前記第2環境センサの検出結果に更に基づいて、前記植物から発生するガスに係る前記情報を出力する、請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記植物から発生するガスに係る前記情報に基づいて、前記植物の状態を推定する、請求項1に記載のモニタリングシステム。
【請求項8】
前記第1農耕地に存在する人を検出する第1人感センサを更に備え、
前記コントローラは、前記植物から発生するガスに係る前記情報を出力するために用いる前記第1検出結果から、前記第1人感センサによって前記第1農耕地に存在する前記人が検出された際に検出された前記第1検出結果を除外する、請求項1~7のいずれか一項に記載のモニタリングシステム。
【請求項9】
前記第2農耕地に存在する人を検出する第2人感センサを更に備え、
前記コントローラは、前記植物から発生するガスに係る前記情報を出力するために用いる前記第2検出結果から、前記第2人感センサによって前記第2農耕地に存在する前記人が検出された際に検出された前記第2検出結果を除外する、請求項8に記載のモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、植物の育成環境を計測する環境計測装置を開示する。この装置は、植物に隣接させて配置されるガスセンサを有する。このガスセンサは、植物の周囲の二酸化炭素濃度を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-46386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のガスセンサは、植物から発生するガスだけでなく、土壌から発生するガスなどの外乱に因る成分も検出するおそれがある。本開示は、植物から発生するガスを精度良く測定できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るモニタリングシステムは、第1ガスセンサ、第2ガスセンサ、及びコントローラを備える。第1ガスセンサは、植物を栽培する第1農耕地に配置され、ガス成分を検出する。第2ガスセンサは、植物を栽培しない第2農耕地に配置され、第1ガスセンサと同一のガス検出機能を有する。コントローラは、第1ガスセンサの第1検出結果、及び第2ガスセンサの第2検出結果に基づいて、植物から発生するガスに係る情報を出力する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、植物から発生するガスを精度良く測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るモニタリングシステムのブロック図である。
図2図2は、モニタリングシステムを概略的に示す図である。
図3図3は、モニタリングシステムの動作を示すフローチャートである。
図4図4は、ガス情報算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の概要]
最初に、本開示の実施形態の概要を説明する。
【0009】
(条項1) 本開示の一側面に係るモニタリングシステムは、第1ガスセンサ、第2ガスセンサ、及びコントローラを備える。第1ガスセンサは、植物を栽培する第1農耕地に配置され、ガス成分を検出する。第2ガスセンサは、植物を栽培しない第2農耕地に配置され、第1ガスセンサと同一のガス検出機能を有する。コントローラは、第1ガスセンサの第1検出結果、及び第2ガスセンサの第2検出結果に基づいて、植物から発生するガスに係る情報を出力する。
【0010】
このモニタリングシステムでは、植物を栽培する農耕地にガスセンサが設けられるだけでなく、植物を栽培しない農耕地にもガスセンサが設けられ、それぞれの検出結果に基づいて植物から発生するガスに係る情報が出力される。例えば、植物を栽培する農耕地に配置された第1ガスセンサの第1検出結果と、植物を栽培しない農耕地に配置され、第1ガスセンサと同一のガス検出機能を有する第2ガスセンサの第2検出結果とが比較される。その結果、植物から発生するガス以外の成分を第1検出結果が含んでいたとしても、モニタリングシステムは、第2検出結果に基づいて植物以外に起因する外乱を第1検出結果から除外できる。よって、このモニタリングシステムによれば、植物から発生するガスを精度良く測定できる。
【0011】
(条項2) 条項1に記載のモニタリングシステムにおいて、第1ガスセンサは、第1農耕地の地表面よりも上側に設けられ、第2ガスセンサは、第2農耕地の地表面よりも上側に設けられてもよい。この場合、モニタリングシステムは、地表面よりも上側に存在する植物の茎及び葉などから発生するガスを精度良く測定できる。
【0012】
(条項3) 条項2に記載のモニタリングシステムは、第1農耕地において、第1農耕地の地表面よりも下側に配置され、ガス成分を検出する第3ガスセンサと、第2農耕地において、第2農耕地の地表面よりも下側に配置され、第3ガスセンサと同一のガス検出機能を有する第4ガスセンサと、を更に備え、コントローラは、第3ガスセンサの第3検出結果、及び第4ガスセンサの第4検出結果に更に基づいて植物から発生するガスに係る情報を出力してもよい。この場合、モニタリングシステムは、地表面よりも上側に存在する植物の茎及び葉などから発生するガスに加えて、地表面よりも下側に存在する植物の根などから発生するガスを精度良く測定できる。
【0013】
(条項4) 条項1に記載のモニタリングシステムにおいて、第1ガスセンサは、第1農耕地の地表面よりも下側に設けられ、第2ガスセンサは、第2農耕地の地表面よりも下側に設けられてもよい。この場合、モニタリングシステムは、地表面よりも下側に存在する植物の根などから発生するガスを精度良く測定できる。
【0014】
(条項5) 条項1~4のいずれか一項に記載のモニタリングシステムにおいて、コントローラは、第1検出結果と第2検出結果との間において共通のガス成分が含まれる場合、共通のガス成分を第1検出結果から除外した情報を、植物から発生するガスに係る情報として出力してもよい。この場合、モニタリングシステムは、植物から発生するガス以外の外乱を第1検出結果から確実性をもって除去できる。
【0015】
(条項6) 条項1~5のいずれか一項に記載のモニタリングシステムは、第1農耕地に配置され、第1農耕地の土壌の水分及び電気伝導度の少なくとも一方を検出する第1環境センサと、第2農耕地に配置され、第1環境センサと同一の検出機能を有する第2環境センサと、を更に備え、コントローラは、第1環境センサの検出結果、及び第2環境センサの検出結果に更に基づいて、植物から発生するガスに係る情報を出力してもよい。この場合、モニタリングシステムは、例えば土壌の水分又は電気伝導度から第1農耕地と第2農耕地との環境の差分を把握して、差分がガスの検出結果に与える影響を補正できるので、植物から発生するガスをより精度良く測定できる。
【0016】
(条項7) 条項1~6のいずれか一項に記載のモニタリングシステムにおいて、コントローラは、植物から発生するガスに係る情報に基づいて、植物の状態を推定してもよい。この場合、モニタリングシステムは、精度良く測定された、植物から発生するガスに基づいて、植物の状態を精度良く推定できる。
【0017】
(条項8) 条項1~7のいずれか一項に記載のモニタリングシステムは、第1農耕地に存在する人を検出する第1人感センサを更に備え、コントローラは、植物から発生するガスに係る情報を出力するために用いる第1検出結果から、第1人感センサによって第1農耕地に存在する人が検出された際に検出された第1検出結果を除外してもよい。この場合、モニタリングシステムは、植物近傍を人が通ることで発生するガスなどの外乱を除外できるため、植物から発生するガスの検出精度を担保できる。
【0018】
(条項9) 条項8に記載のモニタリングシステムは、第2農耕地に存在する人を検出する第2人感センサを更に備え、コントローラは、植物から発生するガスに係る情報を出力するために用いる第2検出結果から、第2人感センサによって第2農耕地に存在する人が検出された際に検出された第2検出結果を除外してもよい。この場合、モニタリングシステムは、第2農耕地を人が通ることで発生するガスなどの外乱を除外できるため、植物から発生するガスの検出精度を担保できる。
【0019】
[本開示の実施形態の例示]
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0020】
[モニタリングシステムの一例]
図1は、実施形態に係るモニタリングシステム1のブロック図である。図2は、モニタリングシステム1を概略的に示す図である。図1,2に示されるモニタリングシステム1は、植物Tの状態を監視するシステムである。植物Tは、測定対象となる植物であって、例えば、トマトなどの農作物、及びリンゴなどの果実である。植物Tの状態の例としては、植物Tの健康状態、及び植物Tの生育状態が挙げられる。
【0021】
モニタリングシステム1は、センサ群2、参照センサ群3、及び制御装置4を備える。センサ群2は、植物Tの状態を測定するためのセンサ群である。センサ群2は、少なくとも1つのガスセンサを備える。ガスセンサは、ガス成分を検出する。参照センサ群3は、植物Tが栽培される環境に対する比較環境の状態を測定するためのセンサ群である。参照センサ群3は、センサ群2に含まれるガスセンサに対応する参照用のガスセンサを備える。センサ群2及び参照センサ群3は、無線又は有線通信により、制御装置4と通信可能に構成される。センサ群2及び参照センサ群3のそれぞれは、制御装置4に対して、検出データなどを送信可能に構成される。
【0022】
制御装置4は、センサ群2に含まれるガスセンサの検出結果及び参照センサ群3に含まれるガスセンサの検出結果に基づいて、植物Tに係る情報を出力する。植物Tに係る情報は、例えば植物Tから発生するガスに係る情報である。植物Tに係る情報は、植物Tから発生するガス成分に基づいて推定される、植物Tの状態に係る情報であってもよい。以下、センサ群2、参照センサ群3、及び制御装置4の詳細について説明する。
【0023】
図2に示されるように、センサ群2は、植物Tを栽培する第1農耕地2nに配置される。農耕地は、植物の栽培、及び耕作を目的とする土地及び場所である。農耕地の一例としては、培地、田、畑、樹園地、及び牧草地が挙げられる。第1農耕地2nは、農耕地のうち、植物Tが栽培されている土地及び場所である。図2に示される例では、第1農耕地2nは、培地2bを含み、植物Tは培地2bで栽培される。培地2bは、土壌2dを有する。参照センサ群3は、植物Tを栽培しない第2農耕地3nに配置される。第2農耕地3nは、農耕地のうち、植物Tが栽培されていない土地及び場所である。一例として、第2農耕地3nは、第1農耕地2nと同じ圓場、及びビニールハウスなどに位置している。図2に示される例では、第2農耕地3nは、第1農耕地2nの培地2bと同じ環境下にある培地3bを含む。培地3bは、土壌2dと同質の土壌3dを含む。つまり、第2農耕地3nの環境は、植物Tが栽培されていないことを除いて、第1農耕地2nの環境と同一である。
【0024】
センサ群2は、一例として、ガスセンサ21(第1ガスセンサの一例)、土壌ガスセンサ22(第3ガスセンサの一例)、環境センサ23(第1環境センサの一例)、及び人感センサ24(第1人感センサの一例)を含む。ガスセンサ21は、第1農耕地2nの地表面2tよりも上側に設けられ、ガス成分を検出する。農耕地の地表面とは、植物Tが栽培される土壌2dの表面を意味する。図2に示される例では、第1農耕地2nの地表面2tは、培地2bの土壌2dの表面であって、ガスセンサ21は、培地2bよりも上側に設けられる。ガスセンサ21は、例えば、植物Tの葉、茎、及び果実などから発生するガス(匂い物質)を検出するように、図示しない紐などによって植物Tに隣接して設けられる。
【0025】
ガスセンサ21が検出する物質(ガス成分)は、例えば、緑の香り物質、テルペン類物質、硫黄系物質、及びカビ臭物質の少なくとも1つを含む。また、ガスセンサ21は、緑の香り物質、テルペン類物質、硫黄系物質、及びカビ臭物質に加えて、他の物質を検出してもよい。
【0026】
緑の香り物質は、炭素数六つの骨格を持つアルデヒド、アルコール、及びそれらのエステルなどの揮発性物質である。具体的には、緑の香り物質は、ヘキセノール(青葉アルコール)、及びセキセナール(青葉アルデヒド)などである。テルペン類物質は、(Cの不飽和炭化水素を基本骨格とする有機化合物、及びテルペンアルコールなどの物質である。具体的には、テルペン類物質は、α-ピネン、及びβ-カリオフィレンなどである。硫黄系物質は、植物Tの腐敗臭を発する硫化水素などの硫化化合物である。具体的には、硫黄系物質は、ジメチルスルフィドなどである。カビ臭物質は、カビ、トリクロロアニソール、ジェオスミン、及びメチルイソボルネオールなどである。
【0027】
ガスセンサ21は、一例として、電気化学式であって、ポリアニリンなどの有機膜、及び酸化スズ(SnO)などの酸化物半導体を含むVOC(Volatile Organic Compounds)センサである。ガスセンサ21は、VOCセンサに限定されず、ガスの検出が可能なセンサであればよい。ガスセンサ21は、複数の異なる匂いガスを検出する場合、複数のセンサによって構成されてもよい。
【0028】
土壌ガスセンサ22は、第1農耕地2nの地表面2tよりも下側に配置され、ガス成分を検出する。図2に示される例では、土壌ガスセンサ22は、培地2b中に設けられる。土壌ガスセンサ22は、植物Tの根Trから発生するガスを検出するように、植物Tの根Trの近傍に設けられる。土壌ガスセンサ22は、ガスの検出が可能なセンサであればよく、一例としてVOCセンサである。
【0029】
環境センサ23は、第1農耕地2nの土壌2dに配置される。環境センサ23は、第1農耕地2nの土壌2dの水分及び電気伝導度の少なくとも一方を検出する。環境センサ23は、土壌2dの水分を検出する場合、水分センサを含む。環境センサ23は、土壌2dの電気伝導度を検出する場合、EC(electrical conductivity)センサを含む。また、環境センサ23は、土壌2dの水分及び電気伝導度以外の値を更に検出してもよい。環境センサ23の位置は、植物Tの生育環境を検出可能な位置であればよく、特に限定されない。
【0030】
人感センサ24は、第1農耕地2nに配置される。人感センサ24は、第1農耕地2nに存在する人を検出する。人感センサ24は、例えば、第1農耕地2nに配置された赤外線センサであってもよい。また、人感センサ24は、例えば、第1農耕地2nに配置された撮像装置、及び当該撮像装置が撮像した画像を解析するコンピュータから構成されてもよい。人感センサ24は、第1農耕地2nに存在する人を検出可能に構成されればよく、特に限定されない。人感センサ24は、例えば、図示しない紐などによって植物Tの近傍に固定される。
【0031】
ガスセンサ21、土壌ガスセンサ22、環境センサ23、及び人感センサ24の各検出データ(検出結果の一例)は制御装置4に出力される。
【0032】
参照センサ群3は、一例として、参照ガスセンサ31(第2ガスセンサの一例)、参照土壌ガスセンサ32(第4ガスセンサの一例)、参照環境センサ33(第2環境センサの一例)、及び参照人感センサ34(第2人感センサの一例)を含む。参照ガスセンサ31は、第2農耕地3nの地表面3tよりも上側に設けられる。図2に示される例では、第2農耕地3nの地表面3tは、培地3bの土壌3dの表面であって、参照ガスセンサ31は、培地3bよりも上側に設けられる。参照ガスセンサ31は、例えば、図示しない紐などによって、ガスセンサ21と同じ高さに設けられる。参照ガスセンサ31は、ガスセンサ21と同一のガス検出機能を有する。一例として、参照ガスセンサ31は、ガスセンサ21と同様のVOCセンサである。
【0033】
参照土壌ガスセンサ32は、第2農耕地3nの地表面3tよりも下側に配置される。図2に示される例では、参照土壌ガスセンサ32は、培地3b中に設けられる。参照土壌ガスセンサ32は、土壌ガスセンサ22と同一のガス検出機能を有するVOCセンサである。参照土壌ガスセンサ32は、第2農耕地3nの土壌3dから発生するガスなどを検出する。
【0034】
参照環境センサ33は、第2農耕地3nの土壌3dに配置される。参照環境センサ33は、環境センサ23と同一の検出機能を有する。すなわち、環境センサ23が水分センサを含む場合は、参照環境センサ33も、土壌3dの水分を検出する水分センサを含む。また、環境センサ23がECセンサを含む場合は、参照環境センサ33も土壌3dの電気伝導度を検出するECセンサを含む。参照環境センサ33の位置は、土壌3dの水分及び電気伝導度の少なくとも一方を検出可能な位置であればよく、特に限定されない。
【0035】
参照人感センサ34は、第2農耕地3nに配置される。参照人感センサ34は、第2農耕地3nに存在する人を検出する。参照人感センサ34は、例えば、第2農耕地3nに配置された赤外線センサであってもよい。また、参照人感センサ34は、例えば、第2農耕地3nに配置された撮像装置、及び当該撮像装置が撮像した画像を解析するコンピュータから構成されてもよい。参照人感センサ34は、第2農耕地3nに存在する人を検出可能に構成されればよく、特に限定されない。参照人感センサ34は、例えば、図示しない紐などによって固定される。
【0036】
参照ガスセンサ31、参照土壌ガスセンサ32、参照環境センサ33、及び参照人感センサ34の各検出データ(検出結果の一例)は、制御装置4に出力される。
【0037】
制御装置4は、コントローラ41、及び記憶装置42を有する。コントローラ41は、モニタリングシステム1を統括制御する。コントローラ41は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)として構成される。コントローラ41は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(RandomAccess Memory)及びROM(Read Only Memory)などのメモリと、タッチパネル、マウス、キーボード、及びディスプレイなどの入出力装置と、ネットワークカードなどの通信装置とを含むコンピュータシステムとして構成されてもよい。制御装置4は、メモリに記憶されているコンピュータプログラムに基づくプロセッサの制御のもとで各ハードウェアを動作させることにより、植物Tに係る情報を出力する機能を実現する。具体的には、コントローラ41は、センサ群2から取得した検出データ、及び参照センサ群3から取得した検出データに基づいて、植物Tから発生するガスに係る情報、及び植物Tの状態を出力する。コントローラ41による具体的な処理の詳細については後述する。コントローラ41は、植物Tに係る情報を、記憶装置42に出力する。
【0038】
記憶装置42は、植物Tに係る情報をコントローラ41から受信すると、植物Tに係る情報を記憶する。記憶装置42は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などで構成される。記憶装置42は、外部入力手段などから取得した結果を記憶してもよい。
【0039】
[モニタリング方法]
図3は、モニタリングシステム1の動作を示すフローチャートである。図3に示されるモニタリング方法は、モニタリングシステム1によって実行される。フローチャートは、例えば所定の時間が経過するごとに開始される。
【0040】
最初に、測定処理(ステップS10)として、センサ群2は、第1農耕地2nに係る各値を検出し、参照センサ群3は、第2農耕地3nに係る各値を検出する。まず、センサ群2における測定処理について説明する。センサ群2のガスセンサ21は、植物Tの葉、及び茎などから発生するガスを検出する。ここで、ガスセンサ21近傍には、土壌2dから発生するガスなども存在し得る。したがって、ガスセンサ21は、植物Tから発生するガスに加えて、土壌2dから発生するガスなども検出し得る。ガスセンサ21は、検出データ(第1検出結果の一例)をコントローラ41に出力する。ガスセンサ21の検出データは、検出したガス成分の種類を少なくとも含む。また、当該検出データは、検出したガス成分の濃度を更に含んでもよい。
【0041】
土壌ガスセンサ22は、植物Tの根Trから発生するガスを検出する。ここで、土壌ガスセンサ22近傍には、第1農耕地2nの土壌2dから発生するガスなども存在し得る。したがって、土壌ガスセンサ22は、植物Tの根Trから発生するガスに加えて、第1農耕地2nの土壌2dから発生するガスなども検出し得る。土壌ガスセンサ22は、検出データ(第3検出結果の一例)をコントローラ41に出力する。土壌ガスセンサ22の検出データは、検出したガス成分の種類を少なくとも含む。また、当該検出データは、検出したガス成分の濃度を更に含んでもよい。
【0042】
環境センサ23は、第1農耕地2nの土壌2dの水分及び電気伝導度の少なくとも一方を検出する。人感センサ24は、第1農耕地2nに人が存在する場合は、第1農耕地2nに存在する人を検出する。環境センサ23及び人感センサ24のそれぞれは、検出データをコントローラ41に出力する。
【0043】
続いて、参照センサ群3における検出処理について説明する。参照センサ群3の参照ガスセンサ31は、参照ガスセンサ31近傍に存在するガスを検出する。具体的には、参照ガスセンサ31は、土壌3dから発生するガスなどを検出する。参照ガスセンサ31は、検出データ(第2検出結果の一例)をコントローラ41に出力する。
【0044】
参照土壌ガスセンサ32は、参照土壌ガスセンサ32近傍に存在するガスを検出する。具体的には、参照土壌ガスセンサ32は、第2農耕地3nの土壌3dから発生するガスなどを検出する。参照土壌ガスセンサ32は、検出データ(第4検出結果の一例)をコントローラ41に出力する。参照環境センサ33は、第2農耕地3nの土壌3dの水分及び電気伝導度の少なくとも一方を検出する。参照人感センサ34は、第2農耕地3nに人が存在する場合は、第2農耕地3nに存在する人を検出する。参照環境センサ33及び参照人感センサ34のそれぞれは、検出データをコントローラ41に出力する。
【0045】
続いて、制御装置4のコントローラ41は、センサ群2が検出した各検出データ、及び参照センサ群3が検出した各検出データを取得すると、ガス情報算出処理(ステップS12)として、図4に示す処理を実行する。図4は、ガス情報算出処理の詳細を示すフローチャートである。コントローラ41は、ガス情報算出処理を実行することにより、植物Tから発生するガスを示す情報(植物Tから発生するガスに係る情報の一例)を算出する。植物Tから発生するガスは、植物Tの上部から発生するガス、及び植物Tの下部から発生するガスを含む。以下、図4を用いてガス情報算出処理の詳細について説明する。
【0046】
まず、コントローラ41は、除外処理(ステップS120)として、ガスセンサ21の検出データのうち、後述する第1算出処理(ステップS122)において用いる検出データから除外するノイズデータを決定する。具体的には、コントローラ41は、人感センサ24の検出データを参照して、ガスセンサ21の検出データのうち、人感センサ24によって第1農耕地2nに存在する人が検出された際にガスセンサ21によって検出された検出データを、ノイズデータとして決定する。そして、コントローラ41は、後述する第1算出処理(ステップS122)において用いるガスセンサ21の検出データから、決定されたノイズデータを除外する。これにより、モニタリングシステム1は、植物T近傍を人が通ることで発生するガスなどの外乱を除外できるため、植物Tから発生するガスの検出精度を担保できる。このとき、コントローラ41は、ノイズデータと同時刻に参照ガスセンサ31によって検出された検出データを参照ノイズデータとし、参照ガスセンサ31の検出データから参照ノイズデータを除外してもよい。
【0047】
また、コントローラ41は、参照人感センサ34の検出データを参照して、参照ガスセンサ31の検出データのうち、参照人感センサ34が第2農耕地3nに存在する人を検出した際に検出された検出データを、参照ノイズデータとして決定する。そして、コントローラ41は、後述する第1算出処理(ステップS122)において用いる参照ガスセンサ31の検出データから、決定された参照ノイズデータを除外する。これにより、モニタリングシステム1は、第2農耕地3nを人が通ることで発生するガスなどの外乱を除外できるため、植物Tから発生するガスの検出精度を担保できる。このとき、コントローラ41は、参照ノイズデータと同時刻にガスセンサ21によって検出された検出データをノイズデータとし、ガスセンサ21の検出データからノイズデータを除外してもよい。
【0048】
続いて、コントローラ41は、第1算出処理(ステップS122)として、ノイズデータが除去されたガスセンサ21の検出データと、参照ノイズデータが除去された参照ガスセンサ31の検出データとに基づいて、植物Tから発生するガスに係る情報を算出する。第1算出処理は、葉、茎、及び果実など、植物Tのうち第1農耕地2nの地表面2tよりも上側の部分から発生するガス(以下、「植物上部ガス」という)のデータを算出する処理である。例えば、コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データと、参照ガスセンサ31の検出データとを比較する。比較に用いられるガスセンサ21の検出データは、比較に用いられる参照ガスセンサ31の検出データと同時刻に検出されたデータである。
【0049】
ガスセンサ21の検出データと、参照ガスセンサ31の検出データとの比較方法の例としては、以下の2つが挙げられる。第1の方法として、コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データと、参照ガスセンサ31の検出データとの間において共通のガス成分に係るデータが含まれる場合、共通のガス成分に係るデータをガスセンサ21の検出データから除外する。そして、コントローラ41は、共通のガス成分に係るデータを除外したガスセンサ21の検出データを、植物上部ガスのデータとして算出する。例えば、ガスセンサ21の検出データが、第1ガス成分及び第2ガス成分のデータを含み、参照ガスセンサ31の検出データが、第2ガス成分のデータを含む場合、コントローラ41は、第2ガス成分のデータをガスセンサ21の検出データから除外して、第1ガス成分のデータのみを植物上部ガスのデータとする。これにより、モニタリングシステム1は、植物上部ガス以外の外乱をガスセンサ21の検出データから確実性をもって除去できる。
【0050】
第2の方法として、コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データと、参照ガスセンサ31の検出データとの間において共通のガス成分に係るデータが含まれる場合、各検出データが示す共通のガス成分の濃度を考慮して、植物上部ガスのデータを算出する。例えば、ガスセンサ21の検出データが、濃度50%の第1ガス成分のデータを含み、参照ガスセンサ31の検出データが、濃度20%の第1ガス成分のデータを含む場合、コントローラ41は、濃度50%から濃度20%を減算して得られる濃度30%の第1ガス成分のデータを、植物上部ガスのデータとして算出する。この場合、モニタリングシステム1は、第1農耕地2nにおいて、植物Tとは異なる物体から、植物Tから発生するガスと同一のガスが発生している場合であっても、植物上部ガスのデータを適切に出力できる。コントローラ41は、第1の方法及び第2の方法の両方を実行してもよいし、第1の方法及び第2の方法の一方を実行してもよい。
【0051】
続いて、コントローラ41は、第2算出処理(ステップS124)として、土壌ガスセンサ22の検出データと、参照土壌ガスセンサ32の検出データとに基づいて、植物Tから発生するガスに係る情報を算出する。第2算出処理は、植物Tの根Trなど、植物Tのうち第1農耕地2nの地表面2tよりも下側の部分から発生するガス(以下、「植物下部ガス」という)のデータを算出する処理である。例えば、コントローラ41は、土壌ガスセンサ22の検出データと、参照土壌ガスセンサ32の検出データとを比較する。比較に用いられる土壌ガスセンサ22の検出データは、比較に用いられる参照土壌ガスセンサ32の検出データと同時刻に検出されたデータである。コントローラ41は、例えば、比較方法として、上記第1の方法、及び上記第2の方法の少なくとも一方を実行する。
【0052】
続いて、コントローラ41は、補正処理(ステップS126)として、環境センサ23の検出データ、及び参照環境センサ33の検出データに基づいて、ステップS122で算出した植物上部ガスを示す情報を補正する。一例として、環境センサ23及び参照環境センサ33のそれぞれの検出データが水分センサの検出データを含む場合、コントローラ41は、環境センサ23の検出データ、及び参照環境センサ33の検出データの差分を算出する。記憶装置42は、例えば水分センサの検出データの差分と、ガスセンサ21の検出データの補正係数とを関連付けて予め記憶する。補正係数は、水分量の違いに応じて生じるガス排出量を補正するための係数である。コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データに補正係数を適用することによって、ガスセンサ21の検出データを補正する。記憶装置42は、水分センサの検出データの差分と、土壌ガスセンサ22の検出データの補正係数とを関連付けて予め記憶してもよい。コントローラ41は、土壌ガスセンサ22の検出データに補正係数を適用することによって、土壌ガスセンサ22の検出データを補正してもよい。
【0053】
また、環境センサ23及び参照環境センサ33のそれぞれの検出データがECセンサによる検出データを含む場合、コントローラ41は、環境センサ23の検出データ、及び参照環境センサ33の検出データの差分を算出する。記憶装置42は、例えばECセンサの検出データの差分と、ガスセンサ21の検出データの補正係数とを関連付けて予め記憶する。補正係数は、電気伝導度の違いに応じて生じるガス排出量を補正するための係数である。コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データに補正係数を適用することによって、ガスセンサ21の検出データを補正する。記憶装置42は、ECセンサの検出データの差分と、土壌ガスセンサ22の検出データの補正係数とを関連付けて予め記憶してもよい。コントローラ41は、土壌ガスセンサ22の検出データに補正係数を適用することによって、土壌ガスセンサ22の検出データを補正してもよい。これにより、モニタリングシステム1は、第1農耕地2nと第2農耕地3nとの環境の差分を把握して、差分がガスの検出データに与える影響を補正できるので、植物Tから発生するガスをより精度良く検出できる。
【0054】
図3の処理に戻り、コントローラ41は、植物状態推定処理(ステップS14)として、植物Tから発生するガスを示す情報に基づいて、植物Tの状態を推定する。例えば、記憶装置42は、植物Tから発生するガス成分と、植物Tの状態とを関連付けたテーブルなどを記憶する。コントローラ41は、記憶装置42を参照して、植物Tの上部の状態を推定する。これにより、モニタリングシステム1は、精度良く検出された、植物Tから発生するガスに基づいて、植物Tの状態を精度良く推定できる。
【0055】
例えば、植物上部情報が示すガス成分が緑の香り物質である場合、コントローラ41は、植物Tの食害状態を推定できる。また、植物上部情報が示すガス成分がテルペン類物質である場合、コントローラ41は、植物Tの環境ストレス状態を推定できる。また、植物上部情報が示すガス成分が硫黄系物質である場合、コントローラ41は、植物Tの腐敗状態を推定できる。さらに、植物上部情報が示すガス成分がカビ臭物質である場合、コントローラ41は、植物Tのカビ発生を推定できる。また、コントローラ41は、植物下部情報が示すガス成分を参照して、植物Tの上部の状態を推定する場合と同様の手法により、植物Tの下部の状態を推定してもよい。
【0056】
続いて、コントローラ41は、情報出力処理(ステップS16)として、ステップS12で算出した植物上部情報及び植物下部情報、並びにステップS14で推定した植物Tの状態を出力し、記憶装置42に記憶させる。情報出力処理が終了すると、図3に示されるフローチャートは終了する。なお、第1算出処理(ステップS122)は、第2算出処理(ステップS124)よりも後に行われてもよく、第2算出処理と平行して行われてもよい。また、除外処理(ステップS120)は、第1算出処理(ステップS122)及び第2算出処理よりも後に行われてもよい。
【0057】
[実施形態のまとめ]
コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データ、及び参照ガスセンサ31の検出データに基づいて、植物Tから発生するガスに係る情報を出力する。すなわち、このモニタリングシステム1では、植物Tを栽培する農耕地にガスセンサ21が設けられるだけでなく、植物Tを栽培しない農耕地に対する比較環境にも参照ガスセンサ31が設けられ、それぞれの検出データに基づいて植物Tから発生するガスに係る情報が出力される。具体的には、植物Tを栽培する農耕地に配置されたガスセンサ21の検出データと、植物Tを栽培しない農耕地に配置され、ガスセンサ21と同一のガス検出機能を有する参照ガスセンサ31の検出データとが比較される。その結果、植物Tから発生するガス以外の成分を、ガスセンサ21の検出データが含んでいたとしても、モニタリングシステム1は、参照ガスセンサ31の検出データに基づいて植物T以外に起因する外乱をガスセンサ21の検出データから除外できる。よって、このモニタリングシステム1によれば、植物Tから発生するガスを精度良く測定できる。
【0058】
植物は、食害を受けたり、ウイルスに感染したりすることで、ガス(匂い)を放出する。近年、実験室などの閉鎖された空間に配置された植物に対しては、植物から発生するガスの分析が行われている。しかしながら、植物を栽培する実際の農耕地では、土壌などから発生するガスなど、植物以外から発生するガスが存在する場合がある。このため、実際の農耕地で植物から発生するガスを検出しようとしても、植物近傍に配置されたガスセンサが検出するガスには、植物から発生するガス以外のガスも含まれてしまう問題がある。モニタリングシステム1は、植物Tを栽培しない農耕地にも参照ガスセンサ31を配置して、ガスセンサ21の検出データから、参照ガスセンサ31で検出されたガス成分を外乱として除外するので、植物から発生するガスを明確にセンシングできる。
【0059】
モニタリングシステム1は、ガスセンサ21が、第1農耕地2nの地表面2tよりも上側に設けられ、参照ガスセンサ31が、第2農耕地3nの地表面3tよりも上側に設けられることにより、地表面2tよりも上側に存在する植物Tの茎及び葉などから発生するガスを精度良く測定できる。
【0060】
モニタリングシステム1は、第1農耕地2nにおいて、第1農耕地2nの地表面2tよりも下側に配置される土壌ガスセンサ22と、第2農耕地3nにおいて、第2農耕地3nの地表面3tよりも下側に配置される参照土壌ガスセンサ32と、を備える。これにより、モニタリングシステム1は、第1農耕地2nの地表面2tよりも上側に存在する植物Tの茎及び葉などから発生するガスに加えて、地表面2tよりも下側に存在する植物Tの根Trなどから発生するガスを精度良く測定できる。
【0061】
[変形例]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上記の例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。
【0062】
コントローラ41は、土壌ガスセンサ22の検出データ、及び参照土壌ガスセンサ32の検出データに基づいて、植物Tの状態を示す情報(具体的には、植物下部情報)を出力しなくてもよい。その場合、モニタリングシステム1は、土壌ガスセンサ22、及び参照土壌ガスセンサ32を備えなくてもよい。コントローラ41は、環境センサ23の検出データ、及び参照環境センサ33の検出データに基づいて、植物Tの状態を示す情報を出力しなくてもよい。その場合、モニタリングシステム1は、環境センサ23、及び参照環境センサ33を備えなくてもよい。コントローラ41は、人感センサ24の検出データを考慮してガスセンサ21の検出データを除外する処理を行わなくてもよい。その場合、モニタリングシステム1は、人感センサ24を備えなくてもよい。コントローラ41は、参照人感センサ34の検出データを考慮して参照ガスセンサ31の検出データを除外する処理を行わなくてもよい。その場合、モニタリングシステム1は、参照人感センサ34を備えなくてもよい。
【0063】
モニタリングシステム1は、ガスセンサ21、参照ガスセンサ31、及びコントローラ41のみを備えてもよい。その場合、コントローラ41は、ガスセンサ21の検出データ、及び参照ガスセンサ31の検出データのみに基づいて、植物Tから発生するガス(具体的には、植物上部ガス)を算出し、当該ガスに基づいて植物Tの状態を推定してもよい。
【0064】
本開示のガスセンサ21は、土壌ガスセンサ22であって、本開示の参照ガスセンサ31は、参照土壌ガスセンサ32であってもよい。これによっても、モニタリングシステム1は、地表面2tよりも下側に存在する植物Tの根Trなどから発生するガスを精度良く測定できる。その場合、モニタリングシステム1は、土壌ガスセンサ22、参照土壌ガスセンサ32、及びコントローラ41のみを備えてもよい。その場合、コントローラ41は、土壌ガスセンサ22の検出データ、及び参照土壌ガスセンサ32の検出データのみに基づいて、植物Tから発生するガス(具体的には、植物下部ガス)のデータを算出し、当該ガスのデータに基づいて植物Tの状態を推定してもよい。
【0065】
第1農耕地2nは、培地2bを含まなくてもよく、第2農耕地3nは、培地3bを含まなくてもよい。その場合、植物Tは、例えば田、畑、樹園地、及び牧草地などの地面の土壌で栽培されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…モニタリングシステム、2d,3d…土壌、2n…第1農耕地、2t,3t…地表面、3n…第2農耕地、21…ガスセンサ(第1ガスセンサ)、22…土壌ガスセンサ(第3ガスセンサ)、23…環境センサ(第1環境センサ)、24…人感センサ(第1人感センサ)、31…参照ガスセンサ(第2ガスセンサ)、32…参照土壌ガスセンサ(第4ガスセンサ)、33…参照環境センサ(第2環境センサ)、34…参照人感センサ(第2人感センサ)、41…コントローラ、T…植物。
図1
図2
図3
図4