(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048719
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
G01B11/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154789
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】生田目 祥行
(72)【発明者】
【氏名】杉野 達哉
(72)【発明者】
【氏名】牧野 修之
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065BB28
2F065CC10
2F065FF04
2F065FF61
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065QQ31
2F065UU04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一般的に普及している対象物の検出手段では、所定位置から対象物までの光軸方向の距離を高精度に算出することが困難な場合がある。
【解決手段】検出装置は、収容部と、検出部と、演算部とを有する。前記収容部は、複数の収容物を収容可能である。前記検出部は、前記収容部に収容された前記収容物を検出する。前記演算部は、前記収容物の高さを算出する。前記収容部は、第1面と、第2面とを有する。前記第1面は、前記収容物が設置される。前記第2面は、前記第1面から離れる方向である第1方向の一方側へ延びる。前記第2面は、前記第1方向に沿って複数の標識が並べて配置される。前記検出部は、前記収容部の上方に配置される。前記検出部は、前記複数の標識を検出する。前記演算部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記収容物の高さを算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容物を収容可能な収容部と、
前記収容部に収容された前記収容物を検出する検出部と、
前記収容物の高さを算出する演算部と
を有し、
前記収容部は、
前記収容物が設置される第1面と、
前記第1面から離れる方向である第1方向の一方側へ延びる第2面と
を有し、
前記第2面は、前記第1方向に沿って複数の標識が並べて配置され、
前記検出部は、前記収容部の上方に配置され、
前記検出部は、前記複数の標識を検出し、
前記演算部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記収容物の高さを算出する、検出装置。
【請求項2】
前記複数の標識が、前記第1方向に対して垂直な第2方向にさらに並べて配置される、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
少なくとも前記第2面を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果を示す画像に対して画像処理を実行して前記画像に含まれる前記標識の数を判定する画像処理部と
をさらに有する、請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記撮像部の光軸方向が鉛直方向であり、
前記第2面は、前記撮像部の光軸に対して傾斜している、請求項3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記第1面が前記撮像部の光軸に対して傾斜している、請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記収容部を振動させる振動部を更に有する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項7】
前記収容部に収容された前記複数の収容物を攪拌する攪拌部を更に有する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記画像処理部によって画像処理された前記画像に含まれる前記複数の収容物のうち、予め登録された登録姿勢と一致する姿勢を示す収容物の座標を算出する、請求項3に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の位置検出装置は、2次元画像取得手段と、2次元画像取得手段により取得した対象物の画像から対象物の画像上での大きさを求める手段と、2次元画像取得手段における光学要素の光軸上の所定位置から対象物までの光軸方向の距離又は距離に相当する情報と、対象物の画像上での大きさとの間の関係を示す関係情報を予め記憶する手段と、求めた対象物の画像上での大きさと記憶された関係情報とに基づいて、所定位置から対象物までの光軸方向の距離又は距離に相当する情報を求める手段とを備える(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の位置検出装置では、所定位置から対象物までの光軸方向の距離を求めるために、対象物の画像上での大きさを高精度に算出することが要求される。つまり、特許文献1の位置検出装置において、高精度な2次元画像の取得が要求される。したがって、一般的に普及している対象物の検出手段では、所定位置から対象物までの光軸方向の距離を高精度に算出することが困難な場合がある。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、一般的に普及している検出手段によって、収容物の高さを容易に算出することが可能な検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的な検出装置は、収容部と、検出部と、演算部とを有する。前記収容部は、複数の収容物を収容可能である。前記検出部は、前記収容部に収容された前記収容物を検出する。前記演算部は、前記収容物の高さを算出する。前記収容部は、第1面と、第2面とを有する。前記第1面は、前記収容物が設置される。前記第2面は、前記第1面から離れる方向である第1方向の一方側へ延びる。前記第2面は、前記第1方向に沿って複数の標識が並べて配置される。前記検出部は、前記収容部の上方に配置される。前記検出部は、前記複数の標識を検出する。前記演算部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記収容物の高さを算出する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本開示によれば、一般的に普及している検出手段によって、収容物の高さを容易に算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態の検出装置の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、鉛直上方から見た内側面を含む収容部を示す図である。
【
図3】
図3は、基準点から収容物までの距離の計算方法を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す収容部及び画像の変形例を示す図である。
【
図5】
図5は、振動部を有する検出装置を示す図である。
【
図6】
図6は、攪拌部を有する検出装置を示す図である。
【
図7】
図7は、検出装置における収容物の姿勢の判定を示す図である。
【
図8】
図8は、収容部の変形例を有する検出装置を示す図である。
【
図9】
図9は、光学式センサを有する検出装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本明細書では、理解の容易のため、互いに直交する第1方向Z、第2方向Y及び第3方向Xを適宜記載している。また、第1方向Zの一方側を第1方向一方側Z1と記載し、第1方向Zの他方側を第1方向他方側Z2と記載する。また、第2方向Yの一方側を第2方向一方側Y1と記載し、第2方向Yの他方側を第2方向他方側Y2と記載する。また、第3方向Xの一方側を第3方向一方側X1と記載し、第3方向Xの他方側を第3方向他方側X2と記載する。ただし、あくまで説明の便宜のために方向を定義したに過ぎず、特に水平方向、鉛直方向を定義する必要がある場合を除き、本開示の例示的な検出装置の使用時の向きを限定しない。また、本明細書において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0010】
[実施形態1]
図1を参照して、例示的な実施形態の検出装置1を説明する。
図1は、例示的な実施形態の検出装置1の概要を示す図である。
【0011】
検出装置1は、収容部11と、検出部12と、演算部13とを有する。収容部11は、複数の収容物Pを収容可能である。収容物Pは、例えば、L字形状の金属部材である。以下、L字形状の金属部材をL字金具とも記載する。検出装置1は、収容部11に収容された収容物Pの高さの検出に用いられる。検出装置1において、検出部12は、収容部11に収容された収容物Pを検出する。演算部13は、収容部11に収容された収容物Pの高さを算出する。
【0012】
収容部11は、底部111と、側部112とを有する。底部111は、収容物Pが設置される底面111Aを含む。底面111Aは、例えば、略長方形である。底面111Aには、収容物Pが第1方向一方側Z1に積み重なって堆積する。底面111Aは、第1面の一例である。側部112は、底面111Aから離れる方向である第1方向Zに沿って底部111の縁から第1方向一方側Z1へ延びる。側部112は、底面111Aから第1方向一方側Z1へ延びる内側面112Aを含む。内側面112Aは、第2面の一例である。また、収容部11は、開口113を有する。具体的には、側部112における底部111と反対側の端部が開口113を形成する。開口113は、鉛直方向Vの鉛直上方V1側に位置する。
【0013】
内側面112Aには、第1方向Zに沿って複数の標識Mが並べて配置される。標識Mは、平面模様又は立体物である。
図1に示す例では、内側面112Aには、第1方向Zに沿って7つの標識M1~標識M7が配置されている。標識M1~標識M7の形状及び大きさは、特に限定されず、全て同じ形状かつ同じ大きさであってもよいし、それぞれ、異なる形状又は異なる大きさであってもよい。
図1において、標識M1及び標識M2が底面111Aに堆積した収容物Pに覆われて視認できないことを破線で示す。
【0014】
検出部12は、複数の標識Mを検出する。一例として、検出装置1は、検出部12としてデジタルカメラ12A及び演算部13を有する。デジタルカメラ12Aは、撮像部の一例である。デジタルカメラ12Aは、収容部11の鉛直上方V1側に配置される。デジタルカメラ12Aは、鉛直下方V2を向いて、収容部11を撮像する。
【0015】
具体的には、デジタルカメラ12Aは、少なくとも内側面112Aを撮像し、撮像結果を示す画像を生成する。
【0016】
演算部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーと、記憶部とを含む。記憶部は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、ソリッドステートドライブ、又は、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。例えば、記憶部には、各種のプログラム及びデータ等が記憶されている。
【0017】
例えば、演算部13は、検出装置1の内部に設けられ、デジタルカメラ12Aを制御する。また、演算部13は、画像処理部14を含む。例えば、演算部13は、記憶部のプログラムを実行することで、画像処理部14として機能する。画像処理部14は、デジタルカメラ12Aによって生成された画像に対して画像処理を実行して画像に含まれる標識Mの数を判定する。したがって、収容部11における収容物Pの状態の把握をより容易に行うことができる。
【0018】
次に、
図1及び
図2を参照して、収容物Pの高さの検出の詳細について説明する。
図2は、鉛直上方から見た内側面112Aを含む収容部11を示す図である。また、
図2は、デジタルカメラ12Aによって撮像された画像G1を示す図でもある。画像G1は、
図1に示す収容部11が撮像された画像を示す。
【0019】
本実施形態において、デジタルカメラ12Aの光軸J1は、鉛直方向Vと一致する。つまり、デジタルカメラ12Aは、鉛直下方V2を向いて収容部11を撮像する。また、本実施形態において、収容部11は、水平面Hに対して傾斜して配置される。その結果、内側面112Aは、デジタルカメラ12Aの光軸J1に対して傾斜する。言い換えると、デジタルカメラ12Aは、第1方向Zに対して傾斜した状態で内側面112Aを撮像する。その結果、標識M1~標識M7を含む画像G1が生成される際に、画像処理部14による画像処理の精度が向上する。また、底面111Aは、デジタルカメラ12Aの光軸J1に対して傾斜する。その結果、底面111Aに配置された収容物Pがより低い位置に移動しやすくなり、収容物Pの高さを正確に検出しやすくなる。
【0020】
画像G1は、複数の収容物Pをそれぞれ示すピクチャと、標識M6及び標識M7をそれぞれ示すピクチャとを含む。標識M6及び標識M7は、「星マーク」が長方形の「外枠」で囲まれた図形である。画像G1において、標識M3~標識M5は、それぞれ、一部が収容物Pによって覆われ「星マーク」の視認ができない状態である。また、標識M1及び標識M2は、全部が収容物Pによって覆われ「星マーク」及び「外枠」の視認ができない状態である。
【0021】
画像処理部14は、画像G1に対して画像処理を実行し、画像G1に含まれる「星マーク」を特定する。画像処理部14は、特定した「星マーク」の数を算出する。
図2に示す例では、画像処理部14は、「星マーク」の数を「2」と算出する。
【0022】
本実施形態において、演算部13は、検出部12の検出結果に基づいて、収容物Pの高さを算出する。具体的には、画像処理部14は、算出した「星マーク」の数に基づいて、収容物Pの高さを算出する。以下、
図1及び
図2に示す収容物P1を例に説明する。
【0023】
内側面112Aに配置されている標識Mの数に基づいて、収容物Pの底面111Aからの高さを算出することで、容易な計算方法で収容物Pの底面111Aからの高さを把握できるとともに収容部11における収容物Pの位置を精度よく算出できる。
【0024】
本実施形態において、例えば、標識M1~標識M7の各々の第1方向Zに沿った長さLを示す情報、各標識M間の間隔dを示す情報、及び内側面112Aに配置されている標識Mの数を示す情報が記憶部に記憶されている。
【0025】
画像処理部14は、記憶部を参照し、上記各種情報を取得する。画像処理部14は、取得した各種情報に基づいて、収容物Pの高さを算出する。具体的には、画像処理部14は、特定した「星マーク」の数が「2」であること、及び内側面112Aに配置されている標識Mの数が「7」であることから、収容物P1の高さを標識Mの5つ分であると算出する。つまり、画像処理部14は、長さL×5+間隔d×4を収容物P1の高さと算出する。
【0026】
次に、
図3を参照して、収容部11における収容物P1の位置の算出方法について説明する。
図3は、基準点Cから収容物P1までの距離の計算方法を示す図である。
【0027】
例えば、画像処理部14は、収容部11における収容物P1の位置を算出するために、画像G1における基準点Cから収容物Pまでの距離D2を取得する。基準点Cは、デジタルカメラ12Aの光軸J1の延長線上にある点である。画像処理部14は、画像G1における基準点C1を示す1又は複数の画素の座標と、収容物Pを示すピクチャの1又は複数の画素の座標とを取得し、各座標に基づいて基準点C1から収容物P2までの距離D2を算出する。
【0028】
ここで、
図3に示すように、距離D2は、例えば、収容物P1が位置する高さH2より低い位置であってデジタルカメラ12Aと収容物P1とを結んだ線分の延長線上に位置している収容物P2と基準点C1との距離と同じである。基準点C1は、収容物P2と同じ高さの基準点Cを示す。言い換えると、収容物P1の高さを考慮しない場合、画像処理部14は、基準点Cから収容物P1までの距離を正確に算出できない。
【0029】
一方、収容物Pの高さを考慮する場合、つまり、画像処理部14が収容物P1の位置する高さH2を算出している場合、画像処理部14は、デジタルカメラ12Aと収容物P2と基準点C1とを結んだ三角形と、デジタルカメラ12Aと収容物P1と基準点C2とを結んだ三角形との相似関係を利用して、基準点C2から収容物P1までの距離D1を算出することができる。基準点C2は、高さH2に位置する基準点Cを示す。つまり、距離D1は、距離D2、高さH2及び基準点C1からデジタルカメラ12Aまでの高さH1に基づいて算出される。
【0030】
次に、
図4を参照して、収容物Pの高さの検出の他の例について説明する。
図4は、
図2に示す収容部11及び画像G1の変形例を示す図である。
【0031】
図4に示す収容部11及び画像G1における内側面112Aには、
図2と同様、標識M1~標識M7が配置される。一方で、
図4に示す標識M1~標識M7は、それぞれ、7つの「星マーク」が含まれる。例えば、標識M7は、星マークM71~星マークM77を含む。本実施形態において、星マークM71~星マークM77が標識の一例である。言い換えると、複数の標識Mが、第1方向Zに対して垂直な第2方向Yにさらに並べて配置される。具体的には、標識M7の示す外枠の内側に、星マークM71~星マークM77が第2方向一方側Y1から第2方向他方側Y2に向かって順に並べて配置されている。なお、説明を簡単にするために、図示を省略しているが、標識M1~標識M6においても、標識M7と同様、複数の標識Mが、第2方向Yに並べて配置される。
【0032】
複数の標識Mを第2方向Yにも並べることで、収容物Pの第2方向Yにおける位置を把握できる。その結果、例えば、画像処理部14は、収容物Pの収容部11における第2方向Yの偏りを判定できる。具体的には、画像処理部14は、画像G1に対して画像処理を実行し、標識M1~標識M7にそれぞれ含まれる「星マーク」を特定する。画像処理部14は、標識M1~標識M7ごとに、特定した「星マーク」を示す1つ以上の画素の座標を取得する。画像処理部14は、取得した座標に基づいて、標識M1~標識M7のそれぞれに応じた高さにおける、収容物Pの第2方向Yに沿った位置を判定する。
【0033】
例えば、画像処理部14は、標識M7に含まれる「星マーク」が特定できず座標が取得できない場合、標識M7の高さにおいて、収容物Pが第2方向Yに満遍なく配置されていると判定する。また、例えば、画像処理部14は、星マークM71及び星マークM72が特定でき、星マークM73~星マークM77が特定できなかった場合、標識M7の高さにおいて、収容物Pが第2方向他方側Y2に偏って配置されていると判定する。
【0034】
次に、
図5及び
図6を参照して、収容部11における収容物Pの高さを検出しやすくする構成について説明する。
図5は、振動部を有する検出装置1を示す図である。
図6は、攪拌部を有する検出装置1を示す図である。
【0035】
図5を参照して、検出装置1は、振動部15を更に有してもよい。振動部15は、収容部11を振動させる。例えば、振動部15は、収容部11に取り付けられる。振動部15は、演算部13によって制御される。具体的には、振動部15は、モータ、ギア及びシャフト等を組み合わせて構成される。例えば、演算部13は、振動部15のモータの回転数を制御する。振動部15において、モータの回転運動がギア及びシャフト等を介して振動運動に変換されて収容部11に伝達される。
【0036】
演算部13は、定期的又は不定期に振動部15を制御してもよいし、例えば、
図4を参照して説明したように収容物Pが第2方向Yに偏っている場合に振動部15を制御してもよい。
【0037】
このように、収容部11を振動させることで、収容部11において収容物Pが移動しやすくなる。その結果、収容部11における収容物Pの高さが均一になりやすくなる。したがって、検出装置1において、正確に収容物Pの高さが検出しやすくなる。
【0038】
図6を参照して、検出装置1は、攪拌部16を更に有してもよい。攪拌部16は、収容部11に収容された複数の収容物Pを攪拌する。例えば、攪拌部16は、棒状又は板状の攪拌部材16Aと、攪拌部材16Aを回転運動又は往復運動させる駆動機構16Bとを含む。駆動機構16Bは、例えば、モータ、ギア及びシャフト等を含む。攪拌部材16Aは、駆動機構16Bに連結される。具体的には、攪拌部材16Aは、例えば、ギア及びシャフト等を介してモータに連結される。ギア及びシャフト等は、モータの回転を回転運動又は往復運動に変換する。駆動機構16Bは、収容部11の底部111に取り付けられる。攪拌部材16Aは、例えば、底部111を貫通し、攪拌部材16Aの一部が収容部11の内部に位置する。
【0039】
攪拌部16は、演算部13によって制御される。例えば、演算部13は、駆動機構16Bのモータの回転数を制御する。攪拌部材16Aは、モータの回転に応じて回転運動又は往復運動する。その結果、収容部11に収容された複数の収容物Pが攪拌されて収容部11の内部を移動し、収容部11における収容物Pの高さが均一になりやすくなる。
【0040】
本実施形態において、検出装置1は、収容物Pの姿勢を判定する機能を有していてもよい。例えば、演算部13は、画像処理部14によって画像処理された画像G1に含まれる複数の収容物Pのうち、予め登録された登録姿勢と一致する姿勢を示す収容物Pの座標を算出する。ここで、収容物Pの姿勢は、収容物Pの第1面T1、第2面T2、第3面T3及び第4面T4のいずれの面がデジタルカメラ12Aに対して向いているかを示す。また、登録姿勢は、収容物Pの第1面T1、第2面T2、第3面T3及び第4面T4を示す。検出装置1の記憶部には、登録姿勢を示す情報が記憶されている。
【0041】
次に、
図7を参照して、検出装置1における収容物Pの姿勢を判定について説明する。
図7は、検出装置1における収容物Pの姿勢の判定を示す図である。
【0042】
例えば、検出装置1の記憶部には、学習済み物体検出モデルMD1が記憶されている。学習済み物体検出モデルMD1は、機械学習の結果、例えば、画像に含まれる複数の収容物Pを検出し、検出した収容物Pごとに、収容物Pの姿勢を示す情報を付加した物体検出データを出力する。
【0043】
学習済み物体検出モデルMD1は、例えば、演算部13が機械学習することにより生成される。学習済み物体検出モデルMD1を生成する機械学習のアルゴリズムは、教師あり学習であれば、特に限定されず、例えば、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークである。したがって、学習済み物体検出モデルMD1は、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークを含む。学習済み物体検出モデルMD1を生成する機械学習において、誤差逆伝搬法を利用してもよい。
【0044】
例えば、演算部13が学習済み物体検出モデルMD1に画像G1を入力すると、学習済み物体検出モデルMD1は、画像G1に含まれる収容物Pのうち、第1面T1、第2面T2、第3面T3及び第4面T4のいずれかの面がデジタルカメラ12Aを向いている複数の領域を検出し、検出した領域ごとに、領域を示すピクセル座標に収容物Pの姿勢を示す情報を付加した物体検出データを出力する。
【0045】
図7に示す例では、学習済み物体検出モデルMD1は、画像G1が入力されると、領域R1及び領域R2を検出する。例えば、学習済み物体検出モデルMD1は、検出した領域R1の座標を取得し、領域R1に含まれる収容物Pがデジタルカメラ12Aに対して第1面T1を向けている旨の情報を付加した物体検出データを出力する。
【0046】
また、学習済み物体検出モデルMD1は、検出した領域R2の座標を取得し、領域R2に含まれる収容物Pがデジタルカメラ12Aに対して第3面T3を向けている旨の情報を付加した物体検出データを出力する。
【0047】
収容部11における収容物Pの位置及び姿勢を判定することで、例えば、クレーン又はロボットアーム等を用いて収容部11から収容物Pを取り出す際、収容部11から取り出しやすい収容物Pを選別できる。また、登録姿勢と一致する姿勢を示す収容物Pの座標を算出することで、クレーン又はロボットアーム等をより正確な位置へ容易に移動させることができる。
【0048】
なお、本実施形態において、収容物Pの高さと収容物Pの座標とは、デジタルカメラ12Aによって撮像された画像G1に基づいて算出される構成としたが、収容物Pの高さと収容物Pの座標とは、それぞれ異なるデジタルカメラによって撮像された画像に基づいて算出されてもよい。
【0049】
また、本実施形態において、デジタルカメラ12Aは、鉛直下方V2を向いて内側面112Aを撮像する構成としたが、デジタルカメラ12Aは、例えば、より標識Mを検出しやすい鉛直下方V2以外の方向を向いて内側面112Aを撮像してもよい。
【0050】
次に、
図8を参照して、収容部11の変形例について説明する。
図8は、収容部11の変形例を有する検出装置1Aを示す図である。
【0051】
検出装置1Aは、
図1に示す検出装置1と比べて、収容部11の代わりに収容部11Aを有する。収容部11Aは、底部121と、側部122とを有する。底部121は、底面121Aを含む。側部122は、第4方向Qに沿って底部121の縁から第4方向一方側Q1へ延びる。第4方向一方側Q1は、鉛直方向Vに対して傾斜するとともに底面121Aから離れる方向である。側部112は、底面121Aから第4方向一方側Q1へ延びる内側面122Aを含む。一方、底面121Aは、水平面Hに対して平行に配置される。
【0052】
次に、
図9を参照して、検出部12の変形例について説明する。
図9は、光学式センサ12Bを有する検出装置1Bを示す図である。
【0053】
検出装置1Bは、
図1に示す検出装置1と比べて、デジタルカメラ12A及び画像処理部14の代わりに光学式センサ12Bを有する。
【0054】
光学式センサ12Bは、一例として、フォトインタラプタであり、発光部SSと、受光部SRとを有する。本実施形態において、発光部SSは、標識Mとして、内側面112Aに設けられる。具体的には、標識M1は、発光部SS1を含む。標識M2は、発光部SS2を含む。標識M3は、発光部SS3を含む。標識M4は、発光部SS4を含む。標識M5は、発光部SS5を含む。標識M6は、発光部SS6を含む。標識M7は、発光部SS7を含む。
【0055】
例えば、発光部SS1~発光部SS7は、それぞれ、鉛直上方V1向けて光を照射する。受光部SRは、発光部SS1~発光部SS7の鉛直上方V1に設けられ、発光部SS1~発光部SS7の各々から照射された光を受光する。例えば、演算部13は、受光部SRが受光した光の光量に基づいて、発光部SS1~発光部SS7の各々から照射された光が収容物Pによって途中で遮られたか否かを判定する。つまり、演算部13は、発光部SS1~発光部SS7の高さに収容物Pが位置するか否かを判定する。
【0056】
図9に示す例では、発光部SS1~発光部SS4から照射された光は、収容物Pに遮られて受光部SRまで到達しない。したがって、演算部13は、発光部SS1~発光部SS4の高さに収容物Pが位置すると判定する。一方、発光部SS5~発光部SS7から照射された光は、受光部SRまで到達する。したがって、演算部13は、発光部SS5~発光部SS7の高さに収容物Pが位置しないと判定する。演算部13は、判定結果に基づいて、収容物P1の高さを発光部SSつまり標識Mの4つ分であると算出する。
【0057】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0058】
また、図面は、開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0059】
なお、本技術は、以下のような構成をとることが可能である。
(1)複数の収容物を収容可能な収容部と、
前記収容部に収容された前記収容物を検出する検出部と、
前記収容物の高さを算出する演算部と
を有し、
前記収容部は、
前記収容物が設置される第1面と、
前記第1面から離れる方向である第1方向の一方側へ延びる第2面と
を有し、
前記第2面は、前記第1方向に沿って複数の標識が並べて配置され、
前記検出部は、前記収容部の上方に配置され、
前記検出部は、前記複数の標識を検出し、
前記演算部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記収容物の高さを算出する、検出装置。
(2)前記複数の標識が、前記第1方向に対して垂直な第2方向にさらに並べて配置される、(1)に記載の検出装置。
(3)少なくとも前記第2面を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果を示す画像に対して画像処理を実行して前記画像に含まれる前記標識の数を判定する画像処理部と
をさらに有する、(1)又は(2)に記載の検出装置。
(4)前記撮像部の光軸方向が鉛直方向であり、
前記第2面は、前記撮像部の光軸に対して傾斜している、(3)に記載の検出装置。
(5)前記第1面が前記撮像部の光軸に対して傾斜している、(4)に記載の検出装置。
(6)前記収容部を振動させる振動部を更に有する、(1)~(5)のいずれかに記載の検出装置。
(7)前記収容部に収容された前記複数の収容物を攪拌する攪拌部を更に有する、(1)~(5)のいずれかに記載の検出装置。
(8)前記演算部は、前記画像処理部によって画像処理された前記画像に含まれる前記複数の収容物のうち、予め登録された登録姿勢と一致する姿勢を示す収容物の座標を算出する、(3)又は(4)に記載の検出装置。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示は、検出装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1、1A、1B :検出装置
11、11A :収容部
12 :検出部
12A :デジタルカメラ
13 :演算部
14 :画像処理部
15 :振動部
16 :攪拌部
111A、121A :底面
112A、122A :内側面
G1 :画像
J1 :光軸
M、M1~M7、M71~M77 :標識
P、P1、P2 :収容物
Y :第2方向
Y1 :第2方向一方側
Y2 :第2方向他方側
Z :第1方向
Z1 :第1方向一方側
Z2 :第1方向他方側