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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048774
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】照明制御装置及び照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/175 20200101AFI20240402BHJP
【FI】
H05B47/175
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154862
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 智之
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA29
3K273QA31
3K273RA02
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA63
3K273TA72
3K273UA03
3K273UA18
(57)【要約】
【課題】複数の照明器具の点灯状態の制御を支援装置とともに行う場合に、照明制御装置及び支援装置のそれぞれで行われた操作の内容を相互に把握できる照明制御装置及び照明制御システムを提供する。
【解決手段】操作部と、複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報を記憶し、制御情報に応じた制御信号を複数の照明器具に向けて送信するとともに、操作部の操作に応じた操作情報を基に、制御情報の内容を編集することにより、操作部の操作に応じて複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御する制御部と、複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を支援する支援装置と通信を行う通信部と、を備え、制御部は、支援装置と通信を行い、制御情報の編集を支援装置と共有する照明制御装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を行う照明制御装置であって、
操作指示を入力するための操作部と、
前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報を記憶し、前記制御情報に応じた制御信号を前記複数の照明器具に向けて送信することにより、前記複数の照明器具のそれぞれを前記制御情報に応じた点灯状態とするとともに、前記操作部の操作に応じた操作情報を基に、前記制御情報の内容を編集することにより、前記操作部の操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御する制御部と、
前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を支援する支援装置と通信を行う通信部と、
を備え、
前記支援装置は、前記制御情報の記憶及び記憶した前記制御情報の編集が可能であり、
前記制御部は、前記通信部を介して前記支援装置と通信を行い、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有することにより、前記支援装置で行われた操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御できるようにするとともに、前記操作部で行われた操作及び前記支援装置で行われた操作を前記支援装置とお互いに把握できるようにする照明制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作情報を前記支援装置と送受し、互いの前記操作情報を基に前記制御情報の編集を行うことにより、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有する請求項1記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記支援装置との通信を開始する際に、前記制御情報を前記支援装置に送信することにより、通信の開始時点における前記制御情報の内容を前記支援装置と共有する請求項1記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の照明器具に関する器具情報を前記複数の照明器具から回収可能であり、前記器具情報を基に、前記制御情報の編集を行うとともに、前記器具情報を前記支援装置に送信することにより、前記器具情報に基づく前記制御情報の編集も前記支援装置と共有できるようにする請求項1記載の照明制御装置。
【請求項5】
複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を行う照明制御装置と、
前記照明制御装置による前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御の支援を行う支援装置と、
を備え、
前記照明制御装置は、
操作指示を入力するための操作部と、
前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報を記憶し、前記制御情報に応じた制御信号を前記複数の照明器具に向けて送信することにより、前記複数の照明器具のそれぞれを前記制御情報に応じた点灯状態とするとともに、前記操作部の操作に応じた操作情報を基に、前記制御情報の内容を編集することにより、前記操作部の操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御する制御部と、
前記支援装置と通信を行う通信部と、
を有し、
前記支援装置は、前記制御情報の記憶及び記憶した前記制御情報の編集が可能であり、
前記制御部は、前記通信部を介して前記支援装置と通信を行い、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有することにより、前記支援装置で行われた操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御できるようにするとともに、前記操作部で行われた操作及び前記支援装置で行われた操作を前記支援装置とお互いに把握できるようにする照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明制御装置及び照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビスタジオや舞台などに設置される複数の照明器具の点灯状態を制御する照明制御装置が知られている。照明制御装置は、例えば、調光操作卓などと呼ばれる場合もある。
【0003】
照明制御装置は、複数の照明器具の点灯状態の制御を支援装置とともに行う場合がある。例えば、別の照明制御装置を支援装置とし、複数の照明器具の点灯状態の制御を2台の照明制御装置で行う場合がある。例えば、2台の照明制御装置から出力された制御信号を信号合成装置で合成し、合成後の制御信号を複数の照明器具に送信する。これにより、複数の照明器具の点灯状態の制御を2台の照明制御装置で分担して行うことができる。
【0004】
しかしながら、上記のように、2台の照明制御装置から出力された制御信号を信号合成装置で合成する構成では、一方の照明制御装置で行われた操作の内容を、他方の照明制御装置で把握することができない。
【0005】
例えば、一方の照明制御装置で所定の照明器具を点灯させた際に、他方の照明制御装置では、その照明器具が点灯していることを把握できない可能性がある。また、照明制御装置では、所定のシーンで使用する制御情報などを予め作成しておき、作成した制御情報を再生することで、複数の照明器具の点灯状態を制御する場合がある。この際、他方の照明制御装置は、一方の照明制御装置で作成された制御情報を把握することができない。このため、一方の照明制御装置で作成した制御情報を他方の照明制御装置で再生するためには、例えば、作成した制御情報をUSBメモリなどの記憶媒体を介して他方の照明制御装置に移す必要がある。
【0006】
また、照明制御装置は、例えば、各照明器具の制御を行うためのソフトウェアを組み込んだパソコンなどを支援装置とする場合もある。この場合にも、上記と同様に、照明制御装置は、支援装置で行われた操作の内容を把握することができない。さらに、支援装置側においても、照明制御装置側で行われた操作の内容は把握することができない。
【0007】
このため、照明制御装置及びこれを用いた照明制御システムでは、複数の照明器具の点灯状態の制御を支援装置とともに行う場合に、照明制御装置及び支援装置のそれぞれで行われた操作の内容を相互に把握できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-117566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、複数の照明器具の点灯状態の制御を支援装置とともに行う場合に、照明制御装置及び支援装置のそれぞれで行われた操作の内容を相互に把握できる照明制御装置及び照明制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を行う照明制御装置であって、操作指示を入力するための操作部と、前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報を記憶し、前記制御情報に応じた制御信号を前記複数の照明器具に向けて送信することにより、前記複数の照明器具のそれぞれを前記制御情報に応じた点灯状態とするとともに、前記操作部の操作に応じた操作情報を基に、前記制御情報の内容を編集することにより、前記操作部の操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御する制御部と、前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を支援する支援装置と通信を行う通信部と、を備え、前記支援装置は、前記制御情報の記憶及び記憶した前記制御情報の編集が可能であり、前記制御部は、前記通信部を介して前記支援装置と通信を行い、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有することにより、前記支援装置で行われた操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御できるようにするとともに、前記操作部で行われた操作及び前記支援装置で行われた操作を前記支援装置とお互いに把握できるようにする照明制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
複数の照明器具の点灯状態の制御を支援装置とともに行う場合に、照明制御装置及び支援装置のそれぞれで行われた操作の内容を相互に把握できる照明制御装置及び照明制御システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る照明制御システムを模式的に表すブロック図である。
図2】実施形態に係る照明制御システムの変形例を模式的に表すブロック図である。
図3】実施形態に係る照明制御システムの変形例を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0014】
図1は、実施形態に係る照明制御システムを模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明制御システム10は、照明制御装置11と、支援装置12と、を備える。照明制御システム10は、例えば、テレビスタジオや舞台などで用いられる。照明制御装置11は、テレビスタジオや舞台などに設置される複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態の制御を行う。支援装置12は、照明制御装置11による複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態の制御の支援を行う。
【0015】
複数の照明器具2は、例えば、照射する光の明るさを変化させる調光機能、照射する光の色を任意の色に変化させる調色機能、及び照射する光の色温度を変化させる色温度可変機能を有する。照明制御装置11は、例えば、複数の照明器具2のそれぞれの点灯及び消灯、複数の照明器具2のそれぞれから照射する光の明るさ、複数の照明器具2のそれぞれから照射する光の色、及び複数の照明器具2のそれぞれから照射する光の色温度を制御する。照明制御装置11は、例えば、スタジオや舞台などのシーンに応じて複数の照明器具2の点灯状態を変化させることにより、スタジオや舞台などの照明演出を行う。
【0016】
照明制御装置11は、例えば、調光操作卓などと呼ばれる場合もある。支援装置12は、例えば、別のスタジオに設置された別の調光操作卓である。照明制御装置11は、換言すれば、第1照明制御装置であり、支援装置12は、換言すれば、第2照明制御装置である。照明制御システム10では、複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態の制御を照明制御装置11及び支援装置12で分担して行えるようにする。例えば、ステージの上手側の照明器具2の点灯状態を照明制御装置11で制御しつつ、ステージの下手側の照明器具2の点灯状態を支援装置12で制御するといった運用が可能となる。これにより、例えば、複数の照明器具2の数が多い場合などにも、一人のオペレータなどの負荷(操作にかかる手間)を抑制することができる。
【0017】
照明制御装置11は、インタフェース部20と、制御部22と、通信部24と、を有する。インタフェース部20は、操作部26と、表示部28と、を有する。操作部26は、操作指示を入力するための部材である。
【0018】
操作部26は、制御部22と接続されている。操作部26は、オペレータなどの操作指示の入力を受け付け、入力された操作指示に応じた操作信号を制御部22に入力する。操作部26には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなどの周知の入力装置を用いることができる。
【0019】
表示部28は、制御部22と接続されている。表示部28は、制御部22から入力された映像信号に応じた映像を画面に表示する。表示部28には、液晶ディスプレイなどの周知の表示装置を用いることができる。制御部22は、例えば、種々の操作画面などを表示部28に表示する。
【0020】
制御部22は、照明制御装置11の各部の動作を制御する。制御部22は、例えば、制御に必要なプログラムや各種のデータなどを記憶する。制御部22は、例えば、記憶したプログラムを読み出し、プログラムを逐次処理することにより、照明制御装置11の各部の動作を制御する。
【0021】
通信部24は、支援装置12と通信を行う。通信部24は、制御部22と接続されている。制御部22は、通信部24を介して支援装置12と通信を行う。通信部24と支援装置12との間の通信は、有線でもよいし、一部に無線を介してもよい。
【0022】
照明制御装置11と複数の照明器具2との間の通信は、通信部24を介して行ってもよいし、別の通信部を用いて行ってもよい。照明制御装置11は、複数の照明器具2と通信を行うための別の通信部をさらに有してもよい。照明制御装置11と複数の照明器具2との間の通信は、有線でもよいし、一部に無線を介してもよい。
【0023】
制御部22は、複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報30を記憶し、制御情報30に応じた制御信号を複数の照明器具2に向けて送信することにより、複数の照明器具2のそれぞれを制御情報30に応じた点灯状態とするとともに、操作部26の操作に応じた操作情報32を基に、制御情報30の内容を編集することにより、操作部26の操作に応じて複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態を制御する。
【0024】
制御部22は、例えば、情報演算部40と、情報記憶部42と、調光演算部44と、信号出力部46と、を有する。情報演算部40は、例えば、変換部50と、バッファ部52と、編集部54と、表示制御部56と、を有する。
【0025】
変換部50は、操作部26から入力された操作信号を操作情報32に変換する。変換部50は、例えば、操作部26から入力された操作信号を制御部22内において認識可能な情報に変換することにより、操作部26の操作に応じた操作情報32を操作信号から生成する。操作情報32は、例えば、予め設定されたコマンドコードである。変換部50は、生成した操作情報32をバッファ部52に入力するとともに、通信部24に入力する。
【0026】
バッファ部52は、入力された操作情報32を一時的に直列に記憶し、記憶した操作情報32を記憶順に編集部54に出力する。バッファ部52は、例えば、コマンドキューバッファである。
【0027】
情報記憶部42は、制御情報30の記憶を行う。編集部54は、バッファ部52から入力された操作情報32を基に、情報記憶部42に記憶された制御情報30の内容の編集を行う。これにより、操作部26の操作に応じて制御情報30の内容が編集される。
【0028】
表示制御部56は、表示部28の表示を制御する。表示制御部56は、例えば、情報記憶部42に記憶された制御情報30の内容を表示部28に表示する。これにより、オペレータなどは、表示部28を参照することで、制御情報30の内容を確認することができる。換言すれば、オペレータなどは、表示部28を参照することで、複数の照明器具2のそれぞれの現在の点灯状態を確認することができる。
【0029】
通信部24は、変換部50から入力された操作情報32を支援装置12に送信する。これにより、照明制御装置11の操作部26で行われた操作の内容を支援装置12にも伝達することができる。
【0030】
調光演算部44は、情報記憶部42に記憶された制御情報30を基に、調光制御情報を生成し、生成した調光制御情報を信号出力部46に入力する。調光演算部44は、例えば、制御情報30に含まれる種々の情報を基に演算を行うことにより、複数の照明器具2の現在の点灯状態を表す調光制御情報を生成する。
【0031】
信号出力部46は、調光演算部44から入力された調光制御情報を基に、制御信号を生成し、生成した制御信号を複数の照明器具2に向けて送信する。制御信号は、例えば、DMX信号やArtNet信号など、複数の照明器具2の仕様に対応した信号である。これにより、複数の照明器具2のそれぞれを制御情報30に応じた点灯状態とすることができる。
【0032】
なお、信号出力部46は、制御信号を複数の照明器具2に直接的に送信してもよいし、制御信号を別のコントローラや調光盤などを介して複数の照明器具2に送信してもよい。照明制御装置11と複数の照明器具2との間の構成は、信号出力部46からの制御信号の送信に基づいて、複数の照明器具2のそれぞれを制御情報30に応じた点灯状態とすることが可能な任意の構成でよい。
【0033】
支援装置12は、照明制御装置11と同様に、制御情報30の記憶及び記憶した制御情報30の編集が可能である。支援装置12の構成は、照明制御装置11の構成と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。但し、支援装置12の構成は、必ずしも照明制御装置11の構成と同じでなくてもよい。
【0034】
支援装置12の制御部22は、自身の操作部26で行われた操作に応じた操作情報32に基づいて、自身の情報記憶部42に記憶された制御情報30の編集を行うとともに、自身の操作部26で行われた操作に応じた操作情報32の照明制御装置11への送信を行う。これにより、支援装置12の操作部26で行われた操作の内容を照明制御装置11にも伝達することができる。
【0035】
また、支援装置12の制御部22は、照明制御装置11から操作情報32を受信すると、受信した操作情報32をバッファ部52に記憶させる。これにより、支援装置12は、自身の操作部26で行われた操作に応じて制御情報30の編集を行うとともに、照明制御装置11で行われた操作によっても制御情報30の編集を行う。
【0036】
なお、例えば、支援装置12が、別のスタジオに設置された別の照明制御装置である場合に、支援装置12の信号出力部46から制御信号が出力されてしまうと、別のスタジオに設置された別の複数の照明器具2が意図せず点灯してしまう可能性がある。このため、別の照明制御装置を支援装置12として用いる場合には、例えば、信号出力部46から制御信号が出力されないようにする。例えば、支援装置12(別の照明制御装置)は、照明制御装置11の支援を行う動作モードと、別のスタジオなどに設置された別の複数の照明器具2の点灯状態の制御を行う動作モードと、を有してもよい。
【0037】
例えば、支援装置12と別の複数の照明器具2との間の通信経路を切断することにより、信号出力部46から制御信号が出力されたとしても、別の複数の照明器具2が意図せず点灯しないようにしてもよい。あるいは、制御信号に照明器具2を識別するための識別情報を含め、照明器具2側で自身に対する制御情報ではないことを判別できるようにすることにより、信号出力部46から制御信号が出力されたとしても、別の複数の照明器具2が意図せず点灯しないようにしてもよい。
【0038】
照明制御装置11の制御部22は、支援装置12から操作情報32を受信すると、受信した操作情報32をバッファ部52に記憶させる。これにより、照明制御装置11の制御部22は、自身の操作部26で行われた操作に応じて制御情報30の編集を行うとともに、支援装置12で行われた操作によっても制御情報30の編集を行う。
【0039】
上記のように、バッファ部52は、入力された操作情報32を一時的に直列に記憶し、記憶した操作情報32を記憶順に編集部54に出力し、編集部54は、バッファ部52から入力された操作情報32を基に、情報記憶部42に記憶された制御情報30の内容の編集を行う。従って、上記のように、照明制御装置11と支援装置12とでお互いに操作情報32を送受し、受信した操作情報32をバッファ部52に記憶させることにより、照明制御装置11で行われた操作に基づく操作情報32、及び支援装置12で行われた操作に基づく操作情報32を、照明制御装置11及び支援装置12のそれぞれのバッファ部52に同じ順番で記憶させることができる。これにより、支援装置12に記憶された制御情報30の内容を、照明制御装置11に記憶された制御情報30の内容と実質的に同じとすることができる。制御情報30の編集を照明制御装置11と支援装置12とで共有することができる。
【0040】
このように、照明制御装置11の制御部22は、通信部24を介して支援装置12と通信を行い、制御情報30の編集を支援装置12と共有する。照明制御装置11の制御部22は、上記のように、操作部26の操作に応じた操作情報32を支援装置12と送受し、互いの操作情報32を基に制御情報30の編集を行うことにより、制御情報30の編集を支援装置12と共有する。
【0041】
これにより、照明制御装置11の制御部22は、支援装置12で行われた操作に応じて複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態を制御できるようにするとともに、操作部26で行われた操作及び支援装置12で行われた操作を支援装置12とお互いに把握できるようにする。
【0042】
また、照明制御装置11の制御部22は、支援装置12との通信を開始する際に、制御情報30を支援装置12に送信することにより、通信の開始時点における制御情報30の内容を支援装置12と共有する。
【0043】
照明制御装置11の制御部22は、例えば、支援装置12との連携を開始する際に、制御情報30を支援装置12に送信する。支援装置12の制御部22は、受信した制御情報30を情報記憶部42に記憶させる。これにより、照明制御装置11及び支援装置12のそれぞれに同じ制御情報30を記憶させ、通信の開始時点における制御情報30の内容を照明制御装置11及び支援装置12のそれぞれで共有することができる。
【0044】
また、照明制御装置11の制御部22は、例えば、支援装置12との連携を開始した後、通信部24の通信に障害が発生し、操作情報32の送受が行えなくなってしまった場合に、通信障害の復帰によって支援装置12との通信が再開された際にも、制御情報30を支援装置12に送信する。これにより、照明制御装置11の制御部22は、自身の情報記憶部42に記憶された制御情報30と支援装置12の情報記憶部42に記憶された制御情報30との同一性を復元させる。これにより、通信障害が発生した際にも、通信障害の復帰に応じて、制御情報30の内容を照明制御装置11及び支援装置12のそれぞれで共有することができる。
【0045】
照明制御装置11では、所定のシーンで使用するシーンデータやサブマスターデータなどの制御データを予め作成し、制御情報30に含めて記憶させておき、作成した制御データを再生することで、複数の照明器具2の点灯状態を制御する場合がある。照明制御装置11及び支援装置12は、例えば、操作部26の操作に基づいて制御データの作成を行い、作成した制御データを制御情報30の一部として情報記憶部42に記憶することができる。
【0046】
このため、例えば、通信部24の通信に障害が発生した場合にも、支援装置12において制御データの作成を個別に行うことも考えられる。あるいは、照明制御装置11との連携を開始する前から支援装置12において制御データの作成を行っていることも考えらえる。
【0047】
このため、支援装置12は、例えば、通信の開始時(再開時)に照明制御装置11から制御情報30を受信した際に、自身の記憶した制御情報30の内容を採用するか、照明制御装置11から受信した制御情報30の内容を採用するかを制御情報30の内容毎(制御情報30に含まれる制御データなどの複数の情報毎)に、事前に設定できるようにしてもよい。あるいは、支援装置12は、例えば、通信の開始時(再開時)に照明制御装置11から制御情報30を受信した際に、自身の記憶した制御情報30の内容を採用するか、照明制御装置11から受信した制御情報30の内容を採用するかをオペレータなどに問い合わせて任意の選択できるようにしてもよい。
【0048】
また、支援装置12は、例えば、照明制御装置11との通信が行われていない状態で制御データの作成などの制御情報30の編集を行った際に、制御情報30の編集に用いた操作情報32を記憶しておき、自身の記憶した制御情報30の内容を採用する場合に、その内容に対応する操作情報32を照明制御装置11に送信することにより、通信の途絶中に支援装置12で行われた制御情報30の編集を照明制御装置11と共有できるようにしてもよい。すなわち、支援装置12は、照明制御装置11との通信が行われていない状態で作成された制御データを照明制御装置11と共有できるようにしてもよい。
【0049】
以上、説明したように、本実施形態に係る照明制御システム10及び照明制御装置11によれば、複数の照明器具2の点灯状態の制御を支援装置12とともに行う場合に、照明制御装置11及び支援装置12のそれぞれで行われた操作の内容を相互に把握することができる。
【0050】
例えば、支援装置12で所定の照明器具2を点灯させた際に、その照明器具2が点灯していることを照明制御装置11のオペレータなどに即座に把握させることができる。反対に、照明制御装置11で所定の照明器具2を点灯させた際に、その照明器具2が点灯していることを支援装置12のオペレータなどに即座に把握させることもできる。
【0051】
また、照明制御システム10では、支援装置12で制御データの作成を行った際に、その制御データの作成に対応する操作情報32を照明制御装置11に送信することで、支援装置12で作成された制御データを照明制御装置11に把握させることができる。支援装置12で作成された制御データを照明制御装置11で再生したり、支援装置12で作成された制御データを照明制御装置11で修正したりすることを容易に行うことができる。同様に、照明制御装置11で作成された制御データを支援装置12で再生したり、照明制御装置11で作成された制御データを支援装置12で修正したりすることを容易に行うこともできる。
【0052】
照明制御システム10では、例えば、照明制御装置11がスタジオAに設置され、支援装置12が別の照明制御装置としてスタジオBに設置されている場合に、支援装置12も制御情報30を共有しながらスタジオAの複数の照明器具2の点灯状態を制御することができる。反対に、照明制御装置11も制御情報30を共有しながらスタジオBの複数の照明器具2の点灯状態を制御することができる。
【0053】
照明制御システム10では、例えば、照明制御装置11及び支援装置12で制御情報30を共有しながらスタジオAの複数の照明器具2の点灯状態を制御している状態で、照明制御装置11が故障した際に、支援装置12が照明制御装置11と実質的に同じ制御情報30を有しているため、支援装置12の制御信号がスタジオAの複数の照明器具2に送信されるように通信経路の切り替えなどを行うことで、スタジオAの複数の照明器具2の点灯状態の制御を支援装置12で容易に引き継ぐことができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、照明制御装置11の制御部22は、操作部26の操作に応じた操作情報32を支援装置12と送受し、互いの操作情報32を基に制御情報30の編集を行うことにより、制御情報30の編集を支援装置12と共有している。制御情報30の編集を共有する方法は、上記に限定されるものではない。
【0055】
例えば、制御情報30の編集が行われる毎に、照明制御装置11と支援装置12とでお互いに制御情報30を送受することにより、制御情報30の編集を共有できるようにしてもよい。
【0056】
しかしながら、複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報30は、比較的データ量が多く、通信に時間がかかってしまったり、通信部24に高性能な機器を用いなければならなくなってしまったりすることが懸念される。これに対し、操作情報32のデータ量は、制御情報30のデータ量に比べて小さい。このため、上記のように、操作情報32を送受して制御情報30の編集を共有することにより、お互いに送受するデータの量を小さくすることができる。通信に時間がかかってしまったり、通信部24に高性能な機器を用いなければならなくなってしまったりすることを抑制することができる。
【0057】
図2は、実施形態に係る照明制御システムの変形例を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、照明制御システム10aでは、支援装置12aの制御部22において、信号出力部46が省略されている。このように、支援装置12aは、制御信号の出力機能を有しない端末でもよい。
【0058】
支援装置12aは、例えば、複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態の制御を行うためのプログラムを組み込んだノートパソコンやタブレット端末などである。このように、支援装置12aは、必ずしも別の照明制御装置でなくてもよい。支援装置12aは、少なくとも照明制御装置11による複数の照明器具2のそれぞれの点灯状態の制御の支援を行うことが可能な任意の装置でよい。
【0059】
この場合にも、上記実施形態と同様に、複数の照明器具2の点灯状態の制御を支援装置12aとともに行う場合に、照明制御装置11及び支援装置12aのそれぞれで行われた操作の内容を相互に把握することができる。照明制御装置11及び支援装置12aで制御情報30を共有しながら複数の照明器具2の点灯状態の制御を二人のオペレータなどで分担して行うことができる。
【0060】
図3は、実施形態に係る照明制御システムの変形例を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、照明制御システム10bでは、照明制御装置11bの制御部22が、情報回収部48をさらに有する。
【0061】
情報回収部48は、複数の照明器具2と通信を行うことにより、複数の照明器具2から器具情報34を回収する。情報回収部48は、例えば、RDM(Remote Device Management)に対応した照明器具2からRDM機能を利用して器具情報34を回収する。器具情報34は、例えば、照明器具2の型名、照明器具2のDMXアドレス、照明器具2の動作モードなどである。但し、器具情報34に含まれる情報は、これらに限ることなく、照明器具2に関する任意の情報でよい。器具情報34は、例えば、照明器具2の点灯状態の制御に必要な任意の情報でよい。
【0062】
情報回収部48は、例えば、複数の照明器具2のそれぞれに対応する複数の器具情報34を回収する。但し、器具情報34は、複数の照明器具2毎に設定される情報に限るものではない。器具情報34は、例えば、照明器具2の型名や、照明器具2のDMXアドレスなど、照明器具2の情報の項目毎に設定される情報などでもよい。
【0063】
情報回収部48は、回収した器具情報34をバッファ部52に入力するとともに、通信部24に入力する。情報回収部48は、例えば、器具情報34をコマンドコードとしてバッファ部52及び通信部24に入力する。情報回収部48は、例えば、複数の器具情報34をバッファ部52及び通信部24に順次入力する。
【0064】
編集部54は、バッファ部52から入力された操作情報32を基に、情報記憶部42に記憶された制御情報30の内容の編集を行うとともに、バッファ部52から入力された器具情報34を基に、情報記憶部42に記憶された制御情報30の内容の編集を行う。これにより、操作部26の操作及び複数の照明器具2から回収された器具情報34に応じて制御情報30の内容が編集される。
【0065】
通信部24は、変換部50から入力された操作情報32を支援装置12に送信するとともに、情報回収部48から入力された器具情報34を支援装置12に送信する。支援装置12の制御部22は、照明制御装置11bから操作情報32を受信すると、受信した操作情報32をバッファ部52に記憶させるとともに、照明制御装置11bから器具情報34を受信すると、受信した器具情報34をバッファ部52に記憶させる。これにより、支援装置12においても、照明制御装置11bと同様に、操作部26の操作及び複数の照明器具2から回収された器具情報34に応じて制御情報30の内容が編集される。
【0066】
このように、照明制御システム10bでは、照明制御装置11bの制御部22が、複数の照明器具2に関する器具情報34を複数の照明器具2から回収可能であり、器具情報34を基に、制御情報30の編集を行うとともに、器具情報34を支援装置12に送信することにより、器具情報34に基づく制御情報30の編集も支援装置12と共有できるようにする。
【0067】
これにより、例えば、器具情報34の回収を行う場合に、照明制御装置11bに記憶された制御情報30と支援装置12に記憶された制御情報30と、の同一性の精度をより高めることができる。例えば、器具情報34を支援装置12に別途伝達する手間などを抑制し、照明制御システム10bの利便性をより高めることができる。
【0068】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を行う照明制御装置であって、
操作指示を入力するための操作部と、
前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報を記憶し、前記制御情報に応じた制御信号を前記複数の照明器具に向けて送信することにより、前記複数の照明器具のそれぞれを前記制御情報に応じた点灯状態とするとともに、前記操作部の操作に応じた操作情報を基に、前記制御情報の内容を編集することにより、前記操作部の操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御する制御部と、
前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を支援する支援装置と通信を行う通信部と、
を備え、
前記支援装置は、前記制御情報の記憶及び記憶した前記制御情報の編集が可能であり、
前記制御部は、前記通信部を介して前記支援装置と通信を行い、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有することにより、前記支援装置で行われた操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御できるようにするとともに、前記操作部で行われた操作及び前記支援装置で行われた操作を前記支援装置とお互いに把握できるようにする照明制御装置。
【0069】
(付記2)
前記制御部は、前記操作情報を前記支援装置と送受し、互いの前記操作情報を基に前記制御情報の編集を行うことにより、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有する付記1記載の照明制御装置。
【0070】
(付記3)
前記制御部は、前記支援装置との通信を開始する際に、前記制御情報を前記支援装置に送信することにより、通信の開始時点における前記制御情報の内容を前記支援装置と共有する付記1又は2に記載の照明制御装置。
【0071】
(付記4)
前記制御部は、前記複数の照明器具に関する器具情報を前記複数の照明器具から回収可能であり、前記器具情報を基に、前記制御情報の編集を行うとともに、前記器具情報を前記支援装置に送信することにより、前記器具情報に基づく前記制御情報の編集も前記支援装置と共有できるようにする付記1~3のいずれか1つに記載の照明制御装置。
【0072】
(付記5)
複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御を行う照明制御装置と、
前記照明制御装置による前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態の制御の支援を行う支援装置と、
を備え、
前記照明制御装置は、
操作指示を入力するための操作部と、
前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御するための制御情報を記憶し、前記制御情報に応じた制御信号を前記複数の照明器具に向けて送信することにより、前記複数の照明器具のそれぞれを前記制御情報に応じた点灯状態とするとともに、前記操作部の操作に応じた操作情報を基に、前記制御情報の内容を編集することにより、前記操作部の操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御する制御部と、
前記支援装置と通信を行う通信部と、
を有し、
前記支援装置は、前記制御情報の記憶及び記憶した前記制御情報の編集が可能であり、
前記制御部は、前記通信部を介して前記支援装置と通信を行い、前記制御情報の編集を前記支援装置と共有することにより、前記支援装置で行われた操作に応じて前記複数の照明器具のそれぞれの点灯状態を制御できるようにするとともに、前記操作部で行われた操作及び前記支援装置で行われた操作を前記支援装置とお互いに把握できるようにする照明制御システム。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
2…照明器具、 10、10a、10b…照明制御システム、 11、11b…照明制御装置、 12、12a…支援装置、 20…インタフェース部、 22…制御部、 24…通信部、 26…操作部、 28…表示部、 30…制御情報、 32…操作情報、 34…器具情報、 40…情報演算部、 42…情報記憶部、 44…調光演算部、 46…信号出力部、 48…情報回収部、 50…変換部、 52…バッファ部、 54…編集部、 56…表示制御部
図1
図2
図3