(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048779
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】浴室ユニット
(51)【国際特許分類】
E03C 1/28 20060101AFI20240402BHJP
E03C 1/12 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
E03C1/28 B
E03C1/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154868
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】沢田 颯
(72)【発明者】
【氏名】西坂 献太郎
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061AA02
2D061AB07
2D061DA01
2D061DE01
(57)【要約】
【課題】床パンの下に架台を設けなくても容易に排水トラップと接続管とを接続できるとともに、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる浴室ユニットを提供する。
【解決手段】床パンと、浴槽と、第1~第4導水部を有する排水トラップと、前記排水トラップと排水管とを接続する屈曲した接続管と、を備え、前記接続管は、前記第4導水部と接続され第1方向に延びる第1部分と、前記第1部分の下流に位置する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間において屈曲する屈曲部分と、を有し、前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第1規制部を有し、前記第2部分は、前記第1規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、浴室ユニット。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室床と、前記浴室床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、
浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、
前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、前記第1導水部及び前記第2導水部と接続され第1方向に延びる第3導水部と、前記第3導水部の下流に接続され前記第1方向に延びる第4導水部と、を有する、排水トラップと、
前記排水トラップと排水管とを接続する屈曲した接続管と、
を備え、
前記接続管は、前記第4導水部と接続され前記第1方向に延びる第1部分と、前記第1部分の下流に位置する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間において屈曲する屈曲部分と、を有し、
前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第1規制部を有し、
前記第2部分は、前記第1規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、浴室ユニット。
【請求項2】
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項3】
前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第2規制部を有し、
前記第2部分は、前記第2規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差し前記第2方向と異なる第3方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、請求項1または2に記載の浴室ユニット。
【請求項4】
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、
前記第2規制部は、前記第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第2下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、請求項3記載の浴室ユニット。
【請求項5】
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、
前記第2規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と、前記第1下流凸部と、を有し、前記第2上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、請求項3記載の浴室ユニット。
【請求項6】
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、
前記第2規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部と、を有し、前記第2上流凸部と前記第2下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、請求項3記載の浴室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
床パンと、浴槽と、バスエプロンと、を施工現場で組み立てることで設置される浴室ユニットが知られている。このような浴室ユニットでは、床パンや浴槽からの水を排水管に流すために、床パンの排水部及び浴槽の排水部と排水管との間に、排水トラップを設ける。
【0003】
通常、浴室ユニットを組み立てる際には、床パン、浴槽、及び排水トラップなどを組み立てた後で、接続管を介して排水トラップを排水管に接続する。例えば、特許文献1の浴室ユニットでは、床パンの下に架台を設けているため、架台に設けられた点検口から接続部を目視しながら排水トラップと接続管とを接続することができる。しかし、このような架台は、通常、金属部材で構成されるため、床パンの下に架台を設けると、浴室ユニットの製造コストが増大するという問題がある。
【0004】
一方で、床パンの下に架台を設けない場合には、点検口から接続部を目視することができないため、例えば、床パンの下の空間を側方から覗き込みながら排水トラップと接続管とを接続することが求められ、排水トラップと接続管との接続が難しいという問題がある。
【0005】
また、排水トラップと接続管とを接続する際には、適切な速度で排水を流すために接続管に適切な排水勾配を取る必要がある。しかし、床パンの下に架台を設けない場合には、点検口から接続部を目視することができないため、例えば、床パンの下の空間を側方から覗き込みながら水準器などを用いて排水勾配を取ることが求められ、排水勾配を取りにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、床パンの下に架台を設けなくても容易に排水トラップと接続管とを接続できるとともに、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる浴室ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、浴室床と、前記浴室床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、前記第1導水部及び前記第2導水部と接続され第1方向に延びる第3導水部と、前記第3導水部の下流に接続され前記第1方向に延びる第4導水部と、を有する、排水トラップと、前記排水トラップと排水管とを接続する屈曲した接続管と、を備え、前記接続管は、前記第4導水部と接続され前記第1方向に延びる第1部分と、前記第1部分の下流に位置する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間において屈曲する屈曲部分と、を有し、前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第1規制部を有し、前記第2部分は、前記第1規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、浴室ユニットである。
【0009】
この浴室ユニットによれば、排水トラップの第4導水部の下流に屈曲した接続管を接続することで、床パンの下の空間を側方(浴槽が設けられている方)から第1方向に沿って覗き込みながら排水トラップと接続管とを接続する場合でも、接続部の位置を認識しやすい。これにより、床パンの下に架台を設けなくても容易に排水トラップと接続管とを接続できる。また、第1規制部により第1部分の回転が規制された状態で、第2部分が第2方向に延びつつ屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜するようにすることで、第2部分を第2方向に延ばしたときに下方傾斜した状態で固定することができる。これにより、第2部分を第2方向に延ばしたときに、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる。また、第3導水部の下流に第3導水部と同じ第1方向に延びるように(つまり、第3導水部の直線上の下流に)第4導水部を設けることで、第3導水部に対して直交する向きに第4導水部を設ける場合と比べて、排水速度を高めることができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、浴室ユニットである。
【0011】
この浴室ユニットによれば、第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第1規制部を設けることで、より確実に第1規制部により第1部分の回転を規制することができる。これにより、水準器などを用いなくてもより容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる。また、2つの凸部を当接させて回転を規制する構造であれば、回転が規制されるまでは第4導水部に対して第1部分を回転させることができる。これにより、第1部分と第4導水部とを接着剤を介して固定する場合に、第4導水部に対して第1部分を回転させて接着面のより広い範囲に接着剤を塗布することができる。
【0012】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第2規制部を有し、前記第2部分は、前記第2規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差し前記第2方向と異なる第3方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、浴室ユニットである。
【0013】
この浴室ユニットによれば、第2規制部により第1部分の回転が規制された状態で、第2部分が第3方向に延びつつ屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜するようにすることで、第2部分を第3方向に延ばしたときに下方傾斜した状態で固定することができる。これにより、第2部分を第2方向に延ばしたときだけでなく、第2部分を第3方向に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップと排水管との位置関係が異なっていても、接続管の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管を使用できる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明において、前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、前記第2規制部は、前記第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第2下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、浴室ユニットである。
【0015】
この浴室ユニットによれば、第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第1規制部を設けるとともに、第1上流凸部と第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第2規制部を設けることで、より確実に第1規制部及び第2規制部により第1部分の回転を規制することができる。これにより、第2部分を第2方向に延ばしたときだけでなく、第2部分を第3方向に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップと排水管との位置関係が異なっていても、接続管の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管を使用できる。
【0016】
第5の発明は、第3の発明において、前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、前記第2規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と、前記第1下流凸部と、を有し、前記第2上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、浴室ユニットである。
【0017】
この浴室ユニットによれば、第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第1規制部を設けるとともに、第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と第1下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第2規制部を設けることで、より確実に第1規制部及び第2規制部により第1部分の回転を規制することができる。これにより、第2部分を第2方向に延ばしたときだけでなく、第2部分を第3方向に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップと排水管との位置関係が異なっていても、接続管の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管を使用できる。
【0018】
第6の発明は、第3の発明において、前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、前記第2規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部と、を有し、前記第2上流凸部と前記第2下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、浴室ユニットである。
【0019】
この浴室ユニットによれば、第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第1規制部を設けるとともに、第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部とを当接させて第1部分の回転を規制する第2規制部を設けることで、より確実に第1規制部及び第2規制部により第1部分の回転を規制することができる。これにより、第2部分を第2方向に延ばしたときだけでなく、第2部分を第3方向に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップと排水管との位置関係が異なっていても、接続管の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管を使用できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、床パンの下に架台を設けなくても容易に排水トラップと接続管とを接続できるとともに、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる浴室ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る浴室ユニットの一部の分解斜視図である。
【
図4】実施形態に係る排水トラップ及び接続管を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の分解斜視図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第1規制部により回転が規制された状態における、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、第2規制部により回転が規制された状態における、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
【
図8】
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の他の一例において、第1規制部または第2規制部により回転が規制された状態を示す模式図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の他の一例において、第1規制部または第2規制部により回転が規制された状態を示す模式図である。
【
図10】実施形態の変形例に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の分解斜視図である。
【
図11】
図11(a)及び
図11(b)は、第1規制部により回転が規制された状態における、実施形態の変形例に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
【
図12】
図12(a)及び
図12(b)は、第2規制部により回転が規制された状態における、実施形態の変形例に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
図2は、実施形態に係る浴室ユニットの一部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
図3は、実施形態に係る浴室ユニットの一部の分解斜視図である。
図4は、実施形態に係る排水トラップ及び接続管を示す斜視図である。
図1~
図4に表したように、実施形態に係る浴室ユニット100は、床パン10と、浴槽20と、バスエプロン25と、排水トラップ30と、接続管40と、連結具50と、を備えている。浴室ユニット100は、例えば、建築躯体の設置面Sに設置される。
【0023】
床パン10は、設置面Sの一部である第1設置面S1に設置される。床パン10は、浴室床11と、第1排水部12と、複数の支持脚13と、を有する。
【0024】
浴室床11は、床部11aと、縁部11bと、を有する。床部11aは、水平方向に拡がる平板状である。床部11aは、洗い場として使用される。縁部11bは、床部11aの浴槽20側の端部に設けられ、上方に延びる部分を含む。浴室床11は、例えば、洗い場床として機能する。また、浴室ユニット100がホテルなどに設けられる場合には、浴室床11には、トイレなどが設置されてもよい。
【0025】
第1排水部12は、浴室床11の床部11aに設けられている。第1排水部12は、浴室床11(床部11a)上の水を排出するために設けられる。浴室床11(床部11a)上の水は、第1排水部12を介して、排水トラップ30に排出される。この例では、第1排水部12を上方から覆う排水カバー14が設けられている。
【0026】
複数の支持脚13は、浴室床11の下に設けられ、浴室床11を支持している。複数の支持脚13の少なくとも一部は、床部11aの下に設けられる。複数の支持脚13の一部は、縁部11bの下に設けられてもよい。複数の支持脚13は、例えば、第1設置面S1に直接的に設置される。つまり、浴室床11は、例えば、複数の支持脚13を介して、第1設置面S1に直接的に設置される。浴室床11は、例えば、架台を介さずに、第1設置面S1に設置される。
【0027】
この例では、6つの支持脚13が設けられている。複数の支持脚13の数は、6に限定されず、4以上であればいくつであってもよい。複数の支持脚13は、上下方向の長さを変更可能であることが好ましい。
【0028】
浴槽20は、設置面Sの他の一部である第2設置面S2に設置される。第2設置面S2は、水平方向において、第1設置面S1と隣接する。つまり、浴槽20は、水平方向において、床パン10と隣接する位置に設けられる。浴槽20は、浴槽本体21と、第2排水部22と、複数の支持脚23と、を有する。
【0029】
浴槽本体21は、上方が開放された箱状である。浴槽本体21の平面視における形状は、略長方形である。浴槽本体21は、底面部21aと、側面部21bと、リム部21cと、を有する。底面部21aは、浴槽本体21の下部に位置し、浴槽本体21の底を構成する。側面部21bは、底面部21aの外周から上方に向かって延び、浴槽本体21の側壁を構成する。側面部21bは、浴槽本体21の長手方向に沿って延びる一対の長手側面部21b1と、浴槽本体21の短手方向に沿って延びる一対の短手側面部21b2と、を有する。リム部21cは、側面部21bの上端から浴槽本体21の外側(底面部21aとは反対側)に向かって水平方向に延び、浴槽本体21の上端部を構成する。リム部21cの床パン10側の一部は、上下方向において、浴室床11の縁部11bと重なる。この例では、リム部21cの床パン10側の一部は、上下方向において、浴室床11の縁部11bと重なっているが、必ずしも重ならなくてもよい。
【0030】
第2排水部22は、浴槽本体21の底面部21aに設けられている。第2排水部22は、浴槽本体21の内部(底面部21a及び側面部21bにより囲まれた領域の内部)の水を排出するために設けられる。浴槽本体21の内部の水は、第2排水部22を介して、排水トラップ30に排出される。第2排水部22には、第2排水部22からの排水を開始させたり停止させたりするための図示しない排水栓が設けられる。
【0031】
複数の支持脚23は、浴槽本体21の下に設けられ、浴槽本体21を支持している。複数の支持脚23は、底面部21aの下に設けられる。複数の支持脚23は、例えば、第2設置面S2に直接的に設置される。つまり、浴槽本体21は、例えば、複数の支持脚23を介して、第2設置面S2に直接的に設置される。浴槽本体21は、例えば、架台を介さずに、第2設置面S2に設置される。
【0032】
この例では、4つの支持脚23が設けられている。複数の支持脚23の数は、4に限定されず、4以上であればいくつであってもよい。複数の支持脚23は、上下方向の長さを変更可能であることが好ましい。
【0033】
複数の支持脚23が設置面S(第2設置面S2)に直接的に設置されることで、複数の支持脚23を介して、浴槽本体21を設置面Sに直接的に設置することができる。また、複数の支持脚23によって、浴槽本体21の上下方向の位置を調整することができる。つまり、架台を設けなくても、浴槽本体21を所望の上下方向の位置に配置することができる。
【0034】
排水トラップ30は、床パン10及び浴槽20の下に設けられる。より具体的には、排水トラップ30は、設置面S(第1設置面S1)と床パン10との間、及び、設置面S(第2設置面S2)と浴槽20との間に設けられる。
【0035】
図2~
図4に表したように、排水トラップ30は、第1導水部31と、第2導水部32と、第3導水部33と、第4導水部34と、を有する。第3導水部33は、第1導水部31及び第2導水部32と接続され、第1方向D1に延びる。第4導水部34は、第3導水部33の下流に接続され、第1方向D1に延びる。
【0036】
第1導水部31の上端部(上流側の端部)は、床パン10の第1排水部12と接続されている。第2導水部32の上端部(上流側の端部)は、浴槽20の第2排水部22と接続されている。第1導水部31の下端部(下流側の端部)及び第2導水部32の下端部(下流側の端部)は、第3導水部33に接続されている。この例では、第3導水部33において、第1導水部31が接続される位置は、第2導水部32が接続される位置よりも下流側に位置している。第3導水部33の第2導水部32とは反対側の端部(下流側の端部)は、第4導水部34の上流側の端部と接続されている。第3導水部33は、上面視において第2導水部32と重なる位置から上面視において第1導水部31と重なる位置までの領域である。つまり、第3導水部33の上流側の端部は、第2導水部32との接続部分である。また、第3導水部33の下流側の端部は、第1導水部31との接続部分である。第4導水部34の下流側の端部は、接続管40と接続されている。
【0037】
第1導水部31、第2導水部32、第3導水部33、及び第4導水部34は、一体であってもよいし、別体であってもよい。また、第1導水部31、第2導水部32、第3導水部33、及び第4導水部34は、それぞれ、1つの部材からなるものであってもよいし、複数の部材からなるものであってもよい。
【0038】
この例では、第4導水部34は、偏心管である。つまり、第4導水部34の上流側の端部の中心軸は、第4導水部34の下流側の端部の中心軸と一致しない。第4導水部34は、偏心管でなくてもよい。
【0039】
第3導水部33に対して直行する向きに第4導水部34を設け、第4導水部に排水管を接続すると、十分な排水速度が得られない場合がある。これに対し、第3導水部33の下流に第3導水部33と同じ第1方向D1に延びるように(つまり、第3導水部33の直線上の下流に)第4導水部34を設けることで、第3導水部33に対して直交する向きに第4導水部34を設ける場合と比べて、排水速度を高めることができる。これにより、十分な排水速度が得られるため、例えば、浴槽の排水性が高い場合であっても、床から水が溢れ出てしまう排水不良を起こさず、高い排水性を維持できる。
【0040】
接続管40は、排水トラップ30と図示しない排水管とを接続する。つまり、接続管40は、排水トラップ30よりも下流に位置し、排水管よりも上流に位置する。接続管40は、屈曲している。接続管40の構造については、後述する。
【0041】
浴室床11上の水は、床パン10の第1排水部12から、排水トラップ30の第1導水部31を介して第3導水部33及び第4導水部34に流れ、接続管40を介して排水管から浴室ユニット100の外部に排出される。浴槽本体21の内部の水は、浴槽20の第2排水部22から、排水トラップ30の第2導水部32を介して第3導水部33及び第4導水部34に流れ、接続管40を介して排水管から浴室ユニット100の外部に排出される。
【0042】
バスエプロン25は、上下方向において、床パン10と浴槽20との間に設けられている。より具体的には、バスエプロン25は、上下方向において、浴室床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間に設けられている。バスエプロン25は、浴槽本体21の側方の少なくとも一部を覆っている。より具体的には、バスエプロン25は、浴槽本体21の側面部21bの少なくとも一部を覆っている。この例では、バスエプロン25は、浴槽本体21の長手側面部21b1の少なくとも一部を覆っている。なお、
図2では、バスエプロン25を取り外した状態を示している。バスエプロン25は、例えば、浴槽本体21と連結具50に対して固定される。
【0043】
連結具50は、上下方向において、床パン10と浴槽20との間に設けられている。より具体的には、連結具50は、上下方向において、浴室床11の縁部11bと浴槽本体21のリム部21cとの間に設けられている。連結具50は、床パン10と浴槽20とを連結している。連結具50は、浴槽20が床パン10側に向かって倒れることを抑制している。連結具50は、床パン10及び浴槽20に対して、ねじ止めなどにより固定される。
【0044】
この例では、2つの連結具50(第1連結具51及び第2連結具52)が設けられている。第1連結具51は、浴槽20の長手方向の一端に設けられている。第2連結具52は、浴槽20の長手方向の他端に設けられている。なお、連結具50の数は、2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば1つの場合は、浴槽20の長手方向に延びる板状に設けてもよい。
【0045】
以下、実施形態に係る排水トラップ30と接続管40との接続について、説明する。
図5は、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の分解斜視図である。
図6(a)及び
図6(b)は、第1規制部により回転が規制された状態における、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
図7(a)及び
図7(b)は、第2規制部により回転が規制された状態における、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
【0046】
図5に表したように、接続管40は、第1部分41と、第2部分42と、屈曲部分43と、を有する。第1部分41は、排水トラップ30の第4導水部34と接続される。第1部分41は、第1方向D1に延びる。第2部分42は、第1部分41の下流に位置する。第2部分42は、第1方向D1と交差する方向に延びる。第2部分42は、第1方向D1とは異なる方向に延びる。屈曲部分43は、第1部分41と第2部分42との間において屈曲する。屈曲部分43は、例えば、90度に屈曲する。
【0047】
このように、排水トラップ30の第4導水部34の下流に屈曲した接続管40を接続することで、床パン10の下の空間を側方(浴槽20が設けられている方)から第1方向D1に沿って覗き込みながら排水トラップ30と接続管40とを接続する場合でも、接続部の位置を認識しやすい。これにより、床パン10の下に架台を設けなくても容易に排水トラップ30と接続管40とを接続できる。
【0048】
第1部分41及び第4導水部34は、例えば、第1部分41の中心軸が第4導水部34の下流側の端部の中心軸と一致するように接続される。この例では、第1部分41の上流側の端部が第4導水部34の下流側の端部の内部に挿入されることで、第1部分41及び第4導水部34が接続されている。例えば、第4導水部34の下流側の端部が第1部分41の上流側の端部の内部に挿入されることで、第1部分41及び第4導水部34が接続されていてもよい。第1部分41及び第4導水部34は、例えば、接着剤により固定される。
【0049】
第1部分41及び第4導水部34が固定されていない状態では、第1部分41は、第4導水部34に対して第1方向D1を軸として回転可能である。第1部分41及び第4導水部34を接続する際には、適切な速度で排水を流すために第2部分42に適切な排水勾配を取ることが求められる。第2部分42の勾配は、第4導水部34に対する第1部分41の回転位置によって決まる。つまり、第1部分41は、第2部分42に適切な排水勾配が取れるような回転位置で第4導水部34に対して固定されることが求められる。
【0050】
そこで、実施形態では、排水トラップ30及び接続管40に、第1規制部61を設けている。第1規制部61は、第1部分41の第4導水部34に対する第1方向D1を軸とする回転を規制する。
【0051】
図6(a)及び
図6(b)に表したように、この例では、第4導水部34の外側面34sに、第1上流凸部71aが設けられている。第1上流凸部71aは、第4導水部34の外側面34sから外側に向けて突出している。また、この例では、接続管40の第1部分41の外側面41sに、第1下流凸部71bが設けられている。第1下流凸部71bは、第1部分41の外側面41sから外側に向けて突出している。また、第1下流凸部71bは、第1部分41の外側面41sから第4導水部34に向けて突出している。
【0052】
この例では、第1規制部61は、第1上流凸部71aと、第1下流凸部71bと、を有する。第1規制部61は、第1上流凸部71aと第1下流凸部71bとを当接させることで、第1部分41の回転を規制する。つまり、第1上流凸部71a及び第1下流凸部71bは、互いに当接することで第1部分41の回転を規制する第1規制部61として機能する。
【0053】
第2部分42は、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、第2方向D2に延びる。第2方向D2は、第1方向D1と交差する方向である。第1方向D1と第2方向D2とのなす角度は、例えば、90度である。第2部分42は、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態における、第2部分42の勾配は、例えば、1/50である。
【0054】
このように、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、第2部分42が第2方向にD2延びつつ屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜するようにすることで、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときに下方傾斜した状態で固定することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときに、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。
【0055】
また、第4導水部34の外側面34sに設けられた第1上流凸部71aと第1部分41の外側面41sに設けられた第1下流凸部71bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第1規制部61を設けることで、より確実に第1規制部61により第1部分41の回転を規制することができる。これにより、水準器などを用いなくてもより容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。
【0056】
また、2つの凸部を当接させて回転を規制する構造であれば、回転が規制されるまでは第4導水部34に対して第1部分41を回転させることができる。これにより、第1部分41と第4導水部34とを接着剤を介して固定する場合に、第4導水部34に対して第1部分41を回転させて接着面のより広い範囲に接着剤を塗布することができる。
【0057】
また、
図5、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)に表したように、この例では、排水トラップ30及び接続管40に、さらに第2規制部62を設けている。第2規制部62は、第1部分41の第4導水部34に対する第1方向D1を軸とする回転を規制する。
【0058】
第2規制部62は、第1規制部61とは反対向きの回転を規制する。つまり、第1規制部61が時計回りの回転を規制する場合には、第2規制部62は、反時計回りの回転を規制する。第1規制部61が反時計回りの回転を規制する場合には、第2規制部62は、時計回りの回転を規制する。第2規制部62は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0059】
図7(a)及び
図7(b)に表したように、この例では、上述の第1上流凸部71a及び第1下流凸部71bに加えて、接続管40の第1部分41の外側面41sに、第2下流凸部72bが設けられている。第2下流凸部72bは、第1部分41の外側面41sから外側に向けて突出している。また、第2下流凸部72bは、第1部分41の外側面41sから第4導水部34に向けて突出している。
【0060】
この例では、第2規制部62は、第1上流凸部71aと、第2下流凸部72bと、を有する。第2規制部62は、第1上流凸部71aと第2下流凸部72bとを当接させることで、第1部分41の回転を規制する。つまり、第1上流凸部71a及び第2下流凸部72bは、互いに当接することで第1部分41の回転を規制する第2規制部62として機能する。
【0061】
第2部分42は、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、第3方向D3に延びる。第3方向D3は、第1方向D1と交差する方向である。第3方向D3は、第2方向D2と異なる方向である。第1方向D1と第3方向D3とのなす角度は、例えば、90度である。第2方向D2と第3方向D3とのなす角度は、例えば、180度である。第2部分42は、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態における、第2部分42の勾配は、例えば、1/50である。
【0062】
このように、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、第2部分42が第3方向D3に延びつつ屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜するようにすることで、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときに下方傾斜した状態で固定することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときだけでなく、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップ30と排水管との位置関係が異なっていても、接続管40の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管40を使用できる。
【0063】
また、第4導水部34の外側面34sに設けられた第1上流凸部71aと第1部分41の外側面41sに設けられた第1下流凸部71bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第1規制部61を設けるとともに、第1上流凸部71aと第1部分41の外側面41sに設けられた第2下流凸部72bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第2規制部62を設けることで、より確実に第1規制部61及び第2規制部62により第1部分41の回転を規制することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときだけでなく、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップ30と排水管との位置関係が異なっていても、接続管40の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管40を使用できる。
【0064】
なお、第1規制部61及び第2規制部62は、上述のように第4導水部34に設けられた2つの上流凸部と第1部分41に設けられた1つの下流凸部とを有するものであってもよいし、後述のように第4導水部34に設けられた1つの上流凸部と第1部分41に設けられた2つの下流凸部とを有するものであってもよいし、後述のように第4導水部34に設けられた2つの上流凸部と第1部分41に設けられた2つの下流凸部とを有するものであってもよい。
【0065】
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の他の一例において、第1規制部または第2規制部により回転が規制された状態を示す模式図である。
図8(a)及び
図8(b)に表したように、この例では、第1規制部61及び第2規制部62は、第4導水部34に設けられた1つの上流凸部と第1部分41に設けられた2つの下流凸部とを有する。それ以外は、
図5、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)に表した排水トラップ30及び接続管40と実質的に同じである。
【0066】
この例では、第4導水部34の外側面34sに、第1上流凸部71a及び第2上流凸部72aが設けられている。第1上流凸部71a及び第2上流凸部72aは、第4導水部34の外側面34sから外側に向けて突出している。また、この例では、接続管40の第1部分41の外側面41sに、第1下流凸部71bが設けられている。第1下流凸部71bは、第1部分41の外側面41sから外側に向けて突出している。また、第1下流凸部71bは、第1部分41の外側面41sから第4導水部34に向けて突出している。
【0067】
この例でも、第1規制部61は、第1上流凸部71aと、第1下流凸部71bと、を有する。第1規制部61は、第1上流凸部71aと第1下流凸部71bとを当接させることで、第1部分41の回転を規制する。つまり、第1上流凸部71a及び第1下流凸部71bは、互いに当接することで第1部分41の回転を規制する第1規制部61として機能する。
【0068】
この例では、第2規制部62は、第2上流凸部72aと、第1下流凸部71bと、を有する。第2規制部62は、第2上流凸部72aと第1下流凸部71bとを当接させることで、第1部分41の回転を規制する。つまり、第2上流凸部72a及び第1下流凸部71bは、互いに当接することで第1部分41の回転を規制する第2規制部62として機能する。
【0069】
第2部分42は、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、第2方向D2に延びる。第2部分42は、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。第2部分42は、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、第3方向D3に延びる。第2部分42は、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。
【0070】
このように、第4導水部34の外側面34sに設けられた第1上流凸部71aと第1部分41の外側面41sに設けられた第1下流凸部71bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第1規制部61を設けるとともに、第4導水部34の外側面34sに設けられた第2上流凸部72aと第1下流凸部71bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第2規制部62を設けることで、より確実に第1規制部61及び第2規制部62により第1部分41の回転を規制することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときだけでなく、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップ39と排水管との位置関係が異なっていても、接続管40の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管40を使用できる。
【0071】
図9(a)及び
図9(b)は、実施形態に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の他の一例において、第1規制部または第2規制部により回転が規制された状態を示す模式図である。
図9(a)及び
図9(b)に表したように、この例では、第1規制部61及び第2規制部62は、第4導水部34に設けられた2つの上流凸部と第1部分41に設けられた2つの下流凸部とを有する。それ以外は、
図5、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)に表した排水トラップ30及び接続管40と実質的に同じである。
【0072】
この例では、第4導水部34の外側面34sに、第1上流凸部71a及び第2上流凸部72aが設けられている。第1上流凸部71a及び第2上流凸部72aは、第4導水部34の外側面34sから外側に向けて突出している。また、この例では、接続管40の第1部分41の外側面41sに、第1下流凸部71b及び第2下流凸部72bが設けられている。第1下流凸部71b及び第2下流凸部72bは、第1部分41の外側面41sから外側に向けて突出している。また、第1下流凸部71b及び第2下流凸部72bは、第1部分41の外側面41sから第4導水部34に向けて突出している。
【0073】
この例でも、第1規制部61は、第1上流凸部71aと、第1下流凸部71bと、を有する。第1規制部61は、第1上流凸部71aと第1下流凸部71bとを当接させることで、第1部分41の回転を規制する。つまり、第1上流凸部71a及び第1下流凸部71bは、互いに当接することで第1部分41の回転を規制する第1規制部61として機能する。
【0074】
この例では、第2規制部62は、第2上流凸部72aと、第2下流凸部72bと、を有する。第2規制部62は、第2上流凸部72aと第2下流凸部72bとを当接させることで、第1部分41の回転を規制する。つまり、第2上流凸部72a及び第2下流凸部72bは、互いに当接することで第1部分41の回転を規制する第2規制部62として機能する。
【0075】
第2部分42は、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、第2方向D2に延びる。第2部分42は、第1規制部61により第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。第2部分42は、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、第3方向D3に延びる。第2部分42は、第2規制部62により第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。
【0076】
このように、第4導水部34の外側面34sに設けられた第1上流凸部71aと第1部分41の外側面41sに設けられた第1下流凸部71bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第1規制部61を設けるとともに、第4導水部34の外側面34sに設けられた第2上流凸部72aと第1部分41の外側面41sに設けられた第2下流凸部72bとを当接させて第1部分41の回転を規制する第2規制部62を設けることで、より確実に第1規制部61及び第2規制部62により第1部分41の回転を規制することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときだけでなく、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップ30と排水管との位置関係が異なっていても、接続管40の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管40を使用できる。
【0077】
また、第1規制部61及び第2規制部62は、上述のように第4導水部34に設けられた上流凸部と第1部分41に設けられた下流凸部とを有するものであってもよいし、後述のように第4導水部34及び第1部分41の一方に設けられた凹部と第4導水部34及び第1部分41の他方に設けられた凸部とを有するものであってもよい。
【0078】
以下、実施形態の変形例に係る排水トラップ30Aの第4導水部34と接続管40Aの接続について、説明する。
図10は、実施形態の変形例に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の分解斜視図である。
図11(a)及び
図11(b)は、第1規制部により回転が規制された状態における、実施形態の変形例に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
図12(a)及び
図12(b)は、第2規制部により回転が規制された状態における、実施形態の変形例に係る排水トラップの第4導水部及び接続管の上面図及び下面図である。
【0079】
図10、
図11(a)、
図11(b)、
図12(a)、及び
図12(b)に表したように、この例では、第1規制部61A及び第2規制部62Aは、第4導水部34に設けられた2つの凹部と第1部分41に設けられた2つの凸部とを有する。それ以外は、
図5、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)に表した排水トラップ30及び接続管40と実質的に同じである。
【0080】
この例では、第4導水部34の外側面34sに、第1凹部81a及び第2凹部82aが設けられている。第1凹部81a及び第2凹部82aは、第1部分41から第4導水部34に向けて窪んでいる。また、この例では、接続管40の第1部分41の外側面41sに、第1凸部81b及び第2凸部82bが設けられている。第1凸部81b及び第2凸部82bは、第1部分41から第4導水部34に向けて突出している。
【0081】
この例では、第1規制部61Aは、第1凹部81aと、第2凹部82aと、第1凸部81bと、第2凸部82bと、を有する。
図11(a)及び
図11(b)に表したように、第1凹部81aに第1凸部81bが嵌り、第2凹部82aに第2凸部82bが嵌っている状態では、第1部分41の回転が規制されている。つまり、第1凹部81aと第1凸部81bとの組み合わせ、及び第2凹部82aと第2凸部82bとの組み合わせは、第1部分41の回転を規制する第1規制部61Aとして機能する。
【0082】
第2部分42は、第1規制部61Aにより第1部分41の回転が規制された状態で、第2方向D2に延びる。第2部分42は、第1規制部61Aにより第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。
【0083】
また、この例では、第2規制部62Aは、第1凹部81aと、第2凹部82aと、第1凸部81bと、第2凸部82bと、を有する。
図12(a)及び
図12(b)に表したように、第1凹部81aに第2凸部82bが嵌り、第2凹部82aに第1凸部81bが嵌っている状態では、第1部分41の回転が規制されている。つまり、第1凹部81aと第2凸部82bとの組み合わせ、及び第2凹部82aと第1凸部81bとの組み合わせは、第1部分41の回転を規制する第2規制部62Aとして機能する。
【0084】
第2部分42は、第2規制部62Aにより第1部分41の回転が規制された状態で、第3方向D3に延びる。第2部分42は、第2規制部62Aにより第1部分41の回転が規制された状態で、屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜する。
【0085】
この例においても、第1規制部61Aにより第1部分41の回転が規制された状態で、第2部分42が第2方向にD2延びつつ屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜するようにすることで、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときに下方傾斜した状態で固定することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときに、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。
【0086】
また、この例においても、第2規制部62Aにより第1部分41の回転が規制された状態で、第2部分42が第3方向D3に延びつつ屈曲部分43から離れるにつれて下方に傾斜するようにすることで、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときに下方傾斜した状態で固定することができる。これにより、第2部分42を第2方向D2に延ばしたときだけでなく、第2部分42を第3方向D3に延ばしたときにも、水準器などを用いなくても容易に接続管40(第2部分42)に適切な排水勾配を取ることができる。したがって、施工現場ごとに排水トラップ30と排水管との位置関係が異なっていても、接続管40の屈曲の向きを切り替えて同じ接続管40を使用できる。
【0087】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0088】
(構成1)
浴室床と、前記浴室床に設けられた第1排水部と、を有する床パンと、
浴槽本体と、前記浴槽本体に設けられた第2排水部と、を有する浴槽と、
前記第1排水部と接続される第1導水部と、前記第2排水部と接続される第2導水部と、前記第1導水部及び前記第2導水部と接続され第1方向に延びる第3導水部と、前記第3導水部の下流に接続され前記第1方向に延びる第4導水部と、を有する、排水トラップと、
前記排水トラップと排水管とを接続する屈曲した接続管と、
を備え、
前記接続管は、前記第4導水部と接続され前記第1方向に延びる第1部分と、前記第1部分の下流に位置する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間において屈曲する屈曲部分と、を有し、
前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第1規制部を有し、
前記第2部分は、前記第1規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差する第2方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、浴室ユニット。
【0089】
(構成2)
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、構成1記載の浴室ユニット。
【0090】
(構成3)
前記排水トラップ及び前記接続管は、前記第1部分の前記第4導水部に対する前記第1方向を軸とする回転を規制する第2規制部を有し、
前記第2部分は、前記第2規制部により前記第1部分の回転が規制された状態で、前記第1方向と交差し前記第2方向と異なる第3方向に延び、前記屈曲部分から離れるにつれて下方に傾斜する、構成1または2に記載の浴室ユニット。
【0091】
(構成4)
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、
前記第2規制部は、前記第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第2下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、構成3記載の浴室ユニット。
【0092】
(構成5)
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、
前記第2規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と、前記第1下流凸部と、を有し、前記第2上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、構成3記載の浴室ユニット。
【0093】
(構成6)
前記第1規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第1上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第1下流凸部と、を有し、前記第1上流凸部と前記第1下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制し、
前記第2規制部は、前記第4導水部の外側面に設けられた第2上流凸部と、前記第1部分の外側面に設けられた第2下流凸部と、を有し、前記第2上流凸部と前記第2下流凸部とを当接させることで、前記第1部分の回転を規制する、構成3記載の浴室ユニット。
【0094】
以上のように、実施形態によれば、床パンの下に架台を設けなくても容易に排水トラップと接続管とを接続できるとともに、水準器などを用いなくても容易に接続管に適切な排水勾配を取ることができる浴室ユニットが提供される。
【0095】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴室ユニットが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0096】
10:床パン
11:浴室床
11a:床部
11b:縁部
12:第1排水部
13:支持脚
14:排水カバー
20:浴槽
21:浴槽本体
21a:底面部
21b:側面部
21b1:長手側面部
21b2:短手側面部
21c:リム部
22:第2排水部
23:支持脚
25:バスエプロン
30、30A:排水トラップ
31:第1導水部
32:第2導水部
33:第3導水部
34:第4導水部
34s:外側面
40、40A:接続管
41:第1部分
41s:外側面
42:第2部分
43:屈曲部分
50:連結具
51:第1連結具
52:第2連結具
61、61A:第1規制部
62、62A:第2規制部
71a:第1上流凸部
71b:第1下流凸部
72a:第2上流凸部
72b:第2下流凸部
81a:第1凹部
81b:第1凸部
82a:第2凹部
82b:第2凸部
100:浴室ユニット
S:設置面
S1:第1設置面
S2:第2設置面