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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048787
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】電気車両用充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240402BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240402BHJP
   B60K 11/06 20060101ALI20240402BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240402BHJP
   B60L 53/302 20190101ALI20240402BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H05K7/20 H
B60K11/06
B60L53/14
B60L53/302
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154885
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平島 光
(72)【発明者】
【氏名】藤井 佐和
(72)【発明者】
【氏名】飛田 善徳
【テーマコード(参考)】
3D038
5E322
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3D038AA07
3D038AA09
3D038AB01
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322EA11
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】上段側の充電ユニットの熱的な配置環境を改善させることができる電気車両用充電装置を得る。
【解決手段】電気車両用充電装置1は、複数の充電ユニット30を内部に収容する筐体2を備えている。複数の充電ユニット30は、筐体内において上下方向に並んだ状態で収容されている。電気車両用充電装置1は、筐体2の上部に設けられた第一吸気口P1と、筐体2の内部において最上段の充電ユニット30の上方側に設けられ、下方側に向けて送風する送風ファン70と、筐体2の側部に設けられた排気口Q1と、第一吸気口P1から筐体2の内部に導入されて送風ファン70により送り出された空気を、上段側の充電ユニット30の側方を通過させ、当該充電ユニット30と隣の充電ユニット30の間を通った後に当該充電ユニット30の内部を通過させて、排気口Q1から筐体2の外部に排出させる第一流路R1と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から入力される電力を、電気車両を充電するための電力に変換する複数の充電ユニットを内部に収容する筐体を備える電気車両用充電装置であって、
前記複数の充電ユニットは、前記筐体内において上下方向に並んだ状態で収容されており、
前記筐体の上部に設けられた第一吸気口と、
前記筐体の内部において最上段の前記充電ユニットの上方側に設けられ、下方側に向けて送風する送風ファンと、
前記筐体の側部に設けられた排気口と、
前記第一吸気口から前記筐体の内部に導入されて前記送風ファンにより送り出された空気を、上段側の前記充電ユニットの側方を通過させ、当該充電ユニットと隣の充電ユニットの間を通った後に当該充電ユニットの内部を通過させて、前記排気口から前記筐体の外部に排出させる第一流路と、を備える電気車両用充電装置。
【請求項2】
前記送風ファンから送り出された空気を上段側の前記充電ユニットの側方に導くためのダクト部材を備える請求項1に記載の電気車両用充電装置。
【請求項3】
前記送風ファンは、上段側の前記充電ユニットの側方に向けて空気を送り出すように斜めに傾いた状態で設けられている請求項1又は2に記載の電気車両用充電装置。
【請求項4】
前記筐体の下部に設けられた第二吸気口と、
前記第二吸気口から前記筐体の内部に導入された空気を、下段側の前記充電ユニットの側方を通過させ、当該充電ユニットと隣の充電ユニットの間を通った後に当該充電ユニットの内部を通過させて、前記排気口から前記筐体の外部に排出させる第二流路とを備える請求項1又は2に記載の電気車両用充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両用充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車のバッテリを充電するための急速充電器が開示されている。この急速充電器は、筐体と、筐体の内部を縦方向に分割する複数の棚板と、棚板を貫くようにして筐体の内部で縦方向に延びる筒状のダクトと、ダクトに固定された充電ユニットと、を備えている。充電ユニットは、作動時に発熱する複数の電気機器を有しており、これらの電気機器は、ダクトの側面部を兼ねたベースプレートに固定されている。筐体の下部には、外部の空気を取り込む吸気口が設けられており、吸気口を通って取り込まれた空気は、ダクトを通って筐体の上部に設けられた排気口から排出される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-85398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術のように、複数の充電ユニットが筐体内で上下方向に並んだ状態で収容され、当該充電ユニットを冷却するための冷却用空気を筐体内の下部から上部に向けて流す場合、各充電ユニットで生じる暖気が筐体内の上方に流れるとともに、冷却用空気も筐体の上部側に流れるにつれて温度が上昇するため、下段側の充電ユニットよりも上段側の充電ユニットの方が、熱的に厳しい環境に配置されている。そのため、上段側の充電ユニットの熱的な配置環境の改善が課題となっている。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、筐体の内部に複数の充電ユニットを上下方向に並べた状態で備えた電気車両用充電装置において、上段側の充電ユニットの熱的な配置環境を改善させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係る電気車両用充電装置は、外部電源から入力される電力を、電気車両を充電するための電力に変換する複数の充電ユニットを内部に収容する筐体を備える電気車両用充電装置であって、前記複数の充電ユニットは、前記筐体内において上下方向に並んだ状態で収容されており、前記筐体の上部に設けられた第一吸気口と、前記筐体の内部において最上段の前記充電ユニットの上方側に設けられ、下方側に向けて送風する送風ファンと、前記筐体の側部に設けられた排気口と、前記第一吸気口から前記筐体の内部に導入されて前記送風ファンにより送り出された空気を、上段側前記充電ユニットの側方を通過させ、当該充電ユニットと隣の充電ユニットの間を通った後に当該充電ユニットの内部を通過させて、前記排気口から前記筐体の外部に排出させる第一流路と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電気車両用充電装置では、筐体の内部に、複数の充電ユニットが上下方向に並んだ状態で収容されている。この筐体は、筐体の上部に設けられた第一吸気口と、筐体の内部において最上段の前記充電ユニットの上方側に設けられた送風ファンと、筐体の側部に設けられた排気口とを有している。送風ファンは、最上段の前記充電ユニットの上方側から下方側に向けて送風するように設置されており、筐体の内部では、第一吸気口から筐体の内部に導入されて送風ファンにより送り出された空気を、上段側の充電ユニットの側方を通過させる第一流路が形成される。この第一流路はさらに、充電ユニットの側方を通過させた空気を、当該充電ユニットと隣の充電ユニットの間を通った後に当該充電ユニットの内部を通過させて、排気口から筐体の外部に排出させる。この第一流路により、筐体の内部では、送風ファンから上段側の充電ユニットに向かって下降する気流が発生するため、この気流によって上下方向に並んだ複数の充電ユニット側方を冷却することができる。また、下降する気流の勢いは、上段側の充電ユニットの近傍が最も強く、上段側の充電ユニットの側方を通過した空気が当該充電ユニットと隣の充電ユニットの間を通り、当該充電ユニットの内部を経て排気口から排出される。これにより、上段側の充電ユニットを効率良く冷却することができるとともに、筐体内の上部空間の空気を筐体の外部に効率良く排出することができ、上段側の充電ユニットの熱的な配置環境を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る電気車両用充電装置を一部分解して示す正面側斜視図である。
図2】実施形態に係る電気車両用充電装置を一部分解して示す背面側斜視図である。
図3】実施形態に係る電気車両用充電装置を左側方から見た側面図であり、側面パネルを一部省略して示している。
図4】実施形態に係るダクト部材と送風ファンを背面側から見た斜視図である。
図5図4のV-V線に沿って切断した状態を示すダクト部材の断面図である。
図6】上下に隣り合って配置された二つのユニットの間に配置される部材を示す斜視図である。
図7図6のVII-VII線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図8図7のVIII-VIII線に沿って切断した状態を示す断面図である。
図9】充電ユニットの分解斜視図である。
図10】筐体の模式的な側面図であって、第一流路及び第二流路が示されている。
図11】筐体の模式的な正面図であって、第一流路及び第二流路が示されている。
図12】筐体の模式的な正面図であって、第三流路が示されている。
図13】実施形態に係る電気車両用充電装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図13を参照して、本発明の実施形態に係る電気車両用充電装置1(以下、単に「充電装置1」と称する)について説明する。説明の便宜上、各図中に適宜記す前後左右上下の方向を充電装置1の前後左右上下の方向と定義して構成要素の位置や向き等を説明する。また、各図においては図面を見易くするため、一部の符号を省略している場合がある。
【0010】
図1には、本実施形態に係る充電装置1の正面側(前方側)が斜視図にて示されている。この充電装置1は、電気自動車やプラグインハイブリッド車等の電気車両を充電するための装置である。この充電装置1は、例えば公道沿いの民間施設内や公共施設内等に設置され、利用者によって利用される充電器である。この充電装置1は、一例として2台の電気車両に対して同時に充電を行うことが可能な2台充電タイプとされている。この充電装置1の充電方式としては、急速充電方式が採用されている。なおこの充電装置1が、例えば集合住宅の駐車場等に設置される場合、普通充電方式が採用される構成にしても良い。また、上記の電気車両は、自動車に限らず、自動二輪車であっても良い。
【0011】
この充電装置1では、外部電源である交流電源200(図13参照)から入力される電力を、電気車両に充電するための電力に変換する複数の充電ユニット30を内部に収容する筐体2を備えている。筐体2は、略直方体の箱状をなしている。この筐体2の内部は、仕切り壁部29によって二つの空間に仕切られて、二つの空間部S1,S2が形成されている。二つの空間部S1,S2には、電気車両の充電に必要な電気機器が所定の機能ごとに分かれて収容されている。
【0012】
筐体2の前壁を構成する正面パネル部20には、充電装置1の利用状況や操作ボタン等を表示する表示パネルH1(タッチパネル)や、充電装置1の操作手順を示すイラスト表示部H2、認証用のカードリーダH3等が設けられている。また、筐体2の左右方向の両側面の前方側には、充電コネクタ5を保持する箱状のホルダ7がそれぞれ取り付けられている。左右の充電コネクタ5には、充電ケーブル6の一端部が接続されており、充電ケーブル6の他端部は、筐体2の左右壁部を構成する側面パネル部24の上部にそれぞれ接続されている。
【0013】
ここで、図13のブロック図を参照して、充電装置1の主要構成について説明する。充電装置1は、一例として、急速充電方式により電気車両の充電を行う充電器であり、商用電源等の交流電源200から入力される交流の電力を高出力、且つ、直流の電力に変換する電力変換部3を有している。充電装置1は、電力変換部3から出力される高出力、且つ、直流の電力を、充電ケーブル6及び充電コネクタ5を介して電気車両に搭載されたバッテリ(不図示)に供給する。これにより、充電装置1は、商用電源等と同じ出力で充電を行う普通充電方式と比較して、充電時間を短縮させることができる構成となっている。
【0014】
本実施形態の電力変換部3は、並列に接続された六つの充電ユニット30で構成されている。各充電ユニット30は、整流回路30A、昇圧回路30B、コンバータ回路30Cを有している。整流回路30Aは、交流電源200から供給される交流の電力を整流して出力する。昇圧回路30Bは、整流回路30Aから出力される電力を昇圧して出力する。コンバータ回路30Cは、昇圧回路30Bから出力される電力を充電電圧に変換、制御する。このようにして、各充電ユニット30では、入力側から入力された電力を直流の電力に変換する。各充電ユニット30は、作動時に、整流回路30A、昇圧回路30B及びコンバータ回路30Cを構成する半導体素子やコイル等の回路部品が発熱するため、筐体2内の第一空間部S1に配置されて、第二空間部S2に配置される他の電気機器と分けて配置されている。第一空間部S1は、筐体2の背面側(後部側)に設けられた第一筐体部2Aの内部に形成されている。
【0015】
充電装置1には、六つの充電ユニット30から出力される電力を左右の充電ケーブル6及び充電コネクタ5のどちらに供給するかを切り替えるリレー部12と、リレー部12を制御するリレー制御部8と、左右の充電ケーブル6及び充電コネクタ5とリレー部12の間にそれぞれ設けられたDB部11と、複数の充電ユニット30から電気車両に供給する電力(充電電力)を制御する充電制御部9とを備えている。これらの制御部8,9は、少なくとも一つのプロセッサ(CPU)を備える制御装置を有しており、CAN通信等の所定の通信規格を用いて相互に通信可能に構成されている。
【0016】
六つの充電ユニット30の入力側には、広義において、交流電源200から供給(入力)された電力を制御する制御装置が接続されている。一例として、交流電源200と六つの充電ユニット30との間には、漏電遮蔽部10Aが設けられている。漏電遮蔽部10Aは、公知の漏電遮蔽器で構成されている。漏電遮蔽部10Aは、通常、一次側回路を開放するON状態とされているが、一次側回路で過電流又は漏電が検知された場合に、OFF状態となって一次側回路を閉じる機能を有する。また、交流電源200と漏電遮蔽部10Aとの間には、ノイズカット用の図示しないコンデンサが接続されている。さらに、漏電遮蔽部10Aと六つの充電ユニット30との間には、チョークコイルやLC回路で構成されたノイズを除去するためのフィルタ装置10Bが接続されている。
【0017】
漏電遮蔽部10Aを含む入力側の制御装置は、筐体2の内部において、第一空間部S1に対して前方側に隣接して設けられた第二空間部S2に配置されている。この第二空間部S2は、第一筐体部2Aに対して前後方向の一方側(図1等では前側)に配置された第二筐体部2Bの内部に形成されている。第二空間部S2には、漏電遮蔽部10A、コンデンサ、フィルタ装置10Bの他に、DB部11が配置されている。また、第二空間部S2には、リレー制御部8及びリレー部12が配置されている。
【0018】
DB部11は、六つの充電ユニット30の出力側(二次側)において、充電ユニット30と充電ケーブル6及び充電コネクタ5との間にそれぞれ接続されている。DB部11は、複数のダイオードを備える逆流防止回路で構成されており、六つの充電ユニット30と電気車両のバッテリ間で電流が逆流することを防止する機能を有する。
【0019】
リレー部12は、複数の充電ユニット30ごとに設けられたリレー回路を有しており、各リレー回路が当該充電ユニット30の出力電力を左右の充電ケーブル6及び充電コネクタ5のどちらに供給するかを切り替えるようになっている。リレー制御部8は、電気車両からの信号を受けた充電制御部9からの信号に基づいて、リレー部12(各リレー回路)による上記切り替えを制御する。
【0020】
六つの充電ユニット30から出力される電力は、充電制御部9を介して左右の充電ケーブル6及び充電コネクタ5に供給される。充電制御部9は、CAN通信等の所定の通信手段を用いて電気車両と相互に通信可能に構成されている。充電制御部9は、電気車両の充電プラグと接続された充電コネクタ5を介して、電気車両から制御信号を受信する。電気車両から受信する信号には、充電電流の指令値や、充電を開始又は終了に関する信号が含まれる。充電制御部9は、電気車両から送信された信号を受信し、受信した信号に基づいて充電装置1から出力される電力を決定し、充電の開始及び終了を制御する。
【0021】
また、充電制御部9は、第一筐体部2Aの内部に設けられた空冷用の送風ファン70及び温度センサ(不図示)と電気的に接続されている。充電制御部9は、温度センサによって検出された第一空間部S1内の温度に基づいて、送風ファン70の運転を制御する。
【0022】
以上説明したとおり、筐体2の内部には、二つの空間部S1,S2に分割して充電に必要な電気機器が収容されており、筐体2の内部の背面側に設けられた第一空間部S1には、電力変換部3を構成する複数の充電ユニット30が配置されている。充電装置1では、作動時に充電ユニット30で発生する熱を効率よく放熱するために、筐体2の内部に空冷用の複数の流路を設けている。以下、筐体2及び充電ユニット30の構造を詳細に説明する。
【0023】
(筐体)
図1及び図2に示すように、筐体2は、筐体2の前壁を構成する正面パネル部20と、筐体2の後壁を構成する背面パネル部22と、筐体2の左右の壁部を構成する側面パネル部24とを有している。これらのパネル部20,22,24は、例えば板金材料がNC加工やベンダ加工を経て成型され意匠パネルである。
【0024】
各パネル部20,22,24は、筐体2の底壁を構成する架台部26の上に立設されており、例えば、架台部26を含んで構成される躯体フレーム状の図示しない骨格部にビス止めによって固定されている。また、正面パネル部20、背面パネル部22、左右の側面パネル部24によって形成される筐体2の上端開口部が天井パネル部28によって塞がれている。このようにして、筐体2は、略直方体の箱状を成している。
【0025】
筐体2の内部空間は、仕切り壁部29(図3参照)によって前後に区画されている。これにより、筐体2は、仕切り壁部29に対して後方側が第一筐体部2Aを構成し、仕切り壁部29に対して前方側が第二筐体部2Bを構成している。
【0026】
筐体2の側面パネル部24は、前後方向の後部に配置される後側面パネル部241と前後方向の前部に配置される前側面パネル部242とを有している。後側面パネル部241は、第一筐体部2Aの左右の側面を構成している。前側面パネル部242は、第二筐体部2Bの左右の側面を構成している。即ち、筐体2では、背面パネル部22と左右の後側面パネル部241と、仕切り壁部29、架台部26及び天井パネル部28の後方部分によって第一筐体部2Aを構成し、その内部に第一空間部S1を形成している。また、筐体2では、正面パネル部20と左右の前側面パネル部242と、仕切り壁部29、架台部26及び天井パネル部28の前方部分によって第二筐体部2Bを構成し、その内部に第二空間部S2が形成されている。
【0027】
図1に示すように、筐体2の左側方の後側面パネル部241の上部には、第一吸気口P1が形成されている。この第一吸気口P1は、第一筐体部2Aの上部に設けられており、好ましくは、第一筐体部2Aに配置された最上段の充電ユニット30よりも上方側に形成されている。この第一吸気口P1を通じて第一筐体部2Aの上部空間に外部の空気を導入することができる。
【0028】
筐体2は、第一吸気口P1の他に、筐体2の下部に設けられた第二吸気口P2を有している。この第二吸気口P2は、第一筐体部2Aに配置された最下段の充電ユニット30よりも下方側に形成されていることが好ましく、本実施形態では、矩形フレーム状を成す架台部26の前面に形成されている。第二吸気口P2は、第一筐体部2Aの下部空間に外部の空気を導入するために設けられており、架台部26の前面を格子状に形成して成る。筐体2の正面側から第二吸気口P2を通過した空気は、筐体2の下方側から第一筐体部2Aの内部空間(S1)に導入される。
【0029】
筐体2の左側方の後側面パネル部241には、第一吸気口P1の下方側に上下方向に並んだ六つの第三吸気口P3が形成されている。各第三吸気口P3は、例えば、後側面パネル部241に貫通形成されたスリット状の複数の開口部で構成される。六つの第三吸気口P3は、それぞれが、第一空間部S1に収容された六つの充電ユニット30の後述するユニット吸気口36Bに対応して設けられている。これにより、筐体2では、左側方に設けられた第三吸気口P3から筐体2の内部に空気を導入し、各充電ユニット30のユニット吸気口36Bから各充電ユニット30の内部に空気を導入させている。
【0030】
図2に示すように、筐体2の右側方の後側面パネル部241には、上下方向に並んだ六つの排気口Q1が形成されている。各排気口Q1は、例えば、後側面パネル部241に貫通形成されたスリット状の複数の開口部で構成される。六つの排気口Q1は、それぞれが、第一空間部S1に収容された六つの充電ユニット30の後述するユニット排気口38Aに対応して設けられている。これにより、各充電ユニット30のユニット排気口38Aから排出された空気が、筐体2の右側方に設けられた排気口Q1から筐体2の外部に排出される。
【0031】
その一方で、図1及び図2に示すように、筐体2の第二筐体部2Bは、筐体2の外壁部の一部を構成する正面パネル部20、左右の前側面パネル部242、及び天井パネル部28の前方部分に筐体2の外壁部の内外を連通させる開口部が形成されていない。従って、第二筐体部2Bは、雨や粉塵等が第二空間部S2に侵入することを防ぐ防水性能及び防塵性能に優れた密閉構造を有しており、第二筐体部2Bに収容される制御基板等の電気機器を雨や粉塵等から保護することができる。
【0032】
(充電ユニット)
図3には、筐体2の左側方から後側面パネル部241を除いた状態が示されている。これらの図に示すように、筐体2内の第一空間部S1には、六つの充電ユニット30が上下方向に並んだ状態で収容されている。各充電ユニット30は、第一空間部S1内において、仕切り壁部29と背面パネル部22との間に架け渡して設けられた六枚の棚板48にそれぞれ載置されている。各棚板48は、仕切り壁部29と背面パネル部22との間に間隔を設けるようにして直接又は筐体2の骨格部材を構成するフレーム(不図示)を介して仕切り壁部29及び背面パネル部22に固定されている。
【0033】
最上段の充電ユニット30の上方側には、送風ファン70が設けられている。この送風ファン70は、第一吸気口P1から筐体2の内部に導入された空気を最上段の充電ユニット30の上方側から下方側へ向けて送風する。
【0034】
送風ファン70の送風方向は、筐体2の鉛直方向に対して傾斜した方向でもよく、鉛直方向でもよい。或いは、可動式の送風ファンにより、筐体2の下方側に向けた所定の範囲内で送風方向を随時変更してもよい。本実施形態では、送風ファン70が、筐体2の仕切り壁部29に向かって傾斜した姿勢で配置されている。これにより、送風ファン70からの空気が、仕切り壁部29に向かって送り出され、その後、仕切り壁部29と充電ユニット30との間の空間に向かって流れるようになっている。このように送風方向を傾斜させることにより、上段側の充電ユニット30の側方に空気が滞留することを抑制することができる。また、仕切り壁部29に向かって送風することにより、第二筐体部2B内の第二空間部S2の冷却効果も得られる。
【0035】
筐体2は、上記送風ファン70から送り出された空気を上段側の充電ユニット30の側方(仕切り壁部29と充電ユニット30との間の空間)に導くためのダクト部材80を備えている。送風ファン70は、このダクト部材80を介して筐体2の上部に固定されている。
【0036】
ここで、ダクト部材80の構成について説明する。図4には、ダクト部材80を背面側から見た斜視図が示されている。図5には、図4のV-V線で切断したダクト部材80の断面が示されている。これらの図に示すように、ダクト部材80は、送風ファン70が取り付けられる第一ダクト部材81と、第一ダクト部材81から下方側に延びる第二ダクト部材82とを有している。
【0037】
第一ダクト部材81は、下方側に傾斜した後壁部811と、後壁部811の上縁部、下縁部、左縁部、右縁部のそれぞれから前方側に延びる上壁部812、下壁部813、左壁部814及び右壁部815を有している。送風ファン70は、後壁部811の中央に形成された第一開口部K1を塞ぐようにして後壁部811に取り付けられている。これにより、送風ファン70が、筐体2の仕切り壁部29に向かって傾斜した姿勢で配置される。下壁部813は、最上段の充電ユニット30の上方に配置される。下壁部813の前方側の端部には、下方側に向かって開口した第二開口部K2が形成されており、第二開口部K2を囲むようにして下壁部813に第二ダクト部材82が接続されている。また、第一ダクト部材81の左壁部814及び右壁部815は、先端に設けたフランジ部(符号省略)を介して仕切り壁部29に直接又は骨格部材を構成するフレーム(不図示)を介してビス等で固定されている。
【0038】
上記の第一ダクト部材81は、後壁部811の外周縁部から延びる上壁部812、下壁部813、左壁部814及び右壁部815によって筒状の流路を形成している。この流路は、送風ファン70が取り付けられた後壁部811から仕切り壁部29まで延び、送風ファン70によって斜め下方側に送り出された空気を、第二開口部K2の方向(充電ユニット30の前方側であって仕切り壁部29との間の空間の方向)に導いている。
【0039】
第二ダクト部材82は、第一ダクト部材81の下壁部813に形成された第二開口部K2を囲むようにして取り付けられている。この第二ダクト部材82は、第一ダクト部材81から下方側に延び、最上段の充電ユニット30と仕切り壁部29の間の空間に配置される。具体的に、第二ダクト部材82は、第一ダクト部材81の下壁部813から下方側に延びる縦壁部821と、縦壁部821の左右両端部から前方側に延びる側壁部822とを有している。第二ダクト部材82の上端は、下壁部813の第二開口部K2の周縁から延びるフランジ部が縦壁部821に、左右の側壁部822の上端に設けられたフランジ部が下壁部813にビス等で固定されることによって第一ダクト部材81に接続されている。
【0040】
上記の第二ダクト部材82は、縦壁部821、側壁部822、仕切り壁部29によって第一ダクト部材81から筐体2の下方側に延びる筒状の流路を構成している。これにより、第一ダクト部材81の第二開口部K2を通過した空気が、第二ダクト部材82によって筐体2の中央部に集められ、仕切り壁部29と充電ユニット30との間の空間に導かれている。
【0041】
図6には第一空間部S1において上下方向に並んで配置される二つの充電ユニット30の収納状態が模式的に示されている。この図に示すように、最下段の棚板48を除く上段側の棚板48の下面には、ダクト部材80から仕切り壁部29と充電ユニット30との間の空間に供給される空気を、上下に隣り合って配置される二つの充電ユニット30の間に導入するための第一対流誘導部材50と第二対流誘導部材60が取り付けられている。
【0042】
第一対流誘導部材50は、棚板48の前方側の端部に沿う長尺状に形成されており、上下に隣り合って配置される二つの充電ユニット30の間に形成される間隙を塞ぐように配置される。なお、棚板48の後方側において上下の充電ユニット30の間に形成される間隙は、筐体2の背面パネル部22によって塞がれている。
【0043】
図7に示すように、第一対流誘導部材50は、棚板48の下面に固定されるフランジ状の固定部52を有している。固定部52の前端部には、固定部52から下方側に垂下した対流誘導部54が設けられており、二つの充電ユニット30の間の間隙を塞いでいる。対流誘導部54の下端部には、対流誘導部54から固定部52に向かって斜め後方に延びる弾性部56が設けられている。この弾性部56は、固定部52の後方側の端部に先端部が重ねられた状態で、ビス、クリップ若しくは接着剤等の接合部材58により、固定部52と共に棚板48の下面に固定されている。これにより、第一対流誘導部材50は、前後上下方向の断面が三角形状の閉断面を成している。
【0044】
上記の第一対流誘導部材50は、一例として、樹脂等の弾性材料で形成されている。棚板48の上に充電ユニット30を収容した状態では、第一対流誘導部材50の弾性部56は、下段側の棚板48に載置された充電ユニット30の上端側の角部に押し当てられるように構成されている。この際に、第一対流誘導部材50の弾性部56が角部に沿って弾性変形することで、第一対流誘導部材50が充電ユニット30に密着し、不要な間隙を排除する構成となっている。
【0045】
図6に示すように、第二対流誘導部材60は、棚板48の下面に沿って前後方向に延びる長尺状に形成されており、一例として、樹脂等の弾性材料で形成されている。第二対流誘導部材60は、第一対流誘導部材50よりも充電ユニット30のユニット排気口38Aに近い位置(図6では、第一対流誘導部材50の右側)において、棚板48と下段側の充電ユニット30との間に設けられる。
【0046】
図8に示すように、第二対流誘導部材60は、幅方向(左右方向)の両側に設けられたフランジ部(符号省略)が、ビス、クリップ若しくは接着剤等の接合部材58により、棚板48の下面に固定されている。幅方向の中央には、左右上下方向の断面がV溝状を成す対流誘導部62が設けられている。対流誘導部62は、二つの充電ユニット30の間の間隙を塞ぎ、二つの充電ユニット30の間に導入された空気が、各充電ユニット30のユニット排気口38A側へ流れ込むことを規制している。また、対流誘導部62は、各充電ユニット30のユニット排気口38Aから排出された空気が、上下の充電ユニット30の間の空間に流れ込むことを規制している。
【0047】
上記の第二対流誘導部材60は、近傍に配置される第一対流誘導部材50の右端部との間に所定間隔を設けるように配置され、上段側の充電ユニット30、下段側の充電ユニット30、第一対流誘導部材50と共に、充電ユニット30の前方側に向かって開口された第三開口部K3を形成する(図6参照)。上述の送風ファン70から送り出されてダクト部材80によって導かれた空気は、上段側の充電ユニット30の前方側(仕切り壁部29との間の空間)を通り、第三開口部K3から上下の充電ユニット30の間の空間に導入される。
【0048】
図9には、充電ユニット30の分解斜視図が示されている。この図に示すように、充電ユニット30は、細長い角筒状に形成された外側筒部32を有している。外側筒部32の内側には、外側筒部32よりも一回り小さな外形の角筒状に形成された内側筒部34が配置されている。
【0049】
外側筒部32の内側には、内側筒部34との間において収容空間が形成される。この収容空間には、上述の整流回路30A、昇圧回路30B及びコンバータ回路30C等の充電ユニット30を構成する電気機器が配置されている。これらの電気機器は、内側筒部34の外側面に固定されている。かかる構成では、外層部を構成する外側筒部32によって、整流回路30A、昇圧回路30B及びコンバータ回路30C等の電気機器が雨水や粉塵等から保護される。また、内側筒部34の内部空間は、外側筒部32と内側筒部34との間に設けられた収容空間で発生した熱を放熱するためのダクト空間を構成する。
【0050】
充電ユニット30は、筐体2の左右方向を外側筒部32の軸方向とする姿勢で筐体2の内部に収容される。この状態において、充電ユニット30の左側方の一端には、矩形状のユニット吸気部36が設けられている。また、充電ユニット30の右側方の他端には、矩形状のユニット排気部38が設けられている。
【0051】
ユニット吸気部36は、外側筒部32の左側方の開口端を塞ぐ板状のベース部36Aと、ベース部36Aに設けられたユニット吸気口36Bを有している。ユニット吸気口36Bは、内側筒部34の内外を連通させる吸気ファン40を備える。この吸気ファン40は、筐体2の左側方に設けられた第三吸気口P3と対向して配置されている。これにより、吸気ファン40が作動すると、第三吸気口P3を通過して筐体2の内部に導入された空気が、ユニット吸気口36Bから充電ユニット30(内側筒部34)の内部に導入される。
【0052】
ユニット吸気部36は、その他に、ユニット把持部36Cと配線接続部36Dを有している。ユニット把持部36Cは、充電ユニット30の設置や取り外しの際に把持される作業用の取手である。配線接続部36Dは、充電ユニット30を構成する電気機器と筐体2の第二筐体部2B内から仕切り壁部29を通って引き出された配線とを電気的に接続させるために設けられている。
【0053】
ユニット排気部38は、外側筒部32の右側方の開口端を塞ぐ板状のベース部38Bと、ベース部38Bに設けられたユニット排気口38Aを有している。ユニット排気口38Aは、内側筒部34の内外を連通させる排気口として設けられている。このユニット排気口38Aは、筐体2の右側方に設けられた排気口Q1と対向して配置されている。これにより、ユニット吸気口36Bから吸気ファン40によって充電ユニット30(内側筒部34)の内部に導入された空気が、ユニット排気口38Aから充電ユニット30の外部に排出され、排気口Q1を通って筐体2の外部に排出される。
【0054】
以上説明した充電装置1では、筐体2の第一空間部S1に、三つの流路(空気流れ)を形成し、充電ユニット30で発生した熱を効率的に放熱する。以下、三つの流路について、図10図12を参照して具体的に説明する。なお、図10図12の各図においては、説明の便宜上、対象となる流路の説明に不要な吸気口又は排気口を省略して図示している場合がある。
【0055】
(第一流路)
図10は、筐体2の内部構造を模式的に示す側面図であり、図11は、筐体2の第一空間部S1の正面図である。これらの図に示されるように、筐体2の第一空間部S1には、筐体2の上部空間に空気流れを作る第一流路R1が形成される。この第一流路R1は、筐体2の上部に設けられた第一吸気口P1から筐体2の内部に導入されて、送風ファン70によりダクト部材80を介して送り出された空気を上段側の充電ユニット30の前方側(仕切り壁部29との間の空間)を通過させる。その後、通過した空気は、第三開口部K3を経て上下方向に隣りあって配置された二つの充電ユニット30の間を通った後に、各充電ユニット30の内部を通過して、排気口Q1から筐体2の外部に排出される。
【0056】
より具体的には、最上段の充電ユニット30の前方側を通過した空気は、最上段の充電ユニット30と上から二番目の充電ユニット30の間の第三開口部K3から、当該上下の充電ユニット30の間の空間に導入される。その後、当該空気は、最上段の充電ユニット30と上から二番目の充電ユニット30のそれぞれにおいて、ユニット吸気口36Bからユニット内部に導入される。そして、当該空気は、最上段の充電ユニット30と上から二番目の充電ユニット30のそれぞれのユニット排気口38Aからユニット外部に排出された後、排気口Q1を通って筐体2の外部に排出される。
【0057】
上から二番目の充電ユニット30の前方側を通過した空気は、上から二番目の充電ユニット30と上から三番目の充電ユニット30の間の第三開口部K3から、当該上下の充電ユニット30の間の空間に導入される。その後、当該空気は、上から二番目の充電ユニット30と上から三番目の充電ユニット30のそれぞれにおいて、ユニット吸気口36Bからユニット内部に導入される。そして、当該空気は、上から二番目の充電ユニット30と上から三番目の充電ユニット30のそれぞれのユニット排気口38Aからユニット外部に排出された後、排気口Q1を通って筐体2の外部に排出される。
【0058】
上から三番目の充電ユニット30の前方側を通過した空気は、上から三番目の充電ユニット30と上から四番目の充電ユニット30の間の第三開口部K3から、当該上下の充電ユニット30の間の空間に導入される。その後、当該空気は、上から三番目の充電ユニット30と上から四番目の充電ユニット30のそれぞれにおいて、ユニット吸気口36Bからユニット内部に導入される。そして、当該空気は、上から三番目の充電ユニット30と上から四番目の充電ユニット30のそれぞれのユニット排気口38Aからユニット外部に排出された後、排気口Q1を通って筐体2の外部に排出される。
【0059】
なお、第三開口部K3が充電ユニット30のユニット排気口38A側(ユニット吸気口36Bの反対側)に設けられているため、対流する空気を極力多くのユニット筐体面に触れさせることができるようになっている。また、棚板48には複数の穴があいており、この穴を介して、対流する空気を充電ユニット30の筐体面に触れさせることができるようになっている。
【0060】
(第二流路)
筐体2の第一空間部S1には、筐体2の下部部空間に空気流れを作る第二流路R2が形成される。この第二流路R2は、筐体2の下部に設けられた第二吸気口P2から筐体2の内部に導入された空気を下段側の充電ユニット30の前方側(仕切り壁部29との間の空間)を通過させる。その後、通過した空気は、第三開口部K3を経て上下方向に隣りあって配置された二つの充電ユニット30の間を通った後に、各充電ユニット30の内部を通過して、排気口Q1から筐体2の外部に排出される。
【0061】
より具体的には、最下段の充電ユニット30の前方側を通過した空気は、最下段の充電ユニット30と下から二番目の充電ユニット30の間の第三開口部K3から、当該上下の充電ユニット30の間の空間に導入される。その後、当該空気は、最下段の充電ユニット30と下から二番目の充電ユニット30のそれぞれにおいて、ユニット吸気口36Bからユニット内部に導入される。そして、当該空気は、最下段の充電ユニット30と下から二番目の充電ユニット30のそれぞれのユニット排気口38Aからユニット外部に排出された後、排気口Q1を通って筐体2の外部に排出される。
【0062】
下から二番目の充電ユニット30の前方側を通過した空気は、下から二番目の充電ユニット30と下から三番目の充電ユニット30の間の第三開口部K3から、当該上下の充電ユニット30の間の空間に導入される。その後、当該空気は、下から二番目の充電ユニット30と下から三番目の充電ユニット30のそれぞれにおいて、ユニット吸気口36Bからユニット内部に導入される。そして、当該空気は、下から二番目の充電ユニット30と下から三番目の充電ユニット30のそれぞれのユニット排気口38Aからユニット外部に排出された後、排気口Q1を通って筐体2の外部に排出される。
【0063】
(第三流路)
図12は、筐体2の内部構造を模式的に示す筐体2の第一空間部S1の正面図であり、第一空間部S1に形成される第三流路R3を模式的に示している。この第三流路R3では、各充電ユニット30の吸気ファン40によって第三吸気口P3から筐体2の内部に導入された空気を、各充電ユニット30の内部を通過させて、排気口Q1から筐体2の外部に排出させる。つまり、筐体2の左側方に設けられた第三吸気口P3から筐体2の内部に導入された空気は、各充電ユニット30のユニット吸気口36Bを通って充電ユニット30の内部を通過し、ユニット排気口38Aから排出された後、筐体2の右側方に設けられた排気口Q1から外部へ排出される。
【0064】
(作用並びに効果)
以上説明したように、本実施形態に係る充電装置1によれば、筐体2の内部に、複数の充電ユニット30が上下方向に並んだ状態で収容されている。この筐体2は、筐体2の上部に設けられた第一吸気口P1と、筐体2の内部において最上段の充電ユニット30の上方側に設けられた送風ファン70と、筐体2の側部に設けられた排気口Q1とを有している。
【0065】
図10及び図12に示すように、送風ファン70は、最上段の充電ユニット30の上方側から下方側に向けて送風するように設置されており、筐体2の内部では、第一吸気口P1から筐体2の内部に導入されて送風ファン70により送り出された空気を、上段側の充電ユニット30の側方を通過させる第一流路R1が形成される。この第一流路R1はさらに、充電ユニット30の側方を通過させた空気を、当該充電ユニット30と隣の充電ユニット30の間を通った後に当該充電ユニット30の内部を通過させて、排気口Q1から筐体2の外部に排出させる。
【0066】
かかる第一流路R1により、筐体2の内部では、送風ファン70から仕切り壁部29に向かって送風されるため、仕切り壁部29(筐体2の第二空間部S2)を冷却することができる。また、送風ファン70から上段側の充電ユニット30に向かって下降する気流が発生するため、この気流によって上下方向に並んだ複数の充電ユニット30の側方を冷却することができる。また、下降する気流の勢いは、上段側の充電ユニット30の近傍が最も強く、上段側の充電ユニット30の側方を通過した空気が当該充電ユニット30と隣の充電ユニット30の間を通り、当該充電ユニット30の内部を経て排気口Q1から排出される。これにより、上段側の充電ユニット30を効率良く冷却することができるとともに、筐体2内の上部空間の空気を筐体2の外部に効率良く排出することができ、上段側の充電ユニット30の熱的な配置環境を改善させることができる。
【0067】
充電装置1は、送風ファン70から送り出された空気を上段側の充電ユニット30の側方に導くためのダクト部材80を備えている。これにより、充電ユニット30の側方に効率良く空気を供給することができ、空冷性能を高めることができる。
【0068】
更に、送風ファン70は、上段側の充電ユニット30の側方に向けて空気を送り出すように斜めに傾いた状態で設けられている。これにより、充電ユニット30の側方に向かう気流の勢いが増し、空冷性能を高めることができる。
【0069】
充電装置1は、筐体2の下部に設けられた第二吸気口P2を有しており、当該第二吸気口P2から筐体2の内部に空気を導入する第二流路R2が形成されている。この第二流路R2は、第二吸気口P2から導入された空気を、下段側の充電ユニット30の側方を通過させる。その後、通過した空気は、当該充電ユニット30と隣の充電ユニット30の間を通った後に当該充電ユニット30の内部を経て排気口Q1から外部に排出される。この第二流路R2によって、筐体2の内部では、第二吸気口P2から排気口Q1に向かって、筐体2内の下部空間の空気を外部に排出する気流が発生する。第二流路R2により、筐体2内の下部空間の空気流れを促すことができ、下段側の充電ユニット30を冷却することができる。
【0070】
以上、実施形態に係る充電装置1について説明したが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。例えば、上記実施形態では、最上段の充電ユニット30の上方側に一つの送風ファン70が設けられる構成としたが、本発明はこれに限定されない。最上段の充電ユニットの上方側に複数の送風ファンが設けられる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、送風ファン70が筐体2の仕切り壁部29に向けて空気を送り出すように傾けられている構成としたが、これに限らない。送風ファンが、筐体2の背面パネル部22に向けて空気を送り出すように傾けられている構成でもよく、これらの組み合わせでもよい。
また、上記実施形態において、上下二つの充電ユニット30の間の空間に導入される空気の流量は、第三開口部K3の大きさを変更することにより調整可能である。従って、筐体2の内部に配置された複数の充電ユニット30の間の各空間に流れる空気の流量は、適宜調整することができる。例えば、筐体2の上部空間に設けられる第三開口部K3と下部空間に設けられる第三開口部K3とを異なる大きさにし、上部空間に配置された上下の充電ユニット30の間に流れる流量と、下部空間に配置された上下の充電ユニット30の間に流れる流量とをそれぞれ調整することもできる。
【符号の説明】
【0071】
1 電気車両用充電装置(充電装置)
2 筐体
30 充電ユニット
70 送風ファン
80 ダクト部材
200 交流電源(外部電源)
P1 第一吸気口
P2 第二吸気口
Q1 排気口
R1 第一流路
R2 第二流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13