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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048804
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】製品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20240402BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65B5/06
B25J15/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154915
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】飯酒盃 真
【テーマコード(参考)】
3C707
3E003
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707DS05
3C707FS01
3C707FT04
3C707FT11
3C707FU01
3C707HS11
3C707MT02
3C707NS26
3C707NS28
3E003AA01
3E003AB03
3E003BB03
3E003BB04
3E003BC02
3E003BD04
3E003DA05
3E003DA07
(57)【要約】
【課題】 起立した複数の包装体を傾斜姿勢で一部が重なるサシミ状にし、そのサシミ状の集積品をシンプルな構造の吸着ヘッドで保持し、安定して移載処理を行えるようする
【構成】 複数の包装体1を起立させた状態で並べた集積品を受け取る受取部20と、受取部に載せられた集積品をピックアップして移載する吸着ヘッド30を備える。受取部の底面は山谷が連続する凹凸面になり複数の包装体が一方向に倒れ、隣接する包装体の一部が重なるように構成する。吸着ヘッドの下面側の吸着面31は、平面部32とその平面部の一方の端部側に斜め下方に傾斜する傾斜部33を有し、吸着面には平面部から傾斜部に連続するスリット状の吸引口35を備える。受取部で一部が重なるように一方向に倒れた複数の包装体のうち、一番上の包装体の上面1bを傾斜部に設けた吸引口で吸着するとともに、各包装体の上端側部位1aを平面部に設けた吸引口で吸着する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の包装体を起立させた状態で並べた集積品を受け取る受取部と、
前記受取部に載せられた前記集積品をピックアップして移載する吸着ヘッドを備え、
前記受取部の前記集積品の受取面は、山谷が連続する凹凸面になっており複数の前記包装体が一方向に倒れ、隣接する前記包装体の一部が重なるように構成し、
前記吸着ヘッドの下面側の吸着面は、平面部とその平面部の一方の端部側に斜め下方に傾斜する傾斜部を有し、
前記平面部と前記傾斜部にそれぞれ第1吸引口と第2吸引口を備え、
前記受取部で一部が重なるように一方向に倒れた複数の前記包装体のうち、一番上の包装体の上面を前記傾斜部に設けた前記第2吸引口で吸着するとともに、各包装体の上端側を前記平面部に設けた前記第1吸引口で吸着するように構成した製品供給装置。
【請求項2】
前記受取部に設ける前記凹凸面は、傾斜角度が緩やかな第1傾斜面部と傾斜角度が急な第2傾斜面部を交互に配置し、
隣接する前記第1傾斜面部と前記第2傾斜面部の下端部側同士で形成される谷部に前記包装体の下端側が位置し、その包装体は前記第1傾斜面部側に倒れるように構成する請求項1に記載の製品供給装置。
【請求項3】
前記第1吸引口は、線状に伸びるスリット状の部分を1つまたは複数有し、その1つのスリット状の部分で複数の前記包装体を吸着するように構成した請求項1に記載の製品供給装置。
【請求項4】
前記第1吸引口と前記第2吸引口は、連続したスリット状に形成される請求項1に記載の製品供給装置。
【請求項5】
前記受取部の前記山谷が連続する方向に沿った一方の側面の外側に、前記集積品を構成する複数の前記包装体を、前記山谷のピッチで起立した姿勢で待機するエリアを設け、
前記受取部は、少なくとも前記一方の側面は開口するように構成し、
前記エリアで待機する複数の前記包装体をプッシャー部材で前記受取部側に押し出し、その起立した姿勢の複数の前記包装体を、前記受取面の各谷の部分に供給するように構成する請求項1から4のいずれか1項に記載の製品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品供給装置に関するもので、例えば複数の包装体を刺身盛りのような半重ねの状態に箱詰めするのに適した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子等などを収納した包装体を箱詰めする場合において見栄えを良くするため、包装体を刺身盛りのような半重ねの状態に並べて箱詰めする場合がある。係る半重ねの状態で箱詰めするための装置としては、例えば特許文献1に開示された箱詰め用バキューム式ロボットハンドを備えた製品供給装置がある。このロボットハンドは、包装体毎に設けた吸着ノズルで個々の包装体の上部を吸着し、包装体を斜めに傾けた姿勢で保持し、箱体内に供給するようにしている。また、この特許文献1に開示されたロボットハンドは、相互に重なることなく平積みされた複数の包装体を対応する吸着ノズルで吸着し、その吸着した状態で吸着ノズルを接近することで、隣接する斜めに傾けた姿勢の包装体の一部が重なる半重ねの状態で箱に供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-262572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたロボットハンドは、包装体毎に設けた吸着ノズルで包装体の上部を吸着するため、吸着ノズルが複数必要になり、吸着ヘッドの構造が複雑になり、また、吸着ノズルと包装体とを正確に位置決めしておく必要がある。
【0005】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の製品供給装置は、(1)複数の包装体を起立させた状態で並べた集積品を受け取る受取部と、前記受取部に載せられた前記集積品をピックアップして移載する吸着ヘッドを備え、前記受取部の前記集積品の受取面は、山谷が連続する凹凸面になっており複数の前記包装体が一方向に倒れ、隣接する前記包装体の一部が重なるように構成し、前記吸着ヘッドの下面側の吸着面は、平面部とその平面部の一方の端部側に斜め下方に傾斜する傾斜部を有し、前記平面部と前記傾斜部にそれぞれ第1吸引口と第2吸引口を備え、前記受取部で一部が重なるように一方向に倒れた複数の前記包装体のうち、一番上の包装体の上面を前記傾斜部に設けた前記第2吸引口で吸着するとともに、各包装体の上端側を前記平面部に設けた前記第1吸引口で吸着するように構成した。
【0007】
このようにすると、山谷が連続する凹凸面からなる受取面の上に起立した姿勢の複数の包装体が供給されると、各包装体が一方向に倒れるため、倒れる側に隣接する包装体の上に一部が重なるように傾斜した姿勢となる。そのように傾斜した姿勢の複数の包装体からなる集積品を吸着ヘッドで吸着する際に、一番上の包装体は、傾斜部に設けた第2吸引口でしっかりと傾斜した姿勢で吸着保持され、残りの包装体はその上端側が平面部に設けた第1吸引口で吸着保持される。このとき、各包装体は、傾斜した姿勢で吸着されるため、その傾斜した姿勢のまま吸着される。よって、吸着ヘッドは、集積品を構成する複数の包装体を傾斜姿勢で安定して保持できる。また、1つの吸着ヘッドで一括して集積品を保持することができる。
【0008】
(2)前記受取部に設ける前記凹凸面は、傾斜角度が緩やかな第1傾斜面部と傾斜角度が急な第2傾斜面部を交互に配置し、隣接する前記第1傾斜面部と前記第2傾斜面部の下端部側同士で形成される谷部に前記包装体の下端側が位置し、その包装体は前記第1傾斜面部側に倒れるように構成するとよい。このようにすると、傾斜角度の急な第2傾斜面部側には倒れにくく、各包装体は第1傾斜面部側に倒れるように案内できる。
【0009】
(3)前記第1吸引口は、線状に伸びるスリット状の部分を1つまたは複数有し、その1つのスリット状の部分で複数の前記包装体を吸着するように構成するとよい。このようにすると、スリット状の部分とすることで、個々の包装体に対する位置合わせが不用或いは簡易となる。更に複数の包装体を1つのスリット状の部分で吸着することで、重なるように傾斜したサシミ状の複数の包装体を安定して吸着保持できる。
【0010】
(4)前記第1吸引口と前記第2吸引口は、連続したスリット状に形成されるとよい。このようにすると、一番上にある包装体は、上面は傾斜部に設けた第2吸引口で吸引され、上端部側は第2吸引口とそれに連続する第1吸引口でしっかりと隙間無く吸引され、傾斜面に沿った傾斜姿勢でよりしっかりと吸着保持される。
【0011】
(5)前記受取部の前記山谷が連続する方向に沿った一方の側面の外側に、前記集積品を構成する複数の前記包装体を、前記山谷のピッチで起立した姿勢で待機するエリアを設け、前記受取部は、少なくとも前記一方の側面は開口するように構成し、前記エリアで待機する複数の前記包装体をプッシャー部材で前記受取部側に押し出し、その起立した姿勢の複数の前記包装体を、前記受取面の各谷の部分に供給するように構成するとよい。
【0012】
このようにすると、起立した姿勢の複数の包装体をスムーズに受取部の受取面上に移し替えることができ、起立した姿勢から同一方向に傾斜したサシミ状の姿勢に安定して切換えることができる。待機するエリアは、実施形態ではガイドレール部11が対応し、また、変形例のようにバケットコンベアから受取部に供給する場合には一時停止したバケットコンベアにおける受取部に近接する複数のバケット部分が対応する。
【0013】
また、上述した(1)から(5)に示す構成は、適宜組み合わせて構成することができ、そのように組み合わせた構成を前提として、実施形態や図面に記載の構成要素を組み合わせるとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の包装体を起立状態で並べた集積品を、簡単に包装体の一部が重なるように同一方向に傾いたサシミ状にすることができる。また、集積品が吸着ヘッドに吸着された際、各包装体は傾斜姿勢で安定して保持される。これにより、高速での移載処理が行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る製品供給装置の好適な一実施形態を示す平面図である。
図2】その正面図である。
図3】その拡大した側面図である。
図4】その一部の斜視図(その1)である。
図5】その一部の斜視図(その2)である。
図6】(a)は受取部及び吸着ヘッドを示す側面図であり、(b)は吸着ヘッドを示す底面図である。
図7】吸着ヘッドを示す斜視図である。
図8】使用状態を示す斜視図である。
図9】作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0017】
図1図2等に示すように、本実施形態の製品供給装置10は、ガイドレール部11にて起立状態で移動方向に対して左右に並べられて支持される複数の包装体1からなる集積品2を、上方開口した箱体3に供給するもので、ガイドレール部11の移動方向の前方側に沿って配置され、所定数の包装体1を起立させた状態で並べた集積品2を受け取る受取部20と、受取部20に載せられた集積品2を一括してピックアップし移載する吸着ヘッド30を備える。包装体1は、例えば菓子等の被包装物を収納した包装体とするとよい。
【0018】
ガイドレール部11は、左右に所定ピッチで配置される仕切壁12間に形成されるガイド溝13内に、包装体1が1つずつ起立状態でセットされる。これにより、起立した包装体1は、ガイド溝13の配置ピッチで左右に並んで小端立てされた状態で待機する。ガイド溝13の前後両端は開口され、ガイド溝13内の包装体1は、ガイド溝13の伸びる方向に沿って前進移動可能になる。
【0019】
受取部20は、平面視が四角形状で、ガイドレール部11側の一辺側が開口した箱状で、その一辺側の開口部側から起立した姿勢の包装体1が受取部20内に進入し供給されるように構成する。そして開口部側から見てそれぞれ左側に第1側壁部21、奥側に第2側壁部22、右側に第3側壁部23を有する。さらに、包装体1の受取面となる底面は、山谷が連続する凹凸面となる。この凹凸面は、第1側壁部21側から順に傾斜角度が緩やかな登り斜面の第1傾斜面部25と傾斜角度が急な下り斜面の第2傾斜面部26を交互に配置し、第3側壁部23側に設けた第2傾斜面部26の下端と第3側壁部23の間は、傾斜角度が緩やかな登り斜面の第3傾斜面部27を配置して形状に構成する。そして、本実施形態では、第1傾斜面部25と第3傾斜面部27の傾斜角度は等しくしている。
【0020】
また、一組の第1傾斜面部25と第2傾斜面部26の配置ピッチは、ガイドレール部11のガイド溝13の配置ピッチと等しくし、各ガイド溝13が、凹凸面の各谷部すなわち隣接する第2傾斜面部26の下端と第1傾斜面部25の下端の接続部分に対向するように構成する。
【0021】
さらに、ガイドレール部11の受取部20の設置位置と反対側には、プッシャー部材28を配置する。このプッシャー部材28は、左右に隣接する各ガイド溝13内に進入可能な部位28aを有し、当該部位28aがガイド溝13内に進入し、ガイド溝13内に起立配置する包装体1を前方に付勢し、その包装体1をガイド溝13の前方から外に押し出し、受取部20に供給可能に構成する。
【0022】
プッシャー部材28にて付勢される包装体1は、その包装体1の一部がガイド溝13内に残っている状態では、仕切壁12に案内されて真っ直ぐに起立した姿勢を維持し、受取部20に移ると、起立姿勢を保持する支えがなくなるため左右いずれかに倒れようとするが、このとき第1傾斜面部25は急峻に切り立っていることもあり、包装体1は傾斜角度が緩やかな第2傾斜面部26並びに第3傾斜面部27側に倒れる。そして、プッシャー部材28により一括して押し出される複数の包装体1のうち押し出し方向の右端にある包装体1は、第3傾斜面部27の上に倒れ、その広い部位で第3傾斜面部27に支持され、安定した傾斜姿勢をとる。また、その他の第2傾斜面部26側に倒れた包装体1はその第2傾斜面部26と倒れた側に隣接する傾斜姿勢の包装体1に支持され、安定した傾斜姿勢をとる。このようにして、プッシャー部材28で押し出された複数の包装体1からなる集積品2は、一方向に倒れるとともに、各製品の一部分が重なるサシミ状の姿勢となる。
【0023】
吸着ヘッド30は、中空のボックス状からなり、その下面側に設けられる吸着面31が、平面部32とその平面部32の一方の端に斜め下方に折れ曲がった傾斜部33とを備える。そして、平面部32と傾斜部33には、長手方向に延びるスリット状の吸引口35が設けられる。吸引口35は、長辺側の一対の側壁37側にそれぞれ設け、合計2件備える。
【0024】
本実施形態では、吸引口35は、平面部32から傾斜部33に渡るように連続したスリット状にしているが、平面部32と傾斜部33で分けて形成してもよい。また、図示の例では、傾斜部33には、その上端部位から下端付近まで形成しているが、必ずしも図示のように上下方向の全長に渡り設ける必要は無く、一部分でもよい。一部分の場合、上端側に設けるとよく、より好ましくは、実施形態のように平面部32との境界の上端まで設けるとよく、さらに平面部32に設けた吸引口35と繋がるとよい。
【0025】
また、吸着ヘッド30の上面38の所定位置には開口部36が設けられ、図示省略する所定の配管部の一端側が接続される。また、その配管部の他端側は吸引手段に連携される。これにより、吸引手段により吸着ヘッド30のボックス内の空気が吸引されると、吸着面31の外部付近の空気は、吸引口35から吸着ヘッド30の内部に吸い込まれる。このとき、吸着面31付近に包装体1が存在すると、包装体1が吸引口35に吸着され、吸着ヘッド30に吸着保持される。
【0026】
また、吸着ヘッド30は、例えばロボットアームの先端に取り付けられ、受取部20と、待機中の箱体3の間を往復移動する。そして、例えば受取部20の上方位置において、傾斜部33を第1側壁部21側に位置させ、平面部32が第2側壁部22と平行な方向に延びるようにする。さらに、傾斜部33は、第1側壁部21側で傾斜姿勢をとる包装体1に対向し、平面部32は集積品2の上方に対向するように、吸着ヘッド30を位置させる。このとき、平面部32と傾斜部33の境界部位が、集積品2を構成する複数の包装体1のうち第1側壁部21側に位置する包装体1の上端側部位1aが位置するようにロボットアームが吸着ヘッド30の位置を調整する。そして、その状態で吸着ヘッド30を下降移動し、吸着面31を集積品2の所定部位に接触させる(図9(a)参照)。
【0027】
この状態で吸引すると、吸引口35に接する包装体1のフィルム部位が吸着される。さらに、図9(a)では、傾斜姿勢の包装体1の上端側部位1a並びにその周辺のフィルム部位と、平面部32に設けられた吸引口35との間には、所定の隙間が形成されフィルム部位は平面部32から離反しているが、その隙間に存在する空気が吸着ヘッド30のボックス内に吸い込まれるのに伴い当該フィルム部位も吸引され、フィルムが変形して吸引口35に吸着される。これにより、吸引口35は、その全体が包装体1のフィルムにより塞がれ包装体1が吸着保持される。
【0028】
次いで、上述したように受取部20において一方向に倒れることでサシミ状になった集積品2を、一番上の包装体1の上面1bを傾斜部33で吸着するとともに、平面部32で各包装体1の上端側部位1aを吸着した状態のままロボットアームにより吸着ヘッド30を上昇移動して集積品2を受取部20からピックアップする(図9(b)参照)。なお、図9(b)では図示の便宜上、包装体1の上端側部位1aのフィルム部位が吸着面31から離反しているが実際にはフィルム部位が適宜変形して吸着面31に密着する。
【0029】
このとき、集積品2を構成する斜めに半ずらししながら重ねられた一番上の包装体1は、その上面1bが傾斜部33に設けた吸引口35により吸着されることで傾斜した姿勢で吸着保持される。また、その他の包装体1は、その上端を基準に上面1b側が平面部32に設けた吸引口35に吸着されるため、傾斜部33に吸着された包装体1と同じ方向に傾いた姿勢で吸着することができ、もって、集積品2を構成する複数の包装体1の全体を同一方向に傾斜姿勢でピックアップ可能となる。そして、その傾斜角度は、受取部20に置かれた際の傾斜角度に対応した角度となり、集積品2は受取部20内におけるサシミ状に対応する姿勢で吸着ヘッド30に吸着保持される。
【0030】
また、吸引口35は、スリット状に連続しているため、複数の包装体1を一括して吸着することができ、個々の包装体1の位置に合わせる必要も無く、構成が簡易となる。更にスリット状にすることで、個々の包装体1の上端側の上面を多く吸着することで、複数の包装体1を同一方向に傾斜した姿勢で安定して保持することができる。
【0031】
その後、ロボットアームが吸着ヘッド30を箱体3の上に移動させるとともに下降移動させることで、サシミ状の集積品2をその姿勢を維持したまま箱体3内に位置させる(図9(c))。そして、吸着ヘッド30による吸引を解除すると、集積品2は、同一方向に傾斜したサシミ状の姿勢で箱体3内に供給される。
【0032】
このようにして、ガイドレール部11内の包装体1をプッシャー部材28で押し出して受取部20に移し替えることで包装体1を起立状態で並べた集積品2を簡単にサシミ状にすることができ、受取部20内でサシミ状の状態の集積品2を吸着ヘッド30で一括して吸着保持して箱体3に供給することができる。
【0033】
また、ガイドレール部11の各ガイド溝13内に、包装体1を起立姿勢でセットするための装置・機器は、例えば、ガイドレール部11の上方から落下供給する経路を備える供給装置としたり、例えばガイドレール部11の後方開口部側に、ガイドレール部11のガイド溝13の配置方向と平行な方向に製品を搬送する搬送装置を配置し、例えばその搬送装置を一時停止させ、複数個の製品を各ガイド溝13内に移し替えるようにしたりするとよい。
【0034】
また、ガイドレール部11に換えて間欠駆動するバケットコンベアを設けるとよい。この場合のバケットコンベアは、前後に所定ピッチで配置される仕切壁間に形成されるバケット内に、製品を1つずつ起立状態でセットする。これにより、起立した製品は、バケットの配置ピッチで前後に並んで小端立てされた状態で、搬送装置の間欠駆動に合わせて前進移動する。バケットの配置ピッチ(バケットコンベアで搬送される前後の製品の配置ピッチ)は、受取部20の第1傾斜面部25・第2傾斜面部26の配置ピッチと等しくし、バケットコンベアを一時停止した際に、第2傾斜面部26の下端と第1傾斜面部25の下端の接続部分に対向するように構成する。そして、例えば上述した実施形態と同様に、プッシャー部材28により前後のバケットに位置している製品を一括して受取部20側に押し出し供給するように構成するとよい。
【0035】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0036】
1 :包装体
1a :上端側部位
1b :上面
2 :集積品
3 :箱体
10 :製品供給装置
11 :ガイドレール部
12 :仕切壁
13 :ガイド溝
20 :受取部
25 :第1傾斜面部
26 :第2傾斜面部
27 :第3傾斜面部
28 :プッシャー部材
30 :吸着ヘッド
31 :吸着面
32 :平面部
33 :傾斜部
35 :吸引口(第1吸引口、第2吸引口)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9