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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048808
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154921
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小林 邦昭
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮本 彰
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 睦
(72)【発明者】
【氏名】足立 隆宏
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA04
2C088CA09
(57)【要約】
【課題】営業開始時に有利となるような遊技性を備えた遊技機を適切に管理可能とする。
【解決手段】遊技場の営業開始後の最初に発生した特賞に対応する初回特賞期間における初回情報(例えば初回TS、初回TY及び初回投資額)を、他の遊技情報と区別して管理する。営業開始時に有利となるような遊技性を備えた遊技機を適切に管理可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態から大当りを介さずに特別状態を発生可能であって、当該特別状態が予め設定される初期化条件の成立に応じて発生し易くなる場合のある遊技機を管理対象に含む遊技場用システムであって、
遊技機側から出力される遊技信号により遊技情報を特定可能な遊技情報特定手段と、
通常状態から大当り、或いは特別状態が発生した場合に特賞の発生を特定する特賞特定手段と、
遊技場の営業開始後の最初に発生した前記特賞に対応する初回特賞期間における初回情報を他の遊技情報と区別して管理する遊技情報管理手段と、を備えた遊技場用システム。
【請求項2】
前記初回特賞期間以外の遊技期間における遊技情報であって、前記初回情報に含まれる少なくとも1つの遊技情報項目と同項目の遊技情報を、前記初回情報と比較可能に出力する出力手段を備えた請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
遊技機における前記初期化条件の成立を判定する初期化条件判定手段を備え、
前記遊技情報管理手段は、前記初回情報を前記初期化条件判定手段の判定結果により区別して管理する請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
設定手段を備え、
前記遊技情報管理手段は、初回情報以外の遊技情報を前記初期化条件判定手段の判定結果により区別して管理可能であり、
前記設定手段は、前記初期化条件判定手段の判定結果により遊技情報を区別して管理するか否かを、遊技機単位及び機種単位のうち少なくとも何れかにより設定可能である請求項3に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
所定の履歴条件が成立した場合に、遊技情報を区分して特定することで履歴情報を特定する履歴情報特定手段と、
前記履歴情報の内、前記初回特賞期間における遊技情報を初回情報として抽出する初回情報抽出手段と、を備え、
前記遊技情報管理手段は、前記初回情報抽出手段により抽出された初回情報を管理する請求項1から4の何れか一項に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設けられる例えばパチンコ遊技機のような遊技機には様々な機能が搭載されており、そのような機能に対応すべく例えば特許文献1では所謂天井時短を判定して管理する遊技用装置が提案されている。近年ではこのような天井時短だけでなく、大当り抽選同様の抽選処理を行い、当選した際に発生する所謂突時と呼ばれる突然時短の機能を備えた遊技機も見受けられる。そして、時短状態として、例えば始動口の入賞率が通常状態よりも向上する遊技者にとって有利な第1時短と、当該第1時短より始動口の入賞率が向上せず遊技者にとって不利な第2時短とを振分けるだけでなく、時短中に突時の抽選を行わないといった遊技機も登場しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-145729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機を管理対象とした場合、第2時短よりも通常状態の方が突時の抽選を行う分だけ有利になることが想定されるが、閉店中にRAMクリアすれば通常状態に戻すことも可能となる。即ち、RAMクリアした営業開始後は遊技者にとって有利であり、営業開始後の大当りの発生状況に影響を及ぼす場合があるので、このような影響を把握したいとのニーズも生じ得る。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、営業開始時に有利となるような遊技性を備えた遊技機を適切に管理可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、通常状態から大当りを介さずに特別状態(例えば時短状態)を発生可能であって、当該特別状態が予め設定される初期化条件の成立(例えばRAMクリア)に応じて発生し易くなる場合のある遊技機を管理対象に含む遊技場用システムであって、遊技機側から出力される遊技信号により遊技情報を特定可能な遊技情報特定手段(例えば管理装置6)と、通常状態から大当り、或いは特別状態が発生した場合に特賞の発生を特定する特賞特定手段(例えば管理装置6)と、遊技場の営業開始後の最初に発生した前記特賞に対応する初回特賞期間(例えば1回目の特賞)における初回情報(例えば初回TS、初回TY及び初回投資額)を他の遊技情報と区別して管理する遊技情報管理手段(例えば管理装置6)と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、初回特賞期間における初回情報を他の遊技情報と区別して管理するようにしたので、営業開始時に有利となるような遊技性を備えた遊技機を適切に管理可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの構成を示す概略図
図2】遊技機及び遊技装置の正面図
図3】遊技機の状態推移を示す図
図4】始動口について大当りが発生した場合の振分を説明する図
図5】素データ一覧(機種A)を示す図
図6】遊技情報集計(機種A)を示す図
図7】大当り履歴を示す図
図8】台単位R別帳票を示す図
図9】機種単位R別帳票を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を示し、遊技場内において、遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6(遊技情報特定手段、特賞特定手段、遊技情報管理手段、出力手段、初期化条件判定手段、設定手段、履歴情報特定手段、初回情報抽出手段に相当する)と接続されている。管理装置6は、遊技機1における遊技状況を示す遊技情報を受信して遊技機1毎に遊技情報を管理する。遊技機1における遊技情報は、遊技機1側から遊技装置2、中継装置4を順次経由して管理装置6にて受信される。一方、管理装置6において管理される各種設定情報は、管理装置6側から中継装置4を経由して遊技装置2にて受信される。遊技場内には、景品交換端末(以下、POSと称する)7や、精算機(図示せず)等も設置されており、POS7や精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0010】
POS7は、遊技装置2で発行された会員カードや一般カードといったICカード8がカード挿入口に挿入されると、挿入されたICカード8を受付けて当該ICカード8により特定される持玉や貯玉等の遊技価値に基づいて景品交換処理を行う。POS7は、景品交換処理を行う場合、遊技者が獲得した持玉や持メダルをICカード8から読取ったり、景品交換を希望する会員を特定して当該会員としての遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯玉、貯メダル)を管理装置6からオンラインで取得したりすることで、景品交換可能な遊技価値を特定する。
【0011】
精算機は、ICカード8がカード挿入口に挿入されると、挿入されたICカード8を受付けて当該ICカード8により特定される入金残高(貨幣価値、以下「残高」と称する)をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った残高に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。又、精算機は、紙幣が紙幣投入口に投入されると、投入金額を、ICカード8に記録されている残高に加算可能となっている。ICカード8としての会員カードと一般カードは、遊技価値と貨幣価値とのうち少なくとも一方である有価価値を特定可能な記録媒体である。一般カードは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体であり、会員カードは、予め会員登録を行った会員に対して発行される会員記録媒体である。
【0012】
管理装置6は、例えば遊技場内の事務室等に設置された管理手段であり、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、プリンタ(図示せず)等を備える。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。
【0013】
管理装置6において、制御主体となる制御部には、上記したキーボード9、モニタ10、プリンタ等が接続されると共に、遊技機1側(遊技機1や遊技装置2)等との間で各種信号を送受信する送受信部等が接続される。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内に設置された遊技機1、遊技装置2、POS7、精算機等の稼動状況を管理する。
【0014】
遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値である遊技玉が増減される。
【0015】
遊技機1は、遊技者が所有する残高、持玉(獲得価値)、貯玉(獲得価値)を換算した遊技玉(獲得価値)を記憶及び管理し、その機内の記憶部に記憶している遊技玉(遊技価値)が残っていることを条件として内部の循環パチンコ玉(単に「玉」とも称する)を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ上の遊技玉として加算する(入賞付与処理)等して遊技状態を管理する。
【0016】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面11、発射装置を構成する操作ハンドル12、残高を遊技玉に換算するための貸出釦13、会員カードや一般カードを発行するための返却釦14、残高を表示する残高表示部15、遊技玉を持玉に換算するための計数釦16、遊技玉の玉数を表示する遊技玉表示部17を有する。盤面11には、普図表示部18、第1特図表示部19、第2特図表示部20、特図保留表示部21、図柄表示部(液晶表示装置)22、通過ゲート23、第1始動口24、第2始動口(可変始動入賞装置)25、第1大入賞口(第1大入賞装置)26、第2大入賞口(第2大入賞装置)27、V入賞口28が設けられている。又、計数釦16及び遊技玉表示部17の下方には、装飾用パネル29が設けられている。
【0017】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口24は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ)で第1特図表示に対応し、第2始動口25は入賞率が変動する可変始動入賞装置(所謂電チュー)で第2特図表示部に対応する。第1始動口24、又は第2始動口への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を図柄表示部22にて行う図柄変動でも報知し、その変動結果に応じて大当りや小当りとなる。
【0018】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0019】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は通常遊技状態(通常状態、通常)が1/100であり、所謂確率変動状態には移行しないが、第2始動口25の入賞条件が向上する時短状態になると、第2大入賞口27を開放する小当り確率が上昇する(例えば1/200→1/1)ので、小当りに応じて第2大入賞口27が開放し(開放期間2秒)、V入賞口28へ入賞(V入賞)すれば大当りとなる。つまり、時短状態では第2大入賞口27に入賞しない可能性はあるものの始動入賞すれば略大当りとなるので、大当り確率は1/1に近い状態となり、大当り確率が向上する。
【0020】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ第1大入賞口26を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数、又は上限開放期間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選されるが、詳細は後述する。入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口24よりも第2始動口25の方が高く設定される。
【0021】
(5)第2始動口25は普図入賞口への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短では3秒となる。又、開放期間は通常では0.3秒であり、時短では5秒となる。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなることで第2始動口25の入賞率が高くなる。尚、普図の当選確率を時短中に向上させても良い。
【0022】
(6)時短状態は2種類あり、上述した入賞率が向上する実時短と、入賞率が向上しない微時短とがある。ここで、微時短は実時短と同様に普図の変動時間は短縮するものの、第2始動口25の開放期間は実時短程には向上せず通常と同様に0.3秒であることから入賞率が向上しない(実時短程に向上しなければ例えば0.4秒といった多少向上しても良い)。又、大当り後は通常、実時短、微時短の何れかに振分けられるが、詳細は後述する。
【0023】
(7)以下の説明において区別なく時短とした場合は実時短を示し、微時短は入賞率が向上しないことから便宜的に通常状態と示す。
【0024】
(8)第1始動口24、又は第2始動口25に入賞した場合、大当り抽選とは別に時短抽選(当選率1/200)を行い、当選した場合は100回の実時短となる突然時短(突時)を発生可能であるが、この時短抽選は実時短や微時短では行わない。つまり、微時短は第2始動口25の入賞率が向上しないだけでなく時短抽選も行わないことから通常よりも不利となるので、微時短ではない通常を以下、Cタイムとして通常を微時短とで区別して説明する。
【0025】
(9)Cタイムは大当りや突時が発生するまで継続するが、所定回数の図柄変動を行うまで継続するようにしても良く、例えば固定回数(例えば32回)としても良いし、時短が継続する図柄変動数のように振分けても良い。この場合、所定回数の図柄変動数として1営業日では消化できない程度の回数(例えば10000回)として実質的に大当りや突時が発生するまで継続させても良い。
【0026】
(10)Cタイムとなる条件として本実施形態では以下の3つを例示する。即ち、大当りや時短が終了して通常状態に戻った場合と、遊技機1のRAMクリア(初期化)を行った場合と、上記の微時短も含めた突時が終了した場合とである。この場合、何れかの場合で例えば突時が発生した場合の図柄変動数について、振分け候補となる回数を異なる値としたり、何れかは固定値とするがそれ以外は上記のように振分けたりすることや、時短抽選の当選確率を何れかは1/30とするがそれ以外は1/100とするといったように少なくとも一部の場合について異なる構成としても良いし、同一の構成としても良いが、本実施形態では説明簡略化のため後者にて例示する。勿論、Cタイムとなる条件として他の条件を採用しても良い。
【0027】
遊技機1の状態遷移について図3を参照して説明する。遊技機1は、大当り以外の何れかの状態(実時短、Cタイム、微時短)にて大当りに当選すると当該状態を終了して大当りとなる。大当り後はCタイム、実時短、或いは微時短となり、実時短、或いは微時短は規定の図柄変動数を消化すると終了してCタイムとなる。Cタイムは実時短、又は微時短の何れかに当選するまで継続し、何れかに当選すると対応する状態となる。尚、実時短、微時短では突時抽選を行わないので、例えば微時短から実時短への推移や実時短から微時短への推移は行わない。何れの状態においてもRAMクリアすればCタイムとなるので、RAMクリアした上での営業開始時にはCタイムとなる。
【0028】
遊技機1は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口24,25への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示すデータ項目を出力する。
「アウト」=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示すデータ項目である。
セーフ=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示すデータ項目である。
S入賞(回数)=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示すデータ項目である。
【0029】
スタート(回数)=前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(図柄表示部22)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示すデータ項目である。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
【0030】
大当り(回数)=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示すデータ項目である。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
大当り(状態)=データ送信時に大当り状態の発生中であればオン、大当り状態の発生中でなければオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が大当り中として特定される。
【0031】
甘中(状態)=データ送信時に、特別状態中(甘中)、或いは大当り状態の発生中であればオン、それ以外であればオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が甘中、或いは大当り中として特定される。例えば甘中(状態)がオンの場合、大当り(状態)がオンであれば大当り中、オフであれば甘中と特定される。又、甘中は上記した時短や確変といった特別状態が対応する。大当り中には必ずしもオンにならないとも良い。尚、大当り(状態)と甘中(状態)の何れもオフであれば通常状態と特定する。大当り、或いは甘中である状態を特賞中とする。尚、微時短中にはオンとならない。
【0032】
上記のデータ項目を特定可能な電文のようなデータ信号が遊技機1から遊技装置へ所定期間(300ms)単位で送信される。上記は本実施形態に関係する情報のみを例示しているが、他に遊技玉数や不正情報等も出力対象となる。本実施形態ではCモードや時短を直接的に特定可能な状態信号が出力されない(データ項目に含まれない)遊技機1を例示するが、そのような遊技機1を対象として状態信号により遊技状態を特定しても勿論良い。
【0033】
次に、遊技性について説明する
(1)大当りが発生した場合のRの振分について説明する。図4に示すように、対応するラウンドは、発生した大当りが何れの始動口24,25(特図)により発生したかのような大当りの種類により振分けられ、その振分率は、第1始動口24の場合は、3Rが100%であり、9Rが0%であるが、第2始動口25の場合は、3Rが75%であり、9Rが25%である。
【0034】
(2)大当り後は、大当りの種類と、大当り発生時に実時短や微時短であるか、通常(Cタイム)であるかといった遊技状況に応じて、通常、実時短、微時短の何れかに振分けられる。即ち、大当り発生時に通常である場合、第1始動口24による大当りであれば、75%(No.1,3)で100回の実時短となり、25%(No.2)で通常に戻り、第2始動口25による大当りであれば、75%(No.1,2)で100回の実時短となり、25%(No.3)で100回の微時短となるが、実質的に通常では第2始動口25が開放し難く入賞困難なため、第1始動口24を狙った遊技が行われることから第2始動口25による大当りは略見込まれない。
【0035】
(3)大当り発生時に実時短や微時短である場合、第1始動口24による大当りであれば、20%(No.1)で100回の実時短となり、80%(No.2,3)で50回の微時短となり、第2始動口25による大当りであれば、9Rの大当り後は25%の内100%で(No.1)で100回の実時短となり、3Rの大当り後は75%の内50%(No.2)が100回の実時短となり、25%(No.3)が100回の微時短となる。ここで、上記した通り実時短となれば略大当りとなるため、実時短となった場合、即ち、大当りが終了した場合に次の大当りとなる連荘の期待度(継続率)は、通常では主に第1始動口24による大当りとなるので75%(No.1,3)、実時短では主に第2始動口25による大当りとなるので75%(No.1,2)、微時短では主に第1始動口24による大当りとなるので20%(No.1)となる。
【0036】
(4)一方で、連荘とならなかった場合、通常では100%(連荘しない25%の全て(No.2))で通常に戻り、実時短では100%(連荘しない25%の全て(No.3))で微時短となり、微時短では100%(連荘しない80%の全て(No.2,3))で微時短となる。又、上記した例えば100回の実時短とは100回の図柄変動を消化するまで実時短が継続し、その後、通常となる旨を示すが、大当りが発生すれば実時短を終了して大当りとなる。微時短も同様である。
【0037】
(5)遊技性について補足説明する。まず、実時短となった場合には略大当りとなるから、Cタイム中では本来の大当りとなる確率である1/100と突時抽選により実時短となる確率である1/200とを合計した3/200、即ち、1/66.6が大当り確率となり、連荘率も75%となり連荘が期待できる。つまり、Cタイム中に発生した大当りで連荘とならず1回の大当りで特賞(大当りや実時短が発生してから通常(Cタイムや微時短)に戻るまでの状態)が終了する所謂単発後は大当りや連荘が発生し易い状態となる。
【0038】
(6)一方で、微時短では突時抽選が行われないことから大当り確率は本来の1/100のままであり、連荘率も20%とCタイム中よりも不利となる。又、連荘中は第2始動口25のNo.1,2の大当りが発生する限り連荘するが、連荘が終了するNo.3の大当りが発生すると、微時短になることから大当りも連荘も発生し難くなる。
【0039】
(7)つまり、閉店中等にRAMクリアした場合、Cタイムとなることから1回目の特賞は上記単発後と同様に大当りや連荘が発生し易い非常に出率の期待値が高い状態となる。一方で、当該特賞の終了後の2回目の特賞は連荘終了後となり微時短となる期待値が高いことから出率の期待値が低い状態となる。
【0040】
(8)2回目の特賞後の3回目の特賞は、微時短中に発生する場合もあれば微時短が終了してCタイムとなる期待値が2回目の特賞よりも高いことから1回目程ではないが2回目よりも出率の期待値が高くなることが見込まれる。4回目以降の特賞は、1回目でRAMクリアした影響が収束し、出率の期待値も収束することが見込まれる。
【0041】
(9)以上、所謂1種2種混合機を例示したが、大当り確率が向上する確変機能を設けた遊技機や、設定回数以上の図柄変動を行っても大当りが発生していない場合に実時短を発生する所謂天井時短機能を備えるといった機種も管理対象としている。又、確変機能を設けた場合は本実施形態では1/1としている特別状態中の大当り確率を適宜確変中の大当り確率により設定して調整すれば良い。
【0042】
遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態(エラー状態等)を示す状態表示灯30、貨幣(例えば紙幣)が投入される貨幣投入口31、遊技者からの操作入力を受付けると共に後述する各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部32、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための遊技釦33、会員カード、或いは一般カードが挿入されるカード挿入口34、従業員が携帯して操作するリモコン35(図1参照)からの信号を受信するリモコン受光部36を有する。又、遊技装置2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ(図示せず)も有する。
【0043】
遊技装置2は、以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13の押下(貸出操作、付与操作)が行われると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技玉(対価付与価値)に変換し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レートと称する)に応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0044】
(2)持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦33の押下(再プレイ操作、付与操作)に応じて払出1単位分の持玉を遊技玉に変換する変換処理(対価付与処理)を行う。この場合、変換率を別途設けても良いが、本実施形態では1:1としている(以下の計数処理についても同様)。
【0045】
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦16の押下(計数操作)に応じて遊技玉を持玉へ変換する計数処理を行う。この場合、1回の押下に応じて1玉を換算対象とするが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下する等の発行操作を行うと、その残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する(発行処理)。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
【0046】
(4)発行処理は遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数「0」以下となることで発行条件が成立して発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば300ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になると、その旨が遊技装置2へ通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。遊技機1から遊技玉数を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉が「0」になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用しても良い。
【0047】
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOSにて景品との交換が許容され、残高は精算機にて貨幣に精算可能とする。尚、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金を例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。又、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話機等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論良い。
【0048】
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、換算(変換)玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券(カード8b)の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、遊技機1との通信は、中継装置4を介さずに遊技機1と直接通信しても良いし、中継装置4を介して遊技機1と通信しても良い。
【0049】
管理装置6は、従来と同様に図5に示す素データと、その素データ(実績情報)に基づく集計情報(実績情報)とを、図6に示すように、遊技機単位で集計する。図5に示す素データ一覧の項目は以下の通りである。尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均である。
アウト=データ項目「アウト」にて説明した通り遊技機1にて消費された遊技価値を示す。
セーフ=データ項目「セーフ」にて説明した通り遊技機1への入賞に応じて付与された遊技価値を示す。
【0050】
スタート=データ項目「スタート」にて説明した通り遊技機1における役物の作動回数を示す。尚、以下も含め「甘中」とは時短などの特別状態期間に対応した遊技情報を示す。
売上玉=対応する遊技装置2から送信される遊技信号により特定可能な当該遊技装置2にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)を示す。
大当り数=データ項目「大当り」にて説明した通り特定される大当り数を示す。「特定」は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば~500)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りの発生回数を示す。「特定外」は「特定」以外の大当り数であり、「合計」は全大当り数を示す。
【0051】
Tアウト=T(特賞)中(大当り中及び甘中)のアウトを示す。
Tセーフ=T(特賞)中(大当り中及び甘中)のセーフを示す。
T1アウト=T1中(大当り中)のアウトを示す。
T1セーフ=T1中(大当り中)のセーフを示す。
特T1アウト=特定大当りのみを対象としたT1中のアウトを示す。
特T1セーフ=特定大当りのみを対象としたT1中のセーフを示す。
【0052】
本実施形態では、説明の都合上、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。尚、遊技者が当該営業日に獲得した獲得玉を払戻す再プレイ玉は売上玉に含める必要はない。
【0053】
図6に示す遊技情報集計(機種A)の項目は以下の通りである。尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均を示し、図6「合計」の対応値を示す。
【0054】
ベース=状態(通常時、甘中)別の出率を示し、通常はBセーフ÷BO、甘中はBセーフA÷BOAにて特定する。以下も含め通常中のアウトを示すBOはアウト-Tアウト、通常中のセーフを示すBセーフはセーフ-Tセーフ、甘中のアウトを示すBOAはTアウト-T1アウト、甘中のセーフを示すBセーフAはTセーフ-T1セーフにて特定しているが、BO、Bセーフ、BOA、BセーフAを素データとして求めても良い。尚、以下では通常中のベースを単にベース、甘中のベースをBAとも言う。
【0055】
平均S=状態別のアウトに対する図柄変動数の割合を示す。平均Sは通常(甘中)スタート÷BO(BOA)にて特定する。尚、以下では通常中の平均SをS、甘中の平均SをSAとも言う。
T1Y=平均大当り中出玉数を示し、(T1セーフ-T1アウト)÷合計大当り数にて特定する。
T1O=平均大当り中アウトを示し、T1アウト÷合計大当り数にて特定する。
特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yを示し、(特T1セーフ-特T1アウト)÷特定大当り数にて特定する。
特T1O=特定大当りを対象としたT1Oを示し、特T1アウト÷特定大当り数にて特定する。
出率=出率はアウトに対するセーフの割合(払出率、付与率)を示し、セーフ÷アウトにて特定する。
Bサ=通常時の差玉数を示し、BO-Bセーフにて特定する。
客滞率=売上玉に対するBサの割合を示し、Bサ÷売上玉にて特定する。
【0056】
粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益を示し、売上額-獲得玉×貸単価×原価率にて特定する。尚、獲得玉(獲得価値)は売上玉+セーフ-アウトにて特定し、売上額は売上玉×貸単価にて特定する。貸単価は4円、原価率は90.9%にて演算している。
玉単価=アウト1当りの売上額を示し、売上額÷アウトにて特定する。
玉粗利=アウト1当りの粗利を示し、粗利÷アウトにて特定する。
営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合を示し、獲得玉÷売上玉にて特定する。
【0057】
管理装置6は、図7に示す大当りや特別状態の発生に応じて履歴情報を作成する大当り履歴を管理可能であり、大当り履歴の項目は以下の通りである。尚、管理装置6は、図7に示す大当り履歴に代えて、或いは加えて、1分毎の履歴情報、遊技情報の更新毎の履歴情報等の履歴情報を管理対象としても良い。
【0058】
特賞=時短のような特別状態は甘モードを示す「A」を記録し、対象レコードを例えば赤色にて表示する等して識別表示する(図7では識別表示をハッチングにて示す)。
発生時刻=レコードに対応した時刻であり、大当りや特別状態が発生した時刻を示す。
BO=通常状態や特別状態におけるBO(アウト)を示す。
Bサ=通常状態や特別状態におけるBサを示す。
スタート=通常状態や特別状態におけるスタートを示す。
T1Y、T1O=大当り中の出玉数(T1Y)と大当り中のアウト(T1O)で記録されていないレコードは大当りが発生していない。又、NOは大当りが発生したレコードに記録される。
MY=遊技者の獲得玉を示し、T1Y-Bサにて特定するが、マイナスはカウントしないので、例えばNO.1のBサは除外される。
特賞間売上=売上額を示す。
【0059】
管理装置6は、1回目の特賞に対応した期間(特賞発生時からだけでなく特賞発生前も含む期間、初回特賞期間に相当する)を対象とした遊技情報として初回TS、初回TY及び初回投資額(何れも初回情報に相当する)を、図7に示す大当り履歴より抽出する。特賞は通常状態(Cタイムや微時短)にて大当りや突時が発生してから再び通常状態に戻るまでを示す状態を示す。例えば図7の場合、NO.3にて通常状態に戻っているので、NO.1、NO.2(3レコード目も含む)が対象となる。
【0060】
初回TSは、NO.1のスタート「68」となる。即ち、1回目の特賞が発生するまでの平均スタートとなるので、このようなスタートを抽出した平均値となる。勿論、1営業日、1遊技機であれば抽出した値、そのものとなる。以下に示す他の初回情報も同様である。
【0061】
初回TYは、特賞中の差玉となるので、NO.1のT1Y「460」、NO.2のT1Y「450」、NO.2のBサ「-320」、NO.3のBサ「30」の統合値であるが、Bサはアウト-セーフなので、セーフ-アウトであるTYに対応するように減算する。即ち、460+450-(-320+30)=1200となる。
初回投資額は、NO.1、NO.2に対応した特賞間売上なので、NO.1の特賞間売上「4000」となる。以上の通り、図7に示した大当り履歴から初回TSは「68」、初回TYは「1200」、初回投資額は「4000」を抽出することができる。
【0062】
管理装置6は、遊技機1から出力される信号、或いは操作入力等の入力により、遊技機単位でRAMクリアしたか否かを特定可能であり(入力は何れか1つとしても良いし、複数としても良いし、これらを設定可能としても良い)、図8のように遊技機単位で、或いは図9のように機種単位、或いは遊技場単位(全店)でRAMクリアの有無に応じて区別して遊技情報を管理する。即ち、「R」欄が「無」ならRAMクリア無、「R」ならRAMクリア有、「平均」は両者の統合値(平均値を例示しているが合計値のような他の統合値を採用しても良い)を示す。
【0063】
図8及び図9は、共に対象となる期間を30日と指定しているので、台数には述べ台数が示される。例えば図8は遊技機単位なので対象となる営業日がそのまま台数として示される一方、図9は機種単位なので対象となる営業日と遊技機数に応じた値(例えば無であれば図8の1番台の16台と2番台の10台とを合計した26台が対象となる)が示される。
【0064】
各項目は例えば図5から図7に示した項目から任意に選択可能であり、図7の大当り履歴にて説明した初回情報も選択候補に含まれる。又、機種単位でRAMクリアの有無に応じて遊技情報を区別するかを予め設定可能であり、例えば図9では機種Aは区別して管理する一方、機種Bは区別せずに管理するように設定されているため、機種Bは「無」だけで「R」や「平均」を設けない。又、例えば特定の遊技機、或いは機種はRAMクリアしないといった運用に対応するよう遊技機単位で設定可能としても良いし、RAMクリアによりCタイムとなる機種を対象として区別しないように設定することを可能としても良い。
【0065】
以上に説明した本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
初回特賞に対応した初回情報を他の遊技情報と区別して管理するようにしたので、営業開始時に有利となるような遊技性を備えた遊技機を適切に管理可能となる。
初回情報を、初回情報以外の遊技情報と比較可能に出力するようにしたので、初回情報がどの程度、遊技者にとって有利であるかを把握可能となる。
初回情報をRAMクリアの有無により区別して管理するようにしたので、RAMクリアすることでどの程度初回情報が遊技者にとって有利であるかを把握可能となる。
【0066】
初回情報以外の遊技情報もRAMクリアの有無により区別して管理し、RAMクリアの有無により遊技情報を区別して管理するか否かを、遊技機単位や機種単位により設定するようにしたので、RAMクリアしない遊技機や機種、或いはRAMクリアにより区別して管理する必要性のない遊技機や機種について必要以上に遊技情報を複雑に管理する必要性を低減可能となる。
【0067】
履歴情報を特定可能であり、履歴情報から初回情報を抽出するようにしたので、営業中に履歴情報を特定しておけば、営業終了後においても初回情報を特定可能になること、或いは履歴情報は多くのシステムが従来から備えていることから、新たな構成の開発コストを低減した上で初回情報を導出可能となること等の効果を見込むことが可能となる。
【0068】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張するようにしても良い。
初回情報として、例示した以外に、例えば遊技者の収支額(粗利)、Tアウト、Tセーフ等のような他の情報を採用しても良い。同様に図5から図9を含め、例示した遊技情報以外の遊技情報、例えば再プレイ玉数や不正回数等の遊技情報を採用しても良い。
【0069】
初回情報と比較可能に初回情報以外の遊技情報を出力可能にする構成を例示したが、初回情報だけを対象として管理し、情報出力しても勿論良い。又、初回情報と他の遊技情報との同項目として、「売上額」を例示したが、TSやTY等を出力して例示した以外の遊技情報の項目を対象としても勿論良い。
【0070】
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外の例えば遊技媒体を払出すようなパチンコ遊技機やスロットマシン等を採用することができる。ここで、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。又、大当りの種類としてラウンドが異なることを例示したが、大当り中の出玉や差玉により大当りの種類を判定することから、例えばラウンド数が同一であっても、ラウンドの上限入賞数や上限開放期間が異なることで、その種類分けが行われることもある。
【0071】
スロットマシンを管理対象とした場合、スロットマシンには所謂天井機能が設けられる機種が多く存在することから、天井機能に応じて初回情報を管理するのは有意である。勿論、パチンコ遊技機にも所謂天井時短といった天井機能があることから、突時のような例示した以外の機種を対象として初回情報やRAMクリアの有無に応じて遊技情報を区別する本実施形態は有意である。
【0072】
RAMクリアの有無により遊技情報を区別する構成を例示したが、初回情報を管理対象とすれば必ずしもRAMクリアの有無により遊技情報を区別する必要はない。同様にRAMクリアの有無により遊技情報を区別すれば必ずしも初回情報を管理する必要はない。
【0073】
初回情報を履歴情報より抽出する構成を例示したが、営業開始時に信号入力に応じて直接的に初回情報を特定するといったように必ずしも履歴情報より抽出する必要はない。
【0074】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0075】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、遊技信号としてデータ信号を例示したがパルス信号等による信号入力としても良い。
【0076】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。又、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0077】
以上と超過についてはどちらを採用しても良く「達した」等の表現は以上となった、或いは超過したの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0078】
管理装置6が行う処理の一部、或いは全部を遊技装置2、或いは中継装置4等にて行っても良く、どのように構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0079】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(遊技情報特定手段、特賞特定手段、遊技情報管理手段、出力手段、初期化条件判定手段、設定手段、履歴情報特定手段、初回情報抽出手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9