(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004882
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/66 20060101AFI20240110BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20240110BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01R13/66
H01R12/71
H05K7/20 A
H05K7/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104760
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮條 晃
(72)【発明者】
【氏名】真下 誠
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】森口 雅勝
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
5E322
【Fターム(参考)】
5E021FA14
5E021FA16
5E021FC40
5E021MA08
5E223AB74
5E223BA01
5E223BA06
5E223BA07
5E223CD01
5E223DB09
5E223EB04
5E223EB12
5E223FA01
5E223FA10
5E223FA14
5E322AA02
5E322AA04
5E322AA11
5E322AB01
5E322AB04
5E322AB11
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】コネクタに内蔵されるICの熱を逃がしやすくする。
【解決手段】コネクタ装置1は、回路基板10と、回路基板10に設置されるコネクタ20と、を備えている。コネクタ20は、シールド電線90のシールド層91と導通可能な外導体33と、サブ基板35と、サブ基板35に実装されるIC36と、IC36の熱をシールド層91に伝える伝熱部(放熱シート61、金属板60、外導体33、サブグランド回路52)と、を有している。この構成によれば、IC36の熱を、伝熱部を介してシールド電線90のシールド層91に伝えることができるため、IC36の熱を逃がしやすい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板に設置されるコネクタと、を備え、
前記コネクタは、シールド電線のシールド層と導通可能な外導体と、サブ基板と、前記サブ基板に実装されるICと、前記ICの熱を前記シールド層に伝える伝熱部と、を有しているコネクタ装置。
【請求項2】
前記伝熱部は、前記ICの熱を前記外導体に伝える外導体用伝熱部を有し、前記外導体用伝熱部及び前記外導体を介して前記ICの熱を前記シールド層に伝える請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記外導体用伝熱部は、金属板を含む請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記外導体用伝熱部は、前記ICにおける前記サブ基板側とは反対側の面に接触する第1接触部と、前記ICとの接触位置とは異なる高さ位置において前記外導体に接触する第2接触部と、前記第1接触部と前記第2接触部とを段差状につなぐ段差部と、を有している請求項2又は請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記外導体用伝熱部は、前記サブ基板に設けられるサブグランド回路によって構成される請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記サブグランド回路は、サブ延設回路を有し、
前記外導体は、接触対象の前記サブ延設回路の延びる方向に突出する張出部を有し、
前記張出部は、前記サブ延設回路に接触する請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記外導体は、前記サブ基板に対し、前記張出部側とは反対側に配置される規制部を有している請求項6に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記伝熱部は、前記ICの熱を前記回路基板に設けられるメイングランド回路にも伝える請求項1又は請求項2に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板に設置される基板用コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のコネクタにIC(Integrated Circuit)を内蔵させる場合、ICの発熱が問題となる。
【0005】
本開示は、コネクタに内蔵されるICの熱を逃がしやすい技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタ装置は、回路基板と、前記回路基板に設置されるコネクタと、を備え、前記コネクタは、シールド電線のシールド層と導通可能な外導体と、サブ基板と、前記サブ基板に実装されるICと、前記ICの熱を前記シールド層に伝える伝熱部と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコネクタ装置によれば、コネクタに内蔵されるICの熱を逃がしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1のコネクタ装置(カバー部材除く)の平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1において、ICの熱をシールド層に伝える経路を概念的に示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態1において、ICの熱をメイングランド回路に伝える経路を概念的に示す説明図である。
【
図7】
図7は、実施形態2における回路基板、カバー部材及び取付部材の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態2において、ICの熱をシールド層に伝える経路、ICの熱をメイングランド回路に伝える経路を概念的に示す説明図である。
【
図10】
図10は、実施形態3における回路基板及び実装カバー部材の分解斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態3において、ICの熱をシールド層に伝える経路、ICの熱をメイングランド回路に伝える経路を概念的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
(1)本開示のコネクタ装置は、回路基板と、前記回路基板に設置されるコネクタと、を備え、前記コネクタは、シールド電線のシールド層と導通可能な外導体と、サブ基板と、前記サブ基板に実装されるICと、前記ICの熱を前記シールド層に伝える伝熱部と、を有している。
【0011】
この構成によれば、ICの熱を、伝熱部を介してシールド電線のシールド層に伝えることができるため、ICの熱を逃がしやすい。
【0012】
(2)前記(1)において、前記伝熱部は、前記ICの熱を前記外導体に伝える外導体用伝熱部を有し、前記外導体用伝熱部及び前記外導体を介して前記ICの熱を前記シールド層に伝えてもよい。
【0013】
この構成によれば、外導体を利用して、ICの熱をシールド層に逃がすことができる。
【0014】
(3)前記(2)において、前記外導体用伝熱部は、金属板を含んでいてもよい。
【0015】
この構成によれば、外導体用伝熱部の伝熱効率を向上させることができる。
【0016】
(4)前記(2)又は(3)において、前記外導体用伝熱部は、前記ICにおける前記サブ基板側とは反対側の面に接触する第1接触部と、前記ICとの接触位置とは異なる高さ位置において前記外導体に接触する第2接触部と、前記第1接触部と前記第2接触部とを段差状につなぐ段差部と、を有していてもよい。
【0017】
この構成によれば、ICと外導体の互いに高さ位置が異なる部位同士を、外導体用伝熱部によってつなぐことができる。
【0018】
(5)前記(2)において、前記外導体用伝熱部は、前記サブ基板に設けられるサブグランド回路によって構成されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、外導体用伝熱部の小型化を図りやすい。
【0020】
(6)前記(5)において、前記サブグランド回路は、サブ延設回路を有し、前記外導体は、接触対象の前記サブ延設回路の延びる方向に突出する張出部を有し、前記張出部は、前記サブ延設回路に接触する構成であってもよい。
【0021】
この構成によれば、外導体とサブグランド回路との接触面積を大きくしやすいため、伝熱効率を向上させやすい。
【0022】
(7)前記(6)において、前記外導体は、前記サブ基板に対し、前記張出部側とは反対側に配置される規制部を有していてもよい。
【0023】
この構成によれば、サブ基板が張出部から離れることを規制部によって規制することができるため、張出部とサブ延設回路との接触状態を維持しやすい。
【0024】
(8)前記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記伝熱部は、前記ICの熱を前記回路基板に設けられるメイングランド回路にも伝えてもよい。
【0025】
この構成によれば、ICの熱を、伝熱部を介してメイングランド回路にも逃がすことができる。
【0026】
(9)前記(8)において、前記サブ基板及び前記ICは、前記回路基板の板厚方向の一方側に配置されていてもよい。前記コネクタは、前記サブ基板及び前記ICを前記板厚方向の前記一方側から覆うように設置される導電性のカバー部材を有していてもよい。前記伝熱部は、前記ICの熱を前記カバー部材に伝えるカバー用伝熱部を有し、前記カバー用伝熱部及び前記カバー部材を介して前記ICの熱を前記メイングランド回路に伝えてもよい。
【0027】
この構成によれば、カバー部材を利用して、ICの熱をメイングランド回路に逃がすことができる。
【0028】
(10)前記(9)において、前記コネクタは、前記メイングランド回路上に実装される導電性の取付部材を有していてもよい。前記カバー部材は、前記取付部材に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0029】
この構成によれば、ICの熱を、カバー用伝熱部、カバー部材及び取付部材によってメイングランド回路に逃がすことができる。しかも、カバー部材が、回路基板に対して着脱可能となる。
【0030】
(11)前記(10)において、前記回路基板と前記サブ基板は、互いの板面が対向するように配置されていてもよい。前記サブ基板には、前記回路基板に設けられる前記メイングランド回路と対向するように配置されるサブグランド回路が設けられていてもよい。前記ICは、前記サブグランド回路に接続されていてもよい。前記サブグランド回路と前記メイングランド回路との間に導電部材が設けられていてもよい。前記導電部材は、前記サブグランド回路と前記メイングランド回路とを導通可能にしてもよい。
【0031】
この構成によれば、互いに対向するサブグランド回路とメイングランド回路とを導電部材で導通可能にするため、ICの熱をメイングランド回路に伝える伝熱経路を短くすることができる。前記(11)のコネクタ装置は、メイングランド回路の少なくとも一部とサブグランド回路の少なくとも一部とが互いに対向していてればよく、その対向する部位の間に導電部材が配置される構成であればよい。つまり、前記(11)のコネクタ装置は、メイングランド回路の全体とサブグランド回路の全体が対向する構成であってもよいし、メイングランド回路の全体とサブグランド回路の一部のみとが対向する構成であってもよいし、メイングランド回路の一部のみとサブグランド回路の全体とが対向する構成であってもよいし、メイングランド回路の一部のみとサブグランド回路の一部のみとが対向する構成であってもよい。
【0032】
(12)前記(11)において、前記コネクタは、前記回路基板に実装され、前記サブ基板を保持する実装部を有していてもよい。前記導電部材は、前記回路基板と前記サブ基板を互いの板面が対向する方向に互いに離間させるように付勢してもよい。
【0033】
この構成によれば、サブ基板が実装部によって回路基板から離れないように保持されつつ、導電部材が回路基板のメイングランド回路とサブ基板のサブグランド回路とに押圧されるため、導電部材とサブグランド回路及びメイングランド回路との接触状態が安定しやすい。
【0034】
(13)前記(8)において、前記コネクタは、前記サブ基板及び前記ICを覆い前記メイングランド回路上に実装される導電性の実装カバー部材を有していてもよい。前記伝熱部は、前記ICの熱を前記実装カバー部材に伝える実装カバー用伝熱部を有し、前記実装カバー用伝熱部と前記実装カバー部材とによって前記ICの熱を前記メイングランド回路に伝えてもよい。
【0035】
この構成によれば、実装カバー部材を利用して、ICの熱をメイングランド回路に逃がすことができる。
【0036】
(14)前記(8)において、前記コネクタは、内導体と、前記内導体の外周を覆う外導体と、を有していてもよい。前記外導体は、前記メイングランド回路上に設置されていてもよい。前記伝熱部は、前記ICの熱を前記外導体に伝える外導体用伝熱部を有し、前記外導体用伝熱部と前記外導体とによって前記ICの熱を前記メイングランド回路に伝えてもよい。
【0037】
この構成によれば、ICの熱を、外導体を利用してメイングランド回路に逃がすことができる。
【0038】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0039】
<実施形態1>
(コネクタ装置1の構成)
図1には、実施形態1のコネクタ装置1が開示されている。コネクタ装置1は、例えば車両に搭載される。
図1では、後述するカバー部材23(
図2参照)が取り外された状態のコネクタ装置1が示されている。コネクタ装置1は、回路基板10と、回路基板10に設置されるコネクタ20と、を備えている。コネクタ20は、
図2に示すように、相手側コネクタ80と嵌合する。本実施形態において、回路基板10に対してコネクタ20が設置される側を上側と定義する。コネクタ20に対して相手側コネクタ80が嵌合される側を前側と定義する。上下方向及び前後方向と直交する方向を幅方向と定義する。図面においては、上方、下方、前方、後方をそれぞれ「U」「L」「F」「B」と表記する。
【0040】
回路基板10は、板状をなしている。回路基板10の板厚方向は、上下方向であり、回路基板10の板面と直交する方向である。回路基板10は、
図3に示すように、基板本体11と、メイングランド回路12と、を有している。基板本体11は、板状をなしている。基板本体11は、絶縁性を有しており、例えば樹脂製である。基板本体11には、実装面13が形成されている。実装面13は、基板本体11の上面に形成されている。
【0041】
メイングランド回路12は、
図3に示すように、回路基板10(より具体的には、実装面13)に設けられている。メイングランド回路12は、回路基板10の実装面13に露出している。メイングランド回路12は、実装面13に沿って前後方向に延びる延設回路14を有している。延設回路14は、幅方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0042】
コネクタ20は、
図2に示すように、回路基板10に設置される基板用コネクタである。コネクタ20は、回路基板10に実装される実装コネクタ部21と、実装コネクタ部21に接続される中継コネクタ部22と、カバー部材23と、を有している。
【0043】
実装コネクタ部21は、「実装部」の一例に相当する。実装コネクタ部21は、
図2に示すように、例えばカードエッジコネクタとして構成される。実装コネクタ部21には、中継コネクタ部22が着脱可能に接続される。実装コネクタ部21の前面には、開口が形成されている。この開口に対し、前方から中継コネクタ部22が挿入されることで、中継コネクタ部22が実装コネクタ部21に接続される。
【0044】
中継コネクタ部22は、
図2に示すように、実装コネクタ部21に着脱可能に接続される。中継コネクタ部22は、実装コネクタ部21と相手側コネクタ80とに接続される。中継コネクタ部22は、アダプタとして機能する。中継コネクタ部22は、例えば車両の搭載機器の数や、通信仕様(例えば通信速度など)に応じて予め複数種類用意される。そして、搭載される車両の仕様に応じた中継コネクタ部22が実装コネクタ部21に接続されることで、コネクタ装置1が複数種類の車両に対応可能となる。
【0045】
中継コネクタ部22は、
図2に示すように、嵌合部材31と、内導体32と、外導体33と、誘電体34と、サブ基板35と、IC36と、中継部37と、を有している。
【0046】
嵌合部材31は、
図2に示すように、相手側コネクタ80と嵌合する。嵌合部材31は、絶縁性を有し、例えば樹脂製である。嵌合部材31は、角筒状のフード部31Aと、フード部31Aの後面を覆う後壁部31Bと、を有している。
【0047】
内導体32は、
図2に示すように、前後方向に延びる形態をなしている。内導体32は、前後方向と直交する方向に間隔を空けて複数設けられている。内導体32の前端部は、フード部31A内に突出しており、内導体32の後端部は、後壁部31Bの後方に突出している。内導体32は、コネクタ20と相手側コネクタ80が互いに嵌合した状態において、シールド電線90の芯線91と導通する。具体的には、内導体32は、相手側コネクタ80の相手側内導体81に電気的に接続される。相手側内導体81には、芯線91が電気的に接続されている。つまり、内導体32は、相手側内導体81を介して芯線91と導通する。内導体32は、中継部37を介してサブ基板35の導電路に電気的に接続されている。
【0048】
外導体33は、
図2に示すように、内導体32の外周を覆う。外導体33は、前後方向に厚さを有する壁部40を有している。壁部40には、内導体32を挿通させる挿通孔41が形成されている。外導体33は、挿通孔41の外周部から前方に向けて筒状に突出する筒部42を有している。筒部42は、嵌合部材31の後壁部31Bを貫通してフード部31A内に突出している。外導体33は、コネクタ20と相手側コネクタ80が互いに嵌合した状態において、シールド電線90のシールド層92と導通する。具体的には、外導体33は、筒部42内に相手側コネクタ80の相手側外導体82が嵌合することで、相手側外導体82に電気的に接続される。相手側外導体82には、シールド層92が電気的に接続されている。つまり、外導体33は、相手側外導体82を介してシールド層92と導通する。
【0049】
外導体33は、
図2に示すように、壁部40の上端側から後方に張り出した上壁部43を有している。外導体33は、壁部40の下端側から後方に張り出した底壁部44を有している。
【0050】
外導体33は、
図1に示すように、幅方向外側に張り出した固定部45を有している。固定部45は、ネジなどによって回路基板10に固定される。外導体33は、メイングランド回路12上に設置され、メイングランド回路12に電気的に接続される。外導体33は、固定部45によって回路基板10に固定されることで、メイングランド回路12との接触状態がより安定する。
【0051】
外導体33は、
図3に示すように、壁部40よりも後方の位置において、後方に張り出した張出部46及び規制部47を有している。張出部46及び規制部47は、上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。張出部46と規制部47との間の隙間には、サブ基板35が配置される。サブ基板35は、張出部46と規制部47とに接し、上下に挟まれる。張出部46は、規制部47よりも上方の位置に配置されている。張出部46及び規制部47は、外導体33の幅方向両側にそれぞれ配置されている。サブ基板35は、外導体33の幅方向両側において、張出部46と規制部47との間の隙間に配置される。
【0052】
誘電体34は、
図2に示すように、内導体32と外導体33との間に配置されている。
【0053】
サブ基板35は、板状をなしている。サブ基板35の板厚方向は、上下方向であり、サブ基板35の板面と直交する方向であり、回路基板10とサブ基板35の並び方向である。サブ基板35は、
図3に示すように、コネクタ20に内蔵される基板である。サブ基板35は、実装コネクタ部21に着脱可能に接続される。サブ基板35は、実装コネクタ部21を介して回路基板10と通信可能である。サブ基板35は、回路基板10よりも上方の位置に配置される。サブ基板35は、回路基板10と互いの板面が上下方向に対向するように配置される。サブ基板35の下面は、回路基板10の上面と対向する。サブ基板35は、サブ基板本体51と、サブグランド回路52と、を有している。
【0054】
サブ基板本体51は、
図3に示すように、板状をなしている。サブ基板本体51は、絶縁性を有しており、例えば樹脂製である。サブ基板本体51には、
図1に示すように、サブ実装面53が形成されている。サブ実装面53は、サブ基板本体51の上面に形成されている。
【0055】
サブグランド回路52は、
図1及び
図3に示すように、サブ基板35(より具体的には、サブ実装面53)に設けられている。サブグランド回路52には、IC36(より具体的には、IC36のリード線)が電気的に接続されている。サブグランド回路52は、サブ基板35のサブ実装面53に露出している。サブグランド回路52は、サブ実装面53に沿って前後方向に延びるサブ延設回路54を有している。サブ延設回路54は、幅方向に間隔をあけて複数設けられている。サブ延設回路54は、サブ基板35の上下両面に設けられている。上下両面のサブ延設回路54は、サブ基板本体51を板厚方向に貫通するビア55を介して電気的に接続されている。サブ基板35が外導体33の張出部46と規制部47との間に配置された状態において、上面のサブ延設回路54は、張出部46の下面と接触(より具体的には、面接触)し、下面のサブ延設回路54は、規制部47の上面と接触(より具体的には、面接触)する。つまり、IC36は、サブグランド回路52を介して外導体33に電気的に接続されている。
【0056】
IC36は、サブ基板35のサブ実装面53(上面)に実装されている。
【0057】
中継コネクタ部22は、
図2に示すように、金属板60と、放熱シート61と、を有している。金属板60は、外導体33の上壁部43の上面に接合されており、放熱シート61を介してICの上面に接合されている。金属板60及び放熱シート61は、IC36における上面に接触(より具体的には、面接触)する第1接触部62と、IC36の上面とは異なる高さ位置において外導体33に接触(より具体的には、面接触)する第2接触部63と、第1接触部62と第2接触部63とを段差状につなぐ段差部64と、を構成している。
【0058】
中継コネクタ部22は、
図3に示すように、導電部材70を有している。上述したメイングランド回路12とサブグランド回路52は、上下に対向して配置される。導電部材70は、互いに対向して配置されるメイングランド回路12とサブグランド回路52との間に配置され、メイングランド回路12とサブグランド回路52とに電気的に接続される。導電部材70は、サブグランド回路52に接触する接触導電部71と、接触導電部71とメイングランド回路12との間に配置される付勢部材72と、接触導電部71を上下方向にガイドするガイド部73と、を有している。接触導電部71には、前端に向かうにつれて下方に下るように傾斜する傾斜面71Aが形成されている。接触導電部71は、傾斜面71Aがサブ基板35によって前方から押圧されると、下方へ移動する。付勢部材72は、例えばバネ部材であり、接触導電部71をメイングランド回路12から離れる方向に付勢する。他方、サブ基板35は、実装コネクタ部21に保持され、回路基板10から離れる方向(より具体的には、上方)への移動が規制されている。このため、導電部材70は、メイングランド回路12とサブグランド回路52とに押し当てられる。
【0059】
カバー部材23は、
図2に示すように、サブ基板35及びIC36を上方から覆う。カバー部材23は、ネジなどによって回路基板10に固定される。
【0060】
(コネクタ装置1の作用)
コネクタ装置1は、以下のようにして、IC36の熱をシールド電線90のシールド層92に逃がすことができる。
【0061】
(経路R1)
IC36の熱は、放熱シート61及び金属板60によって外導体33に伝えられる。上述したように、外導体33は、シールド層92と導通している。このため、コネクタ装置1は、
図4に示す経路R1のように、ICの熱を、放熱シート61、金属板60、及び外導体33を介してシールド層92に逃がすことができる。
【0062】
しかも、コネクタ装置1は、外導体33を利用して、IC36の熱をシールド層92に逃がすことができる。
【0063】
更に、経路R1では、IC36の熱が金属板60を介して外導体33に伝えられるため、伝熱効率を向上させることができる。
【0064】
更に、経路R1では、放熱シート61がIC36に面接触しているため、IC36から放熱シート61への伝熱効率を向上させることができる。金属板60は、放熱シート61に面接触しているため、放熱シート61から金属板60への伝熱効率を向上させることができる。金属板60は、外導体33に面接触しているため、金属板60から外導体33への伝熱効率を向上させることができる。つまり、経路R1では、IC36から外導体33への伝熱効率を向上させることができる。
【0065】
更に、金属板60及び放熱シート61は、IC36における上面に接触(より具体的には、面接触)する第1接触部62と、IC36の上面とは異なる高さ位置において外導体33に接触(より具体的には、面接触)する第2接触部63と、第1接触部62と第2接触部63とを段差状につなぐ段差部64と、を構成している。このため、IC36と外導体33の互いに高さ位置が異なる面同士を、金属板60及び放熱シート61によってつなぐことができる。なお、「高さ位置」とは、サブ基板35のサブ実装面53を基準とする上下方向(サブ実装面53と直交する方向)の位置である。
【0066】
(経路R2、R3)
また、IC36の熱は、サブ基板35の上下両面のサブ延設回路54によって外導体33に伝えられる。上述したように、外導体33は、シールド層92と導通している。このため、コネクタ装置1は、
図4に示す経路R2のように、ICの熱を、上面のサブ延設回路54及び外導体33を介してシールド層92に逃がすことができる。また、コネクタ装置1は、
図4に示す経路R3のように、ICの熱を、ビア55、下面のサブ延設回路54及び外導体33を介してシールド層92に逃がすことができる。
【0067】
経路R2、R3においても、コネクタ装置1は、外導体33を利用して、IC36の熱をシールド層92に逃がすことができる。
【0068】
更に、コネクタ装置1は、経路R2、R3によって、コネクタ装置1の小型化を図りつつ、IC36から外導体33への伝熱経路を確保することができる。
【0069】
更に、外導体33は、後方に突出する張出部46を有している。張出部46の下面は、経路R2において、前後方向に延びるサブ延設回路54に接触(より具体的には、面接触)している。このため、コネクタ装置1は、外導体33とサブグランド回路52との接触面積を大きくしやすいため、伝熱効率を向上させやすい。
【0070】
更に、外導体33は、サブ基板35に対し、張出部46側とは反対側に配置される規制部47を有している。この構成によれば、サブ基板35が張出部46から離れることを規制部47によって規制することができるため、張出部46とサブ延設回路54との接触状態を維持しやすい。しかも、規制部47も後方に突出しており、規制部47の上面が、経路R3において、前後方向に延びるサブ延設回路54に接触(より具体的には、面接触)している。このため、コネクタ装置1は、サブ基板35の両面において、外導体33とサブグランド回路52との接触面積を大きくしやすいため、伝熱効率を向上させやすい。
【0071】
また、コネクタ装置1は、以下のようにして、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0072】
(経路R11)
経路R1の説明で上述したように、IC36の熱は、放熱シート61及び金属板60によって外導体33に伝えられる。また、外導体33は、メイングランド回路12に電気的に接続されている。このため、コネクタ装置1は、
図5に示す経路R11のように、ICの熱を、放熱シート61、金属板60、及び外導体33を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0073】
しかも、コネクタ装置1は、外導体33を利用して、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0074】
(経路R12、R13)
経路R2、R3の説明で上述したように、IC36の熱は、サブ基板35の上下両面のサブ延設回路54によって外導体33に伝えられる。また、外導体33は、メイングランド回路12に電気的に接続されている。このため、コネクタ装置1は、
図5に示す経路R12のように、ICの熱を、上面のサブ延設回路54、及び外導体33を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。また、コネクタ装置1は、
図5に示す経路R13のように、ICの熱を、ビア55、下面のサブ延設回路54、及び外導体33を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。この経路R12、R13においても、コネクタ装置1は、外導体33を利用して、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0075】
(経路R14)
また、サブグランド回路52は、導電部材70を介してメイングランド回路12に電気的に接続されている。このため、コネクタ装置1は、
図5に示す経路R14のように、ICの熱を、サブグランド回路52、及び導電部材70を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0076】
更に、コネクタ装置1は、互いに対向するサブグランド回路52とメイングランド回路12とを導電部材70で導通可能にするため、IC36の熱をメイングランド回路12に伝える伝熱経路を短くすることができる。
【0077】
しかも、サブ基板35は、実装コネクタ部21に保持されており、導電部材70は、回路基板10とサブ基板35を互いの板面が対向する方向に互いに離間させるように付勢する。この構成によれば、サブ基板35が実装コネクタ部21によって回路基板10から離れないように保持されつつ、導電部材70が回路基板10のメイングランド回路12とサブ基板35のサブグランド回路52とに押圧されるため、導電部材70とサブグランド回路52及びメイングランド回路12との接触状態が安定しやすい。なお、「互いの板面が対向する方向」は、メイングランド回路12とサブグランド回路52が互いに対向する方向である。また、「互いの板面が対向する方向」は、コネクタ20と相手側コネクタ80が嵌合する方向と直交する方向である。
【0078】
(経路R15、R16)
また、コネクタ装置1は、
図5に示す経路R15、R16のように、ICの熱を、実装コネクタ部21を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0079】
<実施形態2>
実施形態2では、カバー部材を利用して放熱させる例について説明する。なお、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0080】
(コネクタ装置201の構成)
図6には、実施形態2のコネクタ装置201が開示されている。コネクタ装置201は、例えば車両に搭載される。コネクタ装置201は、回路基板10と、回路基板10に設置されるコネクタ220と、を備えている。
【0081】
コネクタ220は、
図6に示すように、回路基板10に設置される基板用コネクタである。コネクタ220は、実装コネクタ部21と、実装コネクタ部21に接続される中継コネクタ部222と、カバー部材223と、取付部材270と、を有している。
【0082】
中継コネクタ部222は、
図6に示すように、嵌合部材31と、内導体32と、外導体33と、誘電体34と、サブ基板35と、IC36と、中継部37と、を有している。
【0083】
中継コネクタ部222は、
図6に示すように、放熱シート260を有している。放熱シート260は、IC36の上面に設置される。
【0084】
カバー部材223は、導電性を有し、例えば金属筐体として構成される。カバー部材223は、
図6に示すように、サブ基板35及びIC36を覆う。カバー部材223は、ネジなどによって回路基板10に固定される。カバー部材223は、天板部223Aと、一対の側板部223Bと、後板部223Cと、を有している。一対の側板部223Bは、幅方向に間隔をあけて配置されている。天板部223Aの幅方向の両端部は、一対の側板部223Bの上端部に連なっている。後板部223Cは、天板部223A及び一対の側板部223Bの後端部に連なっている。カバー部材223の下面及び前面は開口している。
【0085】
カバー部材223は、
図6に示すように、天板部223Aが放熱シート260の上面に接触した状態で配置される。また、カバー部材223は、天板部223Aが外導体33の後面に接触した状態で配置される。また、カバー部材223は、取付部材270を用いて、回路基板10に固定される。
【0086】
メイングランド回路12は、
図7に示すように、実装面13に沿って前後方向に延びる延設回路14Aと、幅方向に延びる延設回路14Bと、を有している。延設回路14A,14Bは、カバー部材223の下端部の位置に対応して配置されている。延設回路14A,14B上には、複数の取付部材270が実装されている。
【0087】
取付部材270は、導電性を有し、例えば金属製である。取付部材270は、延設回路14A,14B上に固定される板状のベース部271と、ベース部271の両側から上方に片持ち状に延出してカバー部材223を挟み込む保持部272と、を有している。保持部272の最小間隔は、一対の側板部223Bの板厚よりも小さく、後板部223Cの板厚よりも小さい。カバー部材223は、取付部材270の上方から保持部272を押し広げるようにして取り付けられる。カバー部材223は、取付部材270に対して着脱可能である。
【0088】
(コネクタ装置201の作用)
コネクタ装置201は、以下のようにして、IC36の熱をシールド電線90のシールド層92に逃がすことができる。
【0089】
(経路R4)
IC36の熱は、放熱シート260及びカバー部材223によって外導体33に伝えられる。外導体33は、シールド層92と導通している。このため、コネクタ装置201は、
図8に示す経路R4のように、IC36の熱を、放熱シート260、カバー部材223、及び外導体33を介してシールド層92に逃がすことができる。つまり、コネクタ装置201は、カバー部材223を利用して、IC36の熱をシールド層92に逃がすことができる。
【0090】
なお、コネクタ装置201は、実施形態1と同じく、
図4に示す経路R2及びR3のように、IC36の熱をシールド層92に逃がすこともできる。
【0091】
また、コネクタ装置201は、以下のようにして、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0092】
(経路R17)
上述したように、IC36の熱は、放熱シート260及びカバー部材223によって外導体33に伝えられる。外導体33は、メイングランド回路12に電気的に接続されている。このため、コネクタ装置201は、
図8に示す経路R17のように、IC36の熱を、放熱シート260、カバー部材223、及び外導体33を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。つまり、コネクタ装置201は、カバー部材223を利用して、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0093】
(経路R18)
更に、IC36の熱は、放熱シート260及びカバー部材223によって取付部材270に伝えられ、取付部材270を介してメイングランド回路12に伝えられる。このため、コネクタ装置201は、
図8に示す経路R18のように、IC36の熱を、放熱シート260、カバー部材223、及び取付部材270によってメイングランド回路12に逃がすことができる。つまり、コネクタ装置201は、カバー部材223を利用して、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。しかも、カバー部材223が、回路基板10に対して着脱可能となる。
【0094】
なお、コネクタ装置201は、実施形態1と同じく、
図5に示す経路R12、R13、R15及びR16のように、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすこともできる。
【0095】
<実施形態3>
実施形態3では、回路基板に実装される実装カバー部材を利用して放熱させる例について説明する。なお、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0096】
(コネクタ装置301の構成)
図9には、実施形態3のコネクタ装置301が開示されている。コネクタ装置301は、例えば車両に搭載される。コネクタ装置301は、回路基板310と、回路基板310に設置されるコネクタ320と、を備えている。
【0097】
回路基板310は、
図10に示すように、基板本体311と、メイングランド回路12と、を有している。基板本体311には、後述の実装カバー部材323を実装するためのスルーホール310Aが形成されている。基板本体311は、その他の点で、実施形態1の基板本体11と共通する。
【0098】
コネクタ320は、
図9に示すように、回路基板10に設置される基板用コネクタである。コネクタ320は、実装コネクタ部21と、実装コネクタ部21に接続される中継コネクタ部322と、実装カバー部材323と、を有している。
【0099】
中継コネクタ部322は、
図9に示すように、嵌合部材31と、内導体32と、外導体33と、誘電体34と、サブ基板35と、IC36と、中継部37と、を有している。
【0100】
中継コネクタ部322は、
図9に示すように、放熱フィン360を有している。放熱フィン360は、IC36の上面に設置される。
【0101】
実装カバー部材323は、導電性を有し、例えば金属製である。実装カバー部材323は、
図9に示すように、サブ基板35及びIC36を覆い、回路基板10のメイングランド回路12上に実装される。実装カバー部材323は、天板部323Aと、一対の側板部323Bと、後板部323Cと、複数の脚部323Dと、を有している。一対の側板部323Bは、幅方向に間隔をあけて配置されている。天板部323Aの幅方向の両端部は、一対の側板部323Bの上端部に連なっている。後板部323Cは、天板部323A及び一対の側板部323Bの後端部に連なっている。脚部323Dは、一対の側板部323B及び後板部323Cの下端部から下方に突出している。実装カバー部材323の下面及び前面は開口している。
【0102】
実装カバー部材323は、
図9に示すように、保持突起323Eを有している。保持突起323Eは、天板部323Aから下方に突出している。保持突起323Eは、放熱フィン360の上端部に接触した状態で配置される。また、実装カバー部材323は、天板部323Aが外導体33の後面に接触した状態で配置される。
【0103】
上述したスルーホール310Aは、
図10に示すように、実装カバー部材323の脚部323Dと対応する位置に配置されている。また、スルーホール310Aは、メイングランド回路12と電気的に接続されている。実装カバー部材323は、脚部323Dがスルーホール310Aに挿通された状態で、回路基板310に実装される。これにより、実装カバー部材323は、メイングランド回路12に電気的に接続される。
【0104】
(コネクタ装置301の作用)
コネクタ装置301は、以下のようにして、IC36の熱をシールド電線90のシールド層92に逃がすことができる。
【0105】
(経路R5)
IC36の熱は、放熱フィン360及び実装カバー部材323によって外導体33に伝えられる。外導体33は、シールド層92と導通している。このため、コネクタ装置301は、
図11に示す経路R5のように、ICの熱を、放熱フィン360、実装カバー部材323、及び外導体33を介してシールド層92に逃がすことができる。つまり、コネクタ装置201は、実装カバー部材323を利用して、IC36の熱をシールド層92に逃がすことができる。
【0106】
なお、コネクタ装置301は、実施形態1と同じく、
図4に示す経路R2及びR3のように、IC36の熱をシールド層92に逃がすこともできる。
【0107】
また、コネクタ装置301は、以下のようにして、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0108】
(経路R19)
上述したように、IC36の熱は、放熱フィン360及び実装カバー部材323によって外導体33に伝えられる。外導体33は、メイングランド回路12に電気的に接続されている。このため、コネクタ装置301は、
図11に示す経路R19のように、IC36の熱を、放熱フィン360、実装カバー部材323、及び外導体33を介してメイングランド回路12に逃がすことができる。つまり、コネクタ装置201は、実装カバー部材323を利用して、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0109】
(経路R20)
また、実装カバー部材323は、メイングランド回路12上に実装されている。このため、コネクタ装置201は、
図11に示す経路R20のように、IC36の熱を、放熱フィン360、実装カバー部材323によってメイングランド回路12に逃がすことができる。つまり、コネクタ装置201は、経路R20においても、実装カバー部材323を利用して、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすことができる。
【0110】
なお、コネクタ装置201は、実施形態1と同じく、
図5に示す経路R12、R13、R15及びR16のように、IC36の熱をメイングランド回路12に逃がすこともできる。
【0111】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
(1)上記各実施形態では、コネクタが、実装コネクタ部と中継コネクタ部とを互いに別体とした構成であったが、実装コネクタ部と中継コネクタ部とを一体とした構成であってもよい。
(2)上記各実施形態では、外導体を介してICの熱をシールド層に逃がす構成であったが、外導体を介さずに逃がす構成であってもよい。
(3)上記各実施形態では、張出部が後方(コネクタに対して相手側コネクタが嵌合する方向)に突出する構成であり、張出部の接触対象のサブ延設回路が前後方向(コネクタと相手側コネクタとの嵌合方向)に延びる構成であったが、この構成に限らない。例えば、張出部が幅方向(コネクタと相手側コネクタとの嵌合方向と直交する方向)に突出する構成であり、張出部の接触対象のサブ延設回路が幅方向に延びる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 :コネクタ装置
10 :回路基板
11 :基板本体
12 :メイングランド回路
13 :実装面
14 :延設回路
14A :延設回路
14B :延設回路
20 :コネクタ
21 :実装コネクタ部
22 :中継コネクタ部
23 :カバー部材
31 :嵌合部材
31A :フード部
31B :後壁部
32 :内導体
33 :外導体(伝熱部)
34 :誘電体
35 :サブ基板
36 :IC
37 :中継部
40 :壁部
41 :挿通孔
42 :筒部
43 :上壁部
44 :底壁部
45 :固定部
46 :張出部
47 :規制部
51 :サブ基板本体
52 :サブグランド回路(伝熱部、外導体用伝熱部)
53 :サブ実装面
54 :サブ延設回路(伝熱部、外導体用伝熱部)
55 :ビア(伝熱部、外導体用伝熱部)
60 :金属板(伝熱部、外導体用伝熱部)
61 :放熱シート(伝熱部、外導体用伝熱部)
62 :第1接触部
63 :第2接触部
64 :段差部
70 :導電部材(伝熱部)
71 :接触導電部
71A :傾斜面
72 :付勢部材
73 :ガイド部
80 :相手側コネクタ
81 :相手側内導体
82 :相手側外導体
90 :シールド電線
91 :芯線
92 :シールド層
201 :コネクタ装置
220 :コネクタ
222 :中継コネクタ部
223 :カバー部材(伝熱部、外導体用伝熱部)
223A :天板部
223B :側板部
223C :後板部
260 :放熱シート(伝熱部、外導体用伝熱部、カバー用伝熱部)
270 :取付部材(伝熱部)
271 :ベース部
272 :保持部
301 :コネクタ装置
310 :回路基板
310A :スルーホール
311 :基板本体
320 :コネクタ
322 :中継コネクタ部
323 :実装カバー部材(伝熱部、外導体用伝熱部)
323A :天板部
323B :側板部
323C :後板部
323D :脚部
323E :保持突起
360 :放熱フィン(伝熱部、外導体用伝熱部、実装カバー用伝熱部)
R1 :経路
R2 :経路
R3 :経路
R4 :経路
R5 :経路
R11 :経路
R12 :経路
R13 :経路
R14 :経路
R15 :経路
R16 :経路
R17 :経路
R18 :経路
R19 :経路
R20 :経路