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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048825
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】制気口用枠及びずれ防止部材
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/06 20060101AFI20240402BHJP
   E04F 17/04 20060101ALI20240402BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20240402BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
F24F13/06 B
E04F17/04 B
F24F7/10 101C
F24F13/068 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154946
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】515119321
【氏名又は名称】株式会社アステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】北野 宏典
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080BA01
3L080BB01
3L080BB02
3L080BB04
(57)【要約】
【課題】ずれ防止部材とボックス等の被取付部材との間の抵抗の大きさを最適化し、制気口用枠の被取付部材への挿入時に、被取付部材がせり上がったり、制気口用枠が適正に仮固定できかったりすることを防止できる制気口用枠及びずれ防止部材を提供することを課題とする。
【解決手段】被取付部材に内挿固定される制気口用枠1であって、前記制気口用枠1の外側面には、前記制気口用枠1を前記被取付部材に挿入したときに、前記制気口用枠1がずれないようにするためのずれ防止部材5が装着され、前記ずれ防止部材5は基部51と略半円筒状の突出部52を有し、前記基部51が前記制気口用枠1に装着されて、前記突出部52が前記被取付部材に弾性接触可能に形成されていることを特徴とする制気口用枠1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材に内挿固定される制気口用枠であって、
前記制気口用枠の外側面には、前記制気口用枠を前記被取付部材に挿入したときに、前記制気口用枠がずれないようにするためのずれ防止部材が装着され、
前記ずれ防止部材は基部と略半円筒状の突出部を有し、
前記基部が前記制気口用枠に装着されて、前記突出部が前記被取付部材に弾性接触可能に形成されていることを特徴とする制気口用枠。
【請求項2】
前記ずれ防止部材は、前記突出部の長手方向が前記制気口用枠の挿入方向と略平行となるように、前記制気口用枠に装着されていることを特徴とする請求項1に記載された制気口用枠。
【請求項3】
前記突出部の挿入方向先端側の端部は、前記端部から前記突出部の長手方向に離れるにつれて、前記突出部の前記基部からの高さが高くなるような鋭角を形成する傾斜部に成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載された制気口用枠。
【請求項4】
互いに相対的に移動可能な第1部材又は第2部材に設けられ、前記第1部材と前記第2部材の間に配置され、弾性体からなるずれ防止部材であって、
前記ずれ防止部材は基部と略半円筒状の突出部を有し、
前記基部は前記第1部材及び前記第2部材の一方に当接し、前記略半円筒状の前記突出部は前記第1部材及び前記第2部材の他方に当接することを特徴とするずれ防止部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制気口用枠及びずれ防止部材に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の天井等に、屋内外の空気の調整を担う空調ダクト用のボックス(BOX)や消音チャンバ等が設けられており、このボックス(BOX)等に連通し、空気を屋内に送り込む、又は屋内の空気を排気する制気口装置が知られている。
一般的な制気口装置は、例えば、ボックス(BOX)等のネック部に取り付けられる筒状の制気口用枠(筐体等)や、この制気口用枠に支持され、壁や天井面に露出して配置される、いわゆるフェース(制気口、又は制気口部材ともいう)等を有する。
また、ボックス(BOX)を介さずにダクトに制気口用枠を直接取り付けた制気口装置が知られている。
【0003】
このような制気口用枠を施工する際、先ず、作業者が制気口用枠をボックス(BOX)等のネック部やダクト等の被取付部材に内挿した状態では、被取付部材の内周面と制気口用枠の外周面の間に隙間があり、作業者が制気口用枠から手を離した場合、制気口用枠が落下してしまう。このため、作業者は片手や頭等で制気口用枠を押さえながら、電動ドライバー等の工具を用いて、制気口用枠を被取付部材にビス止めを行う、又は2人掛りで1人が制気口用枠を被取付部材に内挿した状態で押さえ、他の1人が電動ドライバー等の工具を用いて、制気口用枠を被取付部材にビス止めを行うので、作業効率が低かった。
【0004】
また、壁などに制気口装置を設ける場合、壁の開口部に配置され被取付部材に制気口用枠を内挿しただけでは、制気口用枠が斜めに傾いてしまうので、例えば作業者は片手で制気口用枠を押さえながら、電動ドライバー等の工具を用いて、制気口用枠を被取付部材にビス止めを行うため、作業効率が低かった。
【0005】
そこで、制気口用枠に、制気口用枠を被取付部材に仮固定できるようなずれ防止部材を設けた構造が提案された。(特許文献1~3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0127977号明細書
【特許文献2】米国特許第3236171号明細書
【特許文献3】特開2014-016050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、被取付部材であるボックスは、建物の構造物などにボルトとナットにより固定しているが、ナットにぶら下がっているだけで、上方向には移動することが可能な構造となっている。
このようなボックスに、上述の制気口用枠を被取付部材に仮固定できるようなずれ防止部材を設けた制気口用枠を挿入すると、ずれ防止部材とボックスの間に生じる抵抗が大きい場合、ボックスが上方にせり上がってしまうことがあった。これにより、制気口用枠のボックスへの挿入がスムーズに行われなかったり、せり上がったボックスを元に戻す手間がかかったり、施工作業の効率が低下する要因となっていた。(図5(a)参照)
【0008】
また、逆に、ずれ防止部材とボックスの間に生じる抵抗が小さい場合、制気口用枠も仮固定が不十分で、制気口用枠がずり落ちてきたり、斜めに傾いてしまったりすることがあった。これにより、制気口用枠が所定の位置で仮固定できず、施工作業の効率が低下する要因となっていた。(図5(b)参照)
【0009】
そこで、本発明は、ずれ防止部材とボックス等の被取付部材との間の摩擦抵抗の大きさを最適化し、制気口用枠の被取付部材への挿入時に、被取付部材がせり上がったり、制気口用枠が適正に仮固定できなかったりすることを防止できる制気口用枠及びずれ防止部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
被取付部材に内挿固定される制気口用枠であって、前記制気口用枠の外側面には、前記制気口用枠を前記被取付部材に挿入したときに、前記制気口用枠がずれないようにするためのずれ防止部材が装着され、前記ずれ防止部材は基部と略半円筒状の突出部を有し、前記基部が前記制気口用枠に装着されて、前記突出部が前記被取付部材に弾性接触可能に形成されていることを特徴とする制気口用枠。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、基部と略半円筒状の突出部を有するずれ防止部材により、制気口用枠と被取付部材とを適正な保持力により仮固定を行うことができる制気口用枠及びずれ防止部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る実施形態1の制気口用枠1の、(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図2】本発明に係る実施形態1のずれ防止部材5の、(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
図3】本発明に係る実施形態1の制気口用枠1の取付を説明する模式図である。
図4図3のずれ防止部材5の取付箇所を拡大した図である。
図5】本発明の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態1の制気口用枠1を説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0014】
[全体構造]
実施形態1の制気口用枠1は、図3(c)に示すように、筒状の被取付部材である消音チャンバ2のネック部21に内挿され、制気口用枠固定ビス6によりネック部21に固定される。なお、被取付部材としては、空調ダクト用のボックス、空調ダクト、各種装置の収納ボックス等でもよい。
天井の天井板3に開口部31が形成され、その開口部31の上方に、消音チャンバ2が配置されている。
制気口用枠1には、図3(e)に示すように、制気口用枠1の下部に着脱自在なフェース4(制気口や制気口部材等とも称する)を備える。
なお、フェース4には、ユニバーサルレジスタ、ユニバーサルグリル、ラインディフューザー等の複数の異なる種類があり、どのような種類のフェースを使用してもよい。
図3(b)に示すように、制気口用枠1のネック部21への挿入後、制気口用枠固定ビス6による固定までの間、制気口用枠1の外側面に装着されたずれ防止部材5が消音チャンバ2のネック部21の内面に圧着されて、制気口用枠1がネック部21から落下することを防いでいる。
【0015】
[制気口用枠]
図1は、実施形態1の制気口用枠1の、(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
制気口用枠1は、例えば、亜鉛鋼板等から形成された平面視で矩形の筒状の枠である。なお、制気口用枠1は、亜鉛鋼板以外に、ステンレス鋼板、アルミニウム鋼板のような金属材料であればよく、また、その平面視での形状は、矩形に限らず、多角形、円形、楕円形等の他の形状でもよい。
制気口用枠1は、上段筒状部11、中段筒状部12、下段筒状部13が、同心状かつ段重ね状に配置されており、中段筒状部12の一辺(平面視での矩形の一辺。以下同じ)の長さは下段筒状部13の一辺の長さよりも短く、上段筒状部11の一辺の長さは中段筒状部12の一辺の長さよりも短い。
また、下段筒状部13の上部が中段筒状部12に接続され、中段筒状部12の上部が上段筒状部11に接続されている。
また、下段筒状部13の4つの平面部131の下端部分は、角部に設けられた切込み部132により切り離されており、水平方向にわずかに弾性揺動可能に構成されている。
【0016】
また、下段筒状部13の下縁部には、90°外側に屈曲したフランジ部133が形成されている。フランジ部133は、ネック部21の下端等に当接可能に構成されており、ネック部21に対する制気口用枠1の位置決めとして機能する。
なお、制気口用枠1の形状や構造は、3段構造に限らず、2段以上の構造でもよいし、段を有さない構造でもよい。また、一体構造に限らず、複数の部材を組み立てたものでもよいし、位置決め用のフランジ部の構造などもその作用を奏し得るものであれば、どのような形状、構造のものであってもよい。
【0017】
制気口用枠1は、その外側面に樹脂等の弾性体からなる、ずれ防止部材5が装着されている。図1に示すように、中段筒状部12の4つの平面部121のうちの対向する2つの平面部121にずれ防止部材5が2つずつ装着されている。なお、中段筒状部12の4つ平面部121のすべてに、ずれ防止部材5を装着してもよいし、各平面部121には2つに限らず、1つ又は3つ以上のずれ防止部材5が装着されてもよい。また、中段筒状部12ではなく、上段筒状部11や下段筒状部13に装着されてもよい。
なお、制気口用枠1は、実施形態1のように、フレームだけの構造に限らず、防火シャッタのようなシャッタを有するフレームや送風ファンを有するフレームなどでもよい。また、照明装置を支持するフレームやスピーカを支持するフレームなどでもよい。
【0018】
[ずれ防止部材]
図2は、実施形態1のずれ防止部材5の(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
ずれ防止部材5は、図2に示すように、シート状の基部51と略半円筒状の突出部52を有し、略半円筒状の突出部52の開口面の一部がシート状の基部51の一方の面により塞がれるように、ゴム等の弾性を有する樹脂、例えば、NBR、CR、EPDMなどにより一体形成されている。なお、別体に成形した基部51と略半円筒状の突出部52を接着、融着等により一体化してもよい。
【0019】
基部51は、制気口用枠1へのずれ防止部材5の接着などによる装着に使用する部位であり、突出部52の幅よりも広くされ、突出部52の長さよりも短くされている。基部51は、ずれ防止部材5と制気口用枠1とが十分に固着できるために必要な面積があればよく、小さいとずれ防止部材5と制気口用枠1が十分に固着できず、大きいと突出部52の伸縮を抑制して、制気口用枠1の消音チャンバ2のネック部21に挿入する際の抵抗を増やす要因になるので、適切な面積に設計する。
また、基部51は、突出部52の長手方向のどの個所に設けてもよいが、制気口用枠1を消音チャンバ2のネック部21に挿入するときに、ずれ防止部材5にかかる力を考慮すると、突出部52の挿入方向先端側に設けることが好ましい。
なお、基部51は、シート状に限らず、ブロック状のものなどでもよい。
また、基部51の制気口用枠1への装着は、接着剤に限らず、基部51の係合部材を制気口用枠1の被係合部材に係合させて装着してもよいし、ビスなどにより装着してもよく、基部51と制気口用枠1とが十分に固着できる手段であれば、どのような手段を用いて装着してもよい。
【0020】
突出部52において、略半円筒状の長手方向の2つの端部のうち、少なくとも挿入方向先端側の端部は、該端部から長手方向に離れるにつれて、突出部52の基部51からの高さが高くなるように、側面視で鋭角を形成するような傾斜形状をなす傾斜部521に成形されている。他方の端部は、側面視で長手方向に直交するような垂直部に成形すればよいが、挿入方向先端側の端部と同様、側面視で鋭角を形成するような傾斜部に成形してもよいし、他の形状であってもよい。
このように、端部を鋭角をなすような傾斜部521に成形すると、制気口用枠1をネック部21に挿入するとき、その傾斜により摺接抵抗を極力小さくでき、消音チャンバ2のせり上がりを防止して、制気口用枠1をスムーズに挿入することができる。なお、鋭角の角度は、ネック部21とずれ防止部材5と間の摩擦係数や、制気口用枠1とネック部21の隙間の寸法などを考慮して適宜設計すればよいが、20°~40°程度が好適である。
突出部52の略半円筒状の頂点付近が押しつぶされるようにネック部21の内面と接触して、突出部52の弾性の反発力により突出部52とネック部21との摩擦力が生じて、制気口用枠1が消音チャンバ2から落下することを防止する。突出部52を半円柱上ではなく、半円筒状に成形することで、ずれ防止部材5とネック部21との摩擦力が過大になることを防ぎ、制気口用枠1の挿入時の消音チャンバ2のせり上がりを防止する。
【0021】
ずれ防止部材5は、突出部52の長手方向が制気口用枠1の挿入方向と略平行になるように、制気口用枠1に接着剤などにより装着される。制気口用枠1に装着されたずれ防止部材5の突出部52がネック部21の内面に弾性接触可能となる。
ずれ防止部材5の全体としての弾性は、基部51及び突出部52の材料、基部51の厚み、突出部52の幅や高さや厚みなどの寸法によって、調節することができる。
また、ずれ防止部材5は、制気口用枠1とネック部21の隙間の製造誤差や施工誤差などの誤差を吸収することもできる。
ずれ防止部材5の高さ(基部51の厚さに、突出部52の高さを加えたもの)は、突出部52の弾性、制気口用枠1とネック部21の隙間の寸法及びその誤差等を考慮して、適宜設計すればよい。また、突出部52の長さは、制気口用枠1とネック部21の間に必要十分な摩擦が得られるように、ネック部21とずれ防止部材5と間の摩擦係数や制気口用枠1の重量などを考慮して設計すればよい。
【0022】
[制気口用枠の取付]
図3は、実施形態1の制気口用枠1の取付を説明する図であり、図4の(a)、(b)は、それぞれ、図3(a)、(b)のずれ防止部材の取付箇所を拡大した図である。
(1)天井板3の開口部31の上部に設置された消音チャンバ2のネック部21の下方で、制気口用枠1をネック部21に位置合わせする。(図3(a)、図4(a)参照)
(2)そのまま、制気口用枠1をネック部21内に挿入すると、ずれ防止部材5の突出部52の先端側の傾斜部521がネック部21の内面に当接する。
さらに、制気口用枠1をネック部21内に挿入していくと、制気口用枠1の外面とネック部21の内面の間の隙間で、突出部52が押しつぶされながら、ネック部21の内部に進入していく。略半円筒状の突出部52が押しつぶされることにより、突出部52とネック部21の内面間には、過大な摩擦抵抗は生じないから、ネック部21がせり上がることはない。
そして、制気口用枠1の下段筒状部13のフランジ部133がネック部21の下端に当接した時点で、挿入を停止する。(図3(b)、図4(b)参照)この時点で、制気口用枠1を挿入・支持していた手を放しても、突出部52とネック部21の内面との間には、制気口用枠1をネック部21に対して仮固定するための十分な静止摩擦力が働いているため、制気口用枠1が落下したり、傾いたりすることはない。
(3)制気口用枠1がネック部21内で仮固定された状態で、制気口用枠固定ビス6により、制気口用枠1とネック部21とを固定する。(図3(c)参照)このとき、上述のとおり、制気口用枠1から手を放しても、制気口用枠1が仮固定されているので、ビス止め作業は両手で行うことができる。
(4)ネック部21に固定された制気口用枠1の下方で、フェース4を制気口用枠1に位置合わせする。(図3(d)参照)
(5)フェース4をフェース固定ビス7で制気口用枠1に固定する。(図3(e)参照)
【0023】
[変形例]
上記実施形態1では、天井板3の開口部31に設置された消音チャンバ2のネック部21に、制気口用枠1を下方から垂直に挿入するものであったが、壁面の開口部に設置された被取付部材に、制気口用枠1を側方から水平に挿入するものであってもよいし、床面の開口部に設置された被取付部材に、制気口用枠1を上方から垂直に挿入するものであってもよく、どのような箇所に設置されたどのような被取付部材にどのような方向に挿入するものでもよい。
【0024】
[実施形態2]
上記実施形態1及びその変形例では、建物内の天井、壁面、床面などに設置された被取付部材に制気口用枠1を挿入するものであったが、被取付部材や被取付部材に挿入される部材は、消音チャンバや制気口用枠に限られず、建物の内装部材や外装部材などの任意の建築部材でもよいし、さらに、建築部材に限らず、自動車用部材、電気製品の部材などの任意の各種部材であって、互いに嵌合する部品などに応用できる。
すなわち、互いに相対的に移動可能な第1部材、第2部材の2つの部材があるときに、これら第1部材と第2部材を相対的に位置ずれにしにくくするために、第1部材と第2部材の間にずれ防止部材5を配置することができる。
【0025】
以上、本発明に係る各実施形態の制気口用枠1及びずれ防止部材5を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態及び変形例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 制気口用枠
11 上段筒状部
12 中段筒状部
121 平面部
13 下段筒状部
131 平面部
132 切込み部
133 フランジ部
2 消音チャンバ
21 ネック部
3 天井板
31 開口部
4 フェース
5 ずれ防止部材
51 基部
52 突出部
521 傾斜部
6 制気口用枠固定ビス
7 フェース固定ビス
図1
図2
図3
図4
図5