(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048842
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
F16K 17/30 20060101AFI20240402BHJP
G05D 16/10 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
F16K17/30 A
G05D16/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154966
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】薛 成華
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
【テーマコード(参考)】
3H060
5H316
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB03
3H060CC29
3H060DA03
3H060DA04
3H060DC05
3H060DC12
3H060DD02
3H060DD12
3H060DD17
5H316DD01
5H316DD13
5H316EE02
5H316EE10
5H316GG01
5H316JJ01
5H316JJ13
5H316KK01
(57)【要約】
【課題】作業性を向上させつつも、二次側流路の圧力を設定圧力に精度良く調整すること。
【解決手段】固定ナット88の操作端面88aに形成されている凹溝94に工具を挿入して、工具によって固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退が行われる。よって、調整ねじ部材78の雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が行われる方向と同一方向から固定部材86の締め付け作業が行うことが可能となる。固定ナット88が周壁80の内側で雌ねじ部81に螺合されているため、周壁80の外側から周壁80を工具や手で保持した状態で、工具による固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退を容易に行うことが可能となる。したがって、調整ねじ部材78が固定ナット88と共回りしてしまうことが回避され易くなる。よって、調整ねじ部材78の位置ずれが生じ難くなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側流路、二次側流路、及び前記一次側流路と前記二次側流路とを連通する減圧弁孔を有するボディと、
前記減圧弁孔を開閉する減圧弁体と、
前記減圧弁体と一体的に往復動可能であるとともに前記二次側流路の圧力を受圧することにより前記減圧弁体が閉弁する方向へ移動する減圧ピストンと、
前記減圧弁体が開弁する方向へ前記減圧ピストンを付勢する減圧ばねと、
前記減圧ピストンの移動方向において前記減圧ピストンとは反対側で前記減圧ばねを受けるばね受け部材と、
前記ボディに設けられる雌ねじ孔と、
前記雌ねじ孔に螺合するとともに前記ばね受け部材に当接する雄ねじ部を有し、前記雄ねじ部における前記雌ねじ孔に対する螺進退が行われることにより前記ばね受け部材の位置を調整して、前記減圧ばねのばね力を調整する調整ねじ部材と、
前記調整ねじ部材を前記ボディに対して固定する固定部材と、を備え、
前記一次側流路から供給された流体の圧力を減圧して前記二次側流路へ導出する減圧弁であって、
前記調整ねじ部材は、端壁と、前記端壁の外周部から筒状に延びる周壁と、を有し、
前記周壁の内周面には、雌ねじ部が形成されており、
前記雄ねじ部は、前記端壁における前記周壁とは反対側の面の中央部から突出する柱状であり、
前記端壁における前記雄ねじ部の周囲には、挿通孔が複数形成されており、
前記固定部材は、
前記各挿通孔に挿通されるとともに前記端壁からそれぞれ突出して前記ボディに当接可能な複数の突出部を有する連結部材と、
前記連結部材に対する回転が許容された状態で前記連結部材に係止されるとともに前記周壁の内側で前記雌ねじ部に螺合する固定ナットと、を含み、
前記固定ナットにおける前記周壁の開口から臨む端面である操作端面には、前記固定ナットにおける前記雌ねじ部に対する螺進退を行うための工具が挿入可能な凹溝が形成されていることを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
前記周壁の開口端面には、前記雄ねじ部における前記雌ねじ孔に対する螺進退を行うための工具が挿入可能な挿入溝が形成されており、
前記固定ナットは、前記操作端面が前記挿入溝よりも前記端壁寄りに位置するように前記周壁の内側に配置されている請求項1に記載の減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
減圧弁は、一次側流路から供給された流体の圧力を減圧して二次側流路へ導出する。減圧弁は、ボディを備えている。ボディは、一次側流路、二次側流路、及び減圧弁孔を有している。減圧弁孔は、一次側流路と二次側流路とを連通する。減圧弁は、減圧弁体と、減圧ピストンと、減圧ばねと、ばね受け部材と、を備えている。減圧弁体は、減圧弁孔を開閉する。減圧ピストンは、減圧弁体と一体的に往復動可能である。減圧ピストンは、二次側流路の圧力を受圧することにより減圧弁体が閉弁する方向へ移動する。減圧ばねは、減圧弁体が開弁する方向へ減圧ピストンを付勢する。ばね受け部材は、減圧ピストンの移動方向において減圧ピストンとは反対側で減圧ばねを受ける。ボディには、雌ねじ孔が設けられている。
【0003】
また、減圧弁は、調整ねじ部材と、固定部材と、を備えている。調整ねじ部材は、雄ねじ部を有している。雄ねじ部は、雌ねじ孔に螺合する。雄ねじ部は、ばね受け部材に当接する。そして、調整ねじ部材は、雄ねじ部における雌ねじ孔に対する螺進退が行われることによりばね受け部材の位置を調整して、減圧ばねのばね力を調整する。具体的には、二次側流路の圧力が設定圧力となったときに減圧弁体が閉弁するように、減圧ばねのばね力を調整する。そして、減圧ばねのばね力の調整が完了すると、固定部材によって、調整ねじ部材をボディに対して固定する。このようにして、減圧弁は、一次側流路から供給された流体の圧力を減圧して二次側流路へ導出する。
【0004】
図6には、例えば特許文献1の減圧弁100の一部分を示している。
図6に示すように、調整ねじ部材101は、ボディ102から突出している。そして、固定部材であるナット103をボディ102に当接するまで調整ねじ部材101に対して螺進させるといったナット103の締め付け作業を行うことにより、調整ねじ部材101がナット103を介してボディ102に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、調整ねじ部材101が、ナット103の端面103aから突出している。このため、ナット103を締め付ける際には、調整ねじ部材101における雌ねじ孔104に対する螺進退が行われる方向に対して交差する方向から、例えば、スパナ等の工具によって、ナット103の締め付け作業を行う必要がある。したがって、調整ねじ部材101における雌ねじ孔104に対する螺進退が行われる方向に対して交差する方向で十分に作業スペースが確保できないと、ナット103の締め付け作業が困難となる虞がある。その結果、調整ねじ部材101をボディ102に対して固定することが困難となるため、作業性が低下する。
【0007】
また、ナット103の締め付けの際に、調整ねじ部材101がナット103と共回りしてしまうと、調整ねじ部材101の位置ずれが生じてしまう。すると、減圧ばね105のばね力が変わってしまうため、結果的に、二次側流路の圧力を設定圧力に精度良く調整することができなくなってしまう。したがって、ナット103の締め付けを行う際には、調整ねじ部材101がナット103と共回りしないように、調整ねじ部材101を、例えば、工具や手で保持しておく必要がある。しかしながら、調整ねじ部材101が、ナット103の端面103aから突出している構成では、調整ねじ部材101におけるナット103の端面103aから突出している部分を工具や手で保持しながら、ナット103の締め付け作業を行うことが困難である。したがって、調整ねじ部材101をボディ102に対して容易に固定することができるとともに、調整ねじ部材101の位置ずれを生じ難くすることで、作業性を向上させつつも、二次側流路の圧力を設定圧力に精度良く調整することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する減圧弁は、一次側流路、二次側流路、及び前記一次側流路と前記二次側流路とを連通する減圧弁孔を有するボディと、前記減圧弁孔を開閉する減圧弁体と、前記減圧弁体と一体的に往復動可能であるとともに前記二次側流路の圧力を受圧することにより前記減圧弁体が閉弁する方向へ移動する減圧ピストンと、前記減圧弁体が開弁する方向へ前記減圧ピストンを付勢する減圧ばねと、前記減圧ピストンの移動方向において前記減圧ピストンとは反対側で前記減圧ばねを受けるばね受け部材と、前記ボディに設けられる雌ねじ孔と、前記雌ねじ孔に螺合するとともに前記ばね受け部材に当接する雄ねじ部を有し、前記雄ねじ部における前記雌ねじ孔に対する螺進退が行われることにより前記ばね受け部材の位置を調整して、前記減圧ばねのばね力を調整する調整ねじ部材と、前記調整ねじ部材を前記ボディに対して固定する固定部材と、を備え、前記一次側流路から供給された流体の圧力を減圧して前記二次側流路へ導出する減圧弁であって、前記調整ねじ部材は、端壁と、前記端壁の外周部から筒状に延びる周壁と、を有し、前記周壁の内周面には、雌ねじ部が形成されており、前記雄ねじ部は、前記端壁における前記周壁とは反対側の面の中央部から突出する柱状であり、前記端壁における前記雄ねじ部の周囲には、挿通孔が複数形成されており、前記固定部材は、前記各挿通孔に挿通されるとともに前記端壁からそれぞれ突出して前記ボディに当接可能な複数の突出部を有する連結部材と、前記連結部材に対する回転が許容された状態で前記連結部材に係止されるとともに前記周壁の内側で前記雌ねじ部に螺合する固定ナットと、を含み、前記固定ナットにおける前記周壁の開口から臨む端面である操作端面には、前記固定ナットにおける前記雌ねじ部に対する螺進退を行うための工具が挿入可能な凹溝が形成されている。
【0009】
上記減圧弁において、前記周壁の開口端面には、前記雄ねじ部における前記雌ねじ孔に対する螺進退を行うための工具が挿入可能な挿入溝が形成されており、前記固定ナットは、前記操作端面が前記挿入溝よりも前記端壁寄りに位置するように前記周壁の内側に配置されているとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、作業性を向上させつつも、二次側流路の圧力を設定圧力に精度良く調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における電磁弁マニホールドを示す断面図である。
【
図4】調整ねじ部材及び固定ナットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、減圧弁を具体化した一実施形態を
図1~
図5にしたがって説明する。本実施形態の減圧弁は、電磁弁から出力される流体の圧力を調整するために用いられる。電磁弁は、電磁弁マニホールドを構成している。
【0013】
<電磁弁マニホールド10の全体構成>
図1及び
図2に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11と、マニホールドベース30と、スペーサ40と、減圧弁50と、を備えている。電磁弁11は、複数並設されている。スペーサ40は、マニホールドベース30と電磁弁11との間に介在されている。マニホールドベース30、スペーサ40、及び減圧弁50は、複数並設される電磁弁11に対応して電磁弁11の並設方向に複数並んで配置されている。したがって、マニホールドベース30、スペーサ40、及び減圧弁50それぞれの並設方向は、電磁弁11の並設方向に一致している。
【0014】
<電磁弁11>
図1に示すように、各電磁弁11は、バルブケーシング12を有している。バルブケーシング12は、長四角ブロック状である。バルブケーシング12は、ケーシング本体13と、第1連結ブロック14と、第2連結ブロック15と、を有している。ケーシング本体13は、長四角ブロック状である。第1連結ブロック14は、ケーシング本体13の長手方向の第1端に連結されている。第2連結ブロック15は、ケーシング本体13の長手方向の第2端に連結されている。ケーシング本体13は、スペーサ40に対向する本体対向面13aを有している。
【0015】
バルブケーシング12は、弁孔16を有している。弁孔16は、ケーシング本体13に形成されている。弁孔16は、円孔状である。弁孔16は、ケーシング本体13の長手方向に延びている。弁孔16の第1端は、ケーシング本体13の長手方向の第1端面に開口している。弁孔16の第2端は、ケーシング本体13の長手方向の第2端面に開口している。よって、弁孔16は、ケーシング本体13を長手方向に貫通している。
【0016】
各電磁弁11は、スプール弁17を有している。スプール弁17は、弁孔16内に収容されている。スプール弁17は、スプール弁17の軸方向が弁孔16の軸方向に一致した状態で弁孔16内に収容されている。スプール弁17は、弁孔16内を往復動可能に収容されている。
【0017】
各電磁弁11は、供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2を有している。したがって、本実施形態の各電磁弁11は、5ポート電磁弁である。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、ケーシング本体13に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、弁孔16にそれぞれ連通している。
【0018】
第1排出ポートR1、第1出力ポートA、供給ポートP、第2出力ポートB、第2排出ポートR2は、ケーシング本体13の長手方向の第1端から第2端に向かうにつれて、この順に並んでケーシング本体13に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第1端は弁孔16に連通している。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第2端は、ケーシング本体13の本体対向面13aに開口している。
【0019】
各電磁弁11は、第1ピストン18と、第2ピストン19と、を有している。第1ピストン18は、円板状である。第1ピストン18は、スプール弁17の第1端に連結されている。第1ピストン18は、スプール弁17と一体的に移動する。第2ピストン19は、円板状である。第2ピストン19は、スプール弁17の第2端に連結されている。第2ピストン19は、スプール弁17と一体的に移動する。
【0020】
第1連結ブロック14には、円孔状の第1ピストン収容凹部20が形成されている。第1ピストン収容凹部20には、第1ピストン18が往復動可能に収容されている。そして、第1ピストン収容凹部20と第1ピストン18とによって、第1パイロット圧作用室21が区画されている。第1パイロット圧作用室21には、パイロット流体が給排される。
【0021】
第2連結ブロック15には、円孔状の第2ピストン収容凹部22が形成されている。第2ピストン収容凹部22には、第2ピストン19が往復動可能に収容されている。そして、第2ピストン収容凹部22と第2ピストン19とによって、第2パイロット圧作用室23が区画されている。第2パイロット圧作用室23には、パイロット流体が給排される。
【0022】
各電磁弁11は、第1パイロット弁V1と、第2パイロット弁V2と、を備えている。したがって、電磁弁11は、ダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁である。第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2に対する電圧の印加は、例えば、図示しないプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器によって行われる。
【0023】
スプール弁17は、第1位置と、第2位置と、に切り換え可能である。例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が行われているとともに、第2パイロット弁V2への電圧の印加が停止されているとする。すると、第1パイロット弁V1によって、図示しない流体供給源からの圧縮された流体が第1パイロット圧作用室21にパイロット流体として供給される。一方で、第2パイロット弁V2によって、第2パイロット圧作用室23内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第2ピストン収容凹部22に向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートPと第1出力ポートAとを連通し、且つ第2出力ポートBと第2排出ポートR2とを連通する第1位置に切り換わる。また、スプール弁17が第1位置に切り換わると、供給ポートPと第2出力ポートBとの間が遮断されるとともに、第1出力ポートAと第1排出ポートR1との間が遮断される。
【0024】
また、例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が停止されているとともに、第2パイロット弁V2への電圧の印加が行われているとする。すると、第2パイロット弁V2によって、流体供給源からの圧縮された流体が第2パイロット圧作用室23にパイロット流体として供給される。一方で、第1パイロット弁V1によって、第1パイロット圧作用室21内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁17が第1ピストン収容凹部20に向けて移動する。その結果、スプール弁17は、供給ポートPと第2出力ポートBとを連通し、且つ第1出力ポートAと第1排出ポートR1とを連通する第2位置に切り換わる。また、スプール弁17が第2位置に切り換わると、供給ポートPと第1出力ポートAとの間が遮断されるとともに、第2出力ポートBと第2排出ポートR2との間が遮断される。
【0025】
このように、第1パイロット弁V1における第1パイロット圧作用室21に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット弁V2における第2パイロット圧作用室23に対するパイロット流体の給排が行われる。これにより、スプール弁17が第1位置と第2位置との間で弁孔16内を往復動する。そして、スプール弁17が第1位置と第2位置とに切り換わることにより、各ポート間の連通が切り換えられる。なお、
図1では、スプール弁17が第2位置に位置している状態を示している。
【0026】
<マニホールドベース30>
各マニホールドベース30は、長四角ブロック状である。各マニホールドベース30は、搭載面30aを有している。搭載面30aには、スペーサ40を介して電磁弁11が搭載されている。各マニホールドベース30の長手方向は、バルブケーシング12の長手方向に一致している。
【0027】
各マニホールドベース30は、供給流路31、第1出力流路32、第2出力流路33、第1排出流路34、及び第2排出流路35、を有している。供給流路31、第1出力流路32、第2出力流路33、第1排出流路34、及び第2排出流路35は、搭載面30aに開口している。
【0028】
供給流路31における搭載面30aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1出力流路32における搭載面30aとは反対側の端部、及び第2出力流路33における搭載面30aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体圧機器にそれぞれ接続されている。第1排出流路34における搭載面30aとは反対側の端部、及び第2排出流路35における搭載面30aとは反対側の端部は、大気にそれぞれ連通している。
【0029】
<スペーサ40>
各スペーサ40は、長四角ブロック状である。各スペーサ40は、バルブケーシング12に対向する第1対向面40aと、マニホールドベース30に対向する第2対向面40bと、を有している。各スペーサ40の長手方向は、バルブケーシング12の長手方向に一致している。
【0030】
各スペーサ40は、取付面41を有している。取付面41は、スペーサ40の長手方向の一方に位置する端面である。また、各スペーサは、第1供給連通流路42、第2供給連通流路43、第1出力連通流路44、第2出力連通流路45、第1排出連通流路46、及び第2排出連通流路47を有している。
【0031】
第1供給連通流路42は、供給流路31に第1端が連通するとともに取付面41に第2端が開口している。第2供給連通流路43は、供給ポートPに第1端が連通するとともに取付面41に第2端が開口している。第2供給連通流路43における取付面41に対する開口位置は、第1供給連通流路42における取付面41に対する開口位置よりも第1対向面40a寄りに位置している。
【0032】
第1出力連通流路44は、第1出力流路32と第1出力ポートAとを連通している。第2出力連通流路45は、第2出力流路33と第2出力ポートBとを連通している。第1排出連通流路46は、第1排出流路34と第1排出ポートR1とを連通している。第2排出連通流路47は、第2排出流路35と第2排出ポートR2とを連通している。
【0033】
電磁弁マニホールド10は、第1シール部材48と、第2シール部材49と、を備えている。第1シール部材48は、各スペーサ40と各マニホールドベース30との間をシールしている。第1シール部材48は、例えば、薄板状のガスケットである。第2シール部材49は、各スペーサ40と各バルブケーシング12との間をシールしている。第2シール部材49は、例えば、薄板状のガスケットである。
【0034】
<減圧弁50>
各減圧弁50は、ボディ51を備えている。ボディ51は、ボディ本体52を有している。ボディ本体52は、長四角ブロック状である。ボディ本体52は、第1面52aと、第2面52bと、接続面52cと、を有している。第1面52aは、ボディ本体52の長手方向の一方に位置する面である。第2面52bは、ボディ本体52の長手方向の他方に位置する面である。接続面52cは、第1面52aと第2面52bとを接続するとともにボディ本体52の長手方向及び幅方向に延びる面である。
【0035】
各ボディ51は、各スペーサ40に取り付けられている。具体的には、各ボディ51は、ボディ本体52の第1面52aが各スペーサ40の取付面41に対向した状態で、各スペーサ40の取付面41に取り付けられている。そして、
図2に示すように、マニホールドベース30、スペーサ40、及び減圧弁50は、複数並設される電磁弁11に対応して電磁弁11の並設方向に複数並んで配置されている。各ボディ本体52の幅方向は、電磁弁11の並設方向に一致している。なお、
図2では、各ボディ本体52の幅方向を矢印X1で示している。
【0036】
図1に示すように、ボディ51は、一次側流路53、二次側流路54、及び減圧弁孔55を有している。一次側流路53及び二次側流路54は、ボディ本体52の長手方向に貫通している。そして、一次側流路53及び二次側流路54は、第1面52a及び第2面52bそれぞれに開口している。二次側流路54は、一次側流路53よりも接続面52c寄りに位置している。一次側流路53は、第1供給連通流路42に連通している。二次側流路54は、第2供給連通流路43に連通している。一次側流路53における第1供給連通流路42とは反対側の端部、及び二次側流路54における第2供給連通流路43とは反対側の端部は、閉塞部材56により閉塞されている。閉塞部材56は、ボディ51の一部を構成している。
【0037】
図3に示すように、減圧弁孔55は、ボディ本体52に形成されている。減圧弁孔55は、一次側流路53と二次側流路54とを連通している。ボディ本体52は、弁座57を有している。弁座57は、ボディ本体52における一次側流路53側の減圧弁孔55の周囲に形成されている。
【0038】
減圧弁50は、減圧弁体58を備えている。減圧弁体58は、減圧弁孔55を開閉する。減圧弁体58は、一次側流路53内に配置されている。そして、減圧弁体58は、弁座57に対して接離する方向へ往復動可能である。なお、減圧弁体58は、金属製のばね受けにゴムをライニングして一体化することにより構成されている。減圧弁体58は、ボディ本体52における接続面52cとは反対側の面に開口する孔59を介してボディ本体52内に収容されている。孔59は、プラグ60によって封止されている。
【0039】
減圧弁体58は、弁座57から離間することにより開弁状態となる。そして、減圧弁体58が開弁状態となることにより、減圧弁孔55を介した一次側流路53と二次側流路54との連通が許容される。一方で、減圧弁体58は、弁座57に着座することにより閉弁状態となる。そして、減圧弁体58が閉弁状態となることにより、減圧弁孔55を介した一次側流路53と二次側流路54との連通が遮断される。
【0040】
減圧弁50は、復帰ばね61を有している。復帰ばね61は、減圧弁体58とプラグ60との間に介在されている。復帰ばね61は、減圧弁体58を弁座57に向けて付勢している。したがって、復帰ばね61は、減圧弁体58が閉弁する方向へ減圧弁体58を付勢している。
【0041】
ボディ本体52は、ピストン収容孔62を有している。ピストン収容孔62の第1端は、ボディ本体52の接続面52cに開口している。ピストン収容孔62の第2端は、二次側流路54に連通している。ピストン収容孔62の軸線は、減圧弁孔55の軸線に一致している。
【0042】
減圧弁50は、減圧ピストン63を備えている。減圧ピストン63は、ピストン収容孔62内に収容されている。減圧ピストン63は、ピストン収容孔62内を往復動可能である。減圧ピストン63は、ピストン本体部64と、ピストン軸部65と、を有している。ピストン軸部65は、ピストン本体部64における二次側流路54側の端面から突出している。ピストン軸部65の先端は、減圧弁孔55の内側を通過して減圧弁体58に当接している。そして、減圧ピストン63は、ピストン軸部65の先端が減圧弁体58に当接した状態で、減圧弁体58と一体的に往復動可能になっている。また、ピストン本体部64における二次側流路54側の端面は、二次側流路54の圧力を受圧する受圧面63aになっている。減圧ピストン63は、減圧弁体58と一体的に往復動可能であるとともに二次側流路54の圧力を受圧することにより減圧弁体58が閉弁する方向へ移動する。なお、ピストン本体部64とピストン収容孔62との間はパッキン66によってシールされている。
【0043】
ボディ51は、ケース67を有している。ケース67は、円板状のケース端壁68と、円筒状のケース周壁69と、を有している。ケース周壁69は、ケース端壁68の外周部から円筒状に延びている。ケース67は、フランジ70を有している。フランジ70は、ケース周壁69におけるケース端壁68とは反対側の端部から外方へ突出している。フランジ70は、円環状である。ケース67は、フランジ70を貫通する螺子71がボディ本体52にねじ込まれることにより、接続面52cに取り付けられている。ケース周壁69の内部とピストン収容孔62内とは連通している。ケース67は、ケース周壁69の軸線がピストン収容孔62の軸線と一致した状態で、ボディ本体52の接続面52cに取り付けられている。
【0044】
ケース67は、嵌合凹部72を有している。嵌合凹部72は、ケース端壁68におけるケース周壁69とは反対側に位置する端面に形成されている。嵌合凹部72は、円孔状である。ケース67は、貫通孔73を有している。貫通孔73は、嵌合凹部72の底面に形成されている。貫通孔73の軸線は、嵌合凹部72の軸線に一致している。貫通孔73は、嵌合凹部72の内側とケース周壁69の内部とを連通している。貫通孔73の軸線は、ケース周壁69の軸線に一致している。
【0045】
嵌合凹部72には、ナット74が嵌め込まれている。したがって、ケース67には、ナット74が設けられている。ナット74は、ボディ51の一部を構成している。ナット74は、雌ねじ孔75を有している。したがって、減圧弁50は、ボディ51に設けられる雌ねじ孔75を備えている。ナット74は、雌ねじ孔75の軸線が貫通孔73の軸線に一致した状態で、嵌合凹部72に嵌め込まれている。
【0046】
減圧弁50は、減圧ばね76を備えている。減圧ばね76は、ケース67の内部に収容されている。減圧ばね76は、減圧ピストン63を減圧弁体58に向けて付勢している。そして、減圧ピストン63は、減圧ばね76の付勢力によって減圧弁体58に向けて移動すると、減圧弁体58を押圧する。これにより、減圧弁体58が弁座57から離間する方向へ移動する。その結果、減圧弁体58が開弁状態となる。したがって、減圧ばね76は、減圧弁体58が開弁する方向へ減圧ピストン63を付勢する。
【0047】
減圧弁50は、ばね受け部材77を備えている。ばね受け部材77は、円板状である。ばね受け部材77は、ケース67の内部に収容されている。ばね受け部材77は、ケース67の内部で往復動可能になっている。ばね受け部材77は、ケース67の内部において、減圧ピストン63よりもケース端壁68寄りに配置されている。ばね受け部材77は、減圧ばね76を受ける。減圧ばね76の第1端は、ばね受け部材77に支持されている。減圧ばね76の第2端は、減圧ピストン63に支持されている。したがって、ばね受け部材77は、減圧ピストン63の移動方向において減圧ピストン63とは反対側で減圧ばね76を受ける。
【0048】
減圧弁50は、調整ねじ部材78を備えている。調整ねじ部材78は、端壁79と、周壁80と、を有している。端壁79は、円板状である。周壁80は、端壁79の外周部から円筒状に延びている。周壁80の内周面には、雌ねじ部81が形成されている。雌ねじ部81は、周壁80の開口端から端壁79の手前まで延びている。したがって、周壁80の内周面の略全てが雌ねじ部81になっている。
【0049】
調整ねじ部材78は、雄ねじ部82を有している。雄ねじ部82は、円柱状である。雄ねじ部82は、端壁79における周壁80とは反対側の面の中央部から突出している。雄ねじ部82は、ナット74の雌ねじ孔75に螺合する。雄ねじ部82の先端部は、雌ねじ孔75及び貫通孔73を通過して、ケース67の内部に突出している。そして、雄ねじ部82の先端は、ばね受け部材77に当接している。したがって、雄ねじ部82は、雌ねじ孔75に螺合するとともにばね受け部材77に当接する。
【0050】
調整ねじ部材78は、雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が行われることによりばね受け部材77の位置を調整する。具体的には、調整ねじ部材78が正方向に回転した場合には、雄ねじ部82が雌ねじ孔75に対して螺進する。そして、雌ねじ孔75に対して螺進する雄ねじ部82がばね受け部材77を押圧することにより、ばね受け部材77が減圧ピストン63に向けて移動する。これにより、ばね受け部材77と減圧ピストン63との間の距離が小さくなるため、減圧ばね76が圧縮されることにより、減圧ばね76のばね力が上昇する。
【0051】
一方で、例えば、調整ねじ部材78が正方向とは逆方向に回転した場合には、雄ねじ部82が雌ねじ孔75に対して螺退する。そして、減圧ばね76が伸長しようとすることにより、ばね受け部材77が減圧ピストン63から離間する方向へ移動する。これにより、ばね受け部材77と減圧ピストン63との間の距離が大きくなるため、減圧ばね76が伸長されることにより、減圧ばね76のばね力が下降する。
【0052】
このように、ばね受け部材77の位置が調整されることにより、減圧ばね76のばね力が調整される。したがって、調整ねじ部材78は、減圧ばね76のばね力を調整する。減圧ばね76のばね力が調整されることにより、減圧ばね76における減圧弁体58が開弁する方向へ減圧ピストン63を付勢する付勢力が調整される。
【0053】
端壁79には、挿通孔83が複数形成されている。本実施形態では、端壁79には、挿通孔83が2つ形成されている。2つの挿通孔83は、端壁79における雄ねじ部82の周囲に形成されている。各挿通孔83は、端壁79を厚み方向に貫通している。
【0054】
図3及び
図4に示すように、周壁80の開口端面には、挿入溝84が形成されている。
図4に示すように、周壁80の開口端面には、挿入溝84が2つ形成されている。2つの挿入溝84は、周壁80の開口端面において、周壁80の周方向で180度置きに配置されている。各挿入溝84は、周壁80の外周面と周壁80の内周面とを繋ぐとともに周壁80の軸線に向けて真っ直ぐに延びている。
【0055】
図4において二点鎖線で示すように、各挿入溝84には、工具85挿入可能である。工具85は、例えば、マイナスドライバーである。そして、各挿入溝84にマイナスドライバーの先端を挿し込んで、マイナスドライバーによって調整ねじ部材78を回転させることにより、雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が行われる。したがって、各挿入溝84には、雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退を行うための工具85が挿入可能である。
【0056】
図3に示すように、減圧弁50は、固定部材86を備えている。固定部材86は、固定部材86は、連結部材87と、固定ナット88と、を含む。
連結部材87は、平板部89と、複数の突出部90と、接続部91と、係止部92と、を有している。本実施形態では、連結部材87は、突出部90を2つ有している。各突出部90は、柱状である。各突出部90は、平板部89から突出している。各突出部90は、互いに平行に延びている。各突出部90の先端面は、平坦面状である。
【0057】
接続部91は、柱状である。接続部91は、平板部89における各突出部90とは反対側の面の中央部から突出している。係止部92は、接続部91における平板部89とは反対側の端部に接続されている。係止部92は、平板部89に平行に延びる円板状である。接続部91の軸線は、係止部92の中心に一致している。接続部91及び係止部92は、全体として断面T字形状である。
【0058】
固定ナット88は、円柱状である。固定ナット88の外周面は、雌ねじ部81に螺合可能な雄ねじになっている。固定ナット88は、調整ねじ部材78の周壁80の内側で雌ねじ部81に螺合している。
【0059】
固定ナット88は、係止溝93を有している。係止溝93は、固定ナット88の第1端面に開口し、且つ、固定ナット88の外周面にも開口している。係止溝93は、幅狭溝93aと、幅広溝93bと、から形成されている。
【0060】
接続部91及び係止部92は、固定ナット88の外周側から係止溝93にスライド挿入可能である。具体的には、接続部91は、幅狭溝93aにスライド挿入されるとともに、係止部92は、幅広溝93bにスライド挿入される。係止部92は、幅広溝93bの内面に係止されている。そして、固定ナット88は、連結部材87に対する回転が許容された状態で連結部材87に係止されている。各突出部90は、各挿通孔83に挿通されている。連結部材87は、固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退が行われることにより、固定ナット88と一体的に移動可能である。各突出部90は、調整ねじ部材78の端壁79からそれぞれ突出してボディ51に当接可能である。各突出部90は、ボディ51に対して面接触可能である。具体的には、各突出部90の先端は、ケース端壁68の外面の一部、及びナット74の端面の一部に面接触可能である。
【0061】
図3及び
図4に示すように、固定ナット88における周壁80の開口から臨む端面である操作端面88aには、凹溝94が形成されている。凹溝94は、固定ナット88の径方向に真っ直ぐに延びている。凹溝94の両端部は、固定ナット88の外周面にそれぞれ開口している。
【0062】
図4において二点鎖線で示すように、凹溝94には、工具95が挿入可能である。工具95は、例えば、マイナスドライバーである。そして、凹溝94にマイナスドライバーの先端を挿し込んで、マイナスドライバーによって固定ナット88を回転させることにより、固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退が行われる。したがって、凹溝94には、固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退を行うための工具95が挿入可能である。
図3及び
図5に示すように、固定ナット88は、操作端面88aが各挿入溝84よりも端壁79寄りに位置するように周壁80の内側に配置されている。
【0063】
固定部材86は、調整ねじ部材78をボディ51に対して固定する。具体的には、各突出部90がボディ51に当接することにより、各突出部90がボディ51に対して面接触した状態でボディ51を押圧する。各突出部90におけるボディ51に対する押圧力により、調整ねじ部材78の回転が規制される。これにより、調整ねじ部材78は、雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が規制された状態で、固定ナット88及び連結部材87を介してボディ51に対して固定される。
【0064】
減圧弁50は、圧力計96を備えている。圧力計96は、二次側流路54の圧力を検出する。圧力計96は、ボディ本体52の接続面52cに設けられている。したがって、接続面52cには、二次側流路54の圧力を検出する圧力計96が設けられている。ボディ本体52には、圧力計96が装着される装着孔97が形成されている。装着孔97の第1端は、接続面52cに開口している。装着孔97の第2端は、二次側流路54に連通している。そして、圧力計96のセンサ部分は、装着孔97を介して二次側流路54に臨んでいる。圧力計96の一部は、装着孔97から外部へ突出している。したがって、圧力計96は、接続面52cから突出している。
【0065】
圧力計96は、接続面52c側から平面視すると、ボディ本体52の長手方向で調整ねじ部材78に隣り合った状態で接続面52cに対して配置されている。したがって、調整ねじ部材78は、接続面52c側から平面視すると、ボディ本体52の長手方向で圧力計96に隣り合った状態で接続面52cに対して配置されている。
【0066】
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
二次側流路54の圧力が設定圧力を下回ると、減圧ばね76の付勢力が減圧ピストン63の受圧面63aに受圧する二次側流路54の圧力に抗して、減圧ばね76が減圧ピストン63を押圧する。これにより、減圧弁体58が弁座57から離間する方向へ移動する。その結果、減圧弁体58が開弁状態となる。減圧弁体58が開弁状態となると、供給流路31からの流体が、第1供給連通流路42、一次側流路53、減圧弁孔55、及び二次側流路54を介して供給ポートPに供給される。したがって、供給流路31は、供給ポートPに流体を供給する。
【0067】
一次側流路53から減圧弁孔55を介して二次側流路54に流体が流れると、二次側流路54の圧力が上昇していく。そして、減圧ピストン63の受圧面63aに受圧される圧力が上昇することで、減圧ピストン63がばね受け部材77に向けて移動する。さらに、減圧弁体58が復帰ばね61の付勢力によって弁座57に向けて移動する。そして、二次側流路54の圧力が設定圧力に達すると、減圧弁体58が弁座57に着座して閉弁状態となる。これにより、二次側流路54の圧力が設定圧力となる。
【0068】
スプール弁17が第1位置に切り換えられている場合、供給ポートPに供給されている流体は、第1出力ポートA、第1出力連通流路44、及び第1出力流路32を介して流体圧機器に出力される。そして、流体圧機器からの圧力流体が、第2出力流路33、第2出力連通流路45、第2出力ポートB、第2排出ポートR2、第2排出連通流路47、及び第2排出流路35を介して外部へ排出される。
【0069】
一方で、スプール弁17が第2位置に切り換えられている場合、供給ポートPに供給されている流体は、第2出力ポートB、第2出力連通流路45、及び第2出力流路33を介して流体圧機器に出力される。そして、流体圧機器からの流体が、第1出力流路32、第1出力連通流路44、第1出力ポートA、第1排出ポートR1、第1排出連通流路46、及び第1排出流路34を介して外部へ排出される。
【0070】
減圧弁50は、一次側流路53から供給された流体の圧力を減圧して二次側流路54へ導出する。これにより、電磁弁11から出力される流体は、減圧弁50によって設定圧力に減圧調整されている。このように、減圧弁50は、電磁弁11から出力される流体の圧力を設定圧力に減圧調整する。
【0071】
<減圧ばね76のばね力の調整作業>
作業者は、二次側流路54の圧力が設定圧力となったときに、減圧弁体58が閉弁状態となるように、減圧ばね76のばね力を調整する作業を行う。具体的には、
図5に示すように、まず、各突出部90がボディ51から離間している状態において、各挿入溝84に工具85を挿入する。そして、工具85によって調整ねじ部材78を回転させる。これにより、雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が行われる。その結果、ばね受け部材77の位置が調整されるため、減圧ばね76のばね力が調整される。
【0072】
この作業者による減圧ばね76のばね力の調整作業は、作業者が圧力計96により検出される圧力を確認しながら、調整ねじ部材78を回転させることにより行われる。このように、減圧弁50は、圧力計96によって検出された圧力が設定圧力となるように二次側流路54の圧力を減圧調整することで、電磁弁11から出力される流体の圧力の減圧調整を行う。
【0073】
続いて、固定部材86の締め付け作業を行う。具体的には、まず、調整ねじ部材78の周壁80の外側から周壁80を工具や手で保持する。この状態で、固定ナット88の凹溝94に工具95を挿入する。そして、工具95によって固定ナット88を雌ねじ部81に対して螺進させる。このとき、固定ナット88は、連結部材87に対する回転が許容された状態で連結部材87に係止されている。これにより、連結部材87は、各突出部90が各挿通孔83に案内されながら、固定ナット88と共にボディ51に向けて移動する。
【0074】
図3に示すように、各突出部90がボディ51に当接することにより、各突出部90がボディ51に対して面接触した状態となる。そして、各突出部90におけるボディ51に対する押圧力により、調整ねじ部材78の回転が規制される。これにより、調整ねじ部材78が、固定ナット88及び連結部材87を介してボディ51に固定される。このような固定部材86の締め付け作業を行うことにより、調整ねじ部材78の位置ずれが生じること無く、調整ねじ部材78がボディ51に固定される。
【0075】
<効果>
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)固定ナット88の操作端面88aに形成されている凹溝94に工具95を挿入して、工具95によって固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退が行われる。したがって、調整ねじ部材78の雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が行われる方向と同一方向から固定部材86の締め付け作業を行うことができる。よって、従来技術のように、調整ねじ部材78の雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退が行われる方向に対して交差する方向から固定部材86の締め付け作業を行う必要が無い。このため、調整ねじ部材78の雄ねじ部82に対する螺進退が行われる方向に対して交差する方向に十分に作業スペースが確保できない環境下であっても、調整ねじ部材78をボディ51に対して容易に固定することができる。したがって、作業性が向上する。
【0076】
また、固定ナット88が周壁80の内側で雌ねじ部81に螺合されているため、周壁80の外側から周壁80を工具や手で保持した状態で、工具95による固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退を容易に行うことができる。したがって、調整ねじ部材78が固定ナット88と共回りしてしまうことを回避し易くすることができる。よって、調整ねじ部材78の位置ずれが生じ難くなる。以上により、作業性を向上させつつも、二次側流路54の圧力を設定圧力に精度良く調整することができる。
【0077】
(2)固定ナット88は、操作端面88aが各挿入溝84よりも端壁79寄りに位置するように周壁80の内側に配置されている。これによれば、工具85を各挿入溝84に挿入して雄ねじ部82における雌ねじ孔75に対する螺進退を行う際に、工具85が固定ナット88に干渉してしまうといった問題を回避することができる。
【0078】
(3)減圧弁50が、複数並設される電磁弁11に対応して電磁弁11の並設方向に複数並んで配置されている場合、調整ねじ部材78の雄ねじ部82に対する螺進退が行われる方向に対して交差する方向に十分に作業スペースが確保できない。このような場合であっても、本実施形態によれば、調整ねじ部材78をボディ51に対して容易に固定することができるため、作業性が向上する。
【0079】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0080】
・実施形態において、例えば、調整ねじ部材78の周壁80の外周面が、一対の平面を有する二面幅形状になっていてもよい。そして、一対の平面に、例えば、スパナを嵌めてスパナによって調整ねじ部材78を回転させるようにしてもよい。このような場合、周壁80の開口端面に、工具85が挿入可能な挿入溝84が形成されていなくてもよい。なお、例えば、周壁80の開口端面に挿入溝84が形成されていない場合であれば、固定ナット88が、操作端面88aが各挿入溝84よりも端壁79寄りに位置するように周壁80の内側に配置されている必要が無くなる。
【0081】
・実施形態において、例えば、調整ねじ部材78の外周面がローレット加工が施されたローレット加工面を有していてもよい。そして、作業者が、ローレット加工面を手で掴んで調整ねじ部材78を回転させるようにしてもよい。このような場合、周壁80の開口端面に、工具85が挿入可能な挿入溝84が形成されていなくてもよい。
【0082】
・実施形態において、凹溝94は、固定ナット88の径方向に真っ直ぐに延びていなくてもよく、例えば、六角形孔形状であってもよい。そして、六角レンチの先端を凹溝94に挿し込んで、六角レンチによって固定ナット88を回転させることにより、固定ナット88における雌ねじ部81に対する螺進退を行うようにしてもよい。
【0083】
・実施形態において、突出部90の数は特に限定されるものではない。なお、突出部90の数に応じて、挿通孔83の数も適宜変更される。
・実施形態において、ケース67にナット74が設けられていなくてもよい。そして、例えば、ケース67のケース端壁68に雌ねじ孔75が形成されていてもよい。要は、減圧弁50は、ボディ51に設けられる雌ねじ孔75を備えている構成であればよい。
【0084】
・実施形態において、減圧弁50は、圧力計96が、ボディ本体52の長手方向で調整ねじ部材78に隣り合った状態で接続面52cに対して配置されている構成に限定されるものではない。
【0085】
・実施形態において、例えば、電磁弁マニホールド10は、スペーサ40を省略した構成であってもよい。要は、減圧弁50は、一次側流路53から供給された流体の圧力を減圧して二次側流路54へ導出することにより、電磁弁11から出力される流体の圧力を設定圧力に減圧調整できる構成であれば、その配置位置は特に限定されるものではない。
【0086】
・実施形態において、電磁弁11は、ダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁であったが、これに限らず、例えば、パイロット弁が1つだけ搭載されたシングルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁であってもよい。
【0087】
・実施形態において、電磁弁11は、例えば、第2排出ポートR2を省略した4ポート電磁弁であってもよい。要は、電磁弁11は、少なくとも1つの排出ポートを有していればよい。また、電磁弁11は、供給ポート、出力ポート、及び排出ポートを有する3ポート電磁弁であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
50…減圧弁、51…ボディ、53…一次側流路、54…二次側流路、55…減圧弁孔、58…減圧弁体、63…減圧ピストン、75…雌ねじ孔、76…減圧ばね、77…ばね受け部材、78…調整ねじ部材、79…端壁、80…周壁、81…雌ねじ部、82…雄ねじ部、83…挿通孔、84…挿入溝、85…工具、86…固定部材、87…連結部材、88…固定ナット、88a…操作端面、90…突出部、94…凹溝。