IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-室内熱交換器 図1
  • 特開-室内熱交換器 図2
  • 特開-室内熱交換器 図3
  • 特開-室内熱交換器 図4
  • 特開-室内熱交換器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048854
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】室内熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0063 20190101AFI20240402BHJP
【FI】
F24F1/0063
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154986
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】吾郷 祥太
(72)【発明者】
【氏名】中野 寛之
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BE01
3L051BH01
(57)【要約】
【課題】アルミ製である管板及び伝熱管が外部からの衝撃によって破損することを抑制する。
【解決手段】室内熱交換器10は、フィン11と、管板14と、フィン11及び管板14を貫通した伝熱管12とを備えている。管板14及び伝熱管12は、アルミ製である。管板14は、第1管板141、第2管板142、第3管板143及び第4管板144を含む。第1管板141、第2管板142及び第3管板143は、連結部材50によって連結されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィンと、
管板と、
前記フィン及び前記管板を貫通した伝熱管と、を備え、
前記管板及び前記伝熱管は、アルミ製であり、
前記管板は、第1管板及び第2管板を含み、
前記第1管板及び前記第2管板が連結部材によって連結されている、室内熱交換器。
【請求項2】
前記連結部材は、アルミニウムよりも強度の大きい材料からなる、請求項1に記載の室内熱交換器。
【請求項3】
前記室内熱交換器は、前記第1管板と前記第2管板とが角度をなして配置された折り曲げ型であり、
前記連結部材は、前記室内熱交換器の折り曲げ個所である前記第1管板と前記第2管板との間に配置された部分を有する、請求項1に記載の室内熱交換器。
【請求項4】
前記連結部材は、空気調和機のフレームに対して固定される固定部を有する、請求項1に記載の室内熱交換器。
【請求項5】
前記第1管板は、空気調和機のフレームに対して固定される第1固定部を有し、
前記第2管板は、前記フレームに対して固定される第2固定部を有し、
前記連結部材は、前記第1固定部及び前記第2固定部を補強する、請求項1に記載の室内熱交換器。
【請求項6】
前記連結部材は、前記伝熱管の下方に配置される、請求項1に記載の室内熱交換器。
【請求項7】
前記連結部材は、前記第1管板及び前記第2管板の少なくとも一方と、鋼製の締結部材によって締結されている、請求項1に記載の室内熱交換器。
【請求項8】
前記連結部材は、板部材であり、前記板部材の面方向と直交する直交方向に前記第1管板と重なる第1重複領域、及び、前記直交方向に前記第2管板と重なる第2重複領域を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の室内熱交換器。
【請求項9】
前記板部材の厚みは1~2mmである、請求項8に記載の室内熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、伝熱管を挿通させる管板をアルミ製とする点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-124952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、伝熱管の材料は特定されていないが、低コスト化の観点から、伝熱管もアルミ製とすることが考えられる。しかしながら、アルミニウムは強度が比較的小さく、管板及び伝熱管をアルミ製とすると、管板及び伝熱管が外部からの衝撃によって破損し易くなる。特に、管板が複数の部材で構成される場合、管板を構成する複数の部材同士の固定位置がずれることで、管板及び伝熱管が外部からの衝撃を受け易くなる。
【0005】
本開示の目的は、アルミ製である管板及び伝熱管が外部からの衝撃によって破損することを抑制できる室内熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1観点に係る室内熱交換器は、フィンと、管板と、前記フィン及び前記管板を貫通した伝熱管と、を備え、前記管板及び前記伝熱管は、アルミ製であり、前記管板は、第1管板及び第2管板を含み、前記第1管板及び前記第2管板が連結部材によって連結されている。
【0007】
本開示の第1観点によると、連結部材によって第1管板及び第2管板が連結されたことで、第1管板及び第2管板が強固に固定され、第1管板及び第2管板同士の固定位置がずれることが抑制される。これにより、アルミ製である管板及び伝熱管が外部からの衝撃によって破損することを抑制できる。
【0008】
本開示の第2観点に係る室内熱交換器は、上記第1観点において、前記連結部材は、アルミニウムよりも強度の大きい材料からなってよい。この場合、アルミニウムよりも強度の大きい材料からなる連結部材によって管板及び伝熱管が補強され、管板及び伝熱管が外部からの衝撃によって破損することをより確実に抑制できる。
【0009】
本開示の第3観点に係る室内熱交換器は、上記第1又は第2観点において、前記室内熱交換器は、前記第1管板と前記第2管板とが角度をなして配置された折り曲げ型であり、前記連結部材は、前記室内熱交換器の折り曲げ個所である前記第1管板と前記第2管板との間に配置された部分を有してよい。この場合、連結部材によって折り曲げ個所が覆われることで、室内熱交換器の破損をより確実に抑制できる。
【0010】
本開示の第4観点に係る室内熱交換器は、上記第1~第3観点のいずれかにおいて、前記連結部材は、空気調和機のフレームに対して固定される固定部を有してよい。この場合、連結部材の固定部を介して、管板及び伝熱管をフレームに固定できる。
【0011】
本開示の第5観点に係る室内熱交換器は、上記第1~第3観点のいずれかにおいて、前記第1管板は、空気調和機のフレームに対して固定される第1固定部を有し、前記第2管板は、前記フレームに対して固定される第2固定部を有し、前記連結部材は、前記第1固定部及び前記第2固定部を補強してよい。この場合、大きな外力が作用しやすい固定部が連結部材によって補強されたことで、固定部の変形を抑制でき、ひいてはフレームに対する管板及び伝熱管の固定の不具合を抑制できる。
【0012】
本開示の第6観点に係る室内熱交換器は、上記第1~第5観点のいずれかにおいて、前記連結部材は、前記伝熱管の下方に配置されてよい。伝熱管の表面において結露により生じた水が連結部材に付着すると、連結部材の材料と水との反応によって金属イオン(Feイオン等)が生じる。この金属イオンがアルミ製の伝熱管に付着すると、伝熱管が腐食し得る。この点、本構成では、連結部材が伝熱管に対して下方に配置されるため、連結部材の表面で生じた金属イオンが伝熱管に付着すること(ひいては伝熱管が腐食すること)を抑制できる。
【0013】
本開示の第7観点に係る室内熱交換器は、上記第1~第6観点のいずれかにおいて、前記連結部材は、前記第1管板及び前記第2管板の少なくとも一方と、鋼製の締結部材によって締結されてよい。この場合、締結箇所の周辺での電食を抑制できる。
【0014】
本開示の第8観点に係る室内熱交換器は、上記第1~第7観点のいずれかにおいて、前記連結部材は、板部材であり、前記板部材の面方向と直交する直交方向に前記第1管板と重なる第1重複領域、及び、前記直交方向に前記第2管板と重なる第2重複領域を有してよい。この場合、連結部材が、少ない材料で広い面積にわたって第1管板及び第2管板を覆うことができ、高い補強効果が得られる。
【0015】
本開示の第9観点に係る室内熱交換器は、上記第1~第8観点のいずれかにおいて、前記板部材の厚みは1~2mmであってよい。この場合、連結部材の一定の強度の確保と軽量化とを共に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の第1実施形態に係る室内熱交換器を含む空気調和機の、外装パネルを取り外した状態での正面図である。
図2図1に示す室内熱交換器を右前方から見た分解斜視図である。
図3図1に示す室内熱交換器の右側面図である。
図4図1に示す室内熱交換器を左前方から見た斜視図である。
図5】本開示の第2実施形態に係る室内熱交換器の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
先ず、図1を参照し、本開示の第1実施形態に係る室内熱交換器10を含む空気調和機1の全体構成について説明する。なお、以下の説明において、「上」「下」「右」「左」「前」「後」の方向は、空気調和機1が図1の状態で設置された状態での方向を表す。
【0018】
空気調和機1は、室内熱交換器10と、ファン及びフィルタ(図示略)と、フレーム1fと、外装パネル(図示略)とを有する。
【0019】
フレーム1fは、空気調和機1の底部及び後部を構成する。フレーム1fは、一方向に長く、図1において当該一方向が左右方向に沿うように、取付板(図示略)を介して室内の壁面に取り付けられている。ファン、外装パネル及び室内熱交換器10は、フレーム1fに取り付けられている。フィルタは、外装パネルに取り付けられている。
【0020】
室内熱交換器10は、フレーム1fと同様に一方向(図1の左右方向)に長い。
【0021】
次いで、図1図4を参照し、室内熱交換器10の構成について詳細に説明する。
【0022】
室内熱交換器10は、図1に示すように、複数のフィン11と、複数の伝熱管12と、管板13,14と、連結部材50,90とを含む。伝熱管12及び管板13,14は、アルミ製である。連結部材50は、厚み1~2mmの鋼製の板部材である。連結部材90は、樹脂製の部材である。
【0023】
複数のフィン11は、それぞれ、薄板状であり、板面が上下方向及び前後方向に沿うように配置されている。複数のフィン11は、左右方向に等間隔に並んでいる。
【0024】
複数の伝熱管12は、それぞれ、左右方向に延びる一対の直線部12sと、一対の直線部12sの左端同士を接続するU字状の曲げ部12xとを有する。さらに、1本の伝熱管12に係る一対の直線部12sのうちの一方の右端と、別の1本の伝熱管12に係る一対の直線部12sのうちの一方の右端とは、曲げ部12yによって接続されている。
【0025】
なお、図1では、簡略化のため、複数の伝熱管12のうちの1本の伝熱管12に係る一対の直線部12sのみを描いている。また、図1及び図2では、簡略化のため、複数のフィン11のうちの一部のみを部分的に描いている。
【0026】
直線部12sは、図1に示すように、複数のフィン11を貫通している。曲げ部12xは、複数のフィン11に対して左側に位置している。曲げ部12yは、複数のフィン11に対して右側に位置している。
【0027】
曲げ部12xは一対の直線部12sと一体的に形成されており、1本の管を折り曲げることで一対の直線部12sと曲げ部12xとがU字状の伝熱管12の構成要素として形成される。一方、曲げ部12yは、所謂Uベンド管からなり、上記のように折り曲げて形成されたU字状の伝熱管12の開口端(1本の伝熱管12に係る一対の直線部12sのうちの一方の右端と、別の1本の伝熱管12に係る一対の直線部12sのうちの一方の右端と)に溶接されたものである。
【0028】
曲げ部12yの近傍には、伝熱管12に冷媒を供給するための構成要素(冷媒管17、分流器18、膨張弁19等)が配置されている。
【0029】
管板13,14は、それぞれ、板面が上下方向及び前後方向に沿うように配置されている。管板13は、複数のフィン11に対して左側に位置する。管板14は、複数のフィン11に対して右側に位置する。各管板13,14には、複数の伝熱管12が貫通している。各管板13,14と各伝熱管12との間にはほとんど間隙がなく、管板13,14がフィン11及び複数の伝熱管12を支持している。管板13の左側、即ち管板13に対して複数のフィン11と反対側に、曲げ部12xが配置されている。管板14の右側、即ち管板14に対して複数のフィン11と反対側に、曲げ部12yが配置されている。
【0030】
管板14は、図2及び図3に示すように、第1管板141と、第2管板142と、第3管板143と、第4管板144とを含む。室内熱交換器10は、第1~第4管板141~144がそれぞれ隣り合う管板141~144と角度をなして配置された折り曲げ型である。第1~第4管板141~144のそれぞれに、複数の伝熱管12が貫通している。各伝熱管12における一対の直線部12sは、第1~第4管板141~144のうちの同じ管板を貫通している。
【0031】
第1管板141と第2管板142との間に、室内熱交換器10の折り曲げ個所B1が設けられている。第2管板142と第3管板143との間に、室内熱交換器10の折り曲げ個所B2が設けられている。第3管板143と第4管板144との間に、室内熱交換器10の折り曲げ個所B3が設けられている。
【0032】
第1管板141と第2管板142とは互いに離隔し、両者の間に間隙が設けられている。当該間隙が、折り曲げ個所B1に該当する。第2管板142と第3管板143とは、折り曲げ個所B2を介して、互いに接続している。第3管板143と第4管板144とは、折り曲げ個所B3を介して、互いに接続している。
【0033】
管板14は、第2管板142に形成された開口142x及び第3管板143に形成されたフック143xを介して、フレーム1fに固定されている。開口142xにフレーム1fの爪(図示略)が引っ掛かり、フック143xがフレーム1fの開口(図示略)に引っ掛けられることで、管板14がフレーム1fに対して固定される。開口142xは本開示の「第1固定部」に該当し、フック143xは本開示の「第2固定部」に該当する。
【0034】
室内熱交換器10は、第1管板141を含む後熱交換部10aと、第2~第4管板142~144を含む前熱交換部10bとで構成される。
【0035】
連結部材50は、第1~第3管板141~143を連結している。連結部材50は、第1~第3管板141~143のそれぞれと、鋼製のネジ70によって締結されている。鋼は、アルミニウムよりも強度の大きい材料である。ネジ70は、本開示の「締結部材」に該当する。なお、ネジ70は、めっき被膜が施されたものであってよい。
【0036】
連結部材50は、図3に示すように、第1管板141と左右方向(板部材の面方向と直交する直交方向)に重なる第1重複領域51と、第2管板142と左右方向に重なる第2重複領域52と、第3管板143と左右方向に重なる第3重複領域53とを有する。第1重複領域51と第2重複領域52とは互いに離隔し、第2重複領域52と第3重複領域53とは互いに離隔せず連続している。また、連結部材50は、折り曲げ個所B1,B2に配置された部分(折り曲げ個所B1,B2と左右方向に重なる部分)を有する。
【0037】
連結部材50は、さらに、開口142xの周縁と左右方向に重なる領域52xと、フック143xと左右方向に重なる領域53xとを有する。これにより、フレーム1fに対する固定部である開口142x及びフックが、連結部材50によって補強されている。
【0038】
連結部材50には、伝熱管12の直線部12sが挿入される4つの貫通孔50aが形成されている。各貫通孔50aには、2つの直線部12sが挿入されている。
【0039】
連結部材50は、図1及び図2に示すように、室内熱交換器10の右側部を構成している。連結部材50は、管板14の右側、即ち管板14に対して複数のフィン11と反対側に配置されている。換言すると、左右方向において連結部材50と複数のフィン11との間に、管板14が配置されている。
【0040】
管板13は、図4に示すように、第1管板131と、第2管板132と、第3管板133と、第4管板134とを含む。室内熱交換器10は、第1~第4管板131~134がそれぞれ隣り合う管板131~134と角度をなして配置された折り曲げ型である。第1~第4管板131~134のそれぞれに、複数の伝熱管12が貫通している。各伝熱管12における一対の直線部12sは、第1~第4管板131~134のうちの同じ管板を貫通している。
【0041】
第1管板131と第2管板132との間に、室内熱交換器10の折り曲げ個所C1が設けられている。第2管板132と第3管板133との間に、室内熱交換器10の折り曲げ個所C2が設けられている。第3管板133と第4管板134との間に、室内熱交換器10の折り曲げ個所C3が設けられている。
【0042】
第1管板131と第2管板132とは互いに離隔し、両者の間に間隙が設けられている。当該間隙が、折り曲げ個所C1に該当する。第2管板132と第3管板133とは、折り曲げ個所C2を介して、互いに接続している。第3管板133と第4管板134とは、折り曲げ個所C3を介して、互いに接続している。
【0043】
後熱交換部10aは、第1管板131を含む。前熱交換部10bは、第2~第4管板132~134を含む。
【0044】
連結部材90は、第1~第3管板131~133を連結している。連結部材90は、第1~第3管板131~133のそれぞれと、ネジ70によって締結されている。
【0045】
連結部材90は、第1管板131と左右方向に重なる重複領域と、第2管板132と左右方向に重なる重複領域と、第3管板133と左右方向に重なる重複領域とを有する。また、連結部材90は、折り曲げ個所C1,C2に配置された部分(折り曲げ個所C1,C2と左右方向に重なる部分)を有する。
【0046】
連結部材90には、フレーム1f(図1参照)に連結部材90を固定するための貫通孔90xが形成されている。即ち、連結部材90は、貫通孔90xに挿入されたネジ(図示略)を介して、フレーム1fに固定されている。貫通孔90xは、本開示の「固定部」に該当する。
【0047】
以上に述べたように、本実施形態によると、図2及び図3に示すように、連結部材50によって第1~第3管板141~143が連結されたことで、第1~第3管板141~143が強固に固定され、第1~第3管板141~143同士の固定位置がずれることが抑制される。これにより、アルミ製である管板14及び伝熱管12が外部からの衝撃によって破損することを抑制できる。また、図4に示すように、連結部材90によって第1~第3管板131~133が連結されたことで、第1~第3管板131~133が強固に固定され、第1~第3管板131~133同士の固定位置がずれることが抑制される。これにより、アルミ製である管板13及び伝熱管12が外部からの衝撃によって破損することを抑制できる。
【0048】
連結部材50は、鋼(アルミニウムよりも強度の大きい材料)からなる。この場合、アルミニウムよりも強度の大きい材料からなる連結部材50によって管板14及び伝熱管12が補強され、管板14及び伝熱管12が外部からの衝撃によって破損することをより確実に抑制できる。
【0049】
室内熱交換器10は、図3に示すように、第1~第4管板141~144がそれぞれ隣り合う管板141~144と角度をなして配置された折り曲げ型である。連結部材50は、折り曲げ個所B1,B2に配置された部分を有する。この場合、連結部材50によって折り曲げ個所B1,B2が覆われることで、室内熱交換器10の破損をより確実に抑制できる。また、室内熱交換器10は、図4に示すように、第1~第4管板131~134がそれぞれ隣り合う管板131~134と角度をなして配置された折り曲げ型である。連結部材90は、折り曲げ個所C1,C2に配置された部分を有する。この場合、連結部材90によって折り曲げ個所C1,C2が覆われることで、室内熱交換器10の破損をより確実に抑制できる。
【0050】
連結部材90は、図4に示すように、フレーム1f(図1参照)に対して固定される固定部(貫通孔90x)を有する。この場合、連結部材90の貫通孔90xを介して、管板13及び伝熱管12をフレーム1fに固定できる。
【0051】
連結部材50は、図3に示すように、管板14に設けられた固定部(開口142x及びフック143x)を補強している。この場合、大きな外力が作用しやすい固定部が連結部材50によって補強されたことで、固定部の変形を抑制でき、ひいてはフレーム1fに対する管板14及び伝熱管12の固定の不具合を抑制できる。
【0052】
連結部材50は、第1~第3管板141~143のそれぞれと鋼製のネジ70によって締結されている。この場合、締結箇所の周辺での電食を抑制できる。
【0053】
連結部材50は、板部材であり、第1管板141と左右方向(板部材の面方向と直交する直交方向)に重なる第1重複領域51と、第2管板142と左右方向に重なる第2重複領域52と、第3管板143と左右方向に重なる第3重複領域53とを有する。この場合、連結部材50が、少ない材料で広い面積にわたって第1~第3管板141~143を覆うことができ、高い補強効果が得られる。
【0054】
連結部材50を構成する板部材の厚みは1~2mmである。この場合、連結部材50の一定の強度の確保と軽量化とを共に実現できる。
【0055】
<第2実施形態>
次いで、図5を参照し、本開示の第2実施形態に係る室内熱交換器210について説明する。
【0056】
第2実施形態に係る室内熱交換器210は、第1~第3管板141~143を連結する連結部材250の構成と、管板14に固定部(開口142x及びフック143x:図3参照)が設けられておらず、連結部材250に固定部(フック250x)が設けられている点とを除き、第1実施形態に係る室内熱交換器10と同じ構成である。
【0057】
連結部材250には、伝熱管12の直線部12sが挿入される貫通孔50aが形成されていない。連結部材250は、全ての伝熱管12に対し、下方に配置されている。より具体的には、連結部材250の第1重複領域51は、第1重複領域51に対応する第1管板141を貫通する全ての伝熱管12に対して、重力方向の下方に配置されている。同様に、第2重複領域52および第3重複領域53も、対応する管板を貫通する全ての伝熱管12に対して、重力方向の下方に配置されている。換言すると、連結部材250は、いずれの伝熱管12の直上に位置する部分をも有していない。
【0058】
連結部材250は、フレーム1f(図1参照)に対して固定されるフック250x(第1実施形態に係るフック143xと同様の部分)を有する。フック250xがフレーム1fの開口(図示略)に引っ掛けられることで、連結部材250がフレーム1fに対して固定される。
【0059】
以上に述べたように、本実施形態によると、連結部材250は、伝熱管12の下方に配置されている。伝熱管12の表面において結露により生じた水が連結部材250に付着すると、連結部材250の材料(鋼)と水との反応によって金属イオン(Feイオン等)が生じる。この金属イオンがアルミ製の伝熱管12に付着すると、伝熱管12が腐食し得る。この点、本実施形態では、連結部材250が伝熱管12に対して下方に配置されているため、連結部材250の表面で生じた金属イオンが伝熱管12に付着すること(ひいては伝熱管12が腐食すること)を抑制できる。
【0060】
また、連結部材250は、フレーム1f(図1参照)に対して固定される固定部(フック250x)を有する。この場合、連結部材250のフック250xを介して、管板14及び伝熱管12をフレーム1fに固定できる。
【0061】
<変形例>
室内熱交換器は、上述の実施形態では2つの連結部材50,90を有するが、1つの連結部材のみを有してもよい。
【0062】
1本の伝熱管が第1管板及び第2管板の両方を貫通してもよい。
【0063】
締結部材は、ネジに限定されず、ボルト・ナット等であってもよい。
【0064】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0065】
1 空気調和機
1f フレーム
10;210 室内熱交換器
11 フィン
12 伝熱管
13 管板
131 第1管板
132 第2管板
14 管板
141 第1管板
142x 開口(第1固定部)
142 第2管板
143x フック(第2固定部)
50;250 連結部材
51 第1重複領域
52 第2重複領域
250x フック(固定部)
70 ネジ(締結部材)
90 連結部材
90x 貫通孔(固定部)
B1,B2 折り曲げ個所
C1,C2 折り曲げ個所
図1
図2
図3
図4
図5