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  • 特開-車両用表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048866
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 7/00 20060101AFI20240402BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240402BHJP
【FI】
G01D7/00 K
B60K35/00 Z
G01D7/00 G
G01D7/00 303A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155000
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 駿一
【テーマコード(参考)】
2F041
3D344
【Fターム(参考)】
2F041EA02
2F041EA07
2F041EA08
3D344AA19
3D344AB01
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】光源に対する多段的な調光機能を実現しながら、演算による負荷を低減した車両用表示装置を提供する。
【解決手段】上記目的を達成するため、本開示の車両用表示装置10は、発光することで表示を行う表示ユニット20と、外光の光強度を検出し、検出結果を示す外光検出信号S1を出力する外光検出部65と、外光検出信号S1を参照して表示ユニット20の発光輝度を調整する光源制御部60aと、外光検出部65に異常が生じた場合にエラー信号Seを生成するエラー信号生成回路SGeと、を備え、エラー信号生成回路SGeは、光源制御部60aを介さずに表示ユニット20へエラー信号Seを出力し、表示ユニット20aは、エラー信号Seが入力されている間、発光輝度を最大とする。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光することで表示を行う表示部と、
外光の光強度を検出し、検出結果を示す外光検出信号を出力する外光検出部と、
前記外光検出信号を参照して前記表示部の発光輝度を調整する光源制御部と、
前記外光検出部に異常が生じた場合にエラー信号を生成するエラー信号生成回路と、を備え、
前記エラー信号生成回路は、前記光源制御部を介さずに前記表示部へ前記エラー信号を出力し、
前記表示部は、前記エラー信号が入力されているとき、発光輝度を最大とする、
車両用表示装置。
【請求項2】
前記エラー信号生成回路と電気的に接続され、車両に備わる前照灯を駆動するドライバーを更に備え、
前記ドライバーは、前記エラー信号が入力されているとき、前記前照灯の発光輝度を最大となるように前記前照灯を駆動する、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記エラー信号生成回路と電気的に接続され、車両に備わるワイパーを駆動するドライバーを更に備え、
前記ドライバーは、前記エラー信号が入力されているとき、前記ワイパーの動作量が最大となるように前記ワイパーを駆動する、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記エラー信号は、前記外光検出部の端子間がショートまたはオープンした場合に出力される
請求項1に記載の車両用表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周囲の明るさに応じた輝度で光源を発光させる車両用表示装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の車両用表示装置は、光源である照明手段と、照明手段からの光の一部を透過させる表示板と、周囲の明るさを検出する光センサと、光センサの検出結果に基づいて照明手段の発光輝度を調整する調光機能と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-329711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、光センサが発する信号に応じて、回路基板上の制御手段がLED(Light Emitting Diode)の輝度を調光する。このような光センサを伴う光源の調光制御には、一般的に制御手段に格納されるプログラムで設定された複数のしきい値に応じて、多段的に輝度が調整される。しかし、昨今の表示装置では、このしきい値が多く設定されることで、記憶部の記憶領域が圧迫されたり、しきい値判定に要する演算リソースが増大したりしていた。
【0005】
そこで本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、光源に対する多段的な調光機能を実現しながら、演算による負荷を低減した車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の車両用表示装置は、
発光することで表示を行う表示部と、
外光の光強度を検出し、検出結果を示す外光検出信号を出力する外光検出部と、
前記外光検出信号を参照して前記表示部の発光輝度を調整する光源制御部と、
前記外光検出部に異常が生じた場合にエラー信号を生成するエラー信号生成回路と、を備え、
前記エラー信号生成回路は、前記光源制御部を介さずに前記表示部へ前記エラー信号を出力し、
前記表示部は、前記エラー信号が入力されているとき、発光輝度を最大とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用表示装置の正面図である。
図2図1の2-2線の断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る車両用表示装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
本発明に係る車両用表示装置の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。本例における車両用表示装置は自動二輪車に搭載される。
図1に示すように、車両用表示装置10は、車速、エンジン回転数、残燃料量、走行距離及び時刻等の情報を画像で表示するデジタル表示部11と、車両の状態をアイコンIC1~IC6の点灯又は消灯にて示すインジケータ表示部12と、を備える。インジケータ表示部12は、例えば、ターンシグナルの作動を示すアイコンIC1,IC2、ABS(Antilock Brake System)警告を示すアイコンIC3、エンジンの異常を示すアイコンIC4、ヘッドライトにおけるハイビームの作動を示すアイコンIC5、及びシフトポジションがニュートラルであることを示すアイコンIC6を備える。
【0009】
まず、車両用表示装置10の機械的構成について説明する。
図2に示すように、車両用表示装置10は、表示画面20aを有する表示ユニット20と、カバー部材25と、回路基板30と、インナーケース40と、アウターケース50と、光源91と、外光検出部60と、マイコン65と、を備える。
【0010】
なお、本明細書では、運転者から見た表示画面20aの横方向をX方向と定義し、表示画面20aの縦方向をY方向と定義し、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向と定義する。また、本明細書において、「上」、「下」、「表」及び「裏」は、全て運転者から見た方向を指す。
【0011】
図2に示すように、アウターケース50は、樹脂又は金属により形成され、表側に開口した箱状をなす。アウターケース50内には、光源91、外光検出部60及びマイコン65が実装された回路基板30、インナーケース40及び表示ユニット20が収容される。アウターケース50の開口部はカバー部材25により閉じられる。
【0012】
光源91はLED(Light Emitting Diode)により構成され、マイコン65による制御のもと光を照射する。光源91は左折に係るターンシグナルの作動を示す左側を向いた矢印のアイコンIC1を点滅させるためのものである。
外光検出部60は、例えば砲弾型のフォトセンサであり、車両用表示装置10の周囲の外光の光強度を検出し、その検出結果をマイコン65に出力する。外光検出部60と光源91はX方向に沿って並べられる。
【0013】
回路基板30は、アウターケース50内に収容され、XY平面に沿う平板状をなす。回路基板30の表側の設置面30aには、光源91、外光検出部60及びマイコン65が実装される。
【0014】
インナーケース40は、遮光性の樹脂又は金属により形成され、アウターケース50内に収容され、回路基板30の設置面30aに設置される。インナーケース40は、光源91が収容される第1筒部41と、外光検出部60が収容される第2筒部42と、を備える。第1筒部41及び第2筒部42はZ方向に貫通した円筒状又は角筒状に形成される。第1筒部41及び第2筒部42のそれぞれの裏側(図2の下側)の端面は回路基板30の設置面30aに接触し、第1筒部41及び第2筒部42のそれぞれの表側(図2の上側)の端面はカバー部材25の裏面に接触する。第1筒部41は光源91からの光を後述する表示光透過部26cに導く機能を有する。第2筒部42は検出光透過部26bを経た外光を外光検出部60に導く機能を有する。
【0015】
表示ユニット20はTFT(Thin Film Transistor)型の液晶パネルと液晶パネルを照明するLEDが一体化された長方形板状をなす。表示ユニット20は、表示ユニット20の表面に位置し、各種情報を表示する表示画面20aを備える。
【0016】
図2に示すように、カバー部材25は、表示ユニット20の表示画面20aの表側に位置し、アウターケース50の開口部に嵌め込まれる。カバー部材25は、光透過性の樹脂又はガラスにより長方形板状に形成される基材25aと、基材25aの裏面に形成される印刷層26と、を備える。印刷層26は、アウターケース50の内部を外部から視認させないために設けられる遮光層26aと、外光を透過させる検出光透過部26bと、光源91からの光を透過させる表示光透過部26cと、を備える。遮光層26a、検出光透過部26b及び表示光透過部26cは互いに同一層に形成される。
【0017】
遮光層26a及び検出光透過部26bは遮光性の黒色のインクにより層状に形成される。遮光層26aは表示画面20aを囲む枠状に形成されている。遮光層26aの内周部は表示画面20aの外周部にZ方向に重なるように形成される。
【0018】
検出光透過部26bは、光を吸収及び透過するスモーク層であり、インナーケース40の第2筒部42に対向する位置に形成される。検出光透過部26bの光透過率は、第2筒部42内の外光検出部60を外部から視認させない程度に低く、かつ、外光が外光検出部60により検出可能な光強度にて外光検出部60に到達できる程度に高く設定される。例えば、検出光透過部26bの光透過率は遮光層26aの光透過率よりも低く設定されている。
【0019】
表示光透過部26cは、検出光透過部26b及び遮光層26aが形成されておらず、光が通過する部分であり、遮光層26aの一部がくり抜かれるように形成される。なお、表示光透過部26cは、拡散印刷やシボを用いて、同様な形状を模した光拡散部であってもよく、光が拡散透過する部分であっても良い。表示光透過部26cはインナーケース40の第1筒部41に対向する位置に形成され、光源91からの光の光強度を低下させることなくカバー部材25の基材25aに入射させる。表示光透過部26cは、図1に示すアイコンIC1~IC6に対応する形状で形成される。よって、光源91が点灯すると、光源91からの光がアイコンIC1に対応する表示光透過部26cを通過する。これにより、アイコンIC1が点灯する。
なお、他のアイコンIC2~IC6に対応してそれぞれ図示しない筒部及び光源が設けられ、この光源が点灯することにより対応するアイコンIC2~IC6が点灯する。
【0020】
次に、車両用表示装置10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、車両用表示装置10(図面内二点鎖線の内側の構成)は、マイコン65と、外光検出部60と、エラー信号生成回路SGe(ショート検出信号生成回路SGs及びオープン検出信号生成回路SGo及びAND論理素子)と、PWM制御I/F71,72,73と、LEDドライバー81,82と、リレードライバー83と、光源91とを備える。併せて、車両用表示装置10は、車両に搭載される前照灯用光源92と、ワイパー用リレー93とに電気的に接続される。
【0021】
なお、PWM制御I/F71、LEDドライバー81、光源91は、まとめて光源駆動ユニットBLU(細破線内)とも称される場合がある。また、PWM制御I/F72、LEDドライバー82、前照灯用光源92は、まとめて前照灯駆動ユニットHLU(細破線内)と称される場合がある。また、PWM制御I/F73、リレードライバー83、ワイパー用リレー93は、まとめてワイパー駆動ユニットWU(細破線内)と称される場合ある。
【0022】
前照灯用光源92は、車両の進行方向や周囲を照らすいわゆるヘッドライトやテールランプが有する光源である。前照灯用光源92は、メタルハライドランプやLED、レーザーダイオードなどが適用可能である。
【0023】
ワイパー用リレー93は、車両のウインドシールドや灯具に備わる付着水を除去するワイパーを動作させるリレーである。
【0024】
外光検出部60はフォトトランジスタからなる。外光検出部60のコレクタ端子は例えば5Vの定電圧源Vcに接続され、外光検出部60のエミッタ端子はマイコン65の入力端子Pin及びエラー信号生成回路SGeに接続される。外光検出部60は、図2に示す検出光透過部26bを経た外光を受光し、その受光した外光の光強度に応じた電位からなる外光検出信号S1をマイコン65の入力端子Pinに供給する。なお、図3内に図示される定電圧源の記号はすべて定電圧源Vcへ接続されていることを意味する。
【0025】
抵抗R1は、外光検出部60のエミッタ端子とグランドの間に接続される。外光検出部60により検出される外光の光強度に応じた検出電流値と抵抗R1の抵抗値の積によりマイコン65に入力される外光検出信号S1の電圧値が設定される。抵抗R1の抵抗値が大きく設定されることにより、外光検出部60の検出感度が高まる。図2に示す検出光透過部26bの光透過率が低く設定されるほど、外光検出部60に到達する外光の光強度が低下するため、外光検出部60の検出感度を高めるべく抵抗R1の抵抗値が大きく設定される。抵抗R1の抵抗値は、例えば、330kΩに設定される。
【0026】
コンデンサC1の一端は外光検出部60のエミッタ端子とマイコン65の入力端子Pinの間に接続され、コンデンサC1の他端はグランドに接続される。コンデンサC1は、マイコン65の入力端子Pinに入力されるノイズを低減する機能を有する。
【0027】
図3に示すように、マイコン65は、マイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)からなるメモリ65mと、を備える。マイコン65は、外部のECU(Electronic Control Unit)からの情報に基づき表示ユニット20に画像を表示し、外光検出部60からの外光検出信号S1を受けて表示部の一例であるデジタル表示部11とインジケータ表示部12の発光輝度を制御する。デジタル表示部11の発光輝度は、表示ユニット20の光源91の供給電流値又はデューティ比により制御される。インジケータ表示部12の発光輝度は、光源91を含むアイコンIC1~IC6を点灯させる複数の光源の供給電流値又はデューティ比により制御される。なお、実際には、マイコン65は、PWM出力ポートpp1からPWM制御I/F71へ、PWM制御(Pulse Width Modulation, パルス幅変調制御)に基づくPWM信号Sp1を出力することで、発光輝度を制御する。
【0028】
以下では、インジケータ表示部12におけるアイコンIC1に対応する光源91の発光輝度を制御する態様を中心に説明するが、マイコン65は、光源91の発光輝度に合わせてインジケータ表示部12におけるその他のアイコンIC2~IC6とデジタル表示部11の発光輝度を制御する。
マイコン65は、外光検出部60からの外光検出信号S1を参照して外光に応じた輝度で光源91を点灯制御する。マイコン65は、定電圧源Vcを参照電圧として入力する参照電圧端子と、外光検出部60からの外光検出信号S1を入力する入力端子Pinと、各PWM制御I/F71,72,73にPWM信号Sp1,Sp2,Sp3を出力するPWM出力ポートpp1,pp2,pp3を備える。
【0029】
マイコン65は、機能ブロックとして、光源制御部65aを備える。
光源制御部65aは、一定の周期毎に外光検出信号S1を取り込む。周期は、例えば、10msに設定される。
光源制御部65aは、1回の取り込みにおいて単数回又は複数回にわたって外光検出信号S1が示す外光の光強度を取得する。そして、光源制御部65aは、取得した複数の外光の光強度を平均化し、平均化した外光の光強度に基づき調光値を算出し、算出した調光値をメモリ65mに格納する。調光値は、外光の光強度に応じて設定される光源91の輝度であり、図1に示すインジケータ表示部12の視認性を高めるため、外光の光強度が高いほど高く設定される。光源制御部65aは、メモリ65mに格納される調光値を周期的に更新する。
光源制御部65aは、外部のECUから点灯指令信号を受けると、その点灯指令信号が示す点灯内容(点滅や常時点灯)に応じて、PWM信号Sp1をPWM制御I/F71に出力する。光源制御部65aは、メモリ65mに格納された調光値に応じてPWM制御信号のデューティ比を設定する。PWM制御信号のデューティ比が高くなるにつれて光源91の発光輝度が高まる。
【0030】
同様にして、マイコン65は、外光検出信号S1に応じて、前照灯駆動ユニットHLUのPWM制御I/F72へ出力されるPWM信号Sp2と、ワイパー駆動ユニットWUのPWM制御I/F73へ出力されるPWM信号Sp3と、を出力する。
【0031】
エラー信号生成回路SGeは、外光検出部60の動作状態に異常が生じた場合に、エラー信号Seを出力する。エラー信号生成回路SGeは、例えば、外光検出部60のショート異常を検出するとショート検出信号Ssを出力するショート検出信号生成回路SGsと、外光検出部60のオープン異常を検出するとオープン検出信号Soを出力するオープン検出信号生成回路SGoと、ショート検出信号Ssとオープン検出信号Soが入力されるAND論理素子を有する。
【0032】
ショート検出信号生成回路SGs及びオープン検出信号生成回路SGoは、それぞれ図3に例示されるようにトランジスタ及び抵抗、定電圧源を接続することで構成可能である。このように構成される場合、ショート検出信号生成回路SGsは、ショートが発生した場合に出力端子の電圧がLow(0V、グランド電位)になる。一方、オープン検出信号生成回路SGoは、オープンが発生した場合に出力端の電圧がLowになる。なお、外光検出部60が正常に動作している場合は、それぞれの出力端はHighになる。
【0033】
AND論理素子は、ショート検出信号Ssまたはオープン検出信号Soのいずれかが入力されている場合に、出力端からエラー信号Seを出力する。本開示の構成では、いずれかの検出回路の出力端がLowである場合、出力端をLowとする。すなわち、このAND論理素子は、Highを真値とするHighアクティブの論理素子である。なお、外光検出部60が正常に動作している場合は、各検出回路の出力端はHighであるので、AND論理素子の出力端もHighになる。AND論理素子の出力端は、後述のPWM制御I/F71,72,73へ接続される。
【0034】
PWM制御I/F71,72,73は、PWM信号Sp1,Sp2,Sp3を入力するPWM入力端子と、エラー信号生成回路SGeが出力するエラー信号を入力する割り込みエラー入力端子と、を有する。
【0035】
PWM制御I/F71,72,73は、入力されたPWM信号Sp1,Sp2,Sp3のデューティ比に応じて、それぞれに接続されたドライバー81,82,83へ駆動信号を出力する。
PWM信号Sp1のデューティ比が大きいほど、PWM制御I/F71は、光源91の発光輝度が上昇するような駆動信号を出力する。
PWM信号Sp2のデューティ比が大きいほど、PWM制御I/F72は、前照灯用光源92の発光輝度が上昇するような駆動信号を出力する。
PWM信号Sp3のデューティ比が大きいほど、PWM制御I/F73は、ワイパーの動作量が多くなるような駆動信号を出力する。
各ドライバー81,82,83は、入力された駆動信号に応じて、所定の動作量で動作するように光源91、前照灯用光源92、ワイパー用リレー93などの被駆動部を駆動する。
【0036】
(エラー信号)
エラー信号生成回路SGeは、出力端からPWM制御I/F71,72,73の割り込み端子へエラー信号Seを出力する。PWM制御I/F71,72,73は、エラー信号Seが入力されている間、被駆動部である光源91、前照灯用光源92、ワイパー用リレー93の動作量が上昇するような、駆動信号を出力する。
これらの被駆動部は、通常時においては外光検出信号S1に応じて動作量が変化される。例えば、外光の状態に応じて、このような被駆動部の動作量を増やし、車両の走行を支援する。具体的には、外光が少ない状態では、光源91の輝度を上昇することで表示の視認性を高めたり、前照灯用光源92の輝度を上昇することで車両の進行方向の視認性を高めたり、ワイパー用リレーの動作量を上昇することで車両の進行方向の視認性を高めたりする。
【0037】
しかしながら、外光検出部60の動作が正常でなく、エラー信号Seが出力されている状態(エラー状態)においては、このような被駆動部の駆動動作の動作量が、本来の設定より少なくなる虞がある。
【0038】
したがって、本開示では、割り込み端子へエラー信号Seが入力されている間、各PWM制御I/F71,72,73は、演算動作を行わずに、被駆動部である光源91、前照灯用光源92,ワイパー用リレー93の動作量を上昇するよう、駆動信号を出力する。
【0039】
従来の構成では、第一実施形態のような構成は採用されていなかった。具体的には、マイコン65が、外光検出信号S1の程度を判別するためのしきい値として、通常の発光輝度調整用のしきい値の他に、外光検出部60のエラーの発生を判別するためのエラー用しきい値を低電圧側と高電圧側との両方に保持していた。したがって、外光検出信号S1の判別のたびに、エラー用しきい値との判別を行う演算動作が入ることで、演算の負荷が増大していた。
【0040】
そこで本開示の構成では、演算動作が介在すること無く、外光検出部60のエラーの発生に応じて、被駆動部の動作量を調整可能とした。具体的には、外光検出部60のエラーの発生に応じて、マイコン65の演算動作が介在すること無く、光源91の発光輝度が上昇され、前照灯用光源92の発光輝度が上昇され、ワイパー用リレー93の動作量が上昇される。
このように構成される車両用表示装置10では、光源91に対する多段的な調光機能を実現しながら、マイコン65の演算による負荷を低減した車両用表示装置となる。
【0041】
加えて、このような構成では、マイコン65が格納するしきい値を減らすことで、しきい値同士が重複して設定される虞を低減し、より確実な調光動作が実現可能となる。
【0042】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0043】
(変形例)
【0044】
上記実施形態においては、表示ユニット20はTFT型の液晶パネルを備えていたが、これに限らず、セグメントLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを備えていてもよい。また、表示ユニット20は、モータの駆動により指針が回動する指針計であってもよい。
【0045】
上記実施形態においては、光源91は表示光透過部26cを照明することによりアイコンIC1を点灯させていたが、これに限らず、検出光透過部26bに代えて液晶パネルを照明することによりアイコンIC1を点灯させてもよい。また、光源91は有機ELディスプレイ等の自己発光表示パネルであってもよい。
【0046】
上記実施形態においては、第1筒部41及び第2筒部42は互いに隣り合うように設けられていたが、互いに離れて設けられていてもよい。
【0047】
上記実施形態においては、車両用表示装置10は自動二輪車に搭載されていたが、これに限らず、乗用車に搭載されていてもよい。
【0048】
上記実施形態においては、PWM制御I/F71,72,73の割り込み端子にエラー信号Seが入力される態様が示されたが、割り込み端子ではなく、PWM信号入力端子に対してPWM信号Sp1,Sp2,Sp3と共に入力されてもよい。その場合、PWM信号Sp1,Sp2,Sp3とエラー信号Seのいずれかが真値である場合にアクティブであるとみなすように、AND論理素子等が介在して構成されると良い。
【符号の説明】
【0049】
10 車両用表示装置
11 デジタル表示部
12 インジケータ表示部
20 表示ユニット
20a 表示画面
25 カバー部材
26a 遮光層
26b 検出光透過部
26c 表示光透過部
30 回路基板
30a 設置面
31 光源
40 インナーケース
41 第1筒部
42 第2筒部
44 収容部
50 アウターケース
60 外光検出部
65 マイコン
Pin 入力ポート
pp1,pp2,pp3 PWM出力ポート
71,72,73 PWM制御I/F
81 LEDドライバー
82 LEDドライバー
83 リレードライバー
91 光源
92 前照灯用光源
93 ワイパー用リレー
BLU バックライトユニット
HLU 前照灯駆動ユニット
WU ワイパー駆動ユニット

SGe エラー信号生成回路
SGs ショート検出信号生成回路
SGo オープン検出信号生成回路


S1 外光検出信号
Ss ショート検出信号
So オープン検出信号
Vc 定電圧源

Sp 空間


図1
図2
図3