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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048909
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/63 20140101AFI20240402BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240402BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240402BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240402BHJP
【FI】
A63F13/63
A63F13/69
A63F13/53
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155070
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】早川 栄作
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA09
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA13
(57)【要約】
【課題】オブジェクトの表示パターンを変更できる仕様を容易に実装できるプログラムを提供する。
【解決手段】仮想環境内に存在しうる複数のオブジェクトを生成する機能と、複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから、第1のパラメータを算出する機能と、複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから、第2のパラメータを算出する機能と、第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出する機能と、少なくとも第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定する機能と、第3のデータに基づいて新たな第2のオブジェクトを生成する機能とをコンピュータに実現させるプログラムが開示される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想環境内に存在しうる複数のオブジェクトを生成する機能と、
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから、第1のパラメータを算出する機能と、
前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから、第2のパラメータを算出する機能と、
前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出する機能と、
少なくとも前記第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定する機能と、
前記第3のデータに基づいて前記新たな第2のオブジェクトを生成する機能と
をコンピュータに実現させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、前記第3のデータは、少なくとも前記第3のパラメータを前記第2のデータに適用することで算出される、プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムであって、前記第2のオブジェクトは、前記仮想環境内で前記第1のオブジェクトと視覚的に一体化しうるオブジェクトである、プログラム。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のプログラムであって、前記第3のパラメータは、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとの間の差分である、プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記第1のデータは、前記第1のオブジェクトの表示パターンを定める第1のテクスチャデータであり、
前記第1のパラメータは、前記第1のオブジェクトの代表的な表示色を表すパラメータであり、
前記第2のデータは、前記第2のオブジェクトの表示パターンを定める第2のテクスチャデータであり、
前記第2のパラメータは、前記第2のオブジェクトの代表的な表示色を表すパラメータであり、
前記第3のデータは、前記新たな第2のオブジェクトの表示パターンを示すデータであり、
当該プログラムが、前記コンピュータに、前記第2のオブジェクトの当該表示パターンを、前記第3のデータで示される表示パターンに変更する機能を実現させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、前記コンピュータに、
前記新たな第2のオブジェクトの当該表示パターンをユーザ端末に提示する機能と、
前記ユーザ端末から表示パターン変更要求を受信すると、前記第1のパラメータで表される表示色と色相の点で関連する別の表示色を表す第4のパラメータを算出する機能と、
前記第4のパラメータと前記第2のパラメータとの間の差分を算出する機能と、
少なくとも前記第4のパラメータと前記第2のパラメータとの間の当該差分に基づいて、さらに新たな第2のオブジェクトを構成すべき表示パターンを決定する機能と
を実現させるプログラム。
【請求項7】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記第1のパラメータは、所定の色空間上の第1の色座標を示すベクトル量であり、
前記第2のパラメータは、前記所定の色空間上の第2の色座標を示すベクトル量である、プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、前記所定の色空間は、色相成分、彩度成分及び明度成分で構成されるHSV色空間である、プログラム。
【請求項9】
請求項7または8に記載のプログラムであって、
前記第1の色座標は、前記第1のテクスチャデータの少なくとも一部を表す第1の色座標群に所定の演算を施すことで算出され、
前記第2の色座標は、前記第2のテクスチャデータの少なくとも一部を表す第2の色座標群に所定の演算を施すことで算出される、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、前記コンピュータに、
前記第1のテクスチャデータを構成する原色空間上の色座標群に色空間変換を施すことで前記第1の色座標群を算出する機能と、
前記第2のテクスチャデータを構成する原色空間上の色座標群に色空間変換を施すことで前記第2の色座標群を算出する機能と
を実現させるプログラム。
【請求項11】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記第1のオブジェクトは、プレイヤキャラクタであり、
前記第2のオブジェクトは、前記仮想環境内で前記プレイヤキャラクタが身に付けられるオブジェクト、または、前記仮想環境内で前記プレイヤキャラクタが所持することができるオブジェクトである、プログラム。
【請求項12】
ユーザ端末にゲームサービスを提供するための情報処理システムであって、
前記ユーザ端末と通信可能な通信処理部と、
前記通信処理部と接続され、仮想環境内に存在しうる複数の仮想オブジェクトを生成するように構成されたゲーム進行制御部と
を備え、
前記ゲーム進行制御部は、
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから、第1のパラメータを算出し、
前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから、第2のパラメータを算出し、
前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出し、
少なくとも前記第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定し、
前記第3のデータに基づいて前記新たな第2のオブジェクトを生成する
ように構成されている、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータゲーム用に構築される仮想環境内に登場しうる仮想オブジェクトの表示パターンを制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータにより作り出される仮想環境を利用したゲームサービスが数多く提供されている。仮想環境を利用したゲームサービスを実現するための技術は、たとえば、特開2018-050866号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1には、多数の仮想オブジェクトが登場する仮想ゲーム空間内で進行するゲームを制御するためのサーバ技術が開示されている(特許文献1の段落[0056]~[0059]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-050866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、ユーザの満足度を高めるために、仮想環境内に登場しうる仮想オブジェクト(以下、単に「オブジェクト」ということもある。)の表示パターンをユーザの要求に応じて変更できる仕様を実装することを試みた。しかしながら、多数のオブジェクトの1つ1つの表示パターンについて適当な数の選択肢を導入しようとすると、それら選択肢の表示パターンを一々デザインして、各選択肢の表示パターンを定めるデータセットをシステムに組み込むことが必要となる。これは、大きな作業負担を伴うものとなる。
【0005】
上記に鑑みて本開示の目的は、オブジェクトの表示パターンを変更できる仕様を容易に実装することを可能とし、開発段階における作業負担の軽減を図りつつ、ユーザの満足度を高めることができるゲームを提供することができるプログラム及び情報処理システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によるプログラムは、仮想環境内に存在しうる複数のオブジェクトを生成する機能と、前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから第1のパラメータを算出する機能と、前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから第2のパラメータを算出する機能と、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出する機能と、少なくとも前記第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定する機能と、前記第3のデータに基づいて前記新たな第2のオブジェクトを生成する機能とをコンピュータに実現させるプログラムである。
【0007】
本開示の第2の態様による情報処理システムは、ユーザ端末にゲームサービスを提供するための情報処理システムであって、前記ユーザ端末と通信可能な通信処理部と、 前記通信処理部と接続され、仮想環境内に存在しうる複数の仮想オブジェクトを生成するように構成されたゲーム進行制御部とを備え、前記ゲーム進行制御部は、前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから第1のパラメータを算出し、前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから第2のパラメータを算出し、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出し、少なくとも前記第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定し、前記第3のデータに基づいて前記新たな第2のオブジェクトを生成するように構成されているものである。
【発明の効果】
【0008】
第1のオブジェクトに合わせて第2のオブジェクトを変更できる仕様を容易に実装することができ、開発段階における作業負担の軽減を図りつつ、ユーザの満足度を高めることができるゲームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態のゲームシステムの機能的構成を概略的に示すブロック図である。
図2】情報処理システムのハードウェア構成例であるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態のユーザ端末の機能的構成を概略的に示すブロック図である。
図4】ユーザ端末のハードウェア構成例である端末装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図5】オブジェクト編成画面を例示する図である。
図6図6A及び図6Bは、それぞれ表示パターン変更画面を例示する図である。
図7】本開示の一実施形態に係る表示パターン変更処理の手順を概略的に表すフローチャートである。
図8】本開示の一実施形態に係る表示パターン変更処理の手順を概略的に表すフローチャートである。
図9図9A及び図9Bは、それぞれ表示パターン変更画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る種々の実施形態について詳細に説明する。なお、図面全体において同一符号を付された構成要素は、同一構成及び同一機能を有するものとする。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態のゲームシステム1の機能的構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、ゲームシステム1は、複数のユーザ端末20,20,…,20と、これらユーザ端末20~20の各々と通信ネットワークNWを介して接続可能な情報処理システム10とを備えて構成されている。ここで、Kは、ユーザ端末20~20の総数を示す3以上の整数である。図1の例では、ユーザ端末20~20の総数は3以上であるが、これに限定されるものではない。ユーザ端末20~20の数が1または2であってもよい。
【0012】
通信ネットワークNWとしては、たとえば、インターネットなどの広域通信網、拠点間を結ぶ専用通信網、または、有線LAN(Local Area Network)もしくは無線LANなどの構内通信網が挙げられるが、これらに限定されるものではない。通信ネットワークNWは、第3世代(3G)~第6世代(6G)の地上移動体通信網、衛星移動体通信網、あるいは固定通信網を含んでいてもよい。
【0013】
ユーザ端末20~20の各々は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)またはタブレット型コンピュータなどの通信端末(通信機能をもつ情報処理装置)であってよいが、これに限定されるものではない。ユーザ端末20~20の各々は、コンピュータゲームのプレイに適したゲーム用通信端末であってもよい。
【0014】
各ユーザ端末20(kは1~Kの範囲内の任意整数)は、通信ネットワークNWを介して情報処理システム10と通信して、情報処理システム10により提供される仮想環境を利用したゲームサービスを受けることができる。ここで、仮想環境とは、コンピュータ、通信ネットワークNW、あるいは、コンピュータ及び通信ネットワークNWの双方の中に電子的に構築された2次元または3次元の仮想的な空間をいう。ユーザは、ユーザ端末20を通じて、仮想環境内で、ロールプレイングゲーム(Role-Playing Game,RPG)やオンラインゲームといったコンピュータゲーム(以下、単に「ゲーム」という。)をプレイすることができる。
【0015】
仮想環境内には様々な仮想オブジェクト(以下、単に「オブジェクト」ということがある。)が登場しうる。オブジェクトの例としては、プレイヤにより直接的または間接的に制御されうるプレイヤキャラクタ(player character,PC)、ノンプレイヤキャラクタ(non-player character,NPC)、仮想環境内でプレイヤキャラクタが身に付けられるオブジェクト(たとえば、アクセサリオブジェクトや装備品オブジェクト)、仮想環境内でプレイヤキャラクタが所持することができるオブジェクト(たとえば、武器オブジェクト)、建築物オブジェクト、並びに、動植物オブジェクトが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
情報処理システム10は、図1に示されるように、通信ネットワークNWを介してユーザ端末20~20と個別に通信できる機能をもつ通信処理部11と、ゲームを制御する機能をもつゲーム進行制御部12と、ゲームの実行に必要な各種データが格納されている記憶部13とを備えて構成されている。
【0017】
記憶部13には、コンピュータに各種機能を実現させるためのゲームプログラムを含む各種のプログラム13Aが格納され、さらに、ゲーム情報13B及びユーザ情報13Cなどの各種データが格納されている。ゲームプログラムは、ゲームを実行するために使用されるソフトウェアプログラムである。ゲーム進行制御部12は、プログラム13Aを実行することにより、情報処理システム10の動作を統括的に制御することができる。
【0018】
記憶部13に格納されている各種データは、ユーザ情報13C及びゲーム情報13Bなどのゲームに関するデータに加えて、ユーザ端末20と情報処理システム10との間、または、ユーザ端末20~20間で送受信する指示または通知を含んでいる。ゲーム情報13Bは、ゲーム進行制御部12がプログラム13Aを実行する際に参照するデータである。ユーザ情報13Cは、ユーザのアカウント情報に関するデータである。
【0019】
プログラム13Aは、ユーザ端末20と情報処理システム10との協働により実現するためのゲームプログラムを含んでもよい。ユーザ端末20と情報処理システム10との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末20において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、プログラム13Aは、ゲームをユーザ端末20~20の協働により実現するためのゲームプログラムを含んでもよい。
【0020】
たとえば、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20に各種データ及びプログラムコードを送信することができる。ゲーム進行制御部12は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末20に送信してもよい。
【0021】
ゲーム進行制御部12は、プログラム13Aの記述に従って機能する。ゲーム進行制御部12は、実行されるゲームの性質に応じて、ユーザ端末20におけるゲームの進行を支援するために機能することもできる。
【0022】
たとえば、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20と通信して、ユーザ端末20がゲームを進行させるための支援を行うことができる。ゲーム進行制御部12は、たとえば、ユーザ端末20におけるゲームの進捗に応じて、ユーザ端末20が参照すべき情報を適宜提供することができる。また、ゲーム進行制御部12は、マルチプレイゲームの場合には、各ユーザ端末20と通信して、ユーザ端末20~20間のやりとり(たとえば、ユーザ間チャット)を仲介してもよい。さらに、ゲーム進行制御部12は、マルチプレイゲームに参加するユーザ端末20~20のマッチング、マルチプレイゲームの進行状況を同期させるための同期制御を実行してもよい。
【0023】
情報処理システム10は、1台のサーバ装置、あるいは、互いに連携して動作する複数台のサーバ装置で構成可能である。サーバ装置は、1つ以上のプロセッサを含む1台のコンピュータで実現されてもよいし、あるいは、通信路を介して相互に接続された複数台のコンピュータで実現されてもよい。サーバ装置は、不揮発性メモリ(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)から読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコード(命令群)による処理を実行する1つ以上の演算装置(Processing Units)を含む1つ以上のプロセッサを用いて実現可能である。たとえば、演算装置としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)が使用できる。情報処理システム10は、クラウドコンピューティング(cloud computing)またはオンプレミス(on-premise)のいずれを用いて構築されてもよい。
【0024】
図2は、情報処理システム10のハードウェア構成例であるサーバ装置50の構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示されるサーバ装置50は、プロセッサ51、メモリ52、ストレージ53、通信インタフェース回路(通信I/F回路)54、入出力インタフェース回路(入出力I/F回路)55及び信号路56を備えている。信号路56は、プロセッサ51、メモリ52、ストレージ53、通信I/F回路54及び入出力I/F回路55を電気的に相互接続するための通信バスである。図1のゲーム進行制御部12は、プロセッサ51及びメモリ52で実現可能であり、図1の通信処理部11は、通信I/F回路54で実現可能であり、図1の記憶部13は、ストレージ53で実現可能である。
【0026】
プロセッサ51は、ストレージ53から、ゲームに関する各種プログラムを読み出し、当該読み出されたプログラムを、主記憶装置として機能するメモリ52に展開する。ストレージ53は、たとえば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)で構成可能である。メモリ52は、たとえば、RAM(Random Access Memory)で構成される。メモリ52は、ストレージ53から読み出された各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ51に作業領域を提供することができる。メモリ52は、プロセッサ51が各種プログラムに従って動作している間に生成した中間データも一時的に記憶することができる。
【0027】
入出力I/F回路55は、サーバ装置50が外部からデータの入力を受け付けるためのインタフェースであり、またサーバ装置50が外部にデータを出力するためのインタフェースでもある。入出力I/F回路55は、たとえば、ポインティング・デバイスまたはキー入力デバイスなどの入力デバイス(図示せず)と、画像表示機器であるディスプレイ(図示せず)とに接続され得る。
【0028】
図3は、ユーザ端末20の機能的構成を概略的に示すブロック図である。
【0029】
図3に示されるように、ユーザ端末20は、通信ネットワークNWを介して情報処理システム10及び他のユーザ端末と通信できる機能をもつ通信インタフェース部(通信I/F部)31と、ユーザ端末20の動作を制御する機能をもつ制御部32と、ゲームの実行に必要な各種データが格納されている記憶部33と、画像を表示する表示部34と、入出力インタフェース部(入出力I/F部)35と、操作入力部36と、ユーザ40などの物体を感知する各種センサを含むセンサ部37とを備えている。センサ部37により感知される物体は、ユーザ40に限定されるものではなく、機械(たとえば、ロボット)、デバイスまたは電磁気的現象などでもよい。通信I/F部31は、ユーザ端末20における各種データの送受信を制御することができる。
【0030】
操作入力部36は、ユーザ40による操作入力を受け付ける機能を有し、たとえばキー入力デバイスまたはポインティング・デバイスで構成可能である。入出力I/F部35は、ゲームコントローラ41及び外部記憶媒体42とそれぞれ接続可能なインタフェースである。入出力I/F部35は、ゲームコントローラ41と有線または無線で接続することができる。表示部34は、画像を表示する機能を有し、たとえば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイで構成可能である。表示部34は、ユーザ40による操作入力を受け付ける機能をもつタッチパネル型ディスプレイとして構成されてもよい。センサ部37は、ユーザ40などの物体を撮像してその画像データを出力する撮像センサ、及び、ユーザ40の身体部位(たとえば、手)などの物体を空間的に認識する測距センサなどの空間センサを含むことができる。
【0031】
記憶部33には、コンピュータに各種機能を実現させるためのゲームプログラムを含む各種のプログラム33Aが格納され、さらに、ゲーム情報33B及びユーザ情報33Cが格納されている。制御部32は、プログラム33Aの記述に応じて、操作入力受付部32A、表示制御部32B、ユーザインタフェース制御部(ユーザI/F制御部)32C、アニメーション生成部32D及びゲーム進行部32Eとして機能する。ユーザ情報33Cは、ユーザ40のアカウントに関するデータである。
【0032】
制御部32は、記憶部33に格納されたプログラム33Aを実行することにより、ユーザ端末20の動作を制御することができる。たとえば、制御部32は、プログラム33A及びユーザ40による操作入力に従って、ゲームを進行させることができる。また、制御部32は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、情報処理システム10と通信して情報の送受信を行う。なお、制御部32は、実行されるゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0033】
操作入力受付部32Aは、操作入力部36、ゲームコントローラ41または表示部34(タッチパネル型ディスプレイ)へのユーザ40による操作入力を検知することができる。操作入力受付部32Aは、センサ部37のセンサ出力を解析してユーザ40の身体部位などの物体の動きを認識することでユーザ40による操作入力を検知する機能を有していてもよい。操作入力受付部32Aは、その検知結果を制御部32の各構成要素に出力することができる。
【0034】
表示部34がタッチパネル型ディスプレイとして構成されている場合、操作入力受付部32Aは、表示部34に対するタッチ操作を検出すると、当該タッチ操作に関する各種の情報を取得する。たとえば、操作入力受付部32Aは、タッチ操作の位置(以下「タッチ位置」ということもある。)の座標を取得する。操作入力受付部32Aは、同時に複数のタッチ位置を検出してもよい。なお、タッチ操作の種類としては、たとえば、タップ操作(タッチ位置を短時間移動させないタッチ操作)、ダブルタップ操作(所定時間内に連続する複数回のタップ操作)、長押し操作(タッチ位置を移動させずに所定時間以上タッチを継続させる操作)、フリック操作(開始点から終了点まで所定速度以上でタッチ位置を移動させる操作)、スワイプ操作(開始点から終了点までタッチ操作を継続しながらタッチ位置を移動させる操作。ドラッグ操作ともいう。)、ピンチイン操作(第1タッチ位置及び第2タッチ位置に対するタッチ操作を継続させながら第1タッチ位置及び第2タッチ位置間の距離が狭まるように移動させる操作)、及び、ピンチアウト操作(第1タッチ位置及び第2タッチ位置に対するタッチ操作を継続させながら第1タッチ位置及び第2タッチ位置間の距離が広がるように移動させる操作)が挙げられる。
【0035】
ユーザI/F制御部32Cは、ユーザインタフェース(以下「UI」という。)を構築するために、表示部34に表示させるUIオブジェクトを制御することができる。UIオブジェクトは、ユーザ40が、ゲームの進行上必要な入力をユーザ端末20に対して行うためのツール、または、ゲームの進行中に出力される情報をユーザ端末20から取得するためのツールである。UIオブジェクトとしては、たとえば、アイコン、ボタン、リスト及びメニュー画面が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
アニメーション生成部32Dは、各種のオブジェクトの制御態様に基づいて、各種のオブジェクトのモーションを示すアニメーションを生成する。具体的には、アニメーション生成部32Dは、仮想環境内のプレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタなどのオブジェクトが作用を受けたときの動作を表現するアニメーションを生成してもよい。
【0037】
表示制御部32Bは、複数のオブジェクトが存在しうる仮想環境内の状態を表すゲーム画像を生成(描画)してそのゲーム画像を表示部34に表示させる。たとえば、表示制御部32Bは、アニメーション生成部32Dで生成されたアニメーションと仮想環境の画像とを合成してゲーム画像を生成することができる。また、表示制御部32Bは、上述のUIオブジェクトをゲーム画像に重畳することもできる。
【0038】
ゲーム進行部32Eは、記憶部33に格納されたゲーム情報33Bを参照しつつゲームを進行させることができる。記憶部33には、ゲーム情報33Bとして、ゲーム空間内に配置されるべきオブジェクトに関する情報、各オブジェクトを定めるパラメータの情報、プレイ単位の進行状況を表す情報、及び、プレイ単位に応じた課題の達成状況を表す情報が記憶される。
【0039】
なお、入出力I/F部35は、外部記憶媒体42に記録されているプログラム(すなわち、コンピュータに所定の機能を実現させるためのコンピュータプログラム)及びデータを読み込むことができる。たとえば、外部記憶媒体42に記録されるプログラムは、ゲームプログラムである。ユーザ端末20は、情報処理システム10などの外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムを記憶部33に記憶してもよいし、外部記憶媒体42から読み込むことにより取得したゲームプログラムを記憶部33に記憶してもよい。
【0040】
上記したユーザ端末20は、1つ以上のプロセッサを含むコンピュータで実現されればよい。ユーザ端末20は、不揮発性メモリ(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)から読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコード(命令群)による処理を実行する1つ以上の演算装置を含む1つ以上のプロセッサを用いて実現可能である。たとえば、演算装置としては、CPU、MPUまたはGPUが使用できる。
【0041】
図4は、ユーザ端末20のハードウェア構成例である端末装置60の構成を概略的に示すブロック図である。
【0042】
図4に示されるように、端末装置60は、プロセッサ61、メモリ62、ストレージ63、撮像センサ64、測距センサ65、タッチパネル型ディスプレイ66、通信インタフェース回路(通信I/F回路)69、入出力インタフェース回路(入出力I/F回路)68及び信号路70を備えている。信号路70は、プロセッサ61、メモリ62、ストレージ63、撮像センサ64、測距センサ65、タッチパネル型ディスプレイ66、通信I/F回路69、入出力I/F回路68を電気的に相互接続するための通信バスである。図3の通信I/F部31は、通信I/F回路69で実現可能であり、図3の制御部32は、プロセッサ61及びメモリ62で実現可能であり、図3の記憶部33は、ストレージ63で実現可能であり、図3の表示部34は、タッチパネル型ディスプレイ66で実現可能であり、図3の入出力I/F部35は、入出力I/F回路68で実現可能であり、図3の操作入力部36は、入力デバイス67で実現可能であり、図3のセンサ部37は、撮像センサ64及び測距センサ65で実現可能である。
【0043】
プロセッサ61は、ストレージ63から、ゲームに関する各種プログラムを読み出し、当該読み出されたプログラムを、主記憶装置として機能するメモリ62に展開する。ストレージ63は、たとえば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)で構成可能である。メモリ62は、たとえば、RAMで構成される。メモリ62は、ストレージ63から読み出された各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ61に作業領域を提供することができる。メモリ62は、プロセッサ61が各種プログラムに従って動作している間に生成した中間データも一時的に記憶することができる。
【0044】
入出力I/F回路68は、図3に示した外部記憶媒体42及びゲームコントローラ41とのインタフェースとして構成することができる。入力デバイス67は、ポインティング・デバイスまたはキー入力デバイスとして構成することができる。
【0045】
次に、情報処理システム10のゲーム進行制御部12の処理について説明する。
【0046】
以下に説明するように、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20からの要求に応じて、仮想環境内に登場しうる複数のオブジェクトの中から、ゲーム中に視覚的に互いに影響を及ぼし合うオブジェクトの組合せを選択し、その組合せの一方のオブジェクト(以下「第1のオブジェクト」という。)を基準として、その組合せの他方のオブジェクト(以下「第2のオブジェクト」という。)を構成すべきデータ(たとえば、表面の色、模様または質感といった表示パターン)を自動的に決定することができる。ゲーム進行制御部12は、当該決定されたデータに基づいて、第2のオブジェクトを新たに生成することが可能である。第2のオブジェクトを新たに生成することには、第2のオブジェクトを構成すべき既存のデータを、当該決定されたデータに変更することが含まれるものとする。たとえば、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが仮想環境内でゲーム中に互いに視覚的に一体化する形態で表示されるとき、これら第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとは、ゲーム中に視覚的に互いに影響を及ぼし合う組合せとなりうる。
【0047】
第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトの第1の組合せ例としては、プレイヤキャラクタと、当該プレイヤキャラクタが身に付けられるオブジェクト(例:アクセサリオブジェクト)との組合せが挙げられる。第2の組合せ例としては、プレイヤキャラクタと、当該プレイヤキャラクタがゲーム中に所持することができるオブジェクト(例:武器オブジェクト)との組合せも挙げられる。第3の組合せ例としては、プレイヤキャラクタと、当該プレイヤキャラクタが配置される背景オブジェクト(例:部屋オブジェクト)との組合せが挙げられる。第4の組合せ例としては、プレイヤキャラクタと、当該プレイヤキャラクタの所定の動作に合わせて登場する演出物オブジェクト(例:炎オブジェクト,光線オブジェクト)との組合せも挙げられる。第5の組合せ例としては、プレイヤキャラクタと、当該プレイヤキャラクタの所定の動作に合わせて登場する演出物オブジェクト(例:炎オブジェクト,光線オブジェクト)との組合せも挙げられる。第6の組合せ例としては、プレイヤキャラクタと、当該プレイヤキャラクタに対応するUI(ユーザインタフェース)オブジェクトとの組合せも挙げられる。
【0048】
ゲーム進行制御部12は、
a)第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータ(たとえば、第1のオブジェクトの表面の色、模様または質感といった表示パターンを定めるテクスチャデータ)から第1のパラメータを算出し、
b)第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータ(たとえば、第2のオブジェクトの表面の色、模様または質感といった表示パターンを定めるテクスチャデータ)から第2のパラメータを算出し、
c)第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータ(たとえば、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の関連度を定量的に示す差分などのパラメータ)を算出し、
d)少なくとも第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータ(たとえば、ユーザにとって好ましいであろう新たな表示パターン)を決定し、
e)第3のデータに基づいて新たな第2のオブジェクトを生成する、
という処理を実行する機能を有する。
【0049】
ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20から送信されたオブジェクト編成要求に応じて、オブジェクト編成画面をユーザ端末20に表示させることができる。オブジェクト編成画面は、ユーザ40が第1のオブジェクト及び第2のオブジェクトの組合せを選択するとともに、表示パターン変更画面の表示を要求するためのユーザインタフェース画面である。表示パターン変更画面については後述する。
【0050】
図5は、オブジェクト編成画面D1を例示する図である。図5の例では、第1のオブジェクトとして、プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタなどのキャラクタPC0が選択され、キャラクタPC0に関する詳細情報が表示されている。オブジェクト編成画面D1は、ユーザ端末20のタッチパネル型の表示部34(図3)に表示されうる。図5に示されるように、オブジェクト編成画面D1は、第1のオブジェクトであるキャラクタPC0の簡略化画像を表示するウインドウW1と、キャラクタPC0に割り当て可能なオブジェクトV1~V4の簡略化画像を並べて表示するウインドウW2とを有する。ユーザ40は、オブジェクト編成画面D1に対する所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)によりオブジェクトV1~V4の中から第2のオブジェクト(図5の例では、武器オブジェクトV1)を選択してこれを第1のオブジェクトに割り当てることができる。また、オブジェクト編成画面D1は、表示パターン変更画面の表示を要求するための変更ボタンB0を有する。ユーザ40は、所定のタッチ操作により変更ボタンB0を選択することで、ゲーム進行制御部12に対して表示パターン変更画面の表示を要求することができる。
【0051】
さらに、オブジェクト編成画面D1は、呼び出しボタンCB及び保存ボタンRBをも有する。ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)により呼び出しボタンCBを選択することで、武器オブジェクト及びアクセサリオブジェクトの一覧(図示せず)をユーザ端末20の表示部34に表示させることができる。ユーザ40は、この一覧のうちの所望のオブジェクトをキャラクタPC0に割り当て可能とすることができる。ユーザ40は、タッチ操作により保存ボタンRBを選択することで、キャラクタPC0に割り当て可能なオブジェクトの情報を情報処理システム10に保存することができる。
【0052】
ユーザ40は、オブジェクト編成画面にて第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの組合せを選択した後は、表示パターン変更画面にて表示パターン変更要求を行うことができる。表示パターン変更画面は、ユーザ端末20のタッチパネル型の表示部34(図3)に表示されうる。
【0053】
図6A及び図6Bは、表示パターン変更画面D2,D3を例示する図である。図6Aに示される表示パターン変更画面D2は、ユーザ端末20から受けた要求に応じて最初に表示されるユーザインタフェース画面である。表示パターン変更画面D2は、第1のオブジェクトであるキャラクタPC0の立体表示画像と、キャラクタPC0に割り当てられた第2のオブジェクトV1の立体表示画像とを表すウインドウW3を有する。ウインドウW3では、キャラクタPC0の立体表示画像は、キャラクタPC0を構成すべきテクスチャデータによる表示パターン(色、模様もしくは質感またはこれらの組合せ)を有し、第2のオブジェクトV1の立体表示画像も、第2のオブジェクトV1を構成すべきテクスチャデータによる表示パターン(色、模様もしくは質感またはこれらの組合せ)を有している。
【0054】
テクスチャデータとは、仮想空間上で表示される3D(3次元)オブジェクトの外観または2D(2次元)オブジェクトの外観を表示するために利用される2次元画像データである。一般に、コンピュータグラフィックスにより生成された3Dオブジェクト(3Dモデル)の表面に対して、色、模様もしくは質感またはこれらの組合せからなる表示パターンを与える技術は、テクスチャマッピング(texture mapping)と呼ばれている。本実施形態のテクスチャデータは、テクスチャマッピング用に生成された2次元画像データでもよいが、これに限定されるものではない。本実施形態のテクスチャデータは、赤色成分(R)、緑色成分(G)及び青色成分(B)で構成されるRGB色空間といった原色色空間の色座標群で表現されうる。
【0055】
また表示パターン変更画面D2は、キャラクタPC0に現在割り当て可能なオブジェクトV1~V4の簡略化画像を並べて表示するウインドウW4を有する。図6Aの例では、第2のオブジェクトとしてオブジェクトV1が割り当てられているが、ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)によりオブジェクトV1~V4の中から所望のものを第2のオブジェクトとして再割り当てすることができる。また、ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえば長押し操作)により、ウインドウW4に表示されたオブジェクトV1~V4の中から任意のものを削除することも可能である。
【0056】
また表示パターン変更画面D2は、武器ボタンWB及びアクセサリボタンABをも有する。ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)により武器ボタンWBを選択することで、武器オブジェクトの一覧(図示せず)をユーザ端末20の表示部34に表示させることができる。ユーザ40は、この一覧のうちの所望の武器オブジェクトをキャラクタPC0に割り当て可能とすることができる。一方、ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)によりアクセサリボタンABを選択することで、アクセサリオブジェクトの一覧(図示せず)をユーザ端末20の表示部34に表示させることができる。ユーザ40は、この一覧のうちの所望のアクセサリオブジェクトをキャラクタPC0に割り当て可能とすることができる。
【0057】
また表示パターン変更画面D2は、ユーザ40が表示パターン変更要求を行うためのトリガボタンTBを有する。このトリガボタンTBには、ウインドウW3における第2のオブジェクトV1の代表的な表示色が表示されている。たとえば、第2のオブジェクトV1の頭部の髪が代表的な部位であるのであれば、その頭部の髪を表す代表的な色がトリガボタンTBに表示されればよい。ここで、代表的な色は、第2のオブジェクトV1にあらかじめ割り当てられている色でもよいし、あるいは、後述するように、オブジェクトV1を構成すべきテクスチャデータの色座標群に平均化などの所定の演算を施すことで算出された色でもよい。ユーザ40が所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)によりトリガボタンTBを選択すると、ユーザ端末20は、表示パターン変更要求をゲーム進行制御部12に送信する。ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20から受けた表示パターン変更要求に応じて、表示パターン変更処理を開始することができる。
【0058】
さらに表示パターン変更画面D2は終了ボタンBBを有する。ユーザ40は、キャラクタPC0に割り当てられた第2のオブジェクトV1の表示パターンを変更しないと決めたときは、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)により終了ボタンBBを選択すればよい。
【0059】
図7及び図8は、ゲーム進行制御部12により実行される表示パターン変更処理の手順を概略的に表すフローチャートである。図7及び図8は、結合子C1,C2を介して相互に結合されている。この表示パターン変更処理は、ユーザ端末20から送信された表示パターン変更要求に応じて実行される。
【0060】
図7を参照すると、先ず、ゲーム進行制御部12は、表示パターン変更要求に応じて、第1のオブジェクトとこの第1のオブジェクトに割り当てられた第2のオブジェクトとを選択する(ステップS11)。次いで、ゲーム進行制御部12は、第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから、第1のパラメータを算出する(ステップS12)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、第1のオブジェクトの表示パターンP0を定める第1のテクスチャデータから、第1のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量(ベクトル量またはスカラー量)を第1のパラメータとして算出すればよい。この代表量の算出方法については、後述する。続けて、ゲーム進行制御部12は、第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから、第2のパラメータを算出する(ステップS13)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、第2のオブジェクトの表示パターンP1を定める第2のテクスチャデータから、第2のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量(ベクトル量またはスカラー量)を第2のパラメータとして算出すればよい。この代表量の算出方法については、後述する。なお、図7では、ステップS12の後にステップS13が実行されているが、この代わりに、ステップS13の後にステップS12が実行されてもよい。
【0061】
第1のテクスチャデータは、仮想空間上で表示される第1のオブジェクトの外観を表示するために利用される2次元画像データであり、第2のテクスチャデータも、仮想空間上で表示される第2のオブジェクトの外観を表示するために利用される2次元画像データである。第1のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量は、第1のテクスチャデータのうち、第1のオブジェクトの代表的な一部(たとえば、プレイヤキャラクタの頭部、頭部の髪、または上半身などの代表的な部位)の表示パターンを定めるデータセットに基づいて算出されてもよい。同様に、第2のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量は、第2のテクスチャデータのうち、第2のオブジェクトの代表的な一部(たとえば、武器オブジェクトの代表的な部分)の表示パターンを定めるデータセットに基づいて算出されてもよい。
【0062】
第1のテクスチャデータは、RGB色空間といった所定の原色色空間における複数点の色座標群で表現可能であり、第2のテクスチャデータも、第1のテクスチャデータと同様に原色色空間における複数点の色座標群で表現可能である。人間の視覚特性の観点からは、代表量は、原色色空間の色座標群に基づいて算出されるよりも、所定のHSV色空間の色座標群に基づいて算出されることが好ましい。HSV色空間とは、色相(Hue)成分、彩度(Saturation/Chroma)成分、及び、明度(Value/Brightness)成分で構成される色空間である。そこで、ゲーム進行制御部12は、第1のテクスチャデータのうちの所定のデータセットで表される原色色空間の色座標群をHSV色空間の色座標群へ色空間変換し、得られたHSV色空間の色座標群に平均化などの所定の演算を施すことで代表的な色座標(第1の色座標)を示すベクトル量を算出し、このベクトル量を代表量として利用すればよい。同様に、ゲーム進行制御部12は、第2のテクスチャデータのうちの所定のデータセットで表される原色色空間の色座標群をHSV色空間の色座標群へ色空間変換し、得られたHSV色空間の色座標群に平均化などの所定の演算を施すことで代表的な色座標(第2の色座標)を示すベクトル量を算出し、このベクトル量を代表量として利用すればよい。
【0063】
この場合、代表量はベクトル量であるが、これに限定されるものではない。ベクトル量に対応する値(スカラー量)が代表量として使用されてもよい。また、HSV色空間の色座標群の平均化は、算術平均化、幾何平均化及び調和平均化のうちのいずれでもよい。
【0064】
なお、第1のテクスチャデータがHSV色空間における複数点の色座標群で表現され、第2のテクスチャデータもHSV色空間における複数点の色座標群で表現されている場合には、上述の色空間変換は必ずしも必要ではない。
【0065】
ステップS13の後は、ゲーム進行制御部12は、第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出する(ステップS14)。具体的には、第3のパラメータは、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の視覚上の関連度を示すベクトル量またはスカラー量として算出されればよい。より具体的には、第3のパラメータは、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の差分Δとして算出可能である。第1のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量をR1で表し、第2のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量をR2で表すとすれば、代表量R1,R2が色座標(ベクトル量)として表現されている場合には、差分Δは、それら色座標(ベクトル量)間の差分ベクトル(=R1-R2、または、R2-R1)として算出可能である。あるいは、差分Δは、その差分ベクトルのノルム(スカラー量)として算出可能である。あるいは、差分Δは、その差分ベクトルを正規化することで得られる正規化ベクトルとして算出されてもよい。あるいは、差分Δは、代表量R1で示される第1の色座標と代表量R2で示される第2の色座標との間のユークリッド距離(Euclidian distance)として算出されてもよいが、これに限らず、チェビシェフ距離(Chebyshev distance)として算出されてもよい。
【0066】
次のステップS15では、ゲーム進行制御部12は、第3パラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定する。具体的には、ゲーム進行制御部12は、第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータに第3のパラメータを適用することで、第3のデータを決定すればよい。より具体的には、第2のデータがテクスチャデータである場合には、ゲーム進行制御部12は、所定の演算方法に従い、当該テクスチャデータに上記した差分Δを適用することにより、第2のオブジェクトの新たな表示パターンPnを第3のデータとして決定することができる。 たとえば、第2のデータが色座標群で表現され、差分Δが差分ベクトルとして算出されている場合には、ゲーム進行制御部12は、色空間内で当該色座標群を差分ベクトルΔだけシフトさせて新たな色座標群を算出することで、その新たな色座標群で表される表示パターンPnを得ることができる。あるいは、ゲーム進行制御部12は、差分ベクトルΔに基づいて座標変換行列などの演算子を選択または構成し、この演算子を用いた座標変換を色座標群に適用して新たな色座標群を算出することで、その新たな色座標群で表される表示パターンPnを得ることもできる。このように、差分Δに基づいて新たな表示パターンPnを決定することができるので、多様なユーザの好みに適合する可能性のあるすべての選択肢のテクスチャデータを用意せずに済む。
【0067】
ステップS15の後、ゲーム進行制御部12は、ステップS15で決定された第3のデータに基づいて第2のオブジェクトを新たに生成する(ステップS16)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、第2のブジェクトの表示パターンP1を、第3のデータで表される新たな表示パターンPnに変更すればよい。
【0068】
続けて、ゲーム進行制御部12は、第3のデータで表される新たな表示パターンPnをユーザ端末20に提示する(ステップS17)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、新たな表示パターンPnをユーザ端末20の表示部34に表示させる。より具体的には、図6Aの例では、ユーザ40が表示パターン変更画面D2のトリガボタンTBを選択すると、ゲーム進行制御部12は、上記ステップS11~S15を実行して新たな表示パターンPnを決定する。その後、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20の表示部34の表示画面を図6Aの表示パターン変更画面D2から図6Bの表示パターン変更画面D3に変更させることで、新たな表示パターンPnをユーザ端末20に提示することができる(ステップS17)。ここで、表示パターン変更画面D3のウインドウW3では、第2のオブジェクトV1の表示パターンは新たな表示パターンPnに変更されている。同時に、トリガボタンTBには、新たな表示パターンPnの代表的な表示色が表示される。このとき、たとえば、ゲーム進行制御部12は、新たな表示パターンPnを定めるテクスチャデータのうち、第2のオブジェクトV1の代表的な一部(たとえば、武器オブジェクトの代表的な部分)を定めるデータセットで表される原色色空間の色座標群に平均化などの所定の演算を施すことで代表的な色座標を算出し、この代表的な色座標を利用して代表的な表示色をトリガボタンTBに表示すればよい。
【0069】
ステップS17の後、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20から応答があるまで待機する(ステップS18のNO)。新たな表示パターンPnの提示に対してユーザ端末20から終了指示を受信すると(ステップS17のYES及びステップS18)、ゲーム進行制御部12は、表示パターン変更処理を終了する。図6Bの例では、ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)により終了ボタンBBを選択することで、表示パターン変更処理を終了させることができる。
【0070】
一方、新たな表示パターンPnの提示に対してユーザ端末20から表示パターン変更要求を受信すると(ステップS18のYES及びステップS19)、ステップS20が実行される。図6Bの例では、ユーザ40が所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)によりトリガボタンTBを選択すると、ユーザ端末20は、2回目の表示パターン変更要求をゲーム進行制御部12に送信する。ステップS20では、ゲーム進行制御部12は、ステップS12で算出された第1のパラメータに基づいて、当該第1のパラメータで表される表示色と色相の点で関連する別の表示色を表す第4のパラメータを算出する。たとえば、第4のパラメータは、代表量R1で表される色に対して補色を表す色座標(ベクトル量)とすることができる。
【0071】
ステップS20の後は、ゲーム進行制御部12は、ステップS20で算出された第4のパラメータとステップS13で算出された第2のパラメータとに基づいて、第5のパラメータを算出する(ステップS21)。具体的には、第5のパラメータは、第4のパラメータと第2のパラメータとの間の視覚上の関連度を示すベクトル量またはスカラー量として算出されればよい。より具体的には、第5のパラメータは、第4のパラメータと第2のパラメータとの間の差分δとして算出可能である。今、第4のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量をR4で表し、第2のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量をR2で表すとすれば、代表量R4,R2が色座標(ベクトル量)として表現されている場合には、差分δは、それら色座標(ベクトル量)間の差分ベクトル(=R4-R2、または、R2-R4)として算出可能である。あるいは、差分δは、その差分ベクトルのノルム(スカラー量)として算出可能である。あるいは、差分δは、その差分ベクトルを正規化することで得られる正規化ベクトルとして算出されてもよい。あるいは、差分δは、代表量R4で示される色座標と代表量R2で示される色座標との間のユークリッド距離として算出されてもよいが、これに限らず、チェビシェフ距離として算出されてもよい。
【0072】
次に、ゲーム進行制御部12は、ステップS21で算出された第5のパラメータに基づいて、さらに新たな第2のオブジェクトを構成すべき第4のデータを決定する(ステップS22)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータまたは上記ステップS15で算出された第3のデータに対して第5のパラメータを適用することで、第4のデータを決定すればよい。より具体的には、第2のデータまたは第3のデータがテクスチャデータである場合には、ゲーム進行制御部12は、所定の演算方法に従い、当該テクスチャデータに上記した差分δを適用することにより、第2のオブジェクトのさらに新たな表示パターンPmを第4のデータとして決定することができる。たとえば、第2のデータまたは第3のデータが色座標群で表現され、差分δが差分ベクトルとして算出されている場合には、ゲーム進行制御部12は、、色空間内で当該色座標群を差分ベクトルδだけシフトさせて新たな色座標群を算出することで、その新たな色座標群で表される表示パターンPmを得ることができる。あるいは、ゲーム進行制御部12は、差分ベクトルδに基づいて座標変換行列などの演算子を選択または構成し、この演算子を用いた座標変換を色座標群に適用して新たな色座標群を算出することで、その新たな色座標群で表される表示パターンPmを得ることもできる。このように差分δに基づいてさらに新たな表示パターンPmを決定することができるので、多様なユーザの好みに適合する可能性のあるすべての選択肢のテクスチャデータを用意せずに済む。
【0073】
ステップS22の後、ゲーム進行制御部12は、ステップS22で決定された第4のデータに基づいて第2のオブジェクトを新たに生成する(ステップS23)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、第2のオブジェクトの表示パターンを、第4のデータで表される表示パターンPmに変更すればよい。続けて、ゲーム進行制御部12は、第4のデータで表される表示パターンPmをユーザ端末20に提示する(図6のステップS24)。具体的には、ゲーム進行制御部12は、表示パターンPmをユーザ端末20の表示部34に表示させる。図9A及び図9Bは、表示パターン変更画面D3,D4を例示する図である。図9Aの表示パターン変更画面D3は、図6Bの表示パターン変更画面D3と同じである。図9Aの例では、ユーザ40が表示パターン変更画面D3のトリガボタンTBを選択すると、ゲーム進行制御部12は、上記ステップS20~S22を実行してさらに新たな表示パターンPmを決定する。その後、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20の表示部34の表示画面を図9Aの表示パターン変更画面D3から図9Bの表示パターン変更画面D4に変更させることで、表示パターンPmをユーザ端末20に提示することができる(ステップS24)。ここで、表示パターン変更画面D4のウインドウW3では、第2のオブジェクトV1の表示パターンは、表示パターンPmに変更されている。同時に、トリガボタンTBには、表示パターンPmの代表的な表示色が表示される。このとき、たとえば、ゲーム進行制御部12は、表示パターンPmを定めるテクスチャデータのうち、第2のオブジェクトV1の代表的な一部(たとえば、武器オブジェクトの代表的な部分)を定めるデータセットで表される原色色空間の色座標群に平均化などの所定の演算を施すことで代表的な色座標を算出し、この代表的な色座標を利用して代表的な表示色をトリガボタンTBに表示すればよい。
【0074】
ステップS24の後、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20から応答があるまで待機する(ステップS25のNO)。新たな表示パターンPmの提示に対してユーザ端末20から終了指示を受信すると(ステップS25のYES及びステップS26)、ゲーム進行制御部12は、表示パターン変更処理を終了する。図9Bの例では、ユーザ40は、所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)により終了ボタンBBを選択することで、表示パターン変更処理を終了させることができる。
【0075】
一方、表示パターンPmの提示に対してユーザ端末20から3回目の表示パターン変更要求を受信すると(ステップS25のYES及びステップS25)、ステップS27が実行される。図9Bの例では、ユーザ40が所定のタッチ操作(たとえばタップ操作)によりトリガボタンTBを選択すると、ユーザ端末20は、3回目の表示パターン変更要求をゲーム進行制御部12に送信する。ステップS27では、3回目の表示パターン変更要求に応じて、ゲーム進行制御部12は、第2のオブジェクトの表示パターンを元の表示パターンP1に変更する。次いで、元の表示パターンP1をユーザ端末20に提示する(ステップS28)。このとき、たとえば、ゲーム進行制御部12は、ユーザ端末20の表示部34の表示画面を、図7Bの表示パターン変更画面D4から図6Aの表示パターン変更画面D2に戻すことができる(ステップS27)。以上で表示パターン変更処理は終了する。
【0076】
以上に説明したように、ゲーム進行制御部12は、第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから第1のパラメータ(たとえば、第1のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量)を算出し(ステップS12)、第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから第2のパラメータ(たとえば、第2のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量)を算出し(ステップS13)、第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータ(たとえば、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の視覚上の関連度を定量的に示す差分)を算出し(ステップS14)、第3のパラメータに基づいて、第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータ(たとえば、第2のオブジェクトの新たな表示パターン)を決定し(ステップS17)、第3のデータに基づいて第2のオブジェクトを新たに生成している(ステップS16)。したがって、第1のオブジェクトを基準として新たな第2のオブジェクトを自動的に生成することができる。従来技術では、多数のオブジェクトの1つ1つの表示パターンについて適当な数の選択肢を導入しようとすると、それら選択肢の表示パターンを一々デザインして、各選択肢の表示パターンを定めるデータセットをシステムに組み込むことが必要となる。これは、大きな作業負担を伴うものとなる。また、多様なユーザの好みに適合する可能性のあるすべての選択肢のデータセットを用意することは、膨大なデータ量を要するので現実的ではない。これに対し、本実施形態では、第1のオブジェクトを基準として新たな第2のオブジェクトを自動的に生成することができるので、多様なユーザの好みに適合する可能性のあるすべての選択肢のデータセットを用意せずに済むという利点がある。このような構成により、ユーザの要求に応じてオブジェクトを変更できる仕様を容易に実装することが可能となる。また、開発段階における作業負担の軽減を図りつつ、ユーザの満足度を高めることができるゲームを提供することができる
【0077】
特に、第1のパラメータとして、第1のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量が算出され、第2のパラメータとして、第1のオブジェクトの代表的な表示色を表す代表量が算出され、第3のパラメータとして、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の視覚上の関連度(たとえば、差分)を示すベクトル量またはスカラー量が算出される場合には、ゲーム進行制御部12は、その関連度に基づいて、第2のオブジェクトの新たな表示パターンを決定することができる。したがって、第2のオブジェクトの表示パターンを、ユーザにとって違和感の少ない新たな表示パターンに変更することができる。
【0078】
また、新たな表示パターンの提示に対してユーザ端末20から表示パターン変更要求を受信すると、ゲーム進行制御部12は、第1のパラメータに基づいて、当該第1のパラメータで表される表示色と色相の点で関連する別の表示色を表す第4のパラメータを算出する(ステップS20)。次いで、ゲーム進行制御部12は、第4のパラメータと第2のパラメータとに基づいて第5のパラメータを算出し(ステップS21)、この第5のパラメータに基づいて、第2のオブジェクトを構成すべき第4のデータを決定し(ステップS22)、第4のデータに基づいて第2のオブジェクトを新たに生成することができる(ステップS23)。これにより、ユーザにとっての第2のオブジェクトの新たな表示パターンの選択肢を増やすことができる。
【0079】
以上、図面を参照して本開示に係る種々の実施形態について述べたが、これら実施形態は例示であり、これら実施形態以外の様々な形態を採用することもできる。本開示の範囲内において、上記実施形態の自由な組み合わせ、各実施形態の任意の構成要素の変形、または各実施形態の任意の構成要素の省略が可能である。また、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記実施形態の変更、追加及び改良を適宜行うことができることが理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて解釈されるべきであり、さらにその均等物を含むものと理解されるべきである。
【0080】
本開示に係る発明の内容を列記すると以下のとおりである。
【0081】
[項目1]
仮想環境内に存在しうる複数のオブジェクトを生成する機能と、
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから、第1のパラメータを算出する機能と、
前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから、第2のパラメータを算出する機能と、
前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出する機能と、
少なくとも前記第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定する機能と、
前記第3のデータに基づいて前記新たな第2のオブジェクトを生成する機能と
をコンピュータに実現させるプログラム(13A)。
【0082】
[項目2]
項目1に記載のプログラム(13A)であって、前記第3のデータは、少なくとも前記第3のパラメータを前記第2のデータに適用することで算出される、プログラム(13A)。
【0083】
[項目3]
項目1に記載のプログラム(13A)であって、前記第2のオブジェクトは、前記仮想環境内で前記第1のオブジェクトと視覚的に一体化しうるオブジェクトである、プログラム(13A)。
【0084】
[項目4]
項目1から3のうちのいずれか1項に記載のプログラム(13A)であって、前記第3のパラメータは、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとの間の差分である、プログラム(13A)。
【0085】
[項目5]
項目4に記載のプログラム(13A)であって、
前記第1のデータは、前記第1のオブジェクトの表示パターンを定める第1のテクスチャデータであり、
前記第1のパラメータは、前記第1のオブジェクトの代表的な表示色を表すパラメータであり、
前記第2のデータは、前記第2のオブジェクトの表示パターンを定める第2のテクスチャデータであり、
前記第2のパラメータは、前記第2のオブジェクトの代表的な表示色を表すパラメータであり、
前記第3のデータは、前記新たな第2のオブジェクトの表示パターンを示すデータであり、
当該プログラム(13A)が、前記コンピュータに、前記第2のオブジェクトの当該表示パターンを、前記第3のデータで示される表示パターンに変更する機能を実現させるプログラム(13A)。
【0086】
[項目6]
項目5に記載のプログラム(13A)であって、前記コンピュータに、
前記新たな第2のオブジェクトの当該表示パターンをユーザ端末(20)に提示する機能と、
前記ユーザ端末(20)から表示パターン変更要求を受信すると、前記第1のパラメータで表される表示色と色相の点で関連する別の表示色を表す第4のパラメータを算出する機能と、
前記第4のパラメータと前記第2のパラメータとの間の差分を算出する機能と、
少なくとも前記第4のパラメータと前記第2のパラメータとの間の当該差分に基づいて、さらに新たな第2のオブジェクトを構成すべき表示パターンを決定する機能と
を実現させるプログラム(13A)。
【0087】
[項目7]
項目5に記載のプログラム(13A)であって、
前記第1のパラメータは、所定の色空間上の第1の色座標を示すベクトル量であり、
前記第2のパラメータは、前記所定の色空間上の第2の色座標を示すベクトル量である、プログラム(13A)。
【0088】
[項目8]
項目7に記載のプログラム(13A)であって、前記所定の色空間は、色相成分、彩度成分及び明度成分で構成されるHSV色空間である、プログラム(13A)。
【0089】
[項目9]
項目7または8に記載のプログラム(13A)であって、
前記第1の色座標は、前記第1のテクスチャデータの少なくとも一部を表す第1の色座標群に所定の演算を施すことで算出され、
前記第2の色座標は、前記第2のテクスチャデータの少なくとも一部を表す第2の色座標群に所定の演算を施すことで算出される、プログラム(13A)。
【0090】
[項目10]
項目9に記載のプログラム(13A)であって、前記コンピュータに、
前記第1のテクスチャデータを構成する原色空間上の色座標群に色空間変換を施すことで前記第1の色座標群を算出する機能と、
前記第2のテクスチャデータを構成する原色空間上の色座標群に色空間変換を施すことで前記第2の色座標群を算出する機能と
を実現させるプログラム(13A)。
【0091】
[項目11]
項目1から3のうちのいずれか1項に記載のプログラム(13A)であって、
前記第1のオブジェクトは、プレイヤキャラクタであり、
前記第2のオブジェクトは、前記仮想環境内で前記プレイヤキャラクタが身に付けられるオブジェクト、または、前記仮想環境内で前記プレイヤキャラクタが所持することができるオブジェクトである、プログラム(13A)。
【0092】
[項目12]
ユーザ端末(20)にゲームサービスを提供するための情報処理システム(10)であって、
前記ユーザ端末(20)と通信可能な通信処理部(11)と、
前記通信処理部(11)と接続され、仮想環境内に存在しうる複数の仮想オブジェクトを生成するように構成されたゲーム進行制御部(12)と
を備え、
前記ゲーム進行制御部(12)は、
前記複数のオブジェクトのうちの第1のオブジェクトを構成すべき第1のデータから、第1のパラメータを算出し、
前記複数のオブジェクトのうちの第2のオブジェクトを構成すべき第2のデータから、第2のパラメータを算出し、
前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとに基づいて第3のパラメータを算出し、
少なくとも前記第3のパラメータに基づいて、新たな第2のオブジェクトを構成すべき第3のデータを決定し、
前記第3のデータに基づいて前記新たな第2のオブジェクトを生成する
ように構成されている、情報処理システム(10)。
【符号の説明】
【0093】
NW:通信ネットワーク、1:ゲームシステム、10:情報処理システム、11:通信処理部、12:ゲーム進行制御部、13:記憶部、13A:プログラム、13B:ゲーム情報、13C:ユーザ情報、20,20,…,20:ユーザ端末、31:通信インタフェース部(通信I/F部)、32:制御部、32A:操作入力受付部、32B:表示制御部、32C:ユーザインタフェース制御部(ユーザI/F制御部)、32D:アニメーション生成部、32E:ゲーム進行部、33:記憶部、33A:プログラム、33B:ゲーム情報、33C:ユーザ情報、34:表示部、35:入出力インタフェース部(入出力I/F部)、36:操作入力部、37:センサ部、40:ユーザ、41:ゲームコントローラ、42:記憶媒体、50:サーバ装置、51:プロセッサ、52:メモリ、53:ストレージ、54:通信インタフェース回路(通信I/F回路)、55:入出力インタフェース回路(入出力I/F回路)、56:信号路、60:端末装置、61:プロセッサ、62:メモリ、63:ストレージ、64:撮像センサ、65:測距センサ、66:タッチパネル型ディスプレイ、67:入力デバイス、68:入出力インタフェース回路(入出力I/F回路)、69:通信インタフェース回路(通信I/F回路)、70:信号路70。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9