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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048920
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】繊維体処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06B 1/00 20060101AFI20240402BHJP
   D06B 17/00 20060101ALI20240402BHJP
   D06H 7/00 20060101ALI20240402BHJP
   D04H 1/736 20120101ALI20240402BHJP
   D04H 1/732 20120101ALI20240402BHJP
   B27N 3/04 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
D06B1/00
D06B17/00 Z
D06H7/00
D04H1/736
D04H1/732
B27N3/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155087
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 かれん
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】本橋 弘次
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 淳
(72)【発明者】
【氏名】山嵜 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆
【テーマコード(参考)】
2B260
3B154
4L047
【Fターム(参考)】
2B260CB02
2B260EA01
2B260EA20
2B260EB02
2B260EB06
2B260EB12
2B260EB13
2B260EB23
2B260EB50
3B154AA01
3B154AB01
3B154AB12
3B154AB27
3B154BA60
3B154BB43
3B154BB45
3B154BE01
3B154CA07
3B154CA37
4L047AA08
4L047AB02
4L047AB06
4L047EA22
(57)【要約】
【課題】第2処理部の作動が停止している状態でも、第1処理部に加湿空気を供給することができる繊維体処理装置を提供すること。
【解決手段】加湿空気を生成する加湿部と、繊維を含む材料を処理する第1処理部と、前記第1処理部で処理された前記材料を処理する第2処理部と、前記加湿部から前記第1処理部へ加湿空気を供給する第1供給路と、前記第1処理部から前記第2処理部へ加湿空気を前記材料と共に供給する第2供給路と、上流側端部および下流側端部を有し、前記第2供給路または前記第2処理部から前記加湿部へ加湿空気を帰還させる帰還路と、を備えることを特徴とする繊維体処理装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿空気を生成する加湿部と、
繊維を含む材料を処理する第1処理部と、
前記第1処理部で処理された前記材料を処理する第2処理部と、
前記加湿部から前記第1処理部へ加湿空気を供給する第1供給路と、
前記第1処理部から前記第2処理部へ加湿空気を前記材料と共に供給する第2供給路と、
上流側端部および下流側端部を有し、前記第2供給路または前記第2処理部から前記加湿部へ加湿空気を帰還させる帰還路と、を備えることを特徴とする繊維体処理装置。
【請求項2】
前記帰還路の前記上流側端部は、前記第2供給路に接続されている請求項1に記載の繊維体処理装置。
【請求項3】
前記加湿部は、気化式の加湿部である請求項1に記載の繊維体処理装置。
【請求項4】
前記材料を前記第1処理部から前記第2処理部へ搬送する搬送部を有し、
前記第2供給路の少なくとも一部は、前記搬送部と兼用されている請求項1に記載の繊維体処理装置。
【請求項5】
前記第1処理部は、前記材料を貯留するとともに加湿する処理を行い、前記第2処理部は、加湿された前記材料を解繊する処理を行う請求項1に記載の繊維体処理装置。
【請求項6】
前記第2処理部の作動状態に応じて、前記帰還路における加湿空気の送風状態を切り替える切替部と、
前記切替部の作動を制御する制御部と、を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の繊維体処理装置。
【請求項7】
前記切替部は、前記帰還路の前記上流側端部と前記下流側端部との間に設けられ、前記加湿部へ向けて送風する送風部を有し、
前記制御部は、前記第2処理部が稼働状態のとき、前記帰還路を送風停止状態とし、前記第2処理部が非稼働状態のとき、前記帰還路を送風状態とするよう、前記送風部の作動を制御する請求項6に記載の繊維体処理装置。
【請求項8】
前記切替部は、前記第2供給路の、前記上流側端部が接続された部分よりも前記第2処理部側に設けられ、前記第2供給路の開閉を切り替える開閉部を有し、
前記制御部は、前記第2処理部が稼働状態のとき、前記開閉部が前記第2供給路を開き、前記第2処理部が非稼働状態のとき、前記開閉部が前記第2供給路を閉じるよう、前記開閉部の作動を制御する請求項6に記載の繊維体処理装置。
【請求項9】
前記切替部は、前記帰還路の前記上流側端部と前記下流側端部との間に設けられ、前記加湿部へ向けて送風する送風部と、前記第2供給路の、前記上流側端部が接続された部分よりも前記第2処理部側に設けられ、前記第2供給路の開閉を切り替える開閉部と、を有し、
前記制御部は、前記第2処理部が稼働状態のとき、前記帰還路を送風停止状態とするよう前記送風部の作動を制御するとともに、前記開閉部が前記第2供給路を開くよう前記開閉部の作動を制御し、前記第2処理部が非稼働状態のとき、前記帰還路を送風状態とするよう前記送風部の作動を制御するとともに、前記開閉部が前記第2供給路を閉じるよう前記開閉部の作動を制御する請求項6に記載の繊維体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
古紙を粗砕する粗砕部、粗砕部で得られた粗砕片を一時的に貯留する粗砕片貯留部、粗砕片を計量し、定量的に供給する定量供給部、供給された粗砕片を解繊する解繊部、解繊部で得られた解繊物を平面上に堆積させる堆積部、堆積したウェブを加熱、加圧する加熱加圧部、加熱加圧部で得られたシートを所定の形状に裁断する裁断部、得られたシートを回収するシート回収部を備えたシート製造装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されているシート製造装置では、得られるシートの品質向上のために、装置の複数の箇所に加湿部が設けられ、材料の加工が進むにつれて、粗砕片、解繊物、ウェブ等の材料に対し加湿が行われている。このうち、例えば粗砕片に対し加湿を行う際は、加湿部で生成された加湿空気は、粗砕片貯留部、その下流側に設置された定量供給部を順次通過して、解繊部に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-276916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているシート製造装置では、解繊部の作動を停止すると、加湿部の作動を維持したとしても、解繊部の上流側にある粗砕片貯留部等の部位に加湿空気を供給することが難しくなる。この問題は、シート製造装置の加湿部を備える他の箇所でも同様である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の繊維体処理装置は、加湿空気を生成する加湿部と、
繊維を含む材料を処理する第1処理部と、
前記第1処理部で処理された前記材料を処理する第2処理部と、
前記加湿部から前記第1処理部へ加湿空気を供給する第1供給路と、
前記第1処理部から前記第2処理部へ加湿空気を前記材料と共に供給する第2供給路と、
上流側端部および下流側端部を有し、前記第2供給路または前記第2処理部から前記加湿部へ加湿空気を帰還させる帰還路と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る繊維体処理装置の概略を示す構成図である。
図2図2は、図1に示す粗砕片供給部およびその周辺部の概略を示す構成図である。
図3図3は、図2に示す計量部および定量供給部の拡大図である。
図4図4は、第1実施形態および第3実施形態に係る繊維体処理装置のブロック図である。
図5図5は、第2実施形態に係る繊維体処理装置の概略を示す構成図、特に粗砕片供給部およびその周辺部の構成図である。
図6図6は、第3実施形態に係る繊維体処理装置の概略を示す構成図、特に粗砕片供給部およびその周辺部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の繊維体処理装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る繊維体処理装置の概略を示す構成図である。図2は、図1に示す粗砕片供給部およびその周辺部の概略を示す構成図である。図3は、図2に示す計量部および定量供給部の拡大図である。図4は、図1に示す繊維体処理装置のブロック図である。
【0010】
なお、以下では、図1の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うことがある。また、図1は、概略構成図であり、繊維体処理装置100の各部の位置関係、向き、大きさ等は、図示のものに限定されない。また、図1において、粗砕片M2、解繊物M3、第1選別物M4-1、第2選別物M4-2、第1ウェブM5、細分体M6、混合物M7、第2ウェブM8、再生紙Sが搬送される方向、すなわち、矢印で示す方向を搬送方向とも言う。また、図1中の矢印の先端側を搬送方向における「下流側」、図1中の矢印の基端側を搬送方向における「上流側」とも言う。このことは、図2図3図5および図6において、加湿空気WA、粗砕片M2に関しても同様である。
【0011】
図1に示す繊維体処理装置100は、例えば使用済みのコピー用紙のような古紙をシュレッドした粗砕片M2からシート状の再生紙Sを生成する繊維体処理装置100である。なお、繊維体処理装置100が生成するものは、再生紙Sに限定されず、例えば、ブロック状をなす成形体等であってもよい。
【0012】
図1に示すように、繊維体処理装置100は、粗砕片供給部10と、解繊部29と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、分散部18と、第2ウェブ形成部19と、成形部20と、切断部21と、ストック部22と、回収部27と、を備えている。
【0013】
また、繊維体処理装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236と、を備えている。その他、繊維体処理装置100は、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263と、を備えている。
【0014】
また、繊維体処理装置100では、粗砕片供給工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、ほぐし工程と、第2ウェブ形成工程と、シート形成工程と、切断工程とがこの順に実行される。
【0015】
以下、各部の構成について説明する。
粗砕片供給部10は、粗砕片M2を解繊部29に供給する粗砕片供給工程を実行する部分であり、粗砕片貯留部11と、搬送部240と、計量部12と、定量供給部13と、を備える。粗砕片供給部10の各部の構成については、後に詳述する。粗砕片M2は、例えば、セルロース繊維を含む繊維含有物からなるシート状材料が粗砕されたものである。セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
【0016】
粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部29における解繊処理に適しているのが好ましい。粗砕片M2の形状としては、例えば平面形状が正方形の小片、長方形、特に短冊状の小片が挙げられる。また、粗砕片M2のサイズは、例えば、1辺の平均長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、3mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。前記小片の形状としては、正方形、長方形以外のものであってもよい。また、厚さは0.07mm以上0.1mm以下が好ましい。
【0017】
図2に示すように、粗砕片供給部10の粗砕片貯留部11には、後述する加湿空気搬送部237を介して加湿部231が接続されている。加湿部231は、粗砕片貯留部11内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター32を有し、フィルター32に空気を通過させることにより、加湿空気WAを生成する気化式の加湿部で構成されている。加湿空気WAが粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電力によって粗砕片貯留部11の内壁等に付着するのを抑制することができる。
なお、加湿部231は、気化式のものに限らず、例えば超音波式のものでもよい。後述する加湿部232、233、234についても同様に、超音波式のものでもよい。
【0018】
また、粗砕片供給部10の粗砕片貯留部11は、後述する搬送部240を構成する粗砕片搬送部247および管241を介して、解繊部29に接続されている。粗砕片貯留部11より供給された粗砕片M2は、粗砕片搬送部247および管241を経て、解繊部29に搬送される。
【0019】
図1に示すように、解繊部29は、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。この解繊部29での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことを言う。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
【0020】
また、解繊部29は、ローター293の回転により、選別部14に向かう空気の流れ、すなわち、下流方向への気流を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部29の上流側である粗砕片導入口291に導入することができ、解繊処理で得られた解繊物M3を、解繊部29の解繊物排出口292から排出し、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
【0021】
解繊部29の下流側には、管242が接続されている。管242の途中には、例えばターボ型ファンで構成されるブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、解繊部29への粗砕片M2の導入および選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。後述するように、解繊部29は、その構造上、原料である粗砕片M2の通過および解繊処理が円滑になされるが、解繊部29の下流側に設置されたブロアー261の作動により、粗砕片M2の解繊部29内における通過および解繊処理が促進される。なお、ブロアー261は、解繊部29の上流側に設置されていてもよい。
【0022】
選別部14は、解繊物M3を、繊維長の大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4-1と、第1選別物M4-1よりも繊維長が大きい第2選別物M4-2とに選別される。第1選別物M4-1は、その後の再生紙Sの製造に適した大きさのものとなっている。一方、第2選別物M4-2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
【0023】
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
【0024】
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4-1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4-2として選別される。
【0025】
第1選別物M4-1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4-2は、ドラム部141に接続されている管243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側、すなわち下流側の端部が管241の途中に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4-2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部29に流入する。これにより、第2選別物M4-2は、解繊部29に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
【0026】
また、ドラム部141から落下した第1選別物M4-1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4-1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153とを有している。
【0027】
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4-1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4-1は、下流側に搬送される。
【0028】
第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
【0029】
また、第1選別物M4-1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このような塵や埃は、後述する回収部27に回収されることとなる。
【0030】
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
【0031】
また、吸引部153は、管244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
【0032】
回収部27には、管245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
【0033】
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、気化式の加湿部で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4-1を加湿することができ、よって、第1選別物M4-1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
【0034】
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿部で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
【0035】
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
【0036】
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、気化式の加湿部で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
【0037】
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と添加剤とを混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、添加剤供給部171と、管172と、ブロアー173とを有している。
【0038】
管172は、細分部16のハウジング部162と、分散部18のハウジング182とを接続しており、細分体M6と添加剤との混合物M7が通過する流路である。
【0039】
管172の途中には、添加剤供給部171が接続されている。添加剤供給部171は、添加剤が収容されたハウジング部170と、ハウジング部170内に設けられたスクリューフィーダー174とを有している。スクリューフィーダー174の回転により、ハウジング部170内の添加剤がハウジング部170から押し出されて管172内に供給される。管172内に供給された添加剤は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
【0040】
ここで、添加剤供給部171から供給される添加剤としては、例えば、繊維同士を結着させる結着剤や、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、再生紙Sの紙力を増強するための紙力増強剤、解繊物等が挙げられ、これらのうちの1種または複数種を組み合わせて用いることができる。以下では、一例として、添加剤が結着剤P1である場合について説明する。添加剤が繊維同士を結合させる結合材を含むことにより、再生紙Sの強度を高めることができる。
【0041】
結着剤P1は、例えば、澱粉、デキストリン、グリコーゲン、アミロース、ヒアルロン酸、葛、こんにゃく、片栗粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、天然ガム糊、繊維誘導糊、海藻類、動物性蛋白質等の天然物由来成分や、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、天然物由来成分であるのが好ましく、澱粉であるのがより好ましい。また、例えば、各種ポリオレフィン、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、各種熱可塑性エラストマー等を用いることもできる。
【0042】
また、管172の途中には、添加剤供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と結着剤P1との混合が促進される。また、ブロアー173は、分散部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と結着剤P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と結着剤P1とが均一に分散した状態で、分散部18に搬送される。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
【0043】
なお、ブロアー173は、制御装置28と電気的に接続されており、その作動が制御される。また、ブロアー173の送風量を調整することにより、ドラム181内に送り込む空気の量を調整することができる。
【0044】
なお、図示はしないが、管172は、ドラム181側の端部が2股に分岐しており、分岐した端部は、ドラム181の端面に形成された図示しない導入口にそれぞれ接続されている。
【0045】
図1に示す分散部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐして放出するほぐし工程を行なう部分である。分散部18は、解繊物である混合物M7を導入および放出するドラム181と、ドラム181を収納するハウジング182と、を有する。
【0046】
ドラム181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。ドラム181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされて空気とともに放出される。すなわち、ドラム181が、繊維を含む材料を放出する放出部として機能する。
【0047】
ドラム181は、図示しない駆動源に接続されており、駆動源から出力された回転力によって回転する。該駆動源は、制御装置28と電気的に接続されており、その作動が制御される。
【0048】
また、ハウジング182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、気化式の加湿部で構成されている。これにより、ハウジング182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
【0049】
また、ドラム181で放出された混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7を堆積させて堆積物である第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト191と、張架ローラー192と、吸引部193とを有している。
【0050】
メッシュベルト191は、メッシュ部材であり、図示の構成では、無端ベルトで構成される。また、メッシュベルト191には、分散部18が分散、放出した混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
【0051】
なお、図示の構成では、メッシュ部材の一例としてメッシュベルト191を用いる構成であるが、本発明ではこれに限定されず、例えば、平板状をなすものであってもよい。
【0052】
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
【0053】
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
【0054】
吸引部193には、管246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
【0055】
分散部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿部で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。なお、加湿部235、236は、気化式のものでもよい。
【0056】
加湿部231~加湿部236までに加えられる合計水分量は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。
【0057】
第2ウェブ形成部19の下流側には、成形部20が配置されている。成形部20は、第2ウェブM8から再生紙Sを形成するシート形成工程を行なう部分である。この成形部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
【0058】
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、カレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。なお、加熱する場合の加熱の程度としては、例えば、結着剤P1を溶融させない程度であるのが好ましい。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
【0059】
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、結着剤P1が溶融して、この溶融した結着剤P1を介して繊維同士が結着する。これにより、再生紙Sが形成される。そして、この再生紙Sは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
【0060】
成形部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、再生紙Sを切断する切断工程を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
【0061】
第1カッター211は、再生紙Sの搬送方向と交差する方向、特に直交する方向に再生紙Sを切断するものである。
【0062】
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、再生紙Sの搬送方向に平行な方向に再生紙Sを切断するものである。この切断は、再生紙Sの幅方向の両側端部の不要な部分を除去して、再生紙Sの幅を整えるものである。
【0063】
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の形状、大きさの再生紙Sが得られる。そして、この再生紙Sは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
【0064】
このような繊維体処理装置100が備える各部は、制御装置28と電気的に接続されている。そして、これら各部の作動は、制御装置28によって制御される。
【0065】
図4に示すように、制御装置28は、制御部281と、記憶部282と、通信部283と、を有する。
【0066】
制御部281は、少なくとも1つのプロセッサーを有し、記憶部282に記憶された各種プログラムを実行する。プロセッサーとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を用いることができる。また、制御部281は、繊維体処理装置100のうち、ブロアー261の駆動を制御する機能等のシート製造に関連する装置各部位の駆動を制御する機能等、種々の機能を有する。
【0067】
記憶部282には、例えば、シート製造に関するプログラム等が記憶されている。
通信部283は、例えば、I/Oインターフェースで構成され、繊維体処理装置100の各部との通信を行う。また、通信部283は、例えばネットワークを介して図示しないコンピューターやサーバーと通信を行う機能を有する。
【0068】
制御装置28は、繊維体処理装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。また、制御部281と、記憶部282とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、制御部281が繊維体処理装置100に内蔵され、記憶部282が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部282が繊維体処理装置100に内蔵され、制御部281が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。
【0069】
次に、粗砕片供給部10について説明する。
図2に示すように、粗砕片供給部10は、粗砕片貯留部11と、計量部12と、定量供給部13と、加湿部231と、加湿空気搬送部237と、搬送部240と、帰還路5と、を備える。
【0070】
粗砕片貯留部11は、原料である粗砕片M2に対し第1処理を行う第1処理部である。すなわち、粗砕片M2を貯留し、加湿部231から供給された加湿空気WAによって粗砕片M2の加湿処理を行う部分である。
【0071】
粗砕片貯留部11は、粗砕片投入口112および粗砕片排出口110を有する貯留タンク111を有する。粗砕片投入口112には、回動することにより粗砕片投入口112を開閉する蓋体113が設けられている。蓋体113を開いて粗砕片投入口112より粗砕片M2を貯留タンク111内に投入する。貯留タンク111内の粗砕片M2に加湿処理を施す際には、蓋体113を閉じる。なお、蓋体113を有さず、粗砕片投入口112に図示しない粗砕片供給管が接続され、この粗砕片供給管を介して粗砕片M2が貯留タンク111内に投入される構成であってもよい。
【0072】
貯留タンク111内で加湿処理された粗砕片M2は、粗砕片排出口110より貯留タンク111外へ排出される。粗砕片排出口110には、図示はしないが、粗砕片排出口110の開閉を切り替える例えばシャッターのような開閉部が設けられている。この開閉部は、例えば制御装置28によりその作動が制御され、この開閉部の作動に応じて、粗砕片排出口110の開閉が切り替わる。これにより、貯留タンク111から所望量の粗砕片M2を所望のタイミングで排出することができる。
【0073】
加湿部231は、気化式の加湿器で構成されており、加湿空気WAを送り込んで粗砕片貯留部11内の粗砕片M2を加湿する。すなわち、加湿部231は、加湿空気WAを生成し、この加湿空気WAを粗砕片貯留部11へ供給する。加湿部231は、容器31と、フィルター32と、ファン33と、を有する。
【0074】
容器31は、吸気口311と、排気口312と、給水口313と、を有する。吸気口311は、ファン33および314の作動により容器31内に空気を取り入れる開口である。排気口312は、ファン33および314の作動により容器31外に空気を排出する開口である。
【0075】
加湿空気搬送部237は、加湿部231から粗砕片貯留部11へ加湿空気WAを供給する第1供給路である。加湿空気搬送部237は、上流側端部238および下流側端部239を有する搬送管で構成されており、上流側端部238は、排気口312に接続され、下流側端部239は、粗砕片貯留部11の貯留タンク111に接続されている。加湿空気搬送部237は、搬送管の途中にファン314を有する。
【0076】
ファン314、加湿空気搬送部237の搬送管内に上流側から下流側に向かう気流を形成する。すなわち、粗砕片貯留部11へ向かう気流を形成する。ファン314は、回転羽根と、この回転羽根を回転駆動するモーターと、を有する。ファン314の駆動源であるモーターは、制御装置28と電気的に接続され、その作動が制御される。図2に示すように、ファン314の作動により、加湿空気WAが加湿空気搬送部237内を上流側から下流側へ向けて送気される。
【0077】
なお、ファン314は、後述するファン33と連動して駆動しても、ファン33とは独立して駆動してもよい。
【0078】
図2に示すように、給水口313は、容器31内に加湿用の液体、例えば水を取り入れる部分である。なお、給水口313には、図示しない蓋体や、シャッター等が設けられており、開閉可能となっている。
【0079】
フィルター32は、容器31内に設置され、容器31内に貯留された水を吸収し、含侵することができるものであり、例えば、織布、不織布、スポンジ等の多孔質体で構成される。ファン33は、回転羽根と、この回転羽根を回転駆動するモーターと、を有する。図4に示すように、ファン33の駆動源であるモーターは、制御装置28と電気的に接続され、その作動が制御される。図2に示すように、ファン33の作動により、水分を含有するフィルター32に空気を通過させ、気化させることにより、湿度を高めた加湿空気WAを生成し、排気口312から放出することができる。
【0080】
このような加湿部231で生成された加湿空気WAを加湿空気搬送部237により粗砕片貯留部11の貯留タンク111へ供給することによって、粗砕片貯留部11内の粗砕片M2を適度に加湿することができる。粗砕片M2は、加湿されることにより、静電力の影響を受け難くなる。よって、粗砕片M2同士が絡みついたり、粗砕片貯留部11の内壁等に付着したりすることが抑制されるという利点を有する。
【0081】
加湿部231の加湿によって粗砕片M2に加えられる水分量は、例えば、加湿前の粗砕片100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下であるのが好ましい。これにより、粗砕片M2に対する加湿が過不足なくなされ、前述した静電力による付着防止効果が有効に発揮される。
【0082】
粗砕片供給部10は、粗砕片M2を第1処理部である粗砕片貯留部11から第2処理部である解繊部29へ搬送する搬送部240を有する。粗砕片貯留部11で加湿処理された粗砕片M2は、搬送部240により、計量部12および定量供給部13を経て解繊部29へ搬送される。この場合、粗砕片M2は、加湿空気WAと共に搬送される。
【0083】
搬送部240は、粗砕片M2および加湿空気WAの搬送の前半すなわち上流側を担う第1搬送部と、粗砕片M2および加湿空気WAの搬送の後半すなわち下流側を担う第2搬送部と、を有する。第1搬送部は、粗砕片貯留部11の粗砕片排出口110から定量供給部13までの間にこれらを接続するように配置された粗砕片搬送部247で構成される。第2搬送部は、粗砕片搬送部247の下流側端部と解繊部29の粗砕片導入口291とを接続する管241で構成されている。従って、本実施形態において、搬送部240は、粗砕片搬送部247と管241とで構成される。
【0084】
粗砕片搬送部247は、搬送路249を有し、この搬送路249内に、粗砕片M2を上流側から下流側へ向けて搬送し得るフィーダー248が設置されている。搬送路249の少なくとも一部は管状の部材で構成されている。フィーダー248の具体例としては、例えば、前記スクリューフィーダー174と同様の構成のスクリューフィーダー、加振器を備える振動フィーダー、ベルト搬送機構が挙げられ、これらのうちの2以上を組み合わせたものでもよい。
【0085】
ただし、粗砕片搬送部247は、この構成に限定されず、空気輸送機構、自由落下機構等で構成されていてもよく、あるいは、これらを前記フィーダー248と組み合わせてもよい。
【0086】
粗砕片搬送部247と管241とにより、粗砕片貯留部11から解繊部29へ粗砕片M2および加湿空気WAを供給する第2供給路が構成される。
【0087】
第2供給路は、その少なくとも一部が搬送部240と兼用されている。本実施形態では、第2供給路を構成する粗砕片搬送部247および管241は、その全部が搬送部240と兼用されている。
【0088】
ただし、本発明では、この構成に限定されず、第2供給路の一部が搬送部240と兼用されており、第2供給路の他の一部が搬送部240と異なる別途の管路、例えば計量部12および定量供給部13を迂回し、かつ、粗砕片貯留部11と管241の途中とを接続する管路で構成されていてもよい。
【0089】
貯留タンク111内の粗砕片M2が粗砕片排出口110から排出される際には、貯留タンク111内の加湿空気WAと共に排出される。よって、粗砕片搬送部247は、粗砕片M2および加湿空気WAを下流側へ向けて搬送する。
【0090】
粗砕片貯留部11の下流側には、粗砕片搬送部247を介して計量部12が設定されている。
【0091】
図3に示すように、計量部12は、粗砕片M2の受け部である有底筒状の容器121と、容器121の底部側に設けられた重量測定部であるロードセル122と、を有する。容器121は、粗砕片搬送部247の下流側端部付近を搬送されている粗砕片M2を一時的に収容するものである。なお、容器121は、上記有底筒状の容器に限定されず、箱状をなしていてもよい。この場合、底部の平面視における形状は、特に限定されず、円形、楕円形、多角形等いかなる形状をなしていてもよい。
【0092】
ロードセル122は、外力を検出し、その検出結果を電気信号に変換して出力する機能を有する。また、ロードセル122は、容器121を、底部側から支持するよう設置されている。これにより、容器121の内部に収容された粗砕片M2の重量を検出することができる。
【0093】
また、ロードセル122は、図4に示すように、制御装置28と電気的に接続されており、ロードセル122での検出信号が制御装置28に送信され、粗砕片M2の重量に関する検出結果が得られる。なお、ロードセル122の方式は、特に限定されず、磁歪式ロードセル、静電容量型、ジャイロ式、ひずみゲージ式等であってもよい。
【0094】
図3に示すように、計量部12の下流側には、定量供給部13が設置されている。定量供給部13は、容器121の底部に設けられた開口120を開閉するシャッター131を有する。シャッター131は、例えばソレノイドのような図示しない駆動源を有する。図4に示すように、シャッター131の駆動源は、制御装置28と電気的に接続され、その作動が制御される。すなわち制御装置28により、シャッター131の開閉制御がなされる。
【0095】
シャッター131が閉状態において、粗砕片搬送部247より搬送されてきた粗砕片M2が容器121内に徐々に溜まっていく。ロードセル122が検出した粗砕片M2の重量が所定量に達したら、シャッター131が開状態となり、所定量の粗砕片M2が開口120より排出され、落下し、下流側に設置された管241を介して解繊部29に供給される。そして、再度シャッター131を閉状態とすることにより、容器121内に粗砕片M2が徐々に溜まってゆく。このような動作を繰り返すことにより、粗砕片M2を定量的に解繊部29に供給することができる。
【0096】
なお、定量供給部13としては、上記構成に限定されず、容器121を回転駆動させる回転駆動源を備える構成であってもよい。この場合、ロードセル122が検出した粗砕片M2の重量が所定量に達したら容器121を上下反転するように回転駆動し、容器121に溜まった粗砕片M2を下方に落下させ、解繊部29に供給することができる。管241の上流側端部は、定量供給部13に接続され、管241の上流側端部は、解繊部29の粗砕片導入口291に接続されている。
【0097】
解繊部29は、粗砕片M2に対し第2処理を行う第2処理部である。すなわち、解繊部29は、粗砕片M2を解繊する解繊処理を行う部分である。
【0098】
解繊部29としては、例えば、ターボ式微粉砕機で構成されたものを用いることができる。このターボ式微粉砕機は、粗砕片導入口291および解繊物排出口292を有する筒状のケーシング290と、ケーシング290の内周面に設けられたライナー294と、ケーシング290内においてライナー294と非接触で回転するローター293と、ローター293を回転駆動する駆動源である図示しないモーターとを有する。ライナー294は、周方向に沿って図示しない複数の歯を有し、ローター293は、放射状に配置された図示しない複数のブレードを有する。
【0099】
解繊部29に設置され、ローター293を回転駆動するモーターは、制御装置28と電気的に接続され、その作動が制御される。このモーターへの通電のオン/オフに対応してローター293の回転/停止がなされ、解繊処理の遂行/停止がなされる。
【0100】
解繊部29が作動し解繊処理がなされている状態では、粗砕片導入口291よりケーシング290内に導入された粗砕片M2は、回転しているローター293とライナー294との隙間295を通過する際に粉砕されて解繊され、これにより得られた解繊物M3が解繊物排出口292から排出される。
【0101】
次に、加湿部231で生成された加湿空気WAの流れについて説明する。
加湿部231で生成された加湿空気WAは、加湿空気搬送部237を介して粗砕片貯留部11内に供給される。粗砕片貯留部11内の加湿空気WAは、粗砕片M2と共に、粗砕片排出口110、粗砕片搬送部247および管241を介して解繊部29に供給される。すなわち、加湿部231は、粗砕片貯留部11および解繊部29の加湿を兼用するものであり、粗砕片貯留部11および解繊部29に順次加湿空気WAを供給する。解繊部29では、加湿空気WAが導入されることにより、粗砕片M2の解繊がより良好になされ、得られる解繊物M3の品質が向上する。
【0102】
繊維体処理装置100は、管241内または解繊部29内にある加湿空気WAを加湿部231に帰還させる帰還路5を有する。本実施形態では、帰還路5は、上流側端部51および下流側端部52を有する送気管50で構成されている。帰還路5の上流側端部51は、第2供給路、すなわち搬送部240を構成する管241の途中に接続されている。帰還路5の下流側端部52は、加湿部231の容器31に接続されている。
【0103】
繊維体処理装置100による再生紙Sの製造を停止している間でも、粗砕片貯留部11内の粗砕片M2を加湿したい場合がある。この場合、解繊部29の作動を停止し、かつ、加湿部231を作動させた状態とする。解繊部29の作動を停止すると、解繊部29には、加湿空気WAの供給がされ難くなる。しかしながら、帰還路5が設けられていることにより、加湿部231で生成された加湿空気WAは、加湿空気搬送部237、粗砕片貯留部11、粗砕片搬送部247、管241および帰還路5を順次通過して加湿部231へ戻るという、加湿空気WAの循環路が形成される。このように、加湿空気WAの循環路が形成されるため、解繊部29の作動を停止したとしても、粗砕片貯留部11に加湿空気WAを供給することができ、粗砕片貯留部11内の粗砕片M2は、加湿状態が保たれる。その結果、停止している繊維体処理装置100を再起動させた際、再起動直後から十分に加湿された粗砕片M2を解繊部29に供給することができる。よって、製造される再生紙Sの品質を高めることができる。
【0104】
このように、繊維体処理装置100は、加湿空気を生成する加湿部231と、繊維を含む材料の一例である粗砕片を処理、本実施形態では、加湿処理を行う第1処理部の一例である粗砕片貯留部11と、粗砕片貯留部11で加湿処理された粗砕片M2を処理、本実施形態では、解繊処理を行う第2処理部の一例である解繊部29と、加湿部231から粗砕片貯留部11へ加湿空気を供給する第1供給路である加湿空気搬送部237と、粗砕片貯留部11から解繊部29へ加湿空気WAを粗砕片M2と共に供給する第2供給路である搬送部240と、上流側端部51および下流側端部52を有し、搬送部240または解繊部29から加湿部231へ加湿空気を帰還させる帰還路5と、を備える。これにより、第2処理部の作動中はもちろんのこと、第2処理部の作動を停止している最中でも、第1処理部に加湿空気WAを供給することができる。すなわち、解繊部29の作動中はもちろんのこと、解繊部29の作動を停止している最中でも、粗砕片貯留部11に加湿空気WAを供給することができる。
【0105】
また、第1処理部は、材料である粗砕片M2を貯留するとともに加湿する処理を行い、第2処理部は、加湿された粗砕片M2を解繊する処理を行う。解繊部29の作動を停止している最中に、粗砕片貯留部11に加湿空気WAを供給するということは、一旦停止した繊維体処理装置100を再稼働した際に、再稼働直後の再生紙Sの品質に大きな影響を及ぼす。従って、第1処理部に粗砕片貯留部11を適用し、第2処理部に解繊部29を適用することにより、繊維体処理装置100を再稼働した直後の再生紙Sの品質を良好なものとすることができる。
【0106】
本発明は、上記構成に限定されず、繊維体処理装置100の各所に設置された加湿部232~236およびその周辺に設置された第1処理部および第2処理部に適用することができる。すなわち、本発明の各実施形態で示す帰還路5を備える加湿部を、加湿部232に適用してもよい。この場合、第1処理部が選別部14であり、第2処理部が第1ウェブ形成部15である。
【0107】
また、本発明の各実施形態で示す帰還路5を備える加湿部を、加湿部233に適用してもよい。この場合、第1処理部が細分部16であり、第2処理部が混合部17である。
【0108】
また、本発明の各実施形態で示す帰還路5を備える加湿部を、加湿部234に適用してもよい。この場合、第1処理部が分散部18であり、第2処理部が第2ウェブ形成部19である。
【0109】
また、帰還路5の上流側端部51は、第2供給路、すなわち搬送部240の管241に接続されている。これにより、帰還路5を既存の機種に設置する際、上流側端部51を直接、解繊部29に接続する構成に比べ、より簡単な改良作業で設置することができる。
【0110】
また、前述したように、加湿部231は、気化式の加湿部である。気化式の加湿部の方が、その他の方式の加湿部、例えば、超音波式の加湿部に比べ、構成が簡易で入手が容易であるという利点があるが、その一方で、一旦加湿を停止してから加湿空気WAの生成を再開するのに時間がかかる。このため、加湿部231の作動を継続しつつ解繊部29の稼働停止および再稼働する場合に、気化式の加湿部231を本発明に適用することの有用性が高い。
【0111】
また、前述したように、繊維体処理装置100は、材料である粗砕片M2を第1処理部の一例である粗砕片貯留部11から第2処理部の一例である解繊部29へ搬送する搬送部240を有し、第2供給路である粗砕片搬送部247および管241の少なくとも一部は、搬送部240と兼用されている。これにより、配管の構成を簡素化しつつ、材料である粗砕片M2と加湿空気WAとを第2処理部へ円滑、適正に供給することができる。
【0112】
また、繊維体処理装置100は、解繊部29の作動状態に応じて、帰還路5における加湿空気の送風状態を切り替える切替部500を有する。ここで、「解繊部の作動状態に応じて」とは、解繊部29が稼働状態(作動中の状態)、非稼働状態(停止している状態)のいずれであるかに応じて、を意味する。
【0113】
本実施形態では、切替部500は、解繊部29が稼働状態のとき、帰還路5を送風停止状態、すなわち加湿空気WAが流れていない状態とし、解繊部29が非稼働状態のとき、帰還路5を送風状態、すなわち加湿空気WAが下流側へ向かって流れている状態とする。
【0114】
切替部500は、帰還路5の上流側端部51と下流側端部52との間に設けられ、帰還路5の送気管50内に上流側から下流側に向かう気流を形成する送風部であるファン53を有する。すなわち、ファン53の作動により、加湿空気WAを加湿部231へ向けて送風する。
【0115】
ファン53は、回転羽根と、この回転羽根を回転駆動するモーターと、を有する。図4に示すように、ファン53の駆動源であるモーターは、制御装置28と電気的に接続され、その作動が制御される。
【0116】
なお、ファン53は、前述したファン33、314のうちの少なくとも一方と連動して駆動するが、ファン33および314とは独立して駆動してもよい。
【0117】
制御装置28は、解繊部29が稼働状態のとき、帰還路5を送風停止状態とし、解繊部29が非稼働状態のとき、帰還路5を送風状態とするよう、ファン53の作動を制御する。このような制御を行うことにより、解繊部29が稼働状態のときには、帰還路5を送風停止状態とすることにより、搬送部240による解繊部29への加湿空気WAの供給を妨げることなくこの供給を良好に維持し、解繊部29が非稼働状態のときには、帰還路5を送風状態とすることにより、加湿部231および加湿空気搬送部237を介しての加湿空気WAの粗砕片貯留部11への供給を促進することができる。すなわち、必要なときにのみ、帰還路5による加湿空気WAの加湿部231への帰還を実行し、加湿空気WAの粗砕片貯留部11への供給を促進することができる。
【0118】
このように、繊維体処理装置100は、第2処理部の一例である解繊部29の作動状態に応じて、帰還路5における加湿空気の送風状態を切り替える切替部500と、切替部500の作動を制御する制御部281と、を備える。これにより、解繊部29の作動を停止している最中でも、帰還路5による加湿空気WAの帰還をより確実に実行することができ、よって、解繊部29の作動状態に関わらず、粗砕片貯留部11に加湿空気WAを容易かつ適正に供給することができる。
【0119】
また、切替部500は、帰還路5の上流側端部51と下流側端部52との間に設けられ、加湿部231へ向けて送風する送風部であるファン53を有し、制御部281は、第2処理部の一例である解繊部29が稼働状態のとき、帰還路5を送風停止状態とし、解繊部29が非稼働状態のとき、帰還路5を送風状態とするよう、ファン53の作動を制御する。これにより、解繊部29の作動を停止している最中でも、帰還路5による加湿空気WAの帰還をより確実に実行することができ、ファン53の作動を制御するという簡単な方法により、粗砕片貯留部11に加湿空気WAをより確実に供給することができる。
【0120】
なお、上記構成に限定されず、制御部281は、解繊部29が非稼働状態のとき、ファン53を作動させるか否かをユーザーが選択する構成であってもよい。また、制御部281は、解繊部29の作動状態に関わらず、常時、ファン53を作動させる制御を行ってもよい。この場合、例えば、ファン53を駆動するモーターへの通電量を制御することにより、解繊部29が稼働状態のときに比べ、非稼働状態のときの方がファン53の出力、すなわち送風量を大きくするような設定とすることもできる。
【0121】
図示しないが、繊維体処理装置100は、粗砕片供給部10の上流側に、シート状の原料を供給する原料供給部と、シート状の原料を粗砕する、いわゆるシュレッダーのような粗砕部を備えていてもよい。この場合、粗砕部で粗砕片M2を生成し、この粗砕片M2を粗砕片投入口112より貯留タンク111内へ投入する。
【0122】
<第2実施形態>
図5は、第2実施形態に係る繊維体処理装置の概略を示す構成図、特に粗砕片供給部およびその周辺部の構成図である。
【0123】
以下、図5を参照しつつ本発明の繊維体処理装置の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0124】
図5に示すように、帰還路5の上流側端部51は、解繊部29に接続されている。より詳しくは、上流側端部51は、ケーシング290の粗砕片導入口291の近傍部に接続されている。このような構成によれば、解繊部29内に供給された加湿空気WAを効率良く回収することができる。よって、解繊部29の内部の水分量が過大となったり、湿気により解繊部29の内部にカビや錆びを生じたりすることを防止または抑制することができる。
【0125】
<第3実施形態>
図6は、第3実施形態に係る繊維体処理装置の概略を示す構成図、特に粗砕片供給部およびその周辺部の構成図である。
【0126】
以下、図4および図6を参照しつつ本発明の繊維体処理装置の第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0127】
図6に示すように、切替部500は、第2供給路である搬送部240の開閉を切り替える開閉部であるバルブ54を有する。バルブ54は、搬送部240を構成する管241の、上流側端部51が接続された部分よりも下流側、すなわち、解繊部29側に設けられており、管241の流路の開閉を切り替える機能を有する。
【0128】
バルブ54は、電磁バルブである。すなわち、バルブ54は、図示しないソレノイドのような駆動源を有する。図4中の一点鎖線で示すように、バルブ54の駆動源は、制御装置28と電気的に接続され、その作動が制御される。すなわち制御装置28により、バルブ54の開閉制御がなされる。
【0129】
バルブ54が開状態においては、管241の流路は流通可能であり、搬送部240を介して粗砕片M2および加湿空気WAの解繊部29への供給がなされる。バルブ54が閉状態においては、管241の流路は閉じており、粗砕片M2および加湿空気WAの解繊部29への供給が遮断される。
【0130】
制御装置28は、解繊部29が稼働状態のとき、バルブ54を開状態として第2供給路を構成する管241の流路を開き、解繊部29が非稼働状態のとき、バルブ54を閉状態として第2供給路を構成する管241の流路を閉じるよう、バルブ54の作動を制御する。
【0131】
このような制御を行うことにより、解繊部29が稼働状態のときには、解繊部29への加湿空気WAの供給を促進し、解繊部29が非稼働状態のときには、解繊部29への加湿空気WAの供給を禁止すると共に、帰還路5における加湿空気WAの送気を促進することができる。すなわち、必要なときにのみ、帰還路5による加湿空気WAの加湿部231への帰還を実行し、加湿空気WAの粗砕片貯留部11への供給を促進することができる。
【0132】
このように、切替部500は、第2供給路を構成する搬送部240の管241の、上流側端部51が接続された部分よりも第2処理部である解繊部29側に設けられ、搬送部240の管241の開閉を切り替える開閉部であるバルブ54を有し、制御部281は、解繊部29が稼働状態のとき、バルブ54が管241の流路を開き、解繊部29が非稼働状態のとき、バルブ54が管241の流路を閉じるよう、バルブ54の作動を制御する。これにより、解繊部29の作動を停止している最中でも、バルブ54の作動を制御するという簡単な方法により、粗砕片貯留部11に加湿空気WAをより確実に供給することができる。
【0133】
また、制御装置28は、バルブ54の閉状態とファン53の送風状態とを同期させ、かつ、バルブ54の開状態とファン53の送風停止状態とを同期させるよう、バルブ54およびファン53の作動を制御する。
【0134】
すなわち、制御部281は、解繊部29が稼働状態のとき、帰還路5を送風停止状態とするようファン53の作動を制御するとともに、バルブ54が管241の流路を開くようバルブ54の作動を制御し、解繊部29が非稼働状態のとき、帰還路5を送風状態とするようファン53の作動を制御するとともに、バルブ54が管241の流路を閉じるようバルブ54の作動を制御する。これにより、ファン53を上記のように制御することによる効果と、バルブ54を上記のように制御することによる効果との相乗効果により、解繊部29の作動を停止している最中でも、粗砕片貯留部11に加湿空気WAをさらに確実に供給することができる。
【0135】
このように、切替部500は、帰還路5の上流側端部51と下流側端部52との間に設けられ、加湿部231へ向けて送風する送風部であるファン53と、第2供給路を構成する管241の、上流側端部51が接続された部分よりも第2処理部の一例である解繊部29側に設けられ、粗砕片搬送部247の開閉を切り替える開閉部であるバルブ54と、を有する。また、制御部281は、解繊部29が稼働状態のとき、帰還路5を送風停止状態とするようファン53の作動を制御するとともに、バルブ54が管241の流路を開くようバルブ54の作動を制御し、解繊部29が非稼働状態のとき、帰還路5を送風状態とするようファン53の作動を制御するとともに、バルブ54が管241の流路を閉じるようバルブ54の作動を制御する。これにより、ファン53を上記のように制御することによる効果と、バルブ54を上記のように制御することによる効果との相乗効果により、解繊部29の作動を停止している最中でも、粗砕片貯留部11に加湿空気WAをさらに確実に供給することができる。
【0136】
なお、制御装置28は、バルブ54の閉状態とファン53の送風状態とが異なるタイミングとなるようこれらの作動を制御してもよく、バルブ54の開状態とファン53の送風停止状態とが異なるタイミングとなるようこれらの作動を制御してもよい。
【0137】
以上、本発明の繊維体処理装置を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、繊維体処理装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、繊維体処理装置には、任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明の繊維体処理装置は、各実施形態の特徴を組み合わせたものであってもよい。
【0138】
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた実施形態として、帰還路は、第2供給路および加湿部231を接続する第1帰還路と、第2処理部である解繊部29および加湿部231を接続する第2帰還路とを有する構造が挙げられる。この場合、第1帰還路と第2帰還路の双方を用いて加湿空気WAを加湿部231に帰還させる構成、第1帰還路と第2帰還路とを切り替える切替部を設け、第1帰還路と第2帰還路とを択一的に選択し、選択された帰還路を用いて加湿空気WAを加湿部231に帰還させる構成、または、第1帰還路と第2帰還路のそれぞれに開閉部を設け、各開閉部の開閉状態を選択することにより、第1帰還路および第2帰還路の少なくとも一方を用いて加湿空気WAを加湿部231に帰還させる構成等が挙げられる。このような構成の繊維体処理装置では、帰還路における加湿空気WAの合計流量、すなわち、帰還により第1処理部である粗砕片貯留部11に供給される加湿空気WAの供給量の調整を容易に、精度よく行うことができるという利点がある。
【符号の説明】
【0139】
5…帰還路、10…粗砕片供給部、11…粗砕片貯留部、12…計量部、13…定量供給部、14…選別部、15…第1ウェブ形成部、16…細分部、17…混合部、18…分散部、19…第2ウェブ形成部、20…成形部、21…切断部、22…ストック部、27…回収部、28…制御装置、29…解繊部、31…容器、32…フィルター、33…ファン、50…送気管、51…上流側端部、52…下流側端部、53…ファン、54…バルブ、100…繊維体処理装置、110…粗砕片排出口、111…貯留タンク、112…粗砕片投入口、113…蓋体、120…開口、121…容器、122…ロードセル、131…シャッター、141…ドラム部、142…ハウジング部、151…メッシュベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、61…プロペラ、162…ハウジング部、170…ハウジング部、171…添加剤供給部、172…管、173…ブロアー、174…スクリューフィーダー、181…ドラム、182…ハウジング、191…メッシュベルト、192…張架ローラー、93…吸引部、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…加熱ローラー、211…第1カッター、212…第2カッター、231…加湿部、232…加湿部、233…加湿部、234…加湿部、235…加湿部、236…加湿部、237…加湿空気搬送部(第1供給路)、238…上流側端部、239…下流側端部、240…搬送部(第2供給路)、241…管、242…管、243…管、244…管、245…管、246…管、247…粗砕片搬送部、248…フィーダー、249…搬送路、261…ブロアー、262…ブロアー、263…ブロアー、281…制御部、282…記憶部、283…通信部、290…ケーシング、291…粗砕片導入口、292…解繊物排出口、293…ローター、294…ライナー、295…隙間、311…吸気口、312…排気口、313…給水口、314…ファン、500…切替部、M2…粗砕片、M3…解繊物、M4-1…第1選別物、M4-2…第2選別物、M5…第1ウェブ、M6…細分体、M7…混合物、M8…第2ウェブ、P1…結着剤、S…再生紙、WA…加湿空気
図1
図2
図3
図4
図5
図6