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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048932
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】会計処理方法及び会計処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240402BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155110
(22)【出願日】2022-09-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】508098246
【氏名又は名称】加藤 弘孝
(74)【代理人】
【識別番号】110003122
【氏名又は名称】弁理士法人タナベ・パートナーズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 弘孝
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】幾何学的な図表によって個々の取引を表示する際の視認性を向上させる会計処理方法及び会計処理プログラムを提供する。
【解決手段】取引毎の取引情報を記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、入力部に入力されたユーザ指示に基づいて記憶部に記憶された取引日が表示対象期間の範囲内の情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えた会計処理装置における会計処理方法であって、入力部が、5科目区分、3科目区分、2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する工程と、前記表示データ制御部が、指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データを作成する工程と、を含む。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引毎に、取引日と、借方科目の勘定科目と、前記借方科目の金額と、貸方科目の勘定科目と、前記貸方科目の金額とを対応付けて記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、前記入力部に入力されたユーザ指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記取引日が前記表示対象期間の範囲内である情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えた会計処理装置における会計処理方法であって、
前記入力部が、資産・負債・純資産・収益及び費用の5科目区分、資産・負債及び純資産の3科目区分、収益及び費用の2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する工程と、
前記表示データ制御部が、前記入力する工程において指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データであって、前記X軸では左から右に向かって前記指定された区分科目に属する借方科目の各勘定科目を配置し、前記Y軸では上から下に向かって前記指定された区分科目に属する貸方科目の各勘定科目を配置し、前記X軸上の任意の勘定科目と前記Y軸上の任意の勘定科目との交点には、前記記憶部に記憶された情報に基づいて当該X軸上の任意の勘定科目と当該Y軸上の任意の勘定科目との間の前記表示対象期間における取引金額の合計値を計算して表示させる表示データを作成する工程と、
を含むことを特徴とする会計処理方法。
【請求項2】
さらに、前記入力部が所定の色表示指定を入力する工程と、
前記表示データ制御部が、該入力する工程において入力された該所定の色表示指定に応じて所望の情報を他の情報と区別可能に色表示するよう表示制御する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の会計処理方法。
【請求項3】
前記色表示指定を入力する工程において、前記入力部が、資産・負債及び純資産の3科目区分と、収益及び費用の2科目区分のいずれか一方に対する色表示指定を入力し、
前記表示制御する工程において、前記表示データ制御部が、該入力する工程において指定された表示区分及び当該表示区分に属する各勘定科目に関する情報と、他方の表示区分及び当該他方の表示区分に属する各勘定科目に関する情報とを異なる色にて表示するよう表示制御することを特徴とする請求項2に記載の会計処理方法。
【請求項4】
前記色表示指定を入力する工程において、前記入力部が、所定の基準日を基準とした取引履歴に対する色表示指定を入力し、
前記表示制御する工程において、前記表示データ制御部が、該入力する工程において指定された基準日を基準として日にちを遡った場合又は日にちを先に進めた場合の取引の有無を区別可能に色表示するよう表示制御することを特徴とする請求項2に記載の会計処理方法。
【請求項5】
前記色表示指定を入力する工程において、前記入力部が、所定の比較期間との比較に係る色表示指定を入力し、
前記表示制御する工程において、前記表示データ制御部が、該入力する工程において指定された比較期間と、前記表示対象期間との間での前記各交点における数値の増減を区別可能に色表示するよう表示制御することを特徴とする請求項2に記載の会計処理方法。
【請求項6】
取引毎に、取引日と、借方科目の勘定科目と、前記借方科目の金額と、貸方科目の勘定科目と、前記貸方科目の金額とを対応付けて記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、前記入力部に入力されたユーザ指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記取引日が前記表示対象期間の範囲内である情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えたコンピュータに、
前記入力部が、資産・負債・純資産・収益及び費用の5科目区分、資産・負債及び純資産の3科目区分、収益及び費用の2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する手順と、
前記表示データ制御部が、前記入力する手順において指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データであって、前記X軸では左から右に向かって前記指定された区分科目に属する借方科目の各勘定科目を配置し、前記Y軸では上から下に向かって前記指定された区分科目に属する貸方科目の各勘定科目を配置し、前記X軸上の任意の勘定科目と前記Y軸上の任意の勘定科目との交点には、前記記憶部に記憶された情報に基づいて当該X軸上の任意の勘定科目と当該Y軸上の任意の勘定科目との間の前記表示対象期間における取引金額の合計値を計算して表示させる表示データを作成する手順と、
を実行させることを特徴とする会計処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会計処理方法及び会計処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な財務諸表では、資産、負債、純資産、収益、費用に属する勘定科目毎に、開始日残高、借方合計、貸方合計及び期間末日残高、並びにそれらから算出される営業利益、経常利益、税引き前当期利益及び当期利益等の数値を定形の財務諸表で表示している。
【0003】
しかしながら、例えば建設業においては、売上管理と製造管理を同時に行う必要があり、且つ工事期間が発生するため、所定年度における対象年月の工事台帳(所定の工事に対して少なくとも工事名、支払額、入金額、入金差額が表示された表)を作成することが必要となる。一般に市販されている建設業向けの「請負工事台帳」は、収入側として「請負契約金額」、「工事受入金」を記入し、支出側として「材料費」、「労務費」、「外注費」、「経費」、「工事の諸情報」を時系列に記入するようにされている。
【0004】
ところで、上記の定形の財務諸表は結果報告であり、その結果としての数値に至った経緯を確認するためには、補助簿にてその都度確認する必要があり煩雑である。その結果、経営に携わる立場にあるにもかかわらず、財務諸表を読むことが苦手ゆえに、経営の意思決定に支障をきたすことがある。
【0005】
自社にて若しくは専属のコンサルタントにより、経営分析ができる企業は、上記の限りではないが、財務に携わる要員が少ない小規模企業では、財務諸表が経営の指標として活用されておらずに、結果報告として、仮に負債が膨らめば危機感に苛まれ、利益が出たら直ちに満足感を抱き、これらの数値が発生した原因の特定と、その原因への対処方法、及び、当該数値が将来に及ぼす予測可能な影響にまで考えが及ばない事が今日の小規模企業を取り巻く課題となっている。
【0006】
このように、専属の会計技術者を雇用していない中小、零細企業では、取引記録と決算内容との整合に苦労し、また、決算内容から企業成績の原因究明をする事に苦労し、さらに、決算内容と売上原価との因果関係の把握に苦労するという課題がある。例えば、従来の賃借対照表及び損益計算書等の財務諸表においては、科目の数値を構成する相手科目と相手科目毎の数値を一瞥して判断できないという問題がある。一例として、賃借対照表の資産の中の現金科目に「10万円」の記載があるとき、この「10万円」を構成する相手科目と相手科目毎の金額は補助簿で確認する必要があり、また、これらの数値を一瞥して時系列に確認できない。また従来、財務諸表は指定時刻におけるピンポイントの結果報告であり、その時刻の直前直後、さらにはその時刻以前以後の情報を得るためには、別途作成した財務諸表で確認する必要があった。さらに、財務諸表に記載された数値の時系列な連続変化の把握は極めて困難であった。このような問題を解決すべく発明がなされてきた(特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1には、取引で記録される数値が、資産、負債、純資産、収益、費用のいずれかに該当する勘定科目かつ、資産、負債、純資産のいずれかに該当する勘定科目、相互の目的で行われたことが一瞥で判断できる幾何学的な図表で当該取引を表し、個々の取引における原因と結果の二面性を一瞥で判断できる時間軸で連続された幾何会計シートの作成プログラムに係る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2021-39548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記のように特許文献1に係る技術によれば、幾何学的な図表によって個々の取引における原因と結果の二面性を一瞥で判断できる。しかしながら、幾何学的な図表の借方軸(X軸)及び貸方軸(Y軸)の各々に表示される科目数が多いために、注目したい科目を探すのに手間や時間がかかってしまう課題があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、幾何学的な図表によって個々の取引を表示する際の視認性を向上させる会計処理方法及び会計処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係る会計処理方法は、取引毎に、取引日と、借方科目の勘定科目と、前記借方科目の金額と、貸方科目の勘定科目と、前記貸方科目の金額とを対応付けて記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、前記入力部に入力されたユーザ指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記取引日が前記表示対象期間の範囲内である情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えた会計処理装置における会計処理方法であって、前記入力部が、資産・負債・純資産・収益及び費用の5科目区分、資産・負債及び純資産の3科目区分、収益及び費用の2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する工程と、前記表示データ制御部が、前記入力する工程において指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データであって、前記X軸では左から右に向かって前記指定された区分科目に属する借方科目の各勘定科目を配置し、前記Y軸では上から下に向かって前記指定された区分科目に属する貸方科目の各勘定科目を配置し、前記X軸上の任意の勘定科目と前記Y軸上の任意の勘定科目との交点には、前記記憶部に記憶された情報に基づいて当該X軸上の任意の勘定科目と当該Y軸上の任意の勘定科目との間の前記表示対象期間における取引金額の合計値を計算して表示させる表示データを作成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また上記の目的を達成するために、本発明に係る会計処理プログラムは、取引毎に、取引日と、借方科目の勘定科目と、前記借方科目の金額と、貸方科目の勘定科目と、前記貸方科目の金額とを対応付けて記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、前記入力部に入力されたユーザ指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記取引日が前記表示対象期間の範囲内である情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えたコンピュータに、前記入力部が、資産・負債・純資産・収益及び費用の5科目区分、資産・負債及び純資産の3科目区分、収益及び費用の2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する手順と、前記表示データ制御部が、前記入力する手順において指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データであって、前記X軸では左から右に向かって前記指定された区分科目に属する借方科目の各勘定科目を配置し、前記Y軸では上から下に向かって前記指定された区分科目に属する貸方科目の各勘定科目を配置し、前記X軸上の任意の勘定科目と前記Y軸上の任意の勘定科目との交点には、前記記憶部に記憶された情報に基づいて当該X軸上の任意の勘定科目と当該Y軸上の任意の勘定科目との間の前記表示対象期間における取引金額の合計値を計算して表示させる表示データを作成する手順と、を実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る会計処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る会計処理装置の機能構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る会計処理装置に表示される画面の一例である。
図4図3の表示領域に表示される幾何会計画面の一例を示す図である。
図5図4に示す幾何会計画面の内容を説明するための図である。
図6図4に示す幾何会計画面の内容を説明するための図である。
図7図4に示す幾何会計画面の内容を説明するための図である。
図8図4に示す幾何会計画面の内容を説明するための図である。
図9図4に示す幾何会計画面の内容を説明するための図である。
図10図4に示す幾何会計画面の内容を説明するための図である。
図11】本実施形態に係る会計処理装置の財務データDBの一例を示す図である。
図12】本実施形態に係る会計処理装置の財務月締めデータDBの一例を示す図である。
図13】本実施形態に係る会計処理装置の画面表示処理に係る制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
図14】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第1具体例を示す図である。
図15】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第2具体例を示す図である。
図16】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第3具体例を示す図である。
図17】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第4具体例を示す図である。
図18】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第5具体例を示す図である。
図19】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第6具体例を示す図である。
図20】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第6具体例を示す図である。
図21】本実施形態に係る会計処理装置が提供する表示画面の第7具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
[ハードウェア構成例]
図1は、本実施形態に係る会計処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0016】
図1に示す会計処理装置1は、バス17を介して接続されたCPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、HDD(Hard Disk Drive)13、入力装置14、表示装置15、インターフェース装置16等を備える。
【0017】
CPU11は、メモリ12に記憶された各種プログラム(例えば本実施形態に係る会計処理プログラム)を実行する中央演算処理装置である。メモリ12は、CPU11によって実行されるプログラム及びプログラムによって使用されるデータを記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。HDD13は、各種データ等を記憶する記憶装置である。SSD(Solid State Drive)であってもよい。入力装置14は、ユーザが各種情報を入力するための装置、例えばキーボード、マウスである。表示装置15は、例えばディスプレイである。インターフェース装置16は、不図示のネットワーク等に接続するためのインターフェース装置である。
【0018】
以上に示す構成により、本実施形態に係る会計処理装置1では、メモリ12に記憶された会計処理プログラムが動作するとともに、入力装置14に入力された各種情報に基づいて表示態様等を適宜切り替えて表示装置15に画面表示する。
【0019】
[機能構成例]
図2は、本実施形態に係る会計処理装置の機能構成例を示す図である。なお、以下の説明において、前述と同様の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0020】
図2に示す会計処理装置1は、入力部21、制御部22、記憶部23、表示部24を有する。制御部22は、表示データ制御部221を有する。
【0021】
入力部21は、入力装置14(図1参照)に対する入力情報を入力する入力手段である。制御部22は、会計処理装置1の各種制御を行う制御手段である。本実施形態に係る制御部22は、入力部21に入力された入力情報に基づいて表示部24が表示装置15に画面表示させる際の制御を行う表示データ制御部221を有する。記憶部23は、入力部21によって入力された情報等の各種データを記憶する記憶手段である。表示部24は、表示装置15(図1参照)に表示データを画面表示する表示手段である。
【0022】
なお、記憶部23は、財務データDB231、財務月締めデータDB232、各種設定データDB233、キャッシュ234から構成される。
【0023】
財務データDB231は、会計処理プログラムによる処理対象の財務データを記憶する記憶手段である。ここでいう財務データとは、取引毎の取引日、借方科目の勘定科目、借方科目の内容、借方科目の金額、貸方科目の勘定科目、貸方科目の内容及び貸方科目の金額等のデータである。財務データは、ユーザによって入力装置14(図1参照)を介して入力される。財務データDB231については、図11を用いて詳細に後述する。
【0024】
財務月締めデータDB232は、会計処理プログラムによる処理対象の財務月締めデータを記憶する記憶手段である。ここでいう財務月締めデータとは、月毎の各勘定科目(後述する図4の幾何会計画面7に示す各勘定科目)の月締め時点での集計データである。財務月締めデータは、ユーザによって入力装置14(図1参照)を介して入力される。財務月締めデータDB232については、図12を用いて詳細に後述する。
【0025】
各種設定データDB233は、後述する幾何会計画面7(図4参照)に表示される各勘定科目の名称や幾何会計画面7のレイアウト等に関する各種設定データを記憶する記憶手段である。
【0026】
キャッシュ234は、表示データ制御部221が表示データを作成したり制御部22が各種制御を行ったりする際に必要なデータをキャッシュするための記憶手段である。すなわち、キャッシュ234はデータに高速にアクセスするためのものである。
【0027】
なお、上記の構成要素のうち、入力部21、制御部22及び表示部24は、図1のCPU21によって実現される。記憶部23は、図1のメモリ12、HDD13等によって実現される。
【0028】
図3は、本実施形態に係る会計処理装置1に表示される画面の一例である。
【0029】
図3に示す表示画面60は、本実施形態に係る会計処理プログラムを実行する際に表示部24によって表示装置15に表示される表示画面の一例を示している。この表示画面60は、表示対象の会計処理期間を指定するための表示期間指定欄61、各勘定科目の開始日残高を表示(計算)するか否かを指定するための開始日残高表示指定欄62、表示区分として「全科目区分(資産・負債・純資産・収益・費用)」、「資産・負債・純資産」、「収益・費用」のいずれか一つを指定するための表示区分指定欄63、シート色表示のオン・オフを指定するためのシート色表示指定欄64、取引履歴に係る色表示のオン・オフを指定するための取引履歴色表示指定欄65、データ比較に係る色表示のオン・オフを指定するためのデータ比較色表示指定欄66、幾何会計画面が表示される表示領域67を含む。
【0030】
なお、シート色表示指定欄64は、オン・オフの指定に加え、「資産・負債・純資産(BS基準:Balance Sheet)」と「収益・費用(PL基準:Profit and Loss statement)」とのいずれの科目区分を色表示するかを指定する基準表示区分入力欄64aを含む。
【0031】
また、取引履歴色表示指定欄65は、オン・オフの指定に加え、取引履歴を色表示する際の開始日(基準日)を入力する開始日入力欄65a、開始日から一日進める(翌日にする)若しくは戻る(前日にする)を指定する入力欄65bを含む。更に、データ比較色表示指定欄66は、オン・オフの指定に加え、比較対象期間を指定するための比較期間指定欄66aを含む。ここで、開始日入力欄65aには、表示期間指定欄61に指定された会計処理期間の範囲内の日付を指定可能であるものとする。
【0032】
このような表示画面60において、ユーザが表示に係る各種指示情報を入力することができる。また、表示領域67上でマウス(入力装置14)を上下左右にドラッグすると、ドラッグ方向に応じた表示データが表示されてもよい。また、マウス(入力装置14)のスクロールボタンによって拡大・縮小も可能であってもよい。
【0033】
[幾何会計画面のレイアウト]
図4は、図3の表示領域67に表示される幾何会計画面7の一例を示す図である。図5図10は、図4に示す幾何会計画面7の内容を説明するための図である。
【0034】
図4に示す幾何会計画面7は、横方向に借方科目の軸(以下、「X軸」ともいう。)、縦方向に貸方科目の軸(以下、「Y軸」ともいう。)の2軸を備えた表形式の表示画面である。X軸では左から右に向かって費用、収益、資産、負債及び純資産の順に区分科目が配置される。なお、各区分科目の下方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目(借方科目)が配置される。費用の分類科目は例えば工事原価、仕掛工事費、一般管理費等であり、収益の分類科目は例えば純売上高、営業外収益等であり、資産の分類科目は例えば流動資産、固定資産等であり、負債の分類科目は例えば流動負債、固定負債等である。
【0035】
一方、Y軸では上から下に向かって純資産、負債、資産、収益及び費用の順、すなわちX軸における順序に対して降順に区分科目が配置される。なお、各区分科目の右方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目(貸方科目)が配置される。
【0036】
ここで、図4の左上に示す一般的な紙媒体の振替伝票では、一回の取引を記録する際に「取引日」、「借方科目名」、「当該借方科目の金額N」、「貸方科目名」、「貸方科目の金額N」が記録される。このような一回の取引を示す情報が幾何会計画面7上に表示される場合、X軸及びY軸の2軸に配置された当該借方科目と当該貸方科目の交点で指定される番地(ポイント)に金額Nが表示されるようレイアウトされている。図4に示す例では、借方科目が“現金”で貸方科目が“完成工事”の交点に金額Nが表示されている。
【0037】
なお、幾何会計画面7に示すようなレイアウトを紙媒体としてのシート、すなわち借方と貸方とを軸で表し、借方科目と貸方科目とを番地として配置したシートを用意し、各シートにおいて特定の日付日の取引を幾何会計画面7のX軸上の勘定科目の番地とY軸上の勘定科目の番地との交点に記入させた場合、記入されたシート群を一年間積層した場合には「年間決算書」になり、一月間積層した場合には「月次決算書」となる。
【0038】
図5では、幾何会計画面7上に表示される借方合計欄7a及び貸方合計欄7bについて説明する。図5に示すように、幾何会計画面7では、X軸に配置した任意の勘定科目の取引金額の合計値が記録される借方合計欄7aが設けられている。任意の勘定科目の借方合計欄7aには、当該勘定科目と、Y軸上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に表示された金額の合計値が表示される。また、Y軸に配置した任意の勘定科目の取引金額の合計値が記録される貸方合計欄7bが設けられている。任意の勘定科目の貸方合計欄7bには、当該勘定科目と、X軸上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に表示された金額の合計値が表示される。すなわち、幾何会計画面7の所定の取引日(例えば2015年10月31日)における勘定科目:現金の借方合計である「Q12」番地には、「Q13」番地から「Q24」番地に表示された金額の合計値が表示される。
【0039】
図6では、幾何会計画面7上に表示される期間残高欄7cについて説明する。期間残高とは、指定された期間(図3の表示期間指定欄61に指定された期間)の最初の日を基準としたときの最終日の各勘定科目の残高である。資産、負債、純資産の期間残高に関しては、資産の例えば勘定科目「現金」の期間残高欄7c(「Q11」番地)には、X軸上の区分科目が資産で且つ勘定科目が現金の合計値(「Q12」番地の数値)から、Y軸上の区分科目が資産で且つ勘定科目が現金の合計値(「J22」番地の数値)を減ずることで算出された値が表示される。負債の任意の勘定科目の期間残高欄7cには、Y軸上の区分科目が負債で且つ当該任意の勘定科目の合計値から、X軸上の当該任意の勘定科目の合計値を減ずることで算出された値が表示される。純資産の任意の勘定科目の期間残高欄7cには、Y軸上の区分科目が純資産で且つ当該任意の勘定科目の合計値から、X軸上の当該任意の勘定科目の合計値を減ずることで算出された値が表示される。
【0040】
一方、収益及び費用の期間残高に関しては、収益の任意の勘定科目の期間残高欄7cには、Y軸上の当該任意の勘定科目の合計値が算出されて表示される。費用の任意の勘定科目の期間残高欄7cには、X軸上の当該任意の勘定科目の合計値が算出されて表示される。
【0041】
図7では、幾何会計画面7に表示される開始日残高欄7dについて説明する。開始日残高とは、指定された期間の最初の日における各勘定科目の残高、すなわち指定期間前の最終日(指定期間の初日の一日前)における各勘定科目の残高である。図7では、X軸上の区分科目が資産で且つ勘定科目が現金の開始日残高欄7d(「Q10」番地)に、現金の開始日残高の数値が表示される。
【0042】
図8では、幾何会計画面7に表示される末日残高欄7eについて説明する。末日残高とは、指定された期間の最終日における各勘定科目の残高である。任意の勘定科目の末日残高は、指定期間における当該任意の勘定科目の開始日残高に対して、指定期間中の当該任意の勘定科目の期間残高を加算した値である。図8では、X軸上の区分科目が資産で且つ勘定科目が現金の末日残高欄7e(「Q9」番地)に、現金の末日残高が表示される。この末日残高は、「Q10」番地の開始日残高の数値に対して「Q11」番地の期間残高の数値を加算した値である。
【0043】
図9では、幾何会計画面7において算出される経常利益を示している。経常利益Aは、“経常利益A”=“収益(「G23」番地の数値+「G24」番地の数値)”-“費用(「K9」番地の数値)-(「L9」番地の数値-「M9」番地の数値)-(「N9」番地の数値)”によって算出される。
【0044】
図10は、幾何会計画面7において算出される利益剰余金を示している。利益剰余金A’は、“(「Q5」番地の数値)”=“(「C15」番地の数値)”+“(「C13」番地の数値)”によって算出されて表示される。
【0045】
以上、図4図10を用いて幾何会計画面7について説明を行ってきたが、図4図10に示すレイアウトに限定されるものではない。例えばX軸とY軸の配置を入れ替えてもよいし、資産、負債、純資産、収益、費用の科目の位置を変更しても良い。
【0046】
[財務データDBの一例]
図11は、本実施形態に係る会計処理装置の財務データDB231の一例を示す図である。図11では、財務データDB231の一例をテーブルで示している。図11に示す財務データDB231において一回の取引データは、一行のデータとして登録される。
【0047】
財務データDB231の属性は、伝票番号231a、日付231b、借方科目ID231c、借方補助科目231d、借方金額231e、貸方科目ID231f、貸方補助科目231g、貸方金額231h等を含む。
【0048】
伝票番号231aは、各取引データに固有の伝票番号である。日付231bは、各行に示す取引の発生日付である。
【0049】
借方科目ID231cは、X軸上のいずれかの勘定科目を特定する固有の識別番号である。当該借方科目ID231cに示す番号は、番号ごとに勘定科目名(区分科目名と分類科目名と勘定科目名との組合せ)と対応付けられて各種設定データDB233に記憶されているものとする。なお、この対応付けは既知の技術によってなされるため詳細な説明を省略する。借方補助科目231dは、借方の内容を示す情報である。借方金額231eは、借方の金額を示す数値である。なお、この借方金額231eは、更に消費税等の税を考慮して税込金額を示す数値と税引き金額を示す数値とに分けても良い。
【0050】
貸方科目ID231fは、Y軸上のいずれかの勘定科目を特定する固有の識別番号である。当該貸方科目ID231fに示す番号は、番号ごとに勘定科目名と対応付けられて各種設定データDB233に記憶されているものとする。貸方補助科目231gは、貸方の内容を示す情報である。貸方金額231hは、貸方の金額を示す数値である。なお、この貸方金額231hは、前述の借方金額231eと同様に、更に税込金額を示す数値と税引き金額を示す数値とに分けても良い。
【0051】
以上に示すように、財務データDB231には、取引毎の取引日、借方科目の勘定科目、借方科目の内容、借方科目の金額、貸方科目の勘定科目、貸方科目の内容及び貸方科目の金額等のデータが対応付けて記憶される。
【0052】
[財務月締めデータDBの一例]
図12は、本実施形態に係る会計処理装置の財務月締めデータDB232の一例を示す図である。図12では、財務月締めデータDB232の一例をテーブルで示している。図12に示す財務月締めデータDB232において、任意の勘定科目の月締めデータは、一行のデータで表わされる。
【0053】
財務月締めデータDB232の属性は、取引月232a、期間開始日232b、期間終了日232c、勘定科目ID232d、貸借区分232e、月初残232f、当月借方合計232g、当月貸方合計232h、月末残232i等を含む。
【0054】
取引月232aは、月締めの対象月を示す情報である。期間開始日232bは、取引月232aに示す対象月の開始日(初日)を示す情報である。期間終了日232cは、取引月232aに示す対象月の終了日(締め日)を示す情報である。これら期間開始日232b及び期間終了日232cのそれぞれは、デフォルト値は対象月の初日、末日であるが、各種設定データDB233において例えば自社締め日を20日と設定することによって、期間開始日は前月の21日で且つ期間終了日は20日としてもよい。
【0055】
勘定科目ID232dは、対象の勘定科目を特定する識別番号である。貸借区分232eは、当該勘定科目がX軸(借方軸)上の勘定科目かY軸(貸方軸)上の勘定科目かを識別する識別番号である。“0”である場合にはX軸上の勘定科目を示しており、“1”である場合にはY軸上の勘定科目を示す。
【0056】
月初残232fは、対象月の月初における当該勘定科目の残高を示す数値である。この月初残232fは、開始日が月の初日である場合には対象月における当該勘定科目の開始日残高を示す数値と言い換えることもできる。当月借方合計232gは、対象月における期間開始日232bから期間終了日232cまでの当該勘定科目の借方合計値である。当月貸方合計232hは、対象月における期間開始日232bから期間終了日232cまでの当該勘定科目の貸方合計値である。月末残232iは、対象月の月末における各勘定科目の残高を示す数値である。この月末残232iは、終了日が月の最終日である場合には対象月の末日残高と言い換えることもできる。なお、任意の行の月末残232iは、当該行の月初残232fに当月借方合計232gを加算して当日貸方合計232hを減算することによって算出される。
【0057】
以上に示すように、財務月締めデータDB232には、月毎の各勘定科目の月締めに係る集計データが記憶される。この財務月締めデータDB232は、開始日残高や末日残高の計算に際して使用される。
【0058】
[制御ロジック]
図13は、本実施形態に係る会計処理装置1の画面表示処理に係る制御ロジックの一例を示すフローチャートである。以下、会計処理装置1が行う処理の一例を、適宜図1図2を参照しながら説明する。
【0059】
まずステップS1において、入力部21は、表示画面60(図3参照)上でのユーザ指示を入力する(S1)。ここでは、会計処理プログラムの起動により表示装置15に表示された表示画面60において、ユーザにより入力装置14を介して入力された指示情報を入力する。
【0060】
ここでいう指示情報とは、前述の通り、表示期間指定欄61に指定された会計処理期間、開始日残高表示指定欄62に指定された開始日残高を計算するか否かの情報、表示区分指定欄63に指定された表示区分に係る情報、シート色表示指定欄64に指定されたシート色表示のオン・オフに係る情報、取引履歴色表示指定欄65に指定された取引履歴に係る色表示のオン・オフに係る情報、データ比較色表示指定欄66に指定されたデータ比較に係る色表示のオン・オフに係る情報である。
【0061】
次にステップS2に進み、表示データ制御部221が表示データに係る制御を行う(S2)。ステップS2では、ステップS1で入力された指示情報に応じた表示データを作成して表示する等の表示データに係る制御を行う。ステップS2の詳細については、図14図21を用いて場合を分けて説明する。
【0062】
その後ステップS3に進み、表示部24が、ステップS2において作成された表示データや制御内容に応じて表示装置15に表示する(S3)。
【0063】
以上に示す処理により、本実施形態に係る会計処理装置1では、ステップS1においてユーザにより入力された指示情報に基づいて作成された表示データが表示装置15に表示される。なお、ステップS2の処理とステップS3処理とは別個の処理ではなく、並行して行われてもよい。
【0064】
[第1具体例]
図14は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第1具体例を示す図である。
【0065】
第1具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、シート色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2022年3月1日~2022年3月31日”、“開始日残高を計算しない”、“全科目区分”、“オフ”、“オフ”、“オフ”である場合を示している。
【0066】
この場合、図13のステップS2では、まず制御部22(表示データ制御部221)は、財務データDB231から表示期間指定欄61に指定された2022年3月1日~2022年3月31日の期間内の“全科目区分”のデータ、すなわち日付231b(図11参照)が当該期間内であるすべてのレコードを取得する。なお、“開始日残高は計算しない”旨の指定であるため、財務月締めデータDB232からはデータを取得しない。また、各種の色表示指定は“オフ”の指定であるため、本第1具体例では色表示については考慮しない。
【0067】
その後、制御部22(表示データ制御部221)は、財務データDB231から取得した各行のレコードに基づいて、借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せが同一であるレコード毎に、借方金額231eの合計値、貸方金額231hの合計値を算出する。すなわち、借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せ毎に、借方金額231eの合計値、貸方金額231hの合計値を算出する。
【0068】
続いて、制御部22(表示データ制御部221)は、横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面71に係る表示データを作成する。表示区分指定欄63に“全科目区分”が指定されているため、幾何会計画面71上のX軸では左から右に向かって費用、収益、資産、負債及び純資産の順に5つの区分科目が配置される。なお、各区分科目の下方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目が配置される。
【0069】
一方、幾何会計画面71上のY軸では上から下に向かって純資産、負債、資産、収益及び費用の順、すなわちX軸における順序に対して降順に5つの区分科目が配置される。なお、各区分科目の右方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目が配置される。なお、説明の便宜上、図14では一部の勘定科目のみ簡易的に図示しており、以降の図15図21についても同様である。
【0070】
続いて、制御部22(表示データ制御部221)は、幾何会計画面71上のX軸に配置した任意の勘定科目と、Y軸上に配置した任意の勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)には、これらの両勘定科目の組合せについて、前述の算出方法により算出された借方金額231eの合計値(貸方金額231hの合計値と同一)を表示するよう制御を行う。この処理を、借方科目と貸方科目の組合せ毎に行う。
【0071】
また、制御部22(表示データ制御部221)は、幾何会計画面71上のX軸に配置した任意の勘定科目の借方合計欄7a(図5参照)には、当該勘定科目と、Y軸上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に表示される金額の合計値を表示するよう制御を行う。また、表示画面71上のY軸に配置した任意の勘定科目の貸方合計欄7b(図5参照)には、当該勘定科目と、X軸上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に表示された金額の合計値を表示するよう制御を行う。
【0072】
更に、制御部22(表示データ制御部221)は、資産、負債、純資産に含まれる各々の勘定科目の期間残高欄7c(図6参照)は、以下の表示制御を行う。すなわち、資産に含まれる勘定科目に関しては、勘定科目毎に、X軸上の当該勘定科目の合計値からY軸上の当該勘定科目の合計値を減ずることで算出した数値を表示するよう制御を行う。負債に含まれる勘定科目に関しては、勘定科目毎に、Y軸上の当該勘定科目の合計値からX軸上の当該勘定科目の合計値を減ずることで算出した数値を表示するよう制御を行う。純資産に含まれる勘定科目に関しては、勘定科目毎に、Y軸上の当該勘定科目の合計値からX軸上の当該勘定科目の合計を減ずることで算出した数値を表示するよう制御を行う。
【0073】
一方、収益及び費用に含まれる各々の勘定科目の期間残高欄7cには、以下の表示制御を行う。すなわち、収益に含まれる勘定科目については、勘定科目毎に、Y軸上の当該勘定科目の合計値を表示するよう制御を行う。費用に含まれる勘定科目に関しては、勘定科目毎に、X軸上の当該勘定科目の合計値を表示するよう制御を行う。
【0074】
なお、制御部22(表示データ制御部221)は、資産、負債、純資産、収益及び費用に含まれる各々の勘定科目の開始日残高欄7d(図7参照)には、“0”の数値を表示するよう制御を行う。これは、前述の通り、“開始日残高を計算しない”旨の指定であるためである。また、資産、負債、純資産、収益及び費用に含まれる各々の勘定科目の末日残高欄7e(図8参照)には、勘定科目毎に、指定された期間中の各々の勘定科目の期間残高を算出してその数値を表示するよう制御を行う。
【0075】
以上の第1具体例に示すように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、X軸では左から右に向かって費用、収益、資産、負債及び純資産の順に5つの区分科目を配置し、Y軸では上から下に向かって純資産、負債、資産、収益及び費用の順に5つの区分科目を配置した5×5の幾何学的な図表によって、取引で記録される数値が、資産、負債、純資産、収益、費用のいずれかに該当する勘定科目かつ、資産、負債、純資産のいずれかに該当する勘定科目、相互の目的で行われたことを一瞥で判断できる。また、個々の取引における原因と結果の二面性を一瞥で判断することができる。
【0076】
[第2具体例]
図15は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第2具体例を示す図である。
【0077】
第2具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2022年3月1日~2022年3月31日”、“開始日残高を計算する”、“全科目区分”、“オフ”、“オフ”、“オフ”である場合を示している。
【0078】
なお、前述の第1具体例とは、開始日残高表示指定欄62において“開始日残高を計算する”旨が指定されている点のみが異なるため、この相違点について説明を行うとともに、重複する説明は適宜省略する。
【0079】
本第2具体例では、図13のステップS2において、制御部22(表示データ制御部221)は、前述の第1具体例と異なり、財務月締めデータDB232から、取引月232aが開始日(ここでは2022年3月1日)の属する月の前月である“2022年2月”のすべてのレコードを取得する。
【0080】
このステップS2では、制御部22(表示データ制御部221)は、表示画面72上の資産、負債、純資産、収益及び費用に含まれる各々の勘定科目の開始日残高欄7d(図7参照)には、以下の表示制御を行う。すなわち、表示期間指定欄61に指定された期間の開始日が月の初日である場合には、勘定科目毎に、財務月締めデータDB232から取得したそれぞれの勘定科目のレコードの月末残232iの数値を表示するよう制御を行う。
【0081】
一方、表示期間指定欄61に指定された期間の開始日が月の初日ではない場合には、各々の勘定科目の開始日残高欄7dには、以下の表示制御を行う。すなわち、勘定科目毎に、まず財務データDB231からそれぞれの勘定科目の月の初日から当該開始日の前日までのすべてのレコードの借方金額231e(若しくは貸方金額231h)を合計する。次に、算出された借方金額231e(若しくは貸方金額231h)の合計値を、財務月締めデータDB232から取得したそれぞれの勘定科目のレコードの月末残232iの値に加算するとともに、加算された値を表示するよう制御を行う。
【0082】
また、表示画面72上の資産、負債、純資産、収益及び費用に含まれる各々の勘定科目の末日残高欄7e(図8参照)には、以下の表示制御を行う。すなわち、勘定科目毎に、表示期間指定欄61に指定された期間中のそれぞれの勘定科目の期間残高を算出して、算出された期間残高をそれぞれの勘定科目の開始日残高に対して加算した値を表示するよう制御を行う。
【0083】
以上の第2具体例に示すように、第2具体例によれば、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、第1具体例に係る効果に加え、各勘定科目の開始日残高を一瞥で認識することができる。
【0084】
[第3具体例]
図16は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第3具体例を示す図である。
【0085】
第3具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、シート色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2022年3月1日~2022年3月31日”、“開始日残高を計算しない”、“資産、負債、純資産”、“オフ”、“オフ”、“オフ”である場合を示している。
【0086】
なお、前述の第1具体例や第2具体例とは、表示区分指定欄63において“資産、負債、純資産”が指定されている点が異なるため、第1具体例との相違点について説明を行うとともに、重複する説明は適宜省略する。
【0087】
この場合、図13のステップS2では、制御部22(表示データ制御部221)は、前述の第1具体例や第2具体例と異なり、財務データDB231から表示期間指定欄61に指定された2022年3月1日~2022年3月31日の期間内の区分科目が“資産、負債、純資産”であるデータ、すなわち日付231b(図11参照)が当該期間内で且つ借方科目ID231c及び貸方科目ID231fがいずれも“資産、負債、純資産”に属するレコードを取得する。
【0088】
続いて、制御部22(表示データ制御部221)は、横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面73に係る表示データを作成する。表示区分指定欄63に“資産、負債、純資産”が指定されているため、幾何会計画面73上のX軸では左から右に向かって資産、負債、純資産の順に3つの区分科目が配置される。なお、各区分科目の下方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目が配置される。
【0089】
一方、幾何会計画面73上のY軸では上から下に向かって純資産、負債、資産の順、すなわちX軸における順序に対して降順に3つの区分科目が配置される。なお、各区分科目の右方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目が配置される。
【0090】
その他の制御部22(表示データ制御部221)の制御内容は、前述の第1具体例と同様である。
【0091】
以上の第3具体例に示すように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述の第1具体例や第2具体例と異なり、X軸では左から右に向かって資産、負債及び純資産の順に3つの区分科目を配置し、Y軸では上から下に向かって純資産、負債及び資産の順に3つの区分科目を配置した3×3の幾何学的な図表によって、取引で記録される数値が、資産、負債及び純資産のいずれかに該当する勘定科目かつ、資産、負債及び純資産のいずれかに該当する勘定科目、相互の目的で行われたことを一瞥で判断できる。また、この表示画面73は資産、負債及び純資産に係る内容を幾何学的な図表で表したいわゆる貸借対照表を実現することができる。
【0092】
[第4具体例]
図17は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第4具体例を示す図である。
【0093】
第4具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、シート色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2022年3月1日~2022年3月31日”、“開始日残高を計算しない”、“費用、収益”、“オフ”、“オフ”、“オフ”である場合を示している。
【0094】
なお、前述の第3具体例とは、表示区分指定欄63において“費用、収益”が指定されている点が異なるため、第3具体例との相違点について説明を行うとともに、重複する説明は適宜省略する。
【0095】
この場合、図13のステップS2では、制御部22(表示データ制御部221)は、前述の第3具体例と異なり、財務データDB231から表示期間指定欄61に指定された2022年3月1日~2022年3月31日の期間内の区分科目が“費用、収益”であるデータ、すなわち日付231b(図11参照)が当該期間内で且つ借方科目ID231c又は貸方科目ID231fのいずれかが“費用、収益”に属するレコードを取得する。
【0096】
続いて、制御部22(表示データ制御部221)は、横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面74に係る表示データを作成する。表示区分指定欄63に“費用、収益”が指定されているため、幾何会計画面74上のX軸では左から右に向かって費用、収益の順に2つの区分科目が配置される。なお、各区分科目の下方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目が配置される。
【0097】
一方、幾何会計画面74上のY軸では上から下に向かって収益、費用の順、すなわちX軸における順序に対して降順に2つの区分科目が配置される。なお、各区分科目の右方には、各区分科目に含まれる分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目が配置される。
【0098】
その他の制御部22(表示データ制御部221)の制御内容は、前述の第1具体例や第3具体例と同様である。
【0099】
以上の第4具体例に示すように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述の第1具体例や第3具体例と異なり、X軸では左から右に向かって費用、収益の順に2つの区分科目を配置し、Y軸では上から下に向かって収益、費用の順に2つの区分科目を配置した2×2の幾何学的な図表によって、取引で記録される数値が、費用及び収益のいずれかに該当する勘定科目かつ、資産、負債、純資産(例外として収益、費用の場合もある)のいずれかに該当する勘定科目、相互の目的で行われた結果、収益の各勘定科目及び費用の各勘定科目の期間残高及び末日残高を算出し、それぞれ利益又は損失が計上されたことを一瞥で判断できる。また、この表示画面74は費用及び収益に係る内容を幾何学的な図表で表したいわゆる損益計算書を実現することができる。
【0100】
以上、第1具体例から第4具体例を用いて説明してきたように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、表示区分指定欄63における指定に応じて、5×5、3×3、2×2の幾何学的な図表を切り替えることができる。特に、3×3で表される賃借対照表と2×2で表される損益計算書と、これらがすべて含まれる5×5で表される図表とを同様のレイアウトにて切り替えて提示することができる点で好適である。
【0101】
[第5具体例]
図18は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第5具体例を示す図である。
【0102】
第5具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、シート色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2022年3月1日~2022年3月31日”、“開始日残高を計算しない”、“全科目区分”、“オン”、“オフ”、“オフ”である場合を示している。
【0103】
なお、シート色表示指定欄64にオンが指定されているのに加え、基準表示区分入力欄64aでは「資産・負債・純資産」を色表示する旨が指定されるものとする。
【0104】
この場合、前述の第1具体例~第4具体例とは、シート色表示指定欄64において“オン”が指定されている点が異なるため、この相違点について説明を行うとともに、重複する説明は適宜省略する。
【0105】
この場合、図13のステップS2において、制御部22(表示データ制御部221)は、横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面75に係る表示データを作成するに際し、基準表示区分入力欄64aに指定された区分科目(ここでは“資産・負債・純資産)、及び当該区分科目の下方又は右方に配置された各分類科目及び各分類科目に含まれる勘定科目の各欄を、その他の領域と区別するよう色表示する。
【0106】
以上、第5具体例を用いて説明してきたように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述した効果に加え、シート色表示指定欄64並びに基準表示区分入力欄64aにおける指定に応じて、3×3で表される賃借対照表と2×2で表される損益計算書とを色の違いによって一瞥で区別可能に表示制御することができる。
【0107】
[第6具体例]
図19図20は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第6具体例を示す図である。
【0108】
第6具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、シート色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2022年3月1日~2022年3月31日”、“開始日残高を計算する”、“全科目区分”、“オフ”、“オン”、“オフ”である場合を示している。
【0109】
なお、取引履歴色表示指定欄65にオンが指定されているのに加え、開始日入力欄65aには取引履歴を色表示するための開始日として“2022年3月31日”が入力されているものとする。そして、入力欄65bにおいて“開始日を一日戻る”が一回又は二回指定されるものとする。
【0110】
この場合、前述の第1具体例~第5具体例とは、取引履歴色表示指定欄65において“オン”が指定されている点が異なるため、この相違点について説明を行うとともに、重複する説明は適宜省略する。
【0111】
この場合、図13のステップS2において、制御部22(表示データ制御部221)は、幾何会計画面76上の各番地(ポイント)、借方合計欄7a、貸方合計欄7b、期間残高欄7c、末日残高欄7eに数値を表示するに際し、入力欄65bにおいて“開始日を一日戻る”旨が一回指定されると、以下の表示制御を行う。
【0112】
すなわち、まず財務データDB231から取得したレコードに基いて、開始日入力欄65aに指定された日付(ここでは“2022年3月31日”)のすべてのレコードの借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せを抽出する。その後、抽出された借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せに係る各番地(ポイント)、並びに抽出された各借方科目ID231c及び各貸方科目ID231fの借方合計欄7a、貸方合計欄7b、期間残高欄7c、末日残高7eを他の領域と区別するよう、例えば橙等の第一の色76aによって色表示する。その結果、図19に示す幾何会計画面76が表示される。
【0113】
図19では、開始日入力欄65aに指定された開始日(ここでは“2022年3月31日”)をとその一日前(ここでは“2022年3月30日”)とで数値に差がある各勘定科目、すなわち開始日付で取引が記録されている借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せに対応する各勘定科目の各番地及び各欄が色付けして示される。
【0114】
このように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述した効果に加え、取引履歴色表示指定欄65並びに開始日入力欄65aにおける開始日の指定に応じて、入力欄65bにおける一回の指定によって、開始日を基準として前後の日との数値に差があるかどうかすなわち取引の有無を、色の違いによって一瞥で区別可能に表示制御することができる。
【0115】
続いて入力欄65bにおいて“開始日を一日戻る”旨がもう一度すなわち二回指定されると、以下の表示制御を行う。
【0116】
すなわち、まず財務データDB231から取得したレコードに基いて、開始日入力欄65aに一回目に指定された日付(ここでは一日前の日である“2022年3月30日”)のすべてのレコードの借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せを抽出する。その後、抽出された借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せに係る各番地(ポイント)、並びに抽出された各借方科目ID231c及び各貸方科目ID231fの借方合計欄7a、貸方合計欄7b、期間残高欄7c、末日残高7eを他の領域と区別するよう上記の第一の色76aによって色表示する。また、図19において第一の色76aによって色表示されていていたが二回目に第一の色による色表示対象ではない部分については例えば黄色等の第二の色77aによって色表示する。その結果、図20に示す幾何会計画面77が表示される。
【0117】
このように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述した効果に加え、取引履歴色表示指定欄65並びに開始日入力欄65aにおける開始日の指定に応じて、入力欄65bにおける二回の指定によって、開始日を基準として前後の日との数値に差があるかどうか、加えてその前後の日を基準として更に前後の日との数値に差があるかどうかすなわち取引の有無を、第一の色76a及び第二の色77aを用いた色の違いによって一瞥で区別可能に表示制御することができる。
【0118】
以上、第6具体例を用いて説明してきたように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述した効果に加え、取引履歴色表示指定欄65並びに開始日入力欄65aにおける開始日の指定に応じて、指定された開始日を基準として取引履歴を遡る又は先に進める場合に色の違いによって一瞥で区別可能に表示制御することができる。
【0119】
なお、本第6具体例では、第一の色77a及び第二の色77bの二種類の色を用いてそれぞれ開始日の前後の日における取引の発生、当該開始日における取引の発生を視認可能に表示制御する場合について説明を行ってきたが、この場合に限定されるものではない。更に第一の色76a及び第二の色77aと異なる第三の色を用いて当該開始日の二日前又は二日後における取引の発生を視認可能に表示制御を行っても良い。これにより、取引履歴を遡る又は先に進めるに従って色を変更させることによって、どの取引が直近であるか等時系列な観点からの取引の有無を適切に把握することが可能になる。
【0120】
また、例えば表示期間指定欄61に指定された会計処理期間の開始日から終了日まで昇順に、又は終了日から開始日まで降順に、取引が発生した順に連続して又は取引1件ずつコマ送りで色表示させる等の表示制御を行っても良い。また、X軸上の勘定科目かY軸上の勘定科目かで色表示させる際の色を異ならせても良い。
【0121】
[第7具体例]
図21は、本実施形態に係る会計処理装置1が提供する表示画面の第7具体例を示す図である。
【0122】
第7具体例では、表示期間指定欄61、開始日残高表示指定欄62、表示区分指定欄63、シート色表示指定欄64、取引履歴色表示指定欄65、データ比較色表示指定欄66に入力された入力情報が、それぞれ“2020年11月1日~2021年10月31日”、“開始日残高を計算する”、“全科目区分”、“オフ”、“オフ”、“オン”である場合を示している。
【0123】
なお、データ比較色表示指定欄66にオンが指定されているのに加え、比較対象期間を指定するための比較期間指定欄66aには“2019年11月1日~2020年10月31日”が入力されているものとする。
【0124】
この場合、前述の第1具体例~第6具体例とは、データ比較色表示指定欄66において“オン”が指定されている点が異なるため、この相違点について説明を行うとともに、重複する説明は適宜省略する。
【0125】
この場合、図13のステップS2では、まず制御部22(表示データ制御部221)は、財務データDB231から表示期間指定欄61に指定された2020年11月1日~2021年10月31の期間内の“全科目区分”のデータ、すなわち日付231b(図11参照)が当該期間内であるすべてのレコードに加え、比較期間指定欄66aに指定された2019年11月1日~2020年10月31日の期間内の“全科目区分”のデータを取得する。
【0126】
その後、制御部22(表示データ制御部221)は、財務データDB231から取得した2020年11月1日~2021年10月31日の期間内のすべてのレコードに基づいて、借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せが同一であるレコード毎に、借方金額231eの合計値、貸方金額231hの合計値を算出する。すなわち、借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せ毎に、借方金額231eの合計値、貸方金額231hの合計値を算出する。
【0127】
同様に、制御部22(表示データ制御部221)は、財務データDB231から取得した2019年11月1日~2020年10月31日の期間内のすべてのレコードに基いて、借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せが同一であるレコード毎に、借方金額231eの合計値、貸方金額231hの合計値を算出する。すなわち、借方科目ID231cと貸方科目ID231fとの組合せ毎に、借方金額231eの合計値、貸方金額231hの合計値を算出する。
【0128】
その後、制御部22(表示データ制御部221)は、第1具体例にて説明した算出方法により、表示期間指定欄61に指定された期間内のデータに基づいて表示画面78上の各番地(ポイント)、借方合計欄7a、貸方合計欄7b、期間残高欄7c、末日残高欄7eに表示すべき数値を算出する。同様に、比較対象期間指定欄66aに指定された期間内のデータに基づいて表示を行うとした場合の各番地(ポイント)、借方合計欄7a、貸方合計欄7b、期間残高欄7c、末日残高欄7eの数値を算出する。
【0129】
その後、制御部22(表示データ制御部221)は、前者(今回指定された表示期間)と後者(比較対象期間)との間で各番地(ポイント)、各々の勘定科目の借方合計欄7a、貸方合計欄7b、期間残高欄7c、末日残高欄7eの数値同士を比較し、前者の数値が後者の数値に対して例えば15パーセント以上増加した欄は、例えば濃いピンク色等の第一の色78aで色表示する。前者の数値が後者の数値に対して例えば0~15パーセント未満増加した欄は、例えば薄いピンク色等の第二の色78bで色表示する。
【0130】
一方、前者の数値が後者の数値に対して例えば15パーセント以上減少した欄は、例えば濃い青色等の第三の色78cで色表示する。前者の数値が後者の数値に対して例えば0~15パーセント未満減少した欄は、例えば薄い青色等の第四の色78dで色表示する。その結果、図21に示す表示画面78が表示される。
【0131】
以上、第7具体例を用いて説明してきたように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述した効果に加え、データ比較色表示指定欄66並びに比較期間指定欄66aにおける期間の指定に応じて、比較期間指定欄66aに指定された期間との間での数値の増減を第一の色78a~第四の色78dを用いた色の違いによって一瞥で区別可能に表示制御することができる。例えば当期決算と前期決算とを比較することができる。
【0132】
なお、本第7具体例では、第一の色78a~第四の色78dの四種類の色を用いて比較期間指定欄66aに指定された期間との間での数値の増減を比較する場合について説明を行ってきたが、この場合に限定されるものではない。増減の度合いに応じてより多くの色の濃淡等の違いによって表示制御を行っても良いし。また、X軸上の勘定科目かY軸上の勘定科目かで色表示させる際の色を異ならせても良い。
【0133】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0134】
1 会計処理装置
21 入力部
22 制御部
23 記憶部
24 表示部
221 表示データ制御部
231 財務データDB
232 財務月締めデータDB
233 各種設定データDB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引毎に、取引日と、借方科目の勘定科目と、前記借方科目の金額と、貸方科目の勘定科目と、前記貸方科目の金額とを対応付けて記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、前記入力部に入力されたユーザ指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記取引日が前記表示対象期間の範囲内である情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えた会計処理装置における会計処理方法であって、
前記入力部が、資産・負債・純資産・収益及び費用の5科目区分、資産・負債及び純資産の3科目区分、収益及び費用の2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する工程と、
前記表示データ制御部が、前記入力する工程において指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データであって、前記X軸では左から右に向かって前記指定された区分科目に属する借方科目の各勘定科目を配置し、前記Y軸では上から下に向かって前記指定された区分科目に属する貸方科目の各勘定科目を配置し、前記X軸上の任意の勘定科目と前記Y軸上の任意の勘定科目との交点には、前記記憶部に記憶された情報に基づいて当該X軸上の任意の勘定科目と当該Y軸上の任意の勘定科目との間の前記表示対象期間における取引金額の合計値を計算して表示させる表示データを作成する工程と、
を含むことを特徴とする会計処理方法。
【請求項2】
さらに、前記入力部が、前記表示対象期間の最初の日における各勘定科目の残高である開始日残高を表示するか否かに係る開始日残高表示指示を入力する工程と、
前記表示データ制御部が、前記開始日残高表示指示を入力する工程において表示する旨の指示が入力された場合には、各勘定科目の開始日残高を計算して表示させる表示データを作成し、表示しない旨の指示が入力された場合には、各勘定科目の開始日残高に0を表示させる表示データを作成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の会計処理方法。
【請求項3】
さらに、前記入力部が所定の色表示指定を入力する工程と、
前記表示データ制御部が、該入力する工程において入力された該所定の色表示指定に応じて所望の情報を他の情報と区別可能に色表示するよう表示制御する工程と、を含むこと を特徴とする請求項1に記載の会計処理方法。
【請求項4】
前記色表示指定を入力する工程において、前記入力部が、資産・負債及び純資産の3科目区分と、収益及び費用の2科目区分のいずれか一方に対する色表示指定を入力し、
前記表示制御する工程において、前記表示データ制御部が、該入力する工程において指定された表示区分及び当該表示区分に属する各勘定科目に関する情報と、他方の表示区分及び当該他方の表示区分に属する各勘定科目に関する情報とを異なる色にて表示するよう表示制御することを特徴とする請求項3に記載の会計処理方法。
【請求項5】
前記色表示指定を入力する工程において、前記入力部が、所定の基準日を基準とした取引履歴に対する色表示指定を入力し、
前記表示制御する工程において、前記表示データ制御部が、該入力する工程において指定された基準日を基準として日にちを遡った場合又は日にちを先に進めた場合の取引の有無を区別可能に色表示するよう表示制御することを特徴とする請求項3に記載の会計処理方法。
【請求項6】
前記色表示指定を入力する工程において、前記入力部が、所定の比較期間との比較に係る色表示指定を入力し、
前記表示制御する工程において、前記表示データ制御部が、該入力する工程において指定された比較期間と、前記表示対象期間との間での前記各交点における数値の増減を区別可能に色表示するよう表示制御することを特徴とする請求項3に記載の会計処理方法。
【請求項7】
取引毎に、取引日と、借方科目の勘定科目と、前記借方科目の金額と、貸方科目の勘定科目と、前記貸方科目の金額とを対応付けて記憶する記憶部と、表示対象期間を含むユーザ指示を入力する入力部と、前記入力部に入力されたユーザ指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記取引日が前記表示対象期間の範囲内である情報の表示に係る制御を行う表示データ制御部とを備えたコンピュータに、
前記入力部が、資産・負債・純資産・収益及び費用の5科目区分、資産・負債及び純資産の3科目区分、収益及び費用の2科目区分のいずれか一つの表示区分指定を入力する手順と、
前記表示データ制御部が、前記入力する手順において指定された表示区分がいずれの場合も同一レイアウトであり且つ横方向にX軸、縦方向にY軸の2軸を備えた表形式の幾何会計画面に係る表示データであって、前記X軸では左から右に向かって前記指定された区分科目に属する借方科目の各勘定科目を配置し、前記Y軸では上から下に向かって前記指定された区分科目に属する貸方科目の各勘定科目を配置し、前記X軸上の任意の勘定科目と前記Y軸上の任意の勘定科目との交点には、前記記憶部に記憶された情報に基づいて当該X軸上の任意の勘定科目と当該Y軸上の任意の勘定科目との間の前記表示対象期間における取引金額の合計値を計算して表示させる表示データを作成する手順と、
を実行させることを特徴とする会計処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
このように、専属の会計技術者を雇用していない中小、零細企業では、取引記録と決算内容との整合に苦労し、また、決算内容から企業成績の原因究明をする事に苦労し、さらに、決算内容と売上原価との因果関係の把握に苦労するという課題がある。例えば、従来の貸借対照表及び損益計算書等の財務諸表においては、科目の数値を構成する相手科目と相手科目毎の数値を一瞥して判断できないという問題がある。一例として、貸借対照表の資産の中の現金科目に「10万円」の記載があるとき、この「10万円」を構成する相手科目と相手科目毎の金額は補助簿で確認する必要があり、また、これらの数値を一瞥して時系列に確認できない。また従来、財務諸表は指定時刻におけるピンポイントの結果報告であり、その時刻の直前直後、さらにはその時刻以前以後の情報を得るためには、別途作成した財務諸表で確認する必要があった。さらに、財務諸表に記載された数値の時系列な連続変化の把握は極めて困難であった。このような問題を解決すべく発明がなされてきた(特許文献1参照)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
図5では、幾何会計画面7上に表示される借方合計欄7a及び貸方合計欄7bについて説明する。図5に示すように、幾何会計画面7では、X軸に配置した任意の勘定科目の取引金額の合計値が記録される借方合計欄7aが設けられている。任意の勘定科目の借方合計欄7aには、当該勘定科目と、Y軸上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に表示された金額の合計値が表示される。また、Y軸に配置した任意の勘定科目の取引金額の合計値が記録される貸方合計欄7bが設けられている。任意の勘定科目の貸方合計欄7bには、当該勘定科目と、X軸上に並んだ全ての勘定科目との交点で作られる番地(ポイント)に表示された金額の合計値が表示される。すなわち、幾何会計画面7の所定の取引日(例えば2015年10月31日)における勘定科目:現金の借方合計である「Q12」番地には、「Q13」番地から「Q26」番地に表示された金額の合計値が表示される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
月初残232fは、対象月の月初における当該勘定科目の残高を示す数値である。この月初残232fは、開始日が月の初日である場合には対象月における当該勘定科目の開始日残高を示す数値と言い換えることもできる。当月借方合計232gは、対象月における期間開始日232bから期間終了日232cまでの当該勘定科目の借方合計値である。当月貸方合計232hは、対象月における期間開始日232bから期間終了日232cまでの当該勘定科目の貸方合計値である。月末残232iは、対象月の月末における各勘定科目の残高を示す数値である。この月末残232iは、終了日が月の最終日である場合には対象月の末日残高と言い換えることもできる。なお、任意の行の月末残232iは、貸借区分232eが“0”のときは、当該行の月初残232fに当月借方合計232gを加算して当日貸方合計232hを減算することによって算出し、貸借区分232eが“1”のときは、当該行の月初残232fに当月貸方合計232hを加算して当月借方合計232gを減算することによって算出される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
以上、第1具体例から第4具体例を用いて説明してきたように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、表示区分指定欄63における指定に応じて、5×5、3×3、2×2の幾何学的な図表を切り替えることができる。特に、3×3で表される貸借対照表と2×2で表される損益計算書と、これらがすべて含まれる5×5で表される図表とを同様のレイアウトにて切り替えて提示することができる点で好適である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
以上、第5具体例を用いて説明してきたように、本実施形態に係る会計処理装置1によれば、前述した効果に加え、シート色表示指定欄64並びに基準表示区分入力欄64aにおける指定に応じて、3×3で表される貸借対照表と2×2で表される損益計算書とを色の違いによって一瞥で区別可能に表示制御することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12