(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048987
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】バトン昇降システム、および、制御装置
(51)【国際特許分類】
A63J 5/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
A63J5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155197
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田 真一
(57)【要約】
【課題】バトンの昇降操作を容易にするバトン昇降システム、および制御装置5を提供する。
【解決手段】実施形態に係るバトン昇降システムは、カメラと、昇降制御装置とを具備する。カメラは、器具が吊り下げられるバトンの下方を撮影する。昇降制御装置は、バトンを昇降させる操作を受け付け、操作に基づいてバトンを昇降させる。昇降制御装置は、表示部を具備する。表示部は、カメラによって撮影された画像を表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具が吊り下げられるバトンの下方を撮影するカメラと;
前記バトンを昇降させる操作を受け付け、前記操作に基づいて前記バトンを昇降させる昇降制御装置と;
を具備し、
前記昇降制御装置は、前記カメラによって撮影された画像を表示する表示部を具備する、バトン昇降システム。
【請求項2】
前記昇降制御装置は、前記画像に基づいて、前記バトン、または、前記器具と、検知対象との接触が検知される場合、前記バトンを停止させる、請求項1に記載のバトン昇降システム。
【請求項3】
前記昇降制御装置は、前記バトンが降下中であり、かつ、前記画像に基づいて、前記バトン、または、前記器具と、検知対象との接触が検知された場合、前記バトンを上昇させる、請求項1に記載のバトン昇降システム。
【請求項4】
前記画像に基づいて、前記バトン、または、前記器具と、検知対象との接触が検知される場合、前記接触を報知する報知装置;
を具備する、請求項1に記載のバトン昇降システム。
【請求項5】
前記昇降制御装置は、前記画像に基づいて、検知モデルを用いて前記接触を検知し、
前記検知モデルは、前記バトン、または、前記器具と、検知対象との接触が検知された場合の画像を用いて、学習される、請求項2~4のいずれか1つに記載のバトン昇降システム。
【請求項6】
前記昇降制御装置は、前記画像に基づいて所定の検知エリア内の人の有無を検知する、請求項1に記載のバトン昇降システム。
【請求項7】
前記検知エリア内に人が検知された場合、前記人の検知を報知する報知装置;
を具備する、請求項6に記載のバトン昇降システム。
【請求項8】
前記昇降制御装置は、前記画像に基づいて、人物検知モデルを用いて前記人の有無を検知し、
前記人物検知モデルは、前記検知エリアに人が検知された場合の画像を用いて、学習される、請求項6または7に記載のバトン昇降システム。
【請求項9】
器具が吊り下げられるバトンを昇降させる操作を受け付ける操作部と;
前記操作部における操作に基づいて前記バトンを昇降させる制御部と;
前記バトンの下方を撮影するカメラによって撮影された画像を表示する表示部と;
を具備する、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バトン昇降システム、および、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオ、および、舞台などでは、複数の照明装置により照明演出がなされている。そして、昇降可能なバトンに照明装置が取り付けられ、バトンの昇降に応じて照明装置を昇降させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、バトン、または、照明装置などの器具と、美術セット、および、人とが接触しないように、目視確認しつつ、バトンの昇降が行われる。そのため、たとえば、美術セットなどの死角によって、バトン、および、器具と、人などとの配置関係を把握することが難しく、バトンの昇降操作が難しくなるおそれがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、バトンの昇降操作を容易にするバトン昇降システム、および、制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るバトン昇降システムは、カメラと、昇降制御装置とを具備する。カメラは、器具が吊り下げられるバトンの下方を撮影する。昇降制御装置は、バトンを昇降させる操作を受け付け、操作に基づいてバトンを昇降させる。昇降制御装置は、表示部を具備する。表示部は、カメラによって撮影された画像を表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によればバトンの昇降操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るバトン昇降システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る昇降規制処理を説明するフローチャートである。
【
図4】
図4は、カメラによって撮影される画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態に係るバトン昇降システム1は、カメラ4と、昇降制御装置5とを具備する。カメラ4は、器具Qが吊り下げられるバトン2の下方を撮影する。昇降制御装置5は、バトン2を昇降させる操作を受け付け、操作に基づいてバトン2を昇降させる。昇降制御装置5は、表示部22を具備する。表示部22は、カメラ4によって撮影された画像を表示する。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係る昇降制御装置5は、画像に基づいて、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知される場合、バトン2を停止させる。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係る昇降制御装置5は、バトン2が降下中であり、かつ、画像に基づいて、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知された場合、バトン2を上昇させる。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係るバトン昇降システム1は、報知装置23を具備する。報知装置23は、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知される場合、接触を報知する。
【0013】
また、以下に説明する実施形態に係る昇降制御装置5は、画像に基づいて、検知モデルを用いて接触を検知する。検知モデルは、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知された場合の画像を用いて、学習される。
【0014】
また、以下に説明する実施形態に係る昇降制御装置5は、画像に基づいて所定の検知エリア内の人の有無を検知する。
【0015】
また、以下に説明する実施形態に係るバトン昇降システム1は、報知装置23を具備する。報知装置23は、検知エリア内に人が検知された場合、人の検知を報知する。
【0016】
また、以下に説明する実施形態に係る昇降制御装置5は、画像に基づいて、人物検知モデルを用いて人の有無を検知する。人物検知モデルは、検知エリアに人が検知された場合の画像を用いて、学習される。
【0017】
また、以下に説明する実施形態に係る制御装置5は、操作部21と、制御部25と、表示部22とを具備する。操作部21は、器具Qが吊り下げられるバトン2を昇降させる操作を受け付ける。制御部25は、操作部21における操作に基づいてバトン2を昇降させる。表示部22は、バトン2の下方を撮影するカメラ4によって撮影された画像を表示する。
【0018】
(第1実施形態)
まず、
図1を用いて、第1実施形態に係るバトン昇降システム1の概要について説明する。
図1は、第1実施形態に係るバトン昇降システム1の構成例を示す図である。第1実施形態に係るバトン昇降システム1は、スタジオや、劇場、および、展示場などに配置されるバトン2を昇降させるシステムである。
【0019】
バトン昇降システム1は、バトン2と、巻上機3と、カメラ4と、制御装置5と、を備える。
【0020】
バトン2は、複数設けられる。バトン2は、1つであってもよい。バトン2には、複数の器具Qが取り付け可能である。器具Qは、バトン2に吊り下げられる。器具Qは、照明装置、幕類、および、舞台セットなどを含む。バトン2は、ワイヤロープ10によって天井に吊り下げられる。たとえば、バトン2は、グリッド天井11から、複数のワイヤロープ10によって吊り下げられる。
【0021】
巻上機3は、たとえば、グリッド天井11に設けられる。巻上機3は、ワイヤロープ10を介してバトン2を昇降する。巻上機3は、たとえば、モータによってドラム3Aを回転させて、バトン2を昇降する。ドラム3Aには、ワイヤロープ10が取り付けられる。巻上機3は、ドラム3Aの回転方向を切り替えることで、ワイヤロープ10の繰り出し、および、ワイヤロープ10の巻き上げを切り替えて、バトン2を昇降する。巻上機3は、制御装置5から送信される制御信号に基づいて、ドラム3Aを回転させる。ワイヤロープ10は、滑車12に巻き掛けられる。なお、ワイヤロープ10は、滑車12に巻き掛けられなくてもよい。すなわち、バトン昇降システム1は、滑車12を用いずに、バトン2を昇降させてもよい。
【0022】
カメラ4は、バトン2の下方を撮影する。カメラ4は、たとえば、各種撮像素子と、魚眼レンズなどの広角レンズなどによって構成される。カメラ4は、バトン2に取り付けられる。カメラ4は、たとえば、バトン2のケーブル収納、または、上方側のバトン2に取り付けられる。カメラ4は、グリッド天井11、または、壁などに設けられてもよい。カメラ4は、複数設けられる。
【0023】
次に、制御装置5について、
図2を参照し説明する。
図2は、第1実施形態に係る制御装置5の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置5は、巻上機3を制御することで、バトン2の昇降を制御する。制御装置5は、バトン2を昇降させる操作を受け付け、操作に基づいてバトン2を昇降させる昇降制御装置の一例である。制御装置5は、1つの装置であってもよく、複数の装置であってもよい。制御装置5が複数の装置によって構成される場合、制御装置5は、たとえば、昇降操作卓、および、昇降制御盤を含む。
【0024】
制御装置5は、通信部20と、操作部21と、表示部22と、報知装置23と、記憶部24と、制御部25とを備える。
【0025】
通信部20は、たとえば、所定の通信回路等によって実現される。たとえば、通信部20は、イーサネット(登録商標)、および、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して、巻上機3、および、カメラ4との間の通信を中継する。
【0026】
操作部21は、バトン2の昇降操作などを受け付ける。操作部21は、ボタン、および、レバーを含む。なお、操作部21は、制御装置5と別に設けられてもよい。制御装置5とは別に設けられる操作部21は、たとえば、昇降操作卓である。
【0027】
表示部22は、モニタであり、カメラ4によって撮影された画像を表示する。表示部22は、操作部21に設けられてもよい。表示部22は、操作部21、および、制御装置5に設けられてもよい。すなわち、表示部22は、操作部21、または、制御装置5の少なくとも一方に設けられる。表示部22は、複数設けられてもよい。
【0028】
報知装置23は、後述する解析部31によって、カメラ4、または、器具Qと、検知対象との接触が検知される場合に、カメラ4、または、器具Qと、検知対象との接触を報知する。報知装置23は、表示灯、および、音声装置の少なくとも1つを含む。報知装置23は、操作部21に設けられてもよい。報知装置23は、複数設けられてもよい。報知装置23は、制御装置5とは別に設けられてもよい。たとえば、報知装置23は、壁などに設けられてもよい。報知装置23は、作業者などが有する端末装置であってもよい。
【0029】
検知対象は、人、および、美術セットを含む。美術セットは、舞台セット、展示物、および、展示物が載置される台などを含む。
【0030】
記憶部24は、制御部25による制御を実現するためのプログラム等を記憶する。記憶部24は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0031】
制御部25は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部25は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部25は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0032】
制御部25は、取得部30と、解析部31と、昇降制御部32と、報知部33とを備える。
【0033】
取得部30は、通信部20を介して、カメラ4からバトン2の下方が撮影された画像データを取得する。
【0034】
解析部31は、取得された画像に基づいてバトン2、または、器具Qと、検知対象との接触の有無を判定する。バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触は、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触するおそれがある場合を含む。
【0035】
解析部31は、取得された画像に基づいて、検知対象を検知し、検知対象までの距離を算出する。たとえば、解析部31は、取得された画像に所定の第1画像処理を行うことで、検知対象を検知し、検知対象までの距離を算出する。なお、解析部31は、複数の画像処理を行うことで、検知対象を検知し、検知対象までの距離を算出してもよい。検知対象までの距離は、鉛直方向に沿った方向における、バトン2、または、器具Qと、検知対象との距離である。解析部31は、複数のカメラ4によって撮影された画像に基づいて、検知対象との距離を算出してもよい。
【0036】
画像処理は、たとえば、検知モデルによる処理を含む。検知モデルは、たとえば、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)等の機械学習のアルゴリズムにより学習を行うことで得られる。検知モデルは、たとえば、教師あり学習により得られてよい。検知モデルは、HOG(Histogram Of Gradient)特徴量を利用したSVM(Support Vector Machine)等の機械学習のアルゴリズムを用いる構成であってもよい。また、解析部31は、機械学習を行った検知モデルを用いることなく、たとえば、テンプレートマッチング等を用いて検知対象を検知する構成であってもよい。検知モデルは、記憶部24に記憶される。
【0037】
解析部31は、算出した距離が、所定距離以下である場合に、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触するおそれがあると判定する。すなわち、解析部31は、算出した距離が、所定距離以下である場合に、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると判定する。所定距離は、予め設定された距離である。換言すると、解析部31は、算出した距離が、所定距離以下である場合に、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると予測する。
【0038】
昇降制御部32は、巻上機3を制御し、バトン2の昇降を制御する。昇降制御部32は、巻上機3のモータを制御するための制御信号を生成する。生成された制御信号は、通信部20を介して巻上機3に送信される。
【0039】
昇降制御部32は、操作部21の操作に基づいてバトン2を昇降する。昇降制御部32は、解析部31による解析結果に基づいてバトン2の昇降を制御する。すなわち、昇降制御部32は、カメラ4によって撮影された画像に基づいてバトン2の昇降を制御する。
【0040】
具体的には、解析部31によって、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると判定された場合、昇降制御部32は、バトン2を停止させる。換言すると、画像に基づいて、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知される場合、昇降制御部32は、バトン2を停止させる。なお、昇降制御部32は、バトン2が降下しており、かつ、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると判定された場合にのみバトン2を停止させてもよい。
【0041】
たとえば、操作部21が操作されることで、バトン2が降下し、バトン2、または、器具Qと、検知対象との距離が所定距離以下となり、解析部31によってバトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると判定された場合、昇降制御部32は、バトン2を停止させる。
【0042】
解析部31によって、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると判定された場合、報知部33は、接触の判定結果を報知するための制御信号を生成し、生成した制御信号を、通信部20を介して、報知装置23に送信する。
【0043】
制御装置5では、カメラ4によって撮影された画像が表示部22に表示される。そのため、バトン2を昇降する操作を行う作業者は、表示部22に表示される画像を見ながら、バトン2を昇降することができる。
【0044】
次に、第1実施形態に係る昇降規制処理について
図3のフローチャートを参照し説明する。
図3は、第1実施形態に係る昇降規制処理を説明するフローチャートである。
【0045】
制御部25は、カメラ4によって撮影された画像を取得する(S100)。なお、カメラ4によって撮影された画像は、表示部22に表示される。
【0046】
制御部25は、取得した画像に基づいて、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触の有無を判定する(S101)。
【0047】
制御部25は、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触すると判定した場合(S101:Yes)、バトン2を停止させる(S102)。制御部25は、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触を報知する(S103)。
【0048】
制御部25は、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触しないと判定した場合(S101:No)、今回の処理を終了する。
【0049】
バトン昇降システム1は、カメラ4と、制御装置5とを備える。カメラ4は、器具Qが吊り下げられるバトン2の下方を撮影する。制御装置5は、バトン2を昇降させる操作を受け付け、操作に基づいてバトン2を昇降する。制御装置5は、表示部22を備える。表示部22は、カメラ4によって撮影された画像を表示する。
【0050】
これにより、バトン2を操作する作業者は、表示部22によってバトン2の下方を確認しつつ、バトン2を昇降することができる。そのため、作業者は、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触しないように、バトン2を容易に昇降させることができる。すなわち、バトン昇降システム1は、バトン2の昇降操作を容易にさせることができる。また、バトン昇降システム1は、バトン2、および、器具Qと、検知対象との接触を抑制することができる。
【0051】
制御装置5は、画像に基づいて、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知される場合、バトン2を停止させる。
【0052】
これにより、バトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触を抑制することができる。
【0053】
変形例に係るバトン昇降システム1は、画像に基づいて、バトン2、または、器具Qと、検知対象との実際の接触を検知してもよい。たとえば、バトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qが検知対象に接触した場合に生じる画像の揺れ(ぶれ)を検知する。画像の揺れは、画像に、画像処理が行われることで検知される。
【0054】
これにより、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが実際に接触した場合に、バトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触を検知することができる。
【0055】
変形例に係るバトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が検知された場合、バトン2を上昇させてもよい。たとえば、バトン2が降下中であり、かつ、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが実際に接触した場合、バトン昇降システム1は、バトン2を上昇させる。バトン2が降下中であり、かつ、バトン2、または、器具Qと、検知対象とが接触した場合、バトン昇降システム1は、予め設定された所定距離、バトン2を上昇させる。
【0056】
これにより、バトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qが、検体対象に接触した場合、バトン2、または、器具Qと、検知対象とのさらなる接触を防止することができる。
【0057】
変形例に係るバトン昇降システム1は、画像に基づいて、バトン2の傾きを検知してもよい。バトン昇降システム1は、バトン2の傾きが検知された場合、バトン2を停止させてもよい。
【0058】
変形例に係るバトン昇降システム1で用いられる検知モデルは、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が判定された場合の画像に基づいて、学習されてもよい。検知モデルは、バトン昇降システム1によって学習されてもよく、外部装置によって学習されてもよい。外部装置は、サーバ装置、および、PC(Personal Computer)などを含む。外部装置によって検知モデルが、学習される場合、バトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qと、検知対象との接触が判定された場合の画像を、通信部20を介して外部装置に送信する。そして、バトン昇降システム1は、外部装置によって学習された検知モデルを、外部装置から、通信部20を介して受信し、記憶部24に記憶する。
【0059】
これにより、バトン昇降システム1は、バトン2、または、器具Qに接触する検知対象を、検知モデルを用いることで、精度よく検知することができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るバトン昇降システム1について説明する。ここでは、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成などについての説明は省略される。
【0061】
バトン昇降システム1の制御装置5は、カメラ4によって撮影された画像に基づいて所定の検知エリア内の人の有無を検知する。所定の検知エリアは、バトン2の下方におけるエリアであり、たとえば、危険エリアを含む。危険エリアは、たとえば、奈落、および、ホリピットが設けられたエリアである。所定の検知エリアは、危険エリアに対して安全マージンの分、広いエリアである。
【0062】
たとえば、制御装置5の解析部31は、取得された画像に所定の第2画像処理を行うことで、所定の検知エリアを設定し、所定の検知エリア内における人の有無を検知する。なお、解析部31は、複数の画像処理を行うことで、所定の検知エリアを設定し、所定の検知エリア内における人の有無を検知してもよい。
【0063】
画像処理は、たとえば、人物検知モデルによる処理を含む。人物検知モデルは、たとえば、第1実施形態の検知モデルと同様に、機械学習のアルゴリズムにより学習を行うことで得られる。
【0064】
たとえば、奈落Tを有する舞台の上方にバトン2が設けられ、バトン2に設けられたカメラ4によって、
図4に示す画像Sが撮影された場合、解析部31は、奈落Tの周囲に検知エリアRを設定する。そして、解析部31は、検知エリアR内の人Mを検知する。
図4は、カメラ4によって撮影される画像の一例を示す図である。
【0065】
解析部31によって、所定の検知エリア内に人が検知された場合、報知部33は、危険を報知するための制御信号を生成し、生成した制御信号を、報知装置23に送信する。これにより、報知装置23は、所定の検知エリアに人がいることを報知する。
【0066】
次に、第2実施形態に係る報知処理について
図5のフローチャートを参照し説明する。
図5は、第2実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。
【0067】
制御部25は、カメラ4によって撮影された画像を取得する(S200)。なお、カメラ4によって撮影された画像は、表示部22に表示される。
【0068】
制御部25は、所定の検知エリア内における人の有無を判定する(S201)。制御部25は、所定の検知エリア内に人が検知された場合(S201:Yes)、所定の検知エリア内における人の検知を報知する(S202)。
【0069】
制御部25は、所定の検知エリア内に人が検知されない場合(S201:No)、今回の処理を終了する。
【0070】
バトン昇降システム1の制御装置5は、画像に基づいて所定の検知エリア内の人の有無を検知する。
【0071】
これにより、バトン昇降システム1は、所定の検知エリア内への人の立ち入りを検知することができる。
【0072】
バトン昇降システム1は、報知装置23を備える。報知装置23は、検知エリア内に人が検知された場合、人の検知を報知する。
【0073】
これにより、バトン昇降システム1は、所定の検知エリア内の人、および、バトン2を操作している作業者などに、所定の検知エリアへの人の立ち入りを報知し、安全性を向上することができる。
【0074】
変形例に係るバトン昇降システム1で用いられる人物検知モデルは、所定の検知エリア内に人がいると判定された場合の画像に基づいて、学習されてもよい。人物検知モデルは、バトン昇降システム1によって学習されてもよく、外部装置によって学習されてもよい。
【0075】
これにより、バトン昇降システム1は、所定の検知エリア内の人の検知精度を向上させることができる。
【0076】
変形例に係るバトン昇降システム1は、所定の検知エリア内における美術セットの倒れを検知してもよい。バトン昇降システム1は、所定の検知エリア内の美術セットが倒れた場合、美術セットの倒れを報知装置23によって報知する。たとえば、バトン昇降システム1は、複数の画像における時系列による変化に応じて美術セットの倒れを検知する。
【0077】
これにより、バトン昇降システム1は、美術セットの倒れを検知し、報知することができる。
【0078】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0079】
1 バトン昇降システム
2 バトン
4 カメラ
5 制御装置(昇降制御装置)
21 操作部
22 表示部
23 報知装置
25 制御部
30 取得部
31 解析部
32 昇降制御部
33 報知部