(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024048989
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】情報処理装置および照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/125 20200101AFI20240402BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240402BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240402BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240402BHJP
【FI】
H05B47/125
F21V33/00 400
G08B25/00 510M
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155199
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根木 明子
(72)【発明者】
【氏名】高柳 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
5C087
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB00
3K014RB01
3K273PA09
3K273QA27
3K273RA17
3K273SA21
3K273SA38
3K273SA50
3K273SA60
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA55
3K273UA22
3K273VA02
3K273VA08
3K273VA10
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA07
5C087AA31
5C087DD03
5C087DD23
5C087DD27
5C087EE18
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】異常検知の誤発報を抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、特定部と、異常検知部と、通知部とを具備する。特定部は、撮像部によって撮像された撮像画像から移動中の利用者を特定する。異常検知部は、移動中の利用者が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する。通知部は、異常検知部が異常を検知した場合にアラートを通知する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部によって撮像された撮像画像から移動中の利用者を特定する特定部と;
移動中の前記利用者が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する異常検知部と;
前記異常検知部が異常を検知した場合にアラートを通知する通知部と;
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記撮像画像から走行している利用者を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記異常検知部は、複数の別の利用者が密集している箇所に向かって前記利用者が移動している場合に、異常を検知する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記異常検知部は、前記利用者が所定の服装である場合に、異常を検知する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記異常検知部は、前記利用者が特定のルートを往復している場合に、異常を検知する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記異常検知部は、前記利用者と別の利用者とが同じ方向に移動している場合に、異常を検知する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記異常検知部は、前記利用者が所定の物体を持っている場合に、異常を検知する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
照明装置と;
情報処理装置と;
を具備し、
前記照明装置は、
利用者を撮像する撮像部と;
前記利用者を照らす照明部と;
を有し、
前記情報処理装置は、
前記撮像部によって撮像された撮像画像から移動中の前記利用者を特定する特定部と;
移動中の前記利用者が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する異常検知部と;
前記異常検知部が異常を検知した場合にアラートを通知する通知部と;
を有する
照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、1つの筐体に照明ユニットと、カメラユニットとを備えたカメラ付き照明装置がある。かかるカメラ付き照明装置は、工場での生産ラインの監視やオフィス内での従業員の状態監視などの用途にも導入されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、上記の従来技術では、異常検知の誤発報を防ぐという点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、異常検知の誤発報を抑制することができる情報処理装置および照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理装置は、特定部と、異常検知部と、通知部とを具備する。特定部は、撮像部によって撮像された撮像画像から移動中の利用者を特定する。異常検知部は、移動中の前記利用者が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する。通知部は、前記異常検知部が異常を検知した場合にアラートを通知する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係るカメラ付き照明装置の側面図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係るカメラ付き照明装置の下面図である。
【
図1C】
図1Cは、実施形態に係る照明システムの模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明システムによって実行される処理の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る照明システムによって実行される処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る照明システムによって実行される処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る照明システムによって実行される処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1は、特定部4dと、異常検知部4eと、通知部4fとを具備する。特定部4dは、カメラユニット30(撮像部の一例)によって撮像された撮像画像から移動中の利用者U1を特定する。異常検知部4eは、移動中の利用者U1が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する。通知部4fは、異常検知部4eが異常を検知した場合にアラートを通知する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、特定部4dは、撮像画像から走行している利用者U1を特定する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、異常検知部4eは、複数の別の利用者U2が密集している箇所Aに向かって利用者U1が移動している場合に、異常を検知する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、異常検知部4eは、利用者U1が所定の服装である場合に、異常を検知する。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、異常検知部4eは、利用者U1が特定のルートを往復している場合に、異常を検知する。
【0014】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、異常検知部4eは、利用者U1と別の利用者U2とが同じ方向に移動している場合に、異常を検知する。
【0015】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、異常検知部4eは、利用者U1が所定の物体を持っている場合に、異常を検知する。
【0016】
また、以下で説明する実施形態に係る照明システムSは、カメラ付き照明装置10(照明装置の一例)と、情報処理装置1とを具備する。カメラ付き照明装置10は、利用者Uを撮像するカメラユニット30(撮像部の一例)と、利用者Uを照らす照明ユニット20(照明部の一例)とを有する。情報処理装置1は、特定部4dと、異常検知部4eと、通知部4fとを有する。特定部4dは、カメラユニット30によって撮像された撮像画像から移動中の利用者U1を特定する。異常検知部4eは、移動中の利用者U1が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する。通知部4fは、異常検知部4eが異常を検知した場合にアラートを通知する。
【0017】
なお、上記の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0018】
以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置および照明システムを説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0019】
[カメラ付き照明装置]
まず、
図1Aおよび
図1Bを用いて、実施形態に係るカメラ付き照明装置10について説明する。
図1Aは、実施形態に係るカメラ付き照明装置10の側面図である。
図1Bは、実施形態に係るカメラ付き照明装置10の下面図である。
【0020】
図1Aに示すように、実施形態に係るカメラ付き照明装置10は、照明ユニット20と、カメラユニット30と、電源ユニット40とを備える。また、照明ユニット20と、カメラユニット30とは、L字金具を介してネジ止めされ、照明ユニット20と、電源ユニット40とは、連結部12を介して連結される。
【0021】
連結部12は、さらに、取付部11と接合し、取付部11を介して、カメラ付き照明装置10が天井などの設置面に取り付けられる。
【0022】
照明ユニット20は、光源部21と、フィン25とを備える。フィン25は、光源部21の上部に設けられ、光源部21の発光による発熱を冷却する。
図1Bに示すように、光源部21は、基板21a上にLED(Light Emitting Diode)などの発光素子21bが設けられる。
【0023】
また、光源部21の出射面は、カバーによって覆われる。なお、かかるカバーは、たとえば、透過性のガラスや樹脂である。なお、
図1Bに示す例では、光源部21が4つの基板21aから構成される場合を示しているが、これに限定されるものではない。
【0024】
また、カメラユニット30は、撮像部31と、レンズ32とを備える。撮像部31は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像センサや、画像または映像を撮影するのに必要となる各種部品が含まれる。また、撮像部31の下面は、レンズ32によって覆われる。
【0025】
また、
図1Bに示すように、光源部21と、撮像部31との向きは、それぞれ取り付け時に同一の方向を向くことになる。これにより、光源部21によって光が照射されたエリアを撮像部31によって撮像することができることから、撮影対象の照度を確保することができるので、鮮明な画像を撮像することができる。
【0026】
また、カメラ付き照明装置10は、天井に設置されるので、天井から空間内を俯瞰した画像を撮影することができる。なお、
図1Aおよび
図1Bに示すカメラ付き照明装置10の外観形状は、一例であり、ベースライト、シーリングライトなど、その他の形状であってもよい。
【0027】
次に、
図1Cを用いて、実施形態に係る照明システムSについて説明する。
図1Cは、実施形態に係る照明システムSの概要を示す図である。なお、以下では、照明システムSが工場に導入される場合を例に挙げて説明する。
【0028】
図1Cに示すように、実施形態に係る照明システムSは、複数のカメラ付き照明装置10と、情報処理装置1とを備える。また、
図1Cに示す例では、各カメラ付き照明装置10が工場の作業現場(たとえば、製造ラインなど)に設置される場合を示す。
【0029】
情報処理装置1は、作業現場に設置された各カメラ付き照明装置10を管理する装置である。たとえば、情報処理装置1は、各カメラ付き照明装置10の照明ユニット20の照明態様や、カメラユニット30の撮像向き、倍率などをネットワークNを介して遠隔で制御する。
【0030】
また、情報処理装置1は、各カメラユニット30で撮影された画像または映像を収集し、記憶する。たとえば、情報処理装置1によって収集された画像または映像は、作業現場の監視などに用いられる。
【0031】
[処理の概要]
つづいて、実施形態に係る照明システムSによって実行される処理の概要について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、実施形態に係る照明システムSによって実行される処理の概要を示す図である。
【0032】
図2に示す例では、空間SPに存在する利用者Uから検出される骨格情報に基づいて利用者Uを識別することで、識別した利用者Uの行動を検出(分析)する。
【0033】
図2に示すように、実施形態に係る照明システムSは、少なくとも情報処理装置1と、カメラ付き照明装置10とを含んで構成される。また、情報処理装置1およびカメラ付き照明装置10は、互いに通信可能に接続される。なお、情報処理装置1の詳細な構成については、
図3で後述する。
【0034】
情報処理装置1は、たとえば、カメラ付き照明装置10を管理する管理者が扱う端末装置であり、実施形態に係る情報処理方法を実行する。カメラ付き照明装置10は、たとえば、空間SPの天井に配置される。カメラ付き照明装置10は、たとえば、空間SP全体を照明可能、かつ、撮像可能な位置(たとえば、空間SPの中央部)に配置される。
【0035】
図2に示すように、カメラ付き照明装置10は、照明ユニット20と、カメラユニット30とを有する。照明ユニット20は、たとえば、空間SPを照らす。カメラユニット30は、空間SPを撮像範囲として撮像する。
【0036】
実施形態に係る照明システムSでは、まず、カメラ付き照明装置10がカメラユニット30により空間SPを撮像する(ステップS1)。そして、カメラ付き照明装置10は、撮像した画像を情報処理装置1へ送信する(ステップS2)。
【0037】
つづいて、情報処理装置1は、取得した撮像画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出し、検出された骨格情報に基づいて利用者Uを識別する(ステップS3)。具体的には、情報処理装置1は、ユーザIDと骨格情報とが紐付いたデータベースであるユーザ情報記憶部3aを予め記憶しており、検出した骨格情報について、ユーザ情報記憶部3aの骨格情報と照合することで利用者Uを識別する。
【0038】
より具体的には、情報処理装置1は、ユーザ情報記憶部3aの中に、検出した骨格情報と一致する骨格情報が含まれるかを探索し、一致した骨格情報に対応するユーザIDを特定する。なお、情報処理装置1は、ユーザ情報記憶部3aの中に一致する骨格情報が存在しない場合には、検出した骨格情報に新たなユーザIDを紐付けてユーザ情報記憶部3aに登録する。かかる骨格情報の詳細については後述する。
【0039】
つづいて、情報処理装置1は、識別完了後、カメラユニット30によって撮像された画像に基づいて識別した利用者Uを追跡(空間SPにおける位置を検出)することで、利用者Uの空間SPにおける行動検出を行う。具体的には、情報処理装置1は、識別された1または複数の利用者Uの中から、走行している利用者U1(
図4参照)を特定する(ステップS4)。
【0040】
つづいて、情報処理装置1は、走行している利用者U1が所定の条件を満たしているか否かを判定し、かかる所定の条件を満たしている場合に、異常を検知する(ステップS5)。
【0041】
たとえば、情報処理装置1は、走行している利用者U1が携帯電話やスマートフォンを持っている場合に、かかる利用者U1が何らかの異常事態を別の場所に通報しているとみなし、異常を検知する。
【0042】
なお、異常事態が発生しているとみなす場合に、走行している利用者U1が持っている物体は、携帯電話やスマートフォンに限られない。たとえば、情報処理装置1は、走行している利用者U1がドライバなどの工具を持っている場合に、かかる工具を使って利用者U1が何らかの異常事態に対処しようとしているとみなし、異常を検知してもよい。
【0043】
つづいて、情報処理装置1は、異常を検知した場合に、カメラ付き照明装置10を管理する管理者などにアラートを通知する(ステップS6)。
【0044】
このように、実施形態では、利用者Uが走行しているか否かを検知するとともに、走行している利用者U1が所定の条件を満たす場合(上記の例では、利用者U1が所定の物体を持っている場合)にのみ異常を検知する。これにより、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【0045】
[処理の詳細]
つづいて、実施形態に係る照明システムSによって実行される処理の詳細について、
図3~
図6を参照しながら説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを具備する。
【0046】
通信部2は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部2は、たとえば、ネットワークNを介して、複数のカメラ付き照明装置10(
図1C参照)との間で情報の送受信を行う。
【0047】
通信部2による通信方式は、たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの無線通信であってよい。なお、通信部2による通信方式は、任意の通信方式であってよく、たとえば、有線通信、赤外線通信などであってもよい。
【0048】
記憶部3は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0049】
図3に示すように、記憶部3は、ユーザ情報記憶部3aを具備する。
図2に示したように、ユーザ情報記憶部3aには、ユーザIDと、骨格情報とが対応付けられて登録されている。
【0050】
ここで、ユーザIDとは、利用者Uを識別するための識別子である。骨格情報とは、利用者Uの身体的な特徴点(関節点など)を線で繋いだ情報である。
図2に示す例では、骨格情報は、頭、首、肩、肘、手首、腰、臀部、膝、足の甲を特徴点とする情報である。
【0051】
図3の説明に戻る。制御部4は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0052】
また、制御部4は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0053】
図3に示すように、制御部4は、取得部4aと、骨格検出部4bと、識別部4cと、特定部4dと、異常検知部4eと、通知部4fとを具備し、以下に説明する制御処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部4の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する制御処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0054】
取得部4aは、各種情報を取得する。取得部4aは、たとえば、カメラ付き照明装置10(
図1A参照)のカメラユニット30(
図1A参照)によって撮像された撮像画像を取得する。
【0055】
骨格検出部4bは、取得部4aが取得した撮像画像に基づいて、利用者U(
図2参照)の骨格特徴を示す骨格情報を検出する。具体的には、骨格検出部4bは、撮像画像に基づいて、利用者Uの身体的な特徴点を検出し、検出した特徴点を繋いだ骨格情報を検出する。
【0056】
なお、骨格情報は、
図2に示すような特徴点および線の情報であってもよく、あるいは、特徴点を示す座標情報と、接続先の特徴点を示す接続先情報とが紐付いたリスト情報であってもよい。なお、接続先情報には、接続先の特徴点と、かかる特徴点までの距離とが含まれる。
【0057】
識別部4cは、骨格検出部4bによって検出された骨格情報に基づいて、利用者Uを識別する。具体的には、識別部4cは、骨格検出部4bによって検出された骨格情報と、記憶部3のユーザ情報記憶部3aに記憶された骨格情報とを照合することで、利用者Uを識別する。
【0058】
たとえば、識別部4cは、ユーザ情報記憶部3aの中に、骨格検出部4bによって検出された骨格情報と一致する骨格情報が存在する場合、かかる骨格情報に対応するユーザIDを特定することで、利用者Uを識別する。
【0059】
また、識別部4cは、骨格検出部4bによって検出された骨格情報と一致する「骨格情報」が存在しない場合、骨格検出部4bによって検出された骨格情報に新たなユーザIDを紐付けてユーザ情報記憶部3aに登録する。
【0060】
特定部4dは、取得部4aによって取得された撮像画像から、走行している利用者U1を特定する。
図4は、実施形態に係る照明システムSによって実行される処理の一例を示す図である。
【0061】
図4に示すように、カメラ付き照明装置10によって撮像される空間SPにおいて、複数の利用者Uが識別されている場合に、特定部4d(
図3参照)は、かかる複数の利用者Uの中から、走行している利用者U1を特定する(ステップS11)。
【0062】
特定部4dは、たとえば、利用者Uの骨格情報に基づいて、走行姿勢を取っている利用者Uを走行している利用者U1と特定する。このように、実施形態によれば、骨格情報に基づいて走行している利用者U1を特定することで、走行している利用者U1を精度よく特定することができる。
【0063】
また、特定部4dは、たとえば、空間SPにおける利用者Uの移動速度に基づいて、走行している利用者U1を特定してもよい。これによっても、走行している利用者U1を精度よく特定することができる。
【0064】
さらに、特定部4dは、利用者Uの骨格情報および移動速度に基づいて、走行している利用者U1を特定してもよい。これにより、走行している利用者U1をさらに精度よく特定することができる。
【0065】
図3の説明に戻る。異常検知部4eは、走行している利用者U1が所定の条件を満たすか否かに基づいて異常を検知する。たとえば、
図4の例では、走行している利用者U1が、複数の別の利用者U2が密集している箇所Aに向かって移動している場合(ステップS12)、異常検知部4eは、何らかの異常事態が発生している箇所Aに利用者U1が駆けつけようとしているとみなし、異常を検知する(ステップS13)。
【0066】
このように、実施形態では、走行している利用者U1が所定の条件を満たす場合(
図4の例では、複数の別の利用者U2が密集している箇所Aに向かっている場合)に、異常検知部4eが異常を検知する。これにより、誤って異常が検知されることを抑制できる。
【0067】
図3の説明に戻る。通知部4fは、異常検知部4eが異常を検知した場合に、アラートを通知する。たとえば、
図4の例では、複数の別の利用者U2が密集している箇所Aに向かって利用者U1が移動している場合、異常検知部4eが異常を検知することから、通知部4f(
図3参照)は、カメラ付き照明装置10を管理する管理者などにアラートを通知する(ステップS14)。
【0068】
これにより、かかる管理者が撮像画像を見返すことで異常を判断することなく異常の発生が通知されるため、管理者が簡便に空間SPでの異常発生を認知することができる。
【0069】
さらに、実施形態では、利用者Uが走行しているか否かを検知するとともに、走行している利用者U1が所定の条件を満たす場合にのみ異常を検知するため、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【0070】
なお、異常検知部4eによって異常が検知される所定の条件は、上記の例に限られない。
図5および
図6は、実施形態に係る照明システムSによって実行される処理の一例を示す図である。
【0071】
図5の例でも、上記の例と同様に、特定部4d(
図3参照)が、空間SPにおいて識別された複数の利用者Uのうち、走行している利用者U1を特定する(ステップS21)。
【0072】
そして、
図5に示すように、走行している利用者U1が特定のルートRを往復している場合(ステップS22)、異常検知部4eは、かかる利用者U1に何らかの異常事態が発生しているとみなし、異常を検知する(ステップS23)。
【0073】
最後に、通知部4fは、カメラ付き照明装置10を管理する管理者などにアラートを通知して(ステップS24)、一連の処理を終了する。これによっても、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【0074】
図6の例でも、上記の例と同様に、特定部4d(
図3参照)が、空間SPにおいて識別された複数の利用者Uのうち、走行している利用者U1を特定する(ステップS31)。
【0075】
そして、
図6に示すように、走行している利用者U1と別の利用者U2とが同じ方向に移動している場合(ステップS32)、異常検知部4eは、利用者U1と別の利用者U2とが何らかの異常事態が発生している箇所に一緒に駆けつけようとしているとみなし、異常を検知する(ステップS33)。
【0076】
最後に、通知部4fは、カメラ付き照明装置10を管理する管理者などにアラートを通知して(ステップS34)、一連の処理を終了する。これによっても、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【0077】
また、実施形態では、たとえば、走行している利用者U1が所定の服装(たとえば、警察官の制服、医師や看護師の白衣、消防士の制服など)である場合に、異常検知部4eは、何らかの緊急事態が発生しているとみなし、異常を検知してもよい。これによっても、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【0078】
なお、ここまで説明した実施形態では、異常を検知するために特定部4dが特定する利用者Uが、走行している利用者U1である場合について示したが、本開示はかかる例に限られない。
【0079】
たとえば、早歩きしている場合など、空間SPを移動中の利用者Uを特定部4dが特定し、かかる移動中の利用者Uが所定の条件を満たす場合に、異常検知部4eが異常を検知してもよい。これによっても、異常検知の誤発報を抑制することができる。
【0080】
また、上記の実施形態では、カメラ付き照明装置10に具備されるカメラユニット30を用いて作業現場を撮像する例について示したが、本開示はかかる例に限られず、照明装置とは別体であるカメラを用いて作業現場の撮像画像を取得してもよい。
【0081】
一方で、実施形態では、カメラ付き照明装置10に具備されるカメラユニット30を用いて作業現場を撮像することにより、照度が高く鮮明な作業現場の撮像画像を取得することができる。したがって、実施形態によれば、異常検知の誤発報をさらに抑制することができる。
【0082】
[情報処理の手順]
つづいて、実施形態に係る情報処理装置1の制御処理の手順について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1の制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0083】
図7に示すように、まず、情報処理装置1は、カメラ付き照明装置10のカメラユニット30から撮像画像を取得する(ステップS101)。そして、情報処理装置1は、取得された撮像画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する(ステップS102)。
【0084】
次に、情報処理装置1は、検出された骨格情報に基づいて利用者Uを識別する(ステップS103)。そして、情報処理装置1は、識別された1または複数の利用者Uの中から、走行している利用者U1を特定する(ステップS104)。
【0085】
次に、情報処理装置1は、走行している利用者U1が所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS105)。そして、走行している利用者U1が所定の条件を満たしている場合(ステップS105,Yes)、情報処理装置1は、異常を検知する(ステップS106)。
【0086】
そして、情報処理装置1は、カメラ付き照明装置10を管理する管理者などにアラートを通知して(ステップS107)、一連の処理を終了する。
【0087】
一方で、走行している利用者U1が所定の条件を満たしていない場合(ステップS105,No)、情報処理装置1は、一連の処理を終了する。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
4a 取得部
4b 骨格検出部
4c 識別部
4d 特定部
4e 異常検知部
4f 通知部
10 カメラ付き照明装置(照明装置の一例)
20 照明ユニット(照明部の一例)
30 カメラユニット(撮像部の一例)
N ネットワーク
S 照明システム
U、U1 利用者
U2 別の利用者