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  • 特開-バイク用ハンドルカバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004899
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】バイク用ハンドルカバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 23/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B62J23/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104791
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】503356451
【氏名又は名称】株式会社大久保製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100135437
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 哲三
(72)【発明者】
【氏名】萩藤 紘行
(57)【要約】
【課題】バイクのハンドルへのハンドルカバーの装着を確実なものとする。
【解決手段】カバー本体部10は上面被覆部11と下面被覆部12を有し、上面被覆部11と下面被覆部12の外周と内周には外側襠部13と内側襠部14を設ける。ハンドル挿入口15は内側襠部14の前方に設け、手挿入口16はハンドル挿入口15と略直角方向に設け、ハンドル挿入口15の近傍には本体部10をハンドルに固定するための紐状部材31を設ける。この紐状部材31をハンドル挿入口15の周縁部に設けた複数の挿通穴に挿通し収束してカバーをハンドルに固縛できる。ハンドル挿入口15の周縁部外側の一又は複数箇所に舌片30を設ける。これによりカバーをハンドルに装着する際に、紐状部材31を舌片30とカバー本体部10の上面被覆部11及び/又は下面被覆部12との間に巻き付けることにより紐状部材31がハンドルの中央部側にずれることがない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー本体部は、上面被覆部と下面被覆部とを有し、これら上面被覆部と下面被覆部の外周と内周には外側襠部と内側襠部とが設けられ、ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ、手挿入口は前記ハンドル挿入口と略直角方向に設けられ、ハンドル挿入口の近傍には本体部をハンドルに固定するための固定手段が設けられたバイク用ハンドルカバーにおいて、
前記固定手段が紐状部材であって、前記ハンドル挿入口の周縁部に設けた複数の挿通穴に前記紐状部材を挿通し収束してハンドルカバーをハンドルに固縛することができ、
前記ハンドル挿入口の周縁部外側の一又は複数箇所に舌片を設け、
この舌片の取付位置はハンドル挿入口側に位置し、その舌片の自由端はハンドル挿入口から離隔した位置に位置させ、
これにより、ハンドルカバーをハンドルに装着する際に、前記紐状部材を前記舌片とカバー本体部の上面被覆部及び/又は下面被覆部との間に巻き付けることにより紐状部材がハンドルの中央部側にずれてしまわないことを特徴とするバイク用ハンドルカバー。
【請求項2】
前記舌片を前記上面被覆部側に一つ、前記下面被覆部側に一つ、合計二つ設けたことを特徴とする請求項1に記載のバイク用ハンドルカバー。
【請求項3】
前記外側襠部の前方側又は前方側のハンドル挿入口側を外側に膨出した膨出部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバイク用ハンドルカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防寒及び防風のための自動二輪車(バイク)用のハンドルカバーに関するものであって、取り分けハンドルへの装着部分の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献に記載のハンドルカバーは自転車用のものであって、本願出願人が先に提案したものであるが、クロスバイク用のハンドルカバーである。
この発明の課題は、ハンドルカバーの手挿入口内に手を挿入する際、カバーが前方に移動(回動)してしまわないようにすることであった。
そのために、カバー内部でハンドルのグリップエンドが対応する位置に、ゴム紐を配備し、このゴム紐の両端部をカバーの裏面外側に導出してこれら両端部を収束して、カバーが移動しないよう固定できるようにし、上記課題を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-285018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記クロスバイク用ハンドルカバーでは、カバー本体部の上面被覆部と下面被覆部の外周と内周に外側襠部と内側襠部とが設けられていない。
というのも、自転車用であるため、バイクには存在する方向指示器やバックミラー等々の装備がされていないため、襠部を設けずに薄い形態のもので間に合うからであ。
また、ハンドル部自体の構造も自転車のものと相違するためである。
【0005】
本発明では、バイク用の防寒用ハンドルカバーであって、装着部分又は固定部位の改良を目的としており、しかも、バイクのハンドルの形態には各種のものが存在しており、上記クロスバイクのような横一文字形態のフラットハンドルもあれば、中央のハンドル支持部分が下方に窪んだ形態のものもある。
更には、右側のハンドルグリップの根元部には前輪のディスクブレーキ用のオイルシリンダー等の装備を有するものも存在する。
【0006】
このような装備は左側のハンドルグリップの根元部には存在しないために、従来型のバイク用ハンドルカバーによって特に問題なくハンドル挿入口の周縁部に設けられた挿通穴に紐状部材を挿通させ、この紐状部材をカバーのハンドル挿入口の周縁部の外側からハンドルに巻回して前記紐状部材の両端部を固縛し、カバーをハンドルにしっかりと取り付けることができる。
【0007】
しかし、上記のように右側のハンドルグリップの根元部にブレーキのオイルシリンダー等々の装備品が設けられているハンドルグリップに従来型のハンドルカバーを被覆し、紐状部材で巻回して固縛すると、当該紐状部材は挿通穴を挿通させている部分では問題はないものの、その挿通穴から出た紐状部材をカバーのハンドル挿入口の周縁部を外側から押さえ付けるように巻回すると、ハンドルの中央部側にずれてしまい或いは滑ってしまい、良好にハンドルカバーのハンドル挿入口の開口部周縁を外側から押え付けるように固縛することができないという問題があった。
これはハンドルグリップの根元部に各種の装備品があると、カバーの開口部に至るカバーの外側襠部等が急激な角度でハンドルを被覆するため、ハンドル挿入口の周縁部を紐状部材によって良好に巻き付けて固縛することができないからである。
【0008】
そこで本発明においては上記外側襠部及び内側襠部を有するバイク用ハンドルカバーにおいて、取り分けハンドルグリップの根元部にブレーキのオイルシリンダー等の装備品が設けられたハンドルであっても良好にカバーを装着又は固定できるようなバイク用ハンドルカバーを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、カバー本体部は、上面被覆部と下面被覆部とを有し、これら上面被覆部と下面被覆部の外周と内周には外側襠部と内側襠部とが設けられ、ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ、手挿入口は前記ハンドル挿入口と略直角方向に設けられ、ハンドル挿入口の近傍には本体部をハンドルに固定するための固定手段が設けられたバイク用ハンドルカバーにおいて、前記固定手段が紐状部材であって、前記ハンドル挿入口の周縁部に設けた複数の挿通穴に前記紐状部材を挿通し収束してハンドルカバーをハンドルに固縛することができ、前記ハンドル挿入口の周縁部外側の一又は複数箇所に舌片を設け、この舌片の取付位置はハンドル挿入口側に位置し、その舌片の自由端はハンドル挿入口から離隔した位置に位置させ、これにより、ハンドルカバーをハンドルに装着する際に、前記紐状部材を前記舌片とカバー本体部の上面被覆部及び/又は下面被覆部との間に巻き付けることにより紐状部材がハンドルの中央部側にずれてしまわないことを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0010】
ここで、前記上面被覆部及び下面被覆部という表現において、「上面」及び「下面」というのは、前記ハンドルカバーをバイクのハンドルに装着した状態での上面及び下面を意味する(以下同じである。)。
また、前記「ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ」という表現の「前方」とは、前記ハンドルカバーをバイクのハンドルに取り付けた状態において、そのバイクの前進方向を意味する(以下同じである。)。
【0011】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記舌片を前記上面被覆部側に一つ、前記下面被覆部側に一つ、合計二つ設けたことを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0012】
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、前記外側襠部の前方側又は前方側のハンドル挿入口側を外側に膨出した膨出部を設けたことを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1のものにおいては、カバー本体部が上面被覆部と下面被覆部とを有し、これら上面被覆部と下面被覆部の外周と内周には外側襠部と内側襠部とが設けられ、ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ、手挿入口は前記ハンドル挿入口と略直角方向に設けられ、ハンドル挿入口の近傍には本体部をハンドルに固定するための固定手段が設けられたバイク用ハンドルカバーであって、その基本構成は従来のハンドルカバーと同様であり、防寒や防風効果を有する。
【0014】
更に、前記固定手段は紐状部材からなり、前記ハンドル挿入口の周縁部に設けた複数の挿通穴に前記紐状部材を挿通し収束してハンドルカバーをハンドルに固縛することができ、前記ハンドル挿入口の周縁部外側の一又は複数箇所に舌片を設け、この舌片の取付位置はハンドル挿入口側に位置し、その舌片の自由端はハンドル挿入口から離隔した位置に位置させている。
これにより、ハンドルカバーをハンドルに装着する際に、前記紐状部材を前記舌片とカバー本体部の上面被覆部及び/又は下面被覆部との間に巻き付けることにより紐状部材がハンドルの中央部側にずれてしまわないのである。
【0015】
即ち、前記紐状部材をカバーのハンドル挿入口の外側に巻き付ける際に、前記舌片が引っ掛かり部となって紐状部材はハンドルの中央部側にずれたり、滑ったりしてしまうことが無くなり、カバーのハンドル挿入口の周縁の外周部に良好に巻き付けることができ、カバーをハンドルに適切にまた良好に固縛することができるのである。
【0016】
本発明の第2のものにおいては、舌片の適切な数と設ける適切な部位を限定したものであり、即ち、前記舌片を前記上面被覆部側に一つ、前記下面被覆部側に一つ、合計二つ設けたことを特定したものであり、これによって上記発明と同じ効果を発揮することができる。
勿論これら以外に外側襠部のハンドル挿入口の縁部部位に設けることも自由である。
【0017】
本発明の第3のものにおいては、前記外側襠部の前方側又は前方側のハンドル挿入口側を外側に膨出した膨出部を設けることによって、ハンドルグリップの根元部に装備品が設けられたハンドルであっても本発明に係るカバーが良好にハンドルグリップ部を被覆できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るバイク用ハンドルカバーの一実施形態を示す全体説明図であって、その(A)が平面説明図、その(B)が底面説明図である。
図2】上記実施形態に係るバイク用ハンドルカバーを右ハンドルに装着した状態を示しており、バイクの前方側から視た説明図である。
図3】上記図2において紐状部材をカバーのハンドル挿入口の開口周縁部の外周で巻き付けた部分の拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付の図面と共に、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るバイク用ハンドルカバーの一実施形態を示す全体説明図であって、その(A)が平面説明図、その(B)が底面説明図である。
【0020】
本発明に係るバイク用ハンドルカバー(以下、単に「カバー」とも言う。)は、そのカバー本体部10が、合成皮革又は合成樹脂製のシート状体によって袋状に立体的に形成されたものから成る。
その外形は、バイクのハンドルグリップ部、ブレーキレバー部、バックミラー支柱の根本部、各種のスイッチ部等々をカバーできるような袋状の立体的な形状を有している。
【0021】
より具体的には、上記カバー本体部10は、上面被覆部11と、下面被覆部12と、これら上面被覆部11と下面被覆部12の外周及び内周で両者を接続する外側襠部13と図にはよく表れていないが、内側襠部14とから構成される。
【0022】
バイクのハンドルグリップ等を挿入するハンドル挿入口15は、内側襠部14の前方端部に設けられ、手挿入口16は、前記ハンドル挿入口15と略直角の方向に設けられている。
尚、図中矢印Fが前方方向を示し、カバーがバイクのハンドルに取り付けられた際のバイクの前進方向を示している。図示したカバーは右側のものである。
【0023】
上面被覆部11には、手挿入口16から後方に延長する延長部11aが形成され、使用者の腕部の上面を被覆できるように形成されている。
カバー本体部10の内表面には、ボア等からなる防寒用シート部材20が接合されており、手挿入口16の周縁部には、図には表れていないが、伸縮自在のニット編地から成る防寒用保温部材が設けられている。
【0024】
外側襠部13は、略40mmから80mmの範囲での上下幅を有しており、ハンドル挿入口15の側が40mm程度で、徐々に狭くなるように形成されている。また手挿入口側も65mm程度に少し狭くすぼまった形状に形成されている。
この外側襠部13は、上面被覆部11又は下面被覆部12と同じ生地で連続的に形成してもよいし、別の生地で縫製してもよい。本実施形態では別生地で縫着している。
要は、この外側襠部13は 所定の上下の幅を有していればよいのである。
【0025】
他方、内側襠部14は、上記ハンドル挿入口15と手挿入口16との間に設けられることとなり、この内側襠部14は、その前方端の上下幅が一番大きく、その後方端部は、上面被覆部11と下面被覆部12が留め具23で固着されているために、その上下の幅はゼロとなっている。
即ち、この内側襠部14は、ハンドル挿入口15の前端部から後端部に至るまで徐々にその上下幅が減少するように形成されている。
【0026】
更に、上面被覆部11のハンドル挿入口15の近傍には十文字の切込から成る複数の穴部17が形成され、この穴部17からハンドル挿入口15に至るまで切り込みが形成されている。この切り込みは、図1では、覆い部18によって被覆されているために、図には現れていない。
【0027】
上記穴部17にバックミラーの支柱部を挿通させることができる。即ち、ハンドル挿入口15にハンドルグリップの先端を挿入し、上記切り込みを利用してバックミラー支柱部を上記穴部17に挿通させることができる。
バックミラー支柱部を穴部17に挿通した後には、上記覆い部18に設けられた留めホック19、19を係止することができ、これにより前記切り込みは閉鎖される。
【0028】
下面被覆部12にもハンドル挿入口15から切り込み29が形成され、この切り込みの29端部に穴部27が形成されている。この切り込み29は覆い部28によって被覆されており、上記穴部27に至るまで設けられており、図1(B)では前記切り込み29はその右端のハンドル挿入口15の縁部にその一部が見えている状態である。
【0029】
これらの穴部27には、ブレーキワイヤーが挿通されることとなる。
上記切り込み29を覆う覆い部28には留めホック19が設けられ、この切り込み29を閉鎖することができる。
【0030】
上記実施形態では、カバー本体部10は、上面被覆部11と下面被覆部12、外側襠部13と内側襠部14、そして上面被覆部11の手挿入口16側に延長する延長部11aから構成され、それぞれが縫着されて袋状に形成されている。
【0031】
しかし、カバー本体部10を形成するための構成生地は自由に設計することができ、その枚数や形状を上記実施形態に限定せねばならない理由はなく、自由に設計変更することができる。
【0032】
そして、本発明における最大の特徴部分は、ハンドル挿入口15の開口縁部にある。
即ち、図1(A)及び(B)に現れているように、ハンドル挿入口15の開口周縁部の外側に舌片30をそれぞれ設けた点である。
【0033】
この舌片30は、縦長の略矩形形状(自由端側の角部はアールを持たせている。)のものからなり、そのハンドル挿入口15側を上面被覆部11及び下面被覆部12に縫着し、その縫着部位と反対側を自由端としたものである。
即ち、この舌片30と上面被覆部11との間、また、この舌片30と下面被覆部12との間にカバーをハンドルに装着するための紐状部材31を巻き付け、配設することができるのである。
【0034】
更に詳説すると、上記実施形態に係るカバーをハンドルに装着する際には、カバー本体部10のハンドル挿入口15の開口周縁部に設けた複数の挿通穴に紐状部材31を挿通し(実際には図1に示した通り、予め紐状部材31は挿通穴に挿通されている。)、しかる後この紐状部材30をカバーのハンドル挿入口15の開口周縁部の外側に巻き付けて固縛するのであるが、その際に前記舌片30と上面被覆部11及び下面被覆部12との間に配設して巻き付け、固縛することができるのである。
【0035】
これにより紐状部材31は、カバーの開口周縁部の外側からハンドル中央部にずれてしまうことが無くなり、又は、滑ってしまうことがなくなり、良好にカバーをハンドルに固縛することができることとなるのである。
【0036】
つまり、上記舌片30は紐状部材31によってカバーを固縛装着するに際しての引っ掛かり部材となるのである。
【0037】
バイクの右側ハンドルグリップの根元部には先にも述べた通り、ディスクブレーキ用のオイルシリンダー等の装備品が設けられたタイプのものがあり、このタイプのハンドルに装着させる際には、前記装備品をカバーで被覆すると装備品からハンドルバーに向かって急激にその太さが狭くなるために、カバーのハンドル挿入口15の開口周縁部外側を紐状部材31で良好に巻き付けることが出来ず、つまりハンドル中央部にずれてしまうため、これを防止するために上記舌片30が引っ掛かり部となって、そのずれや滑りを防止できることとなるのである。
【0038】
上面被覆部11及び下面被覆部12において図中破線で示した裏面にはボア等の防寒用シート部材20が接合されている。当該破線は前記防寒用シート部材を縫着した縫い目を示すものである。
【0039】
図2は、上記実施形態に係るバイク用ハンドルカバーを右ハンドルに装着した状態を示しており、バイクの前方側から視た説明図である。
【0040】
この図から良く解るように、上面被覆部11に設けられた穴部17にハンドル挿入口15から設けられた切り込みを介して穴部17にミラー支柱部37を挿通し、その後覆い部18に設けた留めホック19を係止してカバーをハンドルに被覆し、同様に図には現れていないが、下面被覆部12の穴部にハンドル挿入口15から設けられた切り込みを介してブレーキワイヤーを挿通し、覆い部を留めホックで係止し、最後にハンドル挿入口15の周縁部に設けられた複数の挿通穴に挿通されている紐状部材30をハンドル挿入口15の外側周縁に巻き付けるのであるが、その際に舌片31の内側に、即ち舌片31と上面被覆部11の間に紐状部材30を配設して巻き付け、下面被覆部の側でも同様に舌片と下面被覆部との間に配設して巻き付け、固縛してカバーをハンドルに固縛して装着することができるのである。
【0041】
図3は、上記図2において紐状部材をカバーのハンドル挿入口の開口周縁部の外周で巻き付けた部分の拡大説明図である。
【0042】
カバーのハンドル挿入口15にハンドルバーHbを挿通させ、ミラー支柱部も図には現れていない穴部に挿通させ、複数の挿通穴に挿通されている紐状部材31をハンドル挿入口15の開口周縁部の外側に2回ほど巻き付けて固縛する。
【0043】
この際に上面被覆部11のハンドル挿入口15の開口周縁部の外側に設けられた舌片30の下側に紐状部材31を配設して固縛するのである。
この図面では紐状部材31を舌片30と前面被覆部12との間で2回ほど巻き付けて固縛した状態が示されている。
裏面側の下面被覆部の側でも同様である。
これにより既に述べた通り、紐状部材31はハンドルバーHbの中央部の側にずれたり、滑ってしまうことが防止されるのである。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り、各種設計変更することができる。
本発明に係るハンドルカバーは、バイクのハンドルグリップの根元部に各種の装備品が付加されたハンドルに適用することができるものである。
ハンドルグリップの根元部に各種装備品が無いものであれば、従来型のハンドルカバーを利用することが可能である。
【0045】
ハンドルカバーの外形形状は、ハンドルグリップ及びブレーキレバー並びに各種の付属物を覆うことができる形状に種々設計変更することができる。
例えば、外側襠部13の前方側13f(図1参照)や前方側13fのハンドル挿入口側を外側(前方側)に膨出する膨出部を設けるように形成することもできる。
要するに、グリップの根元部に設けられた各種装備品を適切に被覆できる形状であれば、種々変更してその形態を設計変更することができる。
【0046】
その素材も、ハンドルカバーとして適切に利用できる素材であればよく、即ち、保形性、耐候性、防水性、柔軟性等を考慮して、適宜適切なものを選択して使用することができる。
襠部の素材も自由に選択することができ、特に内側襠部は、伸縮性を有するものであってもよく、各種の素材を選択して利用することができる。
襠部の上下の厚みも適宜必要に応じて設定することができる。
固定手段としては、紐状部材を利用したが、伸縮性のあるものを利用してもよい。
【0047】
舌片についてもその形状、大きさ及び数、それを設ける位置も自由に設計変更することができる。
また舌片の材質も自由であり、上面被覆部及び下面被覆部と同様のものでよく、外側襠部のハンドル挿入口縁部に設けることも可能である。
このように上面被覆部、下面被覆部及び外側襠部のハンドル挿入口の周縁の3箇所に舌片を設けることにより確実な滑り止め効果を発揮するものとなる。
【0048】
上面被覆部及び下面被覆部に設けた留めホックは、上記実施形態では雄留めホックと雌留めホックとから形成しているが、これら留めホックは、他の形態のもの、例えば、面ファスナー等を採用することもできる。
【0049】
最後に、本発明に係るハンドルカバーのカバー本体部は、上面被覆部と下面被覆部、外側襠部、及び、内側襠部とから成るが、それぞれの構成部材が独立に存在していて、これらの構成部材を相互に連結(縫着又は縫製)して形成するというものではなく、上面被覆部の一部と下面被覆部の一部とが連続的に形成され、その連続部分が外側襠部を形成するというものであってもよく、上記実施形態のように内側襠部の手挿入口側端部の上下の厚みがゼロであってもよく、つまり、この内側襠部の手挿入口側端部で、上面被覆部と下面被覆部とが直接固定されているものであってもよいものである。勿論、内側襠部の手挿入口側の上下の厚みがゼロでなくてもよい。
【0050】
以上、本発明は、簡易な構成ではあるが、ハンドルカバーをバイクのハンドルに取り付ける際に、ハンドルグリップ根元部に各種の装備品があっても、ハンドル挿入口の開口周縁部外側に設けた舌片によって固定手段としての紐状部材の固縛に際して当該紐状部材がハンドルバーの中央部側にずれてしまったり、滑ってしまうことを防止できる優れた効果を発揮するバイク用ハンドルカバーを提供することができたものである。
【符号の説明】
【0051】
10 カバー本体部
11 上面被覆部
11a 延長部
12 下面被覆部
13 外側襠部
14 内側襠部
15 ハンドル挿入口
16 手挿入口
17、27 穴部
18、28 覆い部
19 留めホック
20 防寒用シート部材
23 留め具
30 舌片
31 紐状部材
37 ミラー支柱部
Hb ハンドルバー
図1
図2
図3