(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000490
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】位置決め構造を備えるパワーモジュール、位置合わせツール、ならびにパワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023041865
(22)【出願日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】22179823
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラド・マレキ
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・トゥルッセル
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】リュイス・サントラリア
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パワーモジュール、位置合わせツール並びに集合板の位置を基準としてパワーモジュールを正確に位置決め及び位置合わせするための効率的で簡単な方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのモジュール構成要素(12)を備えるパワーモジュール(10)は、側面(10S)を有し、その側面(10S)は、位置決め構造(13)を備え、位置決め構造(13)のうちの少なくとも1つは、幾何学的形態を有する。当該幾何学的形態は、位置合わせツールを受け入れるように構成され、かつ、位置合わせツールを横方向に沿ってスライドさせるときにパワーモジュール(10)を垂直に移動させるようにさらに構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモジュール構成要素(12)を備えるパワーモジュール(10)であって、
前記パワーモジュール(10)が、側面(10S)を有し、
前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)が、位置決め構造(13)を備え、
前記位置決め構造(13)のうちの少なくとも1つが、位置合わせツール(20)を受け入れるように構成され、かつ前記位置合わせツール(20)を横方向に沿ってスライドさせるときに、前記パワーモジュール(10)を垂直に移動させるようにさらに構成された幾何学的形態を有する、パワーモジュール(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)を有する、
請求項1に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、第1の平坦部分面(131)および第2の部分面(132)を備え、前記第2の部分面(132)が、前記第1の平坦部分面(131)に隣接し、前記垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)によって提供されるスライド面を形成する、
請求項2に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)の凹部分(13R)として形成される、
請求項1~3のいずれかに記載のパワーモジュール(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)の凸部分(13P)として形成される、
請求項1~3のいずれかに記載のパワーモジュール(10)。
【請求項6】
キャリア(11)を備え、
前記少なくとも1つのモジュール構成要素(12)が、前記キャリア(11)上に配置され、
前記キャリア(11)が、冷却器またはヒートシンクであり、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記キャリア(11)の側面(11S)に形成される、
請求項1~5のいずれかに記載のパワーモジュール(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記少なくとも1つのモジュール構成要素(12)の側面(12S)に形成される、
請求項1~6のいずれかに記載のパワーモジュール(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、
1.5mm~15mmの範囲の横幅(13W)、
4mm~15mmの範囲の横長さ(13L)、および
2mm~10mmの範囲の垂直高さ(13H)を有する、
請求項1~7のいずれかに記載のパワーモジュール(10)。
【請求項9】
前記パワーモジュール(10)が、横部分および垂直部分を各々有する少なくとも1つまたは数個のピン形端子(12A)を有し、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記位置合わせツール(20)をスライドさせるように、ならびに前記位置合わせツール(20)をスライドさせるときに前記位置合わせツール(20)を基準として前記パワーモジュール(10)を垂直に移動させるように、およびしたがって前記少なくとも1つまたは前記数個のピン形端子を垂直方向(Z)に沿って移動させるように構成された前記幾何学的形態を有する、
請求項1~8のいずれかに記載のパワーモジュール(10)。
【請求項10】
位置合わせツール(20)を使用して集合板(30)を基準としてパワーモジュール(10)を位置合わせするための方法であって、
前記パワーモジュール(10)の側面(10S)を、前記位置合わせツール(20)の側面(20S)に位置決めすることであって、前記位置合わせツール(20)の前記側面(20S)が、位置合わせ構造(23)を備え、前記位置合わせ構造(23)のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの位置決め構造(13)を前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)にドッキングするように構成される、ことと、
前記集合板(30)を基準として前記パワーモジュール(10)を位置合わせするために、前記少なくとも1つの位置決め構造(13)を前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)に挿入するかまたは前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)を前記少なくとも1つの位置決め構造(13)に挿入して、結果として前記パワーモジュール(10)を基準とする横方向(Y)に沿った前記位置合わせツール(20)のスライドをもたらすことであって、前記横(Y)方向に沿った前記位置合わせツール(20)の前記スライドが、前記集合板(30)を基準とする垂直方向(Z)に沿った前記パワーモジュール(10)の制御された移動を伴う、ことと、
前記パワーモジュール(10)が前記集合板(30)に位置合わせされる後に、前記位置合わせツール(20)が前記パワーモジュール(10)から解放されることとを含む、方法。
【請求項11】
前記パワーモジュール(10)が、横部分および垂直部分を各々有する少なくとも1つのピン形端子(12A)を有し、前記垂直部分が、前記集合板(30)に向かって向けられており、
前記集合板(30)が、前記ピン形端子(12A)を受け入れるための少なくとも1つのコンタクトホール(30H)を備え、
前記パワーモジュール(10)の前記制御された移動が、前記ピン形端子(12A)の位置を前記コンタクトホール(30H)の位置に対して相対的に調節するように、および前記ピン形端子(12A)を前記コンタクトホール(30H)に挿入するように、構成されており、
前記パワーモジュール(10)の前記制御された移動を実行することによって、前記パワーモジュール(10)が、集合板(30)に相互接続される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記位置合わせツール(20)の前記側面(20S)が、前記少なくとも1つのピン形端子(12A)を受け入れおよび前記少なくとも1つのピン形端子(12A)の横位置を固定するための少なくとも1つの垂直スロット(20A)を備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)が、相互に補完的な幾何学的形態を有し、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)のうちの一方が、凹部分(13R、23R)として形成され、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)のうちの他方が、凸部分(13P、23P)として形成される、
請求項10~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)のうちの一方が、少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)を有し、前記垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)が、前記位置合わせツール(20)を前記横方向(Y)に沿ってスライドさせ、結果として前記位置合わせツール(20)を基準とする前記垂直方向(Z)に沿った前記パワーモジュール(10)の前記制御された移動をもたらすために使用される、
請求項10~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
位置合わせ構造(23)を備える側面(20S)を有する位置合わせツール(20)であって、前記位置合わせ構造(23)のうちの少なくとも1つが、パワーモジュール(10)の、1つの位置決め構造(13)にドッキングするように構成され、前記位置合わせツール(20)が、前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)が横方向(Y)に沿って前記パワーモジュール(10)の面上をスライドするとき、前記位置合わせツール(20)の横移動が前記位置合わせツール(20)を基準とする垂直方向(Z)に沿った前記パワーモジュール(10)の制御された移動を伴うように構成される、位置合わせツール(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パワーモジュール、位置合わせツール、ならびにパワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための位置合わせツールを使用している方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーモジュール、たとえばパワー半導体モジュールを様々な用途で実装する場合、パワーモジュールは、ゲートドライバ、またはパワーモジュールを制御するように構成された他の集積回路のような、制御エレクトロニクスに機械的および電気的に接続されるべきである。制御エレクトロニクスは、集合板上に、例として制御板またはプリント回路板上に、配置することができる。そのような集合板は、パワーモジュールの頂部に配置することができる。パワー半導体モジュールと集合板との間の電気的接続は、パワーモジュールの補助または制御端子によって提供することができる。パワーモジュールを集合板に機械的および電気的に相互接続する過程を促進するために、集合板の位置に対して相対的にパワーモジュールを正確に定置する必要がある。位置合わせツールを使用することは、集合板の位置を基準としてパワーモジュールを正確に定置するための効率的で簡単な方法を提供するのに役立ち得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
たとえば独立請求項に記載される、本開示の実施形態は、全体的にまたは一部、当技術分野における上記の欠点に対処する。パワーモジュール、位置合わせツールの、およびパワーモジュールを集合板に、たとえば制御板に相互接続するための方法の、さらなる実施形態は、さらなる請求項の主題である。
【0004】
パワーモジュールの実施形態によれば、そのパワーモジュールは、少なくとも1つのモジュール構成要素を備える。パワーモジュールは側面を有し、パワーモジュールの側面は位置決め構造を備える。位置決め構造の少なくとも1つは、位置合わせツールを、たとえば位置合わせツールの位置合わせ構造を、受け入れるように構成された幾何学的形態を有する。少なくとも1つの位置決め構造は、位置合わせツールを横方向に沿ってスライドさせるときに、パワーモジュールを垂直に移動させるようにさらに構成することができる。
【0005】
パワーモジュールはキャリアを備えることができ、少なくとも1つのモジュール構成要素はキャリア上に配置される。パワーモジュールの側面は、キャリアの側面によって部分的に、および少なくとも1つのモジュール構成要素の側面によって部分的に、形成することができる。
【0006】
パワーモジュールの側面は、2つ以上の位置決め構造を備えることが可能であり、ここで当該位置決め構造は、位置合わせツールの位置合わせ構造を受け入れるように構成され、かつ位置合わせツールを横方向に沿ってスライドさせるときに、パワーモジュールを垂直に移動させるようにさらに構成される。
【0007】
垂直方向は、パワーモジュールまたはキャリアの主延在面に対して直角をなすように向けられた、方向を意味すると理解される。キャリアは、冷却器またはヒートシンクとすることができる。横方向は、パワーモジュールのまたはキャリアの主延在面に平行な、方向を意味すると理解される。垂直方向および横方向は、互いと直交する。
【0008】
ここに記述されるそのようなパワーモジュールは、制御エレクトロニクスに対するパワーモジュールの、複雑ではないがしかし正確な固定、および確実な電気的相互接続を許す。
【0009】
パワーモジュールの側面の位置決め構造の位置は、対応する、たとえば補完的な位置合わせ構造を有する位置合わせツールを使用する場合、パワーモジュール横方向の、たとえば水平X方向および長手Y方向の正確な定置を許す。この態様のおかげで、集合板の、たとえば制御板のコンタクトホールを基準とするパワーモジュールの端子の、たとえばピン形端子の適切な位置合わせを保証することができる。こういうわけで、パワーモジュールのいくつかの端子、たとえばいくつかの補助端子が屈曲または変位させられ、したがって集合板のコンタクトホール内にフィットしないことを、回避することができる。
【0010】
パワーモジュールの側面の少なくとも1つの位置決め構造の、または数個の位置決め構造の、幾何学的形態は、簡単なやり方で位置合わせツールを基準として垂直方向に沿って、すなわちZ方向に沿ってパワーモジュールを移動させまたは案内することを許す。したがって、たとえばパワーモジュールのプレス・フィット・ピンと集合板のコンタクトホールとの間の、適切な相互接続を簡単なやり方で達成することができる。こういうわけで、パワーモジュールの側面の位置決め構造は、横方向における集合板の位置を基準とするパワーモジュールの位置合わせを促進し、位置合わせは、垂直方向に沿ったパワーモジュールの制御された移動を伴うことができる。
【0011】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造の各々は、スライド面を有する。位置合わせツール、たとえば位置合わせツールの位置合わせ構造が横方向に沿ってスライド面上をスライドするとき、垂直方向に沿ったパワーモジュールの制御された移動が達成されることができるように、スライド面は構成される。
【0012】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造は、少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面を有する。垂直傾斜または垂直湾曲面は、スライド面を形成することができる。位置合わせツール、たとえば位置合わせツールの位置合わせ構造を垂直傾斜または垂直湾曲面に沿ってスライドさせて、パワーモジュールは押し下げられまたは持ち上げられることができ、その結果、たとえば位置合わせツールを基準として、垂直方向に沿ってパワーモジュールが移動する。加えて、または代替として、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造は、少なくとも所々に横平坦面を有することができる。たとえば垂直傾斜または垂直湾曲面の形態のスライド面を少なくとも所々に有する、位置合わせツールを位置決め構造の横平坦面に沿ってスライドさせて、パワーモジュールはまた、押し下げられまたは持ち上げられることができ、その結果、垂直方向に沿ってパワーモジュールが移動する。
【0013】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造は、第1の平坦部分面および第2の部分面を備え、第2の部分面は、第1の平坦部分面に隣接し、かつスライド面を形成し、スライド面は、垂直傾斜または垂直湾曲面によって提供されることができる。平坦面は、基本的に横方向に沿ってのみ延在する、フラットな面を意味すると理解され得る。位置決め構造のそのような平坦部分面は、位置合わせツールが横方向に沿ってプッシュされる前に、位置合わせツールの位置合わせ構造を最初に受け入れるために使用されてもよく、その結果、位置決め構造のスライド面上、たとえば垂直傾斜または垂直湾曲部分面上での、位置合わせツールの、たとえば位置合わせツールの位置合わせ構造の、スライドがもたらされる。位置合わせツールの位置合わせ構造の受入れはまた、たとえば開口部の隣の、凹部の側壁のさらなる傾斜、丸み、もしくは面取り部分、またはたとえば前部分の隣の、突出パートの傾斜、丸み、もしくは面取り部分によってサポートされてもよい。これらの部分は、挿入をより容易にするために、X方向の許容範囲を提供する。
【0014】
たとえば、スライド面は、滑らかな面である。スライド面は、ランプを形成することができる。スライド面またはランプは、10°~70°、たとえば10°~70°、10°~60°、10°~50°、または10°~40°の勾配の角度または勾配の平均角度を有することができる。たとえば、勾配の角度または勾配の平均角度は、垂直方向に沿ったパワーモジュールのよく制御された移動を得るために、50°、45°、40°、35°、30°、25°、またはより小さい20°以下である。勾配の角度または勾配の平均角度は、15°、20°または25°より大きいとすることができる。
【0015】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造は、キャリアの側面に、またはモジュール構成要素の側面に、形成される。モジュール構成要素がハウジング本体および/またはベースプレートを備え、かつ少なくとも1つの位置決め構造を備える少なくとも1つのモジュール構成要素の側面がハウジング本体のまたはベースプレートの側面であることが、可能である。
【0016】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造は、パワーモジュールの側面の凹部分として形成される。凹部分は、キャリアの側面に、および/またはモジュール構成要素の側面に、形成されてもよい。モジュール構成要素がハウジング本体、たとえば成形ハウジング本体を備え、かつ凹部分がモジュール構成要素のハウジング本体の一部として形成されることが、可能である。
【0017】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造は、パワーモジュールの側面の凸部分として形成される。凸部分は、キャリアの側面に、またはモジュール構成要素の側面に、形成されてもよい。凸部分は、モジュール構成要素の、ハウジング本体のまたはベースプレートの、一部として形成されることが可能である。
【0018】
パワーモジュールのさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、または位置決め構造は、横幅、横長さ、および垂直高さを有する。横幅は、1.5mm~15mm、たとえば1.5mm~10mm、または1.5mm~5mmの範囲、たとえば約3mmとすることができる。横長さは、4mm~15mm、たとえば4mm~12mm、または6mm~10mmの範囲、たとえば約8mmとすることができる。垂直高さは、2mm~10mm、たとえば2mm~8mm、または3mm~7mmの範囲、たとえば約5mmとすることができる。
【0019】
さらなる実施形態によれば、パワーモジュールは、横部分および垂直部分を各々有する、少なくとも1つのピン形端子または数個のピン形端子を有する。横部分および垂直部分は、屈曲によって提供することができ、垂直部分は、垂直方向に向かって屈曲させられる。少なくとも1つの位置決め構造は、幾何学的形態を有し、当該幾何学的形態は、位置合わせツールをスライドさせるように、および位置合わせツールをスライドさせるときにパワーモジュールを垂直に移動させるように、構成される。たとえば、幾何学的形態は、ランプを形成するスライド面を備える。たとえば集合板のコンタクトホールへのピン形端子の挿入のための、たとえば位置合わせツールおよび/または集合板を基準とした、垂直方向に沿ったパワーモジュールの移動は、結果として少なくとも1つのピン形端子または数個のピン形端子を垂直方向に沿って移動させることをもたらす。たとえば、ピン形端子は、キャリア上に配置されたモジュール構成要素の一部である。ピン形端子は、それらの端部分にプレス・フィット・コネクタを有することができる。
【0020】
位置合わせツールの実施形態によれば、その位置合わせツールは、位置合わせ構造を備える側面を有する。位置合わせ構造の少なくとも1つは、パワーモジュールに、たとえばパワーモジュールの、1つの位置決め構造に、ドッキングするように構成される。位置合わせ構造が、パワーモジュールの面上を、たとえばパワーモジュールの位置決め構造の面上を、横方向に沿ってスライドするとき、位置合わせツールの横移動が、たとえば位置合わせツールを基準とする、垂直方向に沿ったパワーモジュールの制御された移動を伴うように、位置合わせツールは構成される。たとえば、位置合わせ構造が横方向に沿ってパワーモジュールのスライド面上をスライドするとき、位置合わせツールは、制御されたやり方でパワーモジュールを垂直方向に沿って自動的に移動させる。
【0021】
位置合わせツールの位置合わせ構造は、パワーモジュールの位置決め構造の幾何学的形態に対して補完的な、幾何学的形態を有することができる。位置合わせ構造の幾何学的形態と位置決め構造の幾何学的形態は、相互に補完的であり、位置合わせ構造は、位置決め構造に挿入されることができ、またはその逆である。たとえば、位置合わせ構造は、位置合わせツールの側面の凹部分であり、位置決め構造は、パワーモジュールの側面の凸部分である。位置合わせ構造が位置合わせツールの側面の凸部分であり、かつ位置決め構造がパワーモジュールの側面の凹部分であることも、可能である。凸部分および凹部分は、異なるジオメトリおよび/またはサイズを有することができる。
【0022】
位置合わせ構造のおよび位置決め構造の幾何学的形態およびサイズは、交換されてもよいので、位置決め構造の幾何学的形態およびサイズに関してこの開示に記述される特徴は、位置合わせ構造について適用されることもでき、およびその逆である。たとえば、位置合わせ構造は、たとえば垂直傾斜または垂直湾曲面の形態の、スライド面を所々に有することができる。位置合わせ構造は、凹部分によってまたは凸部分によって形成することができる。その上、位置合わせ構造は、横幅、横長さ、および垂直高さを有し、横幅は、1.5mm~15mm、たとえば1.5mm~10mmまたは1.5mm~5mmの範囲、たとえば約3mmとすることができ、横長さは、4mm~15mm、たとえば4mm~12mmまたは6mm~10mmの範囲、たとえば約8mmとすることができ、垂直高さは、2mm~10mm、たとえば2mm~8mmまたは3mm~7mmの範囲、たとえば約5mmとすることができる。
【0023】
さらなる実施形態によれば、位置合わせツールは、パワーモジュールの少なくとも1つのピン形端子を受け入れおよび当該少なくとも1つのピン形端子の横位置を固定するための、少なくとも1つの垂直スロットを備える。その上、垂直スロットは、たとえばプレスフィット端子をコンタクトホールに挿入する場合に、パワーモジュールを垂直方向に沿って移動させるときに、機械的支持を提供することができる。位置合わせツールは、その側面に、複数のそのような垂直スロットを備えることができる。垂直スロットは、V字形凹部であってもよい。加えて、または代替として、位置合わせツールは、パワーモジュールの1つの主端子または複数の主端子を受け入れおよび当該1つの主端子または複数の主端子の横位置を固定するための、1つのU字形凹部または複数のU字形凹部を備えることができる。U字形凹部は、たとえばV字形凹部として形成される、垂直スロットより大ぶりなサイズ、たとえばより大ぶりな幅および/またはより大ぶりな長さおよび/またはより大きい高さを有することができる。モジュールのピン形端子は、補助または制御端子であってもよい。そのようなピン形端子は、横部分および垂直部分を有してもよく、ならびに/またはそれらの端部分にプレス・フィット・コネクタを有してもよい。横部分および垂直部分は、屈曲によって提供することができ、垂直部分は、垂直方向に向かって屈曲させられる。
【0024】
集合板を基準としてパワーモジュールを位置合わせするための方法の実施形態によれば、位置合わせツールは、使用される。方法は、パワーモジュールの側面を位置合わせツールの側面に位置決めするステップを含み、位置合わせツールの側面は、位置合わせ構造を備える。位置合わせ構造の少なくとも1つは、パワーモジュールの側面に少なくとも1つの位置決め構造をドッキングするように構成される。方法は、集合板を基準としてパワーモジュールを位置合わせするために、少なくとも1つの位置決め構造を少なくとも1つの位置合わせ構造に挿入するかまたは少なくとも1つの位置合わせ構造を少なくとも1つの位置決め構造に挿入して、結果としてパワーモジュールを基準とする横方向に沿った位置合わせツールのスライドをもたらすステップであって、横方向に沿った位置合わせツールのスライドが、集合板を基準とする垂直方向に沿ったパワーモジュールの制御された移動を伴う、ステップをさらに含む。パワーモジュールが集合板に位置合わせされる後に、位置合わせツールはパワーモジュールから解放される。
【0025】
パワーモジュールは、たとえば、この開示に記述される任意のパワーモジュールである。位置合わせツールは、たとえば、この開示に記述される任意の位置合わせツールである。位置合わせ構造および位置決め構造は、相互に補完的な幾何学的形態を有することができる。位置合わせツールは、パワーモジュールの2つ、3つ、4つもしくはそれを超える補完的な位置決め構造に挿入することができる、2つ、3つ、4つもしくはそれを超える位置合わせ構造を備え、またはその逆であることが、可能である。
【0026】
そのような方法では、位置合わせツールのおよび/またはパワーモジュールの制御された移動は、横方向においてのみでなく垂直方向においても達成することができる。たとえば、横方向に沿って位置合わせツールをプッシュまたは解放することによって、たとえば位置合わせツールを基準としておよび/または集合板を基準として、垂直方向におけるパワーモジュールの追加の移動が自動的に提供される。たとえば、スライド方向に依存して、または位置合わせ構造のおよび/もしくは位置決め構造の幾何学的形態に依存して、パワーモジュールは、垂直方向に沿ってプッシュダウンされまたは持ち上げられることができる。
【0027】
方法のさらなる実施形態によれば、パワーモジュールは、集合板に相互接続される。パワーモジュールの制御された移動は、垂直方向に沿って、たとえば集合板に向かってまたは集合板から離れるように、実行される。数個のパワーモジュールが集合板に相互接続されることが、可能である。集合板は、制御板またはプリント回路板とすることができる。集合板は、パワーモジュールの上側にまたは下側に配置することができる。
【0028】
したがって、パワーモジュールが集合板に機械的および/または電気的に接続される場合、パワーモジュールの位置、およびパワーモジュールの端子の位置は、それぞれ、集合板の位置に対しておよび電気的接触点の位置に対して、たとえば集合板のコンタクトホールの位置に対して相対的に非常に正確なやり方で調節されることができる。制御されたやり方でパワーモジュールを垂直に移動させるための追加的な自由は、集合板にモジュールを機械的に固定しおよび電気的に接続する過程を、大幅に簡単にする。これにより、横方向のみでなく垂直方向の位置合わせも促進される。
【0029】
方法のさらなる実施形態によれば、パワーモジュールは、横部分および垂直部分を有する、少なくとも1つのピン形端子を有する。横部分および垂直部分は、屈曲によって提供することができ、垂直部分は、垂直方向に向かって、たとえば集合板に向かって、屈曲させられる。端子の端セクションは、集合板のコンタクトホールに向かって垂直に向けられることができる。
【0030】
集合板は、ピン形端子を受け入れるための、少なくとも1つのコンタクトホールを備える。パワーモジュールの制御された移動は、ピン形端子の位置をコンタクトホールの位置に対して相対的に調節するように、およびピン形端子をコンタクトホールに挿入するように、構成することができる。パワーモジュールまたはモジュール構成要素は、複数のそのようなピン形端子を有することが可能である。集合板は、ピン形端子を受け入れるための、複数のコンタクトホールを備えることができる。ピン形端子は、プレス・フィット・ピンとすることができる。たとえば、ピン形端子は、それらの端部分にプレス・フィット・コネクタを有する。
【0031】
方法のまたは位置合わせツールのさらなる実施形態によれば、位置合わせツールの側面は、パワーモジュールの、少なくとも1つのピン形端子を受け入れおよび当該少なくとも1つのピン形端子の横位置を固定するための、または数個のピン形端子を受け入れおよび当該数個のピン形端子の横位置を固定するための、少なくとも1つの垂直スロットまたは数個の垂直スロットを備える。スロットは、プレスフィット端子として形成されたピン形端子を機械的に支持するための底面を有することができる。したがって、スロットは、たとえばプレスフィット端子をコンタクトホールに挿入する場合に、パワーモジュールを垂直方向に移動させるときに、機械的支持を提供することができる。加えて、または代替として、プレスフィット端子は、プレスフィット端子をコンタクトホールに挿入するときに機械的支持を提供するための、クロスバーを備えてもよい。したがって、機械的支持は、クロスバーのための機械的支持があるとき、位置合わせツールによって提供される。垂直スロットは、横方向にピン形端子を位置決めおよび位置合わせするための、V字形凹部として形成されてもよい。
【0032】
方法のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造、および少なくとも1つの位置合わせ構造は、相互に補完的な幾何学的形態を有する。たとえば、少なくとも1つの位置決め構造および少なくとも1つの位置合わせ構造のうちの一方は、凹部分として形成され、少なくとも1つの位置決め構造および少なくとも1つの位置合わせ構造のうちの他方は、凸部分として形成される。このように位置決め構造および位置合わせ構造を形成して、位置合わせツールおよびパワーモジュールは、所々で互いへ挿入されることができる。したがって、パワーモジュールと位置合わせツールとの間の相対的な位置を、挿入方向に対して直角をなす1つの横方向において、固定することができる。挿入方向に応じた位置合わせは、凹パートの端部分によって、またはパワーモジュールおよび位置合わせツールの側壁に触れることによって、提供することができる。ここでは、挿入方向に沿ってさらに、位置合わせツールをプッシュすることはできない。位置合わせツールおよびパワーモジュールは、そのような補完的な位置決め構造と位置合わせ構造の、少なくとも2つ、3つ、4つまたはそれを超える対を備えることができる。
【0033】
方法のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの位置決め構造および少なくとも1つの位置合わせ構造のうちの一方は、少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面を有する。垂直傾斜または垂直湾曲面は、位置合わせツールを横方向に沿ってスライドさせ、結果としてたとえば位置合わせツールを基準とする垂直方向に沿ったパワーモジュールの制御された移動をもたらすために、使用される。したがって、垂直傾斜または垂直湾曲面は、スライド面と考えることができる。位置決め構造および位置合わせ構造のうちの一方のみまたは両方が少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面を有することが、可能である。位置決め構造のまたは位置合わせ構造の凸部分は、より良好なスライドを提供するために、鋭い縁の代わりに、対応する構造と接触する傾斜、丸み、または面取り前面を有し得ることが可能である。
【0034】
本開示は、パワーモジュール、位置合わせツール、ならびにそれらの実施形態および例に基づいてパワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための方法の、数個の態様を含む。態様のうちの1つに関して記述されるあらゆる特徴は、それぞれの特徴が特定の態様の文脈で明示的には言及されていない場合でも、他の態様に関しても本明細書に開示される。たとえば、この開示に記述される方法は、ここに記述される位置合わせツールを使用してパワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための方法に向けられる。したがって、パワーモジュールまたは位置合わせツールに関連して記述される特徴および利点は、方法のために使用することができ、およびその逆である。
【0035】
本開示は、様々な修正および代替形態で扱えるが、それらの詳細は、例証として図に示され、詳しく記述される。しかしながら、本開示を特段の記述される実施形態および例に限定することが意図ではないことを、理解すべきである。それどころか、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内に入るすべての修正、均等なもの、および代替に及ぶことが意図である。
【0036】
伴われる図は、さらなる理解を提供するために含まれる。図において、同じ構造および/または機能の要素は、同じ参照符号に割り当てられ得る。図に示されている例は、実例となる表現であり必ずしも縮尺に忠実ではないことが、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】例によるパワーモジュールの一般概念を示す図である。
【
図2】例による位置合わせツールの一般概念を示す図である。
【
図3】いくつかの特定の例によるパワーモジュールのいくつかの具体的な実現を示す図である。
【
図4】いくつかの特定の例によるパワーモジュールのいくつかの具体的な実現を示す図である。
【
図5】いくつかの特定の例によるパワーモジュールのいくつかの具体的な実現を示す図である。
【
図6】いくつかの特定の例によるパワーモジュールのいくつかの具体的な実現を示す図である。
【
図7A】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図7B】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図7C】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図7D】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図8A】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図8B】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図8C】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図8D】パワーモジュールの異なる例による位置決め構造の異なるレイアウト、または位置合わせツールの異なる例による位置合わせ構造の異なるレイアウトを示す図である。
【
図9】集合板に相互接続される、パワーモジュールの、またはパワーモジュールのモジュール構成要素の例を示す図である。
【
図10A】位置合わせツールの、1つの例示的な実施形態を示す図である。
【
図10B】プレスフィット端子を受け入れるときの、位置合わせツールの受入れ部分の断面図である。
【
図11】パワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための方法の例による、いくつかの方法ステップを示す図である。
【
図12A】パワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための方法の例による、いくつかの方法ステップを示す図である。
【
図12B】パワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための方法の例による、いくつかの方法ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、実施形態によるパワーモジュール10の斜視図を示す。パワーモジュール10は、キャリア11と、キャリア11上に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素12とを備える。キャリア11は、冷却器またはヒートシンクであってもよいが、これらに制限されない。モジュール構成要素12は、電子チップ、半導体チップ、埋込み半導体チップ、基板であって、1個または数個のチップが当該基板上に配置された、基板、ダイオード、Siおよび/またはSiCおよび/または窒化ガリウムを含む構成要素、回路デバイス、ディスクリートデバイスであって、抵抗器、コンデンサ、誘導性構成要素、および/またはIGBT、HEMT、MOSFETなどのようなトランジスタのような、ディスクリートデバイスのうちの、1つまたは多くを備えることができるが、これらに限定されない。
【0039】
パワーモジュール10は、キャリア11の側面11Sによって部分的に、および少なくとも1つのモジュール構成要素12の側面12Sによって部分的に形成することができる、側面10Sを有する。パワーモジュール10の側面10Sは、位置決め構造13を備え、位置決め構造13のうちの少なくとも1つは、幾何学的形態を有し、ここで当該幾何学的形態は、位置合わせツール20を受け入れるように構成され、かつ位置合わせツール20をたとえば位置決め構造13のスライド面上でスライドさせるときにパワーモジュール10を垂直に移動させるようにさらに構成される。
【0040】
図2は、例示的な実施形態による位置合わせツール20の斜視図を示す。位置合わせツール20は、位置合わせ構造23を備える側面20Sを有する。位置合わせ構造23のうちの少なくとも1つは、パワーモジュール10の、1つの位置決め構造13にドッキングするように構成される。たとえば、位置合わせツール20は、位置合わせ構造23が面上を、たとえば位置決め構造13のスライド面上を横方向に沿ってスライドするとき、位置合わせツール20が位置決め構造13およびその対応する位置合わせ構造23の幾何学的形態に起因してパワーモジュール10を垂直方向に沿って移動させ、その結果たとえばパワーモジュール10を押し下げまたはパワーモジュール10を持ち上げるように、構成される。たとえば、位置合わせツール20を横方向に沿ってスライドさせる過程は、自動的に、結果としてパワーモジュール10を垂直方向に沿って移動させることをもたらす。
【0041】
図1に示すパワーモジュール10の位置決め構造13は、
図2に示す位置合わせツール20の対応する位置合わせ構造23に対する片割れを提供することができる。たとえば、位置決め構造13は凸部分であり、かつ対応する位置合わせ構造23は凹部分であり、またはその逆である。
【0042】
図3は、別の実施形態によるパワーモジュール10の斜視図を示す。ここでは、位置決め構造13は、キャリア11の側面11Sに形成される。たとえば、位置決め構造13は、キャリア11の側面11Sの上縁に形成される。側面11Sの上縁は、側面11Sとキャリア11の頂面との間の境界線として見ることができる。この場合、位置決め構造13はまた、キャリア11の頂面に部分的に形成される。
図3に示すように、キャリア11の頂面は、モジュール構成要素12または複数のモジュール構成要素12が配置される面である。
【0043】
図4は、別の実施形態によるパワーモジュール10の斜視図を示す。ここでは、位置決め構造13は、キャリア11の側面11Sに形成され、側面11Sのいずれの縁からも離間している。
【0044】
図5は、別の実施形態によるパワーモジュール10の斜視図を示す。ここでは、位置決め構造13は、モジュール構成要素12の側面12Sに形成される。
図5によれば、位置決め構造13は、モジュール構成要素12の側面12Sの上縁に形成することができる。
【0045】
モジュール構成要素12は、ハウジング本体12H、たとえば成形ハウジング本体を備えることができ、少なくとも1つの位置決め構造13を備える、モジュール構成要素12の側面12Sは、ハウジング本体12Hの側面とすることができる。モジュール構成要素12の各々は、ハウジング本体12Hを有することが可能である。あるいは、キャリア11上に配置されたモジュール構成要素12が共通のハウジング本体12Hを共有することも、可能である。これは、たとえば
図6に示されている。
【0046】
位置決め構造13に類似して、
図2に示す通りの位置合わせ構造23は、位置合わせツール20の側面20S上で、側面20Sのいずれの縁からも離間した位置に形成することができる。あるいは、位置合わせ構造23が位置合わせツール20の側面20Sの上縁におよび/または横縁に形成されることも、可能である。
【0047】
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図8A、
図8B、
図8C、および
図8Dは、位置決め構造13のまたは位置合わせ構造23の異なる例示的な幾何学的形態を示す。位置合わせ構造23のおよび補完的な位置決め構造13の幾何学的形態およびサイズは交換されてもよいので、
図7A~
図8Dに示される幾何学的形態は、位置決め構造13および位置合わせ構造23の両方に適用されてもよい。その上、位置合わせツール20を横Y方向に沿ってスライドさせるときにパワーモジュール10が垂直Z方向に沿ってプッシュダウンされるべきかまたは持ち上げられるべきかに依存して、位置決め構造13のまたは位置合わせ構造23の例示的な幾何学的形態は、横Y方向に沿った1つの軸の周りに180°の角度だけ回転させられるようにさえ形成されてもよく、それは
図7A~
図8Dに明示的には示されていない。
【0048】
たとえば、
図7A、
図7B、
図7C、
図8A、
図8B、および
図8Cのうちのいずれの1つにも示される位置決め構造13の面上でY方向に沿って、たとえば
図8Dに示されるように、たとえば直方体様の形態を有する、凸部分23Pの形態を有する位置合わせ構造23を有する位置合わせツール20を横にスライドさせて、パワーモジュール10は、Z方向に沿ってプッシュダウンされ、その結果、位置合わせツール20を基準とする、垂直Z方向Zに沿ったパワーモジュール10の制御された下方への移動がもたらされる。しかしながら、
図7A、
図7B、
図7C、
図8A、
図8B、または
図8Cに示す位置決め構造13が横Y方向の周りに180°の角度だけ回転される場合、
図8Dに示す位置合わせツール20をY方向に沿ってスライドさせることは、結果として、位置合わせツール20を基準とする、上方への垂直Z方向に沿った、パワーモジュール10の制御された移動をもたらす。この場合、パワーモジュール10は、持ち上げられる。
【0049】
この開示では、
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図8A、
図8B、
図8C、および
図8Dに示す位置決め構造13のおよび位置合わせ構造23の任意の組合せは、位置決め構造13が凹部分として形成されていてかつ位置合わせ構造23が凸部分として形成されているとき、またはその逆のとき、垂直方向Zに沿ったパワーモジュール10の制御された上方または下方への移動を実行するために使用することができ、必要な場合には、位置決め構造13または位置合わせ構造23は、横Y方向に沿って1つの軸の周りに180°の角度だけ回転させられることさえでき、それは
図7A~
図8Dに明示的には示されていない。凹部分または凸部分は、凸部分の凹部分への挿入を改善するために、側壁の、たとえばそれぞれ先端におけるまたは入口における、少なくとも傾斜部分を有してもよい。これらの部分は、挿入をより容易にするために、X方向の許容範囲を提供する。
【0050】
図7Aは、側面10Sまたは20Sの縁に、ここでは上縁に凹部分13Rまたは23Rとして形成される、位置決め構造13または位置合わせ構造23を示す。凹部分13Rまたは23Rは、たとえば水平方向である、第1の横X方向に沿った横幅Wと、たとえば長手方向である、第2の横Y方向に沿った横長さLと、垂直Z方向に沿った垂直高さHとを有する。横幅Wは、位置決め構造13の横幅13W、または位置合わせ構造23の横幅23Wとすることができる。横長さLは、位置決め構造13の横長さ13L、または位置合わせ構造23の横長さ23Lとすることができる。垂直高さHは、位置決め構造13の垂直高さ13H、または位置合わせ構造23の垂直高さ23Hとすることができる。
【0051】
凹部分13Rまたは23Rは、凹部分13Rまたは23Rの垂直壁とは異なる面、ここでは底面を備え、面は、第1の部分面と、第1の部分面に隣接する第2の部分面と、第2の部分面に隣接する第3の部分面とを備える。第2の部分面または全底面は、スライド面を形成することができる。パワーモジュール10の場合、凹部分13Rの第1の部分面、第2の部分面、および第3の部分面は、それぞれ位置決め構造13の第1の部分面131、第2の部分面132、および第3の部分面133とすることができる。位置合わせツール20の場合、凹部分23Rの第1の部分面、第2の部分面、および第3の部分面は、それぞれ位置合わせ構造23の第1の部分面231、第2の部分面232、および第3の部分面233とすることができる。
【0052】
図7Aからは離れて、凹部分13Rまたは23Rは、第2の部分面のみ、第1および第2の部分面のみ、または第2および第3の部分面のみを備えることが可能である。
【0053】
図7Aに示すように、第1の部分面および/または第3の部分面(ならびに/は)横に平坦な部分面である。第2の部分面は、垂直傾斜面である。したがって、
図7Aに示すように、位置決め構造13または位置合わせ構造23は、第2の部分面132または232によって形成される、垂直傾斜面13Sまたは23Sを所々に有する。位置合わせツール20を垂直傾斜面上で横Y方向に沿ってスライドさせることは、結果として垂直Z方向に沿ったパワーモジュール10の制御された移動をもたらす。垂直傾斜面13Sまたは23Sは、位置決め構造13のまたは位置合わせ構造23の、局所傾斜ランプと考えることができる。
図7Aに示すように、スロット様の構造のX延在部は、X方向の位置合わせを提供し、スロット様の構造の端壁は、Y方向の位置合わせを提供する。あるいは、パワーモジュール10および位置合わせツール20の、側壁は、触れ、挿入を止める。
【0054】
図7Bに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23は、
図7Bにおける位置決め構造13または位置合わせ構造23の位置が側面11S、12S、または20Sのいずれの縁からも離間していることを除いて、
図7Aに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23と基本的に同一である。なおまた、
図7Bにまたはこの開示の任意の他の図に示す、凹部分13Rまたは23Rは、横Y方向に沿った1つの軸の周りに180°の角度だけ回転させられることが可能である。
【0055】
図7Cに示される位置決め構造13または位置合わせ構造23は、第2の部分面132または232によって形成される垂直湾曲面13Sまたは23Sを位置決め構造13または位置合わせ構造23が少なくとも所々に有することを除いて、
図7Aに示される位置決め構造13または位置合わせ構造23と基本的に同一である。
【0056】
垂直湾曲面13Sまたは23Sは、位置決め構造13または位置合わせ構造23の、局所傾斜ランプと考えることができる。
図7Cから逸脱して、かつ
図7Bに開示された例に類似して、位置決め構造13または位置合わせ構造23は、側面11S、12S、または20Sのいずれの縁からも離間されることが可能である。
【0057】
図7Dに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23は、凹部分13Rまたは23R、すなわち位置決め構造13または位置合わせ構造23が横に平坦な底面を有することを除いて、
図7Aに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23と基本的に同一である。この場合、対応する位置合わせ構造23のまたは対応する位置決め構造13の全底面は、垂直傾斜または垂直湾曲のスライド面を形成してもよい。
図7Dから逸脱して、かつ
図7Bに示される例に類似して、
図7Dに示される位置決め構造13または位置合わせ構造23は、側面11S、12S、または20Sのいずれの縁からも離間されることが可能である。垂直Z方向に沿ったパワーモジュール10の制御された移動を達成するために、補完的な位置合わせ構造23または補完的な位置決め構造13は、たとえば垂直傾斜または垂直湾曲面13Sまたは23Sを少なくとも所々に有する、凸部分13Pまたは23Pとして形成されてもよい。
【0058】
図8Aに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23は、位置決め構造13または位置合わせ構造23が側面11S、12S、または20S上に凸部分13Pまたは23Pとして形成されることを除いて、基本的に、
図7Aに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23である。凸部分および凹部分は、異なるジオメトリおよび/またはサイズを有することができる。
【0059】
この場合、凸部分13Pまたは23Pの頂面は、第1の部分面131または231と、第1の部分面131または231に隣接する第2の部分面132または232と、第2の部分面132または232に隣接する第3の部分面133または233とを備え、第1の部分面131もしくは231および/または第3の部分面133もしくは233は、横に平坦であり、第2の部分面132または232は、垂直傾斜である。凸部分13Pまたは23Pの下面は、横に平坦な面とすることができる。
【0060】
しかしながら、
図8Aにまたはこの開示の任意の他の図に示す、凸部分13Pまたは23Pは、横方向Yに沿った1つの軸の周りに180°の角度だけ回転させられることが可能である。この場合、凸部分13Pまたは23Pの下面は、第1、第2、および第3の部分面を備える。
【0061】
図8Bに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23は、
図8Bにおける位置決め構造13のまたは位置合わせ構造23の位置が側面11S、12S、または20Sのいずれの縁からも離間していることを除いて、
図8Aに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23と基本的に同一である。
【0062】
図8Cに示される位置決め構造13または位置合わせ構造23は、第2の部分面132または232によって形成される垂直湾曲面13Sまたは23Sを位置決め構造13または位置合わせ構造23が少なくとも所々に有することを除いて、
図8Aに示される位置決め構造13または位置合わせ構造23と基本的に同一である。
図8Cから逸脱して、かつ
図8Bに開示された例に類似して、位置決め構造13のまたは位置合わせ構造23の位置は、側面11S、12S、または20Sのいずれの縁からも離間されることが可能である。
【0063】
図8Dに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23は、凸部分13Pまたは23P、すなわち位置決め構造13または位置合わせ構造23が横に平坦な頂面を有することを除いて、
図8Aに示す位置決め構造13または位置合わせ構造23と基本的に同一である。
図8Dから逸脱して、かつ
図8Bに開示された例に類似して、
図8Dに示される位置決め構造13または位置合わせ構造23は、側面11S、12S、または20Sのいずれの縁からも離間されることが可能である。またこの場合、対応するまたは補完的な位置合わせ/位置決め構造23/13は、少なくとも一部において傾斜したまたは湾曲した底面を有するべきである。
【0064】
図9は、集合板30に相互接続される、パワーモジュール10の、またはパワーモジュール10のモジュール構成要素12の例を示し、パワーモジュール10は、垂直Z方向に向かって屈曲させられた、少なくとも1つのピン形端子12Aまたは数個のピン形端子12Aを有する。ピン形端子12Aは、パワーモジュール10のまたはモジュール構成要素12の、補助または制御端子とすることができる。パワーモジュール10またはモジュール構成要素12は、少なくとも1つの主端子12M、または複数の主端子12Mをさらに備えることができる。集合板30は、ピン形端子12Aを受け入れるための、少なくとも1つのコンタクトホール30Hまたは複数のコンタクトホール30Hを備える。ピン形端子12Aは、かなりの機械的な力のための支持についての必要なものも提供する、挿入されるためのプレス・フィット・セクションを有してもよい。集合板30は、プリント回路板として実現される制御板とすることができる。
【0065】
図9に概略的に示すように、集合板30は、パワーモジュール10の頂部の垂直位置に配置されてもよい。たとえば
図10Aに示す、位置合わせツール20を使用して、パワーモジュール10を、横X方向およびY方向における集合板30の位置を基準として位置決めおよび位置合わせすることができる。位置合わせツール20を横Y方向に沿って追加的にスライドさせることは、自動的に、結果としてパワーモジュール10を垂直Z方向に沿って位置合わせツール20を基準としてよく制御されたやり方で移動させることをもたらす。したがって、パワーモジュール10の制御された移動は、XおよびY方向における集合板30のコンタクトホール30Hの位置に対して相対的なピン形端子12Aの位置を調節するように、ならびになおまたピン形端子12Aをコンタクトホール30Hに効率的かつ確実なやり方で挿入するように、構成することができる。ここでは、XおよびY方向の位置合わせのみならず、ピン形端子12Aの挿入は、1つの単一ステップで実行することができる。
【0066】
図10Aに示すように、位置合わせツール20は、その側面20Sに少なくとも2つの位置合わせ構造23を備える。位置合わせ構造23は、凸部分として形成される。なおまた、側面20Sは、パワーモジュール10のピン形端子12Aを受け入れるための垂直スロット20Aを備えることができる。たとえば、垂直スロット20Aはまた、ピン形端子12Aの横位置を固定するように構成される。その上、垂直スロット20Aはまた、たとえばプレスフィット接触部として形成されたピン形端子12Aの挿入の場合に、Z方向に移動するときに機械的支持を提供する。
【0067】
図10Aに示すように、垂直スロット20Aは、横方向にピン形端子12Aを位置決めおよび位置合わせするための、V字形凹部として形成されてもよい。これは、垂直スロット20Aの、側壁および端壁によって提供することができる。ピン形端子12Aのクロスバー12Bを受け入れるための、垂直スロット20Aおよび/または垂直スロット20Aの受入れ部分20Rの、底面は、ピン形端子12Aがコンタクトホール30Hに挿入されるときの、垂直Z方向における端子12Aの適切な位置合わせを提供するためにおよび/もしくは位置決めのために、ならびに/または機械的支持のために、使用されることが可能である。
【0068】
たとえばプレスフィット端子であるピン形端子12Aのクロスバー12Bのための受入れ部分20Rが利用可能である場合、受入れ部分20Rはまた、横方向における、たとえば横Y方向におけるピン形端子12Aの位置合わせをサポートしてもよい。受入れ部分20Rは、それらの底面上で機械的支持を提供することもでき、したがってZ方向におけるピン形端子12Aの位置合わせを提供することもできる。底面による機械的支持は、プレスフィット端子12Aが集合板30のコンタクトホール30H内へ挿入されまたは押されるときの、
図10Bに示す機械的支持に類似する。
図10Bに示すように、コンタクトホール30Hの、内側において、および一部において外側において、集合板30は、プレスフィット端子12Aとの電気的接触を有するための接触層30Cを設けられてもよい。接触層30Cは、メタライゼーションであってもよい。
【0069】
クロスバー12Bに加えて、またはクロスバー12Bの代替として、スロットは、プレスフィット端子を機械的に支持するための底面を有することができ、だからスロットは、たとえばプレスフィット端子をコンタクトホールに挿入する場合に、パワーモジュールを垂直方向に移動させるときに、機械的支持を提供することができる。
【0070】
位置合わせツール20の側面20Sは、パワーモジュール10の主端子12Mを受け入れるための凹部20Mをさらに備えることができる。凹部20Mは、U字形凹部であってもよい。U字形凹部は、たとえばV字形凹部として形成される、垂直スロット20Aより大ぶりなサイズ、たとえばより大ぶりな幅および/またはより大ぶりな長さおよび/またはより大きい高さを有することができる。
【0071】
図11は、パワーモジュール10の位置決め構造13と、位置合わせツール20の、その位置決め構造13の補完的な位置合わせ構造23との使用の実例である。凹部分13Rである、
図11における位置決め構造13は、
図7Aにも示されている。凸部分23Pである、
図11における位置合わせ構造23は、
図8Dにも示されている。凹部分13Rまたは凸部分23Pは、凸部分23Pの凹部分13Rへの挿入を改善するために、側壁の、たとえばそれぞれ先端におけるまたは入口における、少なくとも傾斜、丸み、または面取り部分を有し得ることが可能である。
【0072】
ここでは、位置決め構造13の第1の横に平坦な部分面131は、位置合わせツール20の位置合わせ構造23を受け入れるように構成される。位置合わせツール20を横X方向に沿って移動させることは、パワーモジュール10の垂直位置を変更することなく、パワーモジュール10の横位置を微調整してもよい。しかしながら、位置決め構造13の第2の垂直傾斜部分面132上で横Y方向に沿って位置合わせ構造23を横にスライドさせることは、結果として位置合わせツール20を基準として垂直Z方向に沿ってパワーモジュール10をプッシュダウンすることをもたらす。したがって、横Y方向に沿った位置合わせツール20のスライドは、垂直Z方向に沿ったパワーモジュール10の制御された移動を伴う。位置決め構造13の第3の横に平坦な部分面133は、位置合わせ構造23のための緩衝領域として作用することができ、Y方向に沿ったパワーモジュール10の可能性のある位置ずれを防止するために使用されることができる。
【0073】
図11に関連して、位置決め構造13および位置合わせ構造23は、相互に補完的な幾何学的形態を有し、位置決め構造13は、凹部分13Rとして形成され、位置合わせ構造23は、凸部分23Pとして形成される。
図11から逸脱して、たとえば
図7A~
図8Dに示すように、位置決め構造13が凸部分13Pとして形成され位置合わせ構造23が凹部分23Rとして形成されることも、可能である。
【0074】
図12Aおよび
図12Bは、位置合わせツール20を使用することによってパワーモジュール10を位置決めおよび位置合わせするためのいくつかの方法ステップの概観を提供する。
図12Aに示す位置合わせツール20は、
図10Aにも示されている。
図12Aおよび
図12Bによれば、パワーモジュール10は、複数のモジュール構成要素12、たとえば3つのモジュール構成要素12を備えることができる。モジュール構成要素12の各々は、複数のピン形端子12A、および少なくとも1つの主端子12Mを有することができる。
【0075】
図12Aによれば、位置合わせツール20は、パワーモジュール10の側面10Sに位置決めされ、位置合わせツール20は、凸部分として実現される少なくとも2つの位置合わせ構造23を備える、側面20Sを有する。位置合わせ構造23は、パワーモジュール10の側面10Sの位置決め構造13にドッキングするように構成され、位置決め構造13は、上縁の隣の凹部分として実現することができる。位置合わせツール20の、垂直スロット20Aおよび凹部20Mは、それぞれピン形端子12Aおよび主端子12Mを受け入れるように構成される。垂直スロット20Aは、たとえばプレスフィット端子であるピン形端子12Aのクロスバーのための受入れ部分を提供し得ることが可能である。最後に、これはまた、Z方向におけるピン形端子12Aの適切な位置合わせおよび/または位置決めを提供する。
【0076】
図12Aによれば、パワーモジュール10は、上縁の隣のパワーモジュール10の2つの横端部に、たとえばパワーモジュール10のキャリア11の2つの横端部に位置する、たとえば2つの凹部分13Rの形態の、2つの位置決め構造13を有する。したがって、位置合わせツール20とパワーモジュール10との間の特別な位置合わせ特徴を実現することができ、当該位置合わせ特徴は、Y方向およびZ方向における位置合わせツール20の制御された移動を応用することによって、簡単な位置合わせ手順を促進する。
【0077】
位置合わせ特徴は、たとえば局所傾斜または湾曲面またはランプの形態の、1つ以上のスライド面によって実現することができる。たとえば、局所傾斜または湾曲ランプは、パワーモジュール10の、1つ以上の局所凹部分13Rのジオメトリによって実現され、局所凹部分13Rは、スライド面または局所ランプを備える。位置合わせツール20の、対応するまたは補完的な凸部分23Pは、凹部分13Rに挿入されることができる。
【0078】
図12Bによれば、位置合わせ構造23は、補完的な位置決め構造13に挿入され、またはその逆である。たとえば、最初に、位置合わせツール20の凸部分23Rと組み合わせたパワーモジュール10の凹部分13Rは、X方向における良好な位置決めを提供することができる。たとえばスロット様の形状の凹部分13Rに起因して、位置合わせツール20は、たとえばY方向にのみ、プッシュされることができる。位置合わせツール20をY方向に沿ってスライドさせて、ランプ構造を備える凹部分13Rは、Z方向における端子12Aの正確な位置合わせを達成するために、Z方向におけるパワーモジュール10の追加の移動を自動的に提供する。言い換えれば、横Y方向に沿った位置合わせツール20のスライドは、垂直Z方向に沿ったパワーモジュール10の制御された移動を伴う。
【0079】
図9に関連して記述したように、パワーモジュール10の制御された移動は、集合板30のコンタクトホール30Hの位置に対して相対的なピン形端子12Aの位置を調節するために、およびしたがってピン形端子12Aをコンタクトホール30Hに簡単であるがしかし効率的かつ確実なやり方で挿入するために、使用することができる。たとえば、クロスバー12Bのための受入れ部分20Rによって、または補助端子12Aの底部上における、機械的支持を提供または強化することができる(
図10Bを参照されたい)。
【0080】
本開示は、たとえば集合板30に、1個または数個のパワー半導体モジュール10、たとえば成形パワー半導体モジュールを機械的および電気的に固定する過程を簡単にするための解決策を提案する。パワー半導体モジュール10は、垂直Z方向において上方に屈曲した、ピン形補助端子12Aを有してもよい。相互接続のために、ピン形端子12Aは、集合板30の、対応する開口部またはコンタクトホール30Hに挿入される。集合板30への制御端子12Aの固定は、たとえばはんだ付けによって、または補助端子12Aの端部分におけるプレスフィット構造を使用することによって、実行することができる。
【0081】
ピン形端子12Aがプレスフィット端子12Aとして形成される場合、多くの場合、XおよびY方向においてのみ適切な位置合わせを提供することは、十分ではないことがある。プレスフィット端子12Aがコンタクトホール30Hに挿入されるとき、プレスフィット端子12Aは、それらプレスフィット端子12Aの水平セクションを含めて、かなりの機械的な力にさらされる。したがって、プレスフィット端子12Aの挿入のための十分な機械的な力を提供するために、およびプレスフィット端子12Aの望まれない屈曲を防止するために、プレスフィット端子12Aは機械的支持を要求する。これは、たとえば、クロスバー12Bを受け入れるための受入れ部分20Rの底面における、または補助端子12Aの底部における、機械的支持を提供することによって実現することができる(
図10Bを参照されたい)。なおまた、プレスフィット端子12Aとコンタクトホール30Hとの間の適切な接合接続を達成するためには、Z方向におけるプレスフィット端子12Aの位置合わせが望ましい。さもなければ、端子12Aのプレスフィット部分は、集合板30よりも下または上に設置される可能性があり、この場合、適切な機械的および/または電気的な相互接続は達成されない。
【0082】
ここに記述されるパワーモジュール10および位置合わせツール20を使用して、横XおよびY方向においてのみでなく垂直Z方向においても適切な位置合わせを保証することができる。したがって、いくつかのピン形端子12Aが屈曲もしくは変位させられること、またはすべてのピン形端子12Aが集合板30のコンタクトホール30Hにフィットするわけではないことを、防止することができる。
【0083】
表明される通りの図に示す実施形態は、パワーモジュールの、ならびにパワーモジュールを位置決めおよび位置合わせするための位置合わせツールの、例示的な実施形態を表現する。それゆえ、それらは、パワーモジュールまたは位置合わせツールについての、改善された配置によるすべての実施形態の完全な列挙となるものではない。パワーモジュールのまたは位置合わせツールの実際の配置は、上述の例示的な実施形態とは違うものであり得る。
【符号の説明】
【0084】
参照符号
10 パワーモジュール
10S パワーモジュールの側面
11 キャリア
11S キャリアの側面
12 モジュール構成要素
12A モジュール構成要素/パワーモジュールの、補助端子/ピン形端子
12B クロスバー
12M モジュール構成要素/パワーモジュールの、主端子
12H モジュール構成要素のハウジング本体
12S モジュール構成要素の側面
13 パワーモジュールの位置決め構造
13L 位置決め構造の横長さ
13H 位置決め構造の垂直高さ
13W 位置決め構造の横幅
13P パワーモジュールの側面の凸部分
13R パワーモジュールの側面の凹部分
13S 位置決め構造の垂直傾斜または湾曲面
131 位置決め構造の第1の部分面
132 位置決め構造の第2の部分面
133 位置決め構造の第3の部分面
20 位置合わせツール
20A 位置合わせツールの垂直スロット
20M 位置合わせツールの凹部
20R 位置合わせツールの受入れ部分
20S 位置合わせツールの側面
23 位置合わせツールの位置合わせ構造
23L 位置合わせ構造の横長さ
23H 位置合わせ構造の垂直高さ
23W 位置合わせ構造の横幅
23P 位置合わせツールの側面の凸部分
23R 位置合わせツールの側面の凹部分
23S 位置合わせ構造の垂直傾斜または湾曲面
231 位置合わせ構造の第1の部分面
232 位置合わせ構造の第2の部分面
233 位置合わせ構造の第3の部分面
30 集合板
30H 集合板のコンタクトホール
30C 接触層
L 位置決め/位置合わせ構造の横長さ
H 位置決め/位置合わせ構造の垂直高さ
W 位置決め/位置合わせ構造の横幅
X 横方向/水平方向
Y 横方向/長手方向
Z 垂直方向
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモジュール構成要素(12)を備えるパワーモジュール(10)であって、
前記パワーモジュール(10)が、側面(10S)を有し、
前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)が、位置決め構造(13)を備え、
前記位置決め構造(13)のうちの少なくとも1つが、位置合わせツール(20)を受け入れるように構成され、かつ前記位置合わせツール(20)を横方向に沿ってスライドさせるときに、前記パワーモジュール(10)を垂直に移動させるようにさらに構成された幾何学的形態を有し、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)を有する、および/または、前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記少なくとも1つのモジュール構成要素(12)の側面(12S)に形成される、パワーモジュール(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、第1の平坦部分面(131)および第2の部分面(132)を備え、前記第2の部分面(132)が、前記第1の平坦部分面(131)に隣接し、前記垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)によって提供されるスライド面を形成する、
請求項1に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)の凹部分(13R)として形成される、
請求項1または2に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)の凸部分(13P)として形成される、
請求項1または2に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項5】
キャリア(11)を備え、
前記少なくとも1つのモジュール構成要素(12)が、前記キャリア(11)上に配置され、
前記キャリア(11)が、冷却器またはヒートシンクであり、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記キャリア(11)の側面(11S)に形成される、
請求項1または2に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、
1.5mm~15mmの範囲の横幅(13W)、
4mm~15mmの範囲の横長さ(13L)、および
2mm~10mmの範囲の垂直高さ(13H)を有する、
請求項1または2に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項7】
前記パワーモジュール(10)が、横部分および垂直部分を各々有する少なくとも1つまたは数個のピン形端子(12A)を有し、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)が、前記位置合わせツール(20)をスライドさせるように、ならびに前記位置合わせツール(20)をスライドさせるときに前記位置合わせツール(20)を基準として前記パワーモジュール(10)を垂直に移動させるように、およびしたがって前記少なくとも1つまたは前記数個のピン形端子を垂直方向(Z)に沿って移動させるように構成された前記幾何学的形態を有する、
請求項1または2に記載のパワーモジュール(10)。
【請求項8】
位置合わせツール(20)を使用して集合板(30)を基準としてパワーモジュール(10)を位置合わせするための方法であって、
前記パワーモジュール(10)の側面(10S)を、前記位置合わせツール(20)の側面(20S)に位置決めすることであって、前記位置合わせツール(20)の前記側面(20S)が、位置合わせ構造(23)を備え、前記位置合わせ構造(23)のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの位置決め構造(13)を前記パワーモジュール(10)の前記側面(10S)にドッキングするように構成される、ことと、
前記集合板(30)を基準として前記パワーモジュール(10)を位置合わせするために、前記少なくとも1つの位置決め構造(13)を前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)に挿入するかまたは前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)を前記少なくとも1つの位置決め構造(13)に挿入して、結果として前記パワーモジュール(10)を基準とする横方向(Y)に沿った前記位置合わせツール(20)のスライドをもたらすことであって、前記横(Y)方向に沿った前記位置合わせツール(20)の前記スライドが、前記集合板(30)を基準とする垂直方向(Z)に沿った前記パワーモジュール(10)の制御された移動を伴う、ことと、
前記パワーモジュール(10)が前記集合板(30)に位置合わせされる後に、前記位置合わせツール(20)が前記パワーモジュール(10)から解放されることとを含む、方法。
【請求項9】
前記パワーモジュール(10)が、横部分および垂直部分を各々有する少なくとも1つのピン形端子(12A)を有し、前記垂直部分が、前記集合板(30)に向かって向けられており、
前記集合板(30)が、前記ピン形端子(12A)を受け入れるための少なくとも1つのコンタクトホール(30H)を備え、
前記パワーモジュール(10)の前記制御された移動が、前記ピン形端子(12A)の位置を前記コンタクトホール(30H)の位置に対して相対的に調節するように、および前記ピン形端子(12A)を前記コンタクトホール(30H)に挿入するように、構成されており、
前記パワーモジュール(10)の前記制御された移動を実行することによって、前記パワーモジュール(10)が、集合板(30)に相互接続される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記位置合わせツール(20)の前記側面(20S)が、前記少なくとも1つのピン形端子(12A)を受け入れおよび前記少なくとも1つのピン形端子(12A)の横位置を固定するための少なくとも1つの垂直スロット(20A)を備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)が、相互に補完的な幾何学的形態を有し、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)のうちの一方が、凹部分(13R、23R)として形成され、
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)のうちの他方が、凸部分(13P、23P)として形成される、
請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの位置決め構造(13)および前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)のうちの一方が、少なくとも所々に垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)を有し、前記垂直傾斜または垂直湾曲面(13S)が、前記位置合わせツール(20)を前記横方向(Y)に沿ってスライドさせ、結果として前記位置合わせツール(20)を基準とする前記垂直方向(Z)に沿った前記パワーモジュール(10)の前記制御された移動をもたらすために使用される、
請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
位置合わせ構造(23)を備える側面(20S)を有する位置合わせツール(20)であって、前記位置合わせ構造(23)のうちの少なくとも1つが、請求項1に記載のパワーモジュール(10)の、1つの位置決め構造(13)にドッキングするように構成され、前記位置合わせツール(20)が、前記少なくとも1つの位置合わせ構造(23)が横方向(Y)に沿って前記パワーモジュール(10)の面上をスライドするとき、前記位置合わせツール(20)の横移動が前記位置合わせツール(20)を基準とする垂直方向(Z)に沿った前記パワーモジュール(10)の制御された移動を伴うように構成される、位置合わせツール(20)。
【外国語明細書】