(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049052
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20240402BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240402BHJP
F24F 8/167 20210101ALI20240402BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20240402BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20240402BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
F24F7/06 Z
F24F8/108 120
F24F8/167
F24F8/22
A61L9/20
A61L9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155284
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】福田 直生
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳
【テーマコード(参考)】
3L058
4C180
【Fターム(参考)】
3L058BG03
3L058BG04
3L058BG05
4C180AA02
4C180AA07
4C180CA10
4C180CC03
4C180DD03
4C180EA27Y
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180EA54X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
(57)【要約】
【課題】 配設位置に制約を受けにくい空気処理装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、空気処理装置は、天井部または側壁部に取り付けられる空気処理槽と、吸気口と、排気口と、ファンと、紫外光光源とを備える。空気処理槽は、第1の空間部を形成する第1の壁部と、第1の空間部と区画される仮想的な隔壁を介して連通する1又は複数の第2の空間部を形成する第2の壁部とを有する。吸気口は、空気処理槽に設けられ、部屋側から空気処理槽内に空気を吸気する。排気口は、空気処理槽に設けられ、空気処理槽内から部屋側に空気を排気する。ファンは、空気処理槽に設けられ、吸気口から排気口に向けて空気の流れを作り出す。紫外光光源は、空気処理槽に設けられ、空気処理槽内に紫外線を照射する。空気処理槽は、第1の壁部及び第2の壁部により、全体として直方体又は立方体とは異なる形状に形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の空間部を形成する第1の壁部と、前記第1の空間部と区画される仮想的な隔壁を介して連通する1又は複数の第2の空間部を形成する第2の壁部とを有し、天井部または側壁部に取り付けられる空気処理槽と;
前記空気処理槽に設けられ、部屋側から前記空気処理槽内に空気を吸気する吸気口と;
前記空気処理槽に設けられ、前記空気処理槽内から前記部屋側に空気を排気する排気口と;
前記空気処理槽に設けられ、前記吸気口から前記排気口に向けて空気の流れを作り出すファンと;
前記空気処理槽に設けられ、前記空気処理槽内に紫外線を照射する紫外光光源と;
を備え、
前記空気処理槽は、前記第1の壁部及び前記第2の壁部により、全体として直方体又は立方体とは異なる形状に形成される、空気処理装置。
【請求項2】
前記空気処理槽において、前記仮想的な隔壁に沿って設けられる光触媒フィルタと;
を備える、請求項1に記載の空気処理装置。
【請求項3】
前記吸気口は、前記第1の空間部に設けられ、
前記排気口は、前記第2の空間部に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の空気処理装置。
【請求項4】
前記複数の第2の空間部は、互いに離間し、前記仮想的な隔壁をそれぞれ介して前記第1の空間部と連通し、
前記吸気口は、前記複数の第2の空間部の少なくとも1つに設けられ、
前記排気口は、前記複数の第2の空間部のうち、前記吸気口が設けられる第2の空間部とは異なる第2の空間部に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気処理装置の空気処理槽は、概して矩形箱型形状となっている。そのため、天井などに空気処理装置を配設しようとする際に、既に天井に配設されている部材に干渉する虞があり、配設位置に制約を受けることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、空気処理装置は、天井部または側壁部に取り付けられる空気処理槽と、吸気口と、排気口と、ファンと、紫外光光源とを備える。空気処理槽は、第1の空間部を形成する第1の壁部と、第1の空間部と区画される仮想的な隔壁を介して連通する1又は複数の第2の空間部を形成する第2の壁部とを有する。吸気口は、空気処理槽に設けられ、部屋側から空気処理槽内に空気を吸気する。排気口は、空気処理槽に設けられ、空気処理槽内から部屋側に空気を排気する。ファンは、空気処理槽に設けられ、吸気口から排気口に向けて空気の流れを作り出す。紫外光光源は、空気処理槽に設けられ、空気処理槽内に紫外線を照射する。空気処理槽は、第1の壁部及び第2の壁部により、全体として直方体又は立方体とは異なる形状に形成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る空気処理装置アセンブリの概略的な斜視図。
【
図2】
図1に示す空気処理装置アセンブリの空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図3】第1実施形態の第1変形例に係る空気処理装置アセンブリの概略図。
【
図4】
図3中のIV-IV線に沿う概略的な断面図。
【
図5】第1実施形態の第2変形例に係る空気処理装置アセンブリの概略図。
【
図6】
図5中のVI-VI線に沿う概略的な断面図。
【
図7】第2実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図8】第3実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図9】第4実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図10】第5実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図11】第6実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図12】第7実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図13】第8実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図14】第9実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【
図15】第10実施形態に係る空気処理装置の各要素を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の空気処理装置(10)は、空気処理槽(12)と、吸気口(14)と、排気口(16)と、ファン(20)と、紫外光光源(18)とを備える。空気処理槽(12)は、第1の空間部(32)を形成する第1の壁部(31)と、第1の空間部(32)と区画される仮想的な隔壁を介して連通する1又は複数の第2の空間部(34)を形成する第2の壁部(33)とを有し、天井または壁面に取り付けられる。吸気口(14)は、空気処理槽(12)に設けられ、部屋側から空気処理槽(12)内に空気を吸気する。排気口(16)は、空気処理槽(12)に設けられ、空気処理槽(12)内から部屋側に空気を排気する。ファン(20)は、空気処理槽(12)に設けられ、吸気口(14)から排気口(16)に向けて空気の流れを作り出す。紫外光光源(18)は、空気処理槽(12)に設けられ、空気処理槽(12)内に紫外線を照射する。空気処理槽(12)は、第1の壁部(31)及び第2の壁部(33)により、全体として直方体又は立方体とは異なる形状に形成される。
このため、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置(10)を提供することができる。そして、空気処理装置(10)の近傍に例えば障害物があっても空気処理槽(10)の容積を大きくすることができる。したがって、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置(10)を提供することができる。
【0009】
実施形態の空気処理装置(10)は、空気処理槽(12)において、仮想的な隔壁に沿って設けられる光触媒フィルタ(22)を備える。
紫外線が照射される光触媒フィルタ(22)を仮想的な隔壁に沿って備えることにより、空気を除菌することに加えて脱臭することができる。
【0010】
実施形態の空気処理装置(10)において、吸気口(14)は、第1の空間部(32)に設けられる。排気口(16)は、第2の空間部(34)に設けられる。
第1の空間部(32)から第2の空間部(34)への空気の流れを作り、例えば直方体状の第1の空間部(32)に加えて、第2の空間部(34)の体積の空気を処理することができる。
【0011】
実施形態の空気処理装置(10)において、複数の第2の空間部(34)は、互いに離間し、仮想的な隔壁をそれぞれ介して第1の空間部(32)と連通する。吸気口(14)は、複数の第2の空間部(34)の少なくとも1つに設けられる。排気口(16)は、複数の第2の空間部(34)のうち、吸気口(14)が設けられる第2の空間部とは異なる第2の空間部に設けられる。
吸気口(14)及び排気口(16)をともに別々の第2の空間部(34)に配置することにより、第1の空間部(32)の全体を空気処理に用いることができる。このため、空気処理のための空間体積を、第1の空間部(32)に吸気口(14)及び排気口(16)を配置する場合に比べて、大きくすることができる。
【0012】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
以後、天井パネル、建物のスラブ、及び、梁等の少なくとも1つを主に天井部と称し、建物の側壁及び側壁の内側の部屋側の内装壁の少なくとも1つを主に側壁部と称する。
【0014】
本実施形態に係る空気処理装置アセンブリ100は、空気処理装置10を含む。
【0015】
なお、空気処理装置10が天井部、すなわち、天井パネル、建物のスラブ又は梁等に取り付けられる場合は、天井部に直接的にボルト等により取り付けられることが可能である。又は、空気処理装置10は、天井部からシャフト又はワイヤ等の軸部材106で吊るされるなど適宜の治具を介して間接的に取り付けられることが可能である。これは、第1実施形態に係る空気処理装置10だけでなく、第2実施形態から第10実施形態に係る空気処理装置10も同様である。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態について、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0017】
図1に示すように、空気処理装置アセンブリ100は、空気処理槽(筐体)12を有する空気処理装置10と、空気処理装置10を天井部や側壁部等に取り付ける器具(軸部材106)とを有する。空気処理装置10を天井部や側壁部等に取り付ける器具(軸部材106)は、例えば、吊りボルトであるが、吊りボルトではなく、ねじ、ボルトなどを用いて空気処理装置10を直接、天井部や側壁部に取付けてもよい。
なお、
図1は、空気処理装置アセンブリ100の概略的な斜視図を示す。
図2には、
図1に示す空気処理装置10の概略的な上面図を示す。
【0018】
図1及び
図2に示す空気処理装置10は、部屋側の空気を筐体12の内側に引き込み、筐体12の内部でその空気に対して例えば除菌及び/又は脱臭の処理を行った後に、部屋側に戻す。
図1及び
図2に示すように、空気処理装置10は、空気処理槽(筐体)12と、吸気口14と、排気口16と、紫外光光源18と、ファン20と、光触媒フィルタ22とを備える。
【0019】
空気処理槽12は、本実施形態では、厚さ(高さ方向の寸法)が略同じで、形状又は大きさ(体積)が同じ又は異なる複数の空間部を組み合わせて形成される。本実施形態では、空気処理槽12は、第1の空間部32を形成する第1の壁部(箱体)31と、第2の空間部34を形成する第2の壁部(箱体)33とを有する。
【0020】
本実施形態では、説明の簡単のため、第1の壁部31及び第2の壁部33の外形は、ともに直方体状の箱型に形成されるものとする。第1の壁部31及び第2の壁部33の外形は直方体状の箱型に限定されるものではなく、多角柱型、円柱型などの外形であってもよい。空気処理槽12の外形は、第1の壁部31及び第2の壁部33の組み合わせにより、全体として直方体又は立方体とは異なる形状に形成される。ここでは、第1の壁部31による第1の空間部32が第2の壁部33による第2の空間部34よりも大きな体積を有するものとして図示するが、体積は、同じであってもよく、大小が反対であってもよい。
【0021】
第1の空間部32を形成する第1の壁部31は、天井部又は側壁部に対して、直接的に又は間接的に取り付けられる例えば略矩形状の第1の取付板42と、第1の取付板42に対向する例えば略矩形状の第1の部屋側板44と、第1の取付板42及び第1の部屋側板44の間の対向する例えば略矩形状の1対の側壁板46a,46b及び対向する例えば略矩形状の1対の側壁板48a,48bとを有する。なお、第1の取付板42及び第1の部屋側板44の大きさ及び形状は同じである。1対の側壁板46a,46bの大きさ及び形状は同じである。1対の側壁板48a,48bの大きさ及び形状は同じである。このように、第1の壁部31は、全体として直方体状に形成される。そして、1対の側壁板48a,48bの一方の例えば長手方向に沿う中央(幅方向中央)には、略矩形状の開口49が形成されている。
【0022】
第2の空間部34を形成する第2の壁部33は、天井部又は側壁部に対して、直接的に又は間接的に取り付けられる第2の取付板52と、第2の取付板52とは反対側の第2の部屋側板54と、第2の取付板52及び第2の部屋側板54の間の側壁板56a,56b,56cとを有する。
【0023】
そして、第2の壁部33は、第1の壁部31の開口49に対して固定されている。第2の空間部34は、第1の空間部32との間を区画する仮想的な隔壁である開口49を介して連通する。
【0024】
なお、第2の取付板52及び第2の部屋側板54の大きさ及び形状は同じである。本実施形態では、第2の取付板52は第1の取付板42と面一であり、第2の部屋側板54は第1の部屋側板44と面一である。側壁板56a,56bは、側壁板46a,46bに平行であり、側壁板56cは、側壁板48a,48bに平行である。このように、第2の壁部33は、全体として直方体状に形成される。
【0025】
本実施形態では、第1の壁部31の例えば第1の部屋側板44には、1対の吸気口14が設けられる。第2の壁部33の例えば第2の部屋側板54には、排気口16が設けられる。
【0026】
1対の吸気口14同士が離間し、さらに、1対の吸気口14と排気口16とが離間した位置に形成されると、空気処理のための距離を大きくし、処理される空気の体積を大きくし得る。1対の吸気口14の一方は、第1の部屋側板44のうち、第1の壁部31の側壁板46aと側壁板48bとの間の角部近傍の位置、1対の吸気口14の他方は、第1の部屋側板44のうち、第1の壁部31の側壁板46bと側壁板48bとの間の角部近傍の位置に形成される。
【0027】
本実施形態では、1対の吸気口14の中間部近傍には、1対の吸気口14から排気口16への空気の流れを作り出すファン20が配置されている。ファン20により、吸気口14から排気口16といった所定方向に空気を流し、安定的に空気を処理することができる。
【0028】
ファン20の種類として、例えば、羽根の正面から風を吸い込み後方へ吐き出す軸流ファン、羽根の正面から風を吸い込み回転軸の径方向に放射状に吐き出す遠心ファン、羽根の正面から風を吸い込み回転軸の接線方向の一方向に吐き出すブロアファン等がある。本実施形態では、いずれのファン20を使用してもよいが、ここでは、軸流ファンを用いる例について説明する。軸流ファン20を用いる場合、ファン20は、1対の吸気口14の中間部近傍のうち、排気口16にやや近い位置に配置されることが好適である。この場合、ファン20は、1対の吸気口14から第1の空間部32内に入った空気を、ファン20の背面(側壁板48b)側から第2の空間部34に向かって流し、排気口16から排出する空気の流れを形成しやすい。なお、
図2中の破線は、想定される空気の流れを示す。これは、後述する実施形態の空気処理装置10の
図7から
図15の破線も同じである。
【0029】
紫外光光源18は、例えば空気の除菌用のUV-Cを照射する複数(例えば10個)のLEDと、光触媒励起用のUV-Aを照射する複数(例えば14個)のLEDとを有する。UV-Aを照射するLED及びUV-Cを照射するLEDは、同一の基板に設けられることも好適であり、別の基板に設けられることも好適である。また、UV-AのLED及びUV-CのLEDが混在して1つ又は複数の基板に設けられることも好適である。基板の位置は、空気処理槽12の形状、吸気口14、光触媒フィルタ22、ファン20の位置等に応じて、最適な位置に配置される。
【0030】
UV-Cの照射用のLEDの一部は、ファン20と光触媒フィルタ22との間で、空気が流れる経路に向けられる。UV-Cの向きは、ファン20の軸と開口49の中心とを結ぶ空気の経路に交差するように向けられる。すなわち、紫外光光源18は、ファン20の軸と開口49の中心とを結んだ空気の経路に交差するように向けられる。このため、UV-Cは、ファン20と開口49との間の領域の空気に照射することができる。
【0031】
UV-Cの照射用のLEDの残りは、ファン20と光触媒フィルタ22との間の経路に向けられてもよく、第1の空間部32内を効率的に除菌できるように種々の向きに向けられることも好適である。後者の場合、UV-Cは、第1の壁部31の第1の取付板42、第1の部屋側板44、1対の側壁板46a,46b、1対の側壁板48a,48bの反射を適宜に用いることが好適である。このように、UV-Cは、第1の空間部32内に直接光だけでなく、例えば第1の壁部31による反射光を用いて第1の空間部32内の広い範囲に照射される。このため、第1の空間部32内(の空気)には、UV-Cがまんべんなく照射され、除菌される。
【0032】
このように、紫外光光源18は、例えばファン20と開口49との間に流れる空気を除菌するため、紫外光として、UV-Cを照射する。
【0033】
UV-Aの照射用のLEDは、光触媒フィルタ22の表面に向けられる。光触媒フィルタ22は、表面(前面)と背面とを接続する複数(無数)の孔を有する母材と、母材の表面に担持された光触媒とを備え、例えば矩形板状又は矩形シート状に形成される。本実施形態では、光触媒フィルタ22は、第1の壁部31の開口49を塞ぐように設けられる。
【0034】
なお、光触媒フィルタ22の外縁と第1の壁部31との間、光触媒フィルタ22の外縁と第2の壁部33との間は、光触媒フィルタ22により光学的に閉塞することが好適であるが、開いていてもよい。
【0035】
光触媒フィルタ22の母材は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)で形成される。光触媒は、例えば酸化チタンや酸化タングステン等の金属酸化物で形成される。光触媒フィルタ22は、例えば多孔質で、本実施形態では第1の空間部32から第2の空間部34に向かって、又は、第2の空間部34から第1の空間部32に向かって通気性を有する状態に形成されるが、第1の空間部32から第2の空間部34に向かって紫外線(UV-A及びUV-C)を通し難い状態に形成されることが好適である。すなわち、光触媒フィルタ22は、第1の壁部31の第1の空間部32から、第2の壁部33の第2の空間部34への通気を確保する。光触媒フィルタ22は、例えばUV-A、UV-Cなどの光を遮光する。光触媒フィルタ22は、紫外光光源18からの距離や、紫外光光源18からの光量との関係で、適宜の厚さで適宜の空隙率に形成される。
【0036】
UV-Aは光触媒フィルタ22の表面に向かって照射される。このとき、光触媒フィルタ22の表面(上面)では、UV-Aを吸収し、活性酸素とOHラジカルを生成し、生成した活性酸素とOHラジカルによって、光触媒フィルタ22を通る空気や光触媒フィルタ22周囲の空気に含まれる菌、ウイルス、臭い物質を水と二酸化炭素に分解したり、ウイルスや菌(細菌)の活動を抑制したりする。このため、光触媒フィルタ22の表面にUV-Aが照射されると、UV-Aを吸収し、光触媒フィルタ22を通る空気の除菌、脱臭効果を発揮する。したがって、光触媒フィルタ22を通る空気は、除菌、脱臭されながら第2の空間部34内に入る。
【0037】
したがって、第1の空間部32でのUV-Cの照射により除菌が行われた空気は、UV-Aを照射した光触媒フィルタ22を通る際に、さらに除菌、脱臭されて第2の空間部34に入れられる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10は、第1の空間部32内の空気に含まれるウイルスや菌(細菌)の活動を抑制し、除菌効果を発揮し、さらに、光触媒を用いて除菌、脱臭した空気を第2の空間部34を通して排気口16から排気することができる。そして、実施形態の空気処理装置10において、紫外光光源18は、仮想的な隔壁を通す空気に向けて照射される。吸気又は排気する空気に対してUV光を照射することで、空気を効率的に除菌することができる。
【0038】
吸気口14から排気口16までの経路を長くし、第1の空間部32内を大きな空間とし、UV-Cを広い空間内に照射し続けることにより、第1の空間部32内を通る空気が第1の空間部32内に存在している間中、除菌することができる。このため、UV-Cにより効果的に除菌効果を発揮し、除菌した空気を仮想的な隔壁である開口49を通して排気口16から排出することができる。また、UV-A及び光触媒フィルタ22により、除菌・脱臭した空気を仮想的な隔壁である開口49を通して排気口16から排出することができる。したがって、部屋側の空気を空気処理槽12内で紫外光光源18を用いて除菌等の処理を行い続けるとともに、空気処理槽12内で除菌等を行った空気を部屋側に戻すことができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いることにより、部屋側と、空気処理槽12内とで空気を循環させながら、部屋側の空気の除菌等を行うことができる。
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10を提供することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る空気処理装置10の第1の取付板42には、軸部材106の一端が固定されている。軸部材106の他端は、図示しない天井部、すなわち、天井パネル、スラブ、又は梁等に固定される。
ここで、オフィス、その他の店舗、ビル、病院、公共施設等の天井は、グリッド型システム天井、ライン型システム天井、従来工法天井、スケルトン天井など、種々存在する。例えば、スケルトン天井のスラブに空気処理装置10が軸部材106を介して取り付けられて用いられる場合、オフィス等のユーザが、直接的に空気処理装置10を視認できる。このとき、例えば矩形箱型形状の第1の壁部31と、第2の壁部33との組み合わせによって、空気処理装置10は適宜の意匠性を備えることができる。
例えば、スケルトン天井のスラブに空気処理装置10が軸部材106を介して取り付けられて用いられる場合、第1の壁部31の側面に第2の壁部33が取り付けられるほか、第1の壁部31の第1の取付板42に第2の壁部33が取り付けられてもよく、第1の部屋側板44に第2の壁部33が取り付けられてもよい。これらの場合も、例えば矩形箱型形状の第1の壁部31と、第2の壁部33との組み合わせによって、空気処理装置10は全体として矩形箱型形状とは異なる形状の、適宜の意匠性を備えることができる。これは、後述する第2実施形態から第10実施形態に係る空気処理装置10の場合も同様である。
【0040】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。そのため、本実施形態の空気処理装置10を配設する際に、矩形箱型形状と比較して、構造物を避けて配置することが容易となるため、配設位置に制約を受けにくい。
【0041】
本実施形態では、1対の吸気口14をそれぞれ部屋側に開口するように第1の部屋側板44に設ける例について説明した。1対の吸気口14は、第1の部屋側板44に代えて、又は、第1の部屋側板44に加えて、天井側の第1の取付板42に設けられてもよい。または、1対の吸気口14は、側壁板46a,46b、側壁板48a,48bのいずれか1つ又は複数に設けられてもよい。
同様に、本実施形態では、排気口16を部屋側に開口するように第2の部屋側板54に設ける例について説明した。第2の部屋側板54に代えて、又は、第2の部屋側板54に加えて、天井側の第2の取付板52、又は、側壁板56a,56b,56cのいずれか1つ又は複数に設けてもよい。
【0042】
(第1変形例)
第1実施形態の第1変形例の空気処理装置アセンブリ100について、
図3及び
図4を用いて説明する。なお、
図1に示す軸部材106は取り外され、又は、設けられていないものとする。これは、後述する第2変形例でも同じである。
【0043】
図3は、部屋側から天井パネル104を見たときの図である。
図4は、
図3中のIV-IV線に沿う断面図である。
【0044】
図3及び
図4に示すように、例えば1又は複数の空気処理装置10は、例えば建物のスラブ102と天井パネル104との間の空間などに配置される。本変形例の空気処理装置アセンブリ100では、例えば第1の壁部31に対して第2の壁部33が突出して配置される方向に対向する空気処理装置10を1つの組として並べて配置される。このため、
図3に示す例では、2組の空気処理装置10が並べて配置される。
【0045】
スラブ102と天井パネル104との間は、一端(上端)がスラブ102に固定され、他端(下端)が天井パネル104に固定される軸部材(シャフト)106で接続される。このため、空気処理装置アセンブリ100は、空気処理装置10と天井パネル(天井)104または壁面(側壁)との間に空間を形成するスペーサとしての軸部材106を有する。すなわち、空気処理装置アセンブリ100は、天井部又は壁側部に空間を形成するスペーサ(軸部材)106と、その空間に収容される空気処理装置10とを有する。空気処理装置10に対してスペーサ(軸部材)106が干渉することを抑制しながら、空気処理装置10を天井部又は側壁部の空間に配置することができる。
【0046】
天井パネル104には、吸気口14及び排気口16に連通する連通口104a,104bが形成される。連通口104a,104bには、紫外線の漏れ等を防ぐ遮光用のルーバー等が設けられることも好適である。
【0047】
一例として、このようにして、空気処理装置アセンブリ100が形成される。すなわち、スラブ102に一端を固定し、他端を天井パネル104に固定した軸部材106によって、スラブ102と天井パネル104との間に適宜の空間を形成しながら、その空間に空気処理装置10を配置することができる。このとき、軸部材106を、空気処理装置10に干渉させずに、配置することができる。そして、軸部材106で天井パネル104を吊っているときに、軸部材106に干渉させずに、空気処理装置10の空気処理槽12内の空間を、全体として直方体とするのではなく、第2の壁部33による第2の空間部34の分、適宜に大きくして配置することができる。このため、天井部、側壁部等に適宜の障害物(例えば軸部材106等)があっても、その障害物を避けて、空気処理装置10を設置することができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いる場合、スラブ102と天井パネル104との間の空間を、空気処理装置が全体として矩形箱型である場合に比べて、効率的に使用することができる。
【0048】
したがって、本変形例によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10を含む空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0049】
なお、本変形例では、第1の壁部31が第1の取付板42を有し、第2の壁部33が第2の取付板52を有する例について説明したが、スラブ102を第1の取付板42及び第2の取付板52の代わりに用いてもよい。このため、空気処理槽12を適宜に閉塞する空間を形成することができるのであれば、第1の取付板42及び第2の取付板52は、不要となり得る。
同様に、本変形例では、第1の壁部31が第1の部屋側板44を有し、第2の壁部33が第2の部屋側板54を有する例について説明したが、天井パネル104を第1の部屋側板44及び第2の部屋側板54の代わりに用いてもよい。このため、空気処理槽12を適宜に閉塞する空間を形成することができるのであれば、第1の部屋側板44及び第2の部屋側板54は、不要となり得る。
【0050】
(第2変形例)
第1実施形態の第2変形例の空気処理装置アセンブリ100について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0051】
図5は、部屋側から天井パネル104を見たときの図である。
図6は、
図5中のVI-VI線に沿う断面図である。
【0052】
図5及び
図6に示すように、例えば1又は複数の空気処理装置10は、例えば建物のスラブ102と天井パネル104との間の空間などに配置される。本変形例の空気処理装置アセンブリ100では、例えば第1の壁部31に対して第2の壁部33が突出して配置される方向に対向する空気処理装置10を1つの組として並べて配置される。このため、
図5に示す例では、2組の空気処理装置10が並べて配置される。
【0053】
スラブ102と天井パネル104との間には、照明器具108に並んで空気処理装置10が取り付けられ、照明器具108をベースとして空気処理装置10が取りけられ、又は、空気処理装置10をベースとして照明器具108が取り付けられる。
図5及び
図6に示す例は、空気処理装置10をベースとして空気処理装置10に照明器具108が取り付けられる例を示す。
【0054】
図5及び
図6に示す例は、スラブ102と天井パネル104との間に空気処理装置10が配設され、照明器具108は、空気処理装置10に取り付けられる。この場合、スラブ102又は天井パネル104に取り付けられる空気処理装置10用のベースを準備し、そのベースに対してスナップフィット等により照明器具108を取り付けることができる。このため、空気処理装置10に対して、照明器具108を容易に天井部等に取り付けることができる。このとき、空気処理槽12を単なる直方体でなく、照明器具108との隙間を埋めるように、第2の壁部33を有する空気処理装置10用のベースに照明器具108を取り付けることができる。また、空気処理装置10の紫外光光源18又はファン20用の配線を分岐して、照明器具108等の電源を確保することができる。このため、空気処理装置10用のベースに対して照明器具108を取り付ける場合、天井側の空間を有効利用することができる。
【0055】
そして、空気処理装置10用のベースに対して照明器具108を取り付ける場合、空気処理装置10で照明器具108の照明を遮光しないように、空気処理装置10を並べて配置することができる。このとき、照明器具108を、空気処理装置10に干渉させずに、配置することができる。そして、空気処理装置10用のベースに対して照明器具108を取り付けているときに、照明器具108に干渉させずに、空気処理装置10の空気処理槽12内の空間を、全体として直方体とするのではなく、第2の壁部33による第2の空間部34の分、適宜に大きくして配置することができる。このため、天井部、側壁部等に適宜の障害物(例えば照明器具108等)があっても、その障害物を避けて、空気処理装置10を設置することができる。したがって、スラブ102と天井パネル104との間の空間を効率的に使用することができる。このため、空気処理装置アセンブリ100は、空気処理装置10をベースとして、照明器具などの適宜の器具108を取り付けて用いることができる。
【0056】
上述したように、天井部には、照明器具108をベースとして照明器具108に空気処理装置10が取りけられることも可能である。この場合、例えば、スラブ102又は天井パネル104に取り付けられる照明器具108用のベースに対して、スナップフィット等により空気処理装置10を取り付けることができる。このため、空気処理装置10を容易に天井部等に取り付けることができる。このとき、空気処理槽12を単なる直方体でなく、照明器具108との隙間を埋めるように、第2の壁部33を有する空気処理装置10を照明器具108用のベースに取り付けることができる。また、照明器具108用の配線を分岐して、空気処理装置10の紫外光光源18やファン20等の電源を確保することができる。このため、照明器具108用のベースに対して空気処理装置10を取り付ける場合、天井側の空間を有効利用することができる。このため、空気処理装置アセンブリ100は、照明器具などの器具108をベースとして、空気処理装置10を取り付けて用いることができる。
【0057】
上述したように、スラブ102又は天井パネル104に取り付けられる空気処理装置10用のベースを準備し、そのベースに対してスナップフィット等により照明器具108を取り付けてもよい。
【0058】
したがって、本変形例によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10を含む空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0059】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る空気処理装置10について、
図7を用いて説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。これは、後述する第3実施形態から第10実施形態も同じである。
【0060】
図7に示す例は、排気口16と吸気口14の配置が
図2に示す例(第1実施形態)とは反対である。
【0061】
また、ファン20は、いずれの位置に配置してもよい。例えば1対の軸流ファン又はブロアファンなどのファン20を1対の排気口16の間の位置に配置することができる。1対のファン20は、開口49に対向する位置にあることが好適である。そして、ファン20により、吸気口14から第2の空間部34、開口49、第1の空間部32に流れた空気が排気口16から排出される。
【0062】
ファン20を動かしながら、紫外光光源18からUV-Aを光触媒フィルタ22に、UV-Cをファン20と光触媒フィルタ22との間の領域に照射する。このため、ファン20により、吸気口14から第2の空間部34、開口49、光触媒フィルタ22、第1の空間部32に流れた空気は、除菌処理、脱臭処理が行われ、排気口16から排出される。
【0063】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0065】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る空気処理装置10について、
図8を用いて説明する。
【0066】
図8に示すように、本実施形態に係る空気処理装置10の空気処理槽12は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した(一方の)第2の壁部(箱体)33に加えて、別(他方)の第2の壁部(箱体)33により形成される第2の空間部34をさらに有する。一方の第2の壁部33は、第1の壁部31の側壁板48aに設けられ、他方の第2の壁部33は、第1の壁部31の側壁板48bに設けられる。このため、一方の第2の壁部(箱体)33及び他方の第2の壁部(箱体)33は、第1の壁部31を挟んで対向する。すなわち、本実施形態に係る空気処理装置10の空気処理槽12は、1対の第2の壁部33を有する。そして、1対の第2の壁部33間には、第1の壁部31が設けられる。
【0067】
本実施形態では、1対の第2の壁部33には、それぞれ吸気口14が設けられる。
【0068】
第1の壁部31内には、1対の排気口16が設けられる。一方の排気口16は、側壁板46aに近接する位置に設けられ、他方の排気口16は、側壁板46bに近接する位置に設けられる。1対の排気口16には、それぞれブロアファン又は軸流ファンなどのファン20が設けられる。
【0069】
光触媒フィルタ22は、1対の排気口16間に対向して配置される。
【0070】
紫外光光源18は、例えば第1の壁部31の側壁板48aに設けられる。紫外光光源18は、1対の排気口16上を通して反対側に、UV-Cを側壁板48bに照射されるように設けられる。また、紫外光光源18は、光触媒フィルタ22にUV-Aを照射されるように設けられる。
【0071】
このため、空気処理装置10は、空気を、1対の吸気口14から吸気し、第2の空間部34、第1の空間部32の光触媒フィルタ22を通して1対の排気口16から排気する。このとき、空気が除菌、脱臭される。
【0072】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0073】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0074】
例えば側壁板48aの外側かつ側壁板56aの外側の領域、側壁板48aの外側かつ側壁板56bの外側の領域には、
図3及び
図4に示す軸部材106や、
図5及び
図6に示す照明器具108等が配設される。
【0075】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0076】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る空気処理装置10について、
図9を用いて説明する。第4実施形態は、第3実施形態の空気処理装置10の変形例である。
【0077】
図9に示すように、第1の壁部31内には、1対の排気口16と、1対の排気口16間に設けられる吸気口14とが設けられる。第2の壁部33内には、それぞれ排気口16が設けられる。
【0078】
本実施形態では、第1の壁部31には、2対の光触媒フィルタ22が配置される。1対の光触媒フィルタ22は、第1の壁部31内の1対の排気口16にそれぞれ隣接し、吸気口14を挟む位置に対向して配置される。残りの1対の光触媒フィルタ22は、第1の壁部31に形成される1対の開口49をそれぞれ閉塞するように対向して配置される。このため、残りの1対の光触媒フィルタ22の一方は、第2の壁部33内の排気口16に隣接し、残りの一方は、別の第2の壁部33内の排気口16に隣接する。
【0079】
本実施形態では、4つの排気口16が周方向に配置されている。各紫外光光源18は、周方向に隣接する排気口16間であって、第1の壁部31内に配置される。各紫外光光源18は、吸気口14上を通過して隣接する2つの光触媒フィルタ22にUV-Aを照射可能である。また、各紫外光光源18は、吸気口14上を通過する空気に対してUV-Cを照射可能である。
【0080】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0081】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0082】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0083】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る空気処理装置10について、
図10を用いて説明する。第5実施形態は、第3実施形態及び第4実施形態の空気処理装置10の変形例である。
【0084】
図10に示すように、本実施形態に係る空気処理装置10の空気処理槽12は、第1の壁部(箱体)31に対して、2対の第2の壁部(箱体)33を有する。
【0085】
一方の1対の第2の壁部33は、第1の壁部31の側壁板48aのうち、側壁板46aの近傍と、第1の壁部31の側壁板48bのうち、側壁板46aの近傍とに設けられる。1対の第2の壁部33の間には、第1の壁部31が設けられる。
【0086】
残りの1対の第2の壁部33は、第1の壁部31の側壁板48aのうち、側壁板46bの近傍と、第1の壁部31の側壁板48bのうち、側壁板46bの近傍とに設けられる。残りの1対の第2の壁部33の間には、第1の壁部31が設けられる。
【0087】
なお、第1の壁部31の側壁板48aに設けられる1対の第2の壁部33は離間する。また、第1の壁部31の側壁板48bに設けられる1対の第2の壁部33は離間する。
【0088】
そして、2対の第2の壁部33の第2の空間部34が開口49を通して第1の壁部31の第1の空間部32に連通する。
【0089】
一方の1対の第2の壁部33のうち、側壁板48a側の第2の壁部33には、吸気口14が設けられ、側壁板48b側の第2の壁部33には、排気口16が設けられる。他方の1対の第2の壁部33のうち、側壁板48a側の第2の壁部33には、排気口16が設けられ、側壁板48b側の第2の壁部33には、吸気口14が設けられる。
【0090】
本実施形態では、排気口16が配設される開口49に光触媒フィルタ22が配設される。
【0091】
例えば一方の1対の第2の壁部33のうち、側壁板48a側の第2の壁部33に設けられる吸気口14の近傍であって、第1の壁部31内には、例えば軸流ファン20が設けられる。ファン20により空気を流す方向は、一方の1対の第2の壁部33のうち、側壁板48b側の第2の壁部33に設けられる排気口16の方向である。
【0092】
例えば他方の1対の第2の壁部33のうち、側壁板48b側の第2の壁部33に設けられる吸気口14の近傍であって、第1の壁部31内には、例えば軸流ファン20が設けられる。ファン20により空気を流す方向は、他方の1対の第2の壁部33のうち、側壁板48a側の第2の壁部33に設けられる排気口16の方向である。
【0093】
紫外光光源18は、第1の壁部31の側壁板46aに設けられる。紫外光光源18は、ファン20により第2の壁部33内の側壁板48a側の吸気口14から第2の壁部33内の側壁板48b側の排気口16に向かう空気に対してUV-Cを照射する。紫外光光源18は、第2の壁部33内の側壁板48b側の排気口16に隣接する開口49に設けられる光触媒フィルタ22に対してUV-Aを照射する。
【0094】
紫外光光源18は、第1の壁部31の側壁板46bに設けられる。紫外光光源18は、ファン20により第2の壁部33内の側壁板48b側の吸気口14から第2の壁部33内の側壁板48a側の排気口16に向かう空気に対してUV-Cを照射する。紫外光光源18は、第2の壁部33内の側壁板48a側の排気口16に隣接する開口49に設けられる光触媒フィルタ22に対してUV-Aを照射する。
【0095】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0096】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0097】
例えば側壁板48aの外側かつ側壁板48a側の一方の第2の壁部33の側壁板56bと他方の第2の壁部33の側壁板56aとの間の領域には、
図3及び
図4に示す軸部材106や、
図5及び
図6に示す照明器具108等が配設される。
【0098】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0099】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る空気処理装置10について、
図11を用いて説明する。
【0100】
一方の1対の第2の壁部33の側壁板46a側には吸気口14が配設され、側壁板46b側には吸気口14が配設される。他方の1対の第2の壁部33の側壁板46a側には排気口16が配設され、側壁板46b側には排気口16が配設される。各排気口16には、ファン20が配設される。
【0101】
本実施形態では、排気口16が配設される開口49に対向して光触媒フィルタ22が配設される。
【0102】
第1の壁部31であって、側壁板48a側の第2の壁部33の間には、紫外光光源18が配設される。第1の壁部31であって、側壁板48b側の第2の壁部33の間には、紫外光光源18が配設される。
【0103】
側壁板48aに設けられる紫外光光源18は、側壁板48b側の光触媒フィルタ22に対してUV-Aを照射するとともに、UV-Cを照射する。側壁板48bに設けられる紫外光光源18は、側壁板48a側の光触媒フィルタ22に対してUV-Aを照射するとともに、UV-Cを照射する。
【0104】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0105】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0106】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0107】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る空気処理装置10について、
図12を用いて説明する。
【0108】
第1の壁部31には、吸気口14が設けられる。2対の第2の壁部33には、それぞれ排気口16及びファン20が設けられる。
【0109】
第1の壁部31の第1の空間部32と2対の第2の壁部33の第2の空間部34との間の開口49の近傍には、それぞれ光触媒フィルタ22が配置される。
【0110】
紫外光光源18は、第1の壁部31の側壁板48aのうち、光触媒フィルタ22間に配置される。紫外光光源18は、第1の壁部31の側壁板48bのうち、光触媒フィルタ22間に配置される。
【0111】
側壁板48a側の紫外光光源18は、側壁板48b側の1対の光触媒フィルタ22にUV-Aを照射するとともに、これらの間の空間にUV-Cを照射する。側壁板48b側の紫外光光源18は、側壁板48a側の1対の光触媒フィルタ22にUV-Aを照射するとともに、これらの間の空間にUV-Cを照射する。
【0112】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0113】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0114】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0115】
(第8実施形態)
第8実施形態に係る空気処理装置10について、
図13を用いて説明する。
【0116】
第1の壁部31の第1の部屋側板44の略中央には、排気口16が設けられる。排気口16にはファン20が設けられる。2対の第2の壁部33には、それぞれ吸気口14が設けられる。
【0117】
第1の壁部31の側壁板46a及び側壁板46bにはそれぞれ紫外光光源18が配置される。紫外光光源18は、対向する紫外光光源18に向けてUV-Cを照射する。
【0118】
側壁板48a側の開口49間の側壁板48aには、紫外光光源18が配置される。側壁板48b側の開口49間の側壁板48bには、紫外光光源18が配置される。紫外光光源18は、対向する。これら紫外光光源18間には、1対の光触媒フィルタ22が対向して配設される。1対の光触媒フィルタ22の間には、排気口16が配設される。紫外光光源18は、対向する光触媒フィルタ22に向けてUV-Aを照射する。
【0119】
本実施形態の場合、空気は、4つの吸気口14から1つの排気口16に向かって集まる。このとき、空気は、第1の壁部31内の第1の空間部32を紫外光光源18からのUV-Cにより除菌する。また、空気は、光触媒フィルタ22を通る空気は、除菌及び脱臭される。
【0120】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0121】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0122】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0123】
(第9実施形態)
第9実施形態に係る空気処理装置10について、
図14を用いて説明する。
【0124】
第1の壁部31の側壁板48aには、1対の第2の壁部33が設けられる。1対の第2の壁部33は離間する。1対の第2の壁部33の一方には吸気口14が設けられ、他方には排気口16及びファン20が設けられる。1対の第2の壁部33の他方の開口49の近傍には、開口49を閉塞するように光触媒フィルタ22が設けられる。
【0125】
第2の壁部33の側壁板48bには、紫外光光源18が設けられる。紫外光光源18は、対向する側壁板48aに向けてUV-Cを照射する。また、紫外光光源18は、光触媒フィルタ22に対してUV-Aを照射する。
【0126】
本実施形態の場合、空気は、吸気口14から排気口16まで略U字状の経路を通る。
【0127】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0128】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0129】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0130】
(第10実施形態)
第10実施形態に係る空気処理装置10について、
図15を用いて説明する。
【0131】
本実施形態では、第1の壁部31と第2の壁部33とが同じ形状で同じ大きさに形成されている。
図15に示す例では、第1の壁部31と第2の壁部33とが連結され、第1の空間部32と第2の空間部34とを合わせて全体として略L字状に形成される。
【0132】
第1の壁部31は、第1実施形態から第9実施形態で説明したように、1対の側壁板46a,46bと、1対の側壁板48a,48bとを有する。本実施形態では、側壁板46aは、殆ど存在せず、開口49として形成される。第2の壁部33は、側壁板56a,56b,56c,56dを有する。
【0133】
例えば、第1の壁部31の側壁板46aに対して、第2の壁部33の側壁板56bが固定されている。ここでは、第1の壁部31の側壁板48bと第2の壁部33の側壁板56dとが面一に形成される。
【0134】
吸気口14は、第2の壁部33のうち、側壁板56cの近傍で、第1の壁部31から最も離間する位置またはその近傍に設けられる。排気口16は、第1の壁部31のうち、側壁板46bの近傍で、第2の壁部33から最も離間する位置またはその近傍に設けられる。本実施形態の場合、空気は、
図15中の破線で示すように、吸気口14から排気口16まで略L字状の経路を通る。このため、吸気口14から排気口16までの経路を長く取ることができる。
【0135】
本実施形態では、第2の壁部33において、吸気口14の近傍に第1の光源18aが設けられる。第1の光源18aは、第2の壁部33の例えば側壁板56aに設けられる。第1の光源18aは、対向する壁に向けてUV-Cを照射する。
【0136】
第1の壁部31において、排気口16の近傍に光触媒フィルタ22及び第2の光源18bが設けられる。第2の光源18bは、第1の壁部31の例えば側壁板48aに設けられる。第2の光源18bは、光触媒フィルタ22に対してUV-Aを照射する。
【0137】
空気処理装置10は、このように形成されることも好適である。
【0138】
本実施形態に係る空気処理装置10を第1実施形態、第1実施形態の第1変形例又は第2変形例で説明した空気処理装置10の代わりに用いることができる。したがって、本実施形態に係る空気処理装置10を用いたアセンブリ100を提供できる。
【0139】
したがって、本実施形態によれば、矩形箱型形状とは異なる形状の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。また、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10を提供することができる。
【0140】
上述したように、空気処理槽12の第1の壁部31に対する第2の壁部33の配置、空気処理槽12に対する吸気口14、排気口16、紫外光光源18、ファン20、及び、光触媒フィルタ22の配置は、種々変更される。また、例えば、ファン20は、空気処理槽12内に配置される例について説明したが、空気処理槽12の外側に配置されてもよい。
【0141】
上述した各実施形態では、各壁部31,33の下板(部屋側板44,54)に吸気口14及び排気口16を有する例について説明したが、各壁部31,33の上板(取付板42,52)に吸気口14及び排気口16を有することも好適であり、下板と上板との間を閉塞する側壁板46a,46b,48a,48b,56a,56b,56cに吸気口14及び排気口16を有することも好適である。
【0142】
なお、
図1中、第1の取付板42及び第2の取付板52の外周面は、面一に形成されているが、第1の取付板42及び第2の取付板52の外周面は、天井又は側壁等に取り付けられるように、適宜に凹凸等があってもよい。これは、部屋側板44,54、側壁板46a,46b,48a,48b,56a-56cも同様である。
【0143】
本実施形態に係る空気処理装置10では、光触媒フィルタ22を用いる例について説明したが、光触媒フィルタ22は必ずしも必要ではない。この場合、紫外光光源18は、UV-Aの光を発光しないように構成され得る。
【0144】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100は、例えば障害物等があっても空気処理槽12の容積を大きくすることができる。そして、配設位置に制約を受けにくい空気処理装置10及び空気処理装置アセンブリ100を提供することができる。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
10…空気処理装置、12…空気処理槽、14…吸気口、16…排気口、18…紫外光光源、20…ファン、22…光触媒フィルタ、31…第1の壁部、32…第1の空間部、33…第2の壁部、34…第2の空間部、42…第1の取付板、44…第1の部屋側板、46a,46b…側壁板、48a,48b…側壁板、49…開口、52…第2の取付板、54…第2の部屋側板、56a,56b,56c…側壁板、100…空気処理装置アセンブリ、102…スラブ、104…天井パネル、104a,104b…連通口、106…軸部材(スペーサ)、108…照明器具。