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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049064
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】鮮度情報補正装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240402BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155304
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】阿部 周平
(72)【発明者】
【氏名】日野 弘喜
(72)【発明者】
【氏名】竹村 真也
(72)【発明者】
【氏名】秦 由季
(72)【発明者】
【氏名】前田 晶子
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 公人
(72)【発明者】
【氏名】伊東 慧
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】鮮度を精度よく予測することが可能となる鮮度情報補正装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、鮮度情報補正装置は、鮮度情報取得部と、前処理情報取得部と、補正部と、を備える。鮮度情報取得部は、食品の鮮度情報を取得する。前処理情報取得部は、食品の納品までの前処理に関する前処理情報を取得する。補正部は、前処理情報に基づき、鮮度情報を補正する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の鮮度情報を取得する鮮度情報取得部と;
前記食品の納品までの前処理に関する前処理情報を取得する前処理情報取得部と;
前記前処理情報に基づき、前記鮮度情報を補正する補正部と;
を備える、
鮮度情報補正装置。
【請求項2】
前記前処理情報は、前記前処理が行われた日における温度及び湿度の少なくとも一方を含む、
請求項1記載の鮮度情報補正装置。
【請求項3】
食品の鮮度情報を取得する鮮度情報取得部と;
前記食品の出荷情報を取得する出荷情報取得部と;
前記出荷情報に基づき、前記鮮度情報を補正する補正部と;
を備える、
鮮度情報補正装置。
【請求項4】
前記出荷情報は、前記食品が出荷される際の輸送距離を含む、
請求項3記載の鮮度情報補正装置。
【請求項5】
前記出荷情報は、前記食品が出荷される際の振動情報を含む、
請求項3記載の鮮度情報補正装置。
【請求項6】
前記補正部は、前記補正された鮮度情報に基づき、前記出荷情報の良否を判定し、
前記鮮度情報補正装置は、前記判定の結果を含む判定情報を出力する出力部;
を更に備える、
請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の鮮度情報補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、鮮度情報補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の外観、又は臭い等の情報に基づいて、鮮度を予測する装置が知られている。このような装置を用いて出荷前に鮮度を予測することにより、出荷先に届くまでに品質不良となる食品の低減が図られる。
【0003】
しかしながら、食品の外観、又は臭い等の情報だけでは、鮮度が精度よく予測できない場合がある。鮮度が精度よく予測できない場合、食品が出荷先に届くまでに品質不良になってしまう可能性がある。このため、例えば食品の出荷前に、鮮度を精度よく予測することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4567814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、鮮度を精度よく予測することが可能となる鮮度情報補正装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、鮮度情報補正装置は、鮮度情報取得部と、前処理情報取得部と、補正部と、を備える。上記鮮度情報取得部は、食品の鮮度情報を取得する。上記前処理情報取得部は、上記食品の納品までの前処理に関する前処理情報を取得する。上記補正部は、上記前処理情報に基づき、上記鮮度情報を補正する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鮮度を精度よく予測することが可能となる鮮度情報補正装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る鮮度予測システムの構成の一例を示すブロック図。
図2図2は、第1実施形態に係る鮮度情報補正装置に入出力される情報の一例を示す図。
図3図3は、第1実施形態に係る鮮度情報補正装置における鮮度補正処理の一例を示すフローチャート。
図4図4は、第2実施形態に係る鮮度予測システムの構成の一例を示すブロック図。
図5図5は、第2実施形態に係る鮮度情報補正装置に入出力される情報の一例を示す図。
図6図6は、第2実施形態に係る鮮度情報補正装置における鮮度補正処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の鮮度情報補正装置(10)は、鮮度情報取得部(11)、前処理情報取得部(12)、及び補正部(13)を備える。鮮度情報取得部(11)は、食品の鮮度情報(FI1)を取得する。前処理情報取得部(12)は、食品の納品までの前処理に関する前処理情報(FI2)を取得する。補正部(13)は、前処理情報(FI2)に基づき、鮮度情報(FI1)を補正する。これにより、食品の外観、又は臭い等の情報に加えて、前処理の実行時における気候条件を更に考慮した鮮度を得ることができる。このため、食品の出荷前に、鮮度を精度よく予測することができる。
【0010】
実施形態の鮮度情報補正装置(10)では、前処理情報(FI2)は、前処理が行われた日における温度及び湿度の少なくとも一方、又は選果日における温度及び湿度の少なくとも一方を含む。これにより、収穫時又は選果時の気候条件によって腐敗が進行しやすくなった食品を、出荷前に精度よく把握することができる。
【0011】
実施形態の鮮度情報補正装置(10)は、鮮度情報取得部(11)、出荷情報取得部(15)、及び補正部(13)を備える。鮮度情報取得部(11)は、食品の鮮度情報(FI1)を取得する。出荷情報取得部(15)は、食品の出荷情報(FI3)を取得する。補正部(13)は、出荷情報(FI3)に基づき、鮮度情報(FI1)を補正する。これにより、食品の外観、又は臭い等の情報に加えて、出荷環境を更に考慮した鮮度を得ることができる。このため、食品の出荷前に、鮮度を精度よく予測することができる。
【0012】
実施形態の鮮度情報補正装置(10)では、出荷情報(FI3)は、食品が出荷される際の輸送距離を含む。これにより、出荷時の気候条件又は輸送距離によって腐敗が進行する可能性が高い食品を、出荷前に精度よく予測することができる。
【0013】
実施形態の鮮度情報補正装置(10)では、出荷情報(FI3)は、食品が出荷される際の振動情報を含む。これにより、出荷時に食品に加わる振動によって腐敗が進行する可能性が高い食品を、出荷前に精度よく予測することができる。
【0014】
実施形態の鮮度情報補正装置(10)は、出力部(14)を更に備える。補正部(13)は、鮮度情報(FO2)に基づき、出荷情報(FI3)の良否を判定する。出力部(14)は、判定の結果を含む判定情報(FO3)を出力する。これにより、ユーザは、鮮度の高い食品を出荷先に届けるにあたり、出荷情報(FI3)が妥当か否かを、出荷前に精度よく把握することができる。このため、出荷情報(FI3)が妥当でないと判定される場合には、ユーザは、鮮度の高い食品を出荷先に届けることが可能な出荷環境を適用した新たな出荷情報(FI3)を提案できる。したがって、出荷先に鮮度の低い食品が届く割合を低減することができる。
【0015】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
本明細書において、生鮮品とは、鮮度が要求される製品を意味し、その一部に(生鮮)食品が含まれる。(生鮮)食品は、例えば、青果物、水産物、及び畜産物(食肉、卵、乳製品など)を含む。また、生鮮品には花卉が含まれる。以下では、生鮮品の一例として、食品(特に、青果物)を例に用いて説明するものとする。
【0017】
本明細書において、鮮度とは、収穫時を最大値とする食品の状態の指標と解釈される。食品が可食物である場合、鮮度は、残存可食日数、又は食べ頃を逸するまでの期間と解釈してもよい。なお、鮮度は、収穫時の食品の状態からの乖離度とも解釈され得るが、以下では、説明の便宜上、新鮮な食品ほど鮮度が高いものとして説明する。例えば、鮮度が高い食品の方が、残存可食日数が長い。そして、本明細書において、鮮度情報とは、上述した鮮度を測定、推定した結果を示す情報である。鮮度の測定、推定手法としては、例えば、カメラで撮影した画像から測定、推定する手法や、光の反射率などを用いた光学的手法、などが用いられる。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る鮮度予測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
鮮度予測システム1は、食品の出荷前に、鮮度を精度よく予測するために構成される機器の集合である。鮮度予測システム1は、例えば、鮮度判定装置5、前処理情報記憶装置6、及び鮮度情報補正装置10を含む。鮮度予測システム1において、鮮度判定装置5は鮮度判定部の一例であり、前処理情報記憶装置6は前処理情報記憶部の一例であり、鮮度情報補正装置10は鮮度情報補正部の一例である。
【0020】
鮮度判定装置5は、食品の鮮度を判定するための機能を有する機器である。鮮度の判定手法としては、画像に基づく判定手法、臭いに基づく判定手法、形状に基づく判定手法、及び組成に基づく判定手法等、既知の任意の手法が適用され得る。鮮度判定装置5は、判定された鮮度の情報(鮮度情報FI1)を鮮度情報補正装置10に送信する。
【0021】
前処理情報記憶装置6は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。前処理情報記憶装置6は、出荷前の食品に対して実行される処理(前処理)に関する情報(前処理情報FI2)を記憶する。前処理は、例えば、食品の収穫、選果、鮮度維持処理、出荷及び配送等の、収穫から納品までの工程を含む。前処理情報記憶装置6は、前処理情報FI2を鮮度情報補正装置10に送信する。また、前処理としては、低温処理に関する情報を含んでもよい。ここでの低温処理は、食品を常温よりも低い環境に曝露する処理であり、冷蔵庫や冷凍庫内に保管する処理、低温ガスや低温の液体に晒す処理などが該当する。
【0022】
鮮度情報補正装置10は、例えば、コンピュータ等の端末である。鮮度情報補正装置10は、鮮度情報FI1が補正された鮮度情報FO1を生成し、出力するように構成される。鮮度情報補正装置10は、鮮度情報取得部11、前処理情報取得部12、補正部13、及び出力部14を含む。
【0023】
鮮度情報取得部11は、鮮度判定装置5との通信を制御する通信インタフェースである。鮮度情報取得部11は、鮮度情報FI1を受信する。鮮度情報FI1は、補正前の鮮度情報である。
【0024】
前処理情報取得部12は、前処理情報記憶装置6との通信を制御する通信インタフェースである。前処理情報取得部12は、前処理情報FI2を受信する。
【0025】
補正部13は、例えば、プロセッサ又は集積回路、及びメモリである。補正部13のプロセッサ又は集積回路は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びDSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。補正部13のメモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む。補正部13のプロセッサ又は集積回路は、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより、前処理情報FI2に基づいて鮮度情報FI1を補正する。補正部13によって実行されるプログラムは、統計的な分析によって得られる関数を含んでいてもよいし、ニューラルネットワークのような機械学習によって得られる入出力モデルを含んでいてもよい。補正部13は、補正の結果として、鮮度情報FO1を生成する。鮮度情報FO1は、補正後の鮮度情報である。
【0026】
出力部14は、例えば、ディスプレイ、及びプリンタ等のユーザインタフェースである。出力部14は、補正部13によって生成された鮮度情報FO1をユーザに出力する。なお、出力部14は、視覚、聴覚によって鮮度情報FO1をユーザに出力したり、ユーザが保有する端末に鮮度情報FO1を出力(送信)したりする。
【0027】
以上のような鮮度情報補正装置10によれば、鮮度判定装置5によって判定された鮮度情報FI1よりも精度の高い鮮度情報FO1をユーザに提供することができる。
【0028】
図2は、第1実施形態に係る鮮度情報補正装置10に入出力される情報の一例を示す図である。図2に示されるように、鮮度情報FI1及びFO1、並びに前処理情報FI2の各々は、IDに各種情報が関連づけられた情報である。
【0029】
IDに対応する列には、食品同士を互いに識別するための識別子が記憶される。
【0030】
鮮度情報FI1は、IDに、鮮度判定装置5によって判定された(補正前の)鮮度が関連づけられる。図2の例では、鮮度情報FI1として、IDがF1の食品に鮮度X1が関連づけられる。また、IDがF2の食品に鮮度X2が関連づけられる。また、IDがF3の食品に鮮度X3が関連づけられる。
【0031】
前処理情報FI2は、IDに、前処理の実行時における気候情報が関連づけられる。気候情報の具体例としては、温度及び湿度が挙げられる。図2の例では、前処理情報FI2として、IDがF1の食品に、収穫日の温度C1a及び湿度H1a並びに選果日の温度C1b及び湿度H1bが関連づけられる。また、IDがF2の食品に、収穫日の温度C2a及び湿度H2a並びに選果日の温度C2b及び湿度H2bが関連づけられる。また、IDがF3の食品に、収穫日の温度C3a及び湿度H3a並びに選果日の温度C3b及び湿度H3bが関連づけられる。なお、図2には記載を省略しているが、前処理情報FI2としては、低温処理に関する情報として、低温処理の温度と、低温処理が行われた時間と、が関連付けられてもよい。
【0032】
鮮度情報FO1は、IDに、補正部13によって補正された(補正後の)鮮度が関連づけられる。この鮮度の補正は、鮮度情報FI1に対して、前処理情報FI2を用いて(参照して)行われる。補正後の鮮度は、補正前の鮮度と異なっていてもよいし、等しくてもよい。図2の例では、鮮度情報FO1として、IDがF1の食品に鮮度X1’が関連づけられる。また、IDがF2の食品に鮮度X2’が関連づけられる。また、IDがF3の食品に鮮度X3’が関連づけられる。
【0033】
図3は、第1実施形態に係る鮮度情報補正装置における鮮度補正処理の一例を示すフローチャートである。
【0034】
或る食品に関する鮮度補正処理を実行する旨の指示を受けると(開始)、鮮度情報取得部11は、鮮度判定装置5から当該食品の鮮度情報FI1を取得する(S11)。
【0035】
前処理情報取得部12は、前処理情報記憶装置6から、当該食品の前処理情報FI2を取得する(S12)。なお、S12の処理は、S11の処理よりも先に実行されてもよいし、S11の処理と並行して実行されてもよい。
【0036】
補正部13は、S12の処理で取得された前処理情報FI2に基づいて、S11の処理で取得された鮮度情報FI1を補正する(S13)。補正部13は、補正の結果として、補正後の鮮度情報FO1を生成する。
【0037】
出力部14は、生成された補正後の鮮度情報FO1をユーザに出力する(S14)。
【0038】
S14の処理の後、鮮度補正処理は終了となる(終了)。
【0039】
第1実施形態によれば、補正部13は、前処理情報FI2に基づき、食品の鮮度を補正する。これにより、食品の外観、又は臭い等の情報に加えて、前処理の実行時における気候条件を更に考慮した鮮度を得ることができる。このため、食品の出荷前に、鮮度を精度よく予測することができる。
【0040】
補足すると、前処理の実行時における温度又は湿度が適切な範囲を逸脱する場合、食品が腐敗しやすくなる可能性がある。特に、食品が青果物の場合、収穫時や選果時の温度及び湿度が食品の鮮度を有意に低下させる要因となり得る。腐敗しやすい食品が出荷された食品の中に含まれることを避ける観点から、このような鮮度の低下は、出荷前に精度よく予測できることが望ましい。
【0041】
第1実施形態によれば、前処理情報FI2は、収穫日における温度及び湿度の少なくとも一方、又は選果日における温度及び湿度の少なくとも一方を含む。これにより、収穫時又は選果時の気候条件によって腐敗が進行しやすくなった食品を、出荷前に精度よく予測することができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、出荷時における情報を用いて食品の鮮度を補正する点において、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び動作については、適宜説明を省略する。
【0043】
図4は、第2実施形態に係る鮮度予測システムの構成の一例を示すブロック図である。図4は、第1実施形態における図1に対応する。
【0044】
鮮度予測システム1は、例えば、鮮度判定装置5、出荷情報管理装置7、及び鮮度情報補正装置10を含む。鮮度判定装置5の構成は、第1実施形態と同等であるため、説明を省略する。なお、鮮度予測システム1において、出荷情報管理装置7は、出荷情報管理部の一例である。
【0045】
出荷情報管理装置7は、例えば、コンピュータ等である。出荷情報管理装置7は、食品の出荷環境に関する情報(出荷情報FI3)を管理する。出荷情報管理装置7は、例えば、出荷情報FI3に基づき、図示せぬ輸送ネットワークへ食品の出荷を指示する。出荷情報管理装置7は、出荷情報FI3を鮮度情報補正装置10に送信する。
【0046】
鮮度情報補正装置10は、鮮度情報取得部11、出荷情報取得部15、補正部13、及び出力部14を含む。鮮度情報取得部11の構成は、第1実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0047】
出荷情報取得部15は、出荷情報管理装置7との通信を制御する通信インタフェースである。出荷情報取得部15は、出荷情報FI3を受信する。
【0048】
補正部13は、出荷情報FI3に基づいて鮮度情報FI1を補正する。補正部13によって実行されるプログラムは、統計的な分析によって得られる関数であってもよいし、ニューラルネットワークのような機械学習によって得られる入出力モデルであってもよい。補正部13は、補正の結果として、鮮度情報FO2を生成する。また、補正部13は、鮮度情報FO2に基づき、出荷情報FI3の良否を判定する。補正部13は、判定の結果として、判定情報FO3を生成する。
【0049】
なお、出荷情報FI3の良否は、例えば、出荷後に食品が店頭に並ぶ時点で、所定の鮮度を保てているか否かによって判定される。具体的には、補正後の鮮度に基づく残存可食日数が、食品が店頭に並ぶ時点で閾値以上となる場合、補正部13は、当該食品の出荷情報FI3が適切であると判定する。補正後の鮮度に基づく残存可食日数が、食品が店頭に並ぶ時点で閾値未満となる場合、補正部13は、当該食品の出荷情報FI3が適切でないと判定する。
【0050】
出力部14は、補正部13によって生成された鮮度情報FO2、及び判定情報FO3をユーザに出力する。
【0051】
以上のような鮮度情報補正装置10によれば、鮮度判定装置5によって判定された鮮度情報FI1よりも精度の高い鮮度情報FO2をユーザに提供することができる。また、食品の出荷情報FI3が適切であるか否かを併せてユーザに提供することができる。
【0052】
図5は、第2実施形態に係る鮮度情報補正装置に入出力される情報の一例を示す図である。図5は、第1実施形態における図2に対応する。
【0053】
出荷情報FI3は、IDに、食品の出荷環境が関連づけられる。出荷環境の具体例としては、輸送手段、空調機能の有無、輸送距離、輸送時間、温度及び湿度、並びに振動情報が挙げられる。輸送手段は、例えば、車、船、飛行機、鉄道等のキャリアを含む。空調機能は、例えば、冷蔵及び冷凍等のいずれかの機能を含む。振動情報は、輸送ルートに関する情報、輸送ルートの路面の凹凸に関する情報、及び当該輸送ルートのf時における振動データの実測値等のいずれかを含んでいてもよい。図5の例では、出荷情報FI3として、IDがF1の食品に、冷蔵機能を有する車、輸送距離D1、輸送時間T1、輸送時の温度C1c及び湿度H1c、並びに振動情報V1が関連づけられる。IDがF2の食品に、冷蔵機能を有しない船、輸送距離D2、輸送時間T2、輸送時の温度C2c及び湿度H2c、並びに振動情報V2が関連づけられる。IDがF3の食品に、冷蔵機能を有しない車、輸送距離D3、輸送時間T3、輸送時の温度C3c及び湿度H3c、並びに振動情報V3が関連づけられる。
【0054】
鮮度情報FO2は、IDに、鮮度情報補正装置10によって補正された(補正後の)鮮度が関連づけられる。補正後の鮮度は、補正前の鮮度と異なっていてもよいし、等しくてもよい。図5の例では、鮮度情報FO2として、IDがF1の食品に鮮度X1”が関連づけられる。IDがF2の食品に鮮度X2”が関連づけられる。IDがF3の食品に鮮度X3”が関連づけられる。
【0055】
判定情報FO3は、IDに、補正後の鮮度に基づく出荷情報FI3の判定結果が関連づけられる。図5の例では、判定情報FO3として、IDがF1及びF2の食品の出荷情報FI3が適切である旨の判定結果が関連づけられる。IDがF3の食品の出荷情報FI3が適切でない旨の判定結果が関連づけられる。
【0056】
図6は、第2実施形態に係る鮮度情報補正装置における鮮度補正処理の一例を示すフローチャートである。図6は、第1実施形態における図3に対応する。
【0057】
或る食品に関する鮮度補正処理を実行する旨の指示を受けると(開始)、鮮度情報取得部11は、鮮度判定装置5から当該食品の鮮度情報FI1を取得する(S21)。
【0058】
出荷情報取得部15は、出荷情報管理装置7から、当該食品の出荷情報FI3を取得する(S22)。なお、S22の処理は、S21の処理よりも先に実行されてもよいし、S21の処理と並行して実行されてもよい。
【0059】
補正部13は、S22の処理で取得された出荷情報FI3に基づいて、S21の処理で取得された鮮度情報FI1を補正する(S23)。補正部13は、補正の結果として、補正後の鮮度情報FO2を生成する。
【0060】
補正部13は、生成された補正後の鮮度情報FO2に基づき、S21の処理で取得された出荷情報FI3の良否を判定する(S24)。補正部13は、判定の結果として、判定情報FO3を生成する。
【0061】
出力部14は、生成された補正後の鮮度情報FO2及び判定情報FO3をユーザに出力する(S25)。
【0062】
S25の処理の後、鮮度補正処理は終了となる(終了)。
【0063】
第2実施形態によれば、補正部13は、出荷情報FI3に基づき、食品の鮮度を補正する。これにより、食品の外観、又は臭い等の情報に加えて、出荷環境を更に考慮した鮮度を得ることができる。このため、食品の出荷前に、鮮度を精度よく予測することができる。
【0064】
補足すると、出荷時における温度及び湿度並びに距離、又は振動環境が適切な範囲を逸脱する場合、食品が腐敗しやすくなる可能性がある。腐敗しやすい食品が出荷された食品の中に含まれることを避ける観点から、このような鮮度の低下は、出荷前に精度よく予測できることが望ましい。
【0065】
第2実施形態によれば、出荷情報FI3は、出荷時の温度及び湿度の少なくとも一方、又は輸送距離を含む。これにより、出荷時の気候条件又は輸送距離によって腐敗が進行する可能性が高い食品を、出荷前に精度よく予測することができる。
【0066】
また、出荷情報FI3は、出荷時の振動情報を含む。これにより、出荷時に食品に加わる振動によって腐敗が進行する可能性が高い食品を、出荷前に精度よく予測することができる。
【0067】
また、補正部13は、鮮度情報FO2に基づき、出荷情報FI3の良否を判定する。出力部14は、判定の結果を含む判定情報FO3を出力する。これにより、ユーザは、鮮度の高い食品を出荷先に届けるにあたり、出荷情報FI3が妥当か否かを、出荷前に精度よく把握することができる。このため、出荷情報FI3が妥当でないと判定される場合には、ユーザは、鮮度の高い食品を出荷先に届けることが可能な出荷環境を適用した新たな出荷情報FI3を提案できる。したがって、出荷先に鮮度の低い食品が届く割合を低減することができる。
【0068】
(変形例)
上述した第1実施形態及び第2実施形態には、種々の変形を適用することができる。
【0069】
上述した第1実施形態では、前処理情報FI2が収穫日における温度及び湿度、並びに選果日における温度及び湿度を含む場合について説明したが、これに限られない。例えば、前処理情報FI2には、収穫日から選果日までの温度及び湿度の履歴が含まれていてもよい。この場合、補正部13は、収穫日から選果日までの温度の変化量及び湿度の変化量の少なくとも一方に基づいて、鮮度を補正してもよい。また、前処理情報FI2には、選果日の前後数日間の温度及び湿度の履歴が含まれていてもよい。この場合、補正部13は、選果日の前後数日間の温度の変化量及び湿度の変化量の少なくとも一方に基づいて、鮮度を補正してもよい。
【0070】
また、上述した第1実施形態では、前処理情報FI2に温度及び湿度が含まれる場合について説明したが、これに限られない。例えば、前処理情報FI2には、食品に対して実行された鮮度維持処理に関する情報が含まれていてもよい。鮮度維持処理に関する情報は、例えば、食品に照射された紫外線の光量(すなわち、照射強度及び時間)を含んでいてもよい。この場合、補正部13は、食品に照射された紫外線の光量に応じて、鮮度を増加させるように補正してもよい。
【0071】
また、上述した第2実施形態では、鮮度情報FO2及び判定情報FO3がユーザに出力される場合について説明したが、これに限られない。例えば、鮮度情報FO2及び判定情報FO3は、出荷情報管理装置7にフィードバックされてもよい。この場合、出荷情報管理装置7は、フィードバックされた鮮度情報FO2及び判定情報FO3に基づいて、出荷後も鮮度を保ち得る新たな出荷情報FI3を生成してもよい。
【0072】
また、第2実施形態に、第1実施形態の前処理情報を用いて鮮度情報を補正する構成を組み合わせてもよい。
【0073】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、鮮度情報補正装置10の補正部13がプロセッサ又は集積回路、及びメモリである場合について説明したが、これに限られない。例えば、補正部13は、クラウド環境における仮想プロセッサ及びクラウドメモリであってもよい。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…鮮度予測システム、5…鮮度判定装置、6…前処理情報記憶装置、7…出荷情報管理装置、10…鮮度情報補正装置、11…鮮度情報取得部、12…前処理情報取得部、13…補正部、14…出力部、15…出荷情報取得部、FI1,FO1,FO2…鮮度情報、FI2…前処理情報、FI3…出荷情報、FO3…判定情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6