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特開2024-49074中空ガイド軸体、空気紡績装置及び紡績機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049074
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】中空ガイド軸体、空気紡績装置及び紡績機
(51)【国際特許分類】
   D01H 1/115 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
D01H1/115 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155319
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】森田 晃弘
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA19
4L056BD13
4L056BD87
(57)【要約】
【課題】毛羽を規定値よりも増加させた糸を生成可能な中空ガイド軸体、空気紡績装置及び紡績機を提供する。
【解決手段】中空ガイド軸体80は、繊維束Fが導入される繊維導入孔86と、繊維導入孔86に連続し且つ軸方向に沿って延びる繊維通路85と、が形成された第1軸体部分81を備える。繊維通路85の内径をAとし、繊維導入孔86の開口端である導入口89の径をBとした場合、1.5≦B/A≦1.8である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維が導入される繊維導入孔と、前記繊維導入孔に連続し且つ軸方向に沿って延びる繊維通路と、が形成された軸体部分を備える中空ガイド軸体であって、
前記繊維通路の内径をAとし、前記繊維導入孔の開口端である導入口の径をBとした場合、1.5≦B/A≦1.8である、中空ガイド軸体。
【請求項2】
1.6≦B/A≦1.75である、請求項1に記載の中空ガイド軸体。
【請求項3】
前記繊維導入孔の内面は、開口側に行くに従って拡がる曲面を有し、
前記曲面の曲率半径をRとした場合、0.25mm≦R≦0.35mmである、請求項1又は2に記載の中空ガイド軸体。
【請求項4】
前記繊維導入孔の内面は、開口側に行くに従って拡がる平面を有する、請求項1又は2に記載の中空ガイド軸体。
【請求項5】
前記軸体部分の外径をDとした場合、2.8mm≦D≦4.0mmであり、
0.8mm≦A<1.25mmである、請求項1又は2に記載の中空ガイド軸体。
【請求項6】
0.8mm≦A<1.1mmである、請求項5に記載の中空ガイド軸体。
【請求項7】
前記軸体部分は、金属により形成されている、請求項1又は2に記載の中空ガイド軸体。
【請求項8】
繊維を案内する繊維案内部と、
噴射される空気が通過する複数のノズルが形成されたノズルブロックと、
請求項1又は2に記載の中空ガイド軸体と、を備える、空気紡績装置。
【請求項9】
繊維をドラフトするドラフト装置と、
前記ドラフト装置から供給された繊維に撚りを与えて糸を生成する請求項8に記載の空気紡績装置と、
前記空気紡績装置により生成した糸を巻き取る巻取装置と、を備える、紡績機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、中空ガイド軸体、空気紡績装置及び紡績機に関する。
【背景技術】
【0002】
旋回空気流によって繊維に撚りを与えて糸を生成する空気紡績装置が知られている。このような空気紡績装置には、繊維が導入される繊維導入孔と、繊維導入孔に連続し且つ軸方向に沿って延びる繊維通路と、が形成された軸体部分を備える中空ガイド軸体が用いられている(例えば、特許文献1参照)。繊維導入孔に導入される繊維の下流端が先行する繊維に順次巻き込まれ、生成される糸の芯(芯繊維)となり、当該繊維の上流端が旋回空気流によって振り回されて芯繊維に順次巻き付いていく(巻付き繊維)。1本の繊維のうち、一部が芯繊維になり、別の一部が巻付き繊維になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平04-13063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した中空ガイド軸体では、例えば様々な種類の糸の生成が求められる中、例えば糸の風合いをソフトにするために、毛羽(具体的には毛羽の総長さ)を規定値よりも増加させた糸を生成することが望まれる場合がある。
【0005】
本発明の一側面は、毛羽を規定値よりも増加させた糸を生成可能な中空ガイド軸体、空気紡績装置及び紡績機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、中空ガイド軸体において繊維が繊維導入孔に導入される際、芯繊維と芯繊維に巻き付く巻付き繊維との挙動に関して、次の知見を得た。すなわち、繊維通路の内径をAとし、繊維導入孔の開口端である導入口の径をBとした場合に、B/Aが大きくなるほど、繊維導入孔に導入されていく巻付き繊維が芯繊維に巻き付き始める巻付き開始位置(以下、単に「巻付き開始位置」ともいう)を、芯繊維から離すことができ、巻付き繊維が芯繊維に巻き付く巻付き力を弱め、生成する糸の締まりを弱めて毛羽を増加できるという知見を得た。このとき、特にB/Aが1.5以上であると、要求される規定値よりも当該毛羽を増加できるという知見を得た。本発明の一側面は、当該知見に基づきなされたものである。
【0007】
(1)本発明の一側面に係る中空ガイド軸体は、繊維が導入される繊維導入孔と、繊維導入孔に連続し且つ軸方向に沿って延びる繊維通路と、が形成された軸体部分を備える中空ガイド軸体であって、繊維通路の内径をAとし、繊維導入孔の開口端である導入口の径をBとした場合、1.5≦B/A≦1.8である。
【0008】
このような中空ガイド軸体では、B/Aが1.5以上であることから、毛羽を規定値(例えば、一般的な紡績速度で糸を生成した場合において要求品質等から定められる閾値に対応する値)よりも増加させた糸を生成することが可能となる。また、B/Aが大きすぎると、巻付き繊維が芯繊維に巻き付きにくく、糸の生成が困難になる可能性が高まることから、B/Aを1.8以下とすることにより、糸を確実に生成することができる。よって、毛羽を規定値よりも増加させた糸を確実に生成することが可能となる。
【0009】
(2)上記(1)に記載の中空ガイド軸体では、1.6≦B/A≦1.75であってもよい。この場合、巻付き力を一層弱め、生成する糸の毛羽を一層増加することができると共に、巻付き繊維を芯繊維に緩やか且つ確実に巻き付け、糸を一層確実に生成することが可能となる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載の中空ガイド軸体では、繊維導入孔の内面は、開口側に行くに従って拡がる曲面を有し、曲面の曲率半径をRとした場合、0.25mm≦R≦0.35mmであってもよい。この場合、繊維が繊維導入孔へ導入されていく際に、繊維が繊維導入孔の内面から浮きやすく、繊維に加わる抵抗を弱め、巻付き力を低下させることができる。これにより、生成する糸の毛羽を一層増加させることが可能となる。
【0011】
(4)上記(1)~(3)の何れか一項に記載の中空ガイド軸体では、繊維導入孔の内面は、開口側に行くに従って拡がる平面を有していてもよい。この場合、繊維導入孔の内面の加工が容易となり、精度よく繊維導入孔を形成することが可能となる。
【0012】
(5)上記(1)~(4)の何れか一項に記載の中空ガイド軸体では、軸体部分の外径をDとした場合、2.8mm≦D≦4.0mmであり、0.8mm≦A<1.25mmであってもよい。この場合、B/Aを上記の範囲としつつ、耐久性のある軸体部分を形成できる。すなわち、D及びAが上記範囲内であるため、軸体部分の厚みを確保できる。外径Dが2.8mmよりも小さい場合、上記(1)~(4)の何れか一項の中空ガイド軸体を安定して形成することが困難となる。軸体部分の外径Dが4.0mm以下であると、繊維導入孔の付近で旋回される繊維の旋回径が大きくなり過ぎないため、繊維の回転数が低下し過ぎることなく、繊維を所望の速度で安定して旋回させることができる。また、Aが上記範囲内であれば、繊維導入孔から導入される繊維(糸)の一般的な径に対して繊維通路の内径が十分な大きさであるため、たとえ毛羽が多い状態であったとしても、繊維が繊維通路をスムーズに移動することができる。
【0013】
(6)上記(1)~(5)の何れか一項に記載の中空ガイド軸体では、0.8mm≦A<1.1mmであってもよい。この場合、特に内径Aが1.1mm以下である状態では、毛羽をより効率的に増やすことができる。繊維通路を通過する繊維(芯繊維)と巻付き繊維との距離を近付けることができる。換言すると、巻付き繊維の下流端が軸体部分(繊維通路)の中央に近付くため、繊維をよりコントロールしやすくなり、毛羽を効率的に増やすことができる。
【0014】
(7)上記(1)~(6)の何れか一項に記載の中空ガイド軸体では、軸体部分は、金属により形成されていてもよい。この場合、中空ガイド軸体の形状を、精度よく実現することが可能となる。
【0015】
(8)本発明の一側面に係る空気紡績装置は、繊維を案内する繊維案内部と、噴射される空気が通過する複数のノズルが形成されたノズルブロックと、上記の中空ガイド軸体と、を備える。この空気紡績装置は、上記の中空ガイド軸体を備えることから、上記作用効果、すなわち、毛羽を規定値よりも増加させた糸を生成できるという作用効果を奏する。
【0016】
(9)本発明の一側面に係る紡績機は、繊維をドラフトするドラフト装置と、ドラフト装置から供給された繊維に撚りを与えて糸を生成する上記の空気紡績装置と、空気紡績装置により生成した糸を巻き取る巻取装置と、を備える。この紡績機は、上記の空気紡績装置を備えることから、上記作用効果、すなわち、毛羽を規定値よりも増加させた糸を生成できるという作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面によれば、毛羽を規定値よりも増加させた糸を生成可能な中空ガイド軸体、空気紡績装置及び紡績機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1実施形態に係る紡績機を示す正面図である。
図2図2は、図1の紡績ユニットを示す側面図である。
図3図3は、図2の空気紡績装置を示す断面図である。
図4図4は、図3の中空ガイド軸体を示す正面図である。
図5図5は、図3の中空ガイド軸体を示す断面図である。
図6図6は、図5の一部を拡大して示す図である。
図7図7(a)は、芯繊維に巻付き繊維が巻き付く例を説明する断面図である。図7(b)は、芯繊維に巻付き繊維が巻き付く他の例を説明する断面図である。
図8図8は、繊維通路及び導入口と毛羽との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図1に示されるように、紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、玉揚台車(図示省略)と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸Yが切断されたり、何らかの理由により糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2において糸継動作を行う。玉揚台車は、ある紡績ユニット2においてパッケージPが満巻になった場合、パッケージPを玉揚げし、新しいボビンBを当該紡績ユニット2に供給する。
【0021】
第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2において発生した繊維屑及び糸屑等を回収する回収装置等が収容されている。第2エンドフレーム5には、紡績機1に供給される圧縮空気(空気)の空気圧を調整して紡績機1の各部に空気を供給する空気供給部、及び紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。第2エンドフレーム5には、機台制御装置41と、表示画面42と、入力キー43と、が設けられている。機台制御装置41は、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示画面42は、紡績ユニット2の設定内容及び状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力キー43を用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。
【0022】
図1及び図2に示されるように、各紡績ユニット2は、糸Yの走行方向において上流側から順に、ドラフト装置6と、空気紡績装置7と、糸監視装置8と、テンションセンサ9と、糸貯留装置11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。ユニットコントローラ10は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、紡績ユニット2の動作を制御する。
【0023】
ドラフト装置6は、スライバ(繊維束)Sをドラフトする。ドラフト装置6は、スライバSの走行方向において上流側から順に、バックローラ対14と、サードローラ対15と、ミドルローラ対16と、フロントローラ対17と、を有している。各ローラ対14,15,16及び17は、ボトムローラと、トップローラと、を有している。ボトムローラは、第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ又は各紡績ユニット2に設けられた駆動モータにより回転駆動される。ミドルローラ対16のボトムローラに対しては、エプロンベルト18aが設けられている。ミドルローラ対16のトップローラに対しては、エプロンベルト18bが設けられている。
【0024】
空気紡績装置7は、ドラフト装置6によりドラフトされた繊維束(繊維)Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。糸監視装置8は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yの情報を監視して、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置8は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8は、糸欠陥として、例えば、糸Yの太さ異常及び糸Yに含有されている異物等を検出する。
【0025】
テンションセンサ9は、空気紡績装置7と巻取装置13との間のうち、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8及びテンションセンサ9の検出結果に基づきユニットコントローラ10が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において、糸Yが切断される。具体的には、空気紡績装置7への空気の供給が停止されて、糸Yの生成が中断されることにより、糸Yが切断される。或いは、別途設けられたカッタにより糸Yが切断されるようにしてもよい。
【0026】
ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、糸Yにワックスを付与する。糸貯留装置11は、空気紡績装置7と巻取装置13との間において、糸Yの弛みを取る。糸貯留装置11は、空気紡績装置7から糸Yを安定して引き出す機能、糸継台車3による糸継動作時等に空気紡績装置7から送り出される糸Yを滞留させて糸Yが弛むのを防止する機能、及び糸貯留装置11よりも下流側における糸Yのテンションの変動が空気紡績装置7に伝わるのを防止する機能を有している。
【0027】
巻取装置13は、生成した糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム21と、巻取ドラム22と、トラバースガイド23と、を有している。クレードルアーム21は、ボビンBを回転可能に支持する。クレードルアーム21は、支軸24によって揺動可能に支持されており、ボビンBの表面又はパッケージPの表面を巻取ドラム22の表面に適切な圧力で接触させる。第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ(図示省略)が、複数の紡績ユニット2の巻取ドラム22を一斉に駆動する。これにより、各紡績ユニット2において、ボビンB又はパッケージPが巻取方向に回転させられる。各紡績ユニット2のトラバースガイド23は、複数の紡績ユニット2により共有されるシャフト25に設けられている。第2エンドフレーム5の駆動モータがシャフト25を巻取ドラム22の回転軸方向に往復駆動することによって、回転するボビンB又はパッケージPに対してトラバースガイド23が糸Yを所定幅でトラバースする。
【0028】
糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2まで走行して、糸継動作を行う。糸継台車3は、糸継装置26と、サクションパイプ27と、サクションマウス28と、を有している。サクションパイプ27は、支軸31によって回動可能に支持されており、空気紡績装置7からの糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。サクションマウス28は、支軸32によって回動可能に支持されており、巻取装置13からの糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。糸継装置26は、案内された糸Y同士の糸継ぎを行う。糸継装置26は、圧縮空気を用いるスプライサ、種糸を用いるピーサー、又は糸Yを機械的に継ぐノッター等である。
【0029】
図3及び図4を参照して、空気紡績装置7の構成について、より詳細に説明する。以下、繊維束F及び糸Yの走行方向における上流側を単に「上流側」といい、繊維束F及び糸Yの走行方向における下流側を単に「下流側」という。中空ガイド軸体80の軸方向を単に「軸方向」という。
【0030】
図3に示されるように、空気紡績装置7は、繊維案内部50と、ノズルブロック60と、中空ガイド軸体ユニット70と、を含んでいる。繊維案内部50、ノズルブロック60及び中空ガイド軸体ユニット70は、軸方向に沿うラインL上において、ラインLに沿った方向における上流側から下流側に向かって並んでいる。
【0031】
繊維案内部50は、ドラフト装置6から供給された繊維束Fを案内する。繊維案内部50は、繊維束Fを案内する案内孔51を有している。繊維案内部50には、ラインLに沿って配置されたニードル52が設けられている。ニードル52の先端部52aは、繊維案内部50よりも下流側に位置している。空気紡績装置7は、ノズルブロック60と中空ガイド軸体ユニット70との間に形成された空間64において、繊維案内部50から案内された繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与える。繊維案内部50は、ノズルブロック60の上流側端部に配置されている。
【0032】
ノズルブロック60は、繊維束Fが導入される空間64、及び、旋回空気流を発生させるために空間64内に噴射される空気が通過する複数のノズル65を有している。空間64では、導入された繊維束Fの繊維が旋回空気流によって旋回させられる。複数のノズル65は、空間64の周囲に等角度間隔で配列されている。
【0033】
中空ガイド軸体ユニット70は、中空ガイド軸体80と、案内パイプ71と、支持部材72と、固定部材(保持部材)73と、を備えている。図3図4及び図5に示されるように、中空ガイド軸体80は、第1軸体部分(軸体部分)81と、第2軸体部分82と、第3軸体部分83と、を有している。第1軸体部分81、第2軸体部分82及び第3軸体部分83は、上流側から下流側に向かって並んでおり、一体的に形成されている。第3軸体部分83の下流側端部には、フランジ83aが設けられている。中空ガイド軸体80は、例えばステンレス鋼等の金属によって形成されている。中空ガイド軸体80は、セラミックによって形成されていてもよい。中空ガイド軸体80は、スピンドルとも称される。
【0034】
第1軸体部分81には、繊維案内部50からの繊維束Fが導入される繊維導入孔86と、繊維導入孔86に連続し且つ軸方向に沿って延びる繊維通路85と、繊維通路85の下流端に連続し且つ軸方向に沿って延びる繊維通路87と、が形成されている。繊維通路87は、中空の第2軸体部分82及び第3軸体部分83の内側に通じる。第1軸体部分81の外形は、上流側から下流側に向かって広がる円錐台状である。第2軸体部分82の外形は、上流側から下流側に向かって広がる円錐台状であり、第1軸体部分81よりも大きな角度で広がっている。少なくとも第1軸体部分81の上流側端部領域は、ノズルブロック60内に配置される。
【0035】
図3に示されるように、案内パイプ71には、繊維束Fを空気紡績装置7の外部に案内する通路74が設けられている。通路74は、ラインL上において、上流側及び下流側に開口している。通路74の下流側部分の内径は、通路74の上流側部分の内径よりも大きい。案内パイプ71の上流側端部領域には、通路74に噴射される空気が通過する複数のノズル75が設けられている。複数のノズル75は、例えば、ラインL回りに等角度間隔で設けられている。
【0036】
支持部材72には、上流側に開口する収容孔76、並びに上流側及び下流側に開口する糸導出路77が設けられている。糸導出路77の上流側端部は、収容孔76の下流側端部に接続されている。糸導出路77の内径は、案内パイプ71の通路74の下流側部分の内径と略等しく、収容孔76の内径よりも小さい。支持部材72には、収容孔76に連通する空気供給管78が取り付けられている。支持部材72の上流側端部には、雄ねじ72aが形成されている。
【0037】
固定部材73は、フランジ73aが設けられたキャップ状のナットである。中空ガイド軸体ユニット70では、案内パイプ71が支持部材72の収容孔76内に配置されており、案内パイプ71の上流側端部を覆うように中空ガイド軸体80が支持部材72の上流側端部に配置されている。これにより、中空ガイド軸体80の繊維通路87と案内パイプ71の通路74とが接続されており、案内パイプ71の通路74と支持部材72の糸導出路77とが接続されている。この状態で、固定部材73は、中空ガイド軸体80のフランジ83aに係合しつつ、支持部材72の雄ねじ72aに螺合している。
【0038】
以上のように構成された空気紡績装置7では、紡績動作の開始時には、複数のノズル65からノズルブロック60内に空気が噴射されると共に、複数のノズル75から通路74に空気が噴射される。これにより、ドラフト装置6から案内孔51を介して空間64に導入された繊維束Fは、通路74及び糸導出路77を通って下流側に導出される。その後、複数のノズル65から空間64への空気の噴射が継続され、複数のノズル75から通路74への空気の噴射が停止され、通常の紡績動作へ移行する。空間64内に発生した旋回空気流によって、繊維束Fを構成する繊維が旋回させられる。繊維導入孔86に導入される繊維束Fの繊維の下流端が先行する繊維に順次巻き込まれ、生成される糸Yの芯(芯繊維)となり、当該繊維の上流端が旋回空気流によって振り回されて芯繊維に順次巻き付いていく(巻付き繊維)。1本の繊維のうち、一部が芯繊維になり、別の一部が巻付き繊維になる。繊維束Fに撚りが掛けられることにより生成された糸Yは、通路74及び糸導出路77を通って下流側に導出される。
【0039】
次に、本実施形態の中空ガイド軸体80の要部について説明する。
【0040】
図5及び図6に示されるように、中空ガイド軸体80において、第1軸体部分81には、繊維導入孔86及び繊維通路85が形成されている。繊維導入孔86は、中空ガイド軸体80の外部から繊維通路85へ突き抜ける空間である。繊維導入孔86は、軸方向と直交する断面の形状が円形の孔である。円形は楕円であってもよい。繊維導入孔86の開口端(上流側の端又は縁)は、繊維束Fの導入口89を構成する。導入口89は、中空ガイド軸体80の内外の境界である。繊維導入孔86の内面86xは、開口側に行くに従って拡がる曲面である。
【0041】
繊維通路85は、繊維導入孔86から下流側に向かって連続する空間である。繊維通路85の内面85xと繊維導入孔86の内面86xとの境には、段差は形成されていない。繊維通路85は、軸方向と直交する断面の形状が円形の孔である。円形は楕円であってもよい。繊維通路85の内面85xは、軸方向に沿った面である。
【0042】
図6に示されるように、繊維通路85の内径をAとし、繊維導入孔86の導入口89の径をBとした場合、1.5≦B/A≦1.8である。具体的には、1.6≦B/A≦1.75である。本実施形態では、B/Aは、1.63である。導入口89の径は、中空ガイド軸体80の側面視において、中空ガイド軸体80の頂点と頂点とを直線で結んだ場合の、頂点間の距離と言うこともできる。繊維通路85の内径は、繊維通路85の直径である。繊維通路85の内径は、繊維通路85の複数位置における内径の平均値であってもよいし、最小値であってもよいし、最大値であってもよい。導入口89の径は、導入口89の直径である。
【0043】
曲面である内面86xの曲率半径をRとした場合、0.25mm≦R≦0.35mmである。本実施形態では、Rは、0.3mm±0.05mmである。
【0044】
第1軸体部分81の外径をD(図5参照)とした場合、2.8mm≦D≦4.0mmであり且つ0.8mm≦A<1.25mmである。本実施形態では、Dは、2.8mmである。また、0.8mm≦A<1.1mmである。第1軸体部分81の外径は、中空ガイド軸体80の側方(軸方向に垂直な方向)から見て、第1軸体部分81の上流側端を通り且つ軸方向に垂直な直線(図5の左右方向に延びる破線)と、第1軸体部分81の外周面の延長線(図5の斜め上下方向に延びる破線)と、の交点da,dbの間の距離である。繊維通路85の内径、導入口89の径、内面86xの曲率半径、及び、第1軸体部分81の外径は、非破壊検査装置等により測定でき、例えば3D形状測定機VR-5000((株)キーエンス製)により測定できる。
【0045】
中空ガイド軸体80において繊維束Fの繊維が繊維導入孔86に導入される際、芯繊維と芯繊維に巻き付く巻付き繊維との挙動に関して、次の知見が得られる。図7(a)は、本実施形態に係る中空ガイド軸体80の上流側部分を示す拡大断面図である。図7(b)は、比較例に係る中空ガイド軸体180の上流側部分を示す拡大断面図である。比較例に係る中空ガイド軸体180は、繊維導入孔86に代えて繊維導入孔186が形成されている点で、中空ガイド軸体80とは異なる。繊維導入孔186の内面186xの曲率半径は、繊維導入孔86の内面86xの曲率半径よりも小さい。中空ガイド軸体180のB/Aは、中空ガイド軸体180のB/Aよりも小さく、例えば1.21である。
【0046】
図8は、繊維通路及び導入口と毛羽との関係を示すグラフである。図8において、縦軸は毛羽に相当するHairinessであり、横軸はB/Aである。Hairinessは、生成された1cm長さの糸Yに含まれる毛羽の総長さである。Hairinessは、例えば糸斑試験機UT-6(ウスターテクノロジーズ(株)製)により測定できる。図8のデータは、一般的な紡績速度(例えば540m/min)によって糸Yを生成した場合のデータである。
【0047】
図7(a)及び図7(b)に示されるように、B/Aが大きくなるほど、繊維導入孔86に導入されていく繊維束Fのうち、巻付き繊維Fbが芯繊維Faに巻き付き始める巻付き開始位置(以下、単に「巻付き開始位置」ともいう)を、芯繊維Faから離すことができる。その結果、巻付き繊維Fbが芯繊維Faに巻き付く巻付き力を弱め、図8に示されるように、生成する糸Yの締まりを弱めて毛羽を増加できる。
【0048】
また、内面86xの曲率半径であるRが大きい方が、巻付き繊維Fbの屈曲角度が大きくなり、巻付き繊維Fbにかかるテンションが低下した状態で巻付き繊維Fbが芯繊維Faに巻き付き、糸Yの締付け力が緩くなる。内面86xの曲率半径であるRが大きい方が、巻付き繊維Fbが内面86xに接触する面積が大きくなり、巻付き繊維Fbに対する第1軸体部分81の摩擦抵抗が上がり、旋回空気流による巻付き繊維Fbに対する旋回力が低下し、糸Yの締付け力が緩くなる。
【0049】
特にB/Aが1.5以上であると、要求される規定値αよりも当該毛羽を増加できる。規定値αは、例えば糸Yの要求品質等から定められる下限閾値に対応する値である。なお、本実施形態では、締まりが一定値よりも弱い糸Y、言い換えると、風合いがソフトな糸Yが望まれており、それに応じた規定値αが定められている。つまり、中空ガイド軸体80は、毛羽が多い糸Y、すなわち風合いがソフトな糸Yを生成する構造である。
【0050】
以上、中空ガイド軸体80では、B/Aが1.5以上であることから、毛羽を規定値αよりも増加させた糸Yを生成することが可能となる。また、B/Aが大きすぎると、巻付き繊維Fbが芯繊維Faに巻き付きにくく、糸Yの生成が困難になる可能性が高まることから、B/Aを1.8以下とすることにより、糸Yを確実に生成することができる。よって、毛羽を規定値αよりも増加させた糸Yを確実に生成することが可能となる。糸直径の大きい糸Yを生成することが可能となる。
【0051】
中空ガイド軸体80では、1.6≦B/A≦1.75である。この場合、巻付き力を一層弱め、生成する糸Yの毛羽を一層増加することができると共に、巻付き繊維Fbを芯繊維Faに緩やか且つ確実に巻き付け、糸Yを一層確実に生成することが可能となる。
【0052】
中空ガイド軸体80では、繊維導入孔86の内面86xは、開口側に行くに従って拡がる曲面を有する。内面86xの曲率半径をRとした場合、0.25mm≦R≦0.35mmである。この場合、繊維束Fが繊維導入孔86へ導入されていく際に、繊維束Fの繊維(巻付き繊維Fb)が繊維導入孔86の内面86xから浮きやすく、巻付き繊維Fbに加わる抵抗を弱め、巻付き力を低下させることができる。これにより、生成する糸Yの毛羽を一層増加させることが可能となる。
【0053】
中空ガイド軸体80では、第1軸体部分81の外径をDとした場合、2.8mm≦D≦4.0mmであり、0.8mm≦A<1.25mmである。この場合、B/Aを上記の範囲としつつ、耐久性のある第1軸体部分81を形成できる。すなわち、D及びAが上記範囲内であるため、第1軸体部分81の厚みを確保できる。外径Dが2.8mmよりも小さい場合、本実施形態の中空ガイド軸体80を安定して形成することが困難となる。第1軸体部分81の外径Dが4.0mm以下であると、繊維導入孔86の付近で旋回される繊維の旋回径が大きくなり過ぎないため、繊維の回転数が低下し過ぎることなく、繊維を所望の速度で安定して旋回させることができる。また、Aが上記範囲内であれば、繊維導入孔86から導入される繊維(糸Y)の一般的な径に対して繊維通路85の内径が十分な大きさであるため、たとえ毛羽が多い状態であったとしても、繊維が繊維通路85をスムーズに移動することができる。
【0054】
中空ガイド軸体80では、0.8mm≦A<1.1mmである。この場合、特に内径Aが1.1mm以下である状態では、毛羽をより効率的に増やすことができる。繊維通路85を通過する繊維(芯繊維Fa)と、巻付き繊維Fbとの距離を近付けることができる。換言すると、巻付き繊維Fbの下流端が第1軸体部分81(繊維通路85)の中央に近付くため、繊維をよりコントロールしやすくなり、毛羽を効率的に増やすことができる。
【0055】
中空ガイド軸体80では、第1軸体部分81は、金属により形成されている。この場合、中空ガイド軸体80の形状を、精度よく実現することが可能となる。
【0056】
空気紡績装置7は、繊維案内部50と、ノズルブロック60と、中空ガイド軸体80と、を備える。空気紡績装置7は、中空ガイド軸体80を備えることから、上記作用効果、すなわち、毛羽を規定値αよりも増加させた糸Yを生成できるという作用効果を奏する。
【0057】
紡績機1は、ドラフト装置6と、空気紡績装置7と、巻取装置13と、を備える。紡績機1は、空気紡績装置7を備えることから、上記作用効果、すなわち、毛羽を規定値αよりも増加させた糸Yを生成できるという作用効果を奏する。
【0058】
なお、本実施形態の中空ガイド軸体80では、繊維導入孔86の内面86xの面形状は特に限定されず、開口側に行くに従って拡がる平面(いわゆる、面取り面)を有していてもよい。この場合、繊維導入孔86の内面86xの加工が容易となり、精度よく繊維導入孔86を形成することが可能となる。平面としての内面86xの傾斜角度は、特に限定されず、あらゆる角度であってもよい。例えば当該傾斜角度は、軸方向に沿う面に対して45°傾斜してもよいし、60°傾斜してもよい。
【0059】
以上、本発明の一態様は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
上記実施形態では、導入口89の形状は限定されず、円形以外の形状であってもよい。この場合、導入口89の径は、導入口89の内接円の径としてもよいし、外接円の径としてもよいし、これらの平均値としてもよい。繊維通路85の形状は限定されず、円形以外の形状であってもよい。この場合、繊維通路85の内径は、繊維通路85の内接円の径としてもよいし、外接円の径としてもよいし、これらの平均値としてもよい。
【0061】
上記実施形態では、内面85xは軸方向に平行でなくてもよく、傾斜していてもよいし、凹部が設けられていてもよいし、凸部が設けられていてもよい。内面86xの曲率半径は、一定でなくてもよい。この場合、内面86xの曲率半径の最大値、最小値又は平均値をRとしてもよい。上記実施形態では、第1軸体部分81の外形が円錐台状以外の形状であってもよい。
【0062】
上記実施形態では、中空ガイド軸体ユニット70は、ノズル75を有していなくてもよい。中空ガイド軸体ユニット70のうち、第1軸体部分81が、第2軸体部分82及び第3軸体部分83とは別体として形成されていてもよい。この場合、中空ガイド軸体ユニット70がノズル75を有していれば、当該第1軸体部分81が、ノズル75が設けられた案内パイプ71の上流側端部と一体的に形成されていてもよい。第2軸体部分82及び第3軸体部分83が、固定部材73と一体的に形成されていてもよい。
【0063】
上記実施形態では、空気紡績装置7は、ニードル52を備えず、繊維案内部50の下流側端部によって、繊維束Fの撚りが空気紡績装置7よりも上流側に伝わるのを防止する構成であってもよい。上記実施形態では、繊維案内部50とノズルブロック60とは一体に構成されていてもよい。上記実施形態の紡績ユニット2では、糸貯留装置11が空気紡績装置7から糸Yを引き出す機能を有していたが、デリベリローラとニップローラとにより空気紡績装置7から糸Yが引き出されてもよい。デリベリローラとニップローラとにより空気紡績装置7から糸Yを引き出す場合、糸貯留装置11の代わりに、あるいは糸貯留装置11に加えて、吸引空気流により糸Yの弛みを吸収するスラックチューブ及び/又は機械的なコンペンセータ等を設けてもよい。
【0064】
上記実施形態の紡績機1では、機台高さ方向において、上側から供給された糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側から供給された糸Yが上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
【0065】
上記実施形態の紡績機1では、ドラフト装置6のボトムローラの少なくとも一つ及びトラバースガイド23が、第2エンドフレーム5からの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。しかし、紡績ユニット2の各部(例えば、ドラフト装置6、空気紡績装置7、巻取装置13等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。糸継ぎに関連する装置(糸継装置26、サクションパイプ27、サクションマウス28)の少なくとも1つが、糸継台車3ではなく、各紡績ユニット2に設けられていてもよい。
【0066】
上記実施形態では、糸Yの走行方向において、テンションセンサ9が糸監視装置8よりも上流側に配置されてもよい。ユニットコントローラ10は、紡績ユニット2ごとに設けられてもよい。紡績ユニット2において、ワキシング装置12、テンションセンサ9及び糸監視装置8は、省略されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、紡績機1は、チーズ形状のパッケージPを巻き取るように図示(図1参照)されているが、コーン形状のパッケージPを巻き取ることも可能である。コーン形状のパッケージPの場合、糸Yのトラバースにより糸Yの弛みが発生するが、当該弛みは、糸貯留装置11により吸収することができる。上記実施形態において、規定値αは、固定値でなくてもよく、例えばスライバSの原料、及び、生成する糸Yの条件によって異なる値であってもよい。
【0068】
各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。上記の各数値は、設計上、製造上及び計測上等の少なくとも何れかの誤差を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…紡績機、6…ドラフト装置、7…空気紡績装置、13…巻取装置、50…繊維案内部、60…ノズルブロック、65…ノズル、80…中空ガイド軸体、81…第1軸体部分(軸体部分)、85…繊維通路、86…繊維導入孔、86x…内面、89…導入口、F…繊維束(繊維)、Fa…芯繊維、Fb…巻付き繊維、Y…糸。
図1
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