(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049130
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】半導体装置、電子装置、電子装置の特性を設定する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20240402BHJP
G11C 5/14 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
H01L27/04 V
H01L27/04 T
G11C5/14 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155406
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我 龍
(72)【発明者】
【氏名】前田 智行
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AV02
5F038AV13
5F038AV15
5F038AV16
5F038AV17
5F038AV18
5F038DT01
(57)【要約】
【課題】一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路を含む半導体装置の製造プロセスの後に該回路の特性を変更できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置13は、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有するレギュレータ回路19に接続され、レギュレータ回路19の特性を特定する値を格納する格納回路23と、一又は複数の電子ヒューズ16を含む電子ヒューズ回路18に接続される入力、格納回路23に接続される出力、読出制御回路25、および特性制御回路27を備える電子ヒューズ制御器を17備え、読出制御回路25は、入力を介して電子ヒューズ16の少なくとも一部から値を読出期間に読み出すように構成されたリード回路を含み、特性制御回路27は、特性を特定する特定データをリード回路からの信号から生成すると共に、読出期間と異なる特定期間に出力を介して特定データを格納回路23に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の値によって特定されるべき特性を有するレギュレータ回路に接続され、前記レギュレータ回路の前記特性を特定する値を格納するように構成された格納回路と、
一又は複数の電子ヒューズを含む電子ヒューズ回路に接続されるように構成された入力、前記格納回路に接続されるように構成された出力、読出制御回路、および特性制御回路を備える電子ヒューズ制御器と、
を備え、
前記読出制御回路は、前記入力を介して前記電子ヒューズの少なくとも一部から値を読出期間に読み出すように構成されたリード回路を含み、
前記特性制御回路は、前記特性を特定するように構成された特定データを前記リード回路からの信号から生成すると共に、前記読出期間と異なる特定期間に前記出力を介して前記特定データを前記格納回路に提供するように構成される、
半導体装置。
【請求項2】
前記電子ヒューズ制御器は、発振器を含むクロック生成回路からの第1クロック信号を受けて動作し、
前記クロック生成回路は、前記レギュレータ回路のレギュレータ出力に接続された電源線から給電される、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項3】
前記格納回路は、前記特性の前記値を格納するように構成された揮発性保持回路を含み、
前記揮発性保持回路は、前記電子ヒューズ制御器の前記出力に接続される、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項4】
当該半導体装置の設定モード及び前記設定モードと異なる通常動作モードを切り替えるように構成された制御回路を更に備え、
前記特性は、前記特性の前記値が前記設定モードにおいて前記格納回路に格納されることによって特定され、
前記レギュレータ回路は、前記通常動作モードにおいて、前記格納回路における前記値によって規定される特性を示し、
前記電子ヒューズ制御器は、前記設定モードにおいて、前記レギュレータ回路から給電される、
請求項3に記載された半導体装置。
【請求項5】
前記読出制御回路は、一又は複数の前記値うちの一つを特定するために奇数個の前記電子ヒューズからの読み出し値の多数決値を生成するように構成された多数決回路を更に含む、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項6】
前記読出制御回路は、前記電子ヒューズからの読み出しが完了した後に、前記特定データを前記格納回路に提供する第1要求を前記特性制御回路に送り、
前記特性制御回路は、前記第1要求の受領に応答して、前記受領の後のある期間に前記特定データを前記出力に提供する、
請求項2に記載された半導体装置。
【請求項7】
前記読出制御回路は、前記電子ヒューズからの読み出しの値が完了した後に、前記クロック生成回路に第2要求を提供し、
前記クロック生成回路は、前記第2要求に応答して、前記第1クロック信号を停止する、
請求項6に記載された半導体装置。
【請求項8】
前記クロック生成回路は、前記第1クロック信号より長い周期の第2クロック信号を生成し、
前記特性制御回路は、前記第2クロック信号に応答して動作するように構成されたカウンタ回路をさらに含み、
前記特性制御回路は、前記カウンタ回路の出力値の変化に応答して、前記特定データを前記出力に提供することを終了する、
請求項7に記載された半導体装置。
【請求項9】
前記特性制御回路は、前記カウンタ回路の前記出力値の変化に応答して、前記第1クロック信号の再開を求める第3要求を生成し、
前記クロック生成回路は、前記第3要求に応答して、前記第1クロック信号を再開する、
請求項8に記載された半導体装置。
【請求項10】
前記レギュレータ回路は、前記格納回路によって提供される設定値によって特定されるトリミング可能な回路を備える、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載された半導体装置と、
前記電子ヒューズ回路を含む電子ヒューズ装置と、
を備える、電子装置。
【請求項12】
前記半導体装置及び前記電子ヒューズ装置は、半導体基板の上に集積されている、
請求項11に記載された電子装置。
【請求項13】
請求項11に記載された電子装置を準備することと、
電源から前記電子装置への第1給電を行うことと、
前記第1給電に応答して、前記レギュレータ回路から前記電子ヒューズ制御器及び前記格納回路に第2給電を行うことと、
前記第2給電の後に、前記電子ヒューズから前記値を読み出して前記特定データを生成することと、
前記特定データを前記格納回路に提供することと、
を備える、
電子装置の特性を設定する方法。
【請求項14】
前記特定データを前記格納回路に提供したことに応答して、前記特定データに基づく特性で前記レギュレータ回路を動作させること、を更に備える、
請求項13に記載された電子装置の特性を設定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、電子装置、及び電子装置の特性を設定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、レーザヒューズ回路、電気ヒューズ回路、及び調整回路を含む半導体集積回路を開示する。この半導体集積回路では、レーザヒューズ回路は、レーザ照射により第1のトリミングコードを記憶させる。電気ヒューズ回路は、電圧印加により第2のトリミングコードを記憶させる。調整回路は、第1又は第2のトリミングコードに応じて電位レベル又はタイミングを調整する。この半導体集積回路によれば、試験時間を短縮すると共に信頼性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置における回路の中には、トリミングにより特性を高精度化することが可能であるものがあり、またそのような高精度化を求められることがある。トリミングのための特性データは、半導体装置の個体毎に異なる。個体毎のデータを半導体装置に記録するために、メタルヒューズ(レーザ溶断ヒューズ)が利用可能である。しかしながら、メタルヒューズの使用は、プロセスの微細化に伴い半導体装置のチップ面積の縮小の妨げになる。
【0005】
メタルヒューズを用いた回路特性の変更に係る例示は、以下のものである。半導体装置は、例えば発振器及び電圧レギュレータといった、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路を集積している。半導体装置への電源投入の後に、コントローラチップからトリミングデータを読み出すために、電源電圧が印加される。メタルヒューズからのトリミングデータが読み出されて、トリミングデータは、例えば発振器及び電圧レギュレータの回路特性を特定するために設定されている。メタルヒューズのプログラミングは、未設定の特性を示す電圧レギュレータを動作させずに行われ、未設定の特性を示す電圧レギュレータを、設定済み特性を示す電圧レギュレータに変える。メタルヒューズの利用は、未設定の電圧レギュレータの未知の特性に煩わされることを避けることを可能にする。しかしながら、メタルヒューズを利用しない方式が望まれる。
【0006】
本発明は、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路を含む半導体装置の製造プロセスの後に該回路の特性を変更にできる半導体装置、電子装置、及び電子装置の特性を設定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る半導体装置は、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有するレギュレータ回路に接続され、前記レギュレータ回路の前記特性を特定する値を格納するように構成された格納回路と、一又は複数の電子ヒューズを含む電子ヒューズ回路に接続されるように構成された入力、前記格納回路に接続されるように構成された出力、読出制御回路、および特性制御回路を備える電子ヒューズ制御器と、を備え、前記読出制御回路は、前記入力を介して前記電子ヒューズの少なくとも一部から値を読出期間に読み出すように構成されたリード回路を含み、前記特性制御回路は、前記特性を特定するように構成された特定データを前記リード回路からの信号から生成すると共に、前記読出期間と異なる特定期間に前記出力を介して前記特定データを前記格納回路に提供するように構成される。
【0008】
本発明の第2側面に係る電子装置は、第1側面に係る半導体装置と、前記電子ヒューズ回路を含む電子ヒューズ装置と、を備える。
【0009】
本発明の第3側面に係る電子装置の特性を設定する方法は、第2側面に係る電子装置を準備することと、電源から前記電子装置への第1給電を行うことと、前記第1給電に応答して、前記レギュレータ回路から前記電子ヒューズ制御器及び前記格納回路に第2給電を行うことと、前記第2給電の後に、前記電子ヒューズから前記値を読み出して前記特定データを生成することと、前記特定データを前記格納回路に提供することと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記の側面によれば、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路を含む半導体装置の製造プロセスの後に該回路の特性を変更できる半導体装置、電子装置、及び電子装置の特性を設定する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る半導体装置及び電子装置を概略的に示す図面である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係るレギュレータを概略的に示す図面である。
【
図3】
図3は、例示的な電子ヒューズ装置の信号線を示す図面である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、例えばフリップフロップ回路のセットアップ期間及びホールド期間を示す図面である。
図4(c)は、信号遷移の重なりに起因するメタステーブルを示す図面である。
【
図5】
図5(a)は、設定モードにおいて発振器からのクロック信号の周期が目標周期の二倍である場合における長すぎるストローブ信号の波形を示す図面である。
図5(b)は、設定モードにおいて発振器のクロック信号の周期が目標周期の半分である場合における短すぎるストローブ信号を示す図面である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、それぞれ、原クロック信号の周期が目標周期の半分である場合における短いストローブ信号及び原クロック信号の周期が目標周期の半分である場合における適切な長さのストローブ信号のタイミングを示す図面である。
【
図7】
図7は、本実施の形態に係る電子装置の特性を設定する方法における主要なステップを示す図面である。
【
図8】
図8は、本実施例に係るリセット回路の主要部の回路図を示す図面である。
【
図9】
図9は、本実施例に係るクロック生成回路の主要部の回路図を示す図面である。
【
図10】
図10は、本実施例に係る電子ヒューズ制御器の主要部の回路図を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る半導体装置及び電子装置を概略的に示す図面である。
【0014】
電子装置11は、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15を含む。半導体装置13は、電子ヒューズ制御器17及び格納回路23を含む。電子ヒューズ装置15は、コントロール回路14及び一又は複数の電子ヒューズ16を含む。コントロール回路14は、電子ヒューズ16に接続されて、電子ヒューズ16へのアクセスを制御する。電子ヒューズ装置15は、半導体装置13と一緒に単一の半導体基板の上に集積されることができ、或いは、集積されることなく別体であることができる。必要な場合には、電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15の少なくとも一つは、パッケージPKG内に配置されていてもよい。
【0015】
電子装置11によれば、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路において、電子ヒューズ装置15を用いて該回路の特性を特定する値を格納し保持できる。この回路は、引き続く説明における実施例ではレギュレータ回路19を含み、しかしながら、レギュレータ回路19に限定されない。格納回路23は、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路に接続される。
【0016】
本実施例では、格納回路23は、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有するレギュレータ回路19に接続される。レギュレータ回路19は、一又は複数の値によって特定されるべき特性、例えば参照電圧及び温度係数(温度傾き)といった特性を有する。格納回路23は、レギュレータ回路19の特性を特定する値を格納するように構成される。レギュレータ回路19は、格納回路23によって提供される設定値によって特定される一又は複数のトリミング可能な回路21を備える。
【0017】
レギュレータ回路19は、電源VDDからの電力の供給を受けて、制御された電圧VREGを出力(19a)を介して電源線20に提供する。
図1には、代表的に、レギュレータ回路19に接続される第2電源線22、例えば接地線が描かれている。
【0018】
電子ヒューズ制御器17は、読出制御回路25及び特性制御回路27を含む。電子ヒューズ制御器17は、また、電子ヒューズ回路18の出力に接続される入力17a、格納回路23に接続される出力17b、格納回路23に接続される入力17c、及び電子ヒューズ回路18の入力に接続される出力17dを有する。
【0019】
読出制御回路25は、リード回路29を含み、リード回路29は、読出期間に入力17aを介して電子ヒューズ16の少なくとも一部から値を有する信号SFUSEを読み出すように構成される。
【0020】
特性制御回路27は、回路の特性、具体的にはレギュレータ回路19の特性を特定するように構成された特定データSDETを、信号SFUSEを受ける読出制御回路25、具体的にはリード回路29からの信号(値は信号SFUSEと同じ)から生成する。また、特性制御回路27は、レギュレータ回路19の特性を特定するように読出期間と異なる特定期間に出力17bを介して特定データSDETを格納回路23に提供するように構成される。
【0021】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、レギュレータ回路19の特定されるべき特性が特定データSDETとして特定される前では、レギュレータ回路19の特性はデフォルト値によって規定され、またレギュレータ回路19は、この値に従って動作する。レギュレータ回路19の特性が格納回路23の値によって特定された後では、レギュレータ回路19の特性は電子ヒューズ装置15内の一又は複数の電子ヒューズ16の値によって規定され、またレギュレータ回路19は、この特性に従って動作する。
【0022】
リード回路29は、電子ヒューズ回路18の内の少なくとも一部の電子ヒューズ16から電子ヒューズ制御器17の入力17aを介して信号SFUSEを読み出し、読出制御回路25は、特性制御回路27へ提供されるデータSDATAを信号SFUSEから生成する。読出制御回路25は、また、信号SFUSEからのデータSDATAを特性制御回路27に提供する。特性制御回路27は、電子ヒューズ回路18によって提供された信号SFUSEからのデータSDATAを、レギュレータ回路19の特性を特定するように構成された特定データSDETに変換する。特定データSDETは、回路の特性を特定するように、電子ヒューズ制御器17の出力17bを介してレギュレータ回路19に関連付けられた格納回路23の保持回路に提供される。特定データSDETの提供により、レギュレータ回路19の特性は特定されて、レギュレータ回路19は、特定された特性に従って動作可能になる。
【0023】
レギュレータ回路19に所望の特性を発揮させるための特性値は、以下のように特定される。回路、具体的にはレギュレータ回路19の特性を測定することができる。例えば、レギュレータ回路19の特性は、製造工程においてテスターを用いて測定される。レギュレータ回路19を含む半導体装置がパッケージ内に配置されるときは、パッケージの端子を介して測定が行われる。或いは、一又は複数の値によって特定されるべきある回路特性は、格納回路23にある値を設定すると共にこの値においてレギュレータ回路19の特性を測定することによって得られる。この測定にスターが用いられることができる。一又は複数回の測定から、所望の特性をレギュレータ回路19に発揮させることに係る所望の設定値が特定されることができる。所望の特性を示すレギュレータ回路19が得られた際に格納回路23の値が特定される。
【0024】
上記のように特定された一又は複数の所望の設定値は、テスターから設定値信号SPREDETとして、書込回路31へ提供される。書込回路31は、特性制御回路27から受けた設定値信号SPREDETからヒューズ値信号SWRTFSを生成して、電子ヒューズ装置15に提供する。電子ヒューズ装置15は、ヒューズ値信号SWRTFSの受信に応答して、対応する一又は複数の電子ヒューズ16にヒューズ値信号SWRTFSの値を記録する。
【0025】
必要な場合には、発振器35は、一又は複数の値によって特定されるべき特性、例えば周波数及び発振周期といった特性を有することができる。格納回路23は、発振器35の特性を特定する値を格納するように構成されることができる。発振器35は、格納回路23によって提供される設定値によって特定される一又は複数のトリミング可能な回路24を備えることができる。発振器35の特性は、製造工程においてテスターを用いて測定される。発振器35を含む半導体装置がパッケージ内に配置されるときは、パッケージの端子を介して測定が行われる。
【0026】
引き続く説明では、必要な場合には、特定データSDETは、レギュレータ回路19の特性を特定する1又は複数の値に係るデータに替えて、発振器35の特性を特定する一又は複数の値に係るデータを更に含むことができ、或いは、レギュレータ回路19の特性を特定する1又は複数の値に係るデータに加えて、発振器35の特性を特定する一又は複数の値に係るデータを更に含むことができ、また或いは、これらに加えて他の回路の特性を特定する一又は複数の値に係るデータを更に含むことができる。発振器35の特定されるべき特性が特定データSDETとして特定される前では、発振器35の特性は、デフォルト値によって規定され、また発振器35は、この値に従って動作する。発振器35の特性が、特定データSDETを格納した格納回路23の値によって特定された後では、発振器35の特性は、電子ヒューズ装置15内の一又は複数の電子ヒューズ16の値によって規定され、また発振器35は、この特性に従って動作する。発振器35の特性は、既に説明されたレギュレータ回路19の特性と同様に特定されることができる。引き続く説明では、レギュレータ回路19について説明する。
【0027】
半導体装置13は、クロック生成回路33を含み、クロック生成回路33は、発振器35を含むことができる。電子ヒューズ制御器17は、クロック生成回路33からの第1クロック信号SCLK1を受けて動作し、また特性制御回路27は、クロック生成回路33からの第2クロック信号SCLK2を受けて動作する。クロック生成回路33は、レギュレータ回路19のレギュレータ出力19aに接続された電源線20から給電されることができる。
【0028】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、クロック生成回路33は、例えばデフォルト状態のレギュレータ回路19からの電源線20の電圧VREGを受けて動作する。
【0029】
格納回路23は、揮発性保持回路37を含み、揮発性保持回路37は、レギュレータ回路19の特性の一又は複数の値を格納するように構成される。揮発性保持回路37は、電子ヒューズ制御器17の出力17bに接続される。揮発性保持回路37は、レギュレータ回路19のレギュレータ出力19aに接続された電源線20から給電されることができる。
【0030】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、電子ヒューズ16からの値は、レギュレータ回路19のトリミング可能な回路21の特性を設定するために、揮発性保持回路37(例えば、ラッチ回路、又はフリップフロップ回路)に格納される。
【0031】
半導体装置13は、電子ヒューズ制御器17とは別個の回路41を含むことができる。別個の回路41は、電源線20から給電されており、また通常動作モードにおいてその主要な機能を発揮する。
【0032】
半導体装置13は、モード信号SMODEを生成するように構成された制御回路39を更に備えることができ、制御回路39は、半導体装置13の設定モード、及びこの設定モードと異なる通常動作モードを切り替えるように構成される。設定モードにおいて、レギュレータ回路19の特性は、その特性に対応する特定データSDETの値が格納回路23に格納されることによって特定される。レギュレータ回路19は、通常の動作を行う通常動作モードにおいて、格納回路23における格納値によって規定される特性を示し、クロック生成回路33、発振器35、別個の回路41、及びリセット回路43に給電する。
【0033】
半導体装置13は、別個の回路41にリセット信号SRSTを提供するように構成されたリセット回路43を含むことができる。別個の回路41は、通常動作モードにおいてクロック生成回路33から第3クロック信号SCLK3を受ける。一方、設定モードにおいては、クロック生成回路33は、第3クロック信号SCLK3を別個の回路41に供給しないことがよい。別個の回路41の動作に起因するレギュレータ回路19の負荷の変動を回避できる。
【0034】
電子ヒューズ制御器17は、レギュレータ回路19から給電されることができる。
【0035】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、電子ヒューズ制御器17は、設定モードにおいて、未設定の特性に従って動作するレギュレータ回路19から給電される。設定モードにおけるレギュレータ回路19の特性は、通常動作モードにおけるレギュレータ回路19の特性と異なる。
【0036】
図2は、本実施の形態に係るレギュレータを概略的に示す図面である。
図2を参照すると、電圧レギュレータ45は、レギュレータ回路19と、駆動トランジスタ47を含む駆動回路と、キャパシタ49と、電圧分圧回路51とを備える。この実施例では、キャパシタ49及び電圧分圧回路51は、レギュレータ出力19aに接続されており、また電子装置11及び半導体装置13と集積されることなく、電子装置11及び半導体装置13とは、同一のパッケージに組み立てられた別体であってもよい。レギュレータ回路19は、誤差増幅回路53及び基準電圧回路44を含み、更に駆動トランジスタ47を含むことができる。誤差増幅回路53は、基準電圧回路44からの基準電圧を+入力53aに及び電圧分圧回路51からの帰還電圧を-入力53bに受けて、その差分に応じた制御信号S
CNTを出力53cに生成する。制御信号S
CNTは、駆動トランジスタ47のゲートGに提供されて、駆動トランジスタ47を制御する。駆動トランジスタ47のソースSは、電源VDDから電力を受け、駆動トランジスタ47のドレインDは、レギュレータ回路19の働きによって規定される電圧VREGをレギュレータ出力19aに提供する。駆動トランジスタ47は、半導体装置13に含まれることができる。基準電圧回路44、駆動トランジスタ47、及び誤差増幅回路53は、電源(電源電圧VDD)から給電される。
【0037】
再び
図1を参照しながら、電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15を説明する。
【0038】
読出制御回路25は、一又は複数の値のうちの一つを特定するために、エラー訂正のための冗長構成、具体的にはエラー訂正回路61を含むことができる。例示的な冗長構成は、奇数個の電子ヒューズ16からの読み出し値の多数決値を生成するように構成された多数決回路を含むことができる。多数決が採用される場合には、書込回路31は、単一の特性の値を奇数個の電子ヒューズ16に格納するように構成される。冗長の採用は、多数決に限定されることなく、例えばハミングコードといった他のエラー訂正を採用することができる。エラー訂正の演算を確実に行うために、読出制御回路25は、電子ヒューズ16からの読み出し値を保持する保持回路63、例えばラッチ回路、フリップフロップ回路を含むことができる。保持回路63は、電子ヒューズ16からの読み出し値を受けて、エラー訂正回路61の演算期間にエラー訂正回路61に読み出し値を提供する。
【0039】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、冗長によるエラー訂正は、電子ヒューズ16における意図しないエラーを訂正することを可能にする。
【0040】
読出制御回路25は、電子ヒューズ16からの読み出しを開始した後に又は電子ヒューズ16からの読み出しを完了した後に、第1要求SREQ1を特性制御回路27に送る。この第1要求SREQ1に応答して、特性制御回路27は、特定データSDETを格納回路23に提供する。具体的には、特性制御回路27は、第1要求SREQ1の受領に応答して、受領の後のある期間に特定データSDETを出力17bに提供する。この期間に、格納回路23は、揮発性保持回路37に特定データSDETを格納する。
【0041】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、読み出しの値が完了した後に、特性制御回路27は、第1要求SREQ1の受領の後のある期間に特定データSDETを出力17bに提供する。これによって、格納回路23が特定データSDETを取り込むことを確実にすることができる。
【0042】
格納回路23に特定データSDETが格納されると、トリミング可能な回路21、24は、特定データSDETによって規定される特性を示すように動作する。
【0043】
読出制御回路25は、電子ヒューズ16からの読み出しの値が完了した後に、クロック生成回路33に第2要求SREQ2を提供する。クロック生成回路33は、第2要求SREQ2に応答して、第1クロック信号SCLK1を停止する。
【0044】
第1クロック信号SCLK1をより長い周期の第2クロック信号SCLK2は、引き続き、特性制御回路27に提供される。特性制御回路27の主要な動作は、第2クロック信号SCLK2に従って動作する。
【0045】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、特性制御回路27が第1要求SREQ1の受領の後のある期間に特定データSDETを出力17bに提供して、この期間に特定データSDETに応じて回路の特性が特定される。この特性特定の期間に、特定のための回路動作を安定させるために、第1クロック信号SCLK1が停止される。第1クロック信号SCLK1の停止は、第1クロック信号SCLK1の遷移に起因するノイズ、及び負荷(レギュレータ回路19の負荷)の変動を低減して、回路特性を特定する設定モードを安定な動作環境に置くことができる。
【0046】
また、回路特性の特定により、回路の動作が変化する可能性がある。回路の動作が変化する可能性がある期間における第1クロック信号SCLK1の停止は、電子ヒューズ制御器17が、意図しない動作を行う可能性を低減できる。
【0047】
既に説明したように、設定モードにおいて、クロック生成回路33は、第1クロック信号SCLK1より長い周期の第2クロック信号SCLK2を生成する。特性制御回路27は、第2クロック信号SCLK2に応答して動作するように構成されたカウンタ回路65を含むことができる。
【0048】
特性制御回路27は、カウンタ回路65の出力値の変化に応答して、特定データSDETを出力17b提供することを終了する。
【0049】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、特性制御回路27が特定データSDETを出力17bに提供するように動作する期間は、第2クロック信号SCLK2の一周期より長い。この期間の終期は、例えばカウンタ回路65のカウント数又は分周回路の分周数によって規定されることができる。第2クロック信号SCLK2の周期は第1クロック信号SCLK1より長いので、回路の特性を特定する設定モードを安定な動作環境に置くことができる。
【0050】
設定モードにおいては、電子ヒューズ制御器17は、カウンタ回路65の出力値の変化に応答して、特性データSDETを出力17bに提供することを終了すると共に、第1クロック信号SCLK1の再開を求める第3要求SREQ3を生成することができる。クロック生成回路33は、第3要求SREQ3に応答して、第1クロック信号SCLK1の提供を再開する。また、クロック生成回路33は、第3要求SREQ3に応答して、別個の回路41への第3クロック信号SCLK3の提供を開始するように構成されることができる。
【0051】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、特性を特定する期間の経過の後に第1クロック信号SCLK1が再開されて、引き続く回路動作が第1クロック信号SCLK1に従って進行する。
【0052】
設定モードにおいては、電子ヒューズ制御器17は、回路41へのリセットの解除を求める第4要求SREQ4を生成することができる。リセット回路43は、第4要求SREQ4に応答して、別個の回路41のリセットを解除するように構成される。
【0053】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、回路の特性特定の完了に応答して、別個の回路41(例えば、内部デジタル回路及び/又は内部アナログ回路)の初期化を行うと共に、第3クロック信号SCLK3を提供して順次に通常モードの動作の開始の準備を進めることができる。これに従って、制御回路39は、半導体装置13を通常動作モードに遷移させることができる。
【0054】
図3は、例示的な電子ヒューズ装置の信号線を示す図面である。例示的な電子ヒューズ装置15は、以下の信号に関連付けられる。具体的には、電源電圧VDDQ、電子ヒューズ16に関連付けられたアドレスA[11:0]、ストローブ信号STRB、読み書き信号R/W、電子ヒューズ装置15の選択信号CSB、及び電子ヒューズ16に関連付けられた読出データQ[7:0]。電子ヒューズ装置15は、例えばレギュレータ回路19から給電されることができ、必要な場合には、電源電圧VDDから給電されることができる。
【0055】
既に説明したように、設定モードでは、レギュレータ回路19の特性が設定前であるので、レギュレータ出力19aにおける電圧VREGは、特性が設定後の電圧値に比べて正負で15%程度のばらつきを示す。発振器35は電源線20からの給電を受けるので、原クロック信号の周期は、正負で50%程度のばらつきを示す。
【0056】
電子ヒューズ制御器17も、特性設定前のレギュレータ回路19から電圧の下で、第1クロック信号SCLK1に応答して動作する。
【0057】
図4(a)及び
図4(b)は、例えばフリップフロップ回路のセットアップ期間及びホールド期間を示す図面である。
図4(c)は、信号遷移の重なりに起因するメタステーブルを示す図面である。
【0058】
電子ヒューズ制御器17の回路タイミングにおいて、セットアップ期間(setup)及びホールド期間(hold)も、原クロック信号の周期に応じて、例えば最短で半分の期間になる。また、レギュレータ出力19aの電圧が低くなるにつれて、電子ヒューズ制御器17のデジタル回路において遅延が大きくなる。
【0059】
図4(a)を参照すると、適切なタイミングのセットアップ期間及びホールド期間が示される。
図4(b)を参照すると、タイミングズレのセットアップ期間及びホールド期間が示される。タイミングズレは、実質的なセットアップ期間Dsetupを短くする。
【0060】
レギュレータ出力19aの電圧のばらつきは、データ(IN)の遷移がクロック信号(clk)の遷移(立ち上がり又は立ち下がり)にちょうど重なること、又は実質的に重なることを予見できない。信号遷移の重なりは、
図4(c)に示されるように、取り込むデータ(OUT)にメタステーブルを生じさせることがある。
【0061】
図5(a)及び
図5(b)は、それぞれ、設定モードにおいて発振器35の出力波形(clk)の周期が規定値の1.5倍である場合における長すぎるストローブ信号、及び設定モードにおいて発振器35の出力波形(clk)の周期が規定値の0.5倍である場合における短すぎるストローブ信号を示す。太白矢印は、要求されるストローブ信号期間REQDを示す。半分の周期のクロック信号では、ストローブ信号STRBの短い期間は、太白矢印で示された要求されるストローブ信号期間REQDに比べて、黒矢印で示された期間D
STRBだけ足りない。
【0062】
図6(a)及び
図6(b)は、例示的な2つのストローブ信号を示す。具体的には、
図6(a)は、発振器の出力波形の周期が規定値の0.5倍である場合における長さの足りないストローブ信号のタイミングを示す。
図6(b)は、発振器の出力波形の周期が規定値の0.5倍である場合における適切な長さのストローブ信号のタイミングを示す。太白矢印は、要求されるストローブ信号期間REQDを示す。
図6(b)に示されるストローブ信号の長さは、
図6(a)に示されるストローブ信号の長さより、一周期分だけ長い。
【0063】
電子ヒューズ制御器17が、電子ヒューズ装置15に提供する信号、例えばストローブ信号STRBは、原クロック信号の周期が本来の周期の半分であると、原クロック信号の周期に応じて半分の期間になる。特性特定済みのレギュレータ回路19がレギュレータ出力19aに提供するの電圧に従うタイミング設計では、
図6(a)に示されるように、要求されるストローブ信号期間REQDは、特性未設定のレギュレータ回路19がレギュレータ出力19aに提供する電圧に係るストローブ信号STRBの期間に比べて、黒矢印SHRTの長さだけ大きい。
【0064】
未設定の特性を有するレギュレータ回路19の電圧がレギュレータ出力19aに提供されている場合の改善されたタイミング設計では、
図6(b)に示されるように、ストローブ信号STRBは、要求されるストローブ信号期間REQDに等しい又はより長くできる。
【0065】
このような設計指針に従って、
図1に示されるような電子ヒューズ制御器17は、電子ヒューズ16からの読み出しのためのストローブ信号を生成するタイミング信号生成回路57を含むことができる。タイミング信号生成回路57は、クロック生成回路33と同じくレギュレータ回路19の電源線20から電力を受ける。タイミング信号生成回路57は、具体的には、発振器35が高い発振周波数で発振する状態で所望の長さのストローブ信号を生成できる段数のカウンタ回路を含むことができる。
【0066】
タイミング信号生成回路57は、以下のようにクロック生成回路33からの信号に基づきストローブ信号STRBを生成する。具体的には、ストローブ信号STRBの期間が、未特定である特性のレギュレータ回路19の出力電圧ばらつきの範囲において、電子ヒューズ装置15の読み出しに求められる時間幅を満たすこと。
【0067】
電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15によれば、特性未特定のレギュレータ回路19のレギュレータ出力19aから電力供給を受けながら、レギュレータ回路19の出力電圧ばらつきに対抗して電子ヒューズ装置15の読み出しが可能になる。
【0068】
読出制御回路25は、読出制御回路25の保持回路63と別個に、或いは保持回路63内に、電子ヒューズ16からの読出値を受ける一又は複数のフリップフロップ回路59を含むことができる。フリップフロップ回路59は、ストローブ信号STRBに応答して読出値を取り込む。
【0069】
タイミング信号生成回路57は、未特定の特性のレギュレータ回路19の出力電圧ばらつきの範囲におけるフリップフロップ回路59の動作速度を考慮してストローブ信号STRBの期間を規定する。
【0070】
図7は、本実施の形態に係る電子装置の特性を設定する方法における主要なステップを示す図面である。
【0071】
ステップS101では、本実施の形態に係る電子装置11、半導体装置13又は電子ヒューズ装置15を準備する。準備は、電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15を製造すること、電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15を有償及び無償を問わず入手することを包含する。
【0072】
ステップS102では、電源(例えば、電源電圧VDD)からレギュレータ回路19への第1給電を行う。レギュレータ回路19は、この電源からの第1給電に応答して、電圧レギュレート動作を行う。これは、電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15に電源から給電を行うことによって達成されることができる。
【0073】
ステップS103では、第1給電に応答して、電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15への第2給電を行う。第2給電は、レギュレータ回路19のレギュレータ出力19aに接続された電源線20からの給電である。例えば、レギュレータ回路19は、電子ヒューズ制御器17、格納回路23及びクロック生成回路33に給電する。
【0074】
ステップS104では、第2給電の後に、電子ヒューズ制御器17を用いて電子ヒューズ装置15から値を読み出す。具体的には、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15に給電した後に、一又は複数の電子ヒューズ16からデータを読み出す。電子ヒューズ制御器17は、電子ヒューズ16から読み出された値からデータ特定データSDETを生成する。
【0075】
ステップS105では、特定データSDETを格納回路23に提供する。格納回路23への格納によって、レギュレータ回路19の特性が特定される。
【0076】
ステップS106では、格納回路23内においてレギュレータ回路19の特性を特定したことに応答して、特定データSDETに基づく特性でレギュレータ回路19を動作させる。
【0077】
この設定方法によれば、回路の動作中に、当該回路の特性を変更することができる。また、後工程である組立の後に、レギュレータ回路19及び発振器35のトリミングを行うことができる。具体的には、準備された電子装置11、半導体装置13及び電子ヒューズ装置15は、パッケージ内に配置されることができる。なお、
図7において、「レギュレータ回路19」は、「発振器35」又は「レギュレータ回路19及び発振器35」に置き換えられて、主要なステップが実行されることができる。上記の設定は、半導体装置をパッケージに組立前に、或いは組立後に行われることができる。組立後の半導体装置は、半導体装置を収容するパッケージを含む。
【0078】
図8は、本実施例に係るリセット回路の主要部の回路図を示す図面である。
【0079】
リセット回路43は、半導体装置13及び回路41を含む全体回路へのリセットが完了した後に、リセット解除信号(resb)を受ける。リセット解除信号(resb)は、2段の直列で接続されたフリップフロップ回路71a、71bのリセット入力に入力されてフリップフロップ回路71a、71bをリセットする。フリップフロップ回路71a、71bの初段のクロック入力は、原クロック信号(osc_clk)を受けると共に、データ入力はリセット解除信号(resb)を受ける。これ故に、フリップフロップ回路71a、71bの後段のデータ出力は、リセット解除信号(resb)から生成されたリセット信号(rst_clk_resb)及びリセット信号(efc_trm_rstn)を提供する。
【0080】
また、リセット信号(rst_clk_resb)は、リセット回路43内において並列接続のフリップフロップ回路71cのリセット入力に入力され、これらのフリップフロップ回路71cのクロック入力はクロック信号(clk)を受け、フリップフロップ回路71cのデータ入力は、リセット解除信号(resb)を受ける。フリップフロップ回路71cは、それぞれのデータ出力に、リセット信号(other_reset)及びリセット信号(efc_hrstn)を生成する。
【0081】
また、リセット信号(rst_clk_resb)は、フリップフロップ回路71dのリセット入力に入力され、このフリップフロップ回路71dのクロック入力はクロック信号(clk)を受け、フリップフロップ回路71cのデータ入力は、セレクト信号(efuse_rd_end)に応答するセレクタ71eに接続され、セレクタ71eは、セレクト信号(efuse_rd_end)に応答して、保持信号又は論理値「1」をフリップフロップ回路71cのデータ入力に提供する。フリップフロップ回路71dは、そのデータ出力に、セレクタ71eを介して受けた保持信号又は論理値「1」のいずれかに応じて、リセット信号(efuse_rd_end_ff、other_reset)を生成する。
【0082】
さらに、リセット解除信号(resb)は、遅延回路71f(例えば10n秒の遅延)に与えられ、遅延回路71fはリセット信号(rst_resb)を生成する。
【0083】
図9は、本実施例に係るクロック生成回路の主要部の回路図を示す図面である。
【0084】
クロック生成回路33は、原クロック信号(osc_clk)を受ける。原クロック信号(osc_clk)は、フリップフロップ回路73aのクロック入力に与えられ、フリップフロップ回路73aのリセット入力は、リセット回路43からのリセット信号(rst_clk_resb)を受ける。フリップフロップ回路73aのデータ出力はデータ負入力に帰還されて、フリップフロップ回路73aは、分周回路として動作して分周信号(pre_clk)を生成する。
【0085】
分周信号(pre_clk)は、クロックゲーティング回路73bにクロック入力に与えられ、クロックゲーティング回路73bのデータ入力は、インバータ73cを介して書込可能信号(trm_chg_ena)を受ける。クロックゲーティング回路73bのデータ出力は、クロック信号(efc_hclk)及びクロック信号(other_clk)を生成する。
【0086】
分周信号(pre_clk)は、二段直列のフリップフロップ回路73d、73eの初段のクロック入力に与えられる。フリップフロップ回路73d、73eのデータ出力は、それぞれのデータ負入力に帰還されて、フリップフロップ回路73d、73eの各々は、分周回路として動作して、二段の分周回路から分周信号(efc_trm_hclk)を生成する。
【0087】
また、分周信号(pre_clk)は、そのままクロック生成回路33から出力される。
【0088】
図10は、本実施例に係る電子ヒューズ制御器の主要部の回路図を示す図面である。
【0089】
電子ヒューズ制御器17は、電子ヒューズ装置15の電子ヒューズ16から電子ヒューズリードデータ(ppre_trm_data0、ppre_trm_data1、ppre_trm_data2)を読み出す。読み出された電子ヒューズリードデータ(ppre_trm_data0、ppre_trm_data1、ppre_trm_data2)をエラー訂正回路としての多数決回路74aが受けて、エラー訂正値(pre_trm_data)を生成する。多数決回路74aの出力は、フリップフロップ回路74bのデータ入力に提供され、フリップフロップ回路74bのデータ出力は、フリップフロップ回路74bのクロック入力への信号(trm_chg_hclk)に応答して、格納回路23に特定データSDETを提供する。
【0090】
カウンタ74cは、カウンタ回路及びフリップフロップ回路を含み、カウンタ回路は、電子ヒューズ制御器17へのリセットが解除された直後からカウントを開始して一定カウント数の完了後に論理値「1」を出力し、この出力の値及びクロック入力にクロック信号(efc_hclk)をフリップフロップ回路が受ける。カウンタ74cは、データ出力に信号(trm_chg_req)を生成する。信号(trm_chg_req)は、読出制御回路25から特性制御回路27に書込を要求する信号(例えば、SREQ1)である。
【0091】
信号(trm_chg_req)は、並列接続のフリップフロップ回路(レジスタ)74d、74eのデータ入力に入力される。フリップフロップ回路74d、74eのクロック入力は、クロック信号(efc_trm_hclk)を受ける。クロック信号(efc_trm_hclk)のエッジに同期して、これらのレジスタ(74d、74e)に信号(trm_chg_req)が取り込まれる。
【0092】
レジスタ(74d、74e)の一方における出力(1ビット目[1])は、シフトレジスタ74hに接続され、シフトレジスタ74hは、4分周クロックの60カウントの後に書込期間の終了を示す信号を出力する。
【0093】
レジスタ(74d、74e)の一方における出力(1ビット目[1])は、シフトレジスタ74hの初段のデータ入力に入力され、シフトレジスタ74hは、クロック信号(efc_trm_hclk)を受ける。シフトレジスタ74hの出力(0ビット目[0])は、論理積ゲート74fの負入力に接続される。論理積ゲート74fの正入力は、レジスタ(74d、74e)の一方(1ビット目[1])からの信号を受ける。
【0094】
論理積ゲート74fの出力は、クロックゲーティング回路74gの入力(trm_chg_pls)に提供される。クロックゲーティング回路74gは、論理積ゲート74fを介して受けるデータ入力にレジスタ(74d、74e)の一方の出力(1ビット目)に応答して、4分周のクロック入力(efc_trm_hclk)から期間開始(期間の始まり)を示す論理値を生成して、そのデータ出力に提供する。また、クロックゲーティング回路74gは、シフトレジスタ74hの出力(0ビット目[0])からの値に応答して、論理積ゲート74fの負入力を介して期間終了(期間の終わり)を示す論理値を生成して、そのデータ出力に提供する。このパルス期間(trm_chg_hclkからの1パルス)に、フリップフロップ回路74bは、データ入力の値(特定データSDET)をその出力に提供する。
【0095】
信号(trm_chg_req)は、論理積ゲート74iの正入力に入力されて、論理積ゲート74iは、書込可能信号(trm_chg_ena)を生成する。
【0096】
シフトレジスタ74hの出力(trm_chg_clr)は、直列のフリップフロップ回路74j(trm_chg_slr_sync[1:0])の初段のデータ入力に接続される。直列のフリップフロップ回路74jの終段の出力は、書込終了信号(trm_chg_end)を提供すると共に、この書込終了信号(trm_chg_end)は、論理積ゲート74iの負入力に入力される。書込終了信号(trm_chg_end)に応答して、論理積ゲート74iは、書込可能信号(trm_chg_ena)を終了させる。フリップフロップ回路74jは、クロック信号(pre_clk)を受ける。
【0097】
以上説明したように、本実施の形態によれば、一又は複数の値によって特定されるべき特性を有する回路を含む半導体装置の製造プロセスの後に該回路の特性を高精度にできる半導体装置、電子装置、及び電子装置の特性を設定する方法を提供できる。また、電子ヒューズ16によれば、メタルヒューズに比べて、占有面積を縮小可能である。さらに、具体的には、本実施の形態によれば、電子ヒューズ制御器(補正回路)に、電子ヒューズ16からデータを読み出すための回路にマージン(クロック周期に正負で50%、レギュレータ電圧に正負で15%)を持たせ、電子ヒューズ16からデータを読み出すための回路を用いて、発振器35及びレギュレータ回路19にトリミングデータを設定できる。加えて、トリミングデータの設定が安定するまで、電子ヒューズ16からデータを読み出すための回路以外の他の回路の動作を停止させる。本実施の形態により、電子ヒューズ16のみでトリミングコードの提供が可能になって、回路面積を縮小できる。
【0098】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0099】
11・・・電子装置、13・・・半導体装置、15・・・電子ヒューズ装置、16・・・電子ヒューズ、17・・・電子ヒューズ制御器、18・・・電子ヒューズ回路、19・・・レギュレータ回路、19a・・・レギュレータ出力、20・・・電源線、21、24・・・トリミング可能な回路、22・・・電源線、23・・・格納回路、25・・・読出制御回路、27・・・特性制御回路、29・・・リード回路、31・・・書込回路、33・・・クロック生成回路、35・・・発振器、37・・・揮発性保持回路、39・・・制御回路、41・・・回路、43・・・リセット回路、44・・・基準電圧回路、45・・・電圧レギュレータ、47・・・駆動トランジスタ、49・・・キャパシタ、51・・・電圧分圧回路、53・・・誤差増幅回路、57・・・タイミング信号生成回路、59・・・フリップフロップ回路、61・・・エラー訂正回路、63・・・保持回路、65・・・カウンタ回路