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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049137
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】燃料電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240402BHJP
   H01M 8/249 20160101ALI20240402BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04 J
H01M8/249
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155417
(22)【出願日】2022-09-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2020年度~2022年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/共通課題解決型基盤技術開発/大型モビリティに適応する多用途型燃料電池モジュールの研究開発委託業務 産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】高塚 和彦
(72)【発明者】
【氏名】公野 元貴
(72)【発明者】
【氏名】久世 達也
(72)【発明者】
【氏名】山下 恭平
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126AA21
5H127AB02
5H127AB04
5H127AB13
5H127AB17
5H127AC07
5H127BA02
5H127BB02
5H127CC07
5H127EE02
5H127EE25
(57)【要約】
【課題】燃料電池モジュールを小型化する。
【解決手段】実施の形態による燃料電池モジュールは、燃料電池スタック群と、燃料ガス供給管と、酸化剤ガス供給管と、を備える。燃料電池スタック群は、第1方向における一側に正極端子が位置し、第1方向における他側に負極端子が位置するように、第1方向に沿って燃料電池スタックが複数並んだ第1の燃料電池スタック列と、第1方向に直交する第2方向において第1の燃料電池スタック列の燃料電池スタックの各々と向き合い、第1方向における一側に負極端子が位置し、第1方向における他側に正極端子が位置するように、第1方向に沿って燃料電池スタックが複数並んだ第2の燃料電池スタック列と、を含む。燃料ガス供給管及び酸化剤ガス供給管は、第1の燃料電池スタック列と第2の燃料電池スタック列との間に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックであって、積層方向における一側に正極端子が設けられるとともに、前記積層方向における他側に負極端子が設けられた燃料電池スタックを複数含む燃料電池スタック群と、
前記燃料電池スタックの各々に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と、
前記燃料電池スタックの各々に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給管と、を備え、
前記燃料電池スタック群は、第1方向における一側に前記正極端子が位置し、前記第1方向における他側に前記負極端子が位置するように、前記第1方向に沿って前記燃料電池スタックが複数並んだ第1の燃料電池スタック列と、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1の燃料電池スタック列の前記燃料電池スタックの各々と向き合い、前記第1方向における前記一側に前記負極端子が位置し、前記第1方向における前記他側に前記正極端子が位置するように、前記第1方向に沿って前記燃料電池スタックが複数並んだ第2の燃料電池スタック列と、を含み、
前記燃料ガス供給管及び前記酸化剤ガス供給管は、前記第1の燃料電池スタック列と前記第2の燃料電池スタック列との間に配置されている、燃料電池モジュール。
【請求項2】
前記燃料電池スタックの各々を流れた前記燃料ガスが排出される燃料ガス排出管を備え、
前記燃料ガス排出管も、前記第1の燃料電池スタック列と前記第2の燃料電池スタック列との間に配置されている、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項3】
前記燃料電池スタックの各々に冷却液体を供給する冷却液体供給管と、
前記燃料電池スタックの各々を流れた前記冷却液体が排出される冷却液体排出管と、を備え、
前記冷却液体排出管は、前記第2方向において前記燃料電池スタック群の両側に配置されている、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項4】
前記燃料電池スタックの各々に供給される前記冷却液体を貯留する液体タンクを備え、
前記液体タンクは、前記第1方向及び前記第2方向の両方に直交する第3方向において前記燃料電池スタック群と並んでいる、請求項3に記載の燃料電池モジュール。
【請求項5】
前記液体タンクは、前記燃料電池スタック群よりも重力方向における下方に配置されている、請求項4に記載の燃料電池モジュール。
【請求項6】
前記燃料電池スタックの各々を流れた前記酸化剤ガスが排出される酸化剤ガス排出管を備え、
前記酸化剤ガス排出管は、前記液体タンクに接続されている、請求項4に記載の燃料電池モジュール。
【請求項7】
前記燃料ガス供給管及び前記酸化剤ガス供給管のうちの少なくともいずれかは、配管の長さを調整可能な長さ調整機構を有する、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項8】
前記燃料電池モジュールは、移動体用の燃料電池モジュールである、請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、燃料電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、燃料ガスの化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置である。燃料電池は、工場、病院、商業施設、住宅等の定置用や、自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の移動体用等、幅広い用途に採用されている。
【0003】
大容量の発電出力が要求される場合、複数の単位電池(燃料電池セル)が積層された燃料電池スタックを複数含む燃料電池モジュールが用いられることがある。このような燃料電池モジュールでは、複数の燃料電池スタックが配置されるため、各燃料電池スタックとの関係で燃料ガスや酸化剤ガスの配管構成が複雑になり、これらの配置に多くのスペースを要する場合がある。このため、燃料電池モジュールが大型化し、広い設置スペースが求められる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008-516386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、小型化可能な燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態による燃料電池用タンクは、複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックであって、積層方向における一側に正極端子が設けられるとともに、積層方向における他側に負極端子が設けられた燃料電池スタックを複数含む燃料電池スタック群と、燃料電池スタックの各々に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管と、燃料電池スタックの各々に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給管と、を備える。燃料電池スタック群は、第1方向における一側に正極端子が位置し、第1方向における他側に負極端子が位置するように、第1方向に沿って燃料電池スタックが複数並んだ第1の燃料電池スタック列と、第1方向に直交する第2方向において第1の燃料電池スタック列の燃料電池スタックの各々と向き合い、第1方向における一側に負極端子が位置し、第1方向における他側に正極端子が位置するように、第1方向に沿って燃料電池スタックが複数並んだ第2の燃料電池スタック列と、を含む。燃料ガス供給管及び酸化剤ガス供給管は、第1の燃料電池スタック列と第2の燃料電池スタック列との間に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、燃料電池モジュールを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態による燃料電池モジュールを示す斜視図である。
図2図2は、図1の燃料電池モジュールを筐体を取り除いて見た斜視図である。
図3図3は、図2の燃料電池モジュールを第2の燃料電池スタック列を取り除いて見た斜視図である。
図4図4は、図2の燃料電池モジュールを別の角度で見た斜視図である。
図5図5は、図2の燃料電池モジュールの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図5を参照して、本発明の実施の形態による燃料電池モジュールについて説明する。
【0010】
本実施の形態による燃料電池モジュールは、移動体用の燃料電池モジュールである。すなわち、本実施の形態による燃料電池モジュールは、例えば、自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の移動体に適用される。しかしながら、このことに限られることはなく、燃料電池モジュールは、種々の分野に適用可能である。例えば、燃料電池モジュールは、工場、病院、商業施設、住宅等の定置用に適用されてもよい。
【0011】
図1に示すように、燃料電池モジュール1は、略直方体の外形状を有していてもよい。燃料電池モジュール1は、長さ方向と、幅方向と、高さ方向と、を有していてもよい。本明細書において、燃料電池モジュール1の長さ方向をX方向(第1方向)、燃料電池モジュール1の幅方向をY方向(第2方向)、燃料電池モジュール1の高さ方向をZ方向(第3方向)と称する。ここで、Y方向は、X方向に直交している。Z方向は、X方向及びY方向の両方に直交している。なお、燃料電池モジュール1が設置された状態において、Z方向は、重力方向に相当する。また、Z方向から見たときに燃料電池モジュール1のY方向における中心を通ってX方向に延びる直線を中心線Lcとしたとき(図5参照)、Y方向において中心線Lcに近づく側をY方向内側、Y方向において中心線Lcから離れる側をY方向外側とも称する。
【0012】
図1図5に示すように、燃料電池モジュール1は、筐体10と、燃料電池スタック群20と、燃料ガス配管30と、酸化剤ガス配管40と、冷却液体配管50と、液体タンク60と、を含んでいる。
【0013】
図1に示すように、筐体10は、燃料電池スタック群20、燃料ガス配管30、酸化剤ガス配管40、冷却液体配管50及び液体タンク60を収容する。燃料ガス配管30、酸化剤ガス配管40及び冷却液体配管50の一部は、筐体10の外部に延び出ていてもよい。
【0014】
筐体10は、フレーム12と、フレーム12に取り付けられたパネル14と、を含んでいてもよい。なお、図1においては、パネルの図示は省略され、パネルが配置される位置に符号が付されている。
【0015】
パネル14は、天面パネル14aと、底面パネル14bと、4つの側面パネル14cと、を含んでいてもよい。天面パネル14aは、燃料電池モジュール1のZ方向における一側(図1における上側)に位置し、燃料電池モジュール1の天面を構成するパネルである。底面パネル14bは、燃料電池モジュール1のZ方向における他側(図1における下側)に位置し、燃料電池モジュール1の底面を構成するパネルである。各側面パネル14cは、燃料電池モジュール1のX方向における両側及び燃料電池モジュール1のY方向における両側にそれぞれ位置し、燃料電池モジュール1の側面を構成するパネルである。
【0016】
図1図5に示すように、筐体10内には、燃料電池スタック群20が配置されている。燃料電池スタック群20は、筐体10内において、Z方向における一側(重力方向における上方)に配置されている。燃料電池スタック群20は、複数の燃料電池スタック21を含んでいる。図示された例においては、燃料電池スタック群20は、6つの燃料電池スタック21を含んでいる。各燃料電池スタック21は、筐体10内において、Z方向における一側に位置するように、不図示の支持部に支持されていてもよい。各燃料電池スタック21は、互いに同一の構成を有していてもよい。
【0017】
各燃料電池スタック21は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行うように構成されている。各燃料電池スタック21は、複数の燃料電池セル22(図5参照)が積層されて構成されている。各燃料電池セル22は、下記の化学式1で示す反応により発電を行う。より具体的には、燃料ガスは、例えば水素含有ガスである。燃料ガスは、各燃料電池セル22内の燃料ガス流路を流れて、燃料極反応をおこす。酸化剤ガスは、例えば空気(大気)である。酸化剤ガスは、各燃料電池セル22内の酸化剤ガス流路を流れて、酸化剤極反応をおこす。各燃料電池スタック21は、これらの電気化学反応により発電を行うように構成されている。
【0018】
(化学式1)
燃料極反応:H → 2H + 2e
酸化剤極反応:1/2O + 2H +2e → H
【0019】
また、各燃料電池スタック21は、冷却液体を用いて発電に伴い発熱した自身を冷却するように構成されている。より具体的には、冷却液体は、例えば水である。冷却液体は、各燃料電池セル22内の冷却液体流路を流れて、発電に伴い発熱した各燃料電池スタック21を冷却する。
【0020】
各燃料電池スタック21は、正極端子23aと、負極端子23bと、を有している。各燃料電池スタック21により生成された電気エネルギーは、正極端子23a及び負極端子23bから取り出すことができる。図5に示すように、正極端子23aは、各燃料電池スタック21の積層方向(図5の実線矢印)における一側(図5の実線矢印が向いている側)に設けられている。負極端子23bは、各燃料電池スタック21の積層方向における他側(正極端子23aとは反対側)に設けられている。
【0021】
図5に示すように、X方向において隣り合う燃料電池スタック21の正極端子23aと負極端子23bは、互いに電気的に接続されていてもよい。また、例えば、X方向における最も一側(図5における右側)に位置し、Y方向において互いに向き合う二つの燃料電池スタック21の正極端子23aと負極端子23bも、図示しない配線を介して、互いに電気的に接続されていてもよい。すなわち、各燃料電池スタック21は直列接続されていてもよい。
【0022】
燃料電池スタック群20は、第1の燃料電池スタック列24と、第2の燃料電池スタック列25と、を含んでいる。
【0023】
第1の燃料電池スタック列24は、Y方向における一側(図5における上側)に位置している。第1の燃料電池スタック列24は、X方向に沿って並ぶ複数の燃料電池スタック21を含んでいる。図示された例においては、第1の燃料電池スタック列24は、3つの燃料電池スタック21を含んでいる。第1の燃料電池スタック列24では、X方向における一側(図5における右側)に正極端子23aが位置し、X方向における他側(図5における左側)に負極端子23bが位置するように、X方向に沿って各燃料電池スタック21が並んでいる。上述したように、第1の燃料電池スタック列24において、X方向において隣り合う燃料電池スタック21の正極端子23aと負極端子23bは、互いに電気的に接続されていてもよい。
【0024】
第2の燃料電池スタック列25は、Y方向における他側(図5における下側)に位置している。第2の燃料電池スタック列25は、X方向に沿って並ぶ複数の燃料電池スタック21を含んでいる。図示された例においては、第2の燃料電池スタック列25は、3つの燃料電池スタック21を含んでいる。第2の燃料電池スタック列25では、第1の燃料電池スタック列24の燃料電池スタック21の各々と向き合うように、X方向に沿って各燃料電池スタック21が並んでいる。また、第2の燃料電池スタック列25では、X方向における一側(図5における右側)に負極端子23bが位置し、X方向における他側(図5における左側)に正極端子23aが位置するように、X方向に沿って各燃料電池スタック21が並んでいる。すなわち、第1の燃料電池スタック列24の各燃料電池スタック21と第2の燃料電池スタック列25の各燃料電池スタック21とは、X方向において同じ位置に配置されるとともに、Y方向において互いに逆向きになるように配置されている。上述したように、第2の燃料電池スタック列25において、X方向において隣り合う燃料電池スタック21の正極端子23aと負極端子23bは、互いに電気的に接続されていてもよい。第1の燃料電池スタック列24のX方向における最も一側(図5における右側)に位置する燃料電池スタック21の正極端子23aと、第2の燃料電池スタック列25のX方向における最も一側(図5における右側)に位置する燃料電池スタック21の負極端子23bも、図示しない配線を介して、互いに電気的に接続されていてもよい。
【0025】
なお、上述した例においては、燃料電池スタック群20が、6つの燃料電池スタック21を含んでおり、第1の燃料電池スタック列24及び第2の燃料電池スタック列25が、それぞれ3つの燃料電池スタック21を含んでいるが、このことに限られることはなく、これらの燃料電池スタック21の個数は任意である。燃料電池スタック群20は、4つ以上の燃料電池スタック21を含んでいればよく、偶数個の燃料電池スタック21を含んでいることが望ましい。また、第1の燃料電池スタック列24及び第2の燃料電池スタック列25は、それぞれ2つ以上の燃料電池スタック21を含んでいればよく、互いに同じ個数の燃料電池スタック21を含んでいることが望ましい。
【0026】
また、図1図5に示すように、筐体10内には、燃料ガス配管30が配置されている。燃料ガス配管30は、燃料ガス供給管31と、燃料ガス排出管35と、を含んでいる。燃料ガス供給管31は、燃料電池スタック21の各々に燃料ガス3aを供給する配管である。燃料ガス排出管35は、燃料電池スタック21の各々を流れた燃料ガス3aが排出される配管である。図2図4においては、燃料ガス3aの流れを実線矢印で表している。
【0027】
図3及び図5に示すように、燃料ガス供給管31は、2つの燃料ガス供給ヘッダ管32と、6つの燃料ガス個別供給管33と、を含んでいてもよい。2つの燃料ガス供給ヘッダ管32は、X方向に延びていてもよい。2つの燃料ガス供給ヘッダ管32のうちの一方から、3つの燃料ガス個別供給管33がY方向外側に延び出て、第1の燃料電池スタック列24の対応する3つの燃料電池スタック21に接続されていてもよい。2つの燃料ガス供給ヘッダ管32のうちの他方から、3つの燃料ガス個別供給管33がY方向外側に延び出て、第2の燃料電池スタック列25の対応する3つの燃料電池スタック21に接続されていてもよい。不図示の燃料ガス供給装置から供給された燃料ガス3aは、各燃料ガス供給ヘッダ管32を流れた後、各燃料ガス個別供給管33を流れて、各燃料電池スタック21に供給されてもよい。
【0028】
燃料ガス供給管31は、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。筐体10内の燃料ガス供給管31の全てが、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、筐体10内の燃料ガス供給管31の一部が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。図示された例においては、各燃料ガス供給ヘッダ管32及び各燃料ガス個別供給管33が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。
【0029】
図3及び図5に示すように、燃料ガス排出管35は、6つの燃料ガス個別排出管36と、2つの燃料ガス排出ヘッダ管37と、を含んでいてもよい。6つの燃料ガス個別排出管36は、それぞれ対応する燃料電池スタック21からY方向内側に延び出て、屈曲してZ方向における一側(図3における上側)に延びていてもよい。2つの燃料ガス排出ヘッダ管37は、X方向に延びていてもよい。第1の燃料電池スタック列24の各燃料電池スタック21から延び出た燃料ガス個別排出管36は、2つの燃料ガス排出ヘッダ管37のうちの一方に接続されていてもよい。第2の燃料電池スタック列25の各燃料電池スタック21から延び出た燃料ガス個別排出管36は、2つの燃料ガス排出ヘッダ管37のうちの他方に接続されていてもよい。各燃料電池スタック21を流れた燃料ガス3aは、各燃料ガス個別排出管36を流れた後、各燃料ガス排出ヘッダ管37を流れて、外部に排出されてもよい。
【0030】
燃料ガス排出管35も、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。筐体10内の燃料ガス排出管35の全てが、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、筐体10内の燃料ガス排出管35の一部が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。図示された例においては、各燃料ガス個別排出管36及び各燃料ガス排出ヘッダ管37が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。
【0031】
また、図1図5に示すように、筐体10内には、酸化剤ガス配管40が配置されている。酸化剤ガス配管40は、酸化剤ガス供給管41と、酸化剤ガス排出管45と、を含んでいる。酸化剤ガス供給管41は、燃料電池スタック21の各々に酸化剤ガス3bを供給する配管である。酸化剤ガス排出管45は、燃料電池スタック21の各々を流れた酸化剤ガス3bが排出される配管である。図2図4においては、酸化剤ガス3bの流れを破線矢印で表している。
【0032】
図3及び図5に示すように、酸化剤ガス供給管41は、1つの酸化剤ガス流入管42と、1つの酸化剤ガス供給ヘッダ43と、6つの酸化剤ガス個別供給管44と、を含んでいてもよい。酸化剤ガス流入管42は、X方向における一側(図5における右側)に配置されていてもよい。酸化剤ガス流入管42は、Z方向に延びて、酸化剤ガス供給ヘッダ43に接続されていてもよい。酸化剤ガス供給ヘッダ43は、X方向に延びていてもよい。酸化剤ガス供給ヘッダ43から6つの酸化剤ガス個別供給管44がY方向外側に延び出て、屈曲してZ方向における一側(図3における上側)に延びて、対応する燃料電池スタック21に接続されていてもよい。不図示の酸化剤ガス供給装置から供給された酸化剤ガス3bは、酸化剤ガス流入管42から流入し、酸化剤ガス供給ヘッダ43を流れた後、各酸化剤ガス個別供給管44を流れて、各燃料電池スタック21に供給されてもよい。
【0033】
酸化剤ガス供給管41は、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。筐体10内の酸化剤ガス供給管41の全てが、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、筐体10内の酸化剤ガス供給管41の一部が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。図示された例においては、酸化剤ガス流入管42、酸化剤ガス供給ヘッダ43及び各酸化剤ガス個別供給管44の一部が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。
【0034】
図3及び図4に示すように、酸化剤ガス排出管45は、6つの酸化剤ガス個別排出管46を含んでいてもよい。6つの酸化剤ガス個別排出管46は、それぞれ対応する燃料電池スタック21からZ方向における他側(図3における下側)に延び出て、屈曲してY方向内側に延びて、後述する液体タンク60に接続されていてもよい。各燃料電池スタック21を流れた酸化剤ガス3bは、各酸化剤ガス個別排出管46を流れて、液体タンク60に排出されてもよい。また、後述する凝縮水も、酸化剤ガス3bと共に、各酸化剤ガス個別排出管46を流れて、液体タンク60に排出されてもよい。
【0035】
また、図1図5に示すように、筐体10内には、冷却液体配管50が配置されている。冷却液体配管50は、冷却液体供給管51と、冷却液体排出管55と、を含んでいる。冷却液体配管50は、燃料電池スタック21の各々に冷却液体3cを供給する配管である。冷却液体排出管55は、燃料電池スタック21の各々を流れた冷却液体3cが排出される配管である。図2図4においては、冷却液体3cの流れを一点鎖線矢印で表している。
【0036】
図3及び図4に示すように、冷却液体供給管51は、6つの冷却液体個別供給管52を含んでいてもよい。6つの冷却液体個別供給管52は、液体タンク60からY方向外側に延び出て、屈曲してZ方向における一側(図3における上側)に延びて、対応する燃料電池スタック21に接続されていてもよい。液体タンク60に貯留された冷却液体3cは、各冷却液体個別供給管52を流れて、各燃料電池スタック21に供給されてもよい。
【0037】
図3図5に示すように、冷却液体排出管55は、6つの冷却液体個別排出管56と、2つの冷却液体排出ヘッダ管57と、を含んでいてもよい。6つの冷却液体個別排出管56は、それぞれ対応する燃料電池スタック21からZ方向における一側(図3における上側)に延び出て、屈曲してY方向外側に延び、また屈曲してZ方向における他側(図3における下側)に延びていてもよい。2つの冷却液体排出ヘッダ管57は、X方向に延びていてもよい。第1の燃料電池スタック列24の各燃料電池スタック21から延び出た冷却液体個別排出管56は、2つの冷却液体排出ヘッダ管57のうちの一方に接続されていてもよい。第2の燃料電池スタック列25の各燃料電池スタック21から延び出た冷却液体個別排出管56は、2つの冷却液体排出ヘッダ管57のうちの他方に接続されていてもよい。各燃料電池スタック21を流れた冷却液体3cは、各冷却液体個別排出管56を流れた後、各冷却液体排出ヘッダ管57を流れて、外部に排出されてもよい。外部に排出された冷却液体3cは、冷却処理や不純物除去処理等の所定の処理がなされた後、再び液体タンク60に供給されてもよい。
【0038】
冷却液体排出管55は、Y方向において燃料電池スタック群20の両側に配置されていてもよい。図示された例においては、第1の燃料電池スタック列24の各燃料電池スタック21に接続された3つの冷却液体個別排出管56及び1つの冷却液体排出ヘッダ管57が、第1の燃料電池スタック列24よりもY方向における一側(図5における上側)に配置されている。また、第2の燃料電池スタック列25の各燃料電池スタック21に接続された3つの冷却液体個別排出管56及び1つの冷却液体排出ヘッダ管57が、第2の燃料電池スタック列25よりもY方向における他側(図5における下側)に配置されている。
【0039】
また、図1図5に示すように、筐体10内には、液体タンク60が配置されている。液体タンク60は、燃料電池スタック21の各々に供給される冷却液体3cを貯留するように構成されている。液体タンク60は、高さ方向(Z方向)の寸法が長さ方向(X方向)の寸法および幅方向(Y方向)の寸法よりも小さい薄型の箱形状を有していてもよい。
【0040】
図3及び図4に示すように、液体タンク60に、上述した冷却液体供給管51の6つの冷却液体個別供給管52が接続されていてもよい。液体タンク60に貯留された冷却液体3cは、各冷却液体個別供給管52を流れて、各燃料電池スタック21に供給されてもよい。また、上述したように、冷却液体排出管55の各冷却液体排出ヘッダ管57を流れて外部に排出された冷却液体3cは、冷却処理や不純物除去処理等の所定の処理がなされた後、再び液体タンク60に供給され、液体タンク60に貯留されてもよい。
【0041】
また、上述したように、液体タンク60に、酸化剤ガス排出管45の6つの酸化剤ガス個別排出管46が接続されていてもよい。各燃料電池スタック21を流れた酸化剤ガス3bは、各酸化剤ガス個別排出管46を流れて、液体タンク60に排出されてもよい。液体タンク60の上部から酸化剤ガス流出管61がZ方向における一側(図3における上側)に延び出ていてもよい。酸化剤ガス流出管61は、X方向における他側(図5における左側)に配置されていてもよい。液体タンク60に排出された酸化剤ガス3bは、酸化剤ガス流出管61を通って、外部に排出されてもよい。
【0042】
ここで、各燃料電池スタック21では、上述した酸化剤極反応により凝縮水(HO)が生成される。各燃料電池スタック21から排出される酸化剤ガス3bには、この凝縮水も含まれ得る。液体タンク60には、酸化剤ガス3bと共に凝縮水も排出されてもよい。すなわち、各燃料電池スタック21で生成された凝縮水は、酸化剤ガス3bと共に、各酸化剤ガス個別排出管46を流れて、液体タンク60に排出されてもよい。液体タンク60に排出された凝縮水は、冷却液体3cとして、液体タンク60に貯留されてもよい。
【0043】
液体タンク60は、Z方向において燃料電池スタック群20と並んでいてもよい。とりわけ、液体タンク60は、燃料電池スタック群20よりもZ方向における他側、すなわち重力方向における下方に配置されていてもよい。液体タンク60は、筐体10の底面パネル14b上に配置されていてもよい。液体タンク60は、底面パネル14bと燃料電池スタック群20との間に配置されていてもよい。
【0044】
また、液体タンク60は、Y方向において第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。液体タンク60の全体が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよいし、液体タンク60の一部が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されていてもよい。この場合、上述した酸化剤ガス流出管61は、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間を通って、Z方向に延びていてもよい。
【0045】
また、図2図4に示すように、上述した燃料ガス配管30、上述した酸化剤ガス配管40及び上述した冷却液体配管50のうちの少なくともいずかは、配管の長さを調整可能な長さ調整機構LAを有していてもよい。すなわち、燃料ガス供給管31、燃料ガス排出管35、酸化剤ガス供給管41、酸化剤ガス排出管45、冷却液体供給管51及び冷却液体排出管55のうちの少なくともいずれかが、長さ調整機構LAを有していてもよい。燃料ガス供給管31、燃料ガス排出管35、酸化剤ガス供給管41、酸化剤ガス排出管45、冷却液体供給管51及び冷却液体排出管55のいずれもが、長さ調整機構LAを有していてもよい。
【0046】
図示された例においては、各燃料ガス供給ヘッダ管32が、長さ調整機構LAを有している。これにより、各燃料ガス供給ヘッダ管32は、自身のX方向における長さを調整することができる。また、各燃料ガス排出ヘッダ管37が、長さ調整機構LAを有している。これにより、各燃料ガス排出ヘッダ管37は、自身のX方向における長さを調整することができる。また、各酸化剤ガス個別供給管44のY方向に延びる部分が、長さ調整機構LAを有している。これにより、各酸化剤ガス個別供給管44は、自身のY方向における長さを調整することができる。また、各酸化剤ガス個別排出管46のY方向に延びる部分が、長さ調整機構LAを有している。これにより、各酸化剤ガス個別排出管46は、自身のY方向における長さを調整することができる。また、各冷却液体個別供給管52のZ方向に延びる部分が、長さ調整機構LAを有している。これにより、各冷却液体個別供給管52は、自身のZ方向における長さを調整することができる。また、各冷却液体個別排出管56のZ方向に延びる部分が、長さ調整機構LAを有している。これにより、各冷却液体個別排出管56は、自身のZ方向における長さを調整することができる。
【0047】
このように、各配管に配置された長さ調整機構LAにより、各配管の長さを調整することができ、製造誤差等により各燃料電池スタック21の寸法や配置間隔が変化した場合に対応することができる。長さ調整機構LAは、例えば、ベローズやフレキシブルホース等であってもよい。なお、上述した例に限られることはなく、長さ調整機構LAは、各配管の任意の位置に配置されていてもよい。
【0048】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0049】
燃料電池モジュール1の運転時、燃料ガス3aが、不図示の燃料ガス供給装置から燃料ガス供給管31に供給される。燃料ガス供給装置から供給された燃料ガス3aは、各燃料ガス供給ヘッダ管32を流れた後、各燃料ガス個別供給管33を流れて、各燃料電池スタック21に供給される。
【0050】
また、酸化剤ガス3bが、不図示の酸化剤ガス供給装置から酸化剤ガス供給管41に供給される。酸化剤ガス供給装置から供給された酸化剤ガス3bは、酸化剤ガス流入管42から流入し、酸化剤ガス供給ヘッダ43を流れた後、各酸化剤ガス個別供給管44を流れて、各燃料電池スタック21に供給される。
【0051】
また、冷却液体3cが、液体タンク60から冷却液体供給管51に供給される。液体タンク60から供給された冷却液体3cは、各冷却液体個別供給管52を流れて、各燃料電池スタック21に供給される。
【0052】
各燃料電池スタック21に供給された燃料ガス3aは、各燃料電池セル22内の燃料ガス流路を流れて、燃料極反応をおこす。各燃料電池スタック21に供給された酸化剤ガス3bは、各燃料電池セル22内の酸化剤ガス流路を流れて、酸化剤極反応をおこす。これらの電気化学反応により、各燃料電池スタック21による発電が行われる。各燃料電池スタック21に供給された冷却液体3cは、各燃料電池セル22内の冷却液体流路を流れて、発電に伴い発熱した各燃料電池スタック21を冷却する。
【0053】
各燃料電池スタック21を流れた燃料ガス3aは、燃料ガス排出管35から排出される。各燃料電池スタック21を流れた燃料ガス3aは、各燃料ガス個別排出管36を流れた後、各燃料ガス排出ヘッダ管37を流れて、外部に排出される。
【0054】
各燃料電池スタック21を流れた酸化剤ガス3bは、酸化剤ガス排出管45から排出される。各燃料電池スタック21を流れた酸化剤ガス3bは、各酸化剤ガス個別排出管46を流れて、液体タンク60に排出される。液体タンク60に排出された酸化剤ガス3bは、酸化剤ガス流出管61を通って、外部に排出される。
【0055】
また、酸化剤極反応により生成された凝縮水も、酸化剤ガス3bと共に、酸化剤ガス排出管45から排出される。各燃料電池スタック21で生成された凝縮水は、酸化剤ガス3bと共に、各酸化剤ガス個別排出管46を流れて、液体タンク60に排出される。液体タンク60に排出された凝縮水は、冷却液体3cとして、液体タンク60に貯留される。
【0056】
各燃料電池スタック21を流れた冷却液体3cは、冷却液体排出管55から排出される。各燃料電池スタック21を流れた冷却液体3cは、各冷却液体個別排出管56を流れた後、各冷却液体排出ヘッダ管57を流れて、外部に排出される。外部に排出された冷却液体3cは、冷却処理や不純物除去処理等の所定の処理がなされた後、再び液体タンク60に供給され、液体タンク60に貯留される。
【0057】
本実施の形態によれば、燃料電池スタック群20が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25とを含むとともに、燃料ガス供給管31及び酸化剤ガス供給管41が、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。このことにより、筐体10内に複数の燃料電池スタック21と燃料ガス供給管31及び酸化剤ガス供給管41を効率的に配置することができ、燃料電池モジュール1の長さ方向(X方向)の寸法及び高さ方向(Z方向)の寸法の増大を抑制することができる。このため、燃料電池モジュール1を小型化することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、燃料ガス排出管35も、第1の燃料電池スタック列24と第2の燃料電池スタック列25との間に配置されている。このことにより、燃料電池モジュール1の長さ方向(X方向)の寸法及び高さ方向(Z方向)の寸法の増大をより一層抑制することができる。このため、燃料電池モジュール1をより一層小型化することができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、冷却液体排出管55は、Y方向において燃料電池スタック群20の両側に配置されている。燃料電池スタック群20のY方向における両側では、比較的広いスペースを確保することができる。このため、冷却液体排出管55の全長を長くすることができる。このことにより、冷却液体排出管55により多くの樹脂等の絶縁部材を配置することができる。一般に、燃料電池スタック21で生成された電気が冷却液体3cと共に外部に漏れ出す(漏電する)ことを抑制するために、冷却液体排出管55には樹脂等の絶縁部材が配置される。このため、冷却液体排出管55の全長を長くし、冷却液体排出管55により多くの絶縁部材の配置を可能とすることで、燃料電池スタック21からの漏電をより一層抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、液体タンク60は、Z方向において燃料電池スタック群20と並んでいる。このことにより、筐体10内の限られたスペースに液体タンク60を効率的に配置することができ、液体タンク60の配置による燃料電池モジュール1の長さ方向(X方向)の寸法及び幅方向(Y方向)の寸法の増大を抑制することができる。このため、燃料電池モジュール1をより一層小型化することができる。
【0061】
とりわけ、本実施の形態によれば、液体タンク60は、燃料電池スタック群20よりも重力方向における下方に配置されている。液体タンク60は冷却液体3cを貯留しているため、その重量は比較的重い。液体タンク60を燃料電池スタック群20よりも重力方向における下方に配置することにより、燃料電池モジュール1の重心を重力方向における下方に位置させることができる。このため、燃料電池モジュール1を設置した際、燃料電池モジュール1を揺れ等に対して安定化させることができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、酸化剤ガス排出管45は、液体タンク60に接続されている。このことにより、各燃料電池スタック21を流れた酸化剤ガス3bは、液体タンク60に排出される。ここで、各燃料電池スタック21から排出される酸化剤ガス3bには、酸化剤極反応により生成された凝縮水も含まれ得る。このため、この凝縮水も、酸化剤ガス3bと共に液体タンク60に排出することができ、各燃料電池スタック21から排出された凝縮水を、冷却液体3cとして液体タンク60に貯留することができる。また、一般的な燃料電池モジュールでは、各燃料電池スタックから排出された凝縮水は、ヘッダ管に集められ、ヘッダ管を流れるようになっている。これに対して本実施の形態による燃料電池モジュール1では、液体タンク60がこのヘッダ管の機能を兼ねている。換言すると、冷却液体3cを貯留する液体タンク60と排出された凝縮水が集められるヘッダ管とが一体化している。このことにより、排出された凝縮水が集められるヘッダ管を別途配置することを不要にすることができる。このため、燃料電池モジュール1をより一層小型化することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、燃料ガス供給管31、燃料ガス排出管35、酸化剤ガス供給管41、酸化剤ガス排出管45、冷却液体供給管51及び冷却液体排出管55のうちの少なくともいずれかは、配管の長さを調整可能な長さ調整機構LAを有している。このため、製造誤差等により各燃料電池スタック21の寸法や配置間隔が変化した場合であっても、長さ調整機構LAにより各配管の長さを調整することができる。このため、各燃料電池スタック21と各配管との接続を容易化することができ、燃料電池モジュール1の組み立てを容易化することができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、燃料電池モジュール1は、移動体用の燃料電池モジュール1である。移動体用の燃料電池モジュール1では、大容量の発電出力が要求され、複数の燃料電池スタック21が用いられる場合がある。また、移動体用の燃料電池モジュール1では、設置スペースの制約から、より一層の小型化が求められる場合がある。本実施の形態による燃料電池モジュール1は、このような移動体用の燃料電池モジュール1として好適に用いることができる。
【0065】
以上述べた実施の形態によれば、燃料電池モジュールを小型化することができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1:燃料電池モジュール、3a:燃料ガス、3b:酸化剤ガス、3c:冷却液体、20:燃料電池スタック群、21:燃料電池スタック、22:燃料電池セル、23a:正極端子、23b:負極端子、24:第1の燃料電池スタック列、25:第2の燃料電池スタック列、31:燃料ガス供給管、35:燃料ガス排出管、41:酸化剤ガス供給管、45:酸化剤ガス排出管、51:冷却液体供給管、55:冷却液体排出管、60:液体タンク、LA:長さ調整機構
図1
図2
図3
図4
図5