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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049147
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】情報収集システム、及び情報収集方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240402BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240402BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240402BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155434
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野上 大樹
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 由佳
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC27
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両で取得される種々のモニタ情報の中から車両の利用者の許諾を得たモニタ情報を限定して、車両から容易に収集することをサポートする情報収集システムを提供する。
【解決手段】情報収集システム1は、対象利用者Uがモニタ情報Mniの提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストSpLを取得する許諾利用用途リスト取得部13と、対象車両50の仕様に基づいて、モニタ情報Mniの種類と複数の利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルMuTを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成部14と、許諾利用用途リストSpLとモニタ情報利用用途テーブルMuTとに基づいて、対象車両50に対して送信を依頼するモニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストSrLを生成する送信依頼種類リスト生成部15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者について、前記利用者と前記利用者により利用される車両が関連付けて登録された車両登録データベースにアクセスして、前記利用者に関する利用者情報と前記車両に関する車両情報とを取得する車両登録情報取得部と、
前記車両登録データベースに登録された前記利用者のうちのいずれかである対象利用者と、前記車両情報から認識される前記対象利用者と関連付けられた前記車両である対象車両について、前記対象車両で取得されるモニタ情報の複数の利用用途のうち、前記対象利用者が前記モニタ情報の提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストを取得する許諾利用用途リスト取得部と、
前記対象車両の仕様に基づいて、前記対象車両において取得される複数種類の前記モニタ情報について、前記モニタ情報の種類と複数の前記利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成部と、
前記許諾利用用途リストと前記モニタ情報利用用途テーブルとに基づいて、前記許諾利用用途と関連付けられた前記モニタ情報の種類を、前記対象車両に対して送信を依頼する前記モニタ情報の種類として抽出し、抽出した前記モニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストを生成する送信依頼種類リスト生成部と、
を備える情報収集システム。
【請求項2】
前記車両登録情報取得部、前記許諾利用用途リスト取得部、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部、及び前記送信依頼種類リスト生成部は、前記利用者情報から認識される前記利用者により使用される利用者端末、及び前記車両との間で通信を行う通信制御部を有して、前記通信制御部により前記車両との間で通信を行うコンピュータシステムに備えられ、
前記許諾利用用途リスト取得部は、前記対象利用者により使用される前記利用者端末である特定利用者端末から送信される前記許諾利用用途リストを、前記通信制御部により受信することによって取得し、
前記コンピュータシステムに備えられて、前記送信依頼種類リストを、前記通信制御部により前記対象車両に送信するモニタ情報取得部を備える
請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記車両登録情報取得部と前記モニタ情報利用用途テーブル生成部とは、前記車両との間で通信を行う通信制御部を有して、前記通信制御部により前記車両との間で通信を行うコンピュータシステムに備えられ、
前記許諾利用用途リスト取得部と、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記対象車両に備えられ、
前記送信依頼種類リスト生成部は、前記コンピュータシステムから送信される前記モニタ情報利用用途テーブルを、前記通信制御部により受信することによって取得し、
前記許諾利用用途リスト取得部は、前記対象車両における前記対象利用者による許諾操作に応じて、前記許諾利用用途リストを生成することによって、前記許諾利用用途リストを取得する
請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記対象車両について前記モニタ情報に関するアップデートがなされたことを認識するアップデート認識部を備え、
前記モニタ情報利用用途テーブル生成部は、前記アップデート認識部により前記対象車両について前記モニタ情報に関するアップデートがなされたことが認識されたときに、アップデートにより追加又は変更された前記対象車両の仕様に基づいて、前記モニタ情報利用用途テーブルを更新し、
前記送信依頼種類リスト生成部は、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部により更新された前記モニタ情報利用用途テーブルに基づいて、前記送信依頼種類リストを更新する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記モニタ情報利用用途テーブル生成部は、前記更新を行う前の前記モニタ情報利用用途テーブルと、前記更新がなされた前記モニタ情報利用用途テーブルとを、前記モニタ情報利用用途テーブルを生成したときの前記車両の仕様のバージョン情報を付して管理する
請求項4に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記モニタ情報取得部は、前記送信依頼種類リストにより示された前記モニタ情報の種類に、前記対象利用者の個人情報に関わる前記モニタ情報の種類が含まれるときには、前記対象利用者の個人情報に関わる種類の前記モニタ情報の送信の可否を問合わせる送信可否問合せ情報を、前記通信制御部によって前記特定利用者端末に送信する
請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記対象車両に乗車した前記対象利用者を識別する利用者識別部を備え、
前記モニタ情報取得部は、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを、前記対象車両に送信済みであるときは、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを前記対象車両に再送せず、前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを前記対象車両に送信していないときには、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを前記対象車両に送信する
請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項8】
コンピュータにより実行される情報収集方法であって、
複数の利用者について、前記利用者と前記利用者により利用される車両が関連付けて登録された車両登録データベースにアクセスして、前記利用者に関する利用者情報と前記車両に関する車両情報とを取得する車両登録情報取得ステップと、
前記車両登録データベースに登録された前記利用者のうちのいずれかである対象利用者と、前記車両情報から認識される前記対象利用者と関連付けられた前記車両である対象車両について、前記対象車両で取得されるモニタ情報の複数の利用用途のうち、前記対象利用者が前記モニタ情報の提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストを取得する許諾利用用途リスト取得ステップと、
前記対象車両の仕様に基づいて、前記対象車両において取得される複数種類の前記モニタ情報について、前記モニタ情報の種類と複数の前記利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成ステップと、
前記許諾利用用途リストと前記モニタ情報利用用途テーブルとに基づいて、前記許諾利用用途と関連付けられた前記モニタ情報の種類を、前記対象車両に対して送信を依頼する前記モニタ情報の種類として抽出し、抽出した前記モニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストを生成する送信依頼種類リスト生成ステップと、
を含む情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集システム、及び情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の車両を対象として、車両の使用状況や走行状況を示す種々の情報を、車両から受信して収集するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、所定の収集条件に従って車両から受信したプローブ情報を記憶部に保存し、プローブ情報に基づく車両へのサービス情報の配信後に不要になったプローブ情報を削除して、データ維持管理コストを削減する構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-136754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部のシステムとの間で通信を行うコネクテッド機能を有する車両においては、車両で取得される種々のモニタ情報が、車両から外部のシステムに送信される。そして、これらのモニタ情報には、車両の利用者の個人情報が含まれる場合があるため、外部のシステムへのモニタ情報の提供の可否を利用者に確認する必要があるが、各モニタ情報について提供の可否をその都度求めることは、利用者にとって煩わしい。また、OTA(Over The Air)等により、車両のソフトウェアの仕様がアップデートされたときに、車両で取得されるモニタ情報が追加或いは変更される場合がある。そのため、車両で取得されるモニタ情報の種類を正確に把握した上で、利用者の許諾に応じて、車両から収集するモニタ情報を適切に設定することが難しくなっている。
本願は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、車両で取得される種々のモニタ情報の中から車両の利用者の許諾を得たモニタ情報を限定して、車両から容易に収集することをサポートする情報収集システム、及び情報収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、複数の利用者について、前記利用者と前記利用者により利用される車両が関連付けて登録された車両登録データベースにアクセスして、前記利用者に関する利用者情報と前記車両に関する車両情報とを取得する車両登録情報取得部と、前記車両登録データベースに登録された前記利用者のうちのいずれかである対象利用者と、前記車両情報から認識される前記対象利用者と関連付けられた前記車両である対象車両について、前記対象車両で取得されるモニタ情報の複数の利用用途のうち、前記対象利用者が前記モニタ情報の提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストを取得する許諾利用用途リスト取得部と、前記対象車両の仕様に基づいて、前記対象車両において取得される複数種類の前記モニタ情報について、前記モニタ情報の種類と複数の前記利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成部と、前記許諾利用用途リストと前記モニタ情報利用用途テーブルとに基づいて、前記許諾利用用途と関連付けられた前記モニタ情報の種類を、前記対象車両に対して送信を依頼する前記モニタ情報の種類として抽出し、抽出した前記モニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストを生成する送信依頼種類リスト生成部と、を備える情報収集システムが挙げられる。
ここで、モニタ情報には、対象車両で取得される、対象車両の状況と対象車両における対象利用者の状況が含まれる。
【0006】
上記情報収集システムにおいて、前記車両登録情報取得部、前記許諾利用用途リスト取得部、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部、及び前記送信依頼種類リスト生成部は、前記利用者情報から認識される前記利用者により使用される利用者端末、及び前記車両との間で通信を行う通信制御部を有して、前記通信制御部により前記車両との間で通信を行うコンピュータシステムに備えられ、前記許諾利用用途リスト取得部は、前記対象利用者により使用される前記利用者端末である特定利用者端末から送信される前記許諾利用用途リストを、前記通信制御部により受信することによって取得し、前記コンピュータシステムに備えられて、前記送信依頼種類リストを、前記通信制御部により前記対象車両に送信するモニタ情報取得部を備える、構成としてもよい。
【0007】
上記情報収集システムにおいて、前記車両登録情報取得部と前記モニタ情報利用用途テーブル生成部とは、前記車両との間で通信を行う通信制御部を有して、前記通信制御部により前記車両との間で通信を行うコンピュータシステムに備えられ、前記許諾利用用途リスト取得部と、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記対象車両に備えられ、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記コンピュータシステムから送信される前記モニタ情報利用用途テーブルを、前記通信制御部により受信することによって取得し、前記許諾利用用途リスト取得部は、前記対象車両における前記対象利用者による許諾操作に応じて、前記許諾利用用途リストを生成することによって、前記許諾利用用途リストを取得する、構成としてもよい。
【0008】
上記情報収集システムにおいて、前記対象車両について前記モニタ情報に関するアップデートがなされたことを認識するアップデート認識部を備え、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部は、前記アップデート認識部により前記対象車両について前記モニタ情報に関するアップデートがなされたことが認識されたときに、アップデートにより追加又は変更された前記対象車両の仕様に基づいて、前記モニタ情報利用用途テーブルを更新し、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部により更新された前記モニタ情報利用用途テーブルに基づいて、前記送信依頼種類リストを更新する、構成としてもよい。
【0009】
上記情報収集システムにおいて、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部は、前記更新を行う前の前記モニタ情報利用用途テーブルと、前記更新がなされた前記モニタ情報利用用途テーブルとを、前記モニタ情報利用用途テーブルを生成したときの前記車両の仕様のバージョン情報を付して管理する、構成としてもよい。
【0010】
上記情報収集システムにおいて、前記モニタ情報取得部は、前記送信依頼種類リストにより示された前記モニタ情報の種類に、前記対象利用者の個人情報に関わる前記モニタ情報の種類が含まれるときには、前記対象利用者の個人情報に関わる種類の前記モニタ情報の送信の可否を問合わせる送信可否問合せ情報を、前記通信制御部によって前記特定利用者端末に送信する、構成としてもよい。
【0011】
上記情報収集システムにおいて、前記対象車両に乗車した前記対象利用者を識別する利用者識別部を備え、前記モニタ情報取得部は、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを、前記対象車両に送信済みであるときは、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを前記対象車両に再送せず、前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを前記対象車両に送信していないときには、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記送信依頼種類リストを前記対象車両に送信する、構成としてもよい。
【0012】
上記目的を達成するための第2態様として、コンピュータにより実行される情報収集方法であって、複数の利用者について、前記利用者と前記利用者により利用される車両が関連付けて登録された車両登録データベースにアクセスして、前記利用者に関する利用者情報と前記車両に関する車両情報とを取得する車両登録情報取得ステップと、前記車両登録データベースに登録された前記利用者のうちのいずれかである対象利用者と、前記車両情報から認識される前記対象利用者と関連付けられた前記車両である対象車両について、前記対象車両で取得されるモニタ情報の複数の利用用途のうち、前記対象利用者が前記モニタ情報の提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストを取得する許諾利用用途リスト取得ステップと、前記対象車両の仕様に基づいて、前記対象車両において取得される複数種類の前記モニタ情報について、前記モニタ情報の種類と複数の前記利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成ステップと、前記許諾利用用途リストと前記モニタ情報利用用途テーブルとに基づいて、前記許諾利用用途と関連付けられた前記モニタ情報の種類を、前記対象車両に対して送信を依頼する前記モニタ情報の種類として抽出し、抽出した前記モニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストを生成する送信依頼種類リスト生成ステップと、を含む情報収集方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
上記情報収集システムによれば、車両で取得される種々のモニタ情報の中から車両の利用者の許諾を得たモニタ情報を限定して、車両から容易に収集することをサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、情報収集システムの構成、及び情報収集システムによる車両からの情報収集の態様の説明図である。
図2図2は、車両登録データベースの説明図である。
図3】許諾利用用途リスト、モニタ情報利用用途テーブル、及び送信依頼種類リストの説明図である。
図4】モニタ情報の収集処理のフローチャートである。
図5】利用者の変更に応じた許諾利用用途リストの取得処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.情報収集システムによる車両からの情報収集の態様]
図1図3を参照して、本実施形態の情報収集システム1により実行される複数の車両50からの情報収集の態様について説明する。情報収集システム1は、通信ネットワーク200を介して、複数の車両50、車両50の利用者Uにより使用される利用者端末60、交通情報サーバー110、緊急サポートサーバー120、保険会社サーバー130との間で通信を行う。利用者端末60は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等である。
【0016】
車両管理サーバー100には、各車両50と利用者Uが登録された車両登録DB(database,データベース)111が備えられている。図2に示したように、車両登録DB111には、各車両50について、車両コード(Cc-001,Cc-002,…)、車種・年式(Md-001,Md-002,…)、利用者情報(Ui-001,Ui-002,…)、及び車両メンテナンス情報(Cm-001,Cm-002,…)含む車両登録情報Criが記録されている。車両登録情報Criには、本開示の車両情報と利用者情報が含まれる。
【0017】
車両コードは、各車両50に対して固有に割り当てられた識別情報である。利用者情報には、利用者の登録ID(identification)、氏名、住所、連絡先情報(電話番号、携帯端末の通信アドレス等)等が含まれる。車両メンテナンス情報には、車両50の車検、定期点検、修理、車両50で使用されるソフトウェアのアップデート等のメンテナンスの履歴と、メンテナンス時に確認された車両50の総走行距離等が含まれる。
【0018】
車両50には、車両50の作動を制御するECU(Electronic Control Unit)51、エアコン52、バッテリー53、各種センサ54、車両50の周囲を撮影するカメラ55、通信ユニット56、及びタッチパネル等の表示器57が備えられている。センサ54には、車両50の現在位置を検出するGESS(Global Navigation Satellite System)センサ、速度センサ、加速度センサ、外気温センサ、室内温度センサ、バッテリーセンサ、利用者Uの状況を検出する乗員センサ(車内カメラ、生体センサ等)などが含まれる。バッテリーセンサは、バッテリー53の電圧、電流、温度を検出する。
【0019】
ECU51は、通信ユニット56により、通信ネットワーク200を介して、情報収集システム1及び車両管理サーバー100との間で通信を行う。また、情報収集システム1及び車両管理サーバー100は、通信ネットワーク200を介して、車両50に乗車している利用者Uにより使用される利用者端末60との間で通信を行う。
【0020】
情報収集システム1は、車両50の仕様に基づいて、車両50のセンサ54により検出される車両50のモニタ情報の種類と、モニタ情報の利用用途とを対応付けた、モニタ情報利用用途テーブルMuTを生成する。図3に示したように、モニタ情報利用用途テーブルMuTは、モニタ情報の各利用用途(利用の対象となるサービス)に対して、利用用途に関連する車両50の機能及び各機能の状況を示すモニタ情報を関連付けたものとなっている。
【0021】
モニタ情報には、車両50の走行状況を含む使用状況(イグニッションON/OFF、現在位置、走行速度、加速度、運転支援機能の使用等)と、利用者Uの状況(車内カメラの撮影画像、生体センサによる心拍数の検出値等)が含まれる。
【0022】
図3の例では、モニタ情報の利用用途として、リモートコントロールサービス、交通情報サービス、ドライバーフィードバックサービス、セキュリティサービス、及びWI-Fi(登録商標) Spotサービスが設定され、各機能の識別情報である機能ID及び各モニタ情報の種類を示す識別情報であるモニタ情報IDが対応付けられている。
【0023】
交通情報サービスでの利用用途に対応付けられるモニタ情報は、例えば、所定周期(3秒等)で検出される、車両50の現在位置、走行速度、進行方向、加速度である。また、リモートコントロールサービスの利用用途に対応付けられるモニタ情報は、例えば、利用者端末60による車両50のリモート操作(エアコン52の操作、施錠のし忘れの通知、施錠操作、車両50の位置サーチ等)がなされた時の、車両50の現在位置、総走行距離、航続可能距離、窓やドアの開閉状況、施錠状況、タイヤ空気圧、警告灯の点灯状況である。
【0024】
以下では、車両登録DB111に登録された車両50のうち、モニタ情報の収集対象とする車両50を対象車両50と称し、対象車両50と関連付けられて車両登録DB111に登録された利用者Uを対象利用者Uと称し、対象利用者Uにより使用される利用者端末60を対象利用者端末60と称して説明する。
【0025】
対象利用者Uは、対象利用者端末60で実行される車両50の利用アプリを操作して、車両50で取得されるモニタ情報のうち、提供を許諾するモニタ情報をモニタ情報の利用用途ごとに指定する。この操作に応じて、利用アプリにより生成された許諾利用用途リストSpLが、対象利用者端末60から情報収集システム1に送信される。
【0026】
図3に示したように、許諾利用用途リストSpLは、モニタ情報の各利用用途について、対象利用者Uが許諾をしたか否かを示すものとなっている。図3の許諾利用用途リストSpLは、対象利用者Uが提供を許諾した利用用途を「ON」で示し、対象利用者Uが提供を拒否した利用用途を「OFF」で示している。
【0027】
情報収集システム1は、図3に示したように、許諾利用用途リストSpLにより許諾された利用用途と対応付けられたモニタ情報IDを、モニタ情報利用用途テーブルMuTから抽出して、送信依頼種類リストSrLを生成する。
【0028】
情報収集システム1は、生成した送信依頼種類リストSrLを対象車両50に送信し、対象車両50は、送信依頼種類リストSrLに示されたモニタ情報IDが付されたモニタ情報Mniを情報収集システム1に送信する。情報収集システム1は、車両50から受信して取得したモニタ情報Mniを、モニタ情報利用用途テーブルMuTにより対応付けられた利用用途の提供先に送信する。例えば、情報収集システム1は、交通情報サービスの利用用途に対応付けられたモニタ情報Mniを、交通情報サーバー110に送信する。
【0029】
このように、情報収集システム1によれば、対象利用者Uは、対象車両50の利用を開始する時等に、利用用途ごとにモニタ情報の提供の可否を指定する操作を1度行えば、以後はモニタ情報の提供を許諾する操作が不要である。また、詳細は後述するが、モニタ情報の提供の許諾が利用用途に対して行われるので、対象車両50のアップデートによりモニタ情報の変更や追加があっても、利用者Uは新たな許諾の操作は不要である。そのため、利用者Uの利便性が向上すると共に、情報収集システム1における対象車両50のアップデートに対する処理を軽減することができる。
【0030】
[2.情報収集システムの構成]
図1を参照して、情報収集システム1の構成について説明する。情報収集システム1は、プロセッサ10、メモリ20、通信ユニット30等を備えたコンピュータシステムである。通信ユニット30は、通信ネットワーク200を介して、車両50、利用者端末60、車両管理サーバー100、交通情報サーバー110、緊急サポートサーバー120、保険会社サーバー130等との間で通信を行う。
【0031】
メモリ20には、情報収集システム1の制御用のプログラム21、車両登録DB111に登録された各車両50に対応したモニタ情報利用用途テーブルMuTが記録されたモニタ情報利用用途テーブルDB22、及び各車両50から取得されたモニタ情報Mniが記録されるモニタ情報DB23が保存されている。
【0032】
プロセッサ10は、プログラム21を読み込んで実行することにより、車両登録情報取得部11、通信制御部12、許諾利用用途リスト取得部13、モニタ情報利用用途テーブル生成部14、送信依頼種類リスト生成部15、モニタ情報取得部16、アップデート認識部17、及び利用者識別部18として機能する。
【0033】
車両登録情報取得部11により実行される処理は、本開示の情報収集方法における車両登録情報取得ステップに相当し、通信制御部12により実行される処理は、本開示の情報収集方法における通信制御ステップに相当する。許諾利用用途リスト取得部13により実行される処理は、本開示の情報収集方法における許諾利用用途リスト取得ステップに相当し、モニタ情報利用用途テーブル生成部14により実行される処理は、本開示の情報収集方法におけるモニタ情報利用用途テーブル生成ステップに相当する。送信依頼種類リスト生成部15により実行される処理は、本開示の情報収集方法における送信依頼種類リスト生成ステップに相当する。
【0034】
車両登録情報取得部11は、通信ユニット30により、通信ネットワーク200を介して車両管理サーバー100にアクセスすることによって、車両登録DB111を参照して対象利用者Uに関する利用者情報Usiと対象車両50に関する車両情報Caiを取得する。通信制御部12は、車両情報Caiから特定される対象車両50、及び利用者情報Usiから特定される対象利用者端末60との、通信ユニット30による通信ネットワーク200を介した通信を制御する。
【0035】
許諾利用用途リスト取得部13は、対象利用者端末60から送信される許諾利用用途リストSpL(図3参照)を、通信ユニット30及び通信制御部12により受信して取得する。モニタ情報利用用途テーブル生成部14は、車両情報Caiから認識した対象車両50の仕様に基づいて、対象車両50に対応したモニタ情報利用用途テーブルMuT(図3参照)を生成する。なお、対象車両50の仕様を、対象車両50との通信によって、対象車両50から取得した仕様情報により認識してもよく、或いは、対象車両50のメーカーのサーバーとの通信によって、サーバーから取得した仕様情報により認識してもよい。
【0036】
送信依頼種類リスト生成部15は、図3を参照して上述したように、許諾利用用途リストSpLと、モニタ情報利用用途テーブルMuTとを対応させて、対象車両50に対して送信を依頼するモニタ情報Mniのモニタ情報ID(モニタ情報Mniの種類)を示す送信依頼種類リストSrLを生成する。
【0037】
モニタ情報取得部16は、送信依頼種類リストSrLを、通信制御部12及び通信ユニット30により、通信ネットワーク200を介して対象車両50に送信する。これにより、対象車両50のECU51は、車両50に備えられたセンサ54により検出されるモニタ情報Mniのうち、送信依頼種類リストSrLにより示されるモニタ情報Mniに限定して、情報収集システム1に送信することができる。
【0038】
アップデート認識部17は、対象車両50のECU51で実行されるソフトウェアのアップデートがなされたことを、対象車両50或いは車両管理サーバー100から送信されるアップデート情報を、通信制御部12及び通信ユニット30により受信することによって認識する。
【0039】
アップデート認識部17により、対象車両50のアップデートがなされたことが認識されたときに、モニタ情報利用用途テーブル生成部14は、アップデートにより追加又は変更された対象車両50の仕様に応じて、モニタ情報利用用途テーブルMuTを更新する。送信依頼種類リスト生成部15は、更新されたモニタ情報利用用途テーブルMuTに応じて、送信依頼種類リストSrLを更新する。モニタ情報取得部16は、送信依頼種類リストSrLを対象車両50に送信する。
【0040】
利用者識別部18は、対象車両50に乗車した利用者Uを識別する。利用者識別部18は、対象車両50から、対象車両50のイグニッションON情報を受信したときに、対象車両50の現在位置と同じ位置を示す位置情報を情報収集システム1に送信した利用者端末60の所有者を、利用者情報Usiから特定することにより、対象車両50に乗車した利用者Uを識別する。なお、対象車両50に乗車した利用者Uを、対象車両50で検出された利用者Uの生体情報(顔画像、虹彩、指紋等)を、利用者情報Usiに記録された生体情報と照合することによって、識別してもよい。
【0041】
モニタ情報取得部16は、利用者識別部18により識別された利用者Uが、対象車両50を前回利用した利用者と同一であって、車両50に当該利用者に対応した送信依頼種類リストSrLを送信済みであるときには、送信依頼種類リストSrLを車両50に再送しない。一方、利用者識別部18により識別された利用者Uが、対象車両50を前回利用した利用者と異なり、且つ、車両50当該利用者に対応した送信依頼種類リストSrLが車両50に送信されていないときには、モニタ情報取得部16は、当該利用者に対応した送信依頼種類リストSrLを対象車両50に送信する。この処理は、対象車両50がシェア車両等であって、対象利用者Uが頻繁に切り替わる場合に対応したものである。
【0042】
なお、対象車両50が家族等の複数の利用者Uの間で共用されている場合には、家族を構成する各対象利用者に個別に対応した送信依頼種類リストSrLを、情報収集システム1から対象車両50に送信して、ECU51のメモリ等に保存してもよい。この場合、利用者識別部18は、識別した対象利用者のIDを対象車両50に送信し、ECU51は、対象者のIDによって、使用する送信依頼種類リストSrLを切り替えて、情報収集システム1に送信するモニタ情報Mniを選択する。
【0043】
[3.モニタ情報の収集処理]
図4に示したフローチャートに従って、情報収集システム1により実行される対象車両50からのモニタ情報Mniの収集処理の一連の手順について説明する。
【0044】
図4のステップS1で、モニタ情報利用用途テーブル生成部14は、対象車両50の仕様に基づいて、対象車両50に対応したモニタ情報利用用途テーブルMuT(図3参照)を生成する。続くステップS2で、許諾利用用途リスト取得部13は、対象利用者端末60から、許諾利用用途リストSpL(図3参照)を受信して取得する。
【0045】
次のステップS3で、送信依頼種類リスト生成部15は、対象車両50のモニタ情報利用用途テーブルMuTに、対象利用者Uの許諾利用用途リストSpLを適用して、送信依頼種類リストSrL(図3参照)を生成する。続くステップS4で、モニタ情報取得部16は、対象車両50に送信依頼種類リストSrLを送信する。これより、送信依頼種類リストSrLを受信した対象車両50において、センサ54により検出される種々のモニタ情報Mniの中から、送信依頼種類リストSrLにより示されたモニタ情報IDが付されたモニタ情報Mniを限定して、情報収集システム1に送信することが可能となる。
【0046】
次のステップS5とステップS10のループにより、モニタ情報取得部16は、ステップS5で、モニタ情報Mniの収集タイミングなったときに、ステップS6に処理を進める。モニタ情報Mniの収集タイミングは、例えば、対象車両50から送信されるイグニッションON情報を、情報収集システム1が受信した時点に設定される。
【0047】
ステップS6で、モニタ情報取得部16は、モニタ情報Mniの送信を依頼するモニタ情報送信依頼情報を対象車両50に送信し、対象車両50から送信される、送信依頼種類リストSrLにより選択されたモニタ情報IDが付されたモニタ情報Mniを受信して取得する。次のステップS7で、モニタ情報取得部16は、取得したモニタ情報Mniを、モニタ情報利用用途テーブルMuTにより対応付けられた利用用途に応じた提供先に送信する。
【0048】
例えば、モニタ情報取得部16は、対応付けられた利用用途が交通情報サービスであるモニタ情報Mniを、交通情報サーバー110に送信する。また、モニタ情報取得部16は、対応付けられた利用用途がドライバーフィードバックサービスであるモニタ情報Mniを、保険会社サーバー130に送信する。また、モニタ情報取得部16は、対応付けられた利用用途がセキュリティサービスであるモニタ情報Mniを、緊急サポートサーバー120に送信する。そして、モニタ情報取得部16は、ステップS5に処理を進める。
【0049】
アップデート認識部17は、ステップS10で、対象車両50のアップデートがなされたことを認識したときに、ステップS11に処理を進める。ステップS11で、モニタ情報利用用途テーブル生成部14は、アップデートされた対象車両50の仕様に応じて、対象車両50に対応したモニタ情報利用用途テーブルMuTを更新する。続くステップS12で、送信依頼種類リスト生成部15は、更新されたモニタ情報利用用途テーブルMuTに、対象利用者Uの許諾利用用途リストSpLを適用して、送信依頼種類リストSrLを更新する。
【0050】
次のステップS13で、モニタ情報取得部16は、更新された送信依頼種類リストSrLを、対象車両50に送信する。これにより、対象車両50において、アップデートされた対象車両50の仕様に応じて更新された送信依頼種類リストSrLにより指定されたモニタ情報IDが付されたモニタ情報Mniを選択して、情報収集システム1に送信することが可能となる。そして、モニタ情報取得部16は、ステップS5に処理を進める。
【0051】
[4.利用者の変更に応じた許諾利用用途リストの取得処理]
図5に示したフローチャートに従って、情報収集システム1により実行される、利用者の変更に応じた許諾利用用途リストSpLの取得処理の一連の処理について説明する。
【0052】
図5のステップS20で、利用者識別部18は、対象車両50からイグニッションON情報を受信したときに、ステップS21に処理を進める。ステップS21で、利用者識別部18は、対象車両50に乗車した対象利用者Uを識別する。続くステップS22で、許諾利用用途リスト取得部13は、利用者識別部18により識別された対象利用者Uが、対象車両50を前回利用した利用者と同一であるか否かを判断する。
【0053】
そして、許諾利用用途リスト取得部13は、利用者識別部18により識別された対象利用者Uが、対象車両50を前回利用した利用者と同一であるときはステップS24に処理を進め、同一でないときにはステップS23に処理を進める。ステップS23で、許諾利用用途リスト取得部13は、対象利用者Uにより使用される利用者端末60に、モニタ情報の提供の可否の指示を依頼する利用者指示依頼情報を送信する。
【0054】
これにより、利用者端末60で実行される対象車両50の利用アプリにより、モニタ情報Mniの提供の可否をモニタ情報Mniの利用用途ごとに指定する画面が表示され、対象利用者Uによる指定動作に応じて許諾利用用途リストSpLが生成される。そして、対象車両50から情報収集システム1に、許諾利用用途リストSpLが送信され、上述した図4に示したフローチャートによる処理により、新たな対象利用者Uについての送信依頼種類リストSrLが生成されて、車両50に送信される。
【0055】
これにより、対象車両50がシェア車両である場合のように、利用者Uが頻繁に切り替わる場合にも、許諾利用用途リストSpLを利用者端末60から受信して、図4に示した処理を実行することにより、新たな対象利用者Uに対応した送信依頼種類リストSrLを生成して対象車両50に送信することができる。
【0056】
[5.他の実施形態]
上記実施形態では、利用者識別部18を備えて、対象車両50に乗車する利用者を識別したが、利用者識別部18を省略した構成としてもよい。この場合、対象車両50がシェア車両であれば、対象利用者が前回の利用者と異なることが通常であるため、対象利用者が対象車両50に乗車したことが認識されたときに、利用者Uの利用者端末60の表示部又は対象車両50のタッチパネル57に、利用用途ごとにモニタ情報Mniの提供の可否を指示するための画面を表示させて、対象利用者端末60又は対象車両50で許諾利用用途リストSpLを生成し、対象利用者端末60又は対象車両50から情報収集システム1に、許諾利用用途リストSpLを送信するようにしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、対象利用者Uが、利用者端末60のアプリを操作して許諾利用用途リストSpLを情報収集システム1に送信した。他の実施形態として、対象利用者Uが、対象車両50のタッチパネル57を操作して、許諾利用用途リストSpLを情報収集システム1に送信する構成としてよい。この場合は、タッチパネル57、通信ユニット56、及びECU51の通信制御機能により、本開示の利用者により使用される利用者端末が構成される。
【0058】
上記実施形態において、許諾利用用途リストSpLにより許諾された利用用途に属するモニタ情報IDが付されたモニタ情報Mniであっても、対象利用者Uの個人情報に関するモニタ情報Mniについては、提供の可否を確認するようにしてもよい。この場合、モニタ情報取得部16は、対象となるモニタ情報Mniの提供の可否を問合わせる情報を利用者端末60又は対象車両50に送信して、確認画面を利用者端末60の表示部又は対象車両50のタッチパネル57に表示させる。そして、利用者端末60又は対象車両50から、提供を許諾する情報を受信したときにのみ、対象車両50から、個人情報に関するモニタ情報Mniを送信する構成となる。
【0059】
上記実施形態では、車両登録DB111を車両管理サーバー100に備えた例を示したが、車両登録DB111を情報収集システム1のメモリ20に備えた構成としてもよい。
【0060】
上記実施形態では、情報収集システム1を、車両50と通信ネットワーク200を介して通信を行うコンピュータシステムにより構成したが、車両50に搭載されたECU51により、本開示の情報収集システムを構成してもよい。この場合は、利用者端末60から送信される許諾利用用途リストSpLを、車両50が受信して取得する構成となる。
【0061】
また、情報収集システム1の構成の一部を車両50に備えた構成としてもよい。例えば、車両登録情報取得部11とモニタ情報利用用途テーブル生成部14を、情報収集システム1(コンピュータシステム)に備え、許諾利用用途リスト取得部13と送信依頼種類リスト生成部15を、車両50に備える構成としてもよい。この場合は、モニタ情報利用用途テーブル生成部14により生成されたモニタ情報利用用途テーブルMuTが、コンピュータシステムから車両50に送信される。また、車両50に備えられたタッチパネル57に表示される、モニタ情報Mniの利用用途の許諾指示画面に対する利用者Uの許諾操作に応じて、許諾利用用途リスト取得部13が、許諾利用用途リストSpLを生成する。そして、送信依頼種類リスト生成部15が、モニタ情報利用用途テーブルMuTと、許諾利用用途リストSpLとに基づいて、送信依頼種類リストSrLを生成する。利用者Uは、表示器57を操作して、モニタ情報Mniの利用用途の許諾の設定を随時変更することができ、この変更に応じて、許諾利用用途リスト取得部13が許諾利用用途リストSpLを更新し、送信依頼種類リスト生成部15が送信依頼種類リストSrLを更新する。
【0062】
なお、図1は、本開示の発明の理解を容易にするために、情報収集システム1の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、情報収集システム1の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、図4図5に示した各構成要素の処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0063】
[6.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0064】
(構成1)複数の利用者について、前記利用者と前記利用者により利用される車両が関連付けて登録された車両登録データベースにアクセスして、前記利用者に関する利用者情報と前記車両に関する車両情報とを取得する車両登録情報取得部と、前記車両登録データベースに登録された前記利用者のうちのいずれかである対象利用者と、前記車両情報から認識される前記対象利用者と関連付けられた前記車両である対象車両について、前記対象車両で取得されるモニタ情報の複数の利用用途のうち、前記対象利用者が前記モニタ情報の提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストを取得する許諾利用用途リスト取得部と、前記対象車両の仕様に基づいて、前記対象車両において取得される複数種類の前記モニタ情報について、前記モニタ情報の種類と複数の前記利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成部と、前記許諾利用用途リストと前記モニタ情報利用用途テーブルとに基づいて、前記許諾利用用途と関連付けられた前記モニタ情報の種類を、前記対象車両に対して送信を依頼する前記モニタ情報の種類として抽出し、抽出した前記モニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストを生成する送信依頼種類リスト生成部と、を備える情報収集システム。
構成1の情報収集システムによれば、車両で取得される種々のモニタ情報の中から車両の利用者の許諾を得たモニタ情報を限定して、車両から容易に収集することをサポートすることができる。
【0065】
(構成2)前記車両登録情報取得部、前記許諾利用用途リスト取得部、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部、及び前記送信依頼種類リスト生成部は、前記利用者情報から認識される前記利用者により使用される利用者端末、及び前記車両との間で通信を行う通信制御部を有して、前記通信制御部により前記車両との間で通信を行うコンピュータシステムに備えられ、前記許諾利用用途リスト取得部は、前記対象利用者により使用される前記利用者端末である特定利用者端末から送信される前記許諾利用用途リストを、前記通信制御部により受信することによって取得し、前記コンピュータシステムに備えられて、前記送信依頼種類リストを、前記通信制御部により前記対象車両に送信するモニタ情報取得部を備える、構成1に記載の情報収集システム。
構成2の情報収集システムによれば、コンピュータシステムにより送信依頼種類リストを生成することによって、対象車両におけるモニタ情報の収集のための処理の負荷を低減することができる。
【0066】
(構成3)前記車両登録情報取得部と前記モニタ情報利用用途テーブル生成部とは、前記車両との間で通信を行う通信制御部を有して、前記通信制御部により前記車両との間で通信を行うコンピュータシステムに備えられ、前記許諾利用用途リスト取得部と、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記対象車両に備えられ、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記コンピュータシステムから送信される前記モニタ情報利用用途テーブルを、前記通信制御部により受信することによって取得し、前記許諾利用用途リスト取得部は、前記対象車両における前記対象利用者による許諾操作に応じて、前記許諾利用用途リストを生成することによって、前記許諾利用用途リストを取得する、構成1に記載の情報収集システム。
構成3の情報収集システムによれば、対象車両により送信依頼種類リストを生成することによって、コンピュータシステムと対象車両との間の通信処理の負荷を低減することができる。
【0067】
(構成4)前記対象車両について前記モニタ情報に関するアップデートがなされたことを認識するアップデート認識部を備え、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部は、前記アップデート認識部により前記対象車両について前記モニタ情報に関するアップデートがなされたことが認識されたときに、アップデートにより追加又は変更された前記対象車両の仕様に基づいて、前記モニタ情報利用用途テーブルを更新し、前記送信依頼種類リスト生成部は、前記モニタ情報利用用途テーブル生成部により更新された前記モニタ情報利用用途テーブルに基づいて、前記送信依頼種類リストを更新する、構成1に記載の情報収集システム。
構成4の情報収集システムによれば、対象車両のアップデートがなされたときに、許諾利用用途リストを再取得する必要がなく、モニタ情報利用用途テーブル及び送信依頼種類リストを更新することにより、追加又は変更された対象車両の仕様に応じて、対象車両から収集するモニタ情報の種類を再設定することができる。
【0068】
(構成5)前記モニタ情報利用用途テーブル生成部は、前記更新を行う前の前記モニタ情報利用用途テーブルと、前記更新がなされた前記モニタ情報利用用途テーブルとを、前記モニタ情報利用用途テーブルを生成したときの前記車両の仕様のバージョン情報を付して管理する、構成4に記載の情報収集システム。
構成5の情報収集システムによれば、各アップデートに対応したモニタ情報利用用途テーブルを、バージョン情報によって容易に管理することができる。
【0069】
(構成6)前記モニタ情報取得部は、前記送信依頼種類リストにより示された前記モニタ情報の種類に、前記対象利用者の個人情報に関わる前記モニタ情報の種類が含まれるときには、前記対象利用者の個人情報に関わる種類の前記モニタ情報の送信の可否を問合わせる送信可否問合せ情報を、前記通信制御部によって前記特定利用者端末に送信する、構成2に記載の情報収集システム。
構成6の情報収集システムによれば、対象利用者の個人情報にかかわるモニタ情報が、対象利用者の許諾無しに対象車両から送信されることを防止することができる。
【0070】
(構成7)前記対象車両に乗車した前記対象利用者を識別する利用者識別部を備え、前記モニタ情報取得部は、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記許諾利用用途リストを、前記対象車両に送信済みであるときは、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての前記許諾利用用途リストを前記対象車両に再送せず、前記対象利用者についての前記許諾利用用途リストを前記対象車両に送信していないときには、前記利用者識別部により識別された前記対象利用者についての許諾利用用途リストを前記対象車両に送信する、構成2に記載の情報収集システム。
構成7の情報収集システムによれば、既に許諾利用用途リストが対象車両に送信されている対象利用者については、許諾利用用途リストの再送を行わないことにより、対象車両と情報収集システム間の通信処理の負荷を低減することができる。
【0071】
(構成8)コンピュータにより実行される情報収集方法であって、複数の利用者について、前記利用者と前記利用者により利用される車両が関連付けて登録された車両登録データベースにアクセスして、前記利用者に関する利用者情報と前記車両に関する車両情報とを取得する車両登録情報取得ステップと、前記車両登録データベースに登録された前記利用者のうちのいずれかである対象利用者と、前記車両情報から認識される前記対象利用者と関連付けられた前記車両である対象車両について、前記対象車両で取得されるモニタ情報の複数の利用用途のうち、前記対象利用者が前記モニタ情報の提供を許諾した許諾利用用途を示す許諾利用用途リストを取得する許諾利用用途リスト取得ステップと、前記対象車両の仕様に基づいて、前記対象車両において取得される複数種類の前記モニタ情報について、前記モニタ情報の種類と複数の前記利用用途のいずれかとを対応付けたモニタ情報利用用途テーブルを生成するモニタ情報利用用途テーブル生成ステップと、前記許諾利用用途リストと前記モニタ情報利用用途テーブルとに基づいて、前記許諾利用用途と関連付けられた前記モニタ情報の種類を、前記対象車両に対して送信を依頼する前記モニタ情報の種類として抽出し、抽出した前記モニタ情報の種類を示す送信依頼種類リストを生成する送信依頼種類リスト生成ステップと、を含む情報収集方法。
構成8の情報収集方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の情報収集システムと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1…情報収集システム、10…プロセッサ、11…車両登録情報取得部、12…通信制御部、13…許諾利用用途リスト取得部、14…モニタ情報利用用途テーブル生成部、15…送信依頼種類リスト生成部、16…モニタ情報取得部、17…アップデート認識部、18…利用者識別部、20…メモリ、21…プログラム、22…モニタ情報利用用途テーブルDB、23…モニタ情報、30…通信ユニット、50…車両、51…ECU、52…エアコン、53…バッテリー、54…センサ、55…カメラ、56…通信ユニット、57…表示器、60…利用者端末、100…車両管理サーバー、111…車両登録DB、110…交通情報サーバー、120…緊急サポートサーバー、130…保険会社サーバー、200…通信ネットワーク、U…利用者。
図1
図2
図3
図4
図5