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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049156
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】産業用ロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155449
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 正己
(72)【発明者】
【氏名】小林 敏之
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131CA09
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB54
5F131DB57
5F131DB62
5F131DB72
(57)【要約】
【課題】輸送中の破損を防ぐことのできる産業用ロボットを提供する。
【解決手段】産業用ロボット100は、搬送部40の左右方向への移動をガイドするガイドレール50と、ガイドレール50を支持するフレームFLと、を備え、ガイドレール50は、左右方向に並ぶ左レール部材50Lと右レール部材50Rと中央レール部材50Cを含み、フレームFLは、左右方向に並ぶ左フレーム部材10と右フレーム部材20を含み、左フレーム部材10は、左レール部材50Lを支持し、右フレーム部材20は、右レール部材50Rを支持し、左レール部材50Lの右端縁50Leは、左フレーム部材10と右フレーム部材20の境界よりも左側に位置し、右レール部材50Rの左端縁50Reは、上記境界よりも右側に位置し、中央レール部材50Cは、左フレーム部材10と右フレーム部材20によって支持される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物を搬送する搬送部の第1方向への移動をガイドするガイドレールと、
前記ガイドレールを支持するフレームと、を備え、
前記ガイドレールは、前記第1方向に並ぶ複数のレール部材を含み、
前記フレームは、前記第1方向に並ぶ複数のフレーム部材を含み、
隣り合う2つの前記フレーム部材のうちの一方を第1フレーム部材とし、他方を第2フレーム部材とし、
前記第1フレーム部材は、前記複数のレール部材のいずれか1つである第1レール部材を支持し、
前記第2フレーム部材は、前記複数のレール部材のうちの前記第1レール部材とは異なる第2レール部材を支持し、
前記第1レール部材の前記第2フレーム部材側の第1端縁は、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材の境界よりも、前記第1フレーム部材側に位置し、
前記第2レール部材の前記第1フレーム部材側の第2端縁は、前記境界よりも、前記第2フレーム部材側に位置し、
前記複数のレール部材のうち、前記第1レール部材と前記第2レール部材の間の第3レール部材は、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材によって支持される、産業用ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の産業用ロボットであって、
前記第1フレーム部材は、前記第3レール部材の取り付け位置の位置決めを行うための第1位置決め部材を更に支持する、産業用ロボット。
【請求項3】
請求項2に記載の産業用ロボットであって、
前記搬送部から前記フレームに向かう方向と前記第1方向に直交する方向を第2方向とし、
前記第1位置決め部材は、前記第1レール部材の前記第2方向の一方の端縁に当接する第1当接面を有し、且つ、前記第1当接面が前記第1端縁よりも前記境界側に突出して形成された第1部材を含む、産業用ロボット。
【請求項4】
請求項3に記載の産業用ロボットであって、
前記第1位置決め部材は、前記第1レール部材の前記第2方向の他方の端縁に当接可能な第2当接面を有し、且つ、前記第2当接面が前記第1端縁よりも前記境界側に突出して形成された第2部材と、前記第2部材を挟んで前記第1レール部材と対向配置された第3部材と、を含み、
前記第3部材と前記第1レール部材との距離は変更可能に構成されている、産業用ロボット。
【請求項5】
請求項2に記載の産業用ロボットであって、
前記第2フレーム部材は、前記第3レール部材の取り付けの位置決めを行うための第2位置決め部材を更に支持する、産業用ロボット。
【請求項6】
請求項5に記載の産業用ロボットであって、
前記搬送部から前記フレームに向かう方向と前記第1方向に直交する方向を第2方向とし、
前記第2位置決め部材は、前記第2レール部材の前記第2方向の一方の端縁に当接する第3当接面を有し、且つ、前記第3当接面が前記第2端縁よりも前記境界側に突出して形成された第4部材を含む、産業用ロボット。
【請求項7】
請求項6に記載の産業用ロボットであって、
前記第2位置決め部材は、前記第2レール部材の前記第2方向の他方の端縁に当接可能な第4当接面を有し、且つ、前記第4当接面が前記第2端縁よりも前記境界側に突出して形成された第5部材と、前記第5部材を挟んで前記第2レール部材と対向配置された第6部材と、を含み、
前記第6部材と前記第2レール部材との距離は変更可能に構成されている、産業用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、処理ユニットとして基板の表面洗浄処理を行う表面洗浄ユニット及び基板の裏面洗浄処理を行う裏面洗浄ユニットを備えている処理ブロックを備えた基板処理装置において、複数枚の基板を収容するキャリアが載置されるキャリア載置部を備え、前記キャリア載置部の前記キャリアとの間で基板を搬送するインデクサロボットを備えたインデクサブロックと、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間に配置され、基板を載置する複数段の棚を備えているとともに、基板の表裏を反転させる反転機能を備えている反転パスブロックと、前記各処理ユニットと前記反転パスブロックとの間で基板を搬送するセンターロボットを備えた搬送ブロックと、を備える基板処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-034686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送対象物を搬送する搬送部を有する産業用ロボットには、搬送部の移動をガイドするガイドレールが設けられる。ガイドレールを複数連結させる構成の産業用ロボットでは、複数のガイドレールを分割した状態で、輸送が行われることがある。この輸送時において、ガイドレールの破損を防ぐことが求められる。
【0005】
本発明は、輸送中の破損を防ぐことのできる産業用ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の産業用ロボットは、搬送対象物を搬送する搬送部の第1方向への移動をガイドするガイドレールと、前記ガイドレールを支持するフレームと、を備え、前記ガイドレールは、前記第1方向に並ぶ複数のレール部材を含み、前記フレームは、前記第1方向に並ぶ複数のフレーム部材を含み、隣り合う2つの前記フレーム部材のうちの一方を第1フレーム部材とし、他方を第2フレーム部材とし、前記第1フレーム部材は、前記複数のレール部材のいずれか1つである第1レール部材を支持し、前記第2フレーム部材は、前記複数のレール部材のうちの前記第1レール部材とは異なる第2レール部材を支持し、前記第1レール部材の前記第2フレーム部材側の第1端縁は、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材の境界よりも、前記第1フレーム部材側に位置し、前記第2レール部材の前記第1フレーム部材側の第2端縁は、前記境界よりも、前記第2フレーム部材側に位置し、前記複数のレール部材のうち、前記第1レール部材と前記第2レール部材の間の第3レール部材は、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材によって支持される、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輸送中の破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、産業用ロボット100の概略構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す範囲H1の拡大図である。
図3図3は、図1に示す範囲H1を前側から見た図である。
図4図4は、図3のA-A矢視の断面模式図である。
図5図5は、図3のB-B矢視の断面模式図である。
図6図6は、図3のC-C矢視の断面模式図である。
図7図7は、図3のD-D矢視の断面模式図である。
図8図8は、図1に示す範囲H2を異なる方向から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である産業用ロボット100について説明する。以下では、産業用ロボット100における方向として、互いに直交する3方向を、上下方向、左右方向、前後方向と記載する。産業用ロボット100は、例えば、上下方向が鉛直方向と一致する状態で工場等に設置される。
【0010】
(ロボットの全体構成)
図1は、産業用ロボット100の概略構成を示す斜視図である。産業用ロボット100は、半導体ウエハ等の搬送対象物を搬送する搬送部40と、搬送部40の左右方向への移動をガイドするガイドレール50、51、52と、ガイドレール50、51、52を支持するフレームFLと、搬送部40を上下方向に移動可能に支持する支持部30と、を備える。搬送部40は、本体部43と、本体部43に支持されたアーム42と、アーム42に支持され且つ搬送対象物を保持可能なハンド41と、を備える。
【0011】
フレームFLは、左右方向に並べて配置された2つのフレーム部材を連結して構成されている。この2つのフレーム部材は、左側に配置された左フレーム部材10と、右側に配置された右フレーム部材20と、を備える。
【0012】
左フレーム部材10は、矩形枠状となっており、上下方向に延びる柱状の右枠部10Rと、右枠部10Rの左側に対向配置された上下方向に延びる柱状の左枠部10Lと、右枠部10Rの上端と左枠部10Lの上端を繋ぐ、左右方向に延びた平板状の上枠部10Uと、右枠部10Rの下端と左枠部10Lの下端を繋ぐ、左右方向に延びた平板状の下枠部10Dと、から構成されている。下枠部10Dは、上下方向に離間し且つ平行に配置された第1下枠部10Daと第2下枠部10Dbと、を含む。
【0013】
右フレーム部材20は、矩形枠状となっており、上下方向に延びる柱状の右枠部20Rと、右枠部20Rの左側に対向配置された上下方向に延びる柱状の左枠部20Lと、右枠部20Rの上端と左枠部20Lの上端を繋ぐ、左右方向に延びた平板状の上枠部20Uと、右枠部20Rの下端と左枠部20Lの下端を繋ぐ、左右方向に延びた平板状の下枠部20Dと、から構成されている。下枠部20Dは、上下方向に離間し且つ平行に配置された第1下枠部20Daと第2下枠部20Dbと、を含む。
【0014】
左フレーム部材10と右フレーム部材20は、上枠部10Uの右端部と上枠部20Uの左端部とが図示しない連結板等を介して固定され、下枠部10Dの右端部と下枠部20Dの左端部とが図示しない連結板等を介して固定されることで、連結されている。
【0015】
上枠部10Uと上枠部20Uの前面には、上枠部10Uと上枠部20Uに跨って左右方向に延びて形成された柱状のガイドレール50が、ボルト等によって固着されている。第1下枠部10Daと第1下枠部20Daの前面には、第1下枠部10Daと第1下枠部20Daに跨って左右方向に延びて形成された柱状のガイドレール51が、ボルト等によって固着されている。第2下枠部10Dbと第2下枠部20Dbの前面には、第2下枠部10Dbと第2下枠部20Dbに跨って左右方向に延びて形成された柱状のガイドレール52が、ボルト等によって固着されている。
【0016】
支持部30は、上下方向に延びる柱状を成しており、左枠部10Lの前面に対面して配置されている。支持部30は、その右側面において、搬送部40の本体部43を、上下方向に移動可能に支持している。支持部30の上端部には、ガイドレール50に摺動可能に係合する係合部31が設けられている。支持部30の下端部には、ガイドレール51に摺動可能に係合する係合部32と、ガイドレール52に摺動可能に係合する係合部33とが設けられている。産業用ロボット100では、支持部30が、係合部31、32、33を介して、ガイドレール50、51、52に沿って左右方向に移動することで、支持部30によって支持される搬送部40により、搬送対象物を左右方向に移動させることが可能になっている。
【0017】
(ガイドレールの構成)
図2は、図1に示す範囲H1の拡大図である。図3は、図1に示す範囲H1を前側から見た図である。図4は、図3のA-A矢視の断面模式図である。図5は、図3のB-B矢視の断面模式図である。図6は、図3のC-C矢視の断面模式図である。図7は、図3のD-D矢視の断面模式図である。図8は、図1に示す範囲H2を異なる方向から見た拡大斜視図である。
【0018】
図2及び図3に示すように、ガイドレール50は、左右方向に並ぶ複数のレール部材(左レール部材50L、中央レール部材50C、及び右レール部材50Rの3つ)を繋げて構成されている。ガイドレール50は、上枠部10Uの前面に支持された左レール部材50Lと、上枠部20Uの前面に支持された右レール部材50Rと、上枠部10U及び上枠部20Uの前面に支持された中央レール部材50Cと、を備える。
【0019】
左レール部材50Lの右フレーム部材20側の端縁である右端縁50Leの左右方向の位置は、左フレーム部材10と右フレーム部材20の境界線PLの左右方向の位置よりも、左側(左フレーム部材10側)に位置している。また、右レール部材50Rの左フレーム部材10側の端縁である左端縁50Reの左右方向の位置は、境界線PLの左右方向の位置よりも、右側(右フレーム部材20側)に位置している。中央レール部材50Cの左端縁が左レール部材50Lの右端縁50Leに当接し、中央レール部材50Cの右端縁が右レール部材50Rの左端縁50Reに当接しており、中央レール部材50Cは、境界線PLを跨いだ状態で、上枠部10U及び上枠部20Uに固着されている。
【0020】
産業用ロボット100では、左フレーム部材10及び右フレーム部材20から中央レール部材50Cが取り外され、更に、左フレーム部材10と右フレーム部材20の連結が解除された状態で、輸送が行われる。輸送先において、作業者は、到着した産業用ロボット100を組み立てる。具体的には、作業者は、まず、左フレーム部材10と右フレーム部材20を連結し、その後、中央レール部材50Cを左フレーム部材10及び右フレーム部材20に取り付ける。産業用ロボット100では、この組み立て時において、中央レール部材50CのフレームFLへの取り付けを精度よく行えるような工夫がなされている。
【0021】
具体的には、左フレーム部材10は、上枠部10Uの前面において、中央レール部材50Cの取り付け位置の位置決めを行うための左側位置決め部材60Lを支持している。左側位置決め部材60Lは、図3から図5に示すように、左レール部材50L及び中央レール部材50Cの下側に隣接して設けられた左右方向に延びる平板状の第1部材61Lと、左レール部材50L及び中央レール部材50Cの上側に隣接して左右方向に延びて設けられ且つ左右方向に垂直な断面が略L字状の第2部材62Lと、第2部材62Lを挟んで左レール部材50L及び中央レール部材50Cと対向配置され、左右方向に延びて設けられた第3部材63Lと、を備える。
【0022】
図4及び図5に示すように、第1部材61Lは、左レール部材50Lの下端縁50Ldeにおける上下方向に垂直な面と、中央レール部材50Cの下端縁50Cdeにおける上下方向に垂直な面とに当接する平坦な第1当接面61Laを有している。第1当接面61Laは、左右方向において、左レール部材50Lの右端縁50Leよりも境界線PL側に突出している。つまり、第1部材61Lの右端縁は、左レール部材50Lの右端縁50Leよりも右側に位置している。
【0023】
図4及び図5に示すように、第2部材62Lは、前後方向の厚みが大きな肉厚部D1と、肉厚部D1から下方向に延びた肉厚部D1よりも厚みが小さな薄肉部D2と、を備える。薄肉部D2は、左レール部材50Lの上端縁50Lueにおける上下方向に垂直な面と、中央レール部材50Cの上端縁50Cueにおける上下方向に垂直な面とに当接する平坦な第2当接面62Laを有している。第2当接面62Laは、左右方向において、左レール部材50Lの右端縁50Leよりも境界線PL側に突出している。つまり、第2部材62Lの右端縁は、左レール部材50Lの右端縁50Leよりも右側に位置している。
【0024】
図2図4、及び図5に示すように、第3部材63Lは、肉厚部D1に隣接して左右方向に延びる柱状の本体部63Lbと、本体部63Lbを上下方向に貫通する複数の貫通孔63Lhのそれぞれに圧入された押圧部材63Laと、を備える。第3部材63Lでは、押し込みネジSを貫通孔63Lhに押し込み、その押し込み量を調整することで、貫通孔63Lhからの押圧部材63Laの下側への突出量を調整することができるようになっている。本体部63Lbの下端面と、左レール部材50Lにおける第2当接面62Laとの接触面との間の上下方向の距離L1は、第2部材62Lの上下方向の幅よりも僅かに大きく構成されている。産業用ロボット100が組み立てられた状態においては、図4及び図5に示すように、肉厚部D1が押圧部材63Laによって押圧されて、押圧部材63Laによって第2部材62Lが左レール部材50L及び中央レール部材50Cに向けて押し付けられた状態となっている。
【0025】
右フレーム部材20は、上枠部20Uの前面において、中央レール部材50Cの取り付け位置の位置決めを行うための右側位置決め部材60Rを支持している。右側位置決め部材60Rは、図3図6、及び図7に示すように、右レール部材50R及び中央レール部材50Cの下側に隣接して設けられた左右方向に延びる平板状の第4部材64Rと、右レール部材50R及び中央レール部材50Cの上側に隣接して左右方向に延びて設けられ且つ左右方向に垂直な断面が略L字状の第5部材65Rと、第5部材65Rを挟んで右レール部材50R及び中央レール部材50Cと対向配置され、左右方向に延びて設けられた第6部材66Rと、を備える。
【0026】
図6及び図7に示すように、第4部材64Rは、右レール部材50Rの下端縁50Rdeにおける上下方向に垂直な面と、中央レール部材50Cの下端縁50Cdeにおける上下方向に垂直な面とに当接する平坦な第3当接面64Raを有している。第3当接面64Raは、左右方向において、右レール部材50Rの左端縁50Reよりも境界線PL側に突出している。つまり、第4部材64Rの左端縁は、右レール部材50Rの左端縁50Reよりも左側に位置している。
【0027】
図6及び図7に示すように、第5部材65Rは、前後方向の厚みが大きな肉厚部D3と、肉厚部D3から下方向に延びた肉厚部D3よりも厚みが小さな薄肉部D4と、を備える。薄肉部D4は、右レール部材50Rの上端縁50Rueにおける上下方向に垂直な面と、中央レール部材50Cの上端縁50Cueにおける上下方向に垂直な面とに当接する平坦な第4当接面65Raを有している。第4当接面65Raは、左右方向において、右レール部材50Rの左端縁50Reよりも境界線PL側に突出している。つまり、第5部材65Rの左端縁は、右レール部材50Rの左端縁50Reよりも右側に位置している。
【0028】
図2図6、及び図7に示すように、第6部材66Rは、肉厚部D3に隣接して左右方向に延びる柱状の本体部66Rbと、本体部66Rbを上下方向に貫通する複数の貫通孔66Rhのそれぞれに圧入された押圧部材66Raと、を備える。第6部材66Rでは、押し込みネジSを貫通孔66Rhに押し込み、その押し込み量を調整することで、貫通孔66Rhからの押圧部材66Raの下側への突出量を調整することができるようになっている。本体部66Rbの下端面と、右レール部材50Rにおける第4当接面65Raとの接触面との間の上下方向の距離は、前述した距離L1と同じになっており、第5部材65Rの上下方向の幅よりも僅かに大きく構成されている。産業用ロボット100が組み立てられた状態においては、図6及び図7に示すように、肉厚部D3が押圧部材66Raによって押圧されて、第5部材65Rが右レール部材50R及び中央レール部材50Cに向けて押し付けられた状態となっている。
【0029】
ここまでは、ガイドレール50と、ガイドレール50の一部である中央レール部材50Cの位置決めを行うための左側位置決め部材60L及び右側位置決め部材60Rについて、その詳細を説明した。産業用ロボット100においては、ガイドレール51とガイドレール52のそれぞれについても、ガイドレール50と同様の構造となっており、更に、ガイドレール51の一部である中央レール部材の位置決めを行うための左側位置決め部材及び右側位置決め部材と、ガイドレール52の一部である中央レール部材の位置決めを行うための左側位置決め部材及び右側位置決め部材と、が設けられている。
【0030】
例えば、図8に示すように、ガイドレール51は、左レール部材51Lと、中央レール部材51Cと、右レール部材51Rとを繋げて構成されている。第1下枠部10Daには、中央レール部材51Cの取り付け位置の位置決めを行うための左側位置決め部材70Lが設けられ、第1下枠部20Daには、中央レール部材51Cの取り付け位置の位置決めを行うための右側位置決め部材70Rが設けられている。左側位置決め部材70Lは、第1部材71Lと、第2部材72Lと、第3部材73Lと、を備える。右側位置決め部材70Rは、第4部材74Rと、第5部材75Rと、第6部材76Rと、を備える。左側位置決め部材70L及び右側位置決め部材70Rとガイドレール51との関係は、左側位置決め部材60L及び右側位置決め部材60Rとガイドレール50との関係と同じである。
【0031】
図8に示したように、左枠部20Lの下端部の前面には、固定ブロック82が固着されている。右枠部10Rの下端部の前面には、固定ブロック81が固着されている。固定ブロック81には、貫通孔が設けられており、この貫通孔にはボルト83が挿通されている。ボルト83の下端は、この貫通孔から下側に突出して固定ブロック82に当接している。産業用ロボット100では、左フレーム部材10と右フレーム部材20を連結した後、ボルト83の下端の突出量を調整することで、左フレーム部材10と右フレーム部材20の上下方向の位置を調整可能となっている。
【0032】
(ロボットの組み立て方法)
以上のように構成された産業用ロボット100は、例えば、第2部材62L、第5部材65R、及び中央レール部材50CがフレームFLから取外され、且つ、左フレーム部材10と右フレーム部材20との連結が解除された状態で、工場等に納品される。なお、以下では説明を省略するが、ガイドレール51とガイドレール52のそれぞれについても、それぞれに対応して設けられた位置決め部材のうちの第2部材及び第5部材と、それぞれの中央レール部材とが、フレームFLから取外された状態で工場等に納品される。
【0033】
納品先の作業者は、まず、左フレーム部材10と右フレーム部材20を連結する。その後、作業者は、左フレーム部材10における左レール部材50Lと第3部材63Lの間に第2部材62Lを仮止めし、右フレーム部材20における右レール部材50Rと第6部材66Rの間に第5部材65Rを仮止めする。
【0034】
次に、作業者は、第1部材61Lと第2部材62Lの間に中央レール部材50Cの左端部を配置し、第4部材64Rと第5部材65Rの間に中央レール部材50Cの右端部を配置する。この作業により、左レール部材50Lの右端縁50Leと中央レール部材50Cの左端縁とが当接し、右レール部材50Rの左端縁50Reと中央レール部材50Cの右端縁とが当接して、左レール部材50Lと中央レール部材50Cと右レール部材50Rとが左右方向に隙間なく繋がった状態が得られる。
【0035】
次に、作業者は、第3部材63Lの貫通孔63Lhに押し込みネジSを挿入し、押し込みネジSを奥まで挿入することで、貫通孔63Lhに圧入されている押圧部材63Laを第2部材62Lの肉厚部D1に押し付ける。この押し付け作業によって、第3部材63Lと左レール部材50Lとの距離は小さくなる方向に変化し、左レール部材50Lの上端縁50Lueにおける平坦面と、中央レール部材50Cの上端縁50Cueにおける平坦面とに、第2部材62Lの第2当接面62Laが当接して、押し込みネジSは、それ以上は挿入できなくなる。押し込みネジSが挿入できなくなる状態になると、中央レール部材50Cの下端縁50Cdeにおける平坦面と、第1部材61Lの第1当接面61Laとが当接した状態となる。この結果、左レール部材50Lと中央レール部材50Cの上下方向の位置は一致する。次に、作業者は、ボルトを緩く締めることで仮止めしていた第2部材62Lを、そのボルトをきつく締めることで、左フレーム部材10に強固に固定する。
【0036】
更に、作業者は、第6部材66Rの貫通孔66Rhに押し込みネジSを挿入し、押し込みネジSを奥まで挿入することで、貫通孔66Rhに圧入されている押圧部材66Raを第5部材65Rの肉厚部D3に押し付ける。この押し付けによって、第6部材66Rと右レール部材50Rとの距離は小さくなる方向に変化し、右レール部材50Rの上端縁50Rueにおける平坦面と、中央レール部材50Cの上端縁50Cueにおける平坦面とに、第5部材65Rの第4当接面65Raが当接して、押し込みネジSは、それ以上は挿入できなくなる。押し込みネジSが挿入できなくなる状態になると、中央レール部材50Cの下端縁50Cdeにおける平坦面と、第4部材64Rの第3当接面64Raとが当接した状態となる。この結果、右レール部材50Rと中央レール部材50Cの上下方向の位置は一致する。次に、作業者は、ボルトを緩く締めることで仮止めしていた第5部材65Rを、そのボルトをきつく締めることで、右フレーム部材20に強固に固定する。
【0037】
ガイドレール51とガイドレール52のそれぞれについても、それぞれに対応して設けられた位置決め部材のうちの第2部材及び第5部材と、それぞれの中央レール部材とを同様にしてフレームFLに取り付けることで、産業用ロボット100の組み立ては完了する。
【0038】
(産業用ロボットの効果)
産業用ロボット100によれば、中央レール部材50Cを左フレーム部材10と右フレーム部材20から取外した場合でも、左レール部材50Lの右端縁50Leが左フレーム部材10の外側に突き出ることはなく、また、右レール部材50Rの左端縁50Reが右フレーム部材20の外側に突き出ることはない。このため、輸送中に左レール部材50Lと右レール部材50Rが破損するのを防ぐことができる。
【0039】
また、産業用ロボット100によれば、左側位置決め部材60Lと右側位置決め部材60Rを備えているため、特別な計測装置や治具等を用いることなく、左フレーム部材10と右フレーム部材20のそれぞれの適切な位置に中央レール部材50Cを取り付けることができる。したがって、中央レール部材50Cを取り外して産業用ロボット100を輸送する場合でも、その輸送先にて、中央レール部材50Cを適切に取り付けて、産業用ロボット100を正確に組み立てることができる。
【0040】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0041】
(1)
搬送対象物を搬送する搬送部(搬送部40)の第1方向(左右方向)への移動をガイドするガイドレール(ガイドレール50)と、
上記ガイドレールを支持するフレーム(フレームFL)と、を備え、
上記ガイドレールは、上記第1方向に並ぶ複数のレール部材(左レール部材50L、右レール部材50R、中央レール部材50C)を含み、
上記フレームは、上記第1方向に並ぶ複数のフレーム部材(左フレーム部材10、右フレーム部材20)を含み、
隣り合う2つの上記フレーム部材のうちの一方を第1フレーム部材(左フレーム部材10)とし、他方を第2フレーム部材(右フレーム部材20)とし、
上記第1フレーム部材は、上記複数のレール部材のいずれか1つである第1レール部材(左レール部材50L)を支持し、
上記第2フレーム部材は、上記複数のレール部材のうちの上記第1レール部材とは異なる第2レール部材(右レール部材50R)を支持し、
上記第1レール部材の上記第2フレーム部材側の第1端縁(右端縁50Le)は、上記第1フレーム部材と上記第2フレーム部材の境界(境界線PL)よりも、上記第1フレーム部材側に位置し、
上記第2レール部材の上記第1フレーム部材側の第2端縁(左端縁50Re)は、上記境界よりも、上記第2フレーム部材側に位置し、
上記複数のレール部材のうち、上記第1レール部材と上記第2レール部材の間の第3レール部材(中央レール部材50C)は、上記第1フレーム部材と上記第2フレーム部材によって支持される、産業用ロボット。
【0042】
(1)によれば、産業用ロボットを輸送する際には、第3レール部材を第1フレーム部材と第2フレーム部材から取外すことで、第1端縁と第2端縁がフレーム部材よりも外側に突き出るのを防ぐことができる。これにより、輸送中にレール部材が破損するのを防ぐことができる。
【0043】
(2)
(1)に記載の産業用ロボットであって、
上記第1フレーム部材は、上記第3レール部材の取り付け位置の位置決めを行うための第1位置決め部材(左側位置決め部材60L)を更に支持する、産業用ロボット。
【0044】
(2)によれば、特別な計測装置や治具等を用いることなく、第1フレーム部材の適切な位置に第3レール部材を取り付けることができる。したがって、第3レール部材を取り外して産業用ロボットを輸送した場合でも、その輸送先にて、第3レール部材を適切に取り付けて、産業用ロボットを正確に組み立てることができる。
【0045】
(3)
(2)に記載の産業用ロボットであって、
上記搬送部から上記フレームに向かう方向(前後方向)と上記第1方向に直交する方向を第2方向(上下方向)とし、
上記第1位置決め部材は、上記第1レール部材の上記第2方向の一方の端縁(下端縁50Lde)に当接する第1当接面(第1当接面61La)を有し、且つ、上記第1当接面が上記第1端縁よりも上記境界側に突出して形成された第1部材(第1部材61L)を含む、産業用ロボット。
【0046】
(3)によれば、第3レール部材の第2方向の一方の端縁を第1当接面に突き当てることで、第1レール部材と第3レール部材の第2方向の一方側の端縁の位置を一致させることができる。これにより、産業用ロボットを正確に組み立てることができる。
【0047】
(4)
(3)に記載の産業用ロボットであって、
上記第1位置決め部材は、上記第1レール部材の上記第2方向の他方の端縁(上端縁50Lue)に当接可能な第2当接面(第2当接面62La)を有し、且つ、上記第2当接面が上記第1端縁よりも上記境界側に突出して形成された第2部材(第2部材62L)と、上記第2部材を挟んで上記第1レール部材と対向配置された第3部材(第3部材63L)と、を含み、
上記第3部材と上記第1レール部材との距離は変更可能に構成されている、産業用ロボット。
【0048】
(4)によれば、第3レール部材の第2方向の一方の端縁を第1当接面に突き当てた状態で、第1レール部材及び第3レール部材と第3部材の間に第2部材を配置し、その状態で、第3部材と第1レール部材との距離を縮めることで、第1レール部材と第3レール部材の第2方向の他方側の端縁の位置を一致させることができる。これにより、産業用ロボットを正確に組み立てることができる。
【0049】
(5)
(2)に記載の産業用ロボットであって、
上記第2フレーム部材は、上記第3レール部材の取り付けの位置決めを行うための第2位置決め部材(右側位置決め部材60R)を更に支持する、産業用ロボット。
【0050】
(5)によれば、特別な計測装置や治具等を用いることなく、第2フレーム部材の適切な位置に第3レール部材を取り付けることができる。したがって、第3レール部材を取り外して産業用ロボットを輸送した場合でも、その輸送先にて、第3レール部材を適切に取り付けて、産業用ロボットを正確に組み立てることができる。
【0051】
(6)
(5)に記載の産業用ロボットであって、
上記搬送部から上記フレームに向かう方向(前後方向)と上記第1方向に直交する方向を第2方向(上下方向)とし、
上記第2位置決め部材は、上記第2レール部材の上記第2方向の一方の端縁(下端縁50Rde)に当接する第3当接面(第3当接面64Ra)を有し、且つ、上記第3当接面が上記第2端縁よりも上記境界側に突出して形成された第4部材(第4部材64R)を含む、産業用ロボット。
【0052】
(6)によれば、第3レール部材の第2方向の一方の端縁を第3当接面に突き当てることで、第2レール部材と第3レール部材の第2方向の一方側の端縁の位置を一致させることができる。これにより、産業用ロボットを正確に組み立てることができる。
【0053】
(7)
(6)に記載の産業用ロボットであって、
上記第2位置決め部材は、上記第2レール部材の上記第2方向の他方の端縁(上端縁50Rue)に当接可能な第4当接面(第4当接面65Ra)を有し、且つ、上記第4当接面が上記第2端縁よりも上記境界側に突出して形成された第5部材(第5部材65R)と、上記第5部材を挟んで上記第2レール部材と対向配置された第6部材(第6部材66R)と、を含み、
上記第6部材と上記第2レール部材との距離は変更可能に構成されている、産業用ロボット。
【0054】
(7)によれば、第3レール部材の第2方向の一方の端縁を第3当接面に突き当てた状態で、第2レール部材及び第3レール部材と第6部材の間に第5部材を配置し、その状態で、第6部材と第2レール部材との距離を縮めることで、第2レール部材と第3レール部材の第2方向の他方側の端縁の位置を一致させることができる。これにより、産業用ロボットを正確に組み立てることができる。
【符号の説明】
【0055】
H1,H2 範囲
D1,D3 肉厚部
L1 距離
D2,D4 薄肉部
10D,20D 下枠部
10L,20L 左枠部
10R,20R 右枠部
10U,20U 上枠部
10Da,20Da 第1下枠部
10Db,20Db 第2下枠部
10 左フレーム部材
20 右フレーム部材
30 支持部
31,32,33 係合部
40 搬送部
41 ハンド
42 アーム
43,63Lb,66Rb 本体部
50C,51C 中央レール部材
50L,51L 左レール部材
50R,51R 右レール部材
50Le 右端縁
50Re 左端縁
50Lde,50Cde,50Rde 下端縁
50Lue,50Cue,50Rue 上端縁
50,51,52 ガイドレール
60L,70L 左側位置決め部材
60R,70R 右側位置決め部材
61L,71L 第1部材
61La 第1当接面
62L,72L 第2部材
65R,75R 第5部材
62La 第2当接面
65Ra 第4当接面
63L,73L 第3部材
63La,66Ra 押圧部材
63Lh,66Rh 貫通孔
64R,74R 第4部材
64Ra 第3当接面
66R,76R 第6部材
81,82 固定ブロック
83 ボルト
100 産業用ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8