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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049221
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】飲食品用起泡剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/00 20160101AFI20240402BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240402BHJP
   C12G 3/04 20190101ALI20240402BHJP
   A23G 3/34 20060101ALI20240402BHJP
   A21D 13/80 20170101ALI20240402BHJP
   A21D 2/26 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
A23L29/00
A23L2/00 T
A23L2/00 S
C12G3/04
A23G3/34
A21D13/80
A21D2/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155562
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000236768
【氏名又は名称】不二製油グループ本社株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】315015162
【氏名又は名称】不二製油株式会社
(72)【発明者】
【氏名】狩野 弘志
(72)【発明者】
【氏名】金谷 洋幸
(72)【発明者】
【氏名】上山 知樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 量太
【テーマコード(参考)】
4B014
4B032
4B035
4B115
4B117
【Fターム(参考)】
4B014GG06
4B014GG07
4B014GG10
4B014GG13
4B014GK03
4B014GL10
4B014GP02
4B014GP14
4B014GQ10
4B032DB05
4B032DG02
4B032DK12
4B032DK21
4B032DK33
4B032DK49
4B032DL02
4B032DP12
4B032DP40
4B035LC16
4B035LG01
4B035LG15
4B035LG33
4B035LG43
4B115LG02
4B115LH12
4B117LC08
4B117LC14
4B117LG11
4B117LG16
4B117LK04
4B117LK15
4B117LK19
(57)【要約】
【課題】
本発明は、発泡性飲料等の飲食品に優れた起泡性を付与する起泡剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)粗蛋白質量 20質量%の水溶液を80℃,30分加熱後、25℃で測定時の粘度が100,000mPa・s未満、及び(B)0.22MのTCA可溶化率が10%~95%、という特定の性質を有した蛋白素材が飲食品に優れた起泡性を付与することを見出した。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)及び(B)の性質を有する蛋白素材を含有する、飲食品用起泡剤。
(A)粗蛋白質量 20質量%の水溶液を80℃,30分加熱後、25℃で測定時の粘度が100,000mPa・s未満。
(B)0.22MのTCA可溶化率が10%~95%。
【請求項2】
(A)において、粘度が10,000mPa・s以下であり、(B)において、蛋白素材の0.22MのTCA可溶化率が30%~95%である、請求項1記載の飲食品用起泡剤。
【請求項3】
飲食品が発泡性飲料である、請求項1記載の飲食品用起泡剤。
【請求項4】
飲食品が発泡性飲料である、請求項2記載の飲食品用起泡剤。
【請求項5】
請求項1または2記載の飲食品用起泡剤を飲食品に添加する、飲食品の製造方法。
【請求項6】
請求項3または4記載の発泡性飲料用起泡剤を発泡性飲料に添加する、発泡性飲料の製造方法。
【請求項7】
請求項1または2記載の飲食品用起泡剤を添加する、飲食品の起泡向上方法。
【請求項8】
請求項3または4記載の発泡性飲料用起泡剤を発泡性飲料に添加する、発泡性飲料の起泡向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食品用の起泡剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の食品において、泡立ちが当該食品に特に高い付加価値をもたらす場合がある。こうした食品の代表例として、ビール等の発泡性飲料やメレンゲ等が挙げられる。
【0003】
発泡性飲料について、現在、日本においては、麦芽を使用したアルコール飲料としてビール及び発泡酒が多く消費されている。発泡酒はビールに比べて麦芽の使用量が低く、酒税法上、麦芽の使用量が水を除く全原料の50重量%以上のもので、麦以外の原料が麦芽の5重量%以下のものがビール、麦芽または麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するものは発泡酒に分類される。さらに近年では、「ビール」又は「発泡酒」に続く、いわゆる「第3のビール」又は「新ジャンル」と呼ばれるものが上市され、低価格志向の消費者に特に広く普及している。「第3のビール」には、原料に麦芽を用いないものと、ビール若しくは発泡酒に別のアルコール飲料を混ぜた、ビールに比べて麦芽の使用量は少ないものとがある。酒税法で前者は「その他の醸造酒(発泡性)(1)」又は「その他の雑酒(2)」に、後者は「リキュール(発泡性)(1)」に分類される。
【0004】
ビールの泡には、見た目に美しい、炭酸ガスが外へ逃げるのを抑える、ビールが空気に触れて劣化するのを防ぎ美味しさを守る、泡立ちにより香りを立てる等の重要な働きがある。このため泡持ちを良くすることは、品質の良いビールを作るうえで重要な要素である。これはビールに限らず、ビールの代替飲料である発泡酒、第3のビール等のビール様飲料においても同様である。しかし、こうした麦芽の使用量を抑えたビール様飲料では、ビールに比べて泡持ちが劣るという課題がある。麦芽由来のタンパク質、炭水化物は、ビールの泡持ちに寄与するためである。
【0005】
また、社会情勢の変化及び生活スタイルの多様化から、近年では、ノンアルコールビールテイスト飲料が普及し、該市場も急速に拡大しつつある。ノンアルコールビールテイスト飲料とは一般に、飲料中に含有するアルコール分が1%未満のものを指し、日本の食品分類上では「清涼飲料水」に分類される。ノンアルコールビールテイスト飲料の製造法には数種類あり、一度ビールを製造してからアルコール分を除去する方法、麦芽を糖化させホップを加えて煮込んだ麦汁に、酵母菌は入れず不純物を取り除いて炭酸及びその他の成分を加える方法、麦汁を使わずに麦芽から取れる麦芽エキスに様々な成分を加える方法、清涼飲料水を使用してビール風の味付けをし、ビール風味を表現する方法等が挙げられる。ノンアルコールビールテイスト飲料の主な原材料としては、麦芽、糖類、ホップ、麦芽エキス等が使用される。しかし、ノンアルコールビールテイスト飲料は、発泡酒及び第3のビール等と同様に、ビールに比べて麦芽の使用量が少ないため、泡持ちについての課題は残されている。
【0006】
一方、サイダー、コーラ、ジュースのような、飲料に炭酸を含有させた炭酸清涼飲料では、タンパク質による泡持ちが期待できない。従来の炭酸清涼飲料は、泡による清涼感は感じさせるが、発生する泡が粗く、泡持ちも悪い問題があり、泡持ちを改善できるようにする技術が求められている。
【0007】
麦芽アルコール飲料、及び麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料の泡持ちの課題を解決する方法として、発泡酒に泡持ち向上剤としてサポニン、増粘剤等を使用する方法(特許文献1)、エンドウ豆から抽出したエンドウタンパク質を泡持ち向上物質として発泡性アルコール飲料に使用する方法(特許文献2)、ソルガム分解物を発泡性飲料に使用する方法(特許文献3)等が提案されている。また、飲料の泡立ちを向上する方法として、タンパク質を酵素分解したポリペプチドを利用する方法(特許文献4)が提案されている。
【0008】
アルコールを含まない炭酸清涼飲料の泡持ちの課題を解決する方法として、原料液にサポニン成分及び炭酸ガスを含有する組成の高発泡性清涼飲料を製造する方法(特許文献5)、HLB10以上の乳化剤、増粘安定剤、タンパク質分解物を有効成分とする炭酸ガス含有非アルコール飲料用起泡剤に関する技術(特許文献6)、Na-カゼイン及び大豆蛋白ホイップ剤からなる起泡剤を含む起泡性飲料用組成物に関する技術(特許文献7)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公報第04/000990号
【特許文献2】国際公報第05/005593号
【特許文献3】特開2006-204172号公報
【特許文献4】特開2011-188833号公報
【特許文献5】特開昭61-92554号公報
【特許文献6】特開2014-217282号公報
【特許文献7】特開昭60-087775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術では起泡性の向上は不十分であり、さらに起泡性を向上できるような技術が求められている。本発明は、発泡性飲料等の飲食品に優れた起泡性を付与する起泡剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記の課題の解決に対し鋭意検討を重ねた結果、特定の性質を有した蛋白素材が飲食品に優れた起泡性を付与することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、
(1)以下の(A)及び(B)の性質を有する蛋白素材を含有する、飲食品用起泡剤、
(A)粗蛋白質量 20質量%の水溶液を80℃,30分加熱後、25℃で測定時の粘度が100,000mPa・s未満、
(B)0.22MのTCA可溶化率が10%~95%、
(2)(A)において、粘度が10,000mPa・s以下であり、(B)において、蛋白素材の0.22MのTCA可溶化率が30%~95%である、(1)記載の飲食品用起泡剤、
(3)飲食品が発泡性飲料である、(1)記載の飲食品用起泡剤、
(4)飲食品が発泡性飲料である、(2)記載の飲食品用起泡剤、
(5)(1)または(2)記載の飲食品用起泡剤を飲食品に添加する、飲食品の製造方法、
(6)(3)または(4)記載の発泡性飲料用起泡剤を発泡性飲料に添加する、発泡性飲料の製造方法、
(7)(1)または(2)記載の飲食品用起泡剤を添加する、飲食品の起泡向上方法、
(8)(3)または(4)記載の発泡性飲料用起泡剤を発泡性飲料に添加する、発泡性飲料の起泡向上方法、である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の起泡剤を用いることにより、発泡性飲料等の飲食品に優れた起泡性を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(飲食品用起泡剤)
本発明の飲食品用起泡剤は、以下の(A)及び(B)の性質を有する蛋白素材を含有する。すなわち、(A)粗蛋白質量 20質量%の水溶液を80℃,30分加熱後、25℃で測定時の粘度が10,0000mPa・s未満、(B)0.22MのTCA可溶化率が10%~95%、である。
好ましくは、(A)粗蛋白質量 20質量%の水溶液を80℃,30分加熱後、25℃で測定時の粘度が10,000mPa・s以下、(B)0.22MのTCA可溶化率が30%~95%、である。
本発明の飲食品用起泡剤は、油脂を実質的に含まない飲食品であり、例えば、発泡性飲料やメレンゲ等が挙げられ、発泡性飲料用の起泡剤として用いることが好ましい。また、「油脂を実質的に含まない」とは、飲食品中の油脂の含量が好ましくは3質量%以下のものをいい、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下、0.3質量%以下、0.1質量%以下、0質量%でありうる。
【0015】
(蛋白素材)
本発明に用いる蛋白素材は、加熱後の粘度が低いものである。すなわち、蛋白素材を粗蛋白質量が20質量%となる水溶液を調製し、80℃,30分の加熱の後、25℃にて粘度測定する事により測定できる。加熱後粘度は10,0000mPa・s未満であり、好ましくは10,000mPa・s以下であり、より好ましくは5,000mPa・s以下、1,000mPa・s以下、500mPa・s以下であり、更に好ましくは200mPa・s以下、100 mPa・s以下である。
また、本蛋白素材は一定サイズの分子量が必要となる。分子量は、TCA可溶化率で定義される。本発明においてTCA可溶化率は、総粗蛋白質量に対する0.22M TCA中で溶解する粗蛋白質量の比率で定義される。TCA可溶化率は10~95%であり、好ましくは30~95%であり、より好ましくは35~90%、更に好ましくは40~85%、50~80%である。TCA可溶化率が低すぎると加熱後粘度が増加する傾向となり適切ではない、また、透過率が低下する。一方、TCA可溶化率が高すぎると、乳化性に寄与する蛋白質量が低下し、蛋白素材を多く配合する必要が生じるため、配合の自由度が低下し、好ましくない。
本蛋白素材は、蛋白質の溶解性の指標として用いられているNSI(Nitrogen Solubility Index:窒素溶解指数)が80以上のものであることが好ましい。より好ましくはNSIが85以上、90以上、95以上、又は97以上のものを用いることができる。蛋白素材のNSIが高いことは、水への分散性が高いことを示す。NSIが低すぎると沈殿が生じやすくなり、好ましくない。
また、蛋白素材中の粗蛋白質含量についても、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が最も好ましい。粗蛋白質含量が多い蛋白素材の方が、より少量で機能を出すことが可能となる。
このような蛋白素材は、一般的に市販されていないが、後述する変性および分子量調整処理等により得ることができる。また、市販の大豆蛋白素材、例えばフジプロR、フジプロF、フジプロ748、フジプロCL、ハイニュートAM(以上、不二製油社製)等は、本要件に該当しない。
【0016】
上記の調製を行う対象の蛋白素材の由来は特に限定されないが、植物性、動物性または微生物由来の蛋白素材が使用できる。植物性由来の蛋白素材としては、大豆、エンドウ、緑豆、ルピン豆、ヒヨコ豆、インゲン豆、ヒラ豆、ササゲ等の豆類、ゴマ、キャノーラ種子、ココナッツ種子、アーモンド種子等の種子類、とうもろこし、そば、麦、米などの穀物類、野菜類、果物類、藻類、微細藻類などに由来する蛋白素材が挙げられる。一例として大豆由来のたん白素材の場合、脱脂大豆や丸大豆等の大豆原料からさらに蛋白質を濃縮加工して調製されるものであり、一般には分離大豆たん白質、濃縮大豆たん白質や粉末豆乳、あるいはそれらを種々加工したものなどが概念的に包含される。
また、動物性由来の蛋白素材としては、卵白アルブミンを含む卵蛋白素材、カゼイン、乳清、ラクトアルブミン、ラクトアルブミンなどの乳蛋白素材、血漿、血清アルブミン、脱色ヘモグロビンなどの血液に由来する蛋白素材、畜肉に由来する蛋白素材、魚介類に由来する蛋白素材等が挙げられる。更に、酵母、カビ、細菌類等の微生物由来の蛋白素材が利用できる。水への溶解性に劣る蛋白素材であっても、後述する処理により、本発明に使用できる蛋白素材を調製することができる。
本発明においては、植物性由来の蛋白素材を使用することが好ましい。
【0017】
(変性および分子量調整処理)
本発明の蛋白素材は、蛋白質を分解及び/又は変性させる「分解/変性処理」と、蛋白質の分子量分布の調整する「分子量分布調整処理」を組み合わせて適用することにより得られ得る。上記「分解/変性処理」の例として、酵素処理、pH調整処理(例えば、酸処理、アルカリ処理)、変性剤処理、加熱処理、冷却処理、高圧処理、有機溶媒処理、ミネラル添加処理、超臨界処理、超音波処理、電気分解処理及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。上記「分子量分布調整処理」の例として、ろ過、ゲルろ過、クロマトグラフィー、遠心分離、電気泳動、透析及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。「分解/変性処理」と「分子量分布調整処理」の順序及び回数は特に限定されず、「分解/変性処理」を行ってから「分子量分布調整処理」を行ってもよいし、「分子量分布調整処理」を行ってから「分解/変性処理」を行ってもよいし、両処理を同時に行ってもよい。また、例えば2回以上の「分子量分布調整処理」の間に「分解/変性処理」を行う、2回以上の「分解/変性処理」の間に「分子量分布調整処理」を行う、各々複数回の処理を任意の順に行う、等も可能である。なお、「分解/変性処理」によって所望の分子量分布が得られる場合は、「分子量分布調整処理」を行わなくてもよい。
これらの処理を組み合わせて、複数回行う際、原料から全ての処理を連続で行ってもよいし、時間をおいてから行ってもよい。例えば、ある処理を経た市販品を原料として他の処理を行ってもよい。なお、上記特性を満たす限り、分子量分布調整処理を経たたん白素材と、分子量分布調整処理を経ていないたん白素材を混合して、特定のたん白素材としてもよい。この場合、両者の比率(処理を経たたん白素材:処理を経ていないたん白素材)は上記特性を満たす範囲で適宜調整可能であるが、質量比で例えば1:99~99:1、例えば50:50~95:5、75:25~90:10等が挙げられる。ある実施形態では、本態様の蛋白素材は、「分解/変性・分子量分布調整処理」を経た蛋白素材からなる。
【0018】
蛋白質を分解又は変性させる処理の条件、例えば酵素、pH、有機溶媒、ミネラル等の種類や濃度、温度、圧力、出力強度、電流、時間等は、当業者が適宜設定できる。酵素の場合、使用される酵素の例として、「金属プロテアーゼ」、「酸性プロテアーゼ」、「チオールプロテアーゼ」、「セリンプロテアーゼ」に分類されるプロテアーゼが挙げられる。反応温度は20~80℃、好ましくは40~60℃で反応を行うことができる。pH調整処理の場合、例えばpH2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12の任意の値を上限、下限とするpH範囲、例えばpH2~12の範囲で処理し得る。酸処理の場合、酸を添加する方法であっても、また、乳酸発酵などの発酵処理を行う方法であってもよい。添加する酸の例として、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、フィチン酸、ソルビン酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等の有機酸が挙げられる。また、レモンなどの果汁、濃縮果汁、発酵乳、ヨーグルト、醸造酢などの酸を含有する飲食品を用いて酸を添加してもよい。アルカリ処理の場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを添加し得る。変性剤処理の場合、塩酸グアニジン、尿素、アルギニン、PEG等の変性剤を添加し得る。加熱又は冷却処理の場合、加熱温度の例として、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145℃、150℃の任意の温度を上限、下限とする範囲、例えば60℃~150℃が挙げられる。冷却温度の例として、-10℃、-15℃、-20℃、-25℃、-30℃、-35℃、-40℃、-45℃、-50℃、-55℃、-60℃、-65℃、-70℃、-75℃の任意の温度を上限、下限とする範囲、例えば-10℃~-75℃が挙げられる。加熱又は冷却時間の例として、5秒、10秒、30秒、1分、5分、10分、20分、30分、40分、50分、60分、70分、80分、90分、100分、120分、150分、180分、200分の任意の時間を上限、下限とする範囲、例えば5秒間~200分間が挙げられる。高圧処理の場合、圧力の条件の例として、100MPa、200MPa、300MPa、400MPa、500MPa、600MPa、700MPa、800MPa、900MPa、1,000MPaの任意の圧力を上限、下限とする範囲、例えば100MPa~1,000MPaが挙げられる。有機溶媒処理の場合、用いられる溶媒の例として、アルコールやケトン、例えばエタノールやアセトンが挙げられる。ミネラル添加処理の場合、用いられるミネラルの例として、カルシウム、マグネシウムなどの2価金属イオンが挙げられる。超臨界処理の場合、例えば、温度約30℃以上で約7MPa以上の超臨界状態の二酸化炭素を使用して処理できる。超音波処理の場合、例えば100KHz~2MHzの周波数で100~1,000Wの出力で照射して処理し得る。電気分解処理の場合、例えば蛋白質水溶液を100mV~1,000mVの電圧を印加することにより処理し得る。具体的な実施形態において、蛋白質を分解及び/又は変性させる処理は、変性剤処理、加熱処理、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0019】
蛋白質の分子量分布を調整する処理の条件、例えばろ材の種類、ゲルろ過の担体、遠心分離回転数、電流、時間等は、当業者が適宜設定できる。ろ材の例として、ろ紙、ろ布、ケイ藻土、セラミック、ガラス、メンブラン等が挙げられる。ゲルろ過の担体の例として、デキストラン、アガロース等が挙げられる。遠心分離の条件の例として、1,000~3,000×g、5~20分間等が挙げられる。
【0020】
(飲食品)
本発明で用いられる飲食品として、メレンゲ、またはメレンゲ様食品、およびこれらを使用した菓子類、発泡性飲料、エスプーマ、起泡調味料等が挙げられる。発泡性飲料としては、炭酸水、ハイボール、チューハイ、スパークリングワイン、ビール、発泡酒,第3のビール(日本国酒税法上のビールまたは発泡酒に属さない扱いとするために、原料を麦芽以外としたり、発泡酒に別のアルコール飲料を混ぜたもの),第4のビール(日本国酒税法上のビールまたは発泡酒に属さない扱いとするために、麦芽使用率を50%近くまで高めつつも麦を原料とする蒸留酒(リキュール)を加えたもの)、発酵タイプもしくは非発酵タイプのノンアルコールビール等の飲料が挙げられる。
本発明の蛋白素材は、飲食品の中でも発泡性飲料に用いるのが好ましく、発泡酒,第3のビール,第4のビール、発酵タイプもしくは非発酵タイプのノンアルコールビール、炭酸水、ハイボール、チューハイが好ましい。より好ましくは、発泡酒,第3のビール,第4のビール、発酵タイプもしくは非発酵タイプのノンアルコールビールである。
本発明の蛋白素材の飲食品に対する添加量は、好ましくは0.01~10質量%である。このうち、例えば、飲料では蛋白素材として、好ましくは飲料中、0.01~5質量%、より好ましくは0.01~4質量%であり、さらに好ましくは0.02~3質量%、0.03~3質量%、0.03~2質量%とすることもできる。また、メレンゲでは、メレンゲ中、好ましくは0.05~10質量%、より好ましくは0.5~8質量%、さらに好ましくは1~6質量%である。
【0021】
(ノンアルコールビール)
本発明のノンアルコールビールにおいては、糖類,糖アルコール,サポニン等の各種配糖体,香料,食物繊維や多糖類,大豆ペプチド等のペプチド、酸類,酵母エキス等の原料を併用することができる。
糖類としては、グルコース,フルクトース,マルトース等の還元糖や蔗糖等の少糖類、各種デキストリンやオリゴ糖類が挙げられ、香料としては、モルトフレーバー,ホップフレーバー,ビールフレーバー,アルコールフレーバー,カラメルフレーバー等を挙げることができる。ビール風味を付与・補強する香料として、モルトフレーバーが好ましい。酸類としては、クエン酸,乳酸酸,酒石酸等の有機酸や、塩酸,リン酸等の鉱酸が例示できる。
また、ホップまたはホップ抽出物、苦味料を併用することができる。ホップまたはホップ抽出物とは、ホップの葉やその磨砕物、これらを水や熱湯で抽出した抽出液、抽出液の濃縮物や乾燥物を指す。また、苦味料としては、ホップ由来の苦味物質、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、及びキナ抽出物等から選ばれる従来公知の苦味料を使用することができる。
【0022】
また、本発明のノンアルコールビールのpHは特に限定されないが、概ねpH3~5である。好ましくはpH3~4.5、より好ましくはpH3~4である。pHが低すぎると酸味が強くなり風味に影響する場合がある。また、pHが高すぎると殺菌効果が低下し、保存性が低下する場合がある。
【0023】
本発明において発泡性飲料の製造方法は、本実施形態に係る起泡剤を発泡性飲料原料に添加する工程を含む他は、従来公知の方法を特に制限なく用いることができ、添加する方法及びタイミングは特に問わない。
【0024】
本発明の蛋白素材の分析は、以下の手順にてその評価を行う。
<水分>
常圧加熱減量法(105℃、12時間)にて求める。
【0025】
<粗蛋白質含量>
ケルダール法により測定する。具体的には、蛋白素材重量に対して、ケルダール法により測定した窒素の質量を、乾燥物中の粗蛋白質含量として「質量%」で表す。なお、窒素換算係数は6.25とする。基本的に、小数点以下第2桁の数値を四捨五入して求められる。
【0026】
<NSI>
試料3gに60mlの水を加え、37℃で1時間プロペラ攪拌した後、1400×gにて10分間遠心分離し、上澄み液(I)を採取する。次に、残った沈殿に再度水100mlを加え、再度37℃で1時間プロペラ撹拌した後、遠心分離し、上澄み液(II)を採取する。(I)液及び(II)液を合わせ、その混合液に水を加えて250mlとする。これをろ紙(No.5)にてろ過した後、ろ液中の窒素含量をケルダール法にて測定する。同時に試料中の窒素量をケルダール法にて測定し、ろ液として回収された窒素量(水溶性窒素)の試料中の全窒素量に対する
割合を質量%として表したものをNSIとする。基本的に、小数点以下第2桁の数値を四捨五入して求められる。
【0027】
<TCA可溶率>
蛋白素材の2質量%水溶液に、0.44M トリクロロ酢酸(TCA)を等量加え、0.22M TCA溶液とし、可溶性窒素の割合をケルダール法により測定した値とする。基本的に、小数点以下第2桁の数値を四捨五入して求められる。
【0028】
<粘度(加熱後粘度)>
蛋白素材の粘度は、B型粘度計(東機産業社製、タイプBM)を用い測定する。粗蛋白質量が20質量%となるようにたん白素材水溶液を調製し、測定容器に充填、ロータをセットし、密閉の後、湯浴中にて80℃,30分間の加熱を行う。次いで、25℃にて、任意の回転数で測定し、指針値を読み取り、ロータNo.と回転数に対応した換算乗数を掛けて、粘度を算出する。(単位:Pa・s)1分後の測定値とする。基本的に回転数は60rpmとする。高粘度のサンプルはロータNo.を1→4とし、6rpmまで回転数を低下させる。尚、本測定の測定上限粘度は100,000mPa・sとなる。ロータNo.4と回転数6rpmで測定レンジを超過する場合は、即時に加熱後粘度は100,000mPa・s以上と判定する。
【実施例0029】
以下に実施例を記載することで本発明を説明する。尚、例中の部及び%は特に断らない限り質量基準を意味するものとする。
【0030】
(蛋白素材)
本発明の実施例、比較例に用いた蛋白素材は以下の通りである。
○大豆蛋白素材A:
分離大豆タンパク質の分解/変性・分子量分布調整処理品。(不二製油株式会社テスト製造品、水分 1.2%、粗蛋白含量 79.3%、TCA可溶化率 61.8%、加熱後粘度 28mPa・s、NSI 98.1)原料 分離大豆タンパク質:フジプロR(不二製油社製、粗蛋白質含量 87.2%、TCA可溶化率 3.2%)
○大豆蛋白素材B:
分離大豆タンパク質の分解/変性・分子量分布調整処理品。(不二製油株式会社テスト製造品、水分 3.0%、粗蛋白含量 90.7%、TCA可溶化率 15.5%、加熱後粘度 90000mPa・s、NSI 87.4)原料 分離大豆タンパク質:フジプロR(不二製油社製、粗蛋白質含量 87.2%、TCA可溶化率 3.2%)
○大豆蛋白素材C:フジプロ-F(不二製油株式会社製、粗蛋白質含量 87.2%、TCA可溶化率 3.2%、加熱後粘度 100,000mPa・s以上、NSI 81.2):フジプロ-CL(不二製油株式会社製、粗蛋白質含量 88.0%、TCA可溶化率 23.0%、加熱後粘度 100,000mPa・s以上、NSI 65.0)
○エンドウ蛋白素材A:
エンドウタンパク質の分解/変性・分子量分布調整処理品。(不二製油株式会社テスト製造品、水分 1.1%、粗蛋白含量 72.4%、TCA可溶化率 45.9%、加熱後粘度 43mPa・s、NSI 98.9)原料 エンドウタンパク質:PP-CS(オルガノフードテック(株)社製、粗蛋白質含量 79.1%)
○カゼインNa :Sodium Caseinate180(フォンテラ社製、粗蛋白質含量 92.3%、TCA可溶化率0.0%、加熱後粘度 100,000mPa・s以上、NSI 98.1)
○卵白 :乾燥卵白No5(キューピー株式会社製、粗蛋白質含量 88.8%、TCA可溶化率4.3%、加熱後粘度 固化して測定不可。NSI 97.0)
【0031】
(炭酸水の起泡評価)
炭酸水の起泡性評価を以下の方法で行った。
炭酸水(sparkling water:イオン株式会社製)を穏やかに100ml容のネスラー管に40ml注ぎ、上部のトレイに水を張ったソニックアワー(タカラトミーアーツ製)にネスラー管を設置した。ネスラー管の上部より、ピペッターを用いて表1に示す各蛋白素材の5%水溶液を0.8ml添加した(飲料中の蛋白素材の濃度は0.1重量%)。
次に、ソニックアワーのタッチボタンを5回押して飲料を超音波処理し、超音波処理直後、超音波処理2分後の泡の容量を測定した。直後の泡の容量おいて、卵白の泡の容量に対して1.20倍以上かつ、2分後の泡の容量が卵白の泡の容量に対して1.40倍以上の場合、起泡性が優れるとして合格と判断した。結果を表1に示した。
【0032】
(表1)
【0033】
表1に示したように、大豆蛋白素材A、エンドウ蛋白素材Aを用いた実施例1、2は比較例1~3の蛋白素材を用いた場合と比較して超音波処理直後、及び超音波処理2分後の泡の容量が多く、卵白の泡炭酸水における起泡性が優れることがわかった。
【0034】
(焼酎ハイボール)
焼酎ハイボール(Takara 焼酎ハイボール ドライ:宝酒造株式会社製、pH3.6)を用い、表2に示す蛋白素材を用いた以外は、実施例1と同様にして、起泡性の評価を行った。評価結果を表2に示した。
【0035】
(表2)
【0036】
表2に示したように、エンドウ蛋白素材Aを用いた実施例3は比較例4~6の蛋白素材を用いた場合と比較して超音波処理直後、及び超音波処理2分後の泡の容量が多く、焼酎ハイボールにおける起泡性が優れることがわかった。
【0037】
(ノンアルコールビール)
ノンアルコールビール(オールフリー:サントリービール株式会社製、pH3.6)を用い、表3に示す蛋白素材を用いた以外は、実施例1と同様にして、起泡性の評価を行った。評価結果を表3に示した。
【0038】
(表3)
【0039】
表3に示したように、大豆蛋白素材A、エンドウ蛋白素材Aを用いた実施例4、5は比較例7~9の蛋白素材を用いた場合と比較して超音波処理直後、及び超音波処理2分後の泡の容量が多く、ノンアルコールビールにおける起泡性が優れることがわかった。
【0040】
(発泡酒)
発泡酒(金麦:サントリービール株式会社製、pH4.3)を用い、表4に示す蛋白素材を用いた以外は、実施例1と同様にして、起泡性の評価を行った。評価結果を表4に示した。
【0041】
(表4)
【0042】
表4に示したように、大豆蛋白素材Aを用いた実施例6は比較例10~12の蛋白素材を用いた場合と比較して超音波処理直後、及び超音波処理2分後の泡の容量が多く、発泡酒における起泡性が優れることがわかった。
【0043】
(実施例7~9、比較例13~14)泡ポンプを用いた起泡性評価
250ml容量のポンプ(Seria製)を用いた起泡性評価を行った。
表5に示した各蛋白素材の1%溶液を200ml作成し、このうち150mlを250ml容量のポンプに入れ、20回プッシュし、生成した泡を漏斗を用いて100ml容ネスラー管に100ml充填し、重量を測定し、比重を算出した。
また、充填した泡の1分後の容量を測定した。泡の容量の評価を以下に示した。比重及び泡の容量から、以下の評価基準に基づき評価を行った。結果を表5に示した。
【0044】
(評価基準)
(評価)
◎:比重0.3未満かつ1分後の泡容量75mL以上。
○:比重0.5未満かつ1分後の泡容量50mL以上。
△:比重0.5未満または1分後の泡容量50mL以上。
×:比重0.5以上または1分後の泡容量50mL未満。

評価が、◎または○の場合、合格と判断した。
【0045】
(表5)
【0046】
表5に示す通り、大豆蛋白素材A、エンドウ蛋白素材A、大豆蛋白素材Bの泡の比重は、大豆蛋白素材CやカゼインNaと比べて小さく、泡ポンプを用いての起泡性は良好であることがわかった。
また、大豆蛋白素材A、エンドウ蛋白素材A、大豆蛋白素材Bの充填1分後の泡の容量も大豆蛋白素材CやカゼインNaと比べて多く残っていた。
【0047】
(実施例10、比較例15)メレンゲ
表6に記載の原料について、大豆蛋白素材、グラニュー糖をKENMIX major KM-800(愛工舎製作所製)に入れて均一になるまでホイッパーで混ぜた後、水を加えて、KENMIX major KM-800(愛工舎製作所製)のダイヤルを「5」に設定し、攪拌した。随時攪拌を止めて、ホイッパーを引き上げた時にツノが立つか確認し、ツノが立っていれば比重カップを使用して比重を確認し、目標比重である0.2~0.25になっていれば攪拌を終了した。15分間攪拌して目標の比重となっていない場合は攪拌を終了した。なお、比較例15は15分間攪拌しても目標の比重とならなかった。
作成したメレンゲは星形の口金をつけた絞り袋に入れた後、油紙の上に絞り出し、乾燥機で105℃、2時間焼成した。その後、乾燥機から取り出した。
焼成前後のメレンゲについて、以下の項目で評価した。
【0048】
(評価)
1.焼成前のメレンゲの状態
絞り袋からメレンゲを絞り出したときの状態をエッジの状態(造花性)を評価した。
○:エッジがシャープであり非常に良好である。
△:エッジがやや丸みがあるが良好である。
×:エッジが崩れており、不良である。

2.焼成後のメレンゲの状態
焼成したメレンゲの状態をエッジの状態(造花性)を評価した。
○:エッジがシャープであり非常に良好である。
△:エッジがやや丸みがあるが良好である。
×:エッジが崩れており、不良である。

結果を表6に示した。
【0049】
(表6)
【0050】
表6の通り、比較例15はメレンゲにおける起泡性が悪く、焼成前後のメレンゲの状態が悪かった。一方、大豆蛋白素材Aを加えることで、メレンゲにおける起泡性が改善され、焼成前後のメレンゲの状態が良好となった。
【0051】
(実施例11~13、比較例16~17)メレンゲ 卵白との併用
表7に記載の原料について、蛋白素材、卵白、グラニュー糖をKENMIX major KM-800(愛工舎製作所製)に入れて均一になるまでホイッパーで混ぜた後、水を加えて、KENMIX major KM-800(愛工舎製作所製)のダイヤルを「6」に設定し、3分間攪拌した。比重カップを使用して比重を確認したのち、メレンゲを200ml容のトールビーカーに20g入れ、静置した。静置1時間後のメレンゲからの離水状態を離水部分の高さを測定することにより評価した。卵白のみでメレンゲを調製したものをコントロールとした。
結果を表7に示した。
【0052】
(評価)
○:比重がコントロールの数値以下であり、かつ、離水の高さがコントロールよりも小さい。
×:比重がコントロールより大きいか、離水の高さがコントロールより大きい場合、の少なくとも1つを満たす場合。
【0053】
(表7)
【0054】
実施例11~13の通り、卵白との併用においても良好な結果を示した。
【0055】
(実施例14、比較例18~19)カップケーキ
表8に記載の原料について、大豆蛋白素材、グラニュー糖、水をKENMIX major KM-800(愛工舎製作所製)に入れて、KENMIX major KM-800(愛工舎製作所製)のダイヤルを「MAX」に設定し、5分間攪拌して混合物を得た。この混合物の攪拌直後の比重を測定した。また、この混合物を5分間静置後の比重も測定した。
上記混合物にさらに薄力粉を加えて、混合し生地を得た。この生地を205ml容の紙コップにタッピングしながら入れ、最終すり切りになるまで入れ、この生地の比重を測定した。
この生地を170℃、20分間焼成し、カップケーキを得た。
【0056】
(評価)
焼成直後及び焼成後1時間後のカップケーキの高さを測定し、焼成直後及び焼成後1時間後の高さが乾燥卵白を使用した例よりも高ければ合格と判断した。
結果を表8に示した。
【0057】
(表8)
【0058】
実施例14は良好な起泡性を示し、焼成直後、焼成後1時間後のカップケーキの高さも良好であった。