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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049241
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】作業機械の映像伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2385 20110101AFI20240402BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20240402BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240402BHJP
   H04L 67/04 20220101ALI20240402BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20240402BHJP
【FI】
H04N21/2385
H04N21/24
H04N7/18 D
H04L67/04
H04L67/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155586
(22)【出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】今野 繁哉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 純
(72)【発明者】
【氏名】星野 和則
(72)【発明者】
【氏名】佐圓 真
(72)【発明者】
【氏名】京増 司
【テーマコード(参考)】
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA01
5C054DA07
5C054DA09
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054EA07
5C054GB01
5C054HA19
5C054HA26
5C164FA07
5C164SA25S
5C164SB22P
5C164SB41P
5C164YA24
(57)【要約】
【課題】使用している通信回線の負荷が高くなっても、各作業機械の遠隔操縦や周囲監視に支障が生じ難い作業機械の映像伝送システムを提供すること。
【解決手段】カメラ310の映像データをネットワークに送信する複数の車載コントローラ300と、複数の車載コントローラから送信される映像データを受信してモニタ120に表示する複数の管理コンピュータ100とを備える。第1車載コントローラ300Aは、管理コンピュータ100Aとの通信に使用している第1通信回線の通信負荷が所定値を超えるとき、映像データを複数に分割しその一部を第1通信回線を使用して管理コンピュータ100Aに送信し、他の車載コントローラ300Dに分割された残りの映像データを送信する。他の車載コントローラ300Dは、第1車載コントローラから受信した映像データを管理コンピュータ100Aに送信する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラをそれぞれ有し自車及び他車からなる複数の作業機械にそれぞれ搭載され、前記カメラの映像データをネットワークに送信する複数の車載コントローラと、
前記複数の車載コントローラと通信可能に前記ネットワークに接続され、前記複数の車載コントローラから送信される前記カメラの映像データを受信してモニタに表示する複数のコンピュータとを備えた作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記複数の車載コントローラのうち前記自車に搭載された第1車載コントローラは、前記複数のコンピュータのうち通信先のコンピュータとの通信に使用している第1通信回線の通信負荷が所定値を超えるとき、前記カメラの映像データを複数に分割し、分割された一部の映像データを前記第1通信回線を使用して前記通信先のコンピュータに送信し、前記複数の車載コントローラのうち他車に搭載された少なくとも1つの他の車載コントローラに分割された残りの映像データを送信し、
前記他の車載コントローラは、前記第1車載コントローラから受信した前記分割された残りの映像データを前記通信先のコンピュータに送信する
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項2】
請求項1の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記他の車載コントローラは、前記第1通信回線と異なる通信回線を使用して前記分割された残りの映像データを前記通信先のコンピュータに送信する
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項3】
請求項2の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記複数の車載コントローラと通信可能に前記ネットワークに接続されたサーバを備え、
前記サーバには、前記複数の車載コントローラがそれぞれ通信先のコンピュータとの通信に利用している通信回線の識別データが記憶されており、
前記第1車載コントローラは、前記通信回線の識別データを前記サーバから受信し、その受信した識別データに基づいて前記分割された残りの映像データを送信する前記他の車載コントローラを前記複数の車載コントローラの中から選択する
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項4】
請求項1の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記他の車載コントローラは、前記通信先のコンピュータとの通信回線が前記第1通信回線と異なりかつ前記自車に搭載された前記第1車載コントローラとオーナが同じ他車に搭載された第2車載コントローラ、前記通信先のコンピュータとの通信回線が前記第1通信回線と異なりかつ前記第1車載コントローラとオーナが異なる他車に搭載された第3車載コントローラ、の少なくとも一方である
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項5】
請求項4の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記他の車載コントローラとしては、前記第2車載コントローラが優先的に選択され、前記第2車載コントローラが存在しない場合には前記第3車載コントローラが選択される
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項6】
請求項4の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記複数の車載コントローラと通信可能に前記ネットワークに接続されたサーバを備え、
前記サーバには、前記複数の車載コントローラがそれぞれ通信先のコンピュータとの通信に利用している通信回線の識別データと、前記複数の車載コントローラのそれぞれのオーナの識別データとが記憶されており、
前記第1車載コントローラは、前記通信回線の識別データと前記オーナの識別データを前記サーバから受信し、その受信した識別データに基づいて前記他の車載コントローラを前記複数の車載コントローラの中から選択する
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項7】
請求項6の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記第1車載コントローラは、前記サーバから受信した前記通信回線の識別データと前記オーナの識別データに基づいて、前記第2車載コントローラを前記他の車載コントローラとして優先的に選択し、前記第2車載コントローラが存在しない場合には前記第3車載コントローラを前記他の車載コントローラとして選択する
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【請求項8】
請求項4の作業機械の映像伝送システムにおいて、
前記他の車載コントローラとして、前記第2車載コントローラと前記第3車載コントローラが含まれている場合には、前記第1車載コントローラは、前記第3車載コントローラよりも前記第2車載コントローラに前記分割された残りの映像データのうちより多くのデータを送信する
ことを特徴とする作業機械の映像伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業機械の映像伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、油圧ショベルなどの作業機械に複数のカメラを搭載し、その複数のカメラで撮影した作業機械の周囲の映像をネットワーク経由で遠隔地の端末に送信してモニタに表示させる映像伝送システムが利用されることがある。このシステムは建設機械の遠隔操縦や周囲監視に利用できる。
【0003】
この種の映像伝送システムにおいて、作業機械(カメラ)から遠隔地端末(モニタ)に送信されるカメラ映像のデータ量が増加して通信経路におけるデータ通信量上限に達してしまうと、遠隔地のモニタに画像の乱れ(解像度不足を含む)や欠落が発生し得る。例えば、油圧ショベルが旋回動作をすると、旋回体に搭載されたカメラの撮影対象が大きく動くことになるため、伝送される映像データの容量が増加してモニタの映像に乱れや欠落を発生し得る。
【0004】
この種の課題を解決するために、特許文献1には、建設機械の周囲監視映像を撮影する複数のカメラと、建設機械を遠隔操縦する操作レバーと、周囲監視映像を表示する表示器(モニタ)とをネットワークを介して通信可能に接続した映像伝送システムにおいて、当該ネットワーク上に配置されたエンコーダ及びデコーダと、エンコーダとデコーダとの通信の接続と切断を切り替える接続切断部材(スイッチ)と、建設機械のアクチュエータの目標速度に相当する操作レバーの操作信号が許容判定閾値以上の場合、当該操作信号により建設機械が駆動する方向の周囲監視映像を映す表示器(モニタ)が接続されたエンコーダとデコーダとの間のみを接続するように接続切断部材を動作させる制御装置とを備える映像伝送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-092908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すなわち、特許文献1では、1台の建設機械に搭載された複数のカメラ映像のうち通信回線を経由してデコーダに伝送するカメラ映像と伝送しないカメラ映像を操作者の操作に合わせて選択している。例えば、操作レバーに右旋回の操作が入力された場合には、旋回体の右側を写したカメラ映像のみを建設機械から通信回線に伝送し、その他のカメラ映像(例えば旋回体の左側を写したカメラ映像)は建設機械から通信回線に伝送しない。これにより、右旋回時に必要な旋回体の右側を写した映像の品質を保持できる。
【0007】
しかし、現在利用している通信回線の負荷(通信回線の最大通信容量に対する使用量の割合)が高い状態でカメラ映像を送信すると、データ転送速度が遅くなり、当該建設機械のカメラ映像にやはり画像の乱れや欠落が発生するおそれがある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みになされたものであり、その目的は、使用している通信回線の負荷が高くなっても、各作業機械の遠隔操縦や周囲監視に支障が生じ難い作業機械の映像伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、カメラをそれぞれ有し自車及び他車からなる複数の作業機械にそれぞれ搭載され、前記カメラの映像データをネットワークに送信する複数の車載コントローラと、前記複数の車載コントローラと通信可能に前記ネットワークに接続され、前記複数の車載コントローラから送信される前記カメラの映像データを受信してモニタに表示する複数のコンピュータとを備えた作業機械の映像伝送システムにおいて、前記複数の車載コントローラのうち前記自車に搭載された第1車載コントローラは、前記複数のコンピュータのうち通信先のコンピュータとの通信に使用している第1通信回線の通信負荷が所定値を超えるとき、前記カメラの映像データを複数に分割し、分割された一部の映像データを前記第1通信回線を使用して前記通信先のコンピュータに送信し、前記複数の車載コントローラのうち他車に搭載された少なくとも1つの他の車載コントローラに分割された残りの映像データを送信し、前記他の車載コントローラは、前記第1車載コントローラから受信した前記分割された残りの映像データを前記通信先のコンピュータに送信するものとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車載コントローラが使用している通信回線の負荷が高くなった場合に、カメラ映像データの一部を他の通信回線を介して送信することでデータ転送速度の低下を抑制でき、それによりカメラ映像の乱れや欠落の発生を抑制できるので、作業機械の遠隔操縦や周囲監視に支障が生じる可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る映像伝送システムの全体構成図。
図2】サーバ200の概略構成図。
図3】管理コンピュータ100の概略構成図。
図4】車載コントローラ300の概略構成図。
図5】車載コントローラ300Aの記憶装置312に格納されているデータの一部をテーブル形式で示した一例の図。
図6】サーバ200の記憶装置212に格納されているデータの一部をテーブル形式で示した図。
図7】サーバ200によって実行されるプログラムの動作フロー図。
図8】車載コントローラ300によって実行されるプログラムの動作フロー図。
図9図8のフローにおけるS3003で実行される車体選択処理の動作フロー図。
図10図9のフローにおけるS3103で実行される通信回線判定処理の動作フロー図。
図11図9のフローにおけるS3104で実行される第1オーナ判定処理の動作フロー図。
図12図9のフローにおけるS3105で実行される第2オーナ判定処理の動作フロー図。
図13】車載コントローラ300Aに記憶されている第1中間テーブル及び第2中間テーブルを示す図。
図14】車載コントローラ300Aに記憶されている第1-第4候補テーブルを示す図。
図15】第2実施形態に係る車載コントローラ300によって実行されるプログラムの動作フロー。
図16図15のフローにおけるS3003Aで実行される経由車体登録処理の動作フロー図。
図17】車載コントローラ300Aに記憶されている経由車体一覧テーブルを示す図。
図18】車載コントローラ300Aに記憶されているデータ比率テーブルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、同一の構成要素が複数存在する場合、符号の末尾にアルファベットの大文字または小文字を付すことがあるが、当該アルファベットの大文字や小文字を省略して当該複数の構成要素をまとめて表記することがある。例えば、同一の3つのコンピュータ112A,112B,112Cが存在するとき、これらをまとめコンピュータ112と表記することがある。
【0014】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る映像伝送システムの全体構成図である。図1の映像伝送システムは、同じ作業現場で稼動する複数の作業機械(図1の例では油圧ショベル)1A,1B,1C,1Dのそれぞれに例えば1台ずつ搭載された複数の車載コントローラ300A,300B,300C,300Dと、サーバ200と、少なくとも1台の管理コンピュータ(図1中では「管理PC」と示す)100A,100B,100C,100Dとを備えている。なお、本稿では、作業機械(油圧ショベル)のことを「車体」と称することもある。
【0015】
サーバ200は、複数の車載コントローラ300から管理コンピュータ100に送信される複数のカメラ310(図4参照)の映像データの合計データ量が所定値以下に収まるように、各車載コントローラ300の送信データ量の上限値(送信データ上限406(図6参照))を演算し、演算した送信データ量の上限値(送信データ上限406)を各車載コントローラ300に送信する。
【0016】
各車載コントローラ300は、複数のカメラ310(図4参照)の映像データを対応する通信先の管理コンピュータ100に送信する。
【0017】
管理コンピュータ100は、車載コントローラ300から送信される映像データ(カメラ画像)をモニタ120(図3参照)に表示し、モニタ120前の操作者に作業機械1の周囲の状況を映像で提供する。
【0018】
各車載コントローラ300は、例えば携帯電話用の通信規格回線により最寄りの基地局50A,50B,50Cを介してワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。基地局50A,50B,50Cは、車載コントローラ300から管理コンピュータ100に至るまでの通信回線(WAN)において、複数の車載コントローラ300から送信されるデータ(カメラ310の映像データを含む)が最初に通過する基地局である。作業機械1の場所により電波状況が異なり得るため、作業機械1(車載コントローラ300)ごとに接続先の基地局50が異なることがある。図1の例では、作業機械1A,1B,1C(車載コントローラ300A,300B,300C)の3台が第1基地局50Aに接続しており、作業機械1D(車載コントローラ300D)が第2基地局50Bに接続しており、作業機械1E(車載コントローラ300E)が第3基地局50Cに接続している。
【0019】
WANには、さらに、サーバ200と、管理コンピュータ100A,100B,100C,100Dが接続されており、WANに接続された各端末100,200,300は相互にデータ通信可能になっている。WANには図1のように公衆回線網であるインターネット10を含んでも良いし、専用回線のみで構成しても良い。
【0020】
また、各車載コントローラ300とサーバ200は、図1に示すように例えばWi-Fiにより同じローカルエリアネットワーク(LAN)に接続しても良い。LAN接続を利用すると、サーバ200の近傍(例えば同じ作業現場)に存在する作業機械1を容易に特定できる。
【0021】
なお、各端末100,200,300はWANに接続されている関係上、LANの利用は必須ではなく、WANのみを利用しても良い。WANのみを利用した場合、サーバ200と同じ作業現場に存在する作業機械1の特定は、例えば作業機械1に搭載されたGNSS受信機により取得される位置データと、サーバ200が設置された作業現場の位置データを含む地図データとを比較することで行うことができる。
【0022】
(車載コントローラ300の構成)
図4は各車載コントローラ300の概略構成図である。各車載コントローラ300は、例えばCPU311等のプロセッサと、当該プロセッサによって実行され得るプログラムや各種データが格納され得るROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置312と、WAN及びLANと接続される通信装置315とを備えている。
【0023】
各車載コントローラ300は、通信装置315により、サーバ200と各管理コンピュータ100と相互に通信可能にネットワーク(WAN及びLAN)に接続されている。各車載コントローラ300が映像データを送信する通信先の管理コンピュータ100は予め設定されている。複数の車載コントローラ300が同じ管理コンピュータ100に映像データを送信するようにしても良いし、1台の車載コントローラ300が複数の管理コンピュータ100に映像データを送信しても良い。但し、以下では説明を簡略化するために、車載コントローラ300と通信先(映像データの送信先)の管理コンピュータ100が一対一で対応しているものとする。
【0024】
また、車載コントローラ300Aには、コントローラエリアネットワーク(CAN)を介して、例えば、作業機械1Aに搭載された複数のカメラ310a,310b,310cと、作業機械1Aに搭載された油圧アクチュエータへの油圧供給源である油圧ポンプを駆動するエンジン305と、エンジン305の回転数(エンジン回転数)を検出するための回転数センサ306と、油圧アクチュエータに給排される作動油を制御する制御弁に対するパイロット圧を生成する複数の電磁弁(電磁比例弁)302と、複数の電磁弁302が生成するパイロット圧を検出する複数の圧力センサ303とが接続されている。なお、他の車載コントローラ300B-300Eも、車載コントローラ300Aと同様に作業機械1B-1Eの各部に接続されている。
【0025】
複数のカメラ310a,310b,310cは、作業機械1に搭載され、作業機械1の周囲の映像を撮影している。各カメラ310によって撮影された映像データは、まずCANを介して例えば車載コントローラ内の記憶装置312に記憶され、WANを介して予め定めた管理コンピュータ100に送信される。本実施形態のカメラ310は、各油圧ショベル(作業機械)1の旋回体に搭載されており、それぞれ異なる方向(例えば、旋回体の前方、右側方、左側方)を撮影している。管理コンピュータ100は、受信したカメラの映像データをモニタ120に表示する。なお、1台の作業機械1に搭載するカメラ310の台数には特に限定はなく、4台以上のカメラを搭載しても良い。
【0026】
(管理コンピュータ100の構成)
図3は各管理コンピュータ100の概略構成図である。各管理コンピュータ100は、例えばCPU111等のプロセッサと、当該プロセッサによって実行され得るプログラムや各種データが格納され得るROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置112と、WANに接続される通信装置115とを備えるコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ)である。管理コンピュータ100には、対応する車載コントローラ300から送信されるカメラの映像データ(後述)が表示されるモニタ120と、管理コンピュータ100に対してデータや指示などを与えるための入力装置130(例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなど)とが接続されている。
【0027】
管理コンピュータ100を各作業機械1の遠隔操縦に利用する場合には、さらに、遠隔操縦の対象の作業機械1(車載コントローラ300)に対する操作信号を入力操作に応じて出力するための操作装置(例えば操作レバー)150を接続しても良い。本実施形態では管理コンピュータ100を遠隔操縦に利用するため、管理コンピュータ100に操作装置150が接続されている。本実施形態では、1台の管理コンピュータ100と1台の車載コントローラ300が一対一で対応しおり、符号の末尾のアルファベット(大文字)が同じものが対応している。例えば、管理コンピュータ100Aのモニタ120の前に着座した操作者が当該モニタ120の映像(カメラ映像)を見ながら操作装置150を操作すると、当該操作に応じた操作信号が管理コンピュータ100Aから対応する車載コントローラ300AにWANを介して送信される。当該操作信号を受信した車載コントローラ300Aは、当該操作信号に対応する電磁弁302を当該操作信号に基づいて動作させる。これにより制御弁が駆動され油圧アクチュエータが動作し、操作者による作業機械1の遠隔操縦が実現される。
【0028】
(サーバ200の構成)
図2はサーバ200の概略構成図である。サーバ200は、例えばCPU211等のプロセッサと、当該プロセッサによって実行され得るプログラムや各種データが格納され得るROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置212と、WAN及びLANと接続される通信装置215とを備える。通信装置215はLANとWANの双方に接続可能であり、LAN用とWAN用で異なる通信装置を利用しても良い。
【0029】
(車載コントローラ300Aのデータ)
図5は作業機械1Aに搭載された車載コントローラ300Aの記憶装置312に格納されているデータの一部をテーブル形式で示した一例の図である。この図に示すように、各車載コントローラ300の記憶装置312には、自身が搭載された作業機械(以下「自車」と称すことがある)の情報(自車情報)が格納される自車情報テーブル320と、自車を経由して他の作業機械1の映像データが管理コンピュータ100に対して送信された場合(以下「データ経由発生時」と称することがある)にデータが記録される経由データテーブル330とが格納されている。なお、以下では自車以外の作業機械を「他車」と称することがある。
【0030】
自車情報テーブル320には、作業機械1を特定するために各作業機械1に一意に付与された識別データのうち自車の識別データを示す車体ID321と、各車載コントローラ300(作業機械1)が通信先の管理コンピュータ100との通信に利用している通信回線を特定するために各基地局50に一意に付与された識別データのうち自車が利用している基地局50の識別データを示す接続先ID322と、各作業機械1のオーナを特定するために各作業機械1のオーナに一意に付与された識別データのうち自車のオーナの識別情報を示すオーナID323とが格納されている。なお、ここでは、各車載コントローラ300が利用している通信回線の識別データ(接続先ID)として、各車載コントローラ300が通信に利用している基地局50の識別データを利用したが、通信回線を特定できるものであれば他の識別データを利用しても構わない。
【0031】
経由データテーブル330には、データ経由発生時の映像データの送信元の作業機械1の識別データを示す送信元車体ID331と、データ経由発生時に実際に自車1が経由したデータ量の積算値を作業機械1ごとに示す経由データ量332とが格納されている。
【0032】
(サーバ200のデータ)
図6は、サーバ200の記憶装置212に格納されているデータの一部をテーブル形式で示した図である。サーバ200の記憶装置212には、ネットワーク経由で各車載コントローラ300から取得した自車情報(図5の車体ID321、接続先ID322、オーナID323)が記録される車体情報テーブル230が格納されている。
【0033】
図7は、サーバ200の記憶装置212に格納され、CPU211によって実行されるプログラムの動作フローであり、CPU211(サーバ200)は図7のフローを所定の周期で実行する。
【0034】
フローが開始されると、サーバ200は、LAN上の複数の作業機械1(車載コントローラ300)を走査(検索)し(S2001)、見つかった作業機械1の車載コントローラ300(例えば作業機械1Aが見つかった場合には車載コントローラ300A)に対して自車情報(車体ID321、接続先ID322、オーナID323)の送信要求を送信し、当該送信要求を受信した車載コントローラ300(例えば300A)から送信される自車情報を取得する(S2002)。
【0035】
サーバ200は、S2002で取得した車体ID321と同一の車体IDが車体情報テーブル230に既に登録されているか否かを確認し、既に登録されている場合にはその車体IDに紐付けられている接続先IDとオーナIDをS2002で取得したもので上書きし、まだ登録されていない場合にはその車体IDと当該車体IDに紐付けられた接続先IDとオーナIDとを車体情報テーブル220に追加する(S2003)。
【0036】
S2004では、各車載コントローラ300からの車体情報テーブルの送信要求の有無を確認し、当該送信要求があった場合には、当該送信要求の送信元の車載コントローラ300の全て(例えば車載コントローラ300Aから送信要求があった場合には車載コントローラ300Aが選択される)に最新の車体情報テーブル220を送信し(S2005)、最初の処理(S2001)に戻る。一方、S2004で当該送信要求が無い場合には、そのまま最初の処理(S2001)に戻る。
【0037】
このような図7の処理を定期的に実行することで、本実施形態のサーバ200は、同一LAN上に接続された各車載コントローラ300の最新の自車情報を収集して車体情報テーブル220に格納している。
【0038】
なお、各車載コントローラ300による車体情報テーブル220の取得は、上記のサーバ200を介したものである必要はなく、各車載コントローラ300に車体情報テーブル220を予め記憶しておく方法や、各車載コントローラ300が定期的に図7の同様の処理を実行することで最新の車体情報が格納された車体情報テーブル220を格納しておく方法などを採用しても構わない。
【0039】
図8は、各車載コントローラ300の記憶装置312に格納され、CPU311によって実行されるプログラムの動作フローである。CPU311(車載コントローラ300)は、通信先の管理コンピュータ100に対してカメラ310の映像データを送信している間、図8のフローを所定の周期で実行する。ここでは、分かり易さを優先して、車載コントローラ300Aで図8のフローが実行されたものとして説明する。
【0040】
まず、車載コントローラ300Aは、カメラ310の映像データの送信中に通信先の管理コンピュータ100Aとの通信に使用している通信回線(第1通信回線)の通信負荷(回線負荷)が所定値を超えたか否かを判定する(S3001)。つまり、当該通信回線の通信負荷が高く、管理コンピュータ100Aに必要な品質の映像データを送信することが難しい状態か否かを判定する。通信負荷(帯域使用率)は、例えば、車載コントローラ300Aの実際のデータ転送量を所与の通信回線の帯域で除することで演算できる。実際のデータ転送量は、送信したデータ容量と送信時間のそれぞれの実測値から演算でき、これらは映像データの送信結果からCPU311が演算可能である。S3001の判定に利用される所定値は、例えば、百分率の値(例えば80%)で設定できる。
【0041】
S3001で通信負荷が所定値を超えたと判定された場合には、車載コントローラ300Aは車体情報テーブル220の送信要求をサーバ200に送信し、サーバ200から車体情報テーブル220を取得し(S3002)、S3003の車体選択処理に移る。
【0042】
次にS3003で行われる車体選択処理の詳細について図9図12を用いて説明する。図9図8のS3003で実行される動作フローの詳細を示し、図10図9のS3103で実行される通信回線判定処理の詳細を示し、図11図9のS3104で実行される第1オーナ判定処理の詳細を示し、図12図9のS3105で実行される第2オーナ判定処理の詳細を示す。
【0043】
図9において、車載コントローラ300Aは、S3003の車体選択処理を開始すると、通信回線判定処理S3103を実行する。
【0044】
(通信回線判定処理S3103)
通信回線判定処理S3103では、図10に示すように、車載コントローラ300Aは、まず、S3002で取得した車体情報テーブルから、自車(作業機械1A)を除く任意の1台の車体(例えば、作業機械1B-1Eのうち1台)の車体情報データ(具体的には、車体ID、接続先ID及びオーナIDのうち、少なくとも車体ID及び接続先ID)を取得する(S3401)。
【0045】
S3402では、車載コントローラ300Aは、S3401で取得した車体(以下、情報取得車体と称する)の通信回線が自車の通信回線と異なるか否かを判定する。本実施形態では当該処理の一例として、車載コントローラ300Aは、S3401で取得した接続先IDが自車の接続先ID(50A)と異なるか否かを判定している。すなわち、自車1Aと異なる基地局50を管理コンピュータ100との通信に利用しているか否かを判定している。
【0046】
S3402で情報取得車体の通信回線(接続先ID)が自車のものと異なっていると判定された場合には、車載コントローラ300Aは情報取得車体の車体情報データ(少なくとも車体ID)を記憶装置312内の第1中間テーブル341に追加(格納)し(S3403)、S3405に進む。第1中間テーブル341を図13に示す。図13の第1中間テーブル341には、自動付与される識別番号(No.)に紐付けられて車体IDと接続先IDが格納されており、接続先IDが自車1Aのもの(50A)と異なる車体1の情報が格納されている。なお、第1中間テーブル341には、車体情報データとして車体IDだけを格納すれば足り、接続先IDは省略可能である。また、図示した車体ID及び接続先IDにオーナIDを追加しても良い。
【0047】
一方、S3402で情報取得車体の通信回線(接続先ID)が自車のものと同じと判定された場合には、車載コントローラ300Aは情報取得車体の車体情報データ(少なくとも車体ID)を記憶装置312内の第2中間テーブル342に追加(格納)し(S3404)、S3405に進む。第2中間テーブル342を図13に示す。図13の第2中間テーブル342には、自動付与される識別番号(No.)に紐付けられて車体IDと接続先IDが格納されており、接続先IDが自車1Aのもの(50A)と同じ車体1の情報が格納されている。なお、第2中間テーブル342には、車体情報データとして車体IDだけを格納すれば足り、接続先IDは省略可能である。また、図示した車体ID及び接続先IDにオーナIDを追加しても良い。
【0048】
S3405では、車載コントローラ300Aは、車体情報テーブル220内で自車1A(作業機械1A)を除く全ての車体1(例えば、作業機械1B-1E)についてS3401の処理を行ったか否かを判定する。ここで全ての作業機械(車体)1についてS3401の処理が行われたと判定された場合にはS3103の通信回線判定処理を終了してS3104の第1オーナ判定処理(図9図11参照)に移り、そうでない場合には最初に戻って残りの作業機械1についてS3401の処理を行う。
【0049】
なお、第1中間テーブル341と第2中間テーブル342のデータは、通信回線判定処理S3103を開始する以前にリセットしておくことが好ましい。
【0050】
(第1オーナ判定処理S3104)
第1オーナ判定処理S3104では、図11に示すように、車載コントローラ300Aは、まず、通信回線判定処理S3103で作成した第1中間テーブル341から任意の1台の車体の車体情報データ(具体的には、車体ID、接続先ID及びオーナIDのうち、少なくとも車体ID及びオーナID)を取得する(S3501)。
【0051】
S3502では、車載コントローラ300Aは、S3501で取得した車体(以下、情報取得車体と称する)のオーナが自車1Aのオーナと同じか否かを判定する。本実施形態では当該処理の一例として、車載コントローラ300Aは、S3501で取得したオーナIDが自車1AのオーナID(ow1)と同じか否かを判定している。すなわち、情報取得車体が自車1Aと同じオーナow1の所有しているものか否かを判定している。
【0052】
S3502で情報取得車体のオーナ(オーナID)が自車と同じと判定された場合には、車載コントローラ300Aは情報取得車体の車体情報データ(少なくとも車体ID)を記憶装置312内の第1候補テーブル351に追加(格納)し(S3503)、S3505に進む。第1候補テーブル351の一例を図14に示す。図14の第1候補テーブル351には、自動付与される識別番号(No.)に紐付けられて車体IDと接続先IDとオーナIDが格納されており、接続先IDが自車1Aのもの(50A)と異なり、かつ、オーナIDが自車1Aのもの(ow1)と同じ車体1(1D)の情報が格納されている。なお、第1候補テーブル351には、車体情報データとして車体IDだけを格納すれば足り、その他の情報は省略可能である。つまり、図示した接続先IDとオーナIDの少なくとも一方を第1候補テーブル351から削除しても良い。
【0053】
一方、S3502で情報取得車体のオーナ(オーナID)が自車と異なると判定された場合には、車載コントローラ300Aは情報取得車体の車体情報データ(少なくとも車体ID)を記憶装置312内の第2候補テーブル352に追加(格納)し(S3504)、S3505に進む。第2候補テーブル352の一例を図14に示す。図14の第2候補テーブル352には、自動付与される識別番号(No.)に紐付けられて車体IDと接続先IDとオーナIDが格納されており、接続先IDが自車1Aのもの(50A)と異なり、かつ、オーナIDが自車1Aのもの(ow1)と異なる車体1(1E)の情報が格納されている。なお、第2候補テーブル352には、車体情報データとして車体IDだけを格納すれば足り、その他の情報は省略可能である。つまり、図示した接続先IDとオーナIDの少なくとも一方を第2候補テーブル352から削除しても良い。
【0054】
S3505では、車載コントローラ300Aは、第1中間テーブル341内で全ての車体1についてS3501の処理を行ったか否かを判定する。ここで全ての車体1についてS3501の処理が行われたと判定された場合にはS3104の第1オーナ判定処理を終了してS3105の第2オーナ判定処理(図9図12参照)に移り、そうでない場合には最初に戻って残りの車体1についてS3501の処理を行う。
【0055】
なお、第1候補テーブル351と第2候補テーブル352のデータは、第1オーナ判定処理S3104を開始する以前にリセットしておくことが好ましい。
【0056】
(第2オーナ判定処理S3105)
第2オーナ判定処理S3105では、図12に示すように、車載コントローラ300Aは、まず、通信回線判定処理S3103で作成した第2中間テーブル342から任意の1台の車体の車体情報データ(具体的には、車体ID、接続先ID及びオーナIDのうち、少なくとも車体ID及びオーナID)を取得する(S3601)。
【0057】
S3602では、車載コントローラ300Aは、S3601で取得した車体(以下、情報取得車体と称する)のオーナが自車1Aのオーナと同じか否かを判定する。本実施形態では当該処理の一例として、車載コントローラ300Aは、S3601で取得したオーナIDが自車1AのオーナID(ow1)と同じか否かを判定している。すなわち、情報取得車体が自車1Aと同じオーナow1の所有しているものか否かを判定している。
【0058】
S3602で情報取得車体のオーナ(オーナID)が自車と同じと判定された場合には、車載コントローラ300Aは情報取得車体の車体情報データ(少なくとも車体ID)を記憶装置312内の第3候補テーブル353に追加(格納)し(S3603)、S3605に進む。第3候補テーブル353の一例を図14に示す。図14の第3候補テーブル353には、自動付与される識別番号(No.)に紐付けられて車体IDと接続先IDとオーナIDが格納されており、接続先IDが自車1Aのもの(50A)と同じ、かつ、オーナIDが自車1Aのもの(ow1)と同じ車体1(1B)の情報が格納されている。なお、第3候補テーブル353には、車体情報データとして車体IDだけを格納すれば足り、その他の情報は省略可能である。つまり、図示した接続先IDとオーナIDの少なくとも一方を第3候補テーブル353から削除しても良い。
【0059】
一方、S3602で情報取得車体のオーナ(オーナID)が自車と異なると判定された場合には、車載コントローラ300Aは情報取得車体の車体情報データ(少なくとも車体ID)を記憶装置312内の第4候補テーブル354に追加(格納)し(S3604)、S3605に進む。第4候補テーブル354の一例を図14に示す。図14の第4候補テーブル354には、自動付与される識別番号(No.)に紐付けられて車体IDと接続先IDとオーナIDが格納されており、接続先IDが自車(作業機械)1Aのもの(50A)と同じ、かつ、オーナIDが自車(作業機械)1Aのもの(ow1)と異なる車体1(1C)の情報が格納されている。なお、第4候補テーブル354には、車体情報データとして車体IDだけを格納すれば足り、その他の情報は省略可能である。つまり、図示した接続先IDとオーナIDの少なくとも一方を第4候補テーブル354から削除しても良い。
【0060】
S3605では、車載コントローラ300Aは、第2中間テーブル342内で全ての車体1についてS3601の処理を行ったか否かを判定する。ここで全ての車体1についてS3601の処理が行われたと判定された場合にはS3105の第2オーナ判定処理を終了してS3106に移り、そうでない場合には最初に戻って残りの車体1についてS3601の処理を行う。
【0061】
なお、第3候補テーブル353と第4候補テーブル354のデータは、第2オーナ判定処理S3105を開始する以前にリセットしておくことが好ましい。
【0062】
(S3106)
S3106では、車載コントローラ300Aは、第1候補テーブル351の第1行から順番に第4候補テーブル354の最終行までを走査するプロセスで、最初に見つかった車体を自車1Aの映像データを経由させる車体(以下、データ経由車体と称する)として選択する。
【0063】
車体1の走査を具体的に説明すると、まず、第1候補テーブル351の第1行から最終行まで走査し、次に第2候補テーブル352の第1行から最終行までを走査し、次に第3候補テーブル353の第1行から最終行までを走査し、最後に第4候補テーブル354の第1行から最終行までを走査する。この走査により、通常は少なくとも1台の車体は選択されるはずである。
【0064】
なお、データ経由車体の走査は、自車1Aと通信回線(基地局50)が異なる第1候補テーブル351と第2候補テーブル352に限定しても構わない。
【0065】
S3106でデータ経由車体の選択が完了したら、図8に戻りS3004に移る。
【0066】
S3004では、車載コントローラ300Aは、S3003でデータ経由車体が選択できたか否かを判定し、選択できた場合にはS3006へ、選択できなかった場合にはS3009へ処理を進める。
【0067】
S3006では、車載コントローラ300Aは、S3106(図9)で選択したデータ経由車体にデータ経由通知を送信する。図14の場合、データ経由車体は第1候補テーブル351の第1行に存在する車体(作業機械)1Dが該当する。データ経由通知は、自車1Aの映像データの一部を送信することをデータ経由車体に知らせるための通知であり、当該通知には自車(映像データの送信元)1Aの車体ID(識別データ)や、自車1Aの通信先の管理コンピュータ100Aの識別データや、自車1Aからデータ経由車体に送信される映像データ(後述の経由車体用送信データ)のデータ量を含めても良い。
【0068】
S3007では、車載コントローラ300Aは、管理コンピュータ100Aに送信するカメラ310の映像データを2つに分割する。分割後の2つの映像データのうち一方は自車1Aが送信するもの(自車用送信データ)で、他方はデータ経由車体が送信するもの(経由車体用送信データ)である。なお、カメラ310の映像データを分割する際の割合は適宜変更可能である。例えば、第1車載コントローラ300Aの回線負荷の増加に応じて、経由車体用送信データの割合が大きくなるように分割しても良いし、回線負荷の大小に関わらず一定の割合で分割しても良い。
【0069】
S3008では、車載コントローラ300Aは、データ経由車体に経由車体用送信データを送信する。データ経由車体(1D)の車載コントローラ300(300D)は、経由車体用送信データを車載コントローラ300Aから受信し、それを基地局50Bを介して車載コントローラ300Aの通信先の管理コンピュータ100Aに送信する。管理コンピュータ100Aへの送信が完了したら、データ経由車体(1D)の車載コントローラ300(300D)は、自身の記憶装置312内の経由データテーブル330(図5参照)に送信元車体の識別データ(送信元車体ID331)と経由車体用送信データのデータ量(経由データ量332)とを書き込む。送信元車体ID331と経由データ量332は、例えば、S3006のデータ経由通知に含めることができる。
【0070】
S3009では、車載コントローラ300Aは、自車用送信データを基地局50Aを介して管理コンピュータ100Aに送信する。但し、S3003でデータ経由車体が選択できなかった場合(S3004でNoと判定された場合)には、自車用送信データは分割されないため、車載コントローラ300Aはカメラ映像データを分割することなくその全データを自身で管理コンピュータ100Aに送信することになる。
【0071】
なお、S3008とS3009は並行して行って良い。すなわち自車用送信データと経由車体用送信データは並行して自車の通信先の管理コンピュータに送信して良い。
【0072】
(作用・効果)
(1)上記のように、本実施形態の作業機械の映像伝送システムは、カメラ310をそれぞれ有する複数の作業機械1にそれぞれ搭載され、カメラ310の映像データをネットワーク10に送信する複数の車載コントローラ300と、複数の車載コントローラ300と通信可能にネットワーク10に接続され、複数の車載コントローラ300から送信されるカメラ310の映像データを受信してモニタ120に表示する複数のコンピュータ100とを備え、複数の車載コントローラ300のうち第1車載コントローラ300Aは、複数のコンピュータ100のうち通信先のコンピュータ100Aとの通信に使用している第1通信回線(第1基地局50Aを通る回線)の通信負荷が所定値を超えるとき、カメラ310の映像データを複数に分割し、分割された一部の映像データ(自車用送信データ)を第1通信回線を使用して通信先のコンピュータ100Aに送信し、複数の車載コントローラ300のうち少なくとも1つの他の車載コントローラ(例えば車載コントローラ300D)に分割された残りの映像データ(経由車体用送信データ)を送信し、前記他の車載コントローラは、第1車載コントローラ300Aから受信した分割された残りの映像データ(経由車体用送信データ)を通信先のコンピュータ100Aに送信している。
【0073】
このように映像伝送システムを構成すると、第1車載コントローラ300Aが映像データの送信に使用している第1通信回路の通信負荷が高い場合に、第1車載コントローラ300Aがその映像データを分割し、一部のデータ(自車用送信データ)については自身が第1通信回路を使用して通信先のコンピュータ100Aに送信し、残りのデータ(経由車体用送信データ)については他の車載コントローラを経由してコンピュータ100Aに送信することができる。このように他の車載コントローラ300を経由して一部の映像データを通信先のコンピュータ100Aに送信することで、第1車載コントローラ300Aの送信データ量が低減し通信負荷も低減するので、第1車載コントローラ300Aから通信先のコンピュータ100に送信される映像データに画像の乱れや欠落が発生することが抑制され、車体1Aの遠隔操縦や周囲監視を円滑に行うことができる。
【0074】
(2)上記(1)の映像伝送システムでは、他の車載コントローラ300は、分割された残りの映像データ(経由車体用送信データ)を第1通信回線と異なる通信回線を使用して第1車載コントローラ300Aの通信先のコンピュータ100Aに送信することが好ましい。つまり、上記の実施形態における「他の車載コントローラ300」としては、第1基地局50Aと異なる第2,第3基地局50C,50Dを使用して通信している車載コントローラ300Dや車載コントローラ300Eを選択することが好ましい。
【0075】
このように映像伝送システムを構成すると、第1車載コントローラ300Aが使用している第1通信回線と異なる通信回線を利用して経由車体用送信データが送信されることになるので、第1通信回線の通信負荷が低減して第1車載コントローラ300Aから通信先のコンピュータ100に送信される映像データに画像の乱れや欠落が発生することが抑制され、車体1Aの遠隔操縦や周囲監視を円滑に行うことができる。
【0076】
(3)上記(2)の映像伝送システムでは、複数の車載コントローラ300と通信可能にネットワーク10に接続されたサーバ200を備え、サーバ200には、複数の車載コントローラ300がそれぞれ通信先のコンピュータ100との通信に利用している通信回線の識別データ(接続先ID)が記憶されており、第1車載コントローラ300Aは、前記通信回線の識別データ(接続先ID)をサーバ200から受信し、その受信した識別データ(接続先ID)に基づいて前記分割された残りの映像データ(経由車体用送信データ)を送信する他の車載コントローラ300を複数の車載コントローラ300の中から選択することが好ましい。
【0077】
このように映像伝送システムを構成すると、第1車載コントローラ300Aは、各車載コントローラ300が利用している最新の通信回線をサーバ200から受信することができるので、複数の車載コントローラ300の中から第1車載コントローラ300Aと異なる通信回線を利用している車載コントローラ300を正確かつ容易に選択することができる。
【0078】
(4)上記(1)の映像伝送システムでは、他の車載コントローラ300は、前記通信先のコンピュータ100Aとの通信回線が第1通信回線と異なりかつ第1車載コントローラ300Aとオーナが同じ第2車載コントローラ(例えば、上記実施形態の車載コントローラ300D)、前記通信先のコンピュータ100Aとの通信回線が前記第1通信回線と異なりかつ第1車載コントローラ300Aとオーナが異なる第3車載コントローラ(例えば、上記実施形態の車載コントローラ300E)、の少なくとも一方であることが好ましい。
【0079】
このように構成された映像伝送システムにおいて、第1車載コントローラ300Aとオーナが同じ車載コントローラ300を「他の車載コントローラ300」として選択すると、映像データの送信に係るセキュリティ対策を簡略化できる。
【0080】
(5)上記(4)の映像伝送システムにおいて、前記他の車載コントローラとしては、第2車載コントローラが優先的に選択され、前記第2車載コントローラが存在しない場合には第3車載コントローラが選択されることが好ましい。
【0081】
このように映像伝送システムを構成すると、第1車載コントローラ300Aとオーナが同じ車載コントローラ300が「他の車載コントローラ300」として優先的に選択されるので、映像データの送信に係るセキュリティ対策を自動的に簡略化できる。
【0082】
(6)上記(4)の映像伝送システムでは、複数の車載コントローラ300と通信可能にネットワーク20に接続されたサーバ200を備え、サーバに200は、複数の車載コントローラ300がそれぞれ通信先のコンピュータ100との通信に利用している通信回線の識別データ(接続先ID322)と、複数の車載コントローラ300のそれぞれのオーナの識別データ(オーナID323)とが記憶されており、第1車載コントローラ300は、通信回線の識別データ(接続先ID322)とオーナの識別データ(オーナID323)をサーバ200から受信し、その受信した識別データ(接続先ID322,オーナID323)に基づいて「他の車載コントローラ」を複数の車載コントローラ300の中から選択することが好ましい。
【0083】
このように映像伝送システムを構成すると、第1車載コントローラ300Aは、各車載コントローラ300が利用している最新の通信回線とそのオーナの情報をサーバ200から受信できる。そのため、第1車載コントローラ300Aは、例えば、複数の車載コントローラ300の中から第1車載コントローラ300Aと異なる通信回線を利用しておりかつ第1車載コントローラ300Aとオーナが同じ車載コントローラ300を正確かつ容易に選択できる。
【0084】
(7)上記(6)の映像伝送システムでは、第1車載コントローラ300Aは、サーバ200から受信した通信回線の識別データとオーナの識別データに基づいて、第2車載コントローラを「他の車載コントローラ」として優先的に選択し、第2車載コントローラが存在しない場合には第3車載コントローラを「他の車載コントローラ」として選択することが好ましい。
【0085】
このように映像伝送システムを構成すると、第1車載コントローラ300Aとオーナが同じ車載コントローラ300が「他の車載コントローラ300」として優先的に選択されるので、映像データの送信に係るセキュリティ対策を自動的に簡略化できる。
【0086】
<第2実施形態>
上記の実施形態では、データ経由車体が1台だったが、データ経由車体は複数台でも良い。本実施形態では、データ経由車体が複数の場合の動作フローについて図面を用いて説明する。
【0087】
図15は、各車載コントローラ300の記憶装置312に格納され、CPU311によって実行されるプログラムの動作フローである。CPU311(車載コントローラ300)は、通信先の管理コンピュータ100に対してカメラ310の映像データを送信している間、図15のフローを所定の周期で実行する。なお、図8と同じ処理については同じ符号を付し、説明を省略することがある。ここでも、分かり易さを優先して、車載コントローラ300Aで図15のフローが実行されたものとして説明する。
【0088】
まず、S3003Aで行われる経由車体登録処理の詳細について図16を用いて説明する。経由車体登録処理とは、車載コントローラ300Aの映像データの一部を経由する車体を図17に示した経由車体一覧テーブル360に登録する処理である。経由車体一覧テーブル360には、経由車体一覧テーブル360に車体が登録された順番を示す番号kと、データ経由車体の車体ID362とが格納されている。図17にはデータ経由車体を4台まで登録できる経由車体一覧テーブル360を示したが、台数に特に限定は無い。
【0089】
S3003Aの経由車体登録処理を開始すると、車載コントローラ300Aは、図16に示す通信回線判定処理S3103、第1オーナ判定処理3104及び第2オーナ判定処理3105を第1実施形態と同様に実行する。
【0090】
次のS3106Aでは、車載コントローラ300Aは、第1候補テーブル351の第1行から順番に第4候補テーブル354の最終行までを走査し、そのプロセスで見つかった車体をデータ経由車体として経由車体一覧テーブル360に順番に登録する。最初に見つかったデータ経由車体はk=1の行に登録され、2番目に見つかったデータ経由車体はk=2の行に、3番目に見つかったデータ経由車体はk=3の行に、4番目に見つかったデータ経由車体はk=4の行に登録される。図17のテーブルには5番目以降に見つかったデータ経由車体は登録されない。
【0091】
なお、本実施形態でもデータ経由車体の走査は、自車1Aと通信回線(基地局50)が異なる第1候補テーブル351と第2候補テーブル352に限定しても構わない。
【0092】
S3106Aで経由車体一覧テーブル360へのデータ経由車体の登録が完了したら、図15に戻りS4504に移る。
【0093】
S4504では、車載コントローラ300Aは、S3003Aで経由車体一覧テーブル360に登録されたデータ経由車体の台数がゼロを超えているか否かを判定し、ゼロを超えている場合(すなわち、データ経由車体が登録できた場合)にはS4505へ、ゼロの場合にはS3009へ処理を進める。
【0094】
S4505では、車載コントローラ300Aは、経由車体一覧テーブル360に登録された車体の台数N(図17の例ではN=4)と各データ経由車体の番号kに応じて、各データ経由車体に送信される映像データのデータ比率P(Nk)を図18に基づいて決定し、下記式(1)で規定されるデータ量に基づいて映像データを分割する。
データ経由車体に送信される映像データのデータ量=A×Rp×R(Nk) …式(1)
A :車載コントローラ300Aから送信される映像データ量
Rp:AのうちN台のデータ経由車体に経由させる映像データの割合
R(Nk):N台のデータ経由車体が登録されたときk番目の車体に送信されるデータ比率
例えば、(N,k)=(4,3)のデータ経由車体のデータ比率は図18よりR(4,3)=0.2になり、Rp=0.5の場合には、当該データ経由車体用の映像データのデータ量は「0.2×0.5×A=0.1×A」となる。つまり、車載コントローラ300Aは、このデータ量(0.1×A)の映像データをk=3行目の車体1Bに送信することになる。
【0095】
なお、図18のデータ比率テーブル370は、kが小さいデータ経由車体ほど、送信されるデータ量が多くなるように設定されている。つまり、4つの候補テーブル351,352,353,354に登録された車体1では、序数の小さい候補テーブルに登録された車体1(車載コントローラ300)ほどデータ量が多くなるように設定されている。そして、同じ序数の候補テーブル内では番号が小さい車体1(本実施形態では車体情報テーブル220の上位に位置する車体1)ほどデータ量が多くなるように設定されている。これにより、第1車載コントローラ300Aと通信回線が異なりかつオーナが異なる車載コントローラ(第3車載コントローラ)よりも、第1車載コントローラ300Aと通信回線が異なりかつオーナが同じ車載コントローラ(第2車載コントローラ)に多くのデータが送信されるようになっている。
【0096】
S4506では、車載コントローラ300Aは、経由車体一覧テーブル360におけるk行目(k=1,2,…,N)の車体1(車載コントローラ300)を選択する。例えばk=1の場合に選択されるデータ経由車体は、図17の経由車体一覧テーブル360の第1行に存在する車体1Dである。
【0097】
S4507では、車載コントローラ300Aは、S4506で選択したデータ経由車体にデータ経由通知を送信する。データ経由通知は、第1実施形態と同じ通知であり、当該通知には自車(映像データの送信元)1Aの車体ID(識別データ)や、自車1Aの通信先の管理コンピュータ100Aの識別データや、自車1Aからデータ経由車体に送信される映像データ(経由車体用送信データ)のデータ量を含めても良い。
【0098】
S4509では、車載コントローラ300Aは、S4506で選択したデータ経由車体に経由車体用送信データを送信する。データ経由車体の車載コントローラ300は、経由車体用送信データを車載コントローラ300Aから受信し、それを基地局を介して車載コントローラ300Aの通信先の管理コンピュータ100Aに送信する。管理コンピュータ100Aへの送信が完了したら、データ経由車体の車載コントローラ300は、自身の記憶装置312内の経由データテーブル330(図5参照)に送信元車体の識別データ(送信元車体ID331)と経由車体用送信データのデータ量(経由データ量332)とを書き込む。送信元車体ID331と経由データ量332は、例えば、S4506のデータ経由通知に含めることができる。
【0099】
なお、データ経由車体から管理コンピュータ100Aへの経由車体用送信データの送信の完了を待たずして、次のS4510に進んでも良い。
【0100】
S4510では、車載コントローラ300Aは、経由車体一覧テーブルのすべての車体1を選択したか否かを判定する。選択していない車体1が存在する場合には、S4506に戻り、k+1行目の車体を選択する。全ての車体1が選択されている場合にはS3009に処理を進める。
【0101】
S3009では、車載コントローラ300Aは、自車用送信データを基地局50Aを介して管理コンピュータ100Aに送信する。但し、S3003Aでデータ経由車体が選択できなかった場合(S4504でNoと判定された場合)には、自車用送信データは分割されないため、車載コントローラ300Aはカメラ映像データを分割することなくその全データを自身で管理コンピュータ100Aに送信することになる。
【0102】
なお、S4509とS3009は並行して行って良いし、車体ごとのS4509も並行して行って良い。すなわち自車による自車用送信データの送信と、各データ経由車体による経由車体用送信データとは並行して行って良い。
【0103】
(作用・効果)
以上、説明したとおり、自車1Aの映像データを複数のデータ経由車体に経由させて、自車1A(車載コントローラ300A)の通信先の管理コンピュータ100Aに映像データを送信しても良い。このように映像データを送信すると、映像データを送信する回線数が増加し、自車1Aの通信回線の負荷が容易に低下し易い。
【0104】
また、上記(1)-(7)の構成に関連して、本実施形態は下記(8)の構成を開示している。
【0105】
(8)上記(4)の映像伝送システムにおいて、他の車載コントローラ300(データ経由車体の車載コントローラ300)として、前記第2車載コントローラ(例えば、上記実施形態の車載コントローラ300D)と前記第3車載コントローラ(例えば、上記実施形態の車載コントローラ300E)が含まれている場合には、前記第1車載コントローラ300Aは、前記第3車載コントローラよりも前記第2車載コントローラに前記分割された残りの映像データ(経由車体用送信データ)のうちより多くのデータを送信することが好ましい。
【0106】
このように第2車載コントローラ(すなわち、第1車載コントローラ300Aと通信回線が異なりオーナが同一の車載コントローラ)に優先的に大容量の経由車体用送信データを送信するようにすると、セキュリティを確保しながら第1車載コントローラ300Aの通信負荷が低下し易くなる。
【0107】
なお、上記の各実施形態に係る映像伝送システムでは、各車載コントローラ300の経由データテーブル330に格納された車体ごとの経由データ量332を当該各車体のオーナにメール等でサーバ200が通知するように構成しても良い。
【0108】
(その他)
上記の各実施形態では、車載コントローラ300は、サーバ200から車体情報テーブル220を取得することとしたが、車体情報テーブル220に関するデータの収集はこの方法に限定されない。例えば、各車載コントローラ300が他の車載コントローラ300から自車情報テーブルを収集するシステム構成にしても良いし、各車載コントローラ300に予め車体情報テーブル220を記憶しておいても良い。
【0109】
上記の各実施形態では、油圧ショベル1に搭載したカメラ310の映像データを送信する場合について説明したが、油圧ショベル1以外の作業機械、例えば、ホイールローダ、クレーン、ダンプトラックなどに搭載したカメラの映像データを送信する場合についても本発明は適用可能である。
【0110】
上記の各実施形態では管理コンピュータ100によって作業機械1を遠隔操縦する場合について説明したが、各車載コントローラ300から送信される映像データに基づいて各作業機械1の稼働状況の管理を行う場合にも本発明は適用可能である。
【0111】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
【0112】
また、上記の管理コンピュータ100、サーバ200、車載コントローラ300(以下、制御装置100,200,300と称する)に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は、それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また、上記の制御装置100,200,300に係る構成は、演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることで当該制御装置100,200,300の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は、例えば、半導体メモリ(フラッシュメモリ、SSD等)、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク、光ディスク等)等に記憶することができる。
【0113】
また、上記の各実施の形態の説明では、制御線や情報線は、当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが、必ずしも製品に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
【符号の説明】
【0114】
1(1A,1B,1C,1D)…油圧ショベル(作業機械,車体),50(50A,50B,50C)…基地局,100(100A,100B,100C,100D)…管理コンピュータ,112…記憶装置,115…通信装置,120…モニタ,130…入力装置,150…操作装置,200…サーバ,212…記憶装置,215…通信装置,300(300A,300B,300C,300D,300E)…車載コントローラ,302…電磁弁,303…圧力センサ,305…エンジン,306…回転数センサ,310(310a,310b,310c)…カメラ,312…記憶装置,315…通信装置,320…自車情報テーブル,330…経由データテーブル,220…車体情報テーブル,341…第1中間テーブル,342…第2中間テーブル,351…第1候補テーブル,352…第2候補テーブル,353…第3候補テーブル,354…第4候補テーブル,360…経由車体一覧テーブル,370…データ比率テーブル
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