(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004927
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】レフィル容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B65D77/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104833
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彰紀
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067AB81
3E067BA01B
3E067BA01C
3E067BA07B
3E067BA07C
3E067BB08B
3E067BB14C
3E067BC07B
3E067BC07C
3E067EA02
3E067EB27
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】蓋体を取り外す時の内容器の共回りを抑制できるレフィル容器を提供する。
【解決手段】外容器2と外容器2に回動によって着脱可能に取り付けられた内容器3とによって口部9cと底部9bを有する有底筒状部9を形成する容器本体8と、容器本体8に回動によって着脱可能に取り付けられることで口部9cにおいて内容器3に密接する蓋体4と、内容器3と外容器2の一方に一体に設けられ、当該一方よりも摩擦係数が高く、蓋体4の取り付け状態において底部9bで内容器3と外容器2の他方に接触する介在部材5と、を有するレフィル容器1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と前記外容器に回動によって着脱可能に取り付けられた内容器とによって口部と底部を有する有底筒状部を形成する容器本体と、
前記容器本体に回動によって着脱可能に取り付けられることで前記口部において前記内容器に密接する蓋体と、
前記内容器と前記外容器の一方に一体に設けられ、当該一方よりも摩擦係数が高く、前記蓋体の取り付け状態において前記底部で前記内容器と前記外容器の他方に接触する介在部材と、を有するレフィル容器。
【請求項2】
前記内容器を前記外容器に対して回動させる螺合部と、
取り付けが完了する位置で取り付け方向への前記内容器の回動を停止させるストッパと、を有し、
前記介在部材が、前記内容器と前記外容器のいずれよりも高弾性であり、前記内容器の取り付け状態において前記底部で前記内容器と前記外容器の前記他方に接触する、請求項1に記載のレフィル容器。
【請求項3】
前記内容器がガラス製である、請求項2に記載のレフィル容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレフィル容器に関する。
【背景技術】
【0002】
外容器と外容器に回動によって着脱可能に取り付けられた内容器とによって口部と底部を有する有底筒状部を形成する容器本体と、容器本体に回動によって着脱可能に取り付けられることで口部において内容器に密接する蓋体と、を有するレフィル容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなレフィル容器では、蓋体を取り外す時に内容器が共回りすると、外容器への内容器の取り付け状態が不安定になる虞がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、蓋体を取り外す時の内容器の共回りを抑制できるレフィル容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
外容器と前記外容器に回動によって着脱可能に取り付けられた内容器とによって口部と底部を有する有底筒状部を形成する容器本体と、
前記容器本体に回動によって着脱可能に取り付けられることで前記口部において前記内容器に密接する蓋体と、
前記内容器と前記外容器の一方に一体に設けられ、当該一方よりも摩擦係数が高く、前記蓋体の取り付け状態において前記底部で前記内容器と前記外容器の他方に接触する介在部材と、を有するレフィル容器。
【0008】
[2]
前記内容器を前記外容器に対して回動させる螺合部と、
取り付けが完了する位置で取り付け方向への前記内容器の回動を停止させるストッパと、を有し、
前記介在部材が、前記内容器と前記外容器のいずれよりも高弾性であり、前記内容器の取り付け状態において前記底部で前記内容器と前記外容器の前記他方に接触する、[1]に記載のレフィル容器。
【0009】
[3]
前記内容器がガラス製である、[2]に記載のレフィル容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓋体を取り外す時の内容器の共回りを抑制できるレフィル容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態のレフィル容器を示す一部縦断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0013】
図1~
図2に示すように、本発明の一実施形態においてレフィル容器1は、外容器2、内容器3、蓋体4及び介在部材5を有する。内容器3は、図示しない内容物を収容する交換用容器である。内容物は特に限定されず、例えば化粧品、食品、薬品等である。
【0014】
蓋体4は蓋本体6とパッキン7を有する。外容器2と内容器3は容器本体8を構成する。外容器2、内容器3、蓋本体6及び介在部材5はそれぞれ一体成形物である。なおこれらの部材はそれぞれ一体成形物に限らず、例えば複数の部材を組み付けて構成してもよい。蓋体4はパッキン7を蓋本体6とは別体に有する構成に限らない。
【0015】
内容器3はガラス製であり、外容器2はオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂などの非エラストマー樹脂製であり、介在部材5はエラストマー樹脂製である。なおこれらの部材を形成する材料は上記に限らない。
【0016】
容器本体8は、外容器2と外容器2に取り付けられた内容器3とによって中心軸線Oを中心とする有底筒状部9を形成する。有底筒状部9は、胴部9aと胴部9aの下端部に連なる底部9bとを有し、胴部9aの上部は口部9cを構成し、胴部9aの上部以外の部分は胴本体部9dを構成する。
【0017】
なお、説明の便宜上、中心軸線Oに沿う方向を上下方向ともいい、中心軸線Oに沿って底部9bの側から口部9cの側に向かう方向を上方ともいい、その反対方向を下方ともいい、中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を径方向ともいい、中心軸線Oを周回する方向を周方向ともいい、中心軸線Oを含む断面を縦断面ともいう。
【0018】
レフィル容器1は、高さ(上下方向の幅)が径方向の幅よりも小さいジャー容器として構成される。なおレフィル容器1はこれに限らず、高さが径方向の幅よりも大きいボトル容器として構成してもよい。
【0019】
外容器2は、底壁10と、底壁10から上方に延在するとともに周方向に延在する周壁11と、を有する。内容器3は、底壁部12と、底壁部12から上方に延在するとともに周方向に延在する周壁部13と、を有する。底壁部12は底壁10よりも上方に配置される。底部9bは底壁部12と底壁10によって構成される。周壁部13は周壁11よりも径方向内側に配置される。胴本体部9dは周壁部13の一部と周壁11によって構成される。
【0020】
口部9cは内容器3(周壁部13)によって構成され、外容器2によっては構成されない。また口部9cは、胴本体部9dの上端から外径が段差状に縮径するとともに径方向の厚みが減少する円筒状をなす。
【0021】
口部9c(内容器3)は、図示しない内容器3用蓋を螺合によって着脱可能に構成される。なお口部9cはこれに限らず、例えば、螺合以外の係合によって内容器3用蓋を着脱可能に構成してもよい。口部9cは円筒状に限らず、例えば角筒状など、円筒状以外の筒状をなす構成としてもよい。
【0022】
容器本体8は、内容器3を外容器2に対して中心軸線Oを中心に回動させる第1螺合部14を有する。したがって、内容器3は、外容器2に第1螺合部14を介した回動によって着脱可能に取り付けられる。本実施形態では第1螺合部14は胴本体部9dに設けられるが、これに限らない。
【0023】
また容器本体8は、取り付けが完了する位置で取り付け方向への内容器3の回動を内容器3と外容器2の当接によって停止させるストッパ15を有する。したがって、取り付けが完了する位置を超えた過剰な回動によって第1螺合部14でねじが噛み込み、取り外しが難しくなることを抑制できる。特に本実施形態のように内容器3がガラス製である場合には、樹脂製の外容器2に対してねじの噛み込みが生じ易いので、ストッパ15による上記効果が顕著である。本実施形態ではストッパ15は第1螺合部14よりも上方に設けられるが、これに限らない。
【0024】
介在部材5は、外容器2に一体に設けられ、内容器3と外容器2のいずれよりも高弾性(すなわち、弾性限界が大きく、弾性率が小さい)であり、内容器3の取り付け状態において底部9bで内容器3に接触する。したがって、ストッパ15を設けることで生じやすくなる隙間を高弾性の介在部材5の弾性変位によって吸収し、ガタつきを抑制できる。
【0025】
また介在部材5は、外容器2よりも摩擦係数が高い。したがって、介在部材5を設けずに底部9bで内容器3を外容器2に接触させる場合よりも高い摩擦力を生じさせることができるので、内容器3の取り付け状態を良好に維持し易くできる。
【0026】
また容器本体8は、取り付けが完了した位置からの取り外し方向への内容器3の回動に対して内容器3と外容器2の凹凸形状同士の係合によって抵抗を与える抵抗部16を有する。抵抗部16は、内容器3を取り外し方向に回動させる力によって弾性変形させられることで内容器3と外容器2の係合を解消させ、抵抗を解消させる。抵抗部16によれば、内容器3の取り付け状態を良好に維持し易くできる。本実施形態では抵抗部16は第1螺合部14よりも上方に設けられるが、これに限らない。なお、抵抗部16を設けない構成としてもよい。
【0027】
介在部材5はインサート成形によって外容器2に一体に成形される。なお介在部材5を外容器2に一体に設ける手段はこれに限らず、例えば溶着、接着、嵌合などによって一体に設ける構成としてもよい。
【0028】
蓋体4は、頂部4aと頂部4aから下方に延在するとともに周方向に延在する蓋外周部4bとを有し、中心軸線Oを中心とする有頂筒状をなす。頂部4aは蓋本体6とパッキン7によって構成され、頂部4aにおいてパッキン7は蓋本体6よりも下方に設けられる。蓋外周部4bは蓋本体6によって構成され、パッキン7によっては構成されない。
【0029】
レフィル容器1は、蓋体4を容器本体8に対して中心軸線Oを中心に回動させる第2螺合部17を有する。したがって、蓋体4は、容器本体8に第2螺合部17を介した回動によって着脱可能に取り付けられる。本実施形態では第2螺合部17は胴本体部9dに設けられるが、これに限らない。
【0030】
蓋体4は、容器本体8に取り付けられることで口部9cの上面においてパッキン7を介して内容器3に密接する。したがって、蓋体4を容器本体8に取り付けることで内容器3を密封できる。
【0031】
本実施形態では蓋体4を取り外す時の外容器2に対する蓋体4の回動方向は、内容器3を取り外す時の外容器2に対する内容器3の回動方向と同じ(例えば上面視で反時計回り)である。したがって、蓋体4を取り外す時に内容器3が共回りすると、外容器2への内容器3の取り付け状態が不安定になる虞がある。
【0032】
しかし、本実施形態では介在部材5は蓋体4の取り付け状態においても底部9bで内容器3に接触する。また介在部材5は、上述したように外容器2よりも摩擦係数が高い。このため、蓋体4を取り外す時に、介在部材5を設けずに底部9bで内容器3を外容器2に接触させる場合よりも高い摩擦力を生じさせることができる。したがって本実施形態によれば、蓋体4を取り外す時の内容器3の共回りを抑制でき、外容器2への内容器3の取り付け状態を容易に維持することができる。
【0033】
また、口部9cが胴本体部9dの上端から外径が段差状に縮径するとともに径方向の厚みが減少する上述の構成によれば、蓋体4と内容器3の間の摩擦力を抑制し、共回りを抑制できるので、内容器3の取り付け状態を良好に維持し易くできる。なお、口部9cはこのような構成に限らない。
【0034】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0035】
したがって、前述した実施形態のレフィル容器1は、外容器2と外容器2に回動によって着脱可能に取り付けられた内容器3とによって口部9cと底部9bを有する有底筒状部9を形成する容器本体8と、容器本体8に回動によって着脱可能に取り付けられることで口部9cにおいて内容器3に密接する蓋体4と、内容器3と外容器2の一方に一体に設けられ、当該一方よりも摩擦係数が高く、蓋体4の取り付け状態において底部9bで内容器3と外容器2の他方に接触する介在部材5と、を有するレフィル容器1である限り変更可能である。
【0036】
例えば、介在部材5は、内容器3に一体に設けられ、内容器3よりも摩擦係数が高く、蓋体4の取り付け状態において底部9bで外容器2に接触する構成としてもよい。内容器3は、外容器2に螺合部以外の係合部を介した回動によって着脱可能に取り付けられる構成としてもよい。蓋体4は、容器本体8に螺合部以外の係合部を介した回動によって着脱可能に取り付けられることで口部9cにおいて内容器3に密接する構成としてもよい。ストッパ15を設けない構成としてもよい。介在部材5は、内容器3と外容器2のいずれよりも高弾性である構成に限らない。
【符号の説明】
【0037】
1 レフィル容器
2 外容器
3 内容器
4 蓋体
4a 頂部
4b 蓋外周部
5 介在部材
6 蓋本体
7 パッキン
8 容器本体
9 有底筒状部
9a 胴部
9b 底部
9c 口部
9d 胴本体部
10 底壁
11 周壁
12 底壁部
13 周壁部
14 第1螺合部
15 ストッパ
16 抵抗部
17 第2螺合部
O 中心軸線