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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049315
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】模型玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/04 20060101AFI20240402BHJP
   A63H 17/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
A63H3/04 A
A63H17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093285
(22)【出願日】2023-06-06
(62)【分割の表示】P 2022155249の分割
【原出願日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊
(72)【発明者】
【氏名】染谷 潤
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA01
2C150CA09
2C150CA27
2C150DC02
2C150EH06
2C150EH08
2C150EH09
2C150EH16
2C150FD06
(57)【要約】
【課題】本発明は、模型玩具において、形態の変形に関わる新規な仕組みを提供する。
【解決手段】本模型玩具は、第1形態から第2形態に変形可能であり、第1部分と、第1形態において第1部分に接続され、第2形態へ変形する際に第1部分の少なくとも一部が摺動可能な第2部分とを備え、前記第2部分は、第1形態において回動可能な回動機構を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1形態から第2形態に変形可能な模型玩具であって、
第1部分と、
前記第1形態において前記第1部分に接続され、前記第2形態へ変形する際に前記第1部分の少なくとも一部が摺動可能な第2部分と
を備え、
前記第2部分は、前記第1形態において回動可能な回動機構を有することを特徴とする模型玩具。
【請求項2】
前記第1部分の少なくとも一部が摺動することにより、前記回動機構の回動を阻止することを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記第2部分は、前記回動機構の回動の回動軸であって、且つ挿入部を含む前記回動軸を有し、
前記第1部分は、前記挿入部に挿入される棒部を有し、
前記棒部は、前記第1形態において前記挿入部に一部が挿入され、前記第2形態において前記挿入部にさらに挿入されて貫通することにより、前記回動機構の回動を阻止することを特徴とする請求項2に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記第2形態において、前記挿入部を貫通した前記棒部の一部は、前記第2部分に形成された受け入れ部に挿入されることを特徴とする請求項3に記載の模型玩具。
【請求項5】
前記第1部分は、前記第1形態において前記第1部分の少なくとも一部の摺動を防止するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項6】
前記ストッパ部材は、前記第2部分の一部に当接することにより前記第1部分の少なくとも一部の摺動を防止し、
前記第2部分の一部は凹形状で形成され、
前記ストッパ部材は、前記第2部分の一部に当接した状態を維持して、前記回動機構による回動に従って回動することを特徴とする請求項5に記載の模型玩具。
【請求項7】
前記ストッパ部材は、前記第2形態へ変形する際に回転することによって、前記当接した前記第2部分の一部から離間することを特徴とする請求項6に記載の模型玩具。
【請求項8】
前記ストッパ部材は、前記第2形態において、他のパーツへの接続部となることを特徴とする請求項7に記載の模型玩具。
【請求項9】
前記第1部分及び前記第2部分は、前記模型玩具の胴体部を形成し、
前記第1部分には前記模型玩具の頭部が連結され、
前記第2形態において前記頭部の少なくとも一部が前記胴体部に収納されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の模型玩具。
【請求項10】
前記第2部分にはさらに脚部が接続され、前記回動機構の回動に連動して前記脚部が回動することを特徴とする請求項9に記載の模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
人間や動物の動きに近い動作やポージングを実現すべく、人形玩具(模型玩具)には種々の関節や可動部が含まれる。また、模型玩具には複数の形態へ変形可能なものがあり、この場合においては関節等の可動機構に加えて変形に関する機構も有する。特許文献1には、ある形態からロボット形態へ展開することを阻止する展開係止手段を設け、当該展開係止手段をロボットの構成部材の中に形成する変形ロボット玩具を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63-85292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では単に他の形態へ変形することを阻止する方法について検討されているものの、以下のような構成について検討されていない。例えば、変形前の形態では可動させたい場合であっても変形後の形態においては可動を固定したい場合もある。具体的には、変形前の形態においてより自然な動作やポージングを可能とする可動機構が、変形後の形態において自由に動作可能とすると、不自然な動作やポージングが可能となってしまうことがある。このように、模型玩具においては、形態の変形に関わる機構として種々の機能が要求されており、それらの機能に対応する新規な仕組みが要望されている。
【0005】
本発明は、例えば、模型玩具において、形態の変形に関わる新規な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、第1形態から第2形態に変形可能な模型玩具であって、第1部分と、前記第1形態において前記第1部分に接続され、前記第2形態へ変形する際に前記第1部分の少なくとも一部が摺動可能な第2部分とを備え、前記第2部分は、前記第1形態において回動可能な回動機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、模型玩具において、形態の変形に関わる新規な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】一実施形態に係る模型玩具の一形態の(a)外観正面及び(b)外観側面の一例を示す図。
図1B】一実施形態に係る模型玩具の変形形態の(a)外観平面及び(b)外観側面の一例を示す図。
図2】一実施形態に係る模型玩具の上体部の(a)(b)正面及び側面(c)の一例を示す図。
図3】一実施形態に係る模型玩具の上体部の分解図。
図4】一実施形態に係る模型玩具の上体部の回動機構を示す図。
図5】一実施形態に係る模型玩具の上体部における変形形態へのストッパを示す図。
図6】一実施形態に係る模型玩具の上体部におけるロック機構の一例を示す図。
図7】一実施形態に係る模型玩具の上体部における可動の安定構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<模型玩具の外観>
まず図1Aを参照して、本実施形態に係る模型玩具100の外観構成の一例について説明する。図1A(a)は模型玩具100の外観正面を示し、図1A(b)は模型玩具100の外観側面を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における模型玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0011】
模型玩具100は、本体部を構成する頭部101、胴体部102、腕部103a、103b、脚部104a、104b、及び翼部105を備える。本実施形態では模型玩具の一例として人型ロボットを例に説明するが、本発明を限定する意図はなく、本発明は人、動物、ロボット、昆虫、恐竜、武具、装飾具等、様々な模型に適用することができる。また、本実施形態に係る模型玩具100は、第1形態であるロボット形態から図1Bに示す第2形態である飛行形態へ変形することができる。
【0012】
頭部101は、胴体部102に連結される。胴体部102には、さらに側部において右腕部103b及び左腕部103aが連結部材によって連結され、下部において右脚部104b及び左脚部104aが連結される。さらに、胴体部102の背面には、第2形態である飛行形態へ変形した際の翼となる翼部105が連結される。なお、以下では、頭部101及び胴体部102を含む部分を上体部と称する。
【0013】
<変形形態>
次に図1Bを参照して、本実施形態に係る模型玩具100の変形形態を説明する。図1B(a)は模型玩具100の外観平面を示し、図1B(b)は変形後の模型玩具の外観側面を示す。なお、図1Bの模型玩具100の向きを示す矢印は飛行形態時の方向を示すものである。
【0014】
図1B(a)に示すように、本実施形態に係る模型玩具100は、ロボット形態(第1形態)から頭部101を胴体部102へ押し下げ、腕部103や脚部104等を回動させることにより、飛行形態(第2形態)へ変形することができる。また、飛行形態では、図1B(b)に示すように、ロボット形態において背面に位置していた翼部105が上部に位置し、その下部に胴体部102や腕部103が収まるように位置する。なお、胴体部102には、頭部101の少なくとも一部が押し下げられて収納される。
【0015】
このように、本実施形態に係る模型玩具100によれば、ロボット形態から飛行形態へ変形するために、頭部101を胴体部102へ押し下げることにより、その少なくとも一部を胴体部102に収納して上体部を縮小させ、翼部105に覆われる状態とする。ここで、頭部101を胴体部102へ押し下げる摺動機構については、ロボット形態において自然な動作を実現するためには動きを制限することが望ましい。また、ロボット形態においてはより自然な動作を実現するために胴体部102の可動領域をできるだけ広げることが望ましく、本実施形態においては後述する回動機構を有する。一方で、飛行形態においては、不自然な動作の一因となる胴体部102の回動を阻止することが望ましい。本実施形態では、これらの機能をできる限り少ないパーツで好適に実現するものであり、以下に詳細に説明する。
【0016】
<上体部の構成>
次に図2及び図3を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の上体部の構成について説明する。図2(a)は上体部の正面図を示す。図2(b)は図2(a)に示す上体部から前面の部材を取り除いた正面図を示す。図2(c)は図2(b)の側面図を示す。図3は内部構造201の詳細構成を示す。
【0017】
ロボット形態から飛行形態へ変形する際に、図2(a)に示す状態から、前面の部材が頭部101の上方へ押し上げられる。そして、図2(b)及び図2(c)に示すように、胴体部102の内部構造201が露出する。内部構造201では、頭部101の少なくとも一部が押し下げられて収納されるスペースが確保されている。なお、図2(b)及び図2(c)では、上記押し上げられた部分は不図示としている。
【0018】
図3の左側には、図2(b)に示す上体部の構成を分解した様子を示す。上体部は、頭部101、及びパーツ群300、310を備える。さらに、パーツ群300は、第1部分に相当し、パーツ301~305を備える。パーツ群310は、第2部分に相当し、パーツ311~315を備える。頭部101は、パーツ群300のパーツ305に連結される。パーツ305は上部に球形状の連結部と、下部にパーツ301の棒形状の連結部に回転可能に接続されるC字形状の把持部とを有する。上記球形状の連結部には、頭部101が回動可能に連結される。従って、頭部101は、胴体部102に対して、球形状の連結部に対して他のパーツの制限の範囲内で全方向に回動可能に接続されるとともに、さらにパーツ305の回転に伴って上下方向に回動することができる。また、パーツ301には、両側面からパーツ302、303が組み付けられる。さらに、パーツ301の前方には、パーツ304が上下方向に回転可能に組み付けられる。なお、第1部分が模型玩具100の胸部の一部に相当し、第2部分が腹部(腰部)の一部に相当するように構成してもよい。
【0019】
パーツ群(第1部分)300は、ロボット形態から飛行形態へ変形する際に頭部101を上下させるための摺動部として機能する。摺動部であるパーツ群300は、パーツ群(第2部分)310に対してパーツ303の下部に設けられた棒部が挿入されることにより、パーツ群300及び頭部101を下方向に押し下げる(摺動する)ことができる。上記棒部は、パーツ群310のパーツ311に形成された円筒形状の受け入れ部に挿入される。また、パーツ304は、パーツ301に対して上下方向に回転可能に連結される。ロボット形態においては、パーツ304は、パーツ311の一部に当接し、上記摺動動作のストッパ(制止部材)として機能する。一方、飛行形態へ変形する際には、ストッパを解除するために上方向に回転され、頭部101及びパーツ群300を下方に摺動させることができる。
【0020】
パーツ群310において、パーツ314は胴体部102の背面側のパーツに相当する。パーツ314は、腕部103や翼部105を連結する連結部を有する。さらに、パーツ314の中央部には、パーツ311を挿入する円筒形状の挿入部が形成されている。パーツ311は、胴体部102の下部のパーツに相当し、腰部に相当するパーツ312、313が両側面から接続される。さらに、パーツ312、313には、それぞれ脚部104b、104aが接続される。従って、パーツ311がパーツ314に対して回動する動作に追従して、胴体部102の下部に加えて、脚部104が連動して回動する。また、パーツ311がパーツ314に回動可能に連結される連結部は円筒形状をしており、内部に空洞部を有する。当該空洞部には、点線矢印に示すように、パーツ315が回動軸として外側から接続されてパーツ314まで挿入される。これによりパーツ311がパーツ314へ回動可能に組み付けられる。なお、パーツ315には、パーツ303の棒部を挿入する挿入部が形成される。当該挿入部をパーツ303の棒部が貫通すると、パーツ314に対するパーツ311の回動動作が阻止される。詳細については後述する。
【0021】
<回動機構>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る胴体部102の回動機構について説明する。図4(a)乃至図4(c)はパーツ群(第1部分)300とパーツ群(第2部分)310の詳細な組立手順を示す。
【0022】
図3に示すパーツ群300、310をそれぞれ組み立て、図4(a)に示すように、パーツ群310のパーツ311に形成された円筒形状の空洞部403にパーツ315の棒部402が挿入される。これにより、図4(b)の実線矢印に示すようにパーツ群310の一部が不図示のパーツ314に対して回動可能に組み付けられる。さらに、図4(b)の点線矢印に示すように、パーツ315の挿入部404に対して上方から、パーツ群300のパーツ303の下部に形成された棒部401の一部が挿入される。
【0023】
図4(c)はパーツ群300をパーツ群310へ組み付けた状態を示す。この状態は、模型玩具100におけるロボット形態の通常状態であり、実線矢印に示すように、不図示のパーツ314に対してパーツ群310の一部とその下部に組み付けられる脚部104とが回動可能に連結される。これは、パーツ315の挿入部404を棒部401が貫通しておらず、パーツ311の内部に形成された受け入れ部405へ挿入されていないためである。つまり、ロボット形態においては上記回動機構のロック機構が機能しない状態となり、ロボット形態において多彩なポージングや自然な動作を実現するための回動機構を有効に機能させることができる。
【0024】
<ストッパ構成>
次に図5を参照して、本実施形態に係る模型玩具100における変形形態へのストッパ構成の一例について説明する。図5(a)はロボット形態(第1形態)における上体部の内部構造を示す側面図である。図5(b)及び図5(c)は図5(a)から飛行形態(第2形態)への変形手順を示す。なお、頭部101については点線で示す。頭部101は、実際にはパーツ305の球形状の連結部に連結される。
【0025】
図5(a)に示すように、ロボット形態においては、ストッパ部材であるパーツ304が第2部分であるパーツ群310のパーツ311に当接している。したがって、この状態でパーツ群300及び頭部101を下方向へ押し下げるように力を加えたとしても、パーツ304が支えることによってパーツ群300及び頭部101の摺動を防止することができる。これにより、ロボット形態において頭部101が下方向に下がるなどの不自然な動作を防止することができる。
【0026】
一方、模型玩具100においてロボット形態(第1形態)から飛行形態(第2形態)へ変形する際には、図5(b)の矢印に示すように、ストッパ部材であるパーツ304を上方向へ回転して押し上げられる。これにより、パーツ311の一部に当接していたパーツ304が当該パーツ311から離間することになる。さらに、図5(c)の矢印に示すように、頭部101及びパーツ群300が下方向へ摺動される。図5(b)の状態では棒部401の一部のみがパーツ315の挿入部404に対して挿入された状態である。しかし、上記摺動動作によって、図5(c)に示すように、棒部401が挿入部404を貫通して受け入れ部405へ挿入される。これにより、頭部101及びパーツ群300の少なくとも一部がパーツ群310へ収納され、上体部を縮小することができる。なお、回転させたパーツ304は、飛行形態において、他のパーツを接続するための接続部として機能してもよい。
【0027】
<ロック機構>
次に図6を参照して、本実施形態に係る飛行形態において少なくとも1つの可動を阻止するロック機構について説明する。図6(a)はロック機構を解除したロボット形態(第1形態)の上体部の正面を示す。図6(b)はロック機構を有効に機能させた飛行形態(第2形態)の上体部の正面を示す。なお、図6では簡略化するために、ストッパ部材であるパーツ304を不図示としている。
【0028】
図6(a)に示すロボット形態において、パーツ群310は、点線で示すように矢印方向に回動することができる。ここでの回動はパーツ315が回動軸となる。不図示ではあるが、当該回動動作に伴って、パーツ群310に連結される脚部104も追従して回動する。
【0029】
図6(b)はパーツ群300を下方向に摺動させて、棒部401がパーツ315の挿入部404を貫通し、パーツ311に形成された受け入れ部405へ挿入された様子を示す。ここで、棒部401の一部は受け入れ部405の内壁に囲まれており、例えば上記回動動作を行わせるように力を加えたとしても、受け入れ部405の内壁に棒部401が当接して回動動作が防止される。このように、本実施形態に係るロック機構は一例として閂のような機構を適用しているが、その他のロック機構が適用されてもよい。
【0030】
<回動の安定>
次に図7を参照して、本実施形態に係るストッパ部材による他の機能について説明する。図7の左側はパーツ群300、310の一部のパーツの正面を示す。また、点線領域700内の各パーツの拡大図を点線領域710に示す。
【0031】
ロボット形態において、ストッパ部材であるパーツ304は、パーツ311の一部に当接して飛行形態へ変形する際の摺動動作を阻止している。ここで、点線領域700を拡大した点線領域710に示すように、パーツ304が当接するパーツ311の一部は凹形状で形成されていることが分かる。
【0032】
また点線領域720、730は、パーツ群310をパーツ314に対して左右に回動させた状態を示す。上述のようにパーツ304が当接するパーツ311の一部を凹形状で形成することにより、上記回動動作を行わせた場合であっても、パーツ304の当接を維持することができる。これにより、安定した状態で回動を行わせることができる。例えば、凹形状で形成した部分を平らに形成したとすると、パーツ群310を左右に回動させた際にパーツ304がパーツ311の一部から離間してしまう。このような状態が発生すると、パーツ群300の下方向への摺動動作を防止するストッパ機能が無効となり、例えば頭部101などが上記回動動作に合わせて上下に不安定に摺動動作を行ってしまう。このような不安定な動作を防止するため、本実施形態においてはストッパ部材であるパーツ304が当接するパーツ311の一部を凹形状で形成している。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る模型玩具は、第1形態から第2形態に変形可能であり、第1部分と、第1形態において第1部分に接続され、第2形態へ変形する際に第1部分の少なくとも一部が摺動可能な第2部分とを備え、前記第2部分は、第1形態において回動可能な回動機構を有する。本実施形態によれば、第1形態においては、自然な動作や多彩なポージングを実現するための回動機構が有効に機能することができる。また、第2部分は、第2形態へ変形する際に第1部分の少なくとも一部が摺動することにより、第2部分の回動機構の回動を阻止する。本実施形態によれば、第2形態においては、そのような回動動作が不自然な印象となるため、当該動作を阻止することができる。このように、第1形態から第2形態への所定の部分の摺動動作により、所定の部分(上体部)を縮小(変形)させるとともに、上記回動機構を阻止することができる。本実施形態によれば、変形形態に関わる新規な仕組みを提供することができる。
【0034】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば模型玩具の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【0035】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の模型玩具、及び関節構造を少なくとも開示する。
【0036】
(1)第1形態から第2形態に変形可能な模型玩具であって、
第1部分と、
前記第1形態において前記第1部分に接続され、前記第2形態へ変形する際に前記第1部分の少なくとも一部が摺動可能な第2部分と
を備え、
前記第2部分は、前記第1形態において回動可能な回動機構を有することを特徴とする模型玩具。
【0037】
(2)前記第1部分の少なくとも一部が摺動することにより、前記回動機構の回動を阻止することを特徴とする(1)に記載の模型玩具。
【0038】
(3)前記第2部分は、前記回動機構の回動の回動軸であって、且つ挿入部を含む前記回動軸を有し、
前記第1部分は、前記挿入部に挿入される棒部を有し、
前記棒部は、前記第1形態において前記挿入部に一部が挿入され、前記第2形態において前記挿入部にさらに挿入されて貫通することにより、前記回動機構の回動を阻止することを特徴とする(1)または(2)に記載の模型玩具。
【0039】
(4)前記第2形態において、前記挿入部を貫通した前記棒部の一部は、前記第2部分に形成された受け入れ部に挿入されることを特徴とする(3)に記載の模型玩具。
【0040】
(5)前記第1部分は、前記第1形態において前記第1部分の少なくとも一部の摺動を防止するストッパ部材を備えることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1つに記載の模型玩具。
【0041】
(6)前記ストッパ部材は、前記第2部分の一部に当接することにより前記第1部分の少なくとも一部の摺動を防止し、
前記第2部分の一部は凹形状で形成され、
前記ストッパ部材は、前記第2部分の一部に当接した状態を維持して、前記回動機構による回動に従って回動することを特徴とする(5)に記載の模型玩具。
【0042】
(7)前記ストッパ部材は、前記第2形態へ変形する際に回転することによって、前記当接した前記第2部分の一部から離間することを特徴とする(6)に記載の模型玩具。
【0043】
(8)前記ストッパ部材は、前記第2形態において、他のパーツへの接続部となることを特徴とする(6)又は(7)に記載の模型玩具。
【0044】
(9)前記第1部分及び前記第2部分は、前記模型玩具の胴体部を形成し、
前記第1部分には前記模型玩具の頭部が連結され、
前記第2形態において前記頭部の少なくとも一部が前記胴体部に収納されることを特徴とする(1)乃至(8)の何れか1つに記載の模型玩具。
【0045】
(11)前記第2部分にはさらに脚部が接続され、前記回動機構の回動に連動して前記脚部が回動することを特徴とする(9)又は(10)に記載の模型玩具。
【符号の説明】
【0046】
100:模型玩具、101:頭部、102:胴体部、103a、103b:腕部、104a、104b:脚部、105:翼部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7