(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024049331
(43)【公開日】2024-04-09
(54)【発明の名称】微調整用圧力調節装置
(51)【国際特許分類】
F16K 3/24 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
F16K3/24 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123832
(22)【出願日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0123392
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523288798
【氏名又は名称】ウンス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】ペク ウン
【テーマコード(参考)】
3H053
【Fターム(参考)】
3H053AA35
3H053BA03
3H053CA06
3H053DA12
(57)【要約】
【課題】本発明は、微調整用圧力調節装置に関し、簡単な構造で形成し、流体の圧力がステムを回転させないことにより、製品の信頼性を向上させることができる微調整用圧力調節装置を提供する。
【解決手段】本発明は、回転手段500がステム200を回転させる角度に応じて、ステム流入案内孔310が流入口120と対向するように位置すると、流入口120に流入する流体が、ステム流入案内孔310及びステム空間部210を通って流出口130に流出し、ステム流入案内孔310が流入口120と対向しないように位置すると、流入口120に流入する流体がステム流入案内孔220に案内されないように遮断される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の長手方向に沿って長い形状のハウジング空間部が形成され、一側に前記ハウジング空間部の一側方向に連通するように流入口が形成され、他側に前記ハウジング空間部の他側方向に連通するように流出口が形成されるハウジングと、
前記ハウジング空間部に回転可能に設けられ、前記流入口と対向する一側にステム流入案内孔が形成され、前記流出口と対向する他側にステム流出案内孔が形成され、内部に前記ステム流入案内孔と前記ステム流出案内孔とを相互に連通させるために空き空間のステム空間部が形成されるステムと、
前記ステムを回転させる回転手段と、を含み、
前記回転手段が前記ステムを回転させる角度に応じて、前記ステム流入案内孔が前記流入口と対向するように位置すると、前記流入口に流入する流体が、前記ステム流入案内孔及び前記ステム空間部を通って前記流出口に流出し、前記ステム流入案内孔が前記流入口と対向しないように位置すると、前記流入口に流入する流体が前記ステム流入案内孔に案内されないように遮断されることを特徴とする微調整用圧力調節装置。
【請求項2】
前記流出口は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と連通するように延び、
前記回転手段は、前記ハウジング空間部の長手方向の他端部に位置した状態で前記ステムを回転させ、
前記ステム流出案内孔は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と対向する前記ステムの長手方向の一端部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の微調整用圧力調節装置。
【請求項3】
前記ステムの外周縁を包むように形成されるチューブをさらに含み、
前記流入口と対向する前記チューブの一側にチューブ流入案内孔が形成され、前記流出口と対向する前記チューブの他側にチューブ流出案内孔が形成され、
相互に接触するチューブの外周縁と前記ハウジング空間部の内周縁との間は気密に接触することを特徴とする請求項1に記載の微調整用圧力調節装置。
【請求項4】
前記流出口は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と連通するように延び、
前記回転手段は、前記ハウジング空間部の長手方向の他端部に連結された状態で前記ステムを回転させ、
前記ステム流出案内孔は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と対向する前記ステムの長手方向の一端部に形成され、
前記チューブ流出案内孔は、前記ステム流出案内孔と対向する前記チューブの一端部に形成され、
前記チューブの両側に一対のOリングがそれぞれ嵌められ、一対の前記Oリングの間に前記チューブ流入案内孔が位置することを特徴とする請求項3に記載の微調整用圧力調節装置。
【請求項5】
前記ステムは、円柱状に形成され、
前記ステム空間部は、前記ステムの内部の長手方向に沿って長い形態でステム軸の中心に形成され、
前記チューブは、前記ステムが挿入されるように内部が空洞の円柱状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の微調整用圧力調節装置。
【請求項6】
前記回転手段と前記ハウジングとの間に形成される位置案内部をさらに含み、
前記位置案内部の内部には、連結部が回転可能に位置し、
前記連結部の一端部は、前記回転手段に連結され、前記連結部の他端部は、前記ステムに連結され、前記連結部の一端部と他端部との間の外周縁の一側にマーカー部が形成され、
前記位置案内部の一側には、前記連結部の外周縁の一側が外部に露出するように露出孔が形成され、
前記連結部が前記ステムに従って回転するにつれて、前記露出孔を介してマーカー部が外部に露出すると、前記ステム流入案内孔が前記流入口に対向するように位置し、前記露出孔を介して前記マーカー部が外部に露出されないと、前記ステム流入案内孔が前記流入口と対向しないように位置することを特徴とする請求項1に記載の微調整用圧力調節装置。
【請求項7】
前記回転手段は、前記ステムに連結されるサーボモータを含むことを特徴とする請求項1に記載の微調整用圧力調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微調整用圧力調節装置(Pressure regulator with fine control)に関し、より詳細には、簡単な構造で形成し、流体の圧力がステムを回転させないことにより、製品の信頼性を向上させることができる微調整用圧力調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、医療現場では、例えば、カテーテルを用いて流体を患者に供給する場合が多い。このようなカテーテルには、薬物の流れ、圧力、及び方向などを制御したり、あるいは遮断するためのバルブが取り付けられている。又、産業現場では、配管内を流れる流体の流量、方向、及び圧力などを制御するための各種バルブが提供される。
【0003】
一般的に、バルブは、流体の通路を選択的に開閉したり、あるいは過圧を防止するなどの機能をするものであり、例えば、チェックバルブ、三方バルブ、バタフライバルブ、ボールバルブ、及びチューブバルブなどがある。
【0004】
このようなバルブは、流体の円滑な移動又は遮断が滞りなく繰り返し動作することを必要とし、使用中に正しく動作しないと大きな事故を引き起こす可能性もある。そのために、バルブをできるだけ簡単な構造で形成し、動作する部品の数を少なく設計することがよい。部品の数が多い複雑な構造は、部品の数が多いほど部品が不適切に動作する確率が高くなり、これは故障につながる可能性も高くなるためである。
【0005】
しかしながら、従来のバルブは、流体の円滑な移動又は流体の正確な遮断に偏りすぎ、部品の数が多くなり、バルブの形態が複雑になる傾向があり、これは、製品の信頼性を低下させ、このような複雑な形態は、製品の製造コストを高めるという問題がある。
【0006】
一方、従来のバルブに関する従来技術として、特許文献1に開示された先行技術を参照すると、回転軸とバルブディスクとの拘束結合力が増大したバタフライバルブが提示されている。
【0007】
特許文献1は、バルブディスクに流体圧力が加わるため、回転軸に結合力を増大させなければならない。このような問題点を解決するために、バルブ本体の内部でバルブディスクの回転軸を拘束する装置を用いて、バルブディスクと回転軸の構造的な拘束結合力を増大するように構成される。
【0008】
又、特許文献2に開示された先行技術2を参照すると、スプール回転式方向切り替えバルブが提示されている。このような特許文献2は、連結ポートが形成されたケースと、ケースに回転可能に内設されるスプールとを含む。このような特許文献2は、スプールの流体通路がスプールの外郭に形成されるため、流体が流れる過程でスプールを回転させる力が発生するという問題点がある。
【0009】
又、従来の先行技術は、外部でバルブが開状態であるか、又は閉状態であるかが正確に分からないので、バルブを管理する管理者がバルブの状態を間違えてしまった場合、深刻な結果をもたらす可能性もあるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国特開第10-2018-0109314号公報
【特許文献2】大韓民国特登第10-0665350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、簡単な構造で形成し、流体の圧力がステムを回転させないことにより、製品の信頼性を向上させることができる微調整用圧力調節装置を提供することである。
【0012】
又、本発明の他の目的は、外部でバルブの状態が現在開状態であるか、又は閉状態であるかを視覚的に分かるようにし、患者に正確に流体を移動又は遮断させることができる微調整用圧力調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するための本発明による微調整用圧力調節装置は、内部の長手方向に沿って長い形状のハウジング空間部が形成され、一側に前記ハウジング空間部の一側方向に連通するように流入口が形成され、他側に前記ハウジング空間部の他側方向に連通するように流出口が形成されるハウジングと、前記ハウジング空間部に回転可能に設けられ、前記流入口と対向する一側にステム流入案内孔が形成され、前記流出口と対向する他側にステム流出案内孔が形成され、内部に前記ステム流入案内孔と前記ステム流出案内孔とを相互に連通させるために空き空間のステム空間部が形成されるステムと、前記ステムを回転させる回転手段と、を含み、前記回転手段が前記ステムを回転させる角度に応じて、前記ステム流入案内孔が前記流入口に対向するように位置すると、前記流入口に流入する流体が前記ステム流入案内孔及び前記ステム空間部を通って前記流出口に流出し、前記ステム流入案内孔が前記流入口と対向しないように位置すると、前記流入口に流入する流体が前記ステム流入案内孔に案内されないように遮断されることを特徴とする。
【0014】
又、前記流出口は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と連通するように延び、前記回転手段は、前記ハウジング空間部の長手方向の他端部に位置した状態で前記ステムを回転させ、前記ステム流出案内孔は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と対向する前記ステムの長手方向の一端部に形成されることを特徴とする。
【0015】
又、前記ステムの外周縁を包むように形成されるチューブをさらに含み、前記流入口と対向する前記チューブの一側にチューブ流入案内孔が形成され、前記流出口と対向する前記チューブの他側にチューブ流出案内孔が形成され、相互に接触する前記チューブの外周縁と前記ハウジング空間部の内周縁との間は気密に接触することを特徴とする。
【0016】
又、前記流出口は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と連通するように延び、前記回転手段は、前記ハウジング空間部の長手方向の他端部に連結された状態で前記ステムを回転させ、前記ステム流出案内孔は、前記ハウジング空間部の長手方向の一端部と対向する前記ステムの長手方向の一端部に形成され、前記チューブ流出案内孔は、前記ステム流出案内孔と対向する前記チューブの一端部に形成され、前記チューブの両側に一対のOリングがそれぞれ嵌められ、一対の前記Oリングの間に前記チューブ流入案内孔が位置することを特徴とする。
【0017】
又、前記ステムは、円柱状に形成され、前記ステム空間部は、前記ステムの内部の長手方向に沿って長い形態でステム軸の中心に形成され、前記チューブは、前記ステムが挿入されるように内部が空洞の円柱状に形成されることを特徴とする。
【0018】
又、前記回転手段と前記ハウジングとの間に形成される位置案内部をさらに含み、前記位置案内部の内部には、連結部が回転可能に位置し、前記連結部の一端部は、前記回転手段に連結され、前記連結部の他端部は、前記ステムに連結され、前記連結部の一端部と他端部との間の外周縁の一側にマーカー部が形成され、前記位置案内部の一側には、前記連結部の外周縁の一側が外部に露出するように露出孔が形成され、前記連結部が前記ステムに従って回転するにつれて、前記露出孔を介して前記マーカー部が外部に露出すると、前記ステム流入案内孔が前記流入口と対向するように位置し、前記露出孔を介して前記マーカー部が外部に露出しない場合は、前記ステム流入案内孔が前記流入口と対向しないように位置することを特徴とする。
【0019】
又、前記回転手段は、前記ステムに連結されるサーボモータを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明による微調整用圧力調節装置は、ステムを回転させる簡単な構造でステム流入案内孔を開けることができるように構成するので、部品の数を最小限に減らすことができ、製品の信頼性を向上させ、製品の製造コストを低減することができる効果がある。
【0021】
そして、ステムがハウジング空間部に挿入されるように位置し、ステム空間部の中心部と、ステム流入案内孔と流入口とが互いに一列に位置するので、流入口に流入する流体がステム流入案内孔を通ってステム空間部に移動する過程で、流体がステム空間部の中心部に案内され、流体がステムに圧力を加えず、小さな力でステムを回転させることができ、これにより、ステムの微細な回転調整が可能な効果がある。
【0022】
又、ステムの微細な回転調整が可能であるので、流入口と対向するステム流入案内孔の面積を微細に調整することができ、流入口からステム流入案内孔に流入する流体の量を微細に調整できる効果がある。
【0023】
又、マーカー部が外部に露出するか否かに応じて、外部でステム流入案内孔の状態が現在開状態であるか、又は閉状態であるかが視覚的に分かるので、患者に正確に流体を移動又は遮断させることができるように制御できる効果がある。
【0024】
又、ステム及びチューブが円柱状に形成され、ステム空間部がステムの内部の長手方向に沿って長く形成されるので、ステム及びチューブは、簡単な構造で形成され、コストの低い射出成形が可能な効果がある。
【0025】
又、チューブとハウジング空間部との間が気密に接触するため、ステム流入案内孔の閉状態で、流入口に流入する流体は流出口に移動できず、バルブの信頼性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の分解図である。
【
図2】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のハウジング空間部と収容部を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のハウジング空間部に設けられるステムとチューブを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のハウジング空間部に設けられるステムとチューブの断面図である。
【
図5】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の開状態の断面図である。
【
図6】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の閉状態でマーカー部が外部に露出しない状態を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の閉状態の断面図である。
【
図8】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のサブOリングの他の例を説明するために示す図である。
【
図9】本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のサブOリングの他の例を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるように、本発明の最も望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施形態により限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の分解図であり、
図2は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のハウジング空間部と収容部を示す図である。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置は、ハウジング100、ステム200、チューブ300、位置案内部400、連結部450及び回転手段500を含む。
【0030】
ハウジング100は、ほぼ六面体などの形状に形成されるものであって、内部の長手方向に沿って上下方向に長い形状のハウジング空間部110が形成される。ハウジング空間部110にステム200及びチューブ300が位置する。ステム200及びチューブ300については後述する。そして、ハウジング100の外側の一側にハウジング空間部110の一側方向に連通するように流入口120が凹状に形成され、ハウジング100の外側の他側にハウジング空間部110の他側方向に連通するように流出口130が凹状に形成される。
【0031】
位置案内部400は、ハウジング100の上側に取り付けられるものであって、後述する回転手段500とハウジング100との間に位置する。位置案内部400の内部には、空き空間の収容部410が備えられ、収容部410の一側は、外部に露出するように露出孔420が貫通形成される。収容部410の下側は、ハウジング空間部110の上側と連通するように構成され、ハウジング空間部110に位置するステム200が収容部410に位置する連結部450 と連結されるように構成される。
【0032】
連結部450は、例えば、円柱状などに形成され、位置案内部400の収容部410に回転可能に位置する。そして、連結部450の上端部は、回転手段500に連結され、連結部450の下端部は、ステム200に連結される。そして、連結部450の上端部と下端部との間の外周縁の一側にマーカー部460が形成される。マーカー部460は、外部から識別しやすいマークであり、例えば、目の形状などに形成することができる。そして、位置案内部400の一側には、連結部450の外周縁の一側が外部に露出するように露出孔420が形成されるので、連結部450の回転角度に応じてマーカー部460が露出孔420を介して外部に露出したり、又は露出しないように構成される。
【0033】
回転手段500は、回転本体510とモータ(図示せず)とを含む。回転本体510は、位置案内部400の上側に取り付けられる。モータは、回転本体510に挿入されるものであり、回転角度を微細に調整できるサーボモータを含むことができる。このようなモータは、連結部450と連結されて連結部450を回転させ、連結部450はステム200を回転させる。
【0034】
図3は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のハウジング空間部に設けられるステムとチューブを示す図であり、
図4は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のハウジング空間部に設けられるステムとチューブの断面図である。
【0035】
図を参照すると、ステム200は、円柱状などに形成され、ハウジング空間部110に回転可能に設けられる。そして、流入口120と対向するステム200の一側にステム流入案内孔220が形成され、流出口130と対向するステム200の他側にステム流出案内孔230が形成される。そして、ステム200の内部の長手方向に沿ってステム流入案内孔220とステム流出案内孔230とを相互に連通するように空き空間のステム空間部210(
図5を参照)が形成される。
【0036】
ステム200の上端部は、連結部450を介してモータと連結され、モータの回転力によってステム200が回転するように構成される。このとき、流出口130は、ハウジング空間部110の長手方向の下端部と連通するように延び、モータは、ハウジング空間部110の長手方向の上端部に位置した状態でステム200を回転させ、ステム流出案内孔230は、ハウジング空間部110の長手方向の下端部と対向するステム200の長手方向の下端部に形成される。すなわち、流出口130及びステム流出案内孔230は、ステム200の回転軸の下端に位置し、ステム200が回転しても流出口130及びステム流出案内孔230の位置は変更されない。
【0037】
そして、ステム流入案内孔220は、ステム200の回転軸と垂直に位置し、ステム200が回転するにつれて、ステム流入案内孔220の位置が流入口120と対向したり、又は対向しないように変更される。ステム流入案内孔220の位置が流入口120と対向すると、ステム流入案内孔220が開状態になり、ステム流入案内孔220の位置が流入口120と対向しないと、ステム流入案内孔220が閉状態になる。
【0038】
チューブ300は、ステム200の外周縁を包むように形成されるものであり、ステム200が挿入されるように内部が空洞の円柱状に形成することができる。そして、流入口120と対向するチューブ300の一側にチューブ流入案内孔310が形成され、流出口130と対向するチューブ300の他側にチューブ流出案内孔320が形成される。そして、相互に接触するチューブ300の外周縁とハウジング空間部110の内周縁との間は気密に接触する。これにより、ステム流入案内孔220の閉状態で流入口120に流入する流体は、流出口130に移動することができず、バルブの信頼性が向上する効果がある。
【0039】
一方、ステム200は、チューブ300の内部で容易に回転可能に構成される。このために、チューブ300の内周縁は、ステム200の外周縁が摺動しやすい材質でコーティングすることができる。そして、ステム200が回転するときチューブ300は回転しないので、ステム200の回転角度に応じてステム流入案内孔220がチューブ流入案内孔310及び流入口120と対向するように位置したり、又は対向しないように位置する。
【0040】
このように、ステム200及びチューブ300が円柱状に形成され、ステム空間部210がステム200の内部の長手方向に沿って長く形成されるので、ステム200及びチューブ300は、簡単な構造で形成され、コストの低い射出成形が可能な効果がある。
【0041】
又、チューブ300の両側に一対のOリング330がそれぞれ嵌められ、一対のOリング330の間にチューブ流入案内孔310が位置する。これにより、一対のOリング330は、チューブ300とハウジング空間部110との間を気密に閉鎖するように構成され、チューブ流入案内孔310に案内される流体がチューブ300とハウジング空間部110との間を通って他の所に抜け出すことができなくなる効果がある。そして、チューブ300の上側とステム200との間にはサブOリング350を設けることができる。
【0042】
以下、本発明の実施形態による微細調整用圧力調節装置の作用について説明する。
図5は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の開状態の断面図である。
【0043】
図4及び
図5を参照すると、回転手段500がステム200を回転させる角度に応じて、ステム流入案内孔220がチューブ流入案内孔310及び流入口120と対向するように位置すると、ステム流入案内孔220が開けられる。そうすると、流入口120に流入する流体がチューブ流入案内孔310及びステム流入案内孔220を介してステム空間部210に流入する。そして、ステム空間部210に流入した流体は、ステム空間部210を通って流出口130に流出する。
【0044】
このように、本発明は、ステム200を回転させる簡単な構造でステム流入案内孔220をオープンできるように構成されるので、部品の数を最小限に減らすことができ、製品の信頼性を向上させ、製品の製造コストを低減することができる効果がある。
【0045】
そして、ステム200がハウジング空間部110に挿入されるように位置し、ステム空間部210の中心部と、ステム流入案内孔220と流入口120とが互いに一列に位置するので、流入口120に流入する流体がステム流入案内孔220を通ってステム空間部210に移動する過程で、流体がステム空間部210の中心部に案内される。すなわち、流入口120からステム流入案内孔220に流入する流体は、いずれか一方に偏らず、ステム空間部210の中心部方向に案内されるので、流体は、ステム200がいずれか一方に回転するように圧力を加えることなく、小さな力でステム200を回転させることができ、これにより、ステム200の微細な調整が可能な効果がある。したがって、ステム200の微細な回転調整が可能であるので、流入口120と対向するステム流入案内孔220の面積を微細に調整することができ、流入口120からステム流入案内孔220に流入する流体の量を微細に調整することができる効果がある。
【0046】
一方、ステム流入案内孔220が流入口120と対向するように回転し、ステム流入案内孔220が開けられると、連結部450もステム200に従って回転するように構成されるが、このとき、連結部450に備えられるマーカー部460が露出孔420を介して外部に露出される。このように、露出孔420を介して連結部450に形成されたマーカー部460の位置をユーザが視覚的に確認することができるので、ステム流入案内孔220が現在開状態であるか、又は閉状態であるかを視覚的に明確に認知することができる。このように、外部でステム流入案内孔220の状態が現在開状態であるか、又は閉状態であるかを視覚的に分かるので、患者に正確に流体を移動又は遮断させることができるように制御できる効果がある。
【0047】
図6は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の閉状態でマーカー部が外部に露出されない状態を示す図であり、
図7は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置の閉状態の断面図である。
【0048】
図6及び
図7を参照すると、回転手段500がステム200を回転させるにつれて、ステム流入案内孔220が流入口120と対向しないように位置すると、ステム流入案内孔220が閉じられる。そうすると、流入口120に流入する流体がステム流入案内孔220に案内されないように遮断される。
【0049】
一方、ステム流入案内孔220が閉じられると、マーカー部460が露出孔420の反対側を向くように位置するので、マーカー部460が露出孔420を介して外部に露出されない。これにより、ユーザは、ステム流入案内孔220が流入口120と対向しないように位置した状態、すなわち、ステム流入案内孔220が閉じられた状態であることを視覚的に正確に認知することができる。
【0050】
図8及び
図9は、本発明の実施形態による微調整用圧力調節装置のサブOリングの他の例を説明するために示す図である。
【0051】
図8及び
図9を参照すると、チューブ300の上側には、チューブ300の上側に突出するステム200の上側の外周縁を包むようにサブOリング352を設けることができる。サブOリング352の直径は、チューブ300の直径よりも大きく形成され、サブOリング352の下側がチューブ300の上側に気密に密着される。これにより、チューブ300の周囲に移動する流体及びステム200の上側に移動する流体は、サブOリング352によって遮断されて連結部450方向に移動することができなくなる。
【符号の説明】
【0052】
100・・・ハウジング
110・・・ハウジング空間部
120・・・流入口
130・・・流出口
200・・・ステム
210・・・ステム空間部
220・・・ステム流入案内孔
230・・・ステム流出案内孔
300・・・チューブ
310・・・チューブ流入案内孔
320・・・チューブ流出案内孔
330・・・Oリング
350、352・・・サブOリング
400・・・位置案内部
410・・・収容部
420・・・露出孔
450・・・連結部
460・・・マーカー部
500・・・回転手段
510・・・回転本体